JP2023183431A - インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Shunsuke Horie
健太 萩原
Kenta Hagiwara
広紀 小林
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Abstract

【課題】吐出復帰性と印字画像の乾燥性との両立が可能なインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】インクの液滴を吐出する吐出工程と、前記ノズル内のインクを排出するノズルメンテナンス工程と、を有し、以下の要件(1)~(4)を充たすことを特徴とするインクジェット記録方法である。(1)前記インクが、樹脂、有機溶剤、及び水を含有する(2)前記樹脂の固形成分の含有量が、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である(3)前記インクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して、26質量%以上32質量%以下である(4)前記ノズルメンテナンス工程において、電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波でノズル内のインクに圧力をかけ、1滴あたり5pL以上のインクの液滴を100滴/1sec以上の頻度で吐出する【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
近年、壁紙、広告、看板等の産業用途において、テキスタイルやキャンバス生地等の浸透性記録媒体が使用されており、このような浸透性記録媒体に用いられるインクが種々開発されている。例えば、溶媒として有機溶剤を用いた溶剤系インク、重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インク、環境負荷が少なく、浸透性記録媒体に直接記録できる水性インクなどが広く用いられている。当該水性インクを利用した画像形成装置としては、例えば、不可避的に発生するサテライト滴による画像品質の低下を低減させる目的で、圧力発生手段を備えた液滴吐出ヘッド、当該圧力発生手段を駆動する駆動波形を与える手段、及び主滴を吐出させる第1波形要素と、吐出した主滴に伴うサテライト滴の滴速度を、主滴を吐出させることなく高める第2の波形要素とを含む駆動波形を生成する手段を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、吐出復帰性と印字画像の乾燥性との両立が可能なインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明は、インクの液滴が吐出されるノズルを有するノズル板、前記ノズルに連通する液室、及び前記液室内に圧力を発生させる圧力発生手段を有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する吐出工程と、
前記ノズル内のインクを排出するノズルメンテナンス工程と、を有し、
以下の要件(1)~(4)を充たすことを特徴とするインクジェット記録方法である。
(1)前記インクが、樹脂、有機溶剤、及び水を含有する
(2)前記樹脂の固形成分の含有量が、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である
(3)前記インクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して、26質量%以上32質量%以下である
(4)前記ノズルメンテナンス工程において、電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波でノズル内のインクに圧力をかけ、1滴あたり5pL以上のインクの液滴を100滴/1sec以上の頻度で吐出する
本発明によれば、吐出復帰性と印字画像の乾燥性との両立が可能なインクジェット記録方法を提供することができる。
図1は、本発明のインクジェット記録方法を実施するインクジェット記録装置の一例を示す図である。 図2は、図1のインクジェット記録装置のメインタンクの一例を示す説明図である。 図3は、本発明のインクジェット記録方法に係る駆動波形の一例を示す説明図である。 図4は、デキャップ状態で記録ヘッドを放置したことにより生ずる吐出遅れを説明するための説明図である。
一般的に、溶剤系インクには、有機溶剤の蒸発による環境への影響が懸念される場合があり、紫外線硬化型インクには、安全性の面から使用する重合性モノマーの選択肢が限られる場合がある。環境負荷を低減する目的で、浸透性記録媒体に直接記録できる水性インクが提案されているが、上記特許文献1に記載の発明のように、インクジェット記録装置に水性インクを用いる場合、インクジェットヘッドから吐出される水性インクの粘度によっては、吐出安定性及び印字品質に影響を与える場合がある。例えば、吐出されるインクの粘度が低い場合、インクジェットヘッド内部で形成されるメニスカスが不安定になり、インクの液滴の不吐出や吐出滴の速度のばらつきにつながるという課題がある。また、水性インクに含まれる低粘度溶剤は低沸点であることが多いことから、インクの乾燥性が高くなる傾向がある。すると、インクジェットヘッドのノズル内で乾燥しやすくなり、吐出復帰性が悪くなるといった問題も生じることがある。一方で、高粘度のインクを用いると、インクの乾燥性が低下して記録媒体への定着性が弱くなったり、インクジェットヘッドからの吐出時に吐出滴の後端からサテライト滴が発生し、画像品質が低下したりするという課題がある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、圧力発生手段に対し駆動パルスを印加して、インクの液滴を吐出するインクジェット記録方法において、特定の条件を有するノズルメンテナンス工程と、特定の組成を有するインクと用いることで、吐出復帰性と印字画像の乾燥性とを両立させることができることを見出した。
したがって、本発明においては、インクの液滴が吐出されるノズルを有するノズル板、前記ノズルに連通する液室、及び前記液室内に圧力を発生させる圧力発生手段を有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する吐出工程と、前記ノズル内のインクを排出するノズルメンテナンス工程と、を有し、以下の要件(1)~(4)を充たすことによって、吐出復帰性と印字画像の乾燥性との両立が可能なインクジェット記録方法を実現することができる。
(1)前記インクが、樹脂、有機溶剤、及び水を含有する
(2)前記樹脂の固形成分の含有量が、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である
(3)前記インクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して、26質量%以上32質量%以下である
(4)前記ノズルメンテナンス工程において、電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波でノズル内のインクに圧力をかけ、1滴あたり5pL以上のインクの液滴を100滴/1sec以上の頻度で吐出する
以下、本発明について具体的に説明する。
(インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録方法は、ノズル板と、液室と、圧力発生手段とを有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する吐出工程と、ノズルメンテナンス工程とを有し、特定の要件(1)~(4)を充たすことを特徴とする。また、当該インクジェット記録方法は、必要に応じて、その他の工程(A)を有していてもよい。
本発明のインクジェット記録装置は、ノズル板と、液室と、圧力発生手段とを有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する吐出手段と、ノズルメンテナンス手段とを有し、特定の要件(1)~(4)を充たすことを特徴とする。また、当該インクジェット記録装置は、必要に応じて、その他の手段(A)を有していてもよい。
前記吐出工程は、前記吐出手段によって好適に実施することができ、前記ノズルメンテナンス工程は、前記ノズルメンテナンス手段によって好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段によって好適に実施することができる。
<吐出工程、及び吐出手段>
本発明における吐出工程は、ノズル板と、液室と、圧力発生手段とを有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する工程である。
本発明における吐出手段は、ノズル板と、液室と、圧力発生手段とを有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する手段である。
<<記録ヘッド>>
前記記録ヘッドは、後述するインクを吐出して印刷層を形成する手段であり、ノズル板と、液室と、圧力発生手段とを有し、必要に応じて、その他の手段(B)を有していてもよい。
-ノズル板-
前記ノズル板は、ノズル基板と、当該ノズル基板上に撥インク膜とを有する。
--ノズル基板--
前記ノズル基板は、ノズル孔を有しており、その数、形状、大きさ、材質、構造などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。当該ノズル基板は、当該ノズル孔からインクが吐出されるインク吐出側の面と、当該インク吐出側の面とは反対側に位置する液室接合面とを有する。
前記撥インク膜は、前記ノズル基板の前記インク吐出側の面であり、記録媒体に対向する面に形成されている。
前記ノズル基板の平面形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長方形、正方形、菱形、円形、楕円形などが挙げられる。また、当該ノズル基板の断面形状としては、例えば、平板状、プレート状などが挙げられる。
前記ノズル基板の大きさとしては、特に制限はなく、前記ノズル板の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記ノズル基板の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、Al、Bi、Cr、InSn、ITO、Nb、Nb、NiCr、Si、SiO、Sn、Ta、Ti、W、ZAO(ZnO+Al)、Znなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記ノズル基板の材質は、防錆性の点から、ステンレス鋼が好ましい。当該ステンレス鋼としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ノズル基板の少なくとも前記インク吐出側の面は、前記撥インク膜と前記ノズル基板との密着性を向上させる点から、酸素プラズマ処理を行って水酸基を導入してもよい。
前記ノズル基板におけるノズル孔の数、配列、間隔、開口形状、開口の大きさ、開口の断面形状などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ノズル孔の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の前記ノズル孔が、前記ノズル基板の長さ方向に沿って等間隔に並んで配列されている態様などが挙げられる。当該ノズル孔の配列は、吐出するインクの種類に応じて適宜選択することができるが、1列~複数列が好ましく、1列~4列がより好ましい。
前記1列当たりの前記ノズル孔の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、10個以上10,000個以下が好ましく、50個以上500個以下がより好ましい。
隣接する前記ノズル孔の中心間の最短距離である間隔(ピッチ)Pとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、21μm以上169μm以下が好ましい。
前記ノズル孔の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。これらの中でも、前記ノズル孔の開口形状は、インクの液滴を吐出する点から、円形が好ましい。
--撥インク膜--
前記撥インク膜としては、撥インク性の点から、シリコーン樹脂、又はフッ素樹脂を含有することが好ましい。なお、当該撥インク膜は、撥インク材料含有膜、ポリマー含有膜、シリコーン樹脂含有膜、フッ素樹脂含有膜などと称することもある。
前記シリコーン樹脂は、SiとOからできたシロキサン結合を基本骨格とした樹脂であり、オイル、レジン、エラストマー等の種々の形態で市販されており、撥インク性以外にも耐熱性、離型性、消泡性、粘着性等種々の特性を備えている。前記シリコーン樹脂は常温硬化、加熱硬化、紫外線硬化型等があり、作製方法、使用用途に応じて選択できる。
前記シリコーン樹脂を含有する撥インク膜をノズル面(前記インク吐出側)上に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液状のシリコーン樹脂材料を真空蒸着する方法、シリコーンオイルをプラズマ重合することにより形成する方法、スピンコート、ディッピング、スプレーコート等の塗布により形成する方法、電着法などが挙げられる。当該撥インク層を形成する際には、電着法以外ではノズル孔及びノズル板のインク吐出側の面とは反対側の面をフォトレジスト、水溶性樹脂等でマスキングし、撥インク層形成後、レジストを剥離除去すればノズルプレートの吐出側の面のみに、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を形成することができる。この場合、アルカリ性の強い剥離液を使用すると撥インク層へダメージを与えるので、注意が必要である。
前記シリコーン樹脂を含む撥インク膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上5.0μm以下が好ましく、0.1μm以上1.0μm以下がより好ましい。
前記フッ素樹脂としては、特に制限はないが、含フッ素アクリレートエステル重合体、又は主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体が好ましい。前記撥インク膜が、当該含フッ素アクリレートエステル重合体、又は当該主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体を含むことにより、表面自由エネルギーが非常に小さくなり、表面張力の低いインクであっても濡れ難い状態を維持できるため好ましい。
前記含フッ素アクリレートエステル重合体におけるフッ素の含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、撥インク(接触角)の点から、10質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
前記含フッ素アクリレートエステル重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記含フッ素アクリレートエステル重合体の市販品としては、例えば、krytox(登録商標)FSL、krytox(登録商標)FSH(以上、デュポン社製)、FomblinZ、FLUOROLINKS10(以上、ソルベイソレクシス社製)、オプツールDSX(ダイキン工業株式会社製)、モレスコホスファロールA20H、モレスコホスファロールADOH、モレスコホスファロールDDOH(以上、株式会社MORESCO製)、フロロサーフFG5010、フロロサーフFG5020、フロロサーフFG5060、フロロサーフFG5070(以上、株式会社フロロテクノロジー製)、サイトップCTX-105、サイトップCTX-805(以上、AGC株式会社製)、テフロン(登録商標)AF1600、テフロン(登録商標)AF2400(デュポン社製)などが挙げられる。
前記撥インク膜は、前記含フッ素アクリレートエステル重合体骨格を分子中に含む化合物膜で構成されていてもよい。前記ノズル板と前記撥インク膜との間には、含フッ素アクリレートエステル重合体骨格を分子中に含む化合物との結合点となる水酸基を多く存在させて密着性を向上させるために、無機酸化物層を設けることもできる。
前記無機酸化物層の材料としては、例えば、SiO、TiOなどが挙げられる。
前記無機酸化物層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.001μm以上0.2μm以下が好ましく、0.01μm以上0.1μm以下がより好ましい。
前記含フッ素アクリレートエステル重合体骨格を分子中に含む化合物による撥インク膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フッ素系溶媒を用いたスピンコート、ロールコート、ディッピング等の塗布、印刷、真空蒸着等の方法などが挙げられる。
前記フッ素系溶媒としては、例えば、ノベック(スリーエムジャパン株式会社製)、バートレル(デュポン社製)、ガルデン(ソルベイソレクシス社製)、アフルード(登録商標)(AGC株式会社製のフッ素系溶剤)、フロリナートFC-75(スリーエムジャパン株式会社製のパーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン)を含んだ液体)などが挙げられる。
-液室-
前記液室は、前記ノズル基板に設けられた複数のノズル孔に個別に対応して配置される。当該液室は、前記ノズル孔と連通する複数の個別流路であり、インク流路、加圧液室、圧力室、吐出室、加圧室などと称することもある。
-圧力発生手段-
前記圧力発生手段は、前記液室内に圧力を発生させる手段である。
前記圧力発生手段としては、例えば、前記記録ヘッド内のインク流路内にある前記液室に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、当該圧電素子が撓み、当該圧力室の容積が収縮して、当該記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出させる方法などが挙げられる。これらの中でも、ピエゾ素子に電圧を印加してインクを飛翔させるピエゾ方式が好ましい。
また、前記圧力発生手段の他に、刺激発生手段を併用することができる。
前記刺激発生手段とは、後述するインクに対して印加する刺激を発生させる手段である。当該刺激発生手段における刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱が好ましい。
前記刺激発生手段における刺激が「熱」の場合、前記記録ヘッド内のインクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを、例えば、サーマルヘッド等を用いて付与し、当該熱エネルギーによりインクに気泡を発生させ、当該気泡の圧力により、前記ノズル基板のノズル孔からインクを液滴として吐出させる方法などが挙げられる。
前記圧力発生手段、及び前記刺激発生手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。具体的には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
前記吐出工程、及び前記吐出手段におけるインクの液滴の大きさ、吐出噴射の速さ、駆動周波数、解像度等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記インクの液滴の大きさとしては、3pL以上40pL以下とするのが好ましい。
前記インクの吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下とするのが好ましい。
前記駆動周波数としては、1kHz以上とするのが好ましい。
前記解像度としては、300dpi以上とするのが好ましい。
<メンテナンス工程、及びメンテナンス手段>
本発明におけるメンテナンス工程は、前記ノズル板におけるノズル内のインクを排出する工程であり、以下の要件(4)を充たす。
本発明におけるメンテナンス手段は、前記ノズル板におけるノズル内のインクを排出する手段であり、以下の要件(4)を充たす。
-要件(4)-
電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波でノズル内のインクに圧力をかけ、1滴あたり5pL以上のインクの液滴を100滴/1sec以上の頻度で吐出する
ここで、本発明を実施するための基本駆動波形の一例について、図3を参照して説明する。図3は、本発明のインクジェット記録方法に係る駆動波形の一例を示す説明図である。
図3に示される駆動波形は、「基準電位Vref」を保持する波形要素S1、波形要素S1に続いて「電圧Vref」から「電圧V」までたち下がる波形要素S2、波形要素S2に続いて「電圧V」を保持する波形要素S3、波形要素S3に続いて「電圧V」までたち上がる波形要素S4、波形要素S4に続いて「電圧V」を保持する波形要素S5、波形要素S5に続いて「電圧V」から「電圧Vref」までたち下がる波形要素S6、波形要素S6に続いて「電圧Vref」を保持する波形要素S7、波形要素S7に続いて「電圧Vref」から「電圧V」までたち下がる波形要素S8、波形要素S8に続いて「電圧V」を保持する波形要素S9、波形要素S9に続いて「電圧Vref」までたち上がる波形要素S10を含む。
図3に示される駆動波形は、波形要素S1からS6で構成される第1の波形要素P1と、波形要素S8からS10で構成される第2の波形要素P2とに分けられる。前記要件(4)における「電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波」は、図3に示される駆動波形におけるP1が対応している。
前記ノズルメンテナンス工程では、上記波形要素を含む駆動波形を記録ヘッドに入力し、ノズル内のインクを排出する。波形要素P1によるパルス波は、ノズル面からインクの液滴を吐出し、ノズル面で外気と接して乾燥、高粘度化したインクを排出することで、ノズル孔内のインク粘度を均一に保ち、吐出滴の速度のばらつきを低減することができる。また、ノズル面内の乾燥したインクを排出するためのインクの固着を防ぎ、インクの液滴の不吐出を防ぐことができる。このとき、吐出されるインクの液量及び吐出する滴数を調整し、前記要件(4)における液量及び吐出頻度にすることで、吐出復帰性と乾燥性とを両立するインクジェット印字システムを提供することができる。
前記ノズルメンテナンス工程における電圧値は、12.5V以上14.0V以下であれば特に制限はないが、ノズル面の安定性という観点から、12.9V以上13.6V以下が好ましい。
前記ノズルメンテナンス工程において吐出されるインク量としては、1滴あたり5pL以上であれば特に制限はないが、ノズル内で乾燥し増粘したインクの排出とインク消費量の観点から、10pL以上15pL以下が好ましい。
前記ノズルメンテナンス工程における吐出頻度としては、100滴/1sec以上であれば特に制限はないが、ノズル内で乾燥し増粘したインクの排出とインク消費量の観点から、100滴/1sec以上500滴/1sec以下が好ましい。
前記駆動パルスは、1滴のインクの液滴を吐出するにあたり、2つ以上の駆動パルスを組み合わせてもよい。
<その他の工程(A)、及びその他の手段(A)>
前記その他の工程(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、被印刷物を加熱する加熱工程などが挙げられる。
前記その他の手段(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、被印刷物を加熱する加熱手段などが挙げられる。当該加熱手段としては、被印刷物としての記録媒体の印刷面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
被印刷物としての記録媒体を乾燥させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクが付与された記録媒体に乾燥手段として温風等の加熱された流体を接触させる方法、インクが付与された記録媒体と加熱部材とを接触させ伝熱により加熱する方法、赤外線や遠赤外線等のエネルギー線を照射することによりインクが付与された記録媒体を加熱する方法などが挙げられる。
加熱は、印刷前、印刷中、及び印刷後の少なくともいずれかに行うことができる。印刷前、印刷中の加熱により、加温したメディアに印刷することが可能となり、印刷後の加熱では、印刷物を乾燥することができる。加熱時間としては、記録媒体の表面温度を所望温度に制御することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。当該加熱時間の制御は、被印刷物としての記録媒体の搬送速度を制御することにより行うことが好ましい。
<インク>
本発明におけるインクは、以下の要件(1)~(3)を充たす。また当該インクは、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。
-要件(1)-
インクが、樹脂、有機溶剤、及び水を含有する
-要件(2)-
樹脂の固形成分の含有量が、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である
-要件(3)-
前記インクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して、26質量%以上32質量%以下である
<<樹脂>>
本発明におけるインクに含まれる樹脂の固形成分の含有量は、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である。また、当該樹脂の固形成分の含有量は、インク全量に対して、9質量%以上11質量%以下が好ましい。
前記樹脂の固形成分の含有量が上記範囲であると、リガメント長を短くすることができ、良好である。なお、リガメント長とは、インクの主滴が通過した後に、サテライト滴の後端が通過するまでに経過した時間(μs)を表す。リガメント長を短くすることで、着弾ずれが回避され、好適に画像を形成することができる。
本発明におけるインクに含まれる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ウレタン樹脂が好ましい。
前記ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂などが挙げられる。当該ウレタン樹脂の特徴としては、凝集力が弱いポリオール成分からなるソフトセグメントと、凝集力の強いウレタン結合からなるハードセグメントとのそれぞれの性能を発揮することが挙げられる。ソフトセグメントはやわらかく、引き伸ばしや折り曲げなど基材の変形に強い一方、ハードセグメントは基材に対する密着性が高く、耐摩耗性に優れている。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。当該樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクや表面処理用組成物を得ることが可能である。なお、当該表面処理用組成物とは、記録媒体の表面に塗布することで、インク塗膜の定着性を向上させることを目的とするものであり、前処理液やオプティマイザーなどと称されることもある。
前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、及び高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下がさらに好ましい。当該樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラックWave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種単独で用いても、2種以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
<<沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤>>
本発明におけるインクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量は、インク全量に対して26質量%以上32質量%以下である。前記沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して26質量%以上32質量%以下であることによって、記録媒体への高い密着性と吐出復帰性とを両立することができる。なお、本明細書において、「沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤」は、「特定の有機溶剤」と称することがある。
前記特定の有機溶剤としては、沸点が200℃以上240℃以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
-多価アルコール-
前記多価アルコールの具体例としては、1,3-プロパンジオール(bp:214℃)、1,3-ブタンジオール(bp:203~204℃)、1,4-ブタンジオール(bp:228℃)、3-メチル-1,3-ブタンジオール(bp:203~205℃)、1,2-ペンタンジオール(bp:210℃)、1,3-ペンタンジオール(bp:209℃)、1,5-ペンタンジオール(bp:239℃)、1,2-ヘキサンジオール(bp:223℃)、2,5-ヘキサンジオール(bp:216~218℃)、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール(bp:232℃)、イソプロピレングリコール(bp:203℃)などが挙げられる。
-多価アルコールアルキルエーテル類-
前記多価アルコールアルキルエーテル類の具体例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp:202℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp:230℃)などが挙げられる。
-多価アルコールアリールエーテル類-
前記多価アルコールアリールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp:237℃)などが挙げられる。
-含窒素複素環化合物-
前記含窒素複素環化合物の具体例としては、N-メチル-2-ピロリドン(bp:202℃)、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン(bp:200℃)、γ-ブチロラクトン(bp:204℃)などが挙げられる。
-アミド類-
前記アミド類の具体例としては、ホルムアミド(bp:210℃)などが挙げられる。
前記特定の有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物も好適に使用することができる。当該炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール(bp:232℃)などが挙げられる。
本発明におけるインクは、前記特定の有機溶剤の他に、その他の有機溶剤を含んでいてもよい。
前記その他の有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、その他の多価アルコール類、その他の多価アルコールアルキルエーテル類やその他の多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、その他の含窒素複素環化合物、その他のアミド類、その他のアミン類、その他の含硫黄化合物類などが挙げられる。
-その他の多価アルコール-
前記その他の多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール(bp:243℃)、ジエチレングリコール(bp:244℃)、1,2-プロパンジオール(bp:188℃)、1,2-ブタンジオール(bp:195~197℃)、2,3-ブタンジオール(bp:182℃)、トリエチレングリコール(287℃)、ポリプロピレングリコール(bp:188℃)、1,4-ペンタンジオール(bp:72℃)、2,4-ペンタンジオール(bp:198℃)、1,6-ヘキサンジオール(bp:250℃)、1,5-ヘキサンジオール(bp:89~91℃)、グリセリン(bp:290℃)、1,2,6-ヘキサントリオール(bp:178℃)、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(bp:241~249℃)、エチル-1,2,4-ブタントリオール(bp:150℃)、1,2,3-ブタントリオール(bp:175℃)などが挙げられる。
-その他の多価アルコールアルキルエーテル類-
前記その他の多価アルコールアルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp:136℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp:171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp:193℃)、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(bp:160℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp:133℃)などが挙げられる。
-その他の多価アルコールアリールエーテル類-
前記その他の多価アルコールアリールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノベンジルエーテル(bp:256℃)などが挙げられる。
-その他の含窒素複素環化合物-
前記その他の含窒素複素環化合物の具体例としては、2-ピロリドン(bp:245℃)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(bp:108℃)、ε-カプロラクタム(bp:267℃)などが挙げられる。
-その他のアミド類-
前記その他のアミド類の具体例としては、N-メチルホルムアミド(bp:199℃)、N,N-ジメチルホルムアミド(bp:153℃)、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド(bp:189℃)などが挙げられる。
-その他の含硫黄化合物類-
前記その他の含硫黄化合物類の具体例としては、ジメチルスルホキシド(bp:189℃)、スルホラン(bp:287℃)、チオジエタノール(bp:166℃)などが挙げられる。
-その他の有機溶剤-
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート(bp:242℃)、炭酸エチレン(bp:244℃)、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(bp:241~249℃)などが挙げられる。
前記その他の有機溶剤としては、水酸基数が2以上3以下である高沸点溶剤、又は沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。それらを併用して用いてもよい。
本明細書において「高沸点溶剤」とは、沸点が270℃以上である有機溶剤のことを示す。なお、本明細書において「水酸基数が2以上3以下である高沸点溶剤」を単なる「高沸点溶剤」と称することがある。
前記その他の有機溶剤として高沸点溶剤を用いることで、壁紙、キャンバス生地への十分な定着性を確保することができるとともに、ノズル近傍での乾燥を抑えて吐出不良を軽減することができる。また、当該高沸点溶剤の含有量は、インク全量に対して0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上2質量%以下がより好ましい。当該高沸点溶剤としては、例えば、グリセリンなどが挙げられる。
また、前記その他の有機溶剤として沸点が250℃以下である有機溶剤を用いることで、湿潤剤として機能するだけでなく、画像の良好な乾燥性を得ることができる。
<<水>>
本発明におけるインクに含まれる水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の観点から、インク全量に対して10質量%以下が好ましい。
<<その他の成分>>
本発明におけるインクに含まれるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、色材、添加剤などが挙げられる。
<<<色材>>>
前記色材としては、特に制限はなく、顔料及び染料を使用することができる。
前記顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、顔料として、混晶を使用してもよい。当該顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色等の光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
前記無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
前記有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
黒色用顔料の具体例としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)などの有機顔料が挙げられる。
カラー用顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー37、C.I.ピグメントイエロー42(黄色酸化鉄)、C.I.ピグメントイエロー53、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ13、ピグメントオレンジ16、ピグメントオレンジ17、ピグメントオレンジ36、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド101(べんがら)、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108(カドミウムレッド)、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ)、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド219、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、C.I.ピグメントバイオレット3、ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット16、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー)、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4(フタロシアニンブルー)、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン17、C.I.ピグメントグリーン18、C.I.ピグメントグリーン36などがある。
前記染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料の具体例としては、C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドイエロー44、C.I.アシッドイエロー79、C.I.アシッドイエロー142、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド80、C.I.アシッドレッド82、C.I.アシッドレッド249、C.I.アシッドレッド254、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー45、C.I.アシッドブルー249、C.I.アシッドブラック1、C.I.アシッドブラック2、C.I.アシッドブラック24、C.I.アシッドブラック94、C.I.フードブラック1、C.I.フードブラック2、C.I.ダイレクトイエロー1、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトイエロー24、C.I.ダイレクトイエロー33、C.I.ダイレクトイエロー50、C.I.ダイレクトイエロー55、C.I.ダイレクトイエロー58、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.ダイレクトイエロー132、C.I.ダイレクトイエロー142、C.I.ダイレクトイエロー144、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.ダイレクトレッド9、C.I.ダイレクトレッド80、C.I.ダイレクトレッド81、C.I.ダイレクトレッド225、C.I.ダイレクトレッド227、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.ダイレクトブルー15、C.I.ダイレクトブルー71、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87、C.I.ダイレクトブルー98、C.I.ダイレクトブルー165、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.ダイレクトブルー202、C.I.ダイレクトブラック19、C.I.ダイレクトブラック38、C.I.ダイレクトブラック51、C.I.ダイレクトブラック71、C.I.ダイレクトブラック154、C.I.ダイレクトブラック168、C.I.ダイレクトブラック171、C.I.ダイレクトブラック195、C.I.リアクティブレッド14、C.I.リアクティブレッド32、C.I.リアクティブレッド55、C.I.リアクティブレッド79、C.I.リアクティブレッド249、C.I.リアクティブブラック3、C.I.リアクティブブラック4、C.I.リアクティブブラック35などが挙げられる。
前記色材の含有量は、良好な定着性や吐出安定性が得られる観点から、インク全量に対して、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。なお、色材の含有量が「0質量%」であるインクとは、色材を含まないクリアインクのことを示す。
顔料を分散してインクを得る方法としては、例えば、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。当該分散剤としては、顔料に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などを使用することが可能である。竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
-顔料分散体-
前記顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、水や分散剤等とを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。当該分散には、分散機を用いるとよい。
前記顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、及び画像濃度等の画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。
前記顔料分散体における顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られる点、及び画像濃度を高められる点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
本発明におけるインク中の固形成分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度等の画像品質を高くする点から、インク中の固形成分の粒径の最大頻度が、最大個数換算で20nm以上1000nm以下であることが好ましく、20nm以上150nm以下であることがより好ましい。当該固形成分には、樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。前記インク中の固形成分の粒径は、粒度分析装置(ナノトラックWave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<<<添加剤>>>
本発明におけるインクは、必要に応じて、添加剤を含有することができる。当該添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
-界面活性剤-
前記インクに含まれる界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用することができる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
--シリコーン系界面活性剤--
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pH(pH11~14)で分解しないものが好ましい。
高pH(pH11~14)で分解しないシリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらの中でも、親水性が向上し、水に対する溶解性が高くなる観点から、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが好ましい。
また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもできる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(S-1)で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
・・・一般式(S-1)
(但し、一般式(S-1)中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
前記シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(いずれも、日本エマルジョン株式会社製)、DOWSIL(登録商標)FZ-2105、DOWSIL(登録商標)FZ-2118、DOWSIL(登録商標)FZ-2154、DOWSIL(登録商標)FZ-2161、DOWSIL(登録商標)FZ-2162、DOWSIL(登録商標)FZ-2163、DOWSIL(登録商標)FZ-2164(いずれも、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、BYK-33、BYK-387(いずれも、ビックケミー株式会社製)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(いずれも、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)などが挙げられる。
--フッ素系界面活性剤--
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フッ素置換した炭素の数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素の数が4~16である化合物がより好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。
これらの中でも、起泡性が少ない観点から、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が好ましく、一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤がより好ましい。
・・・一般式(F-1)
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与する観点から、mは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
CnF2n+1-CHCH(OH)CH-O-(CHCHO)-Y
・・・一般式(F-2)
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1(mは1~6の整数)、又はCHCH(OH)CH-C2m+1(mは4~6の整数)、又はC2p+1(pは1~19の整数)である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
前記フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS-111、サーフロンS-112、サーフロンS-113、サーフロンS-121、サーフロンS-131、サーフロンS-132、サーフロンS-141、サーフロンS-145(いずれも、AGC株式会社製);フルラードFC-93、フルラードFC-95、フルラードFC-98、フルラードFC-129、フルラードFC-135、フルラードFC-170C、フルラードFC-430、フルラードFC-431(いずれも、スリーエムジャパン株式会社製);メガファックF-470、メガファックF-1405、メガファックF-474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、キャプストーンFS-31、キャプストーンFS-3100、キャプストーンFS-34、キャプストーンFS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A、ポリフォックスPF-156A、ポリフォックスPF-151N、ポリフォックスPF-154、ポリフォックスPF-159(いずれも、オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、及び均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス社製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N、及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが好ましい。
--両性界面活性剤--
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
-ノニオン系界面活性剤-
前記ノニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
-アニオン系界面活性剤-
前記アニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
前記インクに含まれる界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、濡れ性及び吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
-消泡剤-
前記その他の成分として用いられる界面活性剤は、消泡剤として用いることもできる。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
前記消泡剤の市販品としては、例えば、商品名で、サーフィノールAD01(日信化学工業株式会社製)などが挙げられる。
-防腐防黴剤-
前記防腐防黴剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
-防錆剤-
前記防錆剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
-pH調整剤-
前記pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
-抗菌剤-
前記抗菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2-ベンゾチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。当該抗菌剤の市販品としては、例えば、商品名で、プロキセルLV(アビシア社製)などが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
本発明におけるインクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用して測定することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
前記インクにおける25℃での表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
前記インクの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述のインク材料を混合撹拌することにより得ることができる。
<記録媒体>
本発明のインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置における被印刷物としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、インク及び各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。例えば、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツ等の衣料用布、テキスタイル、皮革などを適宜使用することができる。なお、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックス、ガラス、金属などを使用することもできる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。当該非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。当該非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルムを好適に使用することができる。
本発明で用いられる非水系クリアインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法とは、記録媒体に対してインク及び各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。当該記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前記インクジェット記録装置、及び前記インクジェット記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、前記インクジェット記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。更に、当該インクジェット記録装置には、卓上型だけでなく、広幅の記録装置や、例えば、ロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
ここで一実施形態に係るインクジェット記録装置の一態様について、図1及び図2を参照して説明する。ただし、本発明の用途は、これらの実施形態に何ら限定されるものではない。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
以下インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法の説明では、ブラック(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを用いた場合について説明するが、これらに代えて、あるいは、これらに加えて、非水系クリアインクを用いてもよい。
図1は、本発明のインクジェット記録方法を実施するインクジェット記録装置の一例を示す図である。図2は、図1のインクジェット記録装置のメインタンクの一例を示す説明図である。
インクジェット記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えば、アルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側には、カートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
本発明の用語における、記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、実施例及び比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
(製造例1)
<ブラック顔料分散体の作製>
ブラック顔料としてカーボンブラック(商品名:Monarch800、キャボット社製)3質量部、分散剤としてポリエステル系化合物(商品名:ポリエステルポリオール、DIC株式会社製)0.5質量部、及びジエチレングリコールジエチルエーテル58.5質量部をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)を用いて、25℃で3時間、8m/sの回転速度にて循環分散して、ブラック顔料分散体を得た。
<ポリエステル系ウレタン樹脂エマルション1の調製>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリライトOD-X-2420(ポリエステルポリオール、DIC株式会社製)1,500g、2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA、東京化成工業株式会社製)220g、及びN-メチルピロリドン(NMP、三菱ケミカル株式会社製)1,347gを窒素雰囲気下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(東京化成工業株式会社製)1,445g、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)(東京化成工業株式会社製)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、さらにトリエチルアミン(富士フイルム和光純薬株式会社製)149gを添加・混合したものの中から4,340gを抜き出して、強撹拌下の水5,400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(東京化成工業株式会社製)626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、得られた樹脂エマルションをペイントコンディショナー(レッドデビル社製、50~1,425rpmの範囲で速度調節可能)で分散処理し、固形分濃度40.0質量%のポリエステル系ウレタン樹脂エマルション1を得た。
<ポリエステル系ウレタン樹脂エマルション2の調製>
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリライトOD-X-2251(ポリエステルポリオール、DIC株式会社製、平均分子量2,000)200.4gと、2,2-ジメチロールプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)15.7gと、イソホロンジイソシアネート(東京化成工業株式会社製)48.0gと、有機溶剤としてのメチルエチルケトン(三協化学株式会社製)77.1gと、触媒としてのDMTDL(ジブチルスズジラウレート)(東京化成工業株式会社製)0.06gとを混合し、4時間反応させた。その後、希釈溶剤としてのメチルエチルケトン30.7gを加え、平均分子量が20,000以上60,000以下の範囲に達した時点で、メタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)1.4gを加えて前記反応を終了させ、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
得られたウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、48質量%水酸化カリウム水溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製)を13.4gと、水を715.3gとを加えて十分に撹拌した後にエージング及び脱溶剤をして、ポリエステル系ウレタン樹脂エマルション2を得た。
<インクの作製>
得られたブラック顔料分散体を20質量部と、ポリエステル系ウレタン樹脂エマルション1を17.7質量部と、ポリエステル系ウレタン樹脂エマルション2を20.3質量部と、プロキセルLV(アビシア社製)を0.1質量部と、グリセリンを2.0質量部と、イソプレングリコールを29.0質量部と、フッ素系界面活性剤(商品名:FS-300、DuPont社製)を1.0質量部と、消泡剤(商品名:サーフィノールAD01、日信化学工業株式会社製)を0.2質量部とを混合撹拌して、混合物を調製した。得られた混合物を、平均孔径0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:BetafineポリプロピレンプリーツフィルターPPGシリーズ、3M社製)にてろ過することにより、ブラックインクを作製した。
(製造例2~15)
以下の表1~2に示す組成・含有量に変更した以外は、製造例1と同様にして製造例2~15のインクを作製した。なお、各製造例について、樹脂の固形成分の含有量も併記した。
また、製造例8には、樹脂としてアクリル樹脂(商品名:ボンコートCF-6140、DIC株式会社製)を用いた。
Figure 2023183431000003
Figure 2023183431000004
<吐出復帰性>
製造例1~15で得られたインクを、液滴観察装置EV2500(株式会社リコー製)に導入し、以下の表3に記載されたメンテナンス条件A~Mでインクジェットヘッドからインクを吐出した。吐出後、所定時間(0.1sec~6sec)デキャップ状態でヘッドを放置したのちに、吐出頻度26kHz(1秒間に26000滴の吐出を行う駆動波形を意味する)で再びインクを吐出し、記録用紙(合成紙VJFN160(白色ポリプロピレンフィルム、株式会社ユポ・コーポレーション製、光沢度16(60°光沢値))に印刷を行った。このとき、記録用紙に印字された画像の長さは図4に示すように、デキャップ状態でヘッドを放置したことによるノズル面内のインク乾燥により吐出が遅れるため、データ上の画像の長さよりも短くなる。実際に印字された面積とデータ上の面積より、以下の数式によって「吐出遅れ部分の長さ」を10点求め、その平均値を求めた。下記評価基準に基づき、吐出復帰性を評価した。なお「〇」が実用可能範囲であり、実使用上「〇」である必要がある。結果を表4に示す。
[吐出復帰性の評価基準]
〇:吐出遅れ部分の長さが0.02mm以下
×:吐出遅れ部分の長さが0.02mmよりも長い
Figure 2023183431000006
<画像定着性>
上記<吐出復帰性>で用いた記録用紙の表面に、製造例1~15で得られたインクを印字し、画像を形成した。室温で一時間放置後、形成した画像に学振試験機(染色物摩擦堅牢度試験機、インテック製)を用いて金巾を擦過させ、金巾へ転写した画像濃度(OD)をxRite(PANTONE製)を用いて測定した。印字条件は600×600dpi、荷重は200gf、擦過回数は25回とした。下記評価基準に基づき、画像定着性(耐候性)を評価した。なお「△」以上が実用可能な範囲である。結果を表4に示す。
[画像定着性の評価基準]
○:画像濃度(OD)が0.15未満
△:画像濃度(OD)が0.15以上0.28未満
×:画像濃度(OD)が0.28以上
<リガメント長>
製造例1~15で得られたインクを液滴観察装置EV2500(株式会社リコー製)に導入し、吐出電圧:13.6V、吐出周波数:2kHz、滴体積:15pLの条件で、インクの液滴の吐出を行った。ノズル面から一定距離落下した地点について、インクの主滴が通過した後に、サテライト滴の後端が通過するまでに経過した時間を測定し、以下の評価基準で評価した。なお「△」以上が実用可能な範囲である。結果を表4に示す。
[リガメント長の評価基準]
○:サテライト滴なし
△:サテライト滴あり、サテライト滴の後端が通過するまでに経過した時間が20μs以下である
×:サテライト滴あり、サテライト滴の後端が通過するまでに経過した時間が20μsより長い
Figure 2023183431000007
実施例1、7~13、及び比較例1~4の比較から、インク中の樹脂固形成分の組成をインク全量に対して8質量%以上13質量%以下とすることで、デキャップ後の吐出復帰性が向上することが確認された。
比較例2~3より樹脂固形成分の組成がインク全量に対して13質量%を超えると、インクの液滴のリガメント長が長くなり、画像品質が悪化することが確認された。
実施例1、及び比較例5~8の比較よりメンテナンス工程で排出する滴の吐出滴頻度を100滴/sec以上とすることで、デキャップ後の吐出復帰性が向上することが確認された。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1>インクの液滴が吐出されるノズルを有するノズル板、前記ノズルに連通する液室、及び前記液室内に圧力を発生させる圧力発生手段を有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する吐出工程と、
前記ノズル内のインクを排出するノズルメンテナンス工程と、を有し、
以下の要件(1)~(4)を充たすことを特徴とするインクジェット記録方法である。
(1)前記インクが、樹脂、有機溶剤、及び水を含有する
(2)前記樹脂の固形成分の含有量が、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である
(3)前記インクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して、26質量%以上32質量%以下である
(4)前記ノズルメンテナンス工程において、電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波でノズル内のインクに圧力をかけ、1滴あたり5pL以上のインクの液滴を100滴/1sec以上の頻度で吐出する
<2>前記有機溶剤は、水酸基数が2以上3以下である高沸点溶剤を含有する、前記<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<3>前記高沸点溶剤はグリセリンを含有する、前記<2>に記載のインクジェット記録方法である。
<4>前記樹脂が、ウレタン樹脂である、前記<1>から前記<3>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<5>前記圧力発生手段が、ピエゾ方式である、前記<1>から前記<4>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<6>前記駆動パルスが、1滴のインクの液滴を吐出するにあたり2つ以上の駆動パルスの組み合わせである、前記<1>から前記<5>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<7>インクの液滴が吐出されるノズルを有するノズル板、前記ノズルに連通する液室、及び前記液室内に圧力を発生させる圧力発生手段を有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する吐出手段と、
前記ノズル内のインクを排出するノズルメンテナンス手段と、を有し、
以下の(1)~(4)の要件を充たすことを特徴とするインクジェット記録装置である。
(1)前記インクが、樹脂、有機溶剤、及び水を含有する
(2)前記樹脂の固形成分の含有量が、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である
(3)前記インクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して、26質量%以上32質量%以下である
(4)前記ノズルメンテナンス手段において、電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波でノズル内のインクに圧力をかけ、1滴あたり5pL以上のインクの液滴を100滴/1sec以上の頻度で吐出する
前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクジェット記録方法、前記<7>に記載のインクジェット記録装置によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 外装
401c カバー
404 カートリッジホルダ
410、410k、410c、410m、410y メインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
L インク収容容器
特開2006-142588号公報

Claims (7)

  1. インクの液滴が吐出されるノズルを有するノズル板、前記ノズルに連通する液室、及び前記液室内に圧力を発生させる圧力発生手段を有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する吐出工程と、
    前記ノズル内のインクを排出するノズルメンテナンス工程と、を有し、
    以下の要件(1)~(4)を充たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
    (1)前記インクが、樹脂、有機溶剤、及び水を含有する
    (2)前記樹脂の固形成分の含有量が、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である
    (3)前記インクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して、26質量%以上32質量%以下である
    (4)前記ノズルメンテナンス工程において、電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波でノズル内のインクに圧力をかけ、1滴あたり5pL以上のインクの液滴を100滴/1sec以上の頻度で吐出する
  2. 前記有機溶剤は、水酸基数が2以上3以下である高沸点溶剤を含有する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記高沸点溶剤はグリセリンを含有する、請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記樹脂が、ウレタン樹脂である、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記圧力発生手段が、ピエゾ方式である、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記駆動パルスが、1滴のインクの液滴を吐出するにあたり2つ以上の駆動パルスの組み合わせである、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  7. インクの液滴が吐出されるノズルを有するノズル板、前記ノズルに連通する液室、及び前記液室内に圧力を発生させる圧力発生手段を有する記録ヘッドにおいて、前記圧力発生手段に対して駆動パルスを印加することで、インクの液滴を吐出する吐出手段と、
    前記ノズル内のインクを排出するノズルメンテナンス手段と、を有し、
    以下の(1)~(4)の要件を充たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
    (1)前記インクが、樹脂、有機溶剤、及び水を含有する
    (2)前記樹脂の固形成分の含有量が、インク全量に対して、8質量%以上13質量%以下である
    (3)前記インクに含まれる有機溶剤のうち、沸点が200℃以上240℃以下である有機溶剤の含有量が、インク全量に対して、26質量%以上32質量%以下である
    (4)前記ノズルメンテナンス手段において、電圧値が12.5V以上14.0V以下の範囲を有するパルス波でノズル内のインクに圧力をかけ、1滴あたり5pL以上のインクの液滴を100滴/1sec以上の頻度で吐出する

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