JP2010011083A - バイノーラル収音再生システム - Google Patents

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Abstract

【課題】予め収録された音声を収録時の音場に対してより忠実に再現再生する。
【解決手段】予め収音用マイクロフォン2R,2Lにより収録された収録音声信号の補正を行いスピーカに供給する補正フィルタと、スピーカで再生された収録音声信号を聴取者5の耳道領域に備えられた収音用マイクロフォン2R,2Lにより収音して得られた再生音声信号に対して補正を行う適応フィルタとを備え、適応フィルタは、前記再生音声信号と収録音声信号との差分に基きスピーカから収音用マイクロフォン2R,2Lまでの伝達特性と逆の特性を算出し、補正フィルタが、算出された特性により前記収録音声信号の補正を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイノーラル収音および再生を行う手法に関する。
従来、録音者の周囲音環境を音源の方向情報も含んで収録再生する方法であるバイノーラル収音再生方式が利用されている。
このバイノーラル収音再生方式は、左右の耳の耳道入口付近または耳道内にそれぞれマイクロフォンを配置して、収音するステレオ収音手法である。
このマイクロフォンにより収音された音声信号をヘッドフォン等により耳道入口付近で再生することによって、収音された場所の音場をより忠実に再現する。
また、バイノーラル収音再生の手法には、人間の頭部を模擬し、耳道入口付近または耳道内にマイクロフォンを設置したダミーヘッドと呼ばれるマイクロフォンシステムで収音を行う。しかしながら、この場合、収音された音声信号を聴取する聴取者の頭の形状とダミーヘッドの形状が異なるために異なるため、音声信号の再生にあたって、収音時の音場を忠実に再現することは困難である。
このため、録音者の耳元で収音した音声信号を録音者自身が聴取者として、自らの耳元に再生すること(リアルヘッドバイノーラル収音再生)が、バイノーラルを有効に実現する手法として考えられる。
この場合、収音時と再生時の頭部伝達関数(HRTF:Head-Related Transfer Function)が原理的には一致するため、より忠実な音場再現が可能となる。
上記リアルヘッドバイノーラル収音再生の関連技術として、ヘッドフォン、マイクロフォンの特性を含む伝達特性の同定(算出)に適応フィルタを用いることにより、再生された音声におけるバイノーラル効果の低下を軽減する技術が開示されている(特許文献1)。
この関連技術では、リアルヘッド収音されたバイノーラル信号のヘッドフォンによる再生を行う際に、収音に用いたマイクロフォン(または、それに特性が近似したマイクロフォン)を耳に装着し、さらにヘッドフォンを装着して、適応フィルタにより逐次、ヘッドフォンからマイクロフォンまでの合成特性と逆の特性を求め、得られた合成逆特性を補正フィルタにより、バイノーラル信号としての通常の音声信号に重畳することによってマイクロフォンやヘッドフォンの特性を補正する。
又、バイノーラル収音された音声を、ヘッドフォンではなく、ラウドスピーカで再生する場合の関連技術として、ラウドスピーカから再生された音声のうち、聴取者の前方左側に設置された左ラウドスピーカから聴取者の右耳に到達する音声(クロストーク)および聴取者の前方右側に設置された右ラウドスピーカから聴取者の左耳に到達する音声(クロストーク)をキャンセルするための手法が開示されている(特許文献2)。
特開2005−318061公報 特開2000−278800公報
しかしながら、上記特許文献1では、補正帯域と非補正帯域を特定の閾値により分割しており、この場合、収音されたバイノーラル信号を聴取者の耳元に忠実に再現することが困難となるという不都合がある。
また、バイノーラル収音された音声のバイノーラル再生時には、ヘッドフォンを装着する必要があり、ラウドスピーカによりバイノーラル再生を行うことが、想定されていない。
また、特許文献2では、バイノーラル収音信号をラウドスピーカ(再生スピーカ)で再生する場合に、再生スピーカと聴取者の位置が固定されており、聴取者の位置が変化した場合のフィルタ係数(特性)の変化に追従させることが出来ないという不都合がある。
[発明の目的]
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、バイノーラル収音された音声を、収音時の音場により忠実に再現再生するバイノーラル収音再生システム、を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るバイノーラル収音再生システムは、収音用マイクロフォンにより予め収録された収録音声信号の補正を行いスピーカに供給する補正フィルタと、前記スピーカで再生され予め聴取者の耳道領域に備えられた前記収音用マイクロフォンにより収音された再生音声信号に対して補正を行う適応フィルタと、前記収録音声信号を取得し予め設定された時間遅延させて出力する遅延信号出力手段と、前記適応フィルタを介して取得された再生音声信号と前記遅延信号出力手段から出力された収録音声信号との差分を算出し、その差分を前記適応フィルタに送出する残差検出手段とを備え、前記適応フィルタは、前記再生音声信号と前記差分とに基き、前記ステレオスピーカから前記マイクロフォンまでの伝達特性と逆の逆特性を算出する逆特性同定機能を有し、前記補正フィルタが、前記逆特性により前記収録音声信号の補正を行うことを特徴としている。
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、前記スピーカから前記収音用マイクロフォンまでの伝達特性と逆の逆特性を算出する適応フィルタと、前記スピーカで再生される収録音声信号に対して前記算出された逆特性により補正処理を行う補正フィルタを備えた構成とすることにより、収音用マイクロフォンを装着された耳道領域で収音時の音場を忠実に再現することができる。
[実施形態1]
次に、本発明の実施形態について、その基本的構成内容を説明する。
本実施形態のバイノーラル収音再生システムは、図1に示すように、バイノーラル収録された音声信号を再生するバイノーラル再生装置(以下「再生装置」という)1と、再生装置1から供給された音声信号を音響に変えて出力するヘッドフォンスピーカ(以下「ヘッドフォン」という)3と、聴取者5の左右各耳における耳道近傍に装着され、ヘッドフォン3(3R,3L)から出力される音声を収音するマイクロフォン2(2R、2L)を備えている。
また、ヘッドフォン3R,3Lは、聴取者5の左右の耳にそれぞれに装着されたマイクロフォン2R,2Lをそれぞれ覆うように装着され、マイクロフォン2Rは、再生装置1の右再生系に、マイクロフォン2Lは、再生装置1の左再生系にそれぞれ接続され、収音された音声を再生装置1に入力する。
マイクロフォン(収音用マイクロフォン)2は、聴取者5右耳に装着される2R、および左耳に装着される2Lとから成る。
マイクロフォン2Rは、図2(A)、(B)に示すように、聴取者5の耳介にかけられる耳掛け21、音声の収音を行うマイク部22、および聴取者5の耳道内に挿入されるプローブ23により構成される。尚、マイクロフォン2Lについても、マイクロフォン2Rと同様の構成を有するものとする。
ここで、本実施形態で再生される音声を収録し記憶する手法であるバイノーラル収録(リアルヘッド録音)について説明する。
まず、音声収音現場で、バイノーラル収録を行う録音者4の右耳及び左耳それぞれの耳道口近傍に、マイクロフォン2R,2Lが装着される。
ここで、録音者4の右耳に装着されたマイクロフォン2Rは、それぞれ、録音者4の両耳に到達する音声信号(生音)が阻害されることなく聴取されるように、録音者4の耳道を塞ぐことのないプローブ型を有するものとする。尚、図3は、マイクロフォン2Rが右耳の耳道に装着された場合を例示している。
この状態で、音声収音現場における音声が、マイクロフォン2R,2Lによって収音され、収音された音声は、録音デバイス6にステレオ録音される。
尚、録音デバイス6は、ステレオ収音可能なデバイスであれば、ディジタルデバイスでもアナログデバイスでもよい。
ここで、マイクロフォン2R、および2Lにより収音された音声信号は、それぞれ右チャンネル音声信号(SR)、および左チャンネル音声信号(SL)として、図4に示すように、録音デバイス6に入力され、録音デバイス6内に設けられたディスク媒体やメモリカードなどのデータ記憶部7に記録される。
記録デバイス6は、チャンネル音声信号SLおよびSRは、記録デバイス6内に予め設けられた記録処理部8に入力されると共に、必要に応じて圧縮符号化され、予め設定されたフォーマットの音楽データとしてデータ記憶部7に記録される。
尚、上記図3、および4は、マイクロフォン2Rが、録音者4の右耳に装着された場合を例示しているが、録音者5の左耳も同様にマイクロフォン2Lが装着されているものとする。
次に、再生装置1の構成について説明する。
再生装置1は、ヘッドフォン3に接続されて設けられ、データ記憶部7に記録された入力音声信号SR、およびSLを再生する。
再生装置1の右再生系は、図5に示すように、補正フィルタ12R、遅延素子13R、適応処理部14R、および加算器15Rからなる。又、再生装置1の左再生系は、補正フィルタ12L、遅延素子13L、適応処理部14L、および加算器15Lからなる。
再生処理部11は、上記のようにリアルヘッド録音されたバイノーラル収録音声信号(音声信号SLおよびSR)を読出し、伸張復号化など、必要な処理を実行し、補正フィルタ(12R,12L)にデジタル音声データDRおよびDLとして出力する(デジタル音声データ出力機能)。
以下、再生装置1の右チャンネル再生系の構成内容について詳説する。
補正フィルタ12Rは、供給されたデジタル音声データ(以下「バイノーラル収音信号」という)DRに対して、予め設定された特性(フィルタ係数)により補正処理を行い、音声信号s(k)としてヘッドフォン3Rおよび遅延素子13Rに供給する(音声補正供給機能)。
尚、補正フィルタ12Rは、例えばFIRフィルタ等によって構成され、そのフィルタ係数が、後述する適応フィルタ14Rにより変更設定されることにより、そのフィルタ特性が更新される。
更に、補正フィルタ12Rは、リアルヘッド収音されたバイノーラル収音信号(DR)に対して、上記特性を重畳する処理(畳込み処理)を行う重畳処理機能を備えている。
これにより、補正フィルタ12(12R,12L)は、バイノーラル収音された音声信号がヘッドフォン聴取される場合に、音声信号におけるヘッドフォンから耳までの間の特性をフラットにする補正することができる。
尚、補正フィルタ12Rは、上記音声補正供給機能の実行にあたって、後述される逆特性により、バイノーラル収音された音声信号の補正(フィルタリング)を行う。ここでは、補正フィルタ12Rは、ヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの伝達関数に基く逆特性を、バイノーラル収音信号(DR)に対して付与する処理を行う。
遅延素子13Rは、補正フィルタ12Rからの入力音声データs(k)に対して予め設定された時間分tだけ遅延処理を行い、この遅延処理された遅延音声データd(k-t)を加算手段12に出力する(遅延データ送出機能)。
ここで、上記遅延データ送出機能における遅延時間tは、ヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの音声伝播時間を含む時間値が、あらかじめ設定されているものとする。
適応フィルタ14Rは、マイクロフォン2Rから供給された再生音声データ(再生音声信号)x(k)に対して、予め設定されたフィルタ係数に基づき補正処理を行い、この補正処理がなされた音声データを出力y(k)として加算器12に出力する再生信号補正出力機能を備えている。
また、適応フィルタ14Rは、出力y(k)が、所望する信号(ここでは遅延音声データd(k))に近似した信号になるように、適応フィルタ14R自身の特性(フィルタ係数)を更新する特性更新制御機能を有する。ここで、適応フィルタ14Rは、送り込まれた差分e(k)および再生音声データx(k)に基き、加算器15Rから出力される差分e(k)を最小とするように、フィルタ係数を自己設定する(逆特性同定処理機能)。
ところで、マイクロフォン2Rにより収音された再生信号(再生音声データx(k))の特性は、ヘッドフォン3Rの特性と、ヘッドフォン3Rの位置からマイクロフォン2Rの位置(およびヘッドフォン3Lの位置からマイクロフォン2Lの位置)までの空間伝達特性と、マイクロフォン2Rの特性とが合成された特性(以下「合成特性」という)である。
したがって、この合成特性に近似し、かつ合成特性と逆の特性(逆特性:合成逆特性)が求められれば、その合成逆特性により、ヘッドフォン3Rの特性、ヘッドフォン3Rの位置からマイクロフォン2Rの位置までの空間伝達特性、およびマイクロフォン2Rの特性(「ヘッドフォン3からマイクロフォン2までの特性」という)を、補正することができる。
また、合成逆特性には、ヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの音響伝達特性と逆の特性が含まれているので、ヘッドフォンの位置からマイクロフォンの位置までフラットな伝達特性で音響が伝送されることになる。すなわち、耳覆い型のヘッドフォンなどを使用した場合の、個々人で異なる耳の形状に左右される空間伝達特性を補正することができる。
このため、補正フィルタ12Rでは、この合成逆特性をバイノーラル収音された音声(s(k))に重畳することにより、合成特性が補正されて、バイノーラル収音音声が忠実に聴取者5の耳元に再現されることになる。
加算器15Rは、マイナス成分として入力された出力x(k)とプラス成分として入力された遅延音声データd(k)とを加算する処理を行う(加算処理機能)。ここでは、遅延音声データからフィルタリング処理された音声データy(k)を減算する処理を行う。
また、加算器15Rは、加算(減算)結果である残差データe(k)を適応フィルタ14Rに送出する(残差データ出力機能)。
尚、上記適応フィルタ14Rと、加算処理部12Rとにより適応処理部16Rが構成されるものとする。この適応処理部16Rには、マイクロフォン2Rからの信号(再生音声データ)xと遅延素子13Rからの信号d(遅延音声データ)とが入力され、適応フィルタ14Rが、出力y(k)が所望される信号遅延音声データd(k)に近似した信号になるように、つまり、誤差e(k)のパワーが小さくなるように、適応フィルタ14R自身の特性を修正するように動作する。
これにより、適応フィルタ14Rは、ヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの逆特性を同定することができる。
ここで、上記適応フィルタ14Rにおける逆特性同定処理機能に、一般的な適応アルゴリズムであるLMS(Least Mean Square)法や学習同定法(Normalize Least Mean Square)を適用した場合、上記逆特性の同定処理に時間がかかり、ヘッドフォンの装着状態の変化に追従させた補正を行うことは困難である。
そこで、本実施形態では、ヘッドフォンからマイクロフォンまでの逆特性の同定を行う適応フィルタ14R,14Lを、特許第4067269号に開示された高速H∞フィルタ(FHF:高速算出フィルタ)により構成するものとする。これにより、上記逆特性を高速に同定することが可能となる。
また、FHFを用いて逆特性の同定を逐次行うことにより、聴取者5が、ヘッドフォン3の装着状態の変動による特性の変動が生じた場合でも、動的に追従して補正フィルタ12Rの特性を、迅速に更新することが可能となる。
尚、本実施形態では、右チャンネル再生系について説明したが、左チャンネル再生系についても、右チャンネル再生系の補正フィルタ12R、遅延素子13R、適応フィルタ14R、および加算器15Rそれぞれに対応した、補正フィルタ12L、遅延素子13L、適応フィルタ14L、および加算器15Lにより構成され、ヘッドフォン3Lおよびマイクロフォン2Lを含み同様に機能するものとする。
ところで、上述のヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまで、または、ヘッドフォン3Lからマイクロフォン2Lまでの伝達特性(ヘッドフォン−マイクロフォン間の伝達特性)は、例えば、図6に示す構成により、同定することができる。
ここでは、本実施形態(図5)と同様に、聴取者にマイクロフォン2(2R,2L)およびヘッドフォン3(3R,3L)が装着されている。
リアルヘッド録音された収録音声(右チャンネル)は、図6に示すように、ヘッドフォン3Rおよび予め設定された適応フィルタXに供給される。ヘッドフォン3Rにより収録音声信号が再生され、これをマイクロフォン2Rで収音した音声信号と、適応フィルタXを介して入力される音声信号とを加算し、この加算結果eを適応フィルタに入力する。
尚、適応フィルタXは、入力される加算結果eが最小となるように、当該適応フィルタにおけるフィルタ特性を同定する。これにより、適応フィルタは、ヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの伝達特性を同定することができる。
ここで、この適応フィルタXにより同定された、ヘッドフォン(3R)からマイクロフォン(2R)までの伝達特性(合成特性)の時間波形を図7(A)に示す。また、図7(A)の伝達特性の時間波形をフーリエ変換した周波数特性を図7(B)に示す。
次に、上述のヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまで、または、ヘッドフォン3Lからマイクロフォン2Lまでの伝達特性(ヘッドフォン−マイクロフォン間の伝達特性) の逆特性を同定するための構成を図8に示す。尚、この図8は、本実施形態の構成内容を簡略化したものであり、適応フィルタYは、適応フィルタ14R(図5)に対応する。
本実施形態と同様に、聴取者にマイクロフォン2(2R,2L)およびヘッドフォン3(3R,3L)が、図8に示すように、装着されている。
ここで、リアルヘッド録音された収録音声(右チャンネル)が、ヘッドフォン3Rおよび予め設定された遅延素子D(遅延素子13Rに対応)に供給される。
又、ヘッドフォン3Rにより収録音声信号が再生され、これをマイクロフォン2Rで収音した音声信号が、適応フィルタYを介して加算部に入力される。尚、適応フィルタYは、音声信号に対して予め設定されたフィルタ係数に基き補正処理を行う。
遅延素子Dは、実施形態1の遅延素子13Rと同様に、入力された収録音声信号に対して、予め設定された時間分だけ遅延処理を行い、この遅延処理された遅延音声データを加算部に出力する。
この加算部は、加算器15Rと同様に、入力された信号どうしを加算処理すると共に加算結果を出力する。
ここでは、適応フィルタYからの音声信号と、遅延素子Dを介して入力される音声信号とが、加算部で加算処理され、加算結果eが適応フィルタに出力される。
尚、適応フィルタYは、加算部からの加算結果eが最小となるように、当該適応フィルタYにおけるフィルタ特性を同定する。
これにより、適応フィルタYは、ヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの伝達特性の逆特性(逆伝達特性)を同定することができる。
ここで、この適応フィルタYにより同定された、ヘッドフォンからマイクロフォンまでの逆伝達特性の時間波形を図9(A)に示す。また、図9(A)の伝達特性の時間波形をフーリエ変換した周波数特性を図9(B)に示す。ここで、図9(B)の周波数特性は、図7(B)の周波数特性を上下に折り返した形状の特性となっていることが分かる。
更に、図7の時間波形と図9の時間波形とを畳み込む処理(畳み込み処理)を行うことにより、図10(A)に示すように、パルス形状の時間波形が得られる。また、図10(A)の時間波形をフーリエ変換した周波数特性を図10(B)に示す。
この周波数特性の形状は、ほぼフラットとなっており、これにより、図9に示す逆伝達特性の時間波形が、図7に示される伝達特性の逆特性となっていることが確認できる。
これにより、本実施形態の構成によって、上記適応フィルタYに対応する適応フィルタ14Rが、上述のヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの伝達特性の逆伝達特性を有効に同定することができることが分かる。
尚、上述のように、図6に示す構成における適応フィルタXで、ヘッドフォンからマイクロフォンまでの伝達特性を同定し、その後同定された伝達特性から逆伝達特性を求めることも可能である。
しかしながら、この場合、伝達特性から逆伝達特性を求める処理量が膨大になるという不都合がある。また、同定された伝達特性(図7(A))から求められた逆特性は、畳み込み処理を行った場合に、伝達特性をフラットにできない特性が含まれてしまうという不都合がある。
これに対して、本実施形態では、適応フィルタ14R、Lがヘッドフォンからマイクロフォンまでの逆伝達特性を直接同定する構成となっているため、畳み込み処理を有効に行うための逆伝達特性を、高速に、且つ確実に求めることができる。
[実施形態1の動作説明]
ここで、上述のように、聴取者5がマイクロフォン2R,2Lおよびヘッドフォン3R,3Lを装着して、前述のように収録されたバイノーラル信号を再生する場合について、説明する。
まず、再生処理部11は、データ記憶部7に記憶された音声データを読み出し、右チャンネルの音声データDR、および左チャンネルの音声データDLを、それぞれ補正フィルタ12R、および12Lに供給する。
以下、本実施形態における右再生系(図5)における動作フローを説明する。
補正フィルタ12Rでは、送り込まれた音声データDRに対して、予め設定されたフィルタ係数(補正特性)による補正処理が行われ、音声信号s(k)としてヘッドフォン3R、および遅延素子13Rに送出される。
尚、ヘッドフォン3Rに供給される音声信号s(k)は、D/A(Digital/Analog)コンバータによりD/A変換され、アナログ音声信号として供給される。
ヘッドフォン3Rでは、補正フィルタ12Rから送り込まれた音声信号s(k)が、右チャンネル音声として再生(放音)され、マイクロフォン2Rが、ヘッドフォン3Rにより再生された右チャンネル音声の収音を行う。
適応フィルタ14Rでは、マイクロフォン2Rで収音された再生音声データx(k)に対して、予め設定されたフィルタ係数に基づき補正処理を行い、出力信号である出力y(k)として加算器12に出力する。
尚、上記再生音声データx(k)は、再生装置1に予め設けられたA/D(Analog/Digital)コンバータによりA/D変換され、デジタル音声信号として供給される。
遅延素子13は、補正フィルタ12Rからの音声信号s(k)に対して、予め設定された時間分だけ遅延処理を行い、この遅延処理された遅延音声データd(k-t)を加算器15Rに出力する。
加算器15Rでは、適応フィルタにより補正された出力y(k)と遅延素子の出力信号d(k-t)との差分算出が行われ、算出された差分e(k)が、適応フィルタ14Rに送出される。
適応フィルタ14Rでは、送り込まれた差分e(k)および信号x(k)に基き差分e(k)を最小とするように特性が自己設定される。また、同定された逆特性は、補正フィルタ12Rに通知される。
これにより、適応フィルタ14Rでは、聴取者5の耳(ここでは右耳)に装着されたヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの合成された特性(合成特性)と逆の逆特性が同定される。
次いで、補正フィルタ12Rは、上記同定された逆特性を、補正フィルタ2R自身の特性として、再生処理部11からの音声データDRに対して畳み込み処理を行うことにより補正処理を行いヘッドフォン3Rに供給する。
尚、上記実施形態では、右チャンネル再生系、ヘッドフォン3R、およびマイクロフォン2Rの動作について説明したが、対応する左チャンネル再生系(補正フィルタ12L、遅延素子13L、適応フィルタ14L、加算器15L)、ヘッドフォン3L、およびマイクロフォン2Lにおいても、上述と同様に動作する。
以上のように、本実施形態では、バイノーラル収音されたバイノーラル収音(音声)信号が、ヘッドフォンと耳との間の特性をフラットにするような補正が行われ、バイノーラル収音音声が忠実に聴取者の耳元に再現される。
また、本実施形態によってバイノーラル再生を行う場合には、補正フィルタの補正特性を逐次更新することができるため、再生中におけるヘッドフォンの装着状態の変動などによる特性の変動に対しても、追従して最適な特性が同定され、再生音声のフィルタリングを行うことができる。
[実施形態2]
次に、本発明に係る実施形態2のシステムについて説明する。ここで、前述した実施形態1と同一の部分については、同一の符号を付するものとする。
この実施形態2は、実施形態1のヘッドフォンに代えて、聴取者5の前方左側にラウドスピーカ200L、前方右側にラウドスピーカ200Rを設けた点と、再生装置100内にクロストークキャンセル部50を備えた点が実施形態1の場合と相違する。
ここで、バイノーラル収音(リアルヘッド収録)されたステレオ音声信号(収録信号)を聴取者の前方に設置された一対のステレオラウドスピーカ(以下「ラウドスピーカ」という)200L,Rで再生する場合には、図11に示すように、ラウドスピーカ200Lから右耳に到達する音声信号、ラウドスピーカ200Rから左耳に到達する音声信号が存在する。これらの信号はクロストークと呼ばれる。
リアルヘッド収録された収録信号(左および右チャンネル音声信号)を、一対のラウドスピーカ200L,Rにて再生する場合、これを聴取する聴取者側では、クロストークの影響で音の空間的拡がり、定位感が減少してしまう。このため、図12に示すように、再生される左および右チャンネル音声信号(x1、およびx2)に対して、クロストークをキャンセルする処理(クロストークキャンセル処理)を行うことが必要となる。
クロストークキャンセル処理は、聴取者に対して左スピーカy1から聴取者の右耳z2に到達する信号(クロストーク)を右スピーカy2からの信号によって打ち消すものである。同様に、クロストークキャンセル処理は、右スピーカy2から聴取者の左耳z1に到達する信号(クロストーク)も左スピーカからの信号によって打ち消すものである。
ここで、本実施形態の概略構成図を図13に示す。
実施形態1と同様に聴取者5の両耳にマイクロフォン2L、2Rをそれぞれ備え、聴取者5の前方に左ラウドスピーカ(以下「スピーカ」という)200L、および右ラウドスピーカ(以下「スピーカ」という)200Rを設け、このスピーカ200L、Rに音声信号を提供する再生装置100を備えた構成となっている。
再生装置100は、スピーカ200L、およびRにそれぞれ接続され、データ記憶部7(図示なし)に記録された入力音声信号SR、およびSLの再生を行う再生処理部11(図示なし)と、再生処理部11から入力される左チャンネル音声信号DLに補正を行う補正フィルタAと、同様に再生処理部11から入力される右チャンネル音声信号DRに対して補正を行う補正フィルタBを有する。
本実施形態の再生装置100では、上記補正フィルタA、およびBに加えて、後述するクロストークキャンセル部50内に、補正フィルタC、およびDを備えている。これら4つのフィルタそれぞれの特性は、図13に示すように、左スピーカ(200L)、および右スピーカ(200R)それぞれと聴取者の両耳それぞれとの間の伝達関数G11、G22、G12、G21に基き決定される。
ここでは、左スピーカと聴取者5の左耳との間の伝達関数をG11、左スピーカと聴取者5の右耳との間の伝達関数をG12、右スピーカと聴取者の左耳との間の伝達関数をG21、右スピーカと聴取者5の右耳との間の伝達関数をG22とする。これにより、各伝達関数は、左、右各スピーカと聴取者5の左右各耳との位置関係が変わることにより変化する。尚、1/G11、および1/G22は、それぞれG11,およびG22の逆伝達関数を示す。
ここで、1/G11、1/G22は、再生系の補償を行い、G12/G22、G21/G11は、それぞれ他方のチャンネルの信号から減算される。これにより、帰還ループが形成され、この構成は、フィードバック型のクロストークキャンセル装置と呼ばれる。
このような構成により、再生される左および右チャンネル音声信号を処理することにより、左スピーカからの信号は左耳のみに到達し、右スピーカからの信号は右耳のみに到達する。
ところで、クロストークキャンセル処理(図12)では、一般に、聴取者が左右スピーカの中央にいる場合を想定した固定的な特性が設定されたフィルタが実装される。しかしながら、この場合、聴取者が移動したり、向きを変えることにより、スピーカと聴取者との位置関係が変化したときに、クロストークを適切にキャンセルすることができず、聴取される音声の定位効果(バイノーラル効果)は失われてしまう。
そこで、本実施形態では、本発明のマイクロフォン2R、2L(総称として「リアルヘッドマイク」という)を聴取者5の両耳に装着することにより、ラウドスピーカで再生された信号を収音し、ラウドスピーカへの供給信号とリアルヘッドマイクが収音している信号とに基いて、適応的にフィルタ関数の同定を行う。
これにより、聴取者が移動することにより、聴取者の耳とラウドスピーカとの位置関係が変化した場合でも、装備されたフィルタのフィルタ関数が適応的に更新され、常に最適なクロストークキャンセルを実現することが可能となる。
本実施形態では、クロストークキャンセルに適応フィルタを用いるために、図13に示されたG12/G22をG12と1/G22に、同様にG21/G11をG21と1/G11に分解した構成とする(図14)。
以下、これを詳説する。
本実施形態のバイノーラル収音再生システムは、図14に示すように、リアルヘッド収録された音声信号を再生するバイノーラル再生装置(以下「再生装置」という)100と、再生装置100から供給された音声信号を放音するラウドスピーカ(以下「スピーカ」という)200L、200Rとを備えた構成となっている。また、上述のように、聴取者5の左右各耳における耳道近傍には、実施形態1と同様に、装着されたマイクロフォン2(2L、2R)を備えられ、このスピーカ200L、および200Rから放音される音声をマイクロフォン2L、および2Rがそれぞれ収音する。
更に、再生装置100は、実施形態1と同様に、データ記憶部7に記憶された音声信号を読み出す再生処理部11と、再生処理部11で読み出された左チャンネル音声信号(DL)の補正処理を行うフィルタである信号補正部41、および右チャンネル音声信号の補正処理を行うフィルタである信号補正部42(それぞれ「補正フィルタ」に対応)と、この信号補正部41、42を介して入力された音声信号に対して補正処理を行いスピーカ200L、Rに音声信号を入力するクロストークキャンセル部50を備えている。
信号補正部41は、左チャンネル音声信号DLに対して補正を行うフィルタ(補正フィルタA:図13)であって、スピーカ200Lから聴取者5の左耳までの伝達関数(G11)の逆伝達関数に対応するフィルタ係数(1/G11)が設定される。
信号補正部41は、再生処理部11からの音声信号DLに対して、スピーカ200Lから聴取者5の左耳までの伝達関数の逆関数に基く周波数特性を付与する。これにより、スピーカ200Lから聴取者5の左耳までの音声の周波数特性をフラットに補正することができる。
尚、このフィルタ係数(1/G11)は、後述するフィルタ特性算出部61により算出(同定)され、設定される。
信号補正部42は、右チャンネル音声信号(以下「音声信号」という)DRに対して補正を行うフィルタ(補正フィルタB:図13)であって、スピーカ200Rから聴取者5の右耳までの伝達関数(G22)の逆伝達関数に対応するフィルタ係数(1/G22)が、設定される。
尚、このフィルタ係数(1/G22)は、後述するフィルタ特性算出部63により算出され、設定される。
信号補正部42は、再生処理部11からの音声信号DRに対して、スピーカ200Rから聴取者5の右耳までの伝達関数の逆関数に基く周波数特性を付与する。これにより、スピーカ200Rから聴取者5の右耳までの音声の周波数特性をフラットに補正することができる。
クロストークキャンセル部50は、信号補正部41、42を介して入力された音声信号に対してそれぞれ加算処理を行い、加算結果をスピーカ200L、Rにそれぞれ供給する加算処理部31L、32Rと、音声信号に対して、予め設定されたフィルタ係数で畳み込み処理を行う信号補正部43、44、45、および46を備えている。
具体的には、クロストークキャンセル部50は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ、ハードディスク等の記憶部によって実現され、クロストークキャンセルのための信号処理を制御する制御プログラムの実行を行う。
加算処理部31Lは、信号補正部44および46(補正フィルタDに対応:図13)により補正処理がなされたフィードバック信号b1と、信号補正部41で補正処理されたlch入力信号lw(k)とが入力される。
加算処理部31Lは、lch入力信号lw(k)からフィードバック信号b1が減算されたlch出力信号lx(k)をスピーカ200Lに供給(入力)する。また、加算処理部31Lは、加算処理されたlch出力信号lx(k)を、後述する信号補正部45に入力する。
加算処理部32Rは、加算処理部31Lと同様に、信号補正部43および45(補正フィルタCに対応:図13)により補正処理がなされたフィードバック信号b2(k)と、信号補正部42で補正処理がなされたrch入力信号rw(k)とが入力される。
加算処理部32Rは、rch入力信号rw(k)からフィードバック信号b2(k)が減算されたrch出力信号rx(k)をスピーカ200Rに供給(入力)する。また、加算処理部32Rは、このrch出力信号rx(k)を、後述する信号補正部46に入力する。
信号補正部45は、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタ等から成り、加算処理部31Lから音声信号lx(k)が入力される。
又、信号補正部45には、スピーカ200Rから聴取者5の右耳までの伝達関数(G22)の逆伝達関数(1/G22)に対応するフィルタ係数が設定される。
信号補正部45は、加算処理部31Lからのlch出力信号lx(k)に対して、スピーカ200Rから聴取者5の右耳までの伝達関数の逆関数(1/G22)に基く周波数特性を付与する処理を行い、音声信号ly(k)として信号補正部43に出力する。
尚、信号補正部45は、上記信号補正部42のフィルタ係数と同じフィルタ係数が設定される。また、信号補正部45のフィルタ係数は、後述するフィルタ特性算出部61により算出され、設定される。このため、信号補正部45のフィルタ特性は、フィルタ特性算出部61による同定の結果により、信号補正部42の特性と同じになるように更新設定される。
信号補正部43は、信号補正部45からの音声信号ly(k)に対して、スピーカ200Lから聴取者5の右耳までのクロストークの伝達関数(G12)に基く周波数特性を付与する処理を行う。信号補正部43は、この処理により生成されたフィードバック音声信号b2(k)を、加算処理部32Rに出力する(フィードバック音声信号送出機能)。
また、信号補正部43には、スピーカ200Lから聴取者5の右耳までのクロストークにおける伝達関数(G12)に対応するフィルタ係数が設定される。
更に、信号補正部43のフィルタ係数(G12)は、後述するフィルタ特性算出部63により算出され、設定される。このため、信号補正部43のフィルタ特性は、フィルタ特性算出部63による同定の結果により、そのフィルタ特性が更新される。
加算処理部32Rは、信号補正部43および45(補正フィルタCに対応:図13)により補正処理がなされたフィードバック信号(マイナス成分)b2(k)と、信号補正部42で補正処理されたrch入力信号(プラス成分)rw(k)とが入力され、加算処理を行う。
加算処理部32Rは、rch入力信号w(k)からフィードバック信号b2が減算されたrch出力信号rx(k)を、スピーカ200Rに入力すると共に、後述する信号補正部46に入力する。
信号補正部46は、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタ等から成り、加算処理部32Rから音声信号(rch出力信号rx(k))が入力される。
又、信号補正部46には、スピーカ200Lから聴取者5の左耳までの伝達関数(G11)の逆関数(1/G11)に対応するフィルタ係数が設定される。
信号補正部46は、加算処理部32Rからのrch出力信号rx(k)に対して、スピーカ200Lから聴取者5の左耳までの伝達関数の逆関数(1/G11)に基く周波数特性を付与する処理を行い、rch音声信号ry(k)として信号補正部44に出力する。
尚、信号補正部46は、上記信号補正部41のフィルタ係数と同じフィルタ係数に設定される。つまり、信号補正部46のフィルタ係数は、後述するフィルタ特性算出部61により算出され設定される。このため、信号補正部46のフィルタ特性は、フィルタ特性算出部63による同定の結果により、更新される。
信号補正部44は、信号補正部46からの音声信号ry(k)に対して、スピーカ200Rから聴取者5の左耳までのクロストークにおける伝達関数(G21)に基く周波数特性を付与する処理を行う。信号補正部44は、この処理により生成されたフィードバック音声信号b1を、加算処理部31Lに出力する(フィードバック音声信号送出機能)。
ここで、信号補正部44には、スピーカ200Rから聴取者5の左耳までのクロストークにおける伝達関数に対応するフィルタ係数(G21)が予め設定される。
また、信号補正部44のフィルタ係数は、後述するフィルタ特性算出部64により算出され、設定される。このため、信号補正部44のフィルタ特性は、フィルタ特性算出部64による同定の結果により、更新される。
次に、再生装置100内に設けられ、上記信号補正部41、42,43,44,45,および46の特性(伝達関数)を同定するフィルタ特性算出部61〜64について、図15〜17に基き説明する。
フィルタ特性算出部61は、図15に示すように、再生処理部11およびマイクロフォン2Lに接続され、再生処理部11から入力される左チャンネル音声信号DLと、マイクロフォン2Lからの再生音声信号lp(x)とに基き信号補正部41、および46のフィルタ係数を算出する。
又、フィルタ特性算出部61(適応フィルタに相当)は、図16に示すように、遅延手段33と、加算手段34と、適応フィルタAとを含み構成される。
遅延手段33は、入力されたリアルヘッド収音左信号(DL)を予め設定された時間(t)だけ遅延させ、この遅延させた遅延音声データad(k−t)を加算手段34に出力する(遅延データ送出機能)。
又、加算手段34は、適応フィルタAを介して入力された出力ay(k)(マイナス成分)と遅延音声信号ad(k−t)(プラス成分)とを加算する処理を行う(加算処理機能)。
ここでは、加算手段34は、遅延音声信号ad(k−t)から出力ay(k)を減算する処理を行い、残差信号aeを生成し適応フィルタAに送出する(残差信号出力機能)。
適応フィルタAは、デジタルフィルタaと、このデジタルフィルタaのフィルタ係数を決定する係数決定手段aを備えている。
デジタルフィルタaは、マイクロフォン2Lから入力された再生音声データlp(k)に対して、予め設定されたフィルタ係数で畳み込み処理を行い出力ay(k)を生成する。デジタルフィルタaは、生成した出力ay(k)を加算手段34に出力する(再生信号補正出力機能)。
係数決定手段aは、加算手段34から出力された残差信号ae(k)とマイクロフォン2Lから入力された再生音声データlp(k)に基いて、スピーカ200Lから聴取者5の左耳に到達する音声信号の伝達特性(G11)と逆の逆伝達特性(1/G11:逆特性)を同定し、この逆伝達特性(関数)に合わせて、デジタルフィルタaのフィルタ係数を補正する。この補正は、加算手段34から適応フィルタAに入力される残差信号ae(k)ができるだけ小さくなるように行われる。
これにより、適応フィルタAからの出力ay(k)を遅延音声信号ad(k−t)に近似させる適応処理を行うことが可能となる。
ここで、補正されたデジタルフィルタaのフィルタ係数は、適応フィルタAにより、信号補正部41および46に通知される(同定係数通知機能)。これにより、信号補正部41および46のフィルタ係数は、デジタルフィルタaのフィルタ係数に合わせて設定される(フィルタ係数補正設定機能)。
フィルタ特性算出部62は、図16に示すように、加算手段35と、適応フィルタBを含み構成される。
加算手段35は、適応フィルタBからの出力by(k)とマイクロフォン2Rから入力された再生音声データ(マイクロフォン入力信号)rp(k)とが入力される。
加算手段35は、マイクロフォン入力信号(プラス成分)rp(k)と出力信号by(k)(マイナス成分)とを加算する処理を行う(加算処理機能)。
ここでは、入力信号rp(k)から出力信号by(k)が減算されることにより、残差信号be(k)を生成される。加算手段35は、この残差信号be(k)を、適応フィルタBに送出する(残差信号出力機能)。
適応フィルタBは、デジタルフィルタbと、このデジタルフィルタbのフィルタ係数を決定する係数決定手段bとを有する。
デジタルフィルタbは、入力されたリアルヘッド収音左信号(DL)に対して予め設定されたフィルタ係数で畳み込み処理を行い、出力by(k)を生成する。また、デジタルフィルタbは、生成した出力by(k)を加算手段35に出力する(収録信号補正出力機能)。
係数決定手段bは、加算手段34から出力された残差信号be(k)とDLとに基いて、スピーカ200Lから聴取者5の右耳に到達するクロストークの伝達特性(G12)を算出し、この伝達特性に合わせて、デジタルフィルタbのフィルタ係数を補正する。この補正は、加算手段35から入力される残差信号be(k)ができるだけ小さくなるように実行される。これにより、係数決定手段bは、出力by(k)を再生音声データrp(k)に近似させることが可能となる。
ここで、補正されたデジタルフィルタbのフィルタ係数は、適応フィルタBによって信号補正部43に通知される。これにより、信号補正部43のフィルタ係数は、適応フィルタB(デジタルフィルタb)で同定されたフィルタ係数に設定される(フィルタ係数補正設定機能)。
フィルタ特性算出部63は、再生処理部11およびマイクロフォン2Rに接続して設けられ、再生処理部11から入力されるリアルヘッド収音右信号DRと、マイクロフォン2Rからの再生音声信号rp(k)とに基いて、信号補正部42、および45の特性を同定し設定する。
又、フィルタ特性算出部63は、図17に示すように、遅延手段36と、加算手段37と、適応フィルタCとを含み構成される。
遅延手段36は、入力されたリアルヘッド収音右信号(DR)を予め設定された時間(t)だけ遅延させ、この遅延させた遅延音声データcd(k−t)を加算手段37に出力する(遅延データ送出機能)。
又、加算手段37は、適応フィルタCを介して入力された出力cy(k)(マイナス成分)と遅延音声信号cd(k−t)(プラス成分)とを加算する処理を行う(加算処理機能)。
ここでは、加算手段34は、遅延音声信号cd(k−t)から出力cy(k)を減算する処理を行い残差信号ceを生成して適応フィルタCに送出する(残差信号出力機能)。
適応フィルタCは、デジタルフィルタcと、このデジタルフィルタcのフィルタ係数を決定する係数決定手段cを備えている。
デジタルフィルタcは、マイクロフォン2Rから入力された再生音声データrp(k)に対して、予め設定されたフィルタ係数で畳み込み処理を行い出力cy(k)を生成する。デジタルフィルタcは、生成した出力cy(k)を加算手段37に出力する(再生信号補正出力機能)。
係数決定手段cは、加算手段37から出力された残差信号ce(k)とマイクロフォン2Rから入力された再生音声データrp(k)に基いて、スピーカ200Rから聴取者5の右耳に到達する音声信号の伝達特性(G22)と逆の逆伝達特性(1/G22:逆特性)を算出し、この逆特性に合わせて、デジタルフィルタcのフィルタ係数を補正する。この補正は、加算手段37から適応フィルタCに入力される残差信号ce(k)ができるだけ小さくなるように行われる。
これにより、適応フィルタCからの出力cy(k)を遅延音声信号cd(k−t)に近似させる適応処理を行うことが可能となる。
また、補正されたデジタルフィルタcのフィルタ係数は、適応フィルタCにより、信号補正部42および45に通知される(同定係数通知機能)。これにより、信号補正部42および45のフィルタ係数(特性)は、デジタルフィルタcのフィルタ係数に合わせて設定される(フィルタ係数補正設定機能)。
フィルタ特性算出部64は、図17に示すように、少なくとも、加算手段38と、適応フィルタDを含み構成される。
加算手段38は、適応フィルタDからの出力dy(k)とマイクロフォン2Lから入力された再生音声データ(左マイクロフォン入力信号)lp(k)とが入力される。
加算手段38は、左マイクロフォン入力信号(プラス成分)lp(k)と出力信号dy(k)(マイナス成分)とを加算する処理を行う(加算処理機能)。
ここでは、左マイクロフォン入力信号lp(k)から出力信号dy(k)が減算されることにより、残差信号de(k)を生成される。加算手段38は、この残差信号de(k)を、適応フィルタDに送出する(残差信号出力機能)。
適応フィルタDは、デジタルフィルタdと、このデジタルフィルタdのフィルタ係数を決定する係数決定手段dとを有する。
デジタルフィルタdは、入力されたリアルヘッド収音右信号(DR)に対して予め設定されたフィルタ係数で畳み込み処理を行い、出力dy(k)を生成する。また、デジタルフィルタdは、生成した出力dy(k)を加算手段38に出力する(収録信号補正出力機能)。
係数決定手段dは、加算手段38から出力された残差信号de(k)とリアルヘッド収音右信号DRとに基いて、スピーカ200Rから聴取者5の左耳に到達するクロストークの伝達特性(G21)を算出し、この伝達特性に合わせて、デジタルフィルタdのフィルタ係数を補正する。この補正は、加算手段38から入力される残差信号de(k)ができるだけ小さくなるように実行される。これにより、係数決定手段dは、出力dy(k)を再生音声データlp(k)に近似させることが可能となる。
ここで、補正されたデジタルフィルタdのフィルタ係数は、適応フィルタDにより、信号補正部44に通知される。これにより、信号補正部44のフィルタ係数(特性)は、適応フィルタD(デジタルフィルタd)のフィルタ係数に合わせて設定される(フィルタ係数補正設定機能)。
以上のように、再生装置100のフィルタ特性算出部61〜64は、リアルヘッド再生時における各信号補正部41〜46の特性を、再生処理部11からの収録音声および、マイクロフォン2により再生収音された音声に基き動的に同定することができる。
また、本実施形態の再生装置100は、バイノーラル再生が行われ、各フィルタ特性算出部61〜64の同定が安定したところで、同定を打ち切り、この時点で同定されたG12、1/G22、G21、1/G11のフィルタ係数を対応する各信号補正部41〜46の特性としてもよい。
また、本実施形態では、リアルヘッド収録に用いたマイクロフォン2を聴取者5が収録時と同様に装着して、ステレオラウドスピーカからのリアルヘッド収録音声を聴取することにより、ラウドスピーカに供給される信号とラウドスピーカから再生されてマイクロフォンで収音した信号とを用いて、ラウドスピーカと両耳の間のクロストークを動的にキャンセルすることが可能となる。
これにより、ラウドスピーカによる再生であっても、聴取者の耳道領域にヘッドフォンによる再生時(実施形態1)と等価な再生環境を構築することができる。また、使用するステレオラウドスピーカの変更や、聴取者の聴取位置の変動に対して、特性を動的に追従させて更新することが可能となる。
尚、本実施形態では、上記の特性同定については、フィルタ特性算出部61、62(図16)を含む左側と、フィルタ特性算出部63、64(図17)を含む右側とで別々に説明しているが、リアルヘッド収音された再生音声信号の左右チャンネルの相関が低い場合には、上記同定処理を、左および右側で同時に行う設定としてもよい。
尚、本実施形態では、フィルタ特性算出部61〜64(図15)におけるフィルタ係数の算出処理に、一般的な適応アルゴリズムであるLMS法(Least Mean Square)や学習同定法(Normalize Least Mean Square)を用いた場合、同定に時間がかかり、聴取者の位置の変化に追従することが困難となる。
そこで、本実施形態では、上記フィルタ係数の算出処理に、特許第4067269号に開示された高速H∞フィルタ(FHF:高速算出フィルタ)を用いるものとする。
また、このFHFを用いて一定時間毎に適応フィルタA(1/G11)、B(G12)、C(1/G22)、およびD(G21)のフィルタ係数を算出し、算出されたフィルタ係数を信号補正部41〜46のフィルタ係数として用いることにより、聴取者5が移動することによって各伝達関数が変化した場合でも、聴取者5とスピーカとの位置変動に追従してクロストークキャンセル処理を行うことが可能となる。
本実施形態では、聴取者の移動に追従してクロストークキャンセル処理が実行されるので、聴取者の左耳に装着されたリアルヘッドマイクで収録された信号は、左スピーカから左耳だけに到達し、右耳に装着されたリアルヘッドマイクで収録された信号は、右スピーカから右耳だけに到達する。このため、リアルヘッド収録された音声信号が、一対のステレオラウドスピーカで再生される場合でも、実施形態1のヘッドフォンによる再生を行う場合と同様に、聴取者の耳道領域で収録現場の音場感が、空間的な拡がりや定位感を損なうことなく忠実に再現される。
又、本実施形態では、特殊な測定用信号を用いることなく逐次同定することが可能となり、リアルヘッド収録されたバイノーラル音声信号をより忠実に聴取者の耳元に再現させることが出来る。更には、再生に使用されるスピーカ及び聴取位置を限定することなく、利用することが可能となる。
本発明によるバイノーラル収音再生システムにおける一実施形態を示す概略構成図である。 図1に開示したバイノーラル収音再生システムにおけるマイクロフォン2Rの構成を示す図で、図2(A)はマイクロフォン2Rの正面図、図2(B)はマイクロフォン2Rの側面図である。 図1に開示したバイノーラル収音再生システムにおけるマイクロフォン2Rを録音者4が装着した状態を示す説明図である。 図1に開示したバイノーラル収音再生システムにおける録音デバイス6を示す説明図である。 図1に開示したバイノーラル収音再生システムにおける再生装置の内部構成一例を示す概略ブロック図である。 バイノーラル収音再生システムにおけるヘッドフォン3Rからマイクロフォン2Rまでの伝達特性を同定するための一構成例を示す説明図である。 図6に開示した構成例における適応フィルタXで同定された伝達特性を示し、図7(A)は、適応フィルタXで同定された伝達特性の時間波形、図7(B)は、図7(A)の時間波形の周波数特性を示す説明図である。 図1に開示したバイノーラル収音再生システムにおける構成内容の一部を示す説明図である。 図8に開示した説明図における適応フィルタYで同定された伝達特性を示し、図8(A)は、適応フィルタYで同定された伝達特性の時間波形、図8(B)は、図8(A)の時間波形の周波数特性を示す説明図である。 図10(A)は、図7(A)の時間波形と図9(A)の時間波形を畳み込んだ場合の時間波形、図10(B)は、図10(A)の時間波形の周波数特性を示す説明図である。 ステレオスピーカから聴取者に到達するクロストークの概略説明図である。 図11に開示したクロストークをキャンセルするための構成を示す概略構成図である。 本発明によるバイノーラル収音再生システムの一実施形態を示す概略構成図である。 図13に開示した実施形態における再生装置の内部構成の一部を示す概略ブロック図である。 図13に開示した実施形態における再生装置の内部構成の一部を示す概略ブロック図である。 図15に開示した概略ブロック図におけるフィルタ特性算出部の内部構成を示す概略ブロック図である。 図15に開示した概略ブロック図におけるフィルタ特性算出部の内部構成を示す概略ブロック図である。
符号の説明
1,100 バイノーラル再生装置
2L,2R マイクロフォン(収音用マイクロフォン)
3L,3R ヘッドフォン
4 録音者
5 聴取者
6 録音デバイス
7 データ記録部
11 再生処理部
12L,12R 補正フィルタ
13L,13R 遅延素子(遅延信号出力手段)
14L,14R 適応フィルタ
15L,15R 加算器(残差検出手段)
200L,200R ラウドスピーカ
50 クロストークキャンセル部
31L,32R 加算処理部
33,36 遅延手段(遅延信号出力手段)
34,35,37,38 加算手段(残差検出手段)
41,42 信号補正部(再生音声補正フィルタ)
43,44,45,46 信号補正フィルタ
61,63 フィルタ特性算出部(再生音声適応フィルタ)
62,64 フィルタ特性算出部

Claims (8)

  1. 収音用マイクロフォンにより予め収録された収録音声信号の補正を行いスピーカに供給する補正フィルタと、
    前記スピーカで前記供給された収録音声信号が再生され予め聴取者の耳道領域に備えられた前記収音用マイクロフォンにより収音された再生音声信号に対して補正を行う適応フィルタと、
    前記収録音声信号を取得し予め設定された時間遅延させて出力する遅延信号出力手段と、
    前記適応フィルタを介して取得された再生音声信号と前記遅延信号出力手段からの収録音声信号との差分を算出し、その差分を前記適応フィルタに送出する残差検出手段とを備え、
    前記適応フィルタは、前記再生音声信号と前記差分とに基き、前記スピーカから前記収音用マイクロフォンまでの伝達特性と逆の特性を算出する逆特性同定機能を有し、
    前記補正フィルタが、前記特性により前記収録音声信号の補正を行うことを特徴とするバイノーラル収音再生システム。
  2. 前記請求項1に記載のバイノーラル収音再生システムにおいて、
    前記適応フィルタは、前記残差検出手段から送出された差分に基き当該差分が最小となるように前記適応フィルタにおける特性を更新する適応特性更新機能を特徴とするバイノーラル収音再生システム。
  3. 前記請求項1、2に記載のバイノーラル収音再生システムにおいて、
    前記スピーカを前記聴取者の耳道領域に装着されるヘッドフォンとすることを特徴としたバイノーラル収音再生システム。
  4. 前記請求項1、2に記載のバイノーラル収音再生システムにおいて、
    前記スピーカを少なくとも左右2つのチャンネルを有する左および右ラウドスピーカとして備え、
    前記補正フィルタを介して前記左および右ラウドスピーカそれぞれに供給される前記収録音声信号に対して、前記左ラウドスピーカから前記聴取者の右耳に到達する音声および前記右ラウドスピーカから聴取者の左耳に到達する音声をキャンセルする補正を行うクロストークキャンセル部を備えたことを特徴とするバイノーラル収音再生システム。
  5. 前記請求項1乃至4の何れか1つに記載のバイノーラル収音再生システムにおいて、
    前記クロストークキャンセル部は、前記収録音声信号に対して、前記左及び右スピーカと前記聴取者の左および右耳それぞれとの間の伝達特性と逆の伝達特性と、前記左および右スピーカと前記聴取者の右および左耳それぞれとの間の伝達特性とを付与する補正を行う再生音声補正フィルタを有し、
    前記再生音声信号と前記収録音声信号とに基き前記再生音声補正フィルタにおける前記伝達特性の算出を行うと共に、前記伝達特性を前記再生音声補正フィルタに設定する再生音声適応フィルタを備えたことを特徴とするバイノーラル収音再生システム。
  6. 前記請求項1乃至3の何れか1つに記載のバイノーラル収音再生システムにおいて、
    前記適応フィルタとして当該適応フィルタにおける特性を高速に算出する高速算出フィルタを用いることを特徴としたバイノーラル収音再生システム
  7. 前記請求項5に記載のバイノーラル収音再生システムにおいて、
    前記再生音声適応フィルタとして当該再生音声適応フィルタにおける各伝達特性を高速に算出する高速算出フィルタを用いることを特徴としたバイノーラル収音再生システム。
  8. 前記請求項1乃至7の何れか1つに記載のバイノーラル収音再生システムにおいて、
    前記収音用マイクロフォンは、耳道を塞ぐことなく耳道内に挿入可能なプローブ形状を有することを特徴とするバイノーラル収音再生システム。
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