JP2010012719A - 撥液層被覆部材とその作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)被覆対象となる部材の表面がフッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂で構成される撥液層により被覆されている撥液層被覆部材。
(2)被覆対象となる部材の表面にフッ素系シランカップリング剤を付着させた後、未反応シラノール基を有する余剰のフッ素系シランカップリング剤を除去することなく、シリコーン樹脂を付着させることにより、フッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂で構成される撥液層を形成する撥液層被覆部材の作製方法。
【選択図】図1
Description
撥液層としては、Ni/PTFE共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着したもの、シリコーン系樹脂・フッ素系樹脂を塗布したもの等が挙げられる。
一方、上記の各種画像形成装置をはじめ、その他各種パターニング装置としての利用が益々活発になり、種々の物性(表面張力、粘度等)の吐出液体にも対応できることが求められるようになっている。
例えば、最近のインクジェットプリンタ用インクは、更なる高画質、高耐久性が求められている。そこで、表面張力を下げ媒体である紙への浸透性を上げて発色性を向上させること、色材を顔料にして画像耐光性、耐水性を上げること、樹脂を添加して画像定着性を上げること等の種々の改良が行なわれている。そのため、これらのインクを安定して使えるような高撥インク性、高耐久性のノズル板が必要とされている。
そこで、フッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂の性質を互いに補うべく、撥液層を両者で構成することも考えられる。しかし、両者はいずれも撥水、撥油性であるため、一方をノズル板に付着させた後に他方を付着させることはできなかった。また、両者を溶解・分散させる溶媒がほとんどないため、両者を混合してノズル板に塗布することもできなかった。
即ち、上記課題は、次の1)〜8)の発明(以下、本発明1〜8という)によって解決される。
1) 被覆対象となる部材の表面がフッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂で構成される撥液層により被覆されていることを特徴とする撥液層被覆部材。
2) 被覆対象となる部材がノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドのノズル板であって、その液滴吐出面側表面が前記撥液層により被覆されていることを特徴とする1)記載の撥液層被覆部材。
3) フッ素系シランカップリング剤が変性パーフルオロポリオキセタンであることを特徴とする1)又は2)記載の撥液層被覆部材。
4) 被覆対象となる部材の表面にフッ素系シランカップリング剤を付着させた後、未反応シラノール基を有する余剰のフッ素系シランカップリング剤を除去することなく、シリコーン樹脂を付着させることにより、フッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂で構成される撥液層を形成することを特徴とする撥液層被覆部材の作製方法。
5) 被覆対象となる部材が、ノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドのノズル板であることを特徴とする4)記載の撥液層被覆部材の作製方法。
6) 2)記載の撥液層被覆部材を用いた液体吐出ヘッド。
7) 6)記載の液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置。
8) 6)記載の液体吐出ヘッドを用いたインクジェット記録装置。
本発明における撥液層被覆部材とは、撥液・防汚等を目的として撥液層が設けられる種々の部材のことであるが、具体的には、建築資材、トイレ・水周り用品、ガラス、電子材料、自動車外装、スポーツ・レジャー用品、レンズ、ディスペンサーの吐出口を構成する部材等を挙げることができる。
中でも、建築資材や自動車外装等、屋外で用いられる部材には耐久性が求められるので、耐久性の高い本発明の撥液層被覆部材が特に有効である。また、電子材料は、撥液の対象となる液体が水でなく油成分の場合もあるため、撥液性の高い本発明の撥液層被覆部材が特に有効である。
さらに、撥液層被覆部材がインクジェットヘッドのノズル板である場合に、本発明が特に有効である。インクジェットヘッドのノズル板は、インクがノズル面に付いた状態でノズル面がワイパーブレードにより擦られる(ワイピング)ことから、求められる耐久性が厳しいため、耐久性の高い本発明が特に有効である。
本発明では、フッ素系シランカップリング剤を、先に被覆対象となる部材に付着させる〔図1(a)〕。従来は、この段階で未反応シラノール基を有する余剰のフッ素系シランカップリング剤を除去していたが、本発明では除去せずに、余剰のカップリング剤が存在する状態のままでシリコーン樹脂を付着させる。これにより、両者が入り混じった混合層ができる〔図1(b)〕。なお、図1(a)、(b)中のフッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂の存在状態を模式的に示すため、図1(c)、(d)に示す記号を用いた。(d)に示した架橋剤は、付着させるシリコーン樹脂組成物中に含まれる架橋剤である。
未反応シラノール基を有する余剰のフッ素系シランカップリング剤が重要なのは、未反応シラノール基(−SiOH)と、前記架橋剤とが反応することにより、シロキサン結合(Si−O)を介して、フルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基とシリコーン樹脂が架橋するからである。この場合、シリコーン樹脂中に反応可能なシラノール基があれば、前記未反応シラノール基と結合することにより撥液層の形成に寄与するが、架橋剤を含む場合には架橋剤による架橋反応が主となる。
例えば、前記未反応シラノール基とシリコーン樹脂中の反応可能なシラノール基同士の結合により撥液層が形成できるならば、架橋剤を含まないシリコーン樹脂組成物を用いてもよい。
本発明は、特に吐出液体がインクで、色材として顔料を用いている顔料インクの場合、さらには、インク中に樹脂微粒子を含有している場合の耐擦性などの耐久性向上に対して非常に効果的である。
フッ素系シランカップリング剤の例としては、特公平3−43065号、特開平6−210857号、特開平10−32984号、特開2000−94567号、特開2002−145645号、特開2003−341070号、特開2007−106024号、特開2007−125849号公報等に開示されたものが挙げられる。特に、変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業製オプツールDSX)が好ましい。
フッ素系シランカップリング剤層の形成方法としては、スピンコート、ロールコート、ディッピング等の塗布、印刷、真空蒸着等が挙げられる。
被覆対象となる部材の材料としては、水酸基(−OH)を多く持つガラス、アルミナ、SiO2などの無機酸化物、SUS、Ni、Al、Cuなどの金属が挙げられる。
本発明の撥液層の膜厚は10〜1000nmが好ましく、特にフッ素系シランカップリング剤の余剰分が重要であるため、フッ素系シランカップリング剤の付着量を単独で用いる場合よりも多くすることが望ましい。
撥液層を形成する際、電着法以外ではノズル板裏面、ノズル孔内部などシリコーン層を形成しない部分はフォトレジスト、水溶性樹脂、テープ等でマスキングし、撥液層形成後にマスキング材料を除去すれば、目的の部分にのみ撥液層を形成することができる。
なお、本発明に係る液体吐出装置とは、ワーク(例えば、記録用紙、基板)に対し、搭載した液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、ワークに対して、文字や図形等の意味を持つ画像を形成する装置だけでなく、金属配線パターンやベタ塗り等の意味のもたない画像を形成する装置も含む。そして、液体吐出装置の代表例が、液体吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置である。
また、液体吐出装置が吐出する液滴(液体)には、後述するインクジェット記録用インクのほか、回路基板の金属配線パターンを形成するための金属材料(例えば金属ナノ粒子)や、回路基板の層間絶縁膜を形成するための絶縁体材料(例えば紫外線硬化樹脂)や、カラーフィルターの各部を構成する材料(例えばR・G・B各色のフィルタ材料)を含む液体が用いられる。
さらに、図示しないが、各インクジェットヘッド134に、それぞれ色の異なる(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)インクジェット用インク(以下、単に「インク」ともいう。)を導入するインクカートリッジ、キャリッジ133をキャリッジ走査方向に移動するキャリッジ駆動部、駆動ローラー157を回転させて搬送ベルト141を走行させるベルト駆動部、各インクジェットヘッド134を吐出駆動させるヘッドドライバ、キャリッジ133の走査領域の一方の端部に設けられ、各インクジェットヘッド134に対してメンテナンスを行うメンテナンス装置等を備えている。メンテナンス装置は、キャップ、ワイパーブレード、空吐出受け、ワイパークリーナー等から構成されている。
そして、インクジェット記録装置は、4個のインクジェットヘッド134を、キャリッジ133を介してキャリッジ走査方向に移動させながら、各色のインクを記録用紙142に吐出させると共に、記録用紙142をベルト搬送方向に搬送することで、記録用紙142に対して画像を形成(印刷)するようになっている。
ノズル板30は、金属材料、例えば、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成されたものである。このノズル板30のインク吐出面側表面(液滴吐出面側表面)に、本発明に係る撥インク層3b(撥液層)が形成されている。
インク構成成分としては、例えば、色材、湿潤剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、その他の添加剤(防腐防黴剤、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、pH調整剤等)、樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
色材としては、従来公知のものであればいずれも使用することができるが、特に顔料を用いたインクの場合に、顔料の分散粒子が撥インク層表面に与える影響が大きいため、本発明が効果的である。
特に、フッ素系界面活性剤を用いると、インクの表面張力を下げて紙への濡れ性が上がり発色性を向上させる効果は大きいが、一方でノズル板の撥インク性を確保することが難しくなり、耐久性を維持することも難しくなる。したがって、フッ素系界面活性剤を用いる場合には、撥液性、耐久性の極めて高い撥液層を有するノズル板に係る本発明の効果がより顕著に現れる。
また、本発明6〜8によれば、前記ノズル板を用いた液体吐出ヘッド、該ヘッドを用いた液体吐出装置或いはインクジェット記録装置を提供できる。
Ni電鋳ノズル板のインク吐出面側表面上に、スパッタリング法で厚さ約50nmのSiO2層を形成した後、フッ素系シランカップリング剤である変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業製オプツールDSX)を真空蒸着法により厚さ約100nm付着させた。
次いで、シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製SR2411)をリグロインで5倍希釈し、前記変性パーフルオロポリオキセタン層上に、ディッピング法により約0.1mg/cm2付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂(クラレ製ポバールPVA405)で、ノズル板裏面をテープ(マスキングテープ:日東電工製N−300)でマスキングしておき、シリコーン樹脂付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で150℃2時間加熱して撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、下記のブラックインクに対する後退接触角を拡張収縮法により測定した。さらに、プリンターで実際に使用したときの機械的強度の指標として、ワイパーブレード(EPDMゴム硬度70°)を用いて、下記のブラックインクを付着させた状態で5000回ワイピングした後の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
<ブラックインク>
キャボット製カーボンブラック分散体(スルホン基付加型自己分散タイプ)を用いて、以下の処方で混合攪拌後、0.8μmポリプロピレンフィルターで濾過し、ブラックインクを作製した。
・カーボンブラック分散体:CAB−O−JET 200、スルホン基付加型…40部
(キャボット社製)
・アクリルシリコン系樹脂エマルジョン:ナノクリルSBCX−2821… 8部
(東洋インキ社製)
・1,3−ブタンジオール… 18部
・グリセリン… 9部
・フッ素系界面活性剤:FS−300(Du Pont社製)… 2部
・プロキセルLV(アビシア社製)… 0.2部
・イオン交換水… 22.8部
実施例1と同様にして作製したノズル板について、ブラックインクを下記処方のものに変更した点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を評価した。
結果を表1に示す。
<ブラックインク>
・カーボンブラック分散体:CAB−O−JET 200、スルホン基付加型…45部
(キャボット社製)
・1,3−ブタンジオール… 18部
・グリセリン… 9部
・フッ素系界面活性剤:FS−300(Du Pont社製)… 2部
・プロキセルLV(アビシア社製)… 0.2部
・イオン交換水… 25.8部
SUSノズル板のインク吐出面側表面上に、変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業製オプツールDSX)をディッピング法で厚さ約200nm付着させた。
次いで、シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製SR2410)をリグロインで5倍希釈し、前記変性パーフルオロポリオキセタン層上に、ディッピング法により約0.1mg/cm2付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂で、ノズル板裏面をテープでマスキングしておき、シリコーン樹脂付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で150℃2時間加熱して撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、下記のシアンインクを用いた点以外は実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
<シアンインク>
特開2001−139849号公報の調製例3を参考にして、銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。
即ち、次のようにしてポリマー溶液を調製した。
まず、機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成社製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gメチルエチルケトン40gを混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン342gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
次に、前記ポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1モル/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水30gを十分に攪拌した後、3本ロールミル(ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。
得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0重量%のシアン色のポリマー微粒子分散液160gを得た。
次に、上記ポリマー微粒子分散液を含む下記処方の材料を混合攪拌した後、0.8μmポリプロピレンフィルターで濾過し、シアンインクを作製した。
・シアンポリマー微粒子分散液… 55部
・1,3−ブタンジオール… 21部
・グリセリン… 8部
・界面活性剤:CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH… 2部
・イオン交換水… 14部
実施例3と同様にして作製したノズル板について、下記のイエローインクを用いた点以外は実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
<イエローインク>
イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー128を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入した顔料を作製した。この顔料をイオン交換水に分散し、限外濾過膜で脱塩濃縮し、顔料濃度15重量%のイエロー顔料分散液とした。
このイエロー顔料分散液を含む下記処方の材料を混合撹拌し、イエローインクを作製した。
・イエロー顔料分散液… 45部
・ポリウレタン系樹脂エマルジョンW5661(三井武田ケミカル製)… 2.5部
・1,3−ブタンジオール… 20部
・グリセリン… 8部
・界面活性剤:CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH… 2部
・イオン交換水… 22.5部
Ni電鋳ノズル板のインク吐出面側表面上に、スパッタリング法で厚さ約50nmのSiO2層を形成した後、フッ素系シランカップリング剤(東レダウコーニング社製AY43−013)をディッピング法で厚さ約300nm付着させた。なお、このシランカップリング剤の詳細な構造は不明であるが、変性パーフルオロポリオキセタンではなく、フルオロアルキル基を有する炭化水素がシランカップリング部位と結合しているものである。
次いでその上に、シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製SR2316)を、ディッピング法により約0.3mg/cm2付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂で、ノズル板裏面をテープでマスキングしておき、シリコーン樹脂付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で100℃2時間加熱して撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、下記のマゼンタインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
<マゼンタインク>
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.8μmポリプロピレンフィルターで濾過し、粘度2.0mPa・s(25℃)、表面張力29.7mN/m(25℃)のマゼンタインクを作製した。
・Daiwa IJ Magenta R(ダイワ化成社製)… 50部
・グリセリン… 5.2部
・ジエチレングリコール… 15.6部
・界面活性剤:ECTD3NEX〔ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸
ナトリウム:日光ケミカルズ社製〕… 1.0部
・イオン交換水… 28.2部
Ni電鋳ノズル板のインク吐出面側表面上に、スパッタリング法で厚さ約50nmのSiO2層を形成した後、フッ素系シランカップリング剤である変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業製オプツールDSX)を真空蒸着法で厚さ約100nm付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂で、ノズル板裏面をテープでマスキングしておき、変性パーフルオロポリオキセタン付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で100℃2時間加熱して撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
Ni電鋳ノズル板のインク吐出面側表面上に、シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製SR2411)を、ディッピング法により約1mg/cm2付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂で、ノズル板裏面をテープでマスキングしておき、シリコーン樹脂付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で150℃2時間加熱硬化させて撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
比較例1で作製したノズル板について、実施例2で作製したブラックインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
比較例2で作製したノズル板について、実施例2で作製したブラックインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
SUSノズル板のインク吐出面側表面上に、変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業製オプツールDSX)をディッピング法により厚さ約200nm付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂で、ノズル板裏面をテープでマスキングしておき、変性パーフルオロポリオキセタン付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で150℃2時間加熱して撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、実施例3で作製したシアンインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
SUSノズル板のインク吐出面側表面上に、シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製SR2410)を、ディッピング法により約1mg/cm2付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂で、ノズル板裏面をテープでマスキングしておき、シリコーン樹脂付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で150℃2時間加熱して撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、実施例3で作製したシアンインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
比較例5で作製したノズル板について、実施例4で作製したイエローインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
比較例6で作製したノズル板について、実施例4で作製したイエローインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
Ni電鋳ノズル板のインク吐出面側表面上に、スパッタリング法により厚さ約50nmのSiO2層を形成した後、フッ素系シランカップリング剤(東レダウコーニング製AY43−013)を、ディッピング法により厚さ約300nm付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂で、ノズル板裏面をテープでマスキングしておき、フッ素系シランカップリング剤付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で100℃2時間加熱して撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、実施例5で作製したマゼンタインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
Ni電鋳ノズル板のインク吐出面側表面上に、シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製SR2316)を、ディッピング法により約1mg/cm2付着させた。その際、ノズル孔を水溶性樹脂で、ノズル板裏面をテープでマスキングしておき、シリコーン樹脂付着後、マスキング材料を除去した。
続いて、大気中で100℃2時間加熱して撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、実施例5で作製したマゼンタインクを用いた点以外は、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。
結果をそれぞれ表1に示す。
Ni電鋳ノズル板のノズル孔及びノズル板裏面を絶縁性のドライフィルムレジストDFRでマスキングし、上村工業社製Ni−PTFE共析めっき液メタフロンを用いて、電解メッキによりNi−PTFE共析層を厚さ約2μm形成した後、DFRを除去した。
続いて、350℃で1時間熱処理して、ノズル面に撥インク層を形成した。
このようにして作製したノズル板について、実施例1と同様にして2種類の後退接触角を測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
また、フッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂のうち、シリコーン樹脂のみで撥インク層を形成した比較例2に比べて、フッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂の双方で撥インク層を形成した点を除き、同じインク及びノズル板を用いた実施例1の方が、初期の後退接触角が高く、撥インク性に優れていることが分かった。比較例4と実施例2、比較例6と実施例3、比較例8と実施例4、比較例10と実施例5をそれぞれ比較しても、同様の結果であった。
以上より、本発明に係る実施例1〜5のノズル板は、撥インク性及び耐久性に優れていることが分かった。
さらに、フッ素系シランカップリング剤が変性パーフルオロポリオキセタンである実施例1〜4は、フッ素系シランカップリング剤が変性パーフルオロポリオキセタンではない実施例5に比べ、初期の後退接触角が高く、さらに撥インク性に優れていることが分かった。
2a 流体抵抗部
2b 加圧液室
2c 連通口
3a ノズル
3b 撥インク層(撥液層)
3c ノズル内部の内壁
5g 支持部(非駆動部)
5f 駆動部
6a 凸部
6b ダイヤフラム部
6c インク流入口
10 フレーム
20 流路板
30 ノズル板
40 ベース
50 積層圧電素子
60 振動板
70 接着層
131 ガイドロッド
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
141 用紙積載部(圧板)
142 用紙
157 搬送ローラー
158 テンションローラー
Claims (8)
- 被覆対象となる部材の表面がフッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂で構成される撥液層により被覆されていることを特徴とする撥液層被覆部材。
- 被覆対象となる部材がノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドのノズル板であって、その液滴吐出面側表面が前記撥液層により被覆されていることを特徴とする請求項1記載の撥液層被覆部材。
- フッ素系シランカップリング剤が変性パーフルオロポリオキセタンであることを特徴とする請求項1又は2記載の撥液層被覆部材。
- 被覆対象となる部材の表面にフッ素系シランカップリング剤を付着させた後、未反応シラノール基を有する余剰のフッ素系シランカップリング剤を除去することなく、シリコーン樹脂を付着させることにより、フッ素系シランカップリング剤及びシリコーン樹脂で構成される撥液層を形成することを特徴とする撥液層被覆部材の作製方法。
- 被覆対象となる部材が、ノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドのノズル板であることを特徴とする請求項4記載の撥液層被覆部材の作製方法。
- 請求項2記載の撥液層被覆部材を用いた液体吐出ヘッド。
- 請求項6記載の液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置。
- 請求項6記載の液体吐出ヘッドを用いたインクジェット記録装置。
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