JP2010012617A - 発泡体及びこれを製造又は施工する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗装や他の表面との接着に適した発泡体及びこれを製造又は施工する方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂を含有する原料の発泡成形により形成された発泡体30であって、前記熱可塑性樹脂を再溶融させる加熱下におけるプレスにより形成された処理表面31を有する発泡体30とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、発泡体及びこれを製造又は施工する方法に関し、特に、発泡体の表面の処理に関する。
樹脂を含有する原料の発泡成形により形成される発泡体は、断熱材として利用することができる。発泡体を断熱材として他の構造体に施工する場合、一般に、当該発泡体の多孔性表面と当該構造体の表面とを接着剤により接着する(例えば、特許文献1参照)。また、発泡体の劣化を防止するため、当該発泡体の多孔性表面に塗料を塗布して塗膜を形成する。
このように発泡体の多孔性表面に接着剤や塗料を塗布する場合には、当該接着剤や塗料から溶剤や水分を蒸発させる作業が必要となる。また、多孔性表面の面積が大きい場合、塗布する接着剤や塗料の量がコストに与える影響は大きい。このため、発泡体の多孔性表面に塗布する接着剤や塗料の量は必要最小限に止めることが好ましい。
特開昭63−101598号公報
しかしながら、従来、発泡体の多孔性表面に接着剤や塗料を塗布する場合には、塗布された接着剤や塗料の一部が、当該表面に開口している多数の孔の内部に浸入するため、非多孔性表面に接着剤や塗料を塗布する場合に比べて、様々な不都合が生じていた。
すなわち、例えば、発泡体の孔内に浸入した接着剤や塗料から溶剤や水分を十分に蒸発させるには、長時間を要するため、作業効率が損なわれることとなっていた。さらに、塗布すべき接着剤や塗料の量が多くなるため、コストの増大を招いていた。また、多数の孔が開口していることに起因して、多孔性表面への接着剤や塗料の塗布にムラが生じることによって、均一な接着強度が得られないことや外観が損なわれることもあった。
また、孔内に浸入した接着剤からの溶剤の蒸発は容易でないため、溶剤の蒸発が不十分なまま発泡体の接着が行われることがあった。この場合には、発泡体の接着後に、温度上昇等の原因により、接着された当該発泡体の孔内において溶剤が蒸発し、その結果、発泡体が変形し、さらには剥離することがあった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、塗装や他の表面との接着に適した発泡体及びこれを製造又は施工する方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発泡体は、熱可塑性樹脂を含有する原料の発泡成形により形成された発泡体であって、前記熱可塑性樹脂を再溶融させる加熱下におけるプレス処理により形成された処理表面を有することを特徴とする。本発明によれば、塗装や他の表面との接着に適した発泡体を提供することができる。
また、前記処理表面を含む処理表面層を有し、前記処理表面層内の孔は前記プレス処理により押し潰されていることとしてもよい。こうすれば、塗装や他の表面との接着に適した発泡体をより確実に提供することができる。また、前記原料は、無機材料を含有し、前記熱可塑性樹脂は前記無機材料のバインダーとして前記原料に含有されることとしてもよい。こうすれば、優れた耐熱性、耐火性、加工性をも備えた発泡体を提供することができる。また、前記処理表面の少なくとも一部に形成された、前記発泡体の劣化を防止するための保護用塗膜を有することとしてもよい。こうすれば、発泡体の劣化を効果的に防止することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発泡体の製造方法は、熱可塑性樹脂を含有する原料の発泡成形により形成された発泡体の多孔性表面を、前記熱可塑性樹脂を再溶融させる加熱下でプレスして処理表面を形成することを特徴とする。本発明によれば、塗装や他の表面との接着に適した発泡体の製造方法を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発泡体の施工方法は、上述したいずれかの発泡体の前記処理表面の少なくとも一部と他の表面とを接着剤により接着することを特徴とする。本発明によれば、発泡体を効率よく且つ安定して他の表面に接着できる施工方法を提供することができる。また、前記施工方法においては、前記処理表面の一部と前記他の表面とを前記接着剤により接着するとともに、前記処理表面の他の一部に前記発泡体の劣化を防止するための保護用塗膜を形成することとしてもよい。こうすれば、施工された発泡体の劣化を効果的に防止することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る発泡体(以下、「本発泡体」という。)、発泡体の製造方法(以下、「本製造方法」という。)、及び発泡体の施工方法(以下、「本施工方法」という。)について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本発泡体及び本製造方法について説明する。図1及び図2は、本製造方法に含まれる主な工程を示す説明図である。図3は、図2に示す二点鎖線IIIで囲まれた部分を拡大して示す説明図である。図4は、図2に示す二点鎖線IVで囲まれた部分を拡大して示す説明図である。
図1に示すように、本製造方法は、熱可塑性樹脂を含有する原料の発泡成形を行う発泡工程S100と、当該発泡成形により形成された発泡体の多孔性表面に対して溶融プレスを行う溶融プレス工程S200と、を含んでいる。なお、溶融プレスについては後に詳しく説明する。
発泡工程S100で用いられる原料に含有される熱可塑性樹脂の種類は、溶融プレス工程S200において加熱により再溶融できる樹脂であれば特に限られず、任意の1又は2以上の種類の熱可塑性樹脂を適宜選択して用いることができる。具体的に、熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いることができ、特に塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。これらの樹脂を使用した場合には、当該樹脂から成形された発泡体は、適度な柔軟性を有することができるため、好ましい。すなわち、この場合、例えば、発泡体を、変形する構造体に接着した場合であっても、当該発泡体は、当該構造体の変形に追従して柔軟に変形することができる。
また、原料は、熱可塑性樹脂に加えて、無機材料を含有することもできる。この無機材料の種類は、当該原料に含有される熱可塑性樹脂と混合できるものであれば特に限られず、任意の1又は2以上の種類の無機材料を適宜選択して用いることができる。具体的に、無機材料としては、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ゼオライトを用いることができ、特に炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムを好ましく用いることができる。これらの無機材料の粉体は、吸熱剤として作用し、熱可塑性樹脂に難燃性や不燃性を付与することができる。特に、本発泡体を断熱材等、建築物に施工する構造体として使用する場合には、建築基準法上、不燃性を備えることが要求されるため、本発泡体は、上記の無機材料の粉体が混合された熱可塑性樹脂から成形されることが好ましい。
原料が熱可塑性樹脂と無機材料とを含有する場合、当該原料は、当該無機材料を主成分として含有し、当該熱可塑性樹脂を当該無機材料の結合剤(バインダー)として含有することができる。この場合、原料は、無機材料として、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ゼオライトを含有し、さらに熱可塑性樹脂として、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含有する。また、この場合、原料における無機材料と熱可塑性樹脂との含有量の比率は、当該無機材料が当該原料の主成分として用いられている限り、特に限られない。具体的には、例えば、原料に含有される無機材料の含有率は80〜97重量%の範囲とし、且つ当該原料に含有される熱可塑性樹脂の含有率は3〜20重量%の範囲とすることができる。
また、原料は、発泡剤を含有する。この発泡剤の種類は、原料の発泡成形を可能にするものであれば特に限られず、任意の1又は2以上の種類の発泡剤を適宜選択して用いることができる。具体的に、発泡剤としては、例えば、アゾ化合物、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジド化合物を用いることができる。より具体的には、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジン、オキシビスベンゼンスルホヒドラジドを用いることができる。
発泡工程S100においては、上述のような原料を発泡させて、所定形状の発泡体を形成する。すなわち、例えば、溶融状態の熱可塑性樹脂と、無機材料と、発泡剤と、を混合し、混合された原料を所定形状の型に流し込み、当該型内において当該原料を発泡させる。そして、発泡後に型内で固化した発泡体(以下、「粗発泡体」という。)を当該型から取り出す。
続く溶融プレス工程S200において、溶融プレスの対象となる発泡体(以下、「予備的発泡体」という。)は、例えば、切削により粗発泡体から切り出された発泡体とすることができる。具体的に、例えば、発泡工程S100において、直方体形状の発泡体ブロックが粗発泡体として形成された場合には、当該粗発泡体をスライスして得られる板状の発泡体を予備的発泡体として用いることができる。なお、この切削は、例えば、工業用のカッターを備えた公知の切削装置を用いて行うことができる。
すなわち、図2に示すように、溶融プレス工程S200においては、まず、切削により粗発泡体から切り出された板状の予備的発泡体10を準備する(図2のS201)。この予備的発泡体10は、溶融プレスが施されるべき多孔性表面(以下、「未処理表面11」という。)を有している。この未処理表面11は、粗発泡体の切削により露出された平坦な多孔性表面である。未処理表面11には、図3に示すように、粗発泡体の内部の気泡が切断されて形成された、多数の孔12が開口している。一方、予備的発泡体10の内部には、切断されていない多数の気泡13,14が形成されている。また、予備的発泡体10は、発泡後の原料が硬化して形成された骨格15,16を有している。この骨格15,16は、原料の一部として用いられた熱可塑性樹脂を含有しており、未処理表面11の孔12及び内部の気泡13,14を隔てている。
溶融プレス工程S200においては、このような予備的発泡体10の未処理表面11に対して溶融プレスを施す(図2のS202)。ここで、溶融プレスとは、未処理表面11を、当該未処理表面11に含有される熱可塑性樹脂を再溶融させる加熱下でプレスする処理である。
すなわち、まず、予備的発泡体10の未処理表面11及びその近傍を局所的に加熱する。この加熱により、未処理表面11及びその近傍の温度を、骨格15,16に含有される熱可塑性樹脂が再溶融する温度まで上昇させる。この熱可塑性樹脂が再溶融する温度は、当該熱可塑性樹脂の融点又はそれ以上の温度とすることができる。この再溶融によって、未処理表面11及びその近傍の骨格15を局所的に可塑化することができる。
そして、未処理表面11及びその近傍の骨格15が可塑化された状態で、当該未処理表面11をプレスする。このプレス処理により、未処理表面11に開口する孔12を押し潰すことができる。すなわち、この溶融プレスは、予備的発泡体10の内部の骨格16や気泡14は押し潰すことなく、未処理表面11に開口する孔12とその近傍の骨格15及び気泡13を選択的に押し潰す局所的な処理である。
図2には、この溶融プレスを、平坦なプレス表面21を有するプレス器具20を用いて行う例を示している。プレス表面21の温度は、加熱により、未処理表面11及びその近傍に含有される熱可塑性樹脂を再溶融させることのできる温度まで上昇させることができる。このプレス器具20としては、例えば、工業用のアイロンを用いることができる。
そして、例えば、予め熱可塑性樹脂の融点又はそれ以上の温度に加熱されたプレス表面21を、予備的成形体10の未処理表面11に対して、所定の圧力で、押しつける(図2のS202)。さらに、プレス表面21と未処理表面11とが圧接された状態を所定時間維持し、その後、当該プレス表面21を離脱させる。
この溶融プレスは、例えば、プレス表面21を未処理表面11に所定の圧力で押しつけながら、当該プレス表面21を所定の速度で当該未処理表面11に沿って滑らせることにより、好ましく行うことができる。この場合、予備的発泡体10の内部を変形させることなく、未処理表面11及びその近傍のみを選択的に押し潰す局所的な溶融プレスを効率よく且つ確実に行うことができる。
また、予備的発泡体10が、熱可塑性樹脂と無機材料とを含有する原料の発泡成形により形成されている場合には、溶融プレスをより効果的に行うことができる。すなわち、この場合、予備的発泡体10が無機材料を含有しない場合に比べて、未処理表面11及びその近傍における熱可塑性樹脂を再溶融させる加熱が、当該予備的発泡対10の内部に及ぼす影響を低減することができる。また、無機材料を混合することによって、原料の圧縮強度も向上するため、例えば、発泡体は、作業過程で当該発泡体上に作業者が乗った場合であっても変形しないだけの強度を備えることができる。
特に、予備的発泡体10が、無機材料を主成分として含有し熱可塑性樹脂を当該無機材料のバインダーとして含有する原料の発泡成形により形成されている場合には、溶融プレスを特に効果的に行うことができる。すなわち、この場合、加熱により予備的発泡体10の未処理表面11及びその近傍の熱可塑性樹脂が再溶融した状態においても、当該未処理表面11及びその近傍の骨格15の形状を維持することができる。このため、未処理表面11及びその近傍のみを選択的に押し潰す局所的な溶融プレスを、より安定して、より確実に行うことができる。
本製造方法においては、このような溶融プレスを経て、図4に示すような処理表面31を有する本発泡体30を製造することができる(図2のS203)。すなわち、この処理表面31は、予備的発泡体10の未処理表面11に溶融プレスを施すことにより形成された表面である。また、本発泡体30においては、溶融プレスにより、処理表面31を含む処理表面層40が形成されている。
処理表面31は、未処理表面11(図3参照)に比べて、平滑化されている。すなわち、最も好ましい態様においては、溶融プレス処理によって、溶融した未処理表面11近傍の骨格15を、当該未処理表面11に開口している孔12の空隙12aに埋め込んで、孔が開口していない実質的に平滑な表面として処理表面31を形成することができる。すなわち、この場合、処理表面31は、未処理表面11に開口していた孔が溶融プレスによりほぼ完全に押し潰されることにより形成された非多孔性表面とすることができる。したがって、本発泡体30は、発泡成形により気泡が形成された多孔性の内部構造と、当該内部構造の外表面を覆う非多孔性の処理表面31と、を有することとなる。
ただし、処理表面31は、このような最も好ましい態様に限られない。例えば、図4に示す例においては、図3に示す未処理表面11に開口していた孔12の一部は、溶融プレス処理により完全に埋め立てられて消失し、当該未処理表面11に開口していた他の孔12は、その空隙12aの一部が埋め立てられて、その開口径D1(図3参照)が減じられている。すなわち、溶融プレス処理によって、処理表面31に開口している孔32の開口径D2は、未処理表面11に開口している孔12の開口径D1(図3参照)に比べて顕著に低減されている。この結果、処理表面31における開口面積は、未処理表面11の開口面積に比べて顕著に低減されている。この開口面積は、例えば、処理表面31及び未処理表面11を、これらの表面に垂直な方向(図3に示す矢印P1及び図4に示す矢印P2の指す方向)から見た場合における、これらの表面の単位面積あたりに形成されている孔の開口面積の合計として決定することができる。
また、図3及び図4に示すように、処理表面層40内に形成され処理表面31に開口する孔32は、溶融プレスにより押し潰されている。すなわち、未処理表面11に開口していた孔12は、溶融プレスにより押し潰されて、処理表面31に開口する孔32となっている。そして、処理表面31の孔32の空隙32aは、上述のとおり、溶融プレス処理によって、溶融した骨格15が埋め込まれることにより、未処理表面11の孔12の空隙12aに比べて顕著に小さくなっている。この結果、処理表面31に開口する孔32の深さは、未処理表面11に開口する孔12の深さに比べて顕著に低減されている。
また、未処理表面11の近傍に形成されていた切断されていない気泡13は、溶融プレスにより押し潰され、処理表面層40内において、処理表面31近傍の扁平化された気泡33となっている。
このように平滑化された処理表面31を形成する上では、未処理表面11を、当該未処理表面11における孔12の最大開口径の半分以上の深さまで押し込むよう溶融プレスを行うことが好ましい。すなわち、例えば、図4に示す例においては、溶融プレスにより、未処理表面11(破線で示す)が、当該未処理表面11における最大開口径D1(図3参照)の半分以上の深さまで、矢印P2が示す方向に押し込まれることによって処理表面31が形成されている。この結果、本発泡体30の厚さ(処理表面31に垂直な方向における長さ)は、予備的発泡体10の厚さ(未処理表面11に垂直な方向における長さ)に比べて、溶融プレスにより押し込まれた深さだけ減じられている。なお、未処理表面11の最大開口径は、例えば、当該未処理表面11を、当該未処理表面11に垂直な方向から見た場合に、当該未処理表面11の単位面積あたりに形成されている孔の開口径のうち最大の値として決定することができる。また、このような押し込みを達成するために必要な溶融プレスの条件(加熱温度、プレス処理時の圧力、プレス処理の時間等)は、原料の組成や、プレス処理に使用する器具等の条件に応じて、適宜設定することができる。
また、予備的発泡体10の構造は、その深さ方向(例えば、未処理表面11に垂直な方向)において均一となっているのに対し、本発泡体30の構造は、その深さ方向(例えば、処理表面31に垂直な方向)において不均一になっている。
すなわち、図3に示すように、予備発泡体10においては、未処理表面11に開口する孔12、当該未処理表面11近傍の気泡13、及びより深部の気泡14は、いずれも発泡成形時に形成された気泡又はその一部である。このため、これらの孔12及び気泡13,14の形状や大きさは互いに類似している。また、予備的発泡体10においては、未処理表面11及びその近傍の骨格15と、より内部の骨格16と、はいずれも発泡成形時に形成されたものである。このため、これらの骨格15,16の形状や太さは互いに類似している。
これに対し、図4に示すように、本発泡体30においては、処理表面31に開口する孔32は溶融プレスにより押し潰されて縮小されている。また、処理表面31近傍の気泡33は溶融プレスにより押し潰されて平たく変形している。すなわち、これら孔32及び気泡33の形状及び大きさは、より深部の気泡34のそれとは明らかに異なっている。また、本発泡体30においては、処理表面31及びその近傍の骨格35は、その厚みが溶融プレスにより増大し、太くなっている。また、この骨格35の形状は、溶融プレスにより変形している。すなわち、処理表面31及びその近傍の骨格35の形状及び太さは、より深部の骨格36のそれとは明らかに異なっている。
また、例えば、本発泡体30を、図4に示すQ−Q線に沿って、当該本発泡体30の内部に形成されている気泡を横断するように切断した場合に露出する表面は、予備的発泡体10の未処理表面11と類似した表面となる。したがって、このように露出された表面と、溶融プレスにより形成された処理表面31と、の差異は、上述した処理表面31と未処理表面11との差異と同様になる。すなわち、例えば、処理表面31における開口面積は、Q−Q線に沿った切断により露出された表面の開口面積に比べて顕著に小さいものとなる。
このように、本製造方法で行われる溶融プレスは、予備的発泡体10の内部の多孔構造を維持しつつ、未処理表面11及びその近傍の多孔構造を選択的に押し潰す処理である。これによって、本発泡体30は、発泡成形により形成された多孔構造に基づく特性(断熱性、保温性等)を維持しつつ、塗装や接着に適した平滑化された処理表面31を有することができる。
なお、上述した以外にも、熱可塑性樹脂が再溶融され、プレス処理後に再固化された痕跡に基づいて、本発泡体30の処理表面31及び処理表面層40が、溶融プレスにより形成された表面及び層であることは比較的容易に識別することができる。
本発泡体30の処理表面31及び処理表面層40は、予備的発泡体10の未処理表面11及びその近傍の層に比べて、塗装や他の表面に対する接着のための特性が顕著に向上している。
すなわち、例えば、上述のとおり、溶融プレス処理によって、未処理表面11に開口していた孔12の全部又は一部を、溶融した骨格15で埋め立てることにより、処理表面31に開口している孔32の数は、当該未処理表面11に開口していた孔12の数に比べて低減されている。また、未処理表面11に開口していた孔12のうち完全に埋め立てられなかった孔12は、溶融プレス処理によって、その空隙12aの一部が溶融した骨格15で埋められることにより、処理表面31に開口している孔32の径は、当該未処理表面11に開口していた孔12の径に比べて低減されている。すなわち、処理表面31の凹凸は、未処理表面11のそれに比べて大幅に低減され、当該処理表面31は顕著に平坦化、平滑化されている。また、処理表面31に開口している孔32の開口面積は、予備的発泡体10の未処理表面11に開口している孔12の開口面積に比べて顕著に低減されている。このため、処理表面31に塗料や接着剤を塗布する場合には、当該処理表面31に開口している孔32内への塗料や接着剤の浸入は、予備的発泡体10の未処理表面11に塗料や接着剤を塗布する場合に比べて、顕著に抑制することができる。
さらに、この結果、本発泡体30の処理表面31に塗膜を形成するために必要な塗料の量や、本発泡体30の処理表面31を他の表面に接着する場合に必要な接着剤の量は、予備的発泡体10の未処理表面11に比べて、顕著に低減することができる。これによって、施工におけるコストの低減を図ることができる。
また、開口径の低減に加えて、上述のとおり、処理表面31に開口している孔32の空隙32aは、予備的発泡体10の未処理表面11に開口している孔12の空隙12aに比べて顕著に縮小されている。すなわち、処理表面31は、未処理表面11に比べて、より平坦化及び平滑化されている。このため、処理表面31に形成される塗膜や接着剤の層は、予備的発泡体10の未処理表面11に比べて、より薄く、且つより均一なものとすることができる。
したがって、処理表面31に形成される塗膜や接着剤層の厚さを容易且つ確実に管理することができる。また、塗膜が形成された本発泡体30の外観を優れたものとすることができる。また、処理表面31に塗布された塗料や接着剤からの溶剤や水分の十分な蒸発は、予備的発泡体10の未処理表面11に比べて、短時間で、且つ確実に達成することができる。さらに、この結果、処理表面31は、溶剤が十分且つ確実に除去された接着剤を介して他の表面に接着することができる。このため、処理表面31と他の表面との接着は安定したものとすることができる。
次に、本施工方法について説明する。ここでは、図5に示すような粗発泡体50を切削することにより得られた2つの本発泡体60a,60bを断熱材又は保温材として用いる場合を例として説明する。
図5に示す例において、粗発泡体50は、上述の発泡工程S100にて形成された直方体形状の発泡体ブロックである。そして、本発泡体60a,60bは、この粗発泡体50の一部をスライスして切り出された板状の予備的発泡体(不図示)に、溶融プレスを施して得られた板状の発泡体である。本発泡体60a,60bは、スライスによって露出された予備的発泡体の多孔性表面の互いに異なる一部にそれぞれ溶融プレスを施すことにより形成された第一の処理表面(以下、「接着用底面61a,61b」という。)、第二の処理表面(以下、「シーリング用側面62a,62b」という。)、及び第三の処理表面(以下、「被保護表面63a,63b」という。)を有している。
図6には、これら2つの本発泡体60a,60bが、本施工方法によって、他の構造体70の表面71に施工された状態を示す。図7には、この施工された状態における本発泡体60a,60b及び構造体70の断面を示す。
本施工方法においては、図6及び図7に示すように、本発泡体60a,60bの接着用底面61a,61bと、構造体70の表面71と、を接着剤80により接着する。すなわち、本施工方法においては、例えば、第一の溶液と第二の溶液とを混合することにより硬化するエポキシ樹脂接着剤を用いて接着を行うことができる。この場合、まず、第一の溶液と第二の溶液とを十分に混合して混合液を調製する。そして、本発泡体60a,60bの接着用底面61a,61bと、構造体70の表面71と、に混合液を均一に塗布して、当該混合液の薄い層を形成する。
次いで、混合液が塗布された接着用底面61a,61b及び構造体70の表面71を圧接して放置し、混合液を硬化させる。
この結果、本発泡体60a,60bの接着用底面61a,61bと、構造体70の表面71と、はエポキシ樹脂から構成される接着剤80を介して接着される。なお、本施工方法においては、上述のような2種類又はそれ以上の複数の溶液を混合することにより硬化する接着剤以外に、単独で硬化する接着剤を用いることもできる。この場合、例えば、まず接着用底面61a,61b又は構造体70の表面71のいずれか一方に接着剤を塗布する。そして、接着に先立って、塗布された接着剤から溶剤を十分に蒸発させ、その後、接着用底面61a,61bと構造体70の表面71とを圧接して接着する。
接着剤80としては、目的に応じて適切なものを適宜選択して用いることができる。具体的に、この接着剤80としては、例えば、エポキシ接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤を好ましく用いることができる。
また、図6に示すように2つの本発泡体60a,60bが隣接して配置される場合であって、図7に示すように一方の本発泡体60aと他方の本発泡体60bとの間に隙間が形成される場合には、当該隙間にシーリング剤81を充填する。すなわち、この場合、一方の本発泡体60aのシーリング用側面62aと、他方の本発泡体60bのシーリング用側面62bと、はシーリング剤81によりシールされる。
また、図7に示すように、本発泡体60a,60bの被保護表面63a,63bには、当該本発泡体60a,60bの劣化を防止するための保護用塗膜82a,82bがそれぞれ形成されている。
すなわち、図7に示す例において、被保護表面63a,63bは、本発泡体60a,60bの表面のうち、接着用底面61a,61bと反対側の表面である。そして、この被保護表面63a,63bに、本発泡体60a,60bの劣化を防止することのできる特性を備えた塗料を塗布することにより、当該塗料から構成される保護用塗膜82a,82bが形成されている。
この塗料としては、本発泡体60a,60bの劣化を引き起こす因子から当該本発泡体60a,60bを保護できるものであれば特に限られず、目的に応じて適切なものを適宜選択して用いることができる。すなわち、例えば、雨水等の水による劣化を防止するための耐水性を備えた塗料を用いることができる。また、例えば、日光の照射による劣化を防止するための耐紫外線性等、本発泡体60a,60bが屋外で露出されて施工された場合の劣化を防止する耐候性を備えた塗料を用いることができる。また、例えば、後述のように、本発泡体60a,60bが原油タンクの断熱材として用いられる場合には、当該本発泡体60a,60bに原油がかかることによる劣化を防止するための耐油性を備えた塗料を用いることができる。
したがって、塗料としては、例えば、耐水性、耐紫外線性、耐油性のうち2つ以上の特性を兼ね備えたものを好ましく用いることができる。具体的には、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂を用いることができる。
そして、このような塗料を、スプレー、ローラー、刷毛等の塗布手段により、被保護表面63a,63bに塗布することにより、当該被保護表面63a,63bを覆う被膜として、保護用塗膜82a,82bを形成することができる。
ここで、被保護表面63a,63bは、接着用底面61a,61b及びシーリング用側面62a,62bと同様、上述の溶融プレス処理により形成されている。このため、被保護表面63a,63bが、溶融プレスを施されていない、切削により露出された表面そのものである場合に比べて、少量の塗料で効率よく、十分な特性を備えた保護用塗膜82a,82bを形成することができている。
すなわち、この保護用塗膜82a,82bは、例えば、JIS規格(JIS K 5600−7−7:1999 塗料一般試験方法)により定められた試験において、当該本発泡体60a,60bが施工されてから2000時間が経過した時点でも、亀裂(クラック)の形成や、被保護表面63a,63bからの剥離といった問題が発生しない程度の耐候性を備えることができる。
また、本施工方法においては、本発泡体60a,60bの接着用底面61a,61b、シーリング用側面62a,62b及び被保護表面63a,63bのうち少なくとも一部を、当該本発泡体60a,60bを施工現場に搬送する前に形成し、他の一部を、当該本発泡体60a,60bを施工現場に搬送した後に形成することができる。
すなわち、例えば、本発泡体60a,60bを施工現場に搬送する前に、構造体70の表面71との接着に用いられる接着用底面61a,61bと、保護用塗膜82a,82bの形成に用いられる被保護表面63a,63bと、を溶融プレスにより形成する。そして、被保護表面63a,63bには、上述のような塗料を塗布して保護用塗膜82a,82bを形成する。その後、本発泡体60a,60bを施工現場に搬送する。そして、施工現場において、本発泡体60a,60b同士の接着に用いられるシーリング用側面62a,62bを溶融プレスにより形成する。
また、例えば、施工現場において、本発泡体60a,60bの一部を切削して新たな多孔性表面を露出させ、当該露出した多孔性表面に溶融プレスを施すことによりシーリング用側面62a,62bを形成することができる。この切削は、例えば、施工する位置やスペースに合わせて、本発泡体60a,60bの形状や大きさを調整するために行われる。
この場合、本発泡体60a,60bのシーリング用側面62a,62bを施工現場の状況に応じた適切な位置に適切な形状で形成することができる。なお、施工現場における溶融プレスは、例えば、作業者が携帯可能なアイロンによって行うことができる。
図8には、本発泡体を施工する対象の一例として、加温された原油Lを保持するタンク90を示す。このタンク90は、原油Lの液面に浮遊して蓋の役割を果たす浮き屋根91を有している。この浮き屋根91は、液面の上下に伴って、タンク90内を上下に移動することができる。
浮き屋根91は、その中央部分を含む大部分を構成する板状のデッキ部91aと、当該デッキ部91aの外周に配置される浮き91bと、を有している。また、浮き屋根91とタンクの側壁との間には、これらの隙間を埋めるシーリング部材92が設けられている。なお、デッキ部91は、例えば、複数の鉄板が溶接により連結されることにより形成されている。
そして、本施工方法において、図6及び図7に示す構造体70は、図8に示す浮き屋根91のデッキ部91aであり、当該構造体70の表面71は、当該デッキ部91aの上面とすることができる。すなわち、この場合、本発泡体60a,60bは、浮き屋根91のうち、デッキ部91aの上面に保温材として施工することができる。
タンク90内において浮き屋根91で覆われた原油Lが、50〜80℃に加温された状態で保持される場合、本発泡体60a,60bは、無機材料を主成分とし、当該無機材料のバインダーとして熱可塑性樹脂を含有した原料を発泡させて形成された発泡体とすることが好ましい。
こうすれば、デッキ部91aの変形に追従できる柔軟性、原油Lを加温して保持する際の安全性を確保できる耐熱性及び耐火性、及び施工後の劣化を効果的に防止できる耐候性等の特性を兼ね備えた本発泡体60a,60bを、効率よく安定して浮き屋根91に施工することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[実施例]
5重量%の塩化ビニル樹脂と、95重量%の無機材料と、を含有する発泡体(タルボセル、上海寶日高分子材料有限公司)を粗発泡体として用いた。
この粗発泡体から、切削装置を用いて所定形状(27mm×300mm×300mm)の板状発泡体を切り出して、当該板状発泡体を予備的発泡体10として用いた。この予備的発泡体10のうち、切削により露出された未処理表面11における孔の最大の開口径は、約1.0mmであった。この最大開口径は、未処理表面11のうち10mm×10mmの矩形範囲に開口している複数の孔の各々の開口径を、精度が0.01mmのノギスを用いて測定し、測定された複数の開口径のうち最大値として決定した。
次に、予備的発泡体10に対し、ステンレス製のプレス面を有する家庭用のアイロンを用いて溶融プレスを施した。すなわち、予備的発泡体10の未処理表面11に対して、220℃に加熱されたアイロン表面を押し当てて、1500mm/分の速度で滑らせることにより溶融プレスを行った。こうして、平滑化された処理表面31を有する本発泡体30を形成した。
本発泡体30の処理表面31における孔の最大開口径は、約0.5mmであった。すなわち、溶融プレスによって、未処理表面11に開口する孔は押し潰されて、最大開口径は約半分に低減された。また、本発泡体30の厚さは、予備的発泡体10の厚さよりも0.5mm〜1.0mm減少していた。すなわち、溶融プレスによる押し込み深さは、未処理表面11における最大開口径の半分以上であった。
図9には、予備的発泡体10の未処理表面11の写真を示す。図10には、本発泡体30の処理表面31の写真を示す。図11には、本発泡体30のうち処理表面31近傍の断面の写真を示す。なお、図9に示す写真は、図3において未処理表面11を矢印P1の指す方向から撮影した写真に相当する。また、図10に示す写真は、図4において処理表面31を矢印P2の指す方向から撮影した写真に相当する。また、図11に示す写真は、図4に示すような処理表面31及びその近傍の断面を撮影した写真に相当する。
図9に示すように、予備的発泡体10の未処理表面11は、多数の孔が、内部の気泡の径と同程度の開口径で開口する多孔性表面であった。すなわち、この未処理表面11は、開口している孔の深さに対応する凹凸が形成された表面であった。
これに対し、図10及び図11に示すように、本発泡体30の処理表面31は、予備的発泡体10の未処理表面11に比べて、開口する孔による表面粗さが顕著に低減され、良好に平滑化されていた。すなわち、予備適発泡体10の未処理表面11に開口していた孔12の一部は溶融プレスにより埋め立てられて焼失し、当該未処理表面11に開口していた他の孔12も空隙12aの一部が埋め立てられていた。この結果、本発泡体30の処理表面31における孔の開口径は、予備的発泡体10の未処理表面11における孔の開口径(図9参照)に比べて顕著に低減されていた。そして、本発泡体30の処理表面31における孔の開口面積は、予備的発泡体10の未処理表面11における孔の開口面積に比べて顕著に低減されていた。さらに、図11に示すように、処理表面31に開口する孔の深さは、内部に形成されている気泡の径に比べて顕著に低減されていた。すなわち、処理表面層40は、実質的に孔が形成されていない、本発泡体30の外表面を覆う被覆層であった。また、処理表面層40内の気泡は、内部の気泡に比べて扁平化されていた。
次に、本発泡体30の処理表面31と、予備的発泡体10の未処理表面11と、をそれぞれゴム系接着剤により、鉄板の表面に接着した。そして、本発泡体30及び予備的発泡体10の各々について、厚さ0.5mmの接着剤層を形成するために必要な接着剤の量を比較した。
その結果、未処理表面11に接着剤層を形成するためには1120g/mの接着剤が必要であった。これに対し、処理表面31に同様の接着剤層を形成するために必要な接着剤の量は550g/mであった。すなわち、未処理表面11に代えて、処理表面31を用いることにより、接着剤層を形成するために必要な接着剤の量を半分以下に低減することができた。また、未処理表面11においては、孔内への接着剤の浸入が認められたのに対し、処理表面31においては、孔内への接着剤の浸入は殆ど認められなかった。このように、溶融プレスにより形成された処理表面31は、溶融プレス前の未処理表面11に比べて、接着特性が顕著に向上していることが確認された。
なお、本発明は、上述の例に限られない。例えば、予備的発泡体10は、上述のように粗発泡体から切り出された板状の発泡体に限られない。すなわち、予備的発泡体10は、例えば、粗発泡体の一部を切削により除去することにより形成される任意の形状の発泡体とすることができる。また、粗発泡体をそのまま予備的発泡体10として用いることもできる。
また、処理表面31は、上述のような平面に限られない。すなわち、例えば、処理表面31は、接着される表面の形状に対応する形状とすることができ、その一部又は全部が湾曲した表面とすることもできる。また、本発泡体30の処理表面31は、当該本発泡体30の表面の一部に限られず、当該本発泡体30の全表面を処理表面31とすることもできる。また、本発泡体30は、無機材料を含有するものに限られず、熱可塑性樹脂を発泡させて形成される熱可塑性樹脂発泡体とすることもできる。
また、上述の例においては、本発泡体30を、タンク90の浮き屋根91の保温材に用いる場合について説明したが、本発泡体30は、この例に限られない。すなわち、本発泡体30は、例えば、タンク90のうち、液体Lを保持している容器部分の外壁の全部又は一部を覆う保温材として用いることができる。また、本発泡体30は、例えば、ビル、住宅、倉庫等の建築物の壁面を覆う断熱材として用いることもできる。また、本発泡体30は、保温材及び保冷材のいずれとして用いることもでき、熱伝導を遮断又は低減する断熱材として様々な用途に用いることができる。
また、本施工方法は、上述のように本発泡体30を浮き屋根91の保温材として施工する方法に限られない。すなわち、例えば、本施工方法においては、建築物の外断熱用の断熱ボードとして本発泡体30を施工することもできる。この場合、本発泡体30からなる断熱ボードは、例えば、住宅等の建築物の壁の外側を覆うように、当該壁に接着剤を介して接着され、その表面に塗料などを塗布して保護用塗膜を形成すれば、日光の紫外線等による劣化から当該断熱ボードを保護することができる。なお、当然ながら、本発泡体30は、原料に含有される熱可塑性樹脂が再溶融する温度より低い温度で使用される。
本実施形態に係る発泡体の製造方法に含まれる主な工程を示す説明図である。 本実施形態に係る発泡体の製造方法の溶融プレス工程に含まれる主な工程を示す説明図である。 図2に示す予備的発泡体の底面部分のうち二点鎖線IIIで囲まれた部分を拡大して示す説明図である。 図2に示す発泡体の処理表面のうち二点鎖線IVで囲まれた部分を拡大して示す説明図である。 本実施形態に係る発泡体の施工方法に用いられる発泡体の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る発泡体の施工方法により施工された発泡体の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る発泡体の施工方法により施工された発泡体の断面の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る発泡体が施工される対象となるタンクの一例を示す説明図である。 溶融プレスが施される前の発泡体表面の一例を示す写真である。 溶融プレスが施された後の発泡体表面の一例を示す写真である。 溶融プレスが施された後の発泡体断面の一例を示す写真である。
符号の説明
10 予備的発泡体、11 未処理表面、12 予備的発泡体の孔、13,14 予備的発泡体の気泡、15,16 予備的発泡体の骨格、20 プレス器具、21 プレス表面、30 発泡体、31 処理表面、32 発泡体の孔、33,34 発泡体の気泡、35,36 発泡体の骨格、40 処理表面層、50 粗発泡体、60a,60b 発泡体、61a,61b 接着用底面、62a,62b シーリング用側面、63a,63b 被保護表面、70 構造体、71 構造体の表面、80 接着剤、81 シーリング剤、82a,82b 保護用塗膜、90 タンク、91 浮き屋根、91a デッキ部、91b 浮き、92 シーリング部材。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂を含有する原料の発泡成形により形成された発泡体であって、
    前記熱可塑性樹脂を再溶融させる加熱下におけるプレス処理により形成された処理表面を有する
    ことを特徴とする発泡体。
  2. 前記処理表面を含む処理表面層を有し、
    前記処理表面層内の孔は前記プレス処理により押し潰されている
    ことを特徴とする請求項1に記載された発泡体。
  3. 前記原料は、無機材料を含有し、
    前記熱可塑性樹脂は前記無機材料のバインダーとして前記原料に含有される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載された発泡体。
  4. 前記処理表面の少なくとも一部に形成された、前記発泡体の劣化を防止するための保護用塗膜を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された発泡体。
  5. 熱可塑性樹脂を含有する原料の発泡成形により形成された発泡体の多孔性表面を、前記熱可塑性樹脂を再溶融させる加熱下でプレスして処理表面を形成する
    ことを特徴とする発泡体の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された発泡体の前記処理表面の少なくとも一部と他の表面とを接着剤により接着する
    ことを特徴とする発泡体の施工方法。
  7. 前記処理表面の一部と前記他の表面とを前記接着剤により接着するとともに、
    前記処理表面の他の一部に前記発泡体の劣化を防止するための保護用塗膜を形成する
    ことを特徴とする請求項6に記載された発泡体の施工方法。
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