JP2010012154A

JP2010012154A - 軽量タイルカーペット。

Info

Publication number: JP2010012154A
Application number: JP2008176965A
Authority: JP
Inventors: Keiji Okanishi; 慶司岡西
Original assignee: Suminoe Textile Co Ltd
Current assignee: Suminoe Textile Co Ltd
Priority date: 2008-07-07
Filing date: 2008-07-07
Publication date: 2010-01-21

Abstract

【課題】本発明は、従来から持つタイルカーペットの機能はそのままに、更なる軽量化を図ったタイルカーペットを提供するものである。

【解決手段】本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、不織布からなるバッキング層全体にバッキング樹脂を固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめ、不織布に剛性をもたせて、従来の塩化ビニル樹脂層にかえて表皮層に積層し接着一体化することにより、軽量化を大幅に進めたタイルカーペットが得られることを見出し本発明に到達した。
【選択図】図１

Description

本発明は、タイルカーペットに関するもので、軽量で運搬しやすいタイルカーペットを提供するものである。

近年タイルカーペットは、ロールカーペットに較べ施工のし易さから、オフィスや商業施設等で使用量を急速にのばしている。タイルカーペットは、表皮層とバッキング樹脂を固化したバッキング層とからなり、塩化ビニル樹脂を主体としたバッキング樹脂を表皮層裏面に塗布し、一定の厚さにコントロールしながら、表皮層とバッキング樹脂を固着し、一定寸法に切断して製造されるものが多い。また、タイルカーペットの反り防止や、寸法安定性、強度保持等のために、バッキング樹脂中に、ガラス繊維やポリエステル繊維からなる布帛を挿入させることが多い。しかしながら、これら塩化ビニル樹脂を主体としたタイルカーペットは、使用後廃棄処分において燃焼時に有害ガスが発生することから、埋め立て処分することが多かった。また、塩化ビニル樹脂製タイルカーペットは、重くその重量が４〜６Ｋｇ／ｍ^２もあることから、軽量化をはかり、運搬や施工の取扱い性を改善することが求められていた。

特許文献１においては、表皮層とバッキング樹脂をポリオレフィン系にし、バッキング樹脂を溶融して表皮層と一体化したタイルカーペットを記載し、ポリオレフィン系樹脂の比重が塩化ビニル樹脂に較べて低いことから、３１％も軽量化したタイルカーペットを提案している。

しかしながら、特許文献１のタイルカーペットでは、軽量化にはまだ不十分なタイルカーペットであった。
特開平７−２９２９４７

本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたもので、従来から持つタイルカーペットの機能はそのままに、更なる軽量化を図ったタイルカーペットを提供するものである。

本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、不織布からなるバッキング層全体にバッキング樹脂を固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめ、不織布に剛性をもたせて、従来の塩化ビニル樹脂層にかえて表皮層に積層し接着一体化することにより、軽量化を大幅に進めたタイルカーペットが得られることを見出し本発明に到達した。本発明は、以下の手段を提供する。

［１］表皮層とバッキング層とバッキング樹脂とからなるタイルカーペットの製造方法において、表皮層裏面にバッキング樹脂を塗布する工程と、不織布からなるバッキング層全体にバッキング樹脂を固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめる工程と、その後前記表皮層と前記バッキング樹脂をバッキング層全体に含浸したバッキング層を積層一体化し乾燥する工程を含むことを特徴とする軽量タイルカーペットの製造方法。

［２］表皮層とバッキング層とバッキング樹脂とからなるタイルカーペットの製造方法において、不織布からなるバッキング層を表皮層裏面に積層し、バッキング層側からニードルパンチを施し前記表皮層と前記バッキング層とを一体化する工程と、前記表皮層と一体化したバッキング層全体にバッキング樹脂を固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめ乾燥する工程と、を含むことを特徴とする軽量タイルカーペットの製造方法。

［３］前項１又は２に記載のタイルカーペットの製造方法で製造した軽量タイルカーペットであって、重量が８００〜３０００ｇ／ｍ^２あることを特徴とする軽量タイルカーペット。

［１］の発明では、表皮層とバッキング層とバッキング樹脂とからなるタイルカーペットの製造方法において、表皮層裏面にバッキング樹脂を塗布する工程を含んでいるので、表皮層のパイル糸と基布がバッキング樹脂によって固着し、抜糸強度が確保されたタイルカーペットとすることができる。また、不織布からなるバッキング層全体にバッキング樹脂を固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめる工程を含んでいるので、乾燥後にバッキング層全体に剛性が付与され、軽量なバッキング層とすることができる。前記表皮層と前記バッキング樹脂をバッキング層全体に含浸したバッキング層を積層一体化し乾燥する工程を含んでいるので、バッキング層上部に染み出たバッキング樹脂によって、表皮層とバッキング層が接着し、剛性のあるバッキング層と表皮層が張り合わされた軽量なタイルカーペットの製造方法とすることができる。

［２］の発明では、表皮層とバッキング層とバッキング樹脂とからなるタイルカーペットの製造方法において、不織布からなるバッキング層を表皮層裏面に積層し、バッキング層側からニードルパンチを施し前記表皮層と前記バッキング層とを一体化する工程を含んでいるので、バッキング層の繊維と、表皮層のパイル糸と基布の繊維が絡み合いバッキング層と表皮層とを一体化することができる。次に表皮層と一体化したバッキング層全体にバッキング樹脂を固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめ乾燥する工程を含んでいるので、剛性のあるバッキング層が形成され、表皮層とバッキング層がしっかりと固定され、さらに軽量なタイルカーペットの製造方法とすることができる。

［３］の発明は、前項１又は２に記載の軽量タイルカーペットの製造方法で製造したタイルカーペットであるので、塩化ビニル樹脂製やオレフィン系樹脂製のタイルカーペットに較べ大幅に軽い、８００〜３０００ｇ／ｍ^２のタイルカーペットを得ることができる。

一般的によく使われている塩化ビニル樹脂製やオレフィン系樹脂製のタイルカーペットでは、バッキング層として炭酸カルシウムを充填剤にして、塩化ビニル樹脂やオレフィン系樹脂と混合したバッキング層を形成し、表皮層に接着固化し、所定寸法に裁断してタイルカーペットを形成している。これらの塩化ビニル樹脂製やオレフィン系樹脂製のタイルカーペットは、タイルカーペットの敷設時の性能（平面性、皺防止性、捲くれ防止性、移動防止性、馴染み性）を十分満足するタイルカーペットとして最も多く使われている。しかしながら、これらのバッキング層の樹脂や充填材の炭酸カルシウムの重量が重いことから、普通の規格のタイルカーペットでも４〜６Ｋｇ／ｍ^２と重量の重いものとなっていた。

本発明による軽量タイルカーペット１は、図１及び図３に示すように表皮層２の裏面にバッキング樹脂４を塗布し、バッキング樹脂４を含浸したバッキング層３をバッキング樹脂４に積層したり、表皮層２の裏面にバッキング層３を一体化した後、バッキング樹脂４をバッキング層３に含浸させて、バッキング層３に剛性をもたせた構成を有する。

表皮層２は、その表面にパイルを有していても良いし、パイルを有していなくともいずれであっても良く、特に限定されるものではない。前者の例としてはタフテッドカーペット、織カーペット、編カーペット、電着カーペット等を例示でき、後者の例としてはニードルパンチ不織布等を例示できる。また、表皮層２の素材は、特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、あるいは、麻、綿、羊毛等の天然繊維等の繊維から構成されるが、リサイクル性と安全性の観点からは、オレフィン系の繊維からなるのが好ましい。また、一般に塩化ビニル樹脂製のタイルカーペットの製造工程では、樹脂を溶融固化する必要から１６０℃程度まで加工温度を上昇する必要があったが、本発明においてはその必要もなく、９０℃前後の低温で乾燥すればよいことから、ポリ乳酸繊維や、ポリプロピレン繊維、天然繊維のように融点の低い繊維まで表皮層の繊維として採用することができる。

図１は、表皮層２がタフテッドカーペットの場合を示しており、表皮層２がパイル糸（２−１）と基布（２−２）とからなっている。また、バッキング樹脂４を表皮層２の裏面に塗布し、バッキング樹脂４を含浸したバッキング層３と表皮層２が接着し一体化している。

バッキング層３は、例えばニードルパンチ不織布、ウォーターニードル不織布、スパンボンド不織布、羊毛フェルトなど厚みがあって、バッキング樹脂４を含浸しやすいものが用いられる。バッキング層３を構成する繊維は特に限定されず、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、あるいは、天然繊維等の繊維から構成されるが、リサイクル性と安全性の観点からは、オレフィン系の繊維からなるのが好ましい。表皮層２とバッキング層３をオレフィン系の繊維に統一すれば、リサイクル性と安全性の観点からより好ましいタイルカーペットとなる。

前記バッキング層３の厚さは、１〜１５ｍｍであるのが好ましい。１ｍｍ未満では、タイルカーペットとして十分な剛性効果や平面性、皺防止性、捲くれ防止性等が得られなくなるし、１５ｍｍを超えると、軽量化の目的に沿わないものになり、またコスト的にも好ましくない。

また、本発明では、バッキング層３に、バッキング樹脂４を含浸し、乾燥させてバッキング層３に剛性を付与する。バッキング樹脂４としては、ＳＢＲラテックス、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂のエマルジョンで炭酸カルシウム等を充填材として含んだものでよく、ロールコーター等でバッキング層３全体に染み込むように含浸させ、乾燥する。このとき、バッキング樹脂４の含浸量は固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめるのがよい。５００ｇ／ｍ^２を下回る固形分付着量では、適度な剛性や平面性、皺防止性、捲くれ防止性等が得られないので好ましくない。また２０００ｇ／ｍ^２を上回る固形分付着量としても、硬くなりすぎたり、乾燥効率が悪くなり、軽量化の目的にそぐわないので好ましくない。

タイルカーペットは敷設されたときに、平面性、皺防止性、捲くれ防止性、移動防止性等が必要で、適度の厚みと床への馴染み性のために柔らかさとある程度の剛性が必要とされる。平面性とは、タイルカーペットが反ったり波打ったりしないで床面との間で隙間なくしっくりと収まることをいい、皺防止性とはタイルカーペットを床面において少しずらした時に皺が入ったりしないことをいう。また、捲くれ防止性とは、使用中にタイルカーペットの端が上側に反りあがってこないことをいい、移動防止性とは、タイルカーペットが使用中に隣接するタイルカーペットの上にならないこといい、これらの性能はタイルカーペットとして基本的に持っていなければならないものである。

次に別の形態の本発明による軽量タイルカーペット１を説明する。図２及び図４に示すように、表皮層２と不織布からなるバッキング層３は、バッキング樹脂を塗布する前に予めニードルパンチによってパンチングされ、表皮層２とバッキング層３の繊維が絡まりあって一体化される。表皮層２とバッキング層３の繊維が絡みやすくするために、その繊度は同程度のものが好ましい。また、繊維の種類も同じ種類の繊維にするほうが絡みやすい。次にバッキング樹脂４を、ロールコーター等の方法でバッキング層３側からバッキング層３と一体化した表皮層２の下面に届くまで含浸させ、乾燥する。

表皮層２とバッキング層３の繊維が絡まりあって一体化されているので、前述のタイルカーペットよりもバッキング樹脂４の使用量が少なくなり、さらに軽量化したタイルカーペットを得ることができる。

また、請求項１及び２の軽量タイルカーペットの製造方法において、より寸法安定性を付与するために、図５に示すように、表皮層２とバッキング層３の間に、ガラス繊維やポリエステル繊維からなる布帛５を挿入し固着してもよい。

つぎに本発明の軽量タイルカーペットについて具体的な実施例について説明する。なお、この発明の軽量タイルカーペット及びその製造方法は、実施例に限定されるものではない。

表皮層２として、タフテッドカーペット表皮層（１／１０ゲージパイル長５／３ｍｍハイローループステッチ５１／１０ｃｍパイル糸３０００ｄｔｅｘ原着ポリエステル糸目付７００ｇ／ｍ^２基布ポリエステル不織布１００ｇ／ｍ^２）を、バッキング層３として、ニードルパンチ不織布（繊度６．７ｄｔｅｘ、繊維長５１ｍｍのポリエステル繊維５３％、繊度１２．５ｄｔｅｘ、繊維長６４ｍｍのポリエステル繊維４７％、厚さ４ｍｍ、目付２００ｇ／ｍ^２）を、バッキング樹脂４として、ＳＢＲラテックスエマルジョン(充填材炭酸カルシウム固形分７０重量％)
を用意した。

＜実施例１＞
図２に示すように、表皮層２の裏面にバッキング樹脂４としてＳＢＲラテックスエマルジョンをロールコーターで２００ｇ／ｍ^２（乾燥重量）塗布し、また別工程では、バッキング層３にバッキング樹脂４をロールコーターで５６０ｇ／ｍ^２（乾燥重量）塗布し十分バッキング層３内に含浸させた。つぎにこの両者を重ね合わせ乾燥機にて乾燥し（９０℃２０分）、裁断機（図示せず）で５０ｃｍ角に裁断し１７６０ｇ／ｍ^２の軽量タイルカーペットを得た。平面性、皺防止性、捲くれ防止性、移動防止性等特に問題のない軽量なタイルカーペットを得ることができた。

＜実施例２＞
図４に示すように、別の工程で、表皮層２にバッキング層３を重ね合わしてから、バッキング層３側からニードルパンチ装置でバッキング層３の繊維が表皮層２の表面に出ないようにパンチングして両者を一体化してから、バッキング層３側から実施例１と同じようにして、ロールコーターで５６０ｇ／ｍ^２（乾燥重量）バッキング樹脂４を塗布し、十分にバッキング層３内に含浸し、表皮層２に届く程度にまで含浸させ、乾燥し（９０℃２０分）軽量タイルカーペットを得た。得られたタイルカーペットは、１５６０ｇ／ｍ^２とさらに軽量なタイルカーペットを得た。平面性、皺防止性、捲くれ防止性、移動防止性等特に問題のない軽量なタイルカーペットであったが、実施例１よりも柔らかなものであった。

＜実施例３＞
図５に示すように、実施例１において、表皮層２の下側にポリエステル織布（目付１５ｇ／ｍ^２）を挿入した以外は実施例１と同じようにして、軽量タイルカーペットを得た。得られたタイルカーペットは、１７７５ｇ／ｍ^２であった。実施例１よりも剛性がありしっかりしたものであった。寸法安定性は、実施例１よりも２０％向上したものであった。

＜比較例１＞
実施例１において、表皮層２の裏面にバッキング樹脂４を塗布しないでバッキング層３と重ね合わせ乾燥機にて乾燥した以外は実施例１と同じようにして、軽量タイルカーペットを得た。得られたタイルカーペットは、見た目には実施例２と同様なものであったが、パイル糸を引っ張ると直ぐに抜けてしまい、パイル保持性の不足するものであった。

本発明の一実施形態に係わる軽量タイルカーペットの概略断面図である。本発明の一実施形態に係わる軽量タイルカーペットの製造工程を示す概略図である。本発明の一実施形態に係わる軽量タイルカーペットの概略断面図である。本発明の一実施形態に係わる軽量タイルカーペットの製造工程を示す概略図である。本発明の一実施形態に係わる軽量タイルカーペットの製造工程を示す概略図である。

符号の説明

１・・・タイルカーペット
２・・・表皮層
２−１・・・パイル糸
２−２・・・基布
３・・・バッキング層
４・・・バッキング樹脂
５・・・ガラス繊維またはポリエステル繊維からなる布帛

本発明は、不織布に樹脂を含浸させて、乾燥することにより、不織布に剛性をもたせて、従来の樹脂層にかえて使用するもので、大幅な軽量化が図れることから、タイルカーペットに限らず保形成と剛性の求められる軽量化技術としても広く利用される。

Claims

表皮層とバッキング層とバッキング樹脂とからなるタイルカーペットの製造方法において、表皮層裏面にバッキング樹脂を塗布する工程と、不織布からなるバッキング層全体にバッキング樹脂を固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめる工程と、その後前記表皮層と前記バッキング樹脂をバッキング層全体に含浸したバッキング層を積層一体化し乾燥する工程を含むことを特徴とする軽量タイルカーペットの製造方法。
表皮層とバッキング層とバッキング樹脂とからなるタイルカーペットの製造方法において、不織布からなるバッキング層を表皮層裏面に積層し、バッキング層側からニードルパンチを施し前記表皮層と前記バッキング層とを一体化する工程と、前記表皮層と一体化したバッキング層全体にバッキング樹脂を固形分付着量で５００〜２０００ｇ／ｍ^２含浸せしめ乾燥する工程と、を含むことを特徴とする軽量タイルカーペットの製造方法。
請求項１又は２に記載の軽量タイルカーペットの製造方法で製造したタイルカーペットであって、重量が８００〜３０００ｇ／ｍ^２あることを特徴とする軽量タイルカーペット。