JP2010009921A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】交換された交換部品が正常に取り付けられたことを判定できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】システムは、アノード極10およびカソード極11をもつ燃料電池1と、燃料電池1の発電運転に寄与する機能を有する交換可能な交換部品と、交換部品が有する機能のうちの少なくとも一つの機能を利用する要素とを備える。アノード極10にアノード流体およびカソード極11にカソード流体を供給して燃料電池1を発電運転させる運転部2が設けられている。制御装置8は、運転部2のうち要素の状態を取得する取得操作と、取得した要素の状態が交換部品が正常作動しているときにおける要素の状態にならないとき警報を出力する交換適否操作とを実行する。
【選択図】図1
【解決手段】システムは、アノード極10およびカソード極11をもつ燃料電池1と、燃料電池1の発電運転に寄与する機能を有する交換可能な交換部品と、交換部品が有する機能のうちの少なくとも一つの機能を利用する要素とを備える。アノード極10にアノード流体およびカソード極11にカソード流体を供給して燃料電池1を発電運転させる運転部2が設けられている。制御装置8は、運転部2のうち要素の状態を取得する取得操作と、取得した要素の状態が交換部品が正常作動しているときにおける要素の状態にならないとき警報を出力する交換適否操作とを実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は交換可能な水精製器等の交換部品を有する燃料電池システムに関する。
消耗品の使用時間を計測するタイマと、消耗品の使用時間を記憶する記憶装置と、消耗品の使用時間とタイマの計測時間とに基づいて消耗品の余寿命時間を演算する演算部と、消耗品の余寿命時間が一定時間になると警報を出力する警報表示手段とを備える燃料電池システムが知られている(特許文献1)。消耗品としては、水処理設備のイオン交換樹脂、脱硫器、燃料電池の触媒が挙げられている。
特開2002−298892号公報
上記したシステムによれば、消耗品の余寿命時間が一定時間になると警報が出力されるため、ユーザーまたはメンテナンス者は消耗品を交換させる。しかしながら消耗品の交換時期が近づくと警報されるものの、消耗品が交換されて正常に取り付けられたか否かは、必ずしも明確ではない。ユーザーまたはメンテナンス者が不慣れな場合には、消耗品が交換されたものの、正常に作動しないように取り付けられているおそれがある。この場合、消耗品の交換後における燃料電池システムの発電運転に影響を与えるおそれがある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、消耗品等の交換部品が正常に取り付けられたと判定できる燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池システムは、(i)アノード流体が供給されるアノード極およびカソード流体が供給されるカソード極をもつ燃料電池と、(ii)燃料電池の発電運転に直接的または間接的に寄与する機能を有する交換可能な交換部品と、交換部品が有する機能のうちの少なくとも一つの機能を利用する要素とを備えており、燃料電池のアノード極にアノード流体および燃料電池のカソード極にカソード流体を供給して燃料電池を発電運転させる運転部と、(iii)運転部のうち交換部品を交換した後における要素の状態を取得する取得操作と、取得した要素の状態が交換部品が正常作動しているときにおける要素の状態にならないとき、警報を出力する交換適否操作とを実行する制御装置とを具備する。
要素の状態としては、要素の物理的状態および/または要素の化学的状態が挙げられる。要素の物理的状態としては、要素における単位時間あたりの流量、要素における貯留量、要素における圧力、要素における温度等が挙げられる。警報は、視覚的警報、聴覚的警報、臭覚的警報等を含む。要素の化学的状態として、要素におけるPH値等が挙げられる。
燃料電池は、アノード流体が供給されるアノード極と、カソード流体が供給されるカソード極とをもつ。交換部品は、燃料電池の発電運転に直接的または間接的に寄与する機能を有する交換可能な部品である。燃料電池の発電運転に直接的に寄与する機能を有する交換部品とは、当該交換部品が燃料電池システムに存在しないとき、短時間(例えば5分以内)のうちに燃料電池の発電反応に大きな影響を与える部品をいう。燃料電池の発電運転に間接的に寄与する機能を有する交換部品とは、燃料電池の発電反応に大きな影響を与えないが、燃料電池システムの運転時間が長くなるにつれて、燃料電池の発電電力を次第に低下させる部品をいう。両者は必ずしも明確に区別できるものではなく、相対的なものであり、燃料電池の発電運転に寄与する機能を有する交換部品である。
運転部のうち、要素は、交換部品が有する機能のうちの少なくとも一つの機能を利用するものである。ここで、運転部は、燃料電池のアノード極にアノード流体および燃料電池のカソード極にカソード流体を供給し、燃料電池を発電運転させるものである。従って、交換部品および要素を有する。制御装置は、運転部のうち要素の状態を取得する取得操作と、取得した要素の状態が交換部品が正常作動しているときにおける要素の状態にならないとき、警報を出力する交換適否操作とを実行する。
本発明によれば、次の好適態様が挙げられる。
・好ましくは、交換部品としては、脱硫器等の有害成分低減器、水を精製させる水精製器、燃料電池を冷却させる冷媒(冷却水等の冷却液)を精製させる冷媒精製器、塵埃を低減させるフィルタ部等の塵埃低減部のうちの少なくとも一つが挙げられる。
・好ましくは、交換部品が交換されたとき自動または手動で操作される操作部が設けられている。これにより制御装置は作業者の交換作業の終了を知ることができる。この場合、制御装置は操作部が操作されるとき、取得操作および交換適否操作を自動的に実行する(請求項2)。交換された交換部品が正常に取り付けられたときには、交換部品が正常である旨を表示部に表示させることが好ましい。表示部は、視覚的表示、聴覚的表示等が挙げられる。
・好ましくは、運転部は、アノードガス等のアノード流体を燃料電池のアノード極に供給するアノード流体供給部と、カソードガス等のカソード流体を燃料電池のカソード極に供給するカソード流体供給部とを備えている。この場合、アノード流体供給部は、燃料電池のアノード極に供給されるアノード流体を燃料原料から改質させる改質器と、原料水を精製させる水精製材を有する水精製器と、水精製器で精製された精製水を改質器において使用される改質水として溜める改質水タンクとを備えていることが好ましい。この場合、交換部品は水精製器であり、要素は改質水タンクである。好ましくは、制御装置は、水精製器の交換作業後において、運転部のうち改質水タンクの状態を取得し、取得した改質水タンクの状態が、水精製器が正常作動しているときにおける改質水タンクの状態にならないとき、警報を出力する(請求項3)。ここで、改質水タンクの状態とは、改質水タンクにおける貯水量、改質水タンクに貯留されている水の電気伝導度のうちの少なくとも一つが挙げられる。
・好ましくは、制御装置は、原料水を水精製器に供給する貯湯槽等の水源の水が不足するとき警報を出力する(請求項4)。これにより水精製器に供給する原料水が不足することを知ることができる。この場合、制御装置または作業者は、貯湯槽等の水源の給水能力を確保するように努める。
・好ましくは、制御装置は、改質水タンクの貯水状態(改質水タンクの物理的状態)を取得するにあたり、水精製器に供給する原料水の単位時間あたりの流量を燃料電池の定常運転時よりも少なくするか、あるいは、多くするか、あるいは、定常運転時に対応させる(請求項5)。なお、改質水タンクの貯水状態(改質水タンクの物理的状態)を取得するセンサが設けられていることが好ましい。また、改質水タンクに貯留されている水の電気伝導度を取得するセンサが設けられていることが好ましい。
・好ましくは、運転部は、アノード流体を燃料電池のアノード極に供給するアノード流体供給部と、カソード流体を燃料電池のカソード極に供給するカソード流体供給部とを備えている。この場合、カソード流体供給部は、燃料電池のカソード極に供給されるカソード流体を透過させ且つカソード流体に含まれている塵埃を低減させる塵埃低減部と、定常運転時において塵埃低減部を透過したカソード流体が燃料電池のカソード極に向けて流れるカソード流体通路とを備えていることが好ましい。この場合、交換部品は塵埃低減部であり、要素はカソード流体通路である。この場合、好ましくは、制御装置は、塵埃低減部の交換作業後において、運転部のうちカソード流体通路におけるカソード流体の状態を取得し、取得したカソード流体通路の状態が、塵埃低減部が正常作動しているときにおけるカソード流体通路の状態にならないとき、警報を出力する(請求項6)。なお、カソード流体通路におけるカソード流体の状態(物理的状態)を検知するセンサが設けられていることが好ましい。
・好ましくは、制御装置は、カソード流体通路におけるカソード流体の通過状態を取得するにあたり、塵埃除去部を透過させるカソード流体の単位時間あたりの流量を燃料電池の定常運転時よりも少なくするか、あるいは、多くするか、あるいは、定常運転時に対応させる(請求項7)。カソード流体通路のカソード流体の状態(物理的状態)を検知するセンサが設けられていることが好ましい。カソード流体としては、酸素含有ガス等のカソードガスが挙げられる。上記した取得操作において、塵埃除去部を透過させるカソード流体の単位時間あたりの流量を、燃料電池の定常運転時よりも少なくすることができる。この場合、燃料電池のアノード極にアノード流体が供給されないときであっても、燃料電池のイオン伝導膜に対する負荷が低減される。
・好ましくは、改質用燃料原料を改質させてアノード流体を形成する改質部と燃焼用燃料をカソード流体を用いて燃焼させることにより改質部を加熱する燃焼部とを有する改質器が設けられている。この場合、カソード流体通路は、燃料電池のカソード極に連通する第1連通路と、改質器の燃焼部に連通する第2連通路とに分岐されている。この場合、好ましくは、制御装置は、塵埃除去部の交換作業後において、カソード流体通路におけるカソード流体の状態を取得するにあたり、塵埃除去部を透過させたカソード流体を第2連通路に供給し、且つ、カソード流体が第1連通路およびカソード極に流れることを制限させる(請求項8)。カソード流体通路におけるカソード流体の状態とは、カソード流体の単位時間あたりの流量が挙げられる。この場合、取得操作において、燃料電池のアノード極にアノード流体が供給されていない状態で、過剰のカソード流体が燃料電池のカソード極に流れることが制限される。故に、燃料電池のイオン伝導膜にカソード流体の圧力負荷がかかることが抑制され、イオン伝導膜の耐久性向上に有利である。
・好ましくは、運転部は、アノード流体を燃料電池のアノード極に供給するアノード流体供給部とカソード流体を燃料電池のカソード極に供給するカソード流体供給部を備えている。この場合、アノード流体供給部は、燃料電池のアノード極に供給されるアノード流体を燃料原料から改質させる改質器と、改質前の改質用燃料原料を改質器に向けて流す燃料原料通路と、改質器に供給される前の改質用燃料原料に含まれている有害成分(例えば硫黄成分)を低減させる有害成分低減器とを備えている。交換部品は有害成分低減器であり、要素は燃料原料通路である。好ましくは、制御装置は、有害成分低減器の交換作業後において、運転部のうち燃料原料通路の状態を取得し、取得した燃料原料通路の状態が、有害成分低減器が正常作動しているときにおける燃料原料通路の状態にならないとき、警報を出力する(請求項9)。燃料原料通路の状態を取得するセンサが設けられていることが好ましい。燃料原料通路の状態とは、燃料原料通路における圧力、有害成分(例えば硫黄成分)の濃度が挙げられる。従って、燃料原料通路には、圧力センサ、有害成分の濃度センサを設けても良い。
・好ましくは、運転部は、燃料電池を冷却する燃料電池冷却部を備えている。
この場合、好ましくは、燃料電池冷却部は、燃料電池を冷却する冷却路に冷媒を流す冷媒搬送路と、冷媒搬送路を流れる冷媒の電気伝導度を低下させる冷媒精製器とを備えている。従って、交換部品は冷媒精製器であり、要素は冷媒搬送路である。好ましくは、制御装置は、冷媒精製器の交換作業後において、運転部のうち冷媒搬送路の状態を取得し、取得した冷媒搬送路の状態が、冷媒精製器が正常作動しているときにおける冷媒搬送路の流れ状態にならないとき、警報を出力する(請求項10)。冷媒搬送路の状態とは、冷媒搬送路を流れる冷媒の流量、冷媒の電気伝導度が挙げられる。
この場合、好ましくは、燃料電池冷却部は、燃料電池を冷却する冷却路に冷媒を流す冷媒搬送路と、冷媒搬送路を流れる冷媒の電気伝導度を低下させる冷媒精製器とを備えている。従って、交換部品は冷媒精製器であり、要素は冷媒搬送路である。好ましくは、制御装置は、冷媒精製器の交換作業後において、運転部のうち冷媒搬送路の状態を取得し、取得した冷媒搬送路の状態が、冷媒精製器が正常作動しているときにおける冷媒搬送路の流れ状態にならないとき、警報を出力する(請求項10)。冷媒搬送路の状態とは、冷媒搬送路を流れる冷媒の流量、冷媒の電気伝導度が挙げられる。
・好ましくは、交換部品は複数個であり、要素は複数個である。好ましくは、制御装置は、操作部の操作に基づいて、運転部のうち複数の交換部品に対応する複数の要素の状態をそれぞれ取得し、取得した複数の要素のうち少なくとも一つの状態が、各交換部品が正常作動しているときにおける要素の状態にならないとき、警報を出力する。従って、定期的または不定期的なメンテナンスにおいて、作業者が交換部品の交換を終了したとき、作業者が操作部を操作すれば、制御装置は、当該交換部品が正常に取り付けられたかどうか否かの判定を自動的に実行する。従って、燃料電池システムに対して詳細な知識を必ずしも有しない作業者等であっても、交換の適否を良好に判定することができる。
本発明方法によれば、消耗品等の交換部品が正常に取り付けられたと判定できる燃料電池システムを提供することができる。
(実施形態1)
図1は定置用の燃料電池システムに適用した実施形態1の概念を示す。図1に示すように、燃料電池システムは、(i)活物質である水素を含有するアノードガス(アノード流体)が供給されるアノード極10および活物質である酸素を含有するカソードガス(カソード流体)が供給されるカソード極11をもつ燃料電池のスタック1と;(ii)スタック1のアノード極10にアノードガスおよび燃料電池のカソード極11にカソードガスを供給してスタック1を発電運転させる運転部2と;(iii)スタック1の運転および運転部2を制御する制御装置8とを有する。
図1は定置用の燃料電池システムに適用した実施形態1の概念を示す。図1に示すように、燃料電池システムは、(i)活物質である水素を含有するアノードガス(アノード流体)が供給されるアノード極10および活物質である酸素を含有するカソードガス(カソード流体)が供給されるカソード極11をもつ燃料電池のスタック1と;(ii)スタック1のアノード極10にアノードガスおよび燃料電池のカソード極11にカソードガスを供給してスタック1を発電運転させる運転部2と;(iii)スタック1の運転および運転部2を制御する制御装置8とを有する。
スタック1は複数の膜電極接合体をもつ。膜電極接合体は、アノード極10と、カソード極11と、アノード極10およびカソード極11で挟まれているイオン伝導膜13とを有する。イオン伝導膜13はイオン伝導性をもつものであり、炭化フッ素系または炭化水素系等の固体高分子膜または含水可能な無機膜で形成されている。電極接合体は、シート型でもチューブ型でも良い。スタック1には、これを冷却させる冷却路14が形成されている。
図1に示すように、運転部2は、アノードガスをスタック1のアノード極10に供給するアノードガス供給部3(アノード流体供給部)と、カソードガスをスタック1のカソード極11に供給するカソードガス供給部(カソード流体供給部)と、スタック1の冷却路14に冷媒を流してスタック1を冷却させるスタック冷却部6と、アノードガス供給部3に改質水を供給する改質水供給部7とを備えている。
図2はアノードガス供給部3を示す。図2に示すように、アノードガス供給部3は、改質用燃料原料源30(例えば都市ガス源または燃料タンク)とスタック1のアノード極10とを繋ぐガス供給路31と、改質用燃料原料源30に繋がる遮断バルブ32と、ガス供給路31に設けられガス状の改質用燃料原料を搬送させる第1ポンプ33(改質用燃料原料搬送源)と、第1ポンプ33の下流に配置されガス状の改質用燃料原料に含有されている硫黄成分(有害成分)を低減させる脱硫器34(有害成分低減部)と、改質器35と、改質器35の出口側に設けられた改質器出口バルブ36と、改質器35で生成されたアノードガスに含まれている水分および熱を低減させる凝縮器37と、スタック1のアノード極10の入口側に位置するスタック入口バルブ16Aとをもつ。ガス供給路31において改質器35とスタック1との間には、ガス供給路31におけるガス圧を検知する圧力センサ38が設けられている。圧力センサ38の位置はここに限定されるものではなく、遮断バルブ32とスタック入口バルブ16Aとの間であれば、何処でも良い。改質器35は、改質用燃料原料を水蒸気改質させてアノードガス(水素含有ガス)を形成する改質部35aと、燃焼用燃料をカソードガス(空気)を用いて燃焼させることにより改質部35aを高温に加熱する燃焼部35cとを有する。燃焼部35cには分岐路40が設けられている。分岐路40の分岐バルブ41が開弁すると、改質用燃料原料源30からの燃料原料が分岐バルブ41を介して燃焼部35cに供給され、燃焼用空気(カソードガス)により燃焼され、改質部35aを高温領域に加熱させる。
図3はカソードガス供給部5を示す。カソードガス供給部5は、定常運転時においてカソードガスをスタック1のカソード極11に供給するカソードガス通路50と、カソードガス通路50の最上流に設けられカソードガスに含まれている塵埃等を低減させるフィルタ部51(塵埃低減部)と、スタック1のカソード極11に向けてカソードガスを搬送させる第2ポンプ52(カソードガス搬送源)と、カソードガス通路50に設けられカソードガスの単位時間あたりの流量を検知するガス流量センサ53(流量検知手段)と、スタック1のカソード極11に供給されるカソードガスを加湿させる加湿器54と、カソードガス用のスタック入口バルブ16Cとを備えている。カソードガス通路50には、カソードガス通路50を流れるカソードガスの流量を検知するガス流量センサ53が設けられている。加湿器54は、スタック1のカソード極11に供給されるカソードガスを加湿させる加湿路54aと、スタック1のカソード極11から排出されたカソードオフガスを吸湿させる吸湿路54bと、吸湿路54bおよび加湿路54aを仕切る水分保持膜54cとを備える。加湿器54を迂回させる迂回路56と、加湿器54の加湿路54aを流れるカソードガスの流量V1と迂回路56を流れるカソードオフガスの流量V2との比率(V1/V2)を可変にする迂回バルブ57とが設けられている。スタック1のカソード極11の出口から排出されたカソードガスは、スタック1のカソード極11の入口に供給されるカソードガスに比較して高温高湿である。上記した比率(V1/V2)が増加すれば、加湿器54の加湿路54aを流れる高温高湿のカソードオフガスの流量V1が増加するため、カソードオフガスの水分および熱が水分保持膜54cに伝達され、加湿器54の加湿能力が増加し、カソードガスに保持させ得る水蒸気量を増加させ得る。上記した比率(V1/V2)が減少すれば、加湿器54の加湿路54aを流れる高温高湿のカソードオフガスの流量V1が減少するため、カソードオフガスの水分および熱が水分保持膜54cに伝達されにくくなり、加湿器54の加湿能力が減少する。図3に示すように、カソードガス通路50は、フィルタ部51を介してスタック1のカソード極11に連通する第1連通路5aと、改質器35の燃焼部35cに連通する第2連通路5cとに分岐部5dにより分岐されている。第2連通路5cは改質器35の燃焼部35cにカソードガス(外気)を燃焼用空気として供給する第3ポンプ59(燃焼用空気搬送源)をもつ。これにより燃焼部35cにおける燃焼が良好に行われる。分岐部5dは、第2ポンプ5252とフィルタ部51との間に設けられている。
図4は改質用水供給部7を示す。図4に示すように、改質用水供給部7は、水源として機能する温水を貯留する貯湯槽70と、改質水タンク71と、貯湯槽70と改質水タンク71との間をつなぐ給水路72と、給水路72に設けられた水バルブ73と、第1水精製器74と、第2水精製器75とを有する。第1水精製器74および第2水精製器75は水バルブ73と改質水タンク71との間に設けられている。第1水精製器74は、第1ケース74aと、第1ケース74aに収容された第1水精製材74c(例えばイオン交換樹脂)とで形成されている。第2水精製器75は、第2ケース75aと、第2ケース75aに収容された第2水精製材75c(例えば第2イオン交換樹脂)とで形成されている。改質水タンク71は、水精製器74,75で精製された精製水を改質器35において使用される改質水として溜める。改質水タンク71は、改質水タンク71に溜められている水を排出させるための排水バルブ73をもつ。改質水タンク71に溜められた改質水は、第4ポンプ78(改質水搬送源)により改質器35の蒸発部に供給される。原料水を補充するための水道管79が貯湯槽70に繋がる。貯湯槽70の水は温水とされ、コージェネレーションとして使用される。ここで、水バルブ73が開放されると、貯湯槽70の水は第1水精製器74、第2水精製器75を順に流れて精製されて純水化され、改質水タンク71に流れる。改質部35aの改質反応に使用される水は、高い純水度をもつことが好ましい。改質水タンク71には、改質水タンク71内の水量を検知する貯水センサ77が設けられている。改質水タンク71内の水は、第4ポンプ78により改質器35の蒸発部に供給され、水蒸気化され、改質器35において水蒸気改質に使用される。
図5はスタック冷却部6を示す。図5に示すように、スタック冷却部6は、スタック1の冷却路14に連通する循環路60(冷媒搬送路)と、冷媒を循環路60において循環させる第5ポンプ61(冷媒搬送源)と、スタック1に対して並列に位置する冷媒精製器62と、循環路60に設けられた冷媒流量センサ63と、循環路60に設けられた加熱装置64と、冷媒に含まれている空気を抜く空気抜け部65と、熱交換器66を備えている。循環路60を流れる冷媒は、スタック1の冷却路14に流れてスタック1を冷却するため、冷媒は加熱される。循環路60の冷媒の熱は、熱交換器66を介して温水路67の温水に伝達され、最終的には貯湯タンク70に温水として貯湯される。上記した冷媒精製器62は、ケース62aと、ケース62aに収容されたイオン交換樹脂62cとで形成されている。上記した冷媒は冷却水等の冷却液とされているが、スタック1における電気ロスの低減を考慮すると、電気絶縁性が高いものが好ましく、このためイオン交換樹脂62cにより純水度を高める。
図1に示すように、交換部品を交換完了したとき作業者等により手動操作または交換時に自動操作される操作スイッチ80(操作部)と、圧力センサ38、貯水センサ77、冷媒流量センサ63、ガス流量センサ53のそれぞれの信号が制御装置8に入力される。操作スイッチ80は、脱硫器34,水精製器74,75,冷媒精製器62、フィルタ部51の交換をそれぞれ個別に選別できる機能を有するスイッチである。従って、操作スイッチ80は、脱硫器34交換用のスイッチ機能,水精製器74交換用のスイッチ機能,水精製器75交換用のスイッチ機能,冷媒精製器62交換用のスイッチ機能、フィルタ部51交換用のスイッチ機能を併有する。
制御装置8は、バルブ16A,16C,32,36,57,76、水バルブ73、第1ポンプ33、第2ポンプ52,第3ポンプ59、第4ポンプ78、第5ポンプ61、迂回バルブ57等を制御する。第1水精製器74および第2水精製器75が正常に交換されたことを表示する水精製正常表示部81が設けられている。第1水精製器74および第2水精製器75が正常に交換されなかったことを表示する水精製警報部82が設けられている。冷媒精製器62が正常に交換されたことを表示する冷媒精製正常表示部83が設けられている。冷媒精製器62が正常に交換されなかったことを表示する冷媒精製警報部84が設けられている。脱硫器34が正常に交換されたことを表示する脱硫正常表示部85が設けられている。脱硫器34が正常に交換されなかったことを表示する脱硫警報部86が設けられている。フィルタ部51が正常に交換されたことを表示するフィルタ正常表示部87が設けられている。フィルタ部51が正常に交換されなかったことを表示するフィルタ警報部88が設けられている。
(第1水精製器74および第2水精製器75を交換する場合Iについて)
この場合、交換部品は第1水精製器74および第2水精製器75(図4参照)である。この場合、要素は、第1水精製器74および第2水精製器75の水透過機能により貯水される改質水タンク71である。操作スイッチ80は第1水精製器74および第2水精製器75の交換作業の終了時に操作される。まず、交換時には、燃料電池システムの発電は停止されているため、水バルブ73は閉鎖され、第4ポンプ78は停止している。次に、作業者が燃料電池システムの停止を確認した後、第1水精製器74および第2水精製器75を交換する。この場合、作業者は、第1水精製器74および第2水精製器75の全体を新品に交換しても良い。あるいは、作業者は、第1水精製器74および第2水精製器75の第1ケース74aおよび第2ケース75aをそのままにした状態で、第1水精製材74cおよび第2水精製材75cを新品に交換しても良い。
この場合、交換部品は第1水精製器74および第2水精製器75(図4参照)である。この場合、要素は、第1水精製器74および第2水精製器75の水透過機能により貯水される改質水タンク71である。操作スイッチ80は第1水精製器74および第2水精製器75の交換作業の終了時に操作される。まず、交換時には、燃料電池システムの発電は停止されているため、水バルブ73は閉鎖され、第4ポンプ78は停止している。次に、作業者が燃料電池システムの停止を確認した後、第1水精製器74および第2水精製器75を交換する。この場合、作業者は、第1水精製器74および第2水精製器75の全体を新品に交換しても良い。あるいは、作業者は、第1水精製器74および第2水精製器75の第1ケース74aおよび第2ケース75aをそのままにした状態で、第1水精製材74cおよび第2水精製材75cを新品に交換しても良い。
なお、第1水精製器74および第2水精製器75は給水路72にカプラで接続されている。カプラは蓋を付勢部材で付勢する構造であり、自動閉止機能を有する。従って、第1水精製器74および第2水精製器75が給水路72から離脱されると、給水路72から水が流出することはほとんどない。
交換終了したら、作業者は操作スイッチ80を操作し、第1水精製器74および第2水精製器75の交換作業完了を制御装置8に知らせる。操作スイッチ80の信号は制御装置8に入力される。操作スイッチ80が操作されると、制御装置8は、第1水精製器74および第2水精製器75の交換作業完了であることを認識できるように設定されている。この結果、制御装置8は、水バルブ73を所定時間開弁させ、水源としての貯湯槽70の水を第1水精製器74および第2水精製器75を介して改質水タンク71に供給する。ここで、第1水精製器74および第2水精製器75が交換されて正常に取り付けられているとき、水バルブ73の開弁時間に相当するぶんの水量が改質水タンク71に貯水される。すなわち、改質水タンク71に貯水される水量(改質水タンク71の物理的状態)は、水バルブ73の開弁時間に対応する。これに対して、交換された第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられていないときには、第1水精製器74および第2水精製器75等において水漏れ等が発生する。この場合、改質水タンク71への通水量が制限され、改質タンク71に溜まる貯水量は制限される。
制御装置8は、第1水精製器74および第2水精製器75の交換後、操作スイッチ80の操作から所定時間経過すると、運転部2のうち改質水タンク71の貯水状態を貯水センサ77から取得する取得操作を実行する。すなわち、貯水センサ77により改質水タンク71が所定の水量が貯水されていることが検知される場合には、第1水精製器74および第2水精製器75は交換されて正常に取り付けられたものと推定される。そこで制御装置8は、交換された第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられた旨を示す信号を水精製正常表示部81に入力させる。これにより水精製正常表示部81は、第1水精製器74および第2水精製器75が交換されて正常に取り付けられたことを示す表示を行う。作業者またはユーザーは、第1水精製器74および第2水精製器75が正常に交換されたことを認識することができる。
これに対して、交換された第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられていないとき、貯水センサ77の検知信号に基づいて制御装置8が取得した改質水タンク71の貯水状態が、第1水精製器74および第2水精製器75が正常作動しているときにおける改質水タンク71の貯水状態にならない。この場合、制御装置8は、水精製警報部82に警報を出力する警報操作を実行する。これにより作業者は、交換された第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられなかったことを認識することができる。作業者は第1水精製器74および第2水精製器75の交換取付作業を再び行うことが好ましい。従って、定期的または不定期的なメンテナンスにおいて、作業者が交換部品(第1水精製器74および第2水精製器75)の交換を終了すると、作業者が操作スイッチ80を操作すれば、制御装置8は当該交換部品が正常に取り付けられたかどうか否かの判定を自動的に実行する。従って、燃料電池システムに対して詳細な知識を必ずしも有しない作業者等であっても、交換を良好に実施することができる。
なお、場合によっては、第1水精製器74の第1水精製材74cおよび第2水精製器75の第2水精製材75cうちのいずれか他方が劣化しにくい場合等には、第1水精製器74および第2水精製器75のうちの一方のみを交換することにしても良い。同様に、第1水精製器74の第1水精製材74cおよび第2水精製器75の第2水精製材75cうちの一方のみを交換することにしても良い。
ところで、第1水精製器74には装填されている第1水精製材74cは、粒状、塊状、片状、フレーク状、繊維状等をなす。第2水精製器75も同様である。このため水を急激に第1水精製器74および第2水精製器75に供給する場合には、第1水精製器74および第2水精製器75から水が溢れるおそれがある。そこで、上記したように第1水精製器74および第2水精製器75の交換作業の完了時に、水バルブ73の開弁により改質水タンク71に水を貯水させる場合には、水バルブ73の開弁時間t1および閉弁時間t2が交互に繰り返されるように、水バルブ73を間欠的に開弁させる。このため、水は、第1水精製器74および第2水精製器75に間欠的に少量ずつ供給される。これにより第1水精製器74および第2水精製器75における溢水を抑制しつつ、第1水精製器74の第1水精製材74aおよび第2水精製器75の第2水精製材75aに残留している空気を良好に排出させることができる。なお、燃料電池システムの定常運転(定格運転)時においても、水バルブ73の開弁時間t1および閉弁時間t2が交互に繰り返される。なお、定格運転は、指定された条件において連続的に運転である最大出力をいう。定格運転の出力は一般的には銘板に記載されている。
図6は、第1水精製器74および第2水精製器75の交換の正否について、制御装置8が実行するフローチャートを示す。フローチャートはこれに限定されるものではない。図6に示すように、制御装置8は、水源としての貯湯槽70の貯水センサ(図略)の信号を読み込み、貯湯槽70に水が存在する(水張り状態)か否か判定し(ステップS102)、貯湯槽70の水が不足すれば(ステップS102のNO)、貯湯槽70に水無しである旨の警報を出力する(ステップS104)。これにより作業者または制御装置8により貯湯槽70に原料水が水道管79から供給される。制御装置8は電源をオンし(ステップS106)、改質水タンク71の貯水センサ77の信号を読み込み、改質水タンク71に貯水されているか否かを判定する(ステップS108)。改質水タンク71に貯水されていれば(ステップS108のYES)、改質水タンク71の水抜き警報を行い、排水バルブ73を開弁させ、改質水タンク71の水抜きを行い、改質水タンク71を空にする(ステップS110)。改質水タンク71が空であれば(ステップS108のYES)、制御装置8は、水バルブ73を時間t1(例えばt1=1.5秒)オンして開弁する(ステップS112,114)。その後、水バルブ73を時間t2(t2=59秒)オフして閉弁する(ステップS116,118)。t1およびt2は上記した値に限定されるものではなく、適宜変更できる。制御装置8は積算カウント数を1増加させる(ステップS120)。
制御装置8はカウント数がA回以内(例えばA=15)か判定する(ステップS122)。カウント数がA回以内であれば、カウント数がA回以内という条件のもとで、改質水タンク71の貯水量が所定水量になったか否か判定する(ステップS124)。改質水タンク71の貯水量が所定水量になっていなければ、ステップS112に戻り、引き続いて、制御装置8は、水バルブ73を時間t1(t1=1.5秒)開弁する(ステップS112,114)操作と、水バルブ73を時間t2(例えばt2=595秒)閉弁させる操作(ステップS116,118)とを繰り返す。これにより改質水タンク71に水を貯める。
カウント数がA回を超えても、改質水タンク71の貯水量が所定水量にならなければ(ステップS124のNO)、交換された第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられておらず、水漏れが発生しているおそれがある。そこで制御装置8はその旨を示す警報信号を水精製警報部82に出力する(ステップS134)。これにより作業者またはユーザーは、交換された第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられていない旨を認識することができる。
上記したカウント数がA回以内という条件のもとで、改質水タンク71の貯水量が所定水量になれば、交換された第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられた旨を示す正常信号を水精製正常表示部81に出力する(ステップS126)。これにより作業者またはユーザーは、第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられた旨を認識することができる。
(第1水精製器74および第2水精製器75を交換する場合IIについて)
図4に示すように、必要に応じて、改質水タンク71に電気伝導度センサ71rを搭載させても良い。この場合、第1水精製器74および第2水精製器75が交換された後、所定時間経過した後において、制御装置8は、電気伝導度センサ71rにより改質水タンク71の水の電気伝導度(電気絶縁度)を測定しても良い。この場合、改質水タンク71の水の電気絶縁性が高い場合には、制御装置8は第1水精製器74および第2水精製器75が正常に交換されたと判定することができる。水精製材74c,75cが不良品である場合にも、制御装置8は対処できる。
図4に示すように、必要に応じて、改質水タンク71に電気伝導度センサ71rを搭載させても良い。この場合、第1水精製器74および第2水精製器75が交換された後、所定時間経過した後において、制御装置8は、電気伝導度センサ71rにより改質水タンク71の水の電気伝導度(電気絶縁度)を測定しても良い。この場合、改質水タンク71の水の電気絶縁性が高い場合には、制御装置8は第1水精製器74および第2水精製器75が正常に交換されたと判定することができる。水精製材74c,75cが不良品である場合にも、制御装置8は対処できる。
(水バルブ73の開弁時間t1について)
上記した第1水精製器74および第2水精製器75を交換する場合の制御にあたり、次のようにすることもできる。図7における定常運転の欄に示すように、燃料電池システムの定常運転(定格運転)時において、単位時間あたり水バルブ73の開弁時間をto1とし、閉弁時間をto2とする。これに対して、第1水精製器74および第2水精製器75の交換の適否を判定するときには、単位時間あたり水バルブ73の開弁時間をt1とし、閉弁時間をt2とする。
上記した第1水精製器74および第2水精製器75を交換する場合の制御にあたり、次のようにすることもできる。図7における定常運転の欄に示すように、燃料電池システムの定常運転(定格運転)時において、単位時間あたり水バルブ73の開弁時間をto1とし、閉弁時間をto2とする。これに対して、第1水精製器74および第2水精製器75の交換の適否を判定するときには、単位時間あたり水バルブ73の開弁時間をt1とし、閉弁時間をt2とする。
ここで、第1水精製器74および第2水精製器75の交換時において、改質タンクにできるだけ短時間で貯水できることが要請されている。ここで、第1水精製器74の第1水精製材74cおよび第2水精製器75の第2水精製材75cが新品であるとき、第1水精製材74cおよび第2水精製材75cは汚れていないため、第1水精製材74cおよび第2水精製材75cからの空気排出性は良好である。そこで、図7における例1に示すように、t1>to1の関係にできる。この場合、第1水精製器74および第2水精製器75に対する間欠給水性(空気排出性)を確保しつつ、t1>to1の関係であるため、第1水精製器74および第2水精製器75に供給される単位時間あたりの水量を増加させることができるため、改質水タンク71に短時間で貯水できる利点が得られる。
また第1水精製器74の第1水精製材74cおよび第2水精製器75の第2水精製材75cが新品であっても、第1水精製材74cおよび第2水精製材75cの充填度が高い場合がある。この場合、ビーズ状等の第1水精製材74cおよび第2水精製材75cにおける水透過性および空気排出性が制約される。そこで、交換した第1水精製材74cおよび第2水精製材75cの充填度等に対応するように、図7における例2に示すように、t1<to1の関係とすることができる。この場合、第1水精製器74および第2水精製器75に対して供給される単位時間あたりの水量が減少する。このため第1水精製器74および第2水精製器75に対する間欠給水性が向上する。故に、第1水精製材74cおよび第2水精製材75cの充填度が高いときであっても、第1水精製材74cおよび第2水精製材75cから空気を排出させる空気排出性および溢水性が良好に確保される利点が得られる。但し、第1水精製器74および第2水精製器75に供給される単位時間あたりの水量が減少するため、改質水タンク71に貯水できる時間が長くなる。なお、t1およびto1の具体的値については、燃料電池システムに応じて実験またはシミュレーション等により設定できる。
(冷媒精製器62を交換する場合Iについて)
この場合、図5から理解できるように、交換部品は、冷媒精製機能および冷媒透過機能をもつ冷媒精製器62である。この場合、要素は、冷媒精製器62の冷媒透過機能により通水される循環路60である。操作スイッチ80は冷媒精製器62の交換作業の終了時に操作される。まず、冷媒精製器62の交換時には、燃料電池システムの発電は停止されているため、第5ポンプ61および加熱装置64は停止しており、循環路60の水は停止されている。作業者は、燃料電池システムの停止を確認した後、冷媒精製器62を交換する作業を行う。この場合、作業者は、冷媒精製器62の全体を新品に交換しても良い。あるいは、作業者は、冷媒精製器62のケース62aをそのままにした状態で、イオン交換樹脂62cを新品に交換しても良い。なお冷媒精製器62は循環路60にカプラーで接続されるため、冷媒精製器62の交換時には水の流出は少ない。
この場合、図5から理解できるように、交換部品は、冷媒精製機能および冷媒透過機能をもつ冷媒精製器62である。この場合、要素は、冷媒精製器62の冷媒透過機能により通水される循環路60である。操作スイッチ80は冷媒精製器62の交換作業の終了時に操作される。まず、冷媒精製器62の交換時には、燃料電池システムの発電は停止されているため、第5ポンプ61および加熱装置64は停止しており、循環路60の水は停止されている。作業者は、燃料電池システムの停止を確認した後、冷媒精製器62を交換する作業を行う。この場合、作業者は、冷媒精製器62の全体を新品に交換しても良い。あるいは、作業者は、冷媒精製器62のケース62aをそのままにした状態で、イオン交換樹脂62cを新品に交換しても良い。なお冷媒精製器62は循環路60にカプラーで接続されるため、冷媒精製器62の交換時には水の流出は少ない。
交換終了したら、作業者は操作スイッチ80を操作し、交換完了を制御装置8に知らせる。操作スイッチ80の信号は制御装置8に入力される。すると、制御装置8は、第5ポンプ61を駆動させ、冷媒精製器62を介して循環路60の冷媒を循環させる。ここで、交換された冷媒精製器62が循環路60に正常に取り付けられているときには、循環路60における冷媒流れが冷媒流量センサ63の信号により検知される。すなわち、循環路60を循環する冷媒の流量は、基本的には、第5ポンプ61の駆動量(単位時間あたりの回転数)に対応する。これに対して、交換された冷媒精製器62が正常に取り付けられていないときには、冷媒精製器62において冷媒漏れ等が発生するため、循環路60における冷媒の流量が制限される。
制御装置8は、操作スイッチ80の操作から所定時間経過すると、運転部2のうち循環路60の通水状態を冷媒流量センサ63から取得する取得操作を実行する。すなわち、流量センサにより循環路60に所定の冷媒の流量が流れていることが検知される場合には、冷媒精製器62は交換されて正常に取り付けられたものと推定される。そこで制御装置8は、冷媒精製器62が交換されて正常に取り付けられた旨を示す信号を冷媒精製正常表示部83に入力させる。これにより冷媒精製正常表示部83は、冷媒精製器62が正常に取り付けられたことを示す表示を行う。
交換された冷媒精製器62が正常に取り付けられていないとき、循環路60における冷媒流量センサ63の検知信号に基づいて制御装置8が取得した循環路60の通水状態(単位時間あたりの流量、循環路60の物理的状態)が、冷媒精製器62が正常作動しているときにおける循環路60の通水状態(単位時間あたりの流量を示す状態)にならない。この場合には、制御装置8は、冷媒精製警報部84に警報を出力する警報操作を実行する。これにより作業者は、冷媒精製器62が正常に取り付けられなかったことを認識することができる。作業者は冷媒精製器62の交換取付作業を再び行うことが好ましい。従って、定期的または不定期的なメンテナンスにおいて、作業者が交換部品(冷媒精製器62)の交換を終了すると、作業者が操作スイッチ80を操作すれば、制御装置8は当該交換部品が正常に取り付けられたかどうか否かの判定を自動的に実行する。従って、燃料電池システムに対して詳細な知識を必ずしも有しない作業者等であっても、交換を良好に実施することができる。
ところで、冷媒精製器62に装填されているイオン交換樹脂62cは、粒状、塊状、片状、フレーク状、繊維状等をなす。このため、新品の冷媒精製器62における空気排出を行うことが好ましい。そこで、上記したように冷媒精製器62の交換作業の完了時における第5ポンプ61の駆動量(単位時間あたりの回転数N2)を、定常運転(定格運転)時における第5ポンプ61の駆動量(単位時間あたりの回転数N1)よりも増加させる。これにより冷媒を冷媒精製器62に強制的に供給させる。この結果、冷媒精製器62に残留している空気を、空気抜け部65から強制的に排出させることができる。なお、場合によっては、N2<N1の関係、N2=N1の関係、N2≒N1の関係とすることができる。
図8は、冷媒精製器62を交換した後に交換の正否を判定する制御装置8が実行するフローチャートの一例を示す。図8に示すように、電源をオンし(ステップS204)、第5ポンプ61を単位時間あたりの回転数N2で起動させ(ステップS206)、所定時間T2駆動させる(ステップS208)。T2は、例えば10秒〜10分間の間の範囲内の任意値とすることができる。次に冷媒流量センサ63の信号を読み込み、循環路60を流れる冷媒流量が閾値以上か否か判定する(ステップS210)。循環路60を流れる冷媒流量が閾値未満であれば、交換された冷媒精製器62が正常に取り付けられなかったことに相当するため、制御装置8は警報信号を冷媒精製警報部84に出力する(ステップS212)。これに対して、循環路60を流れる冷媒流量が閾値以上であれば、交換された冷媒精製器62が正常に取り付けられたことに相当するため、制御装置8は正常信号を冷媒精製正常表示部83に出力する(ステップS214)。
(冷媒精製器62を交換する場合IIについて)
この場合、図5から理解できるように、交換部品は、冷媒精製機能および冷媒透過機能をもつ冷媒精製器62である。この場合、要素は、冷媒精製器62の冷媒透過機能により通水される循環路60である。循環路60の分岐路60mにおいて冷媒精製器62付近には、第2冷媒流量センサ62xが設けられている。操作スイッチ80は冷媒精製器62の交換作業の終了時に操作される。
この場合、図5から理解できるように、交換部品は、冷媒精製機能および冷媒透過機能をもつ冷媒精製器62である。この場合、要素は、冷媒精製器62の冷媒透過機能により通水される循環路60である。循環路60の分岐路60mにおいて冷媒精製器62付近には、第2冷媒流量センサ62xが設けられている。操作スイッチ80は冷媒精製器62の交換作業の終了時に操作される。
まず、冷媒精製器62の交換時には、燃料電池システムの発電は停止されているため、第5ポンプ61および加熱装置64は停止しており、循環路60の水は停止されている。作業者は、燃料電池システムの停止を確認した後、冷媒精製器62を交換する作業を行う。この場合、作業者は、冷媒精製器62の全体を新品に交換しても良い。あるいは、作業者は、冷媒精製器62のケース62aをそのままにした状態で、イオン交換樹脂62cを新品に交換しても良い。なお前述同様に、冷媒精製器62は循環路60にカプラーで接続されるため、冷媒精製器62の交換時には水の流出は少ない。
交換終了したら、作業者は操作スイッチ80を操作し、交換完了を制御装置8に知らせる。操作スイッチ80の信号は制御装置8に入力される。すると、制御装置8は、第5ポンプ61を駆動させ、冷媒精製器62を介して循環路60の冷媒を循環させる。ここで、交換された冷媒精製器62が循環路60に正常に取り付けられているとき、循環路60における冷媒流れが第2冷媒流量センサ62xの信号により検知される。すなわち、交換された冷媒精製器62を循環する冷媒の流量は、基本的には、第2冷媒流量センサ62xの検知流量に対応する。これに対して、交換された冷媒精製器62が正常に取り付けられていないときには、冷媒精製器62において冷媒漏れ等が発生するため、第2冷媒流量センサ62xの検知流量が制限される。
制御装置8は、操作スイッチ80の操作から所定時間経過すると、運転部2のうち冷媒精製器62の通水状態を第2冷媒流量センサ62xから取得する取得操作を実行する。すなわち、第2冷媒流量センサ62xにより冷媒精製器62に所定の冷媒の流量が流れていることが検知される場合には、冷媒精製器62は交換されて正常に取り付けられたものと推定される。そこで制御装置8は、冷媒精製器62が交換されて正常に取り付けられた旨を示す信号を冷媒精製正常表示部83に入力させる。これにより冷媒精製正常表示部83は、冷媒精製器62が正常に取り付けられたことを示す表示を行う。
交換された冷媒精製器62が正常に取り付けられていないとき、第2冷媒流量センサ62xの検知信号に基づいて制御装置8が取得した冷媒精製器62の通水状態(単位時間あたりの流量、冷媒精製器62の物理的状態)が、冷媒精製器62が正常のときにおける通水状態(単位時間あたりの流量を示す状態)にならない。この場合には、制御装置8は、冷媒精製警報部84に警報を出力する警報操作を実行する。これにより作業者は、冷媒精製器62が正常に取り付けられなかったことを認識することができる。作業者は冷媒精製器62の交換取付作業を再び行うことが好ましい。従って、定期的または不定期的なメンテナンスにおいて、作業者が交換部品(冷媒精製器62)の交換を終了すると、作業者が操作スイッチ80を操作すれば、制御装置8は当該交換部品が正常に取り付けられたかどうか否かの判定を自動的に実行する。従って、燃料電池システムに対して詳細な知識を必ずしも有しない作業者等であっても、交換を良好に実施することができる。
第2冷媒流量センサ62xの検知流量は、冷媒流量センサ63の検知流量と相関性を有するため、第2冷媒流量センサ62xを廃止し、制御装置8は冷媒流量センサ63の検知流量で冷媒精製器62の交換の適否を判定することもできる。第2冷媒流量センサ62xの検知流量および冷媒流量センサ63の検知流量は、第5ポンプ61の駆動量(回転数)と相関関係を有する。このため、第5ポンプ61の駆動量(回転数)で制御装置8は冷媒精製器62の交換の適否を判定することも期待できる。
(冷媒精製器62を交換する場合IIIについて)
図5に示すように、循環路60、分岐路60mまたは冷媒精製器62に電気伝導度センサ62rを搭載させても良い。この場合、冷媒精製器62の水精製材62cが交換された後、所定時間経過した後に、制御装置8は電気伝導度センサ62rにより水の電気伝導度(電気絶縁度)を測定しても良い。この場合、水の電気絶縁性が高い場合には、冷媒精製器62の精製材62cの精製機能が正常に作用しているため、制御装置8は、冷媒精製器62が正常に交換されたと判定することができる。この場合、冷媒精製器62の精製材62cの不良品である場合にも、制御装置8は対処できる。
図5に示すように、循環路60、分岐路60mまたは冷媒精製器62に電気伝導度センサ62rを搭載させても良い。この場合、冷媒精製器62の水精製材62cが交換された後、所定時間経過した後に、制御装置8は電気伝導度センサ62rにより水の電気伝導度(電気絶縁度)を測定しても良い。この場合、水の電気絶縁性が高い場合には、冷媒精製器62の精製材62cの精製機能が正常に作用しているため、制御装置8は、冷媒精製器62が正常に交換されたと判定することができる。この場合、冷媒精製器62の精製材62cの不良品である場合にも、制御装置8は対処できる。
(脱硫器34を交換する場合)
この場合、交換部品は、改質用燃料原料に含有されている硫黄成分(有害成分)を低減させるための脱硫器34である。この場合、要素は、脱硫器34の下流に位置するガス供給路31である。操作スイッチ80は脱硫器34の交換作業の終了時に操作される。まず、交換作業を開始するにあたり、燃料電池システムの発電は停止されている。このため、バルブ41、遮断バルブ32およびスタック入口バルブ16Aは閉鎖され、第1ポンプ33は停止している。次に、作業者が燃料電池システムの停止を確認した後、脱硫器34を交換する作業を行う。この場合、作業者は、脱硫器34を新品に交換しても良い。あるいは、作業者は、脱硫剤のみを新品に交換しても良い。脱硫器34はガス供給路31にカプラーにより接続されているため、脱硫器34の交換時にガス流出はほとんどない。
この場合、交換部品は、改質用燃料原料に含有されている硫黄成分(有害成分)を低減させるための脱硫器34である。この場合、要素は、脱硫器34の下流に位置するガス供給路31である。操作スイッチ80は脱硫器34の交換作業の終了時に操作される。まず、交換作業を開始するにあたり、燃料電池システムの発電は停止されている。このため、バルブ41、遮断バルブ32およびスタック入口バルブ16Aは閉鎖され、第1ポンプ33は停止している。次に、作業者が燃料電池システムの停止を確認した後、脱硫器34を交換する作業を行う。この場合、作業者は、脱硫器34を新品に交換しても良い。あるいは、作業者は、脱硫剤のみを新品に交換しても良い。脱硫器34はガス供給路31にカプラーにより接続されているため、脱硫器34の交換時にガス流出はほとんどない。
作業者による交換作業が終了したら、作業者は操作スイッチ80を操作し、交換完了を制御装置8に知らせる。操作スイッチ80の信号は制御装置8に入力される。制御装置8は、バルブ41および改質器出口バルブ36を閉鎖した状態で遮断バルブ32を所定時間開弁させ、第1ポンプ33を駆動させ、燃料原料源30のガス状の燃料原料を改質器35に向けて搬送する。制御装置8は、所定時間経過すると、遮断バルブ32を閉鎖させ、ガス供給路31のうち改質器出口バルブ36と遮断バルブ32とで形成される密閉空間を形成させる。
ここで、交換された脱硫器34がガス供給路31に正常に取り付けられているとき、第1ポンプ33の駆動および駆動量(回転数)に相当するぶんのガス圧力をもつガス状の燃料原料がガス供給路31に供給される。これによりガス供給路31の当該密閉空間のガス圧力が上昇する。これに対して交換された脱硫器34がガス供給路31に正常に取り付けられていないとき、脱硫器34においてガス漏れ等が発生するため、ガス供給路31の当該密閉空間におけるガス圧力が制限される。
制御装置8は、操作スイッチ80の操作から所定時間経過すると、運転部2のうちガス供給路31におけるガス圧力値(ガス供給路31の物理的状態)を圧力センサ38から取得する取得操作を実行する。すなわち、改質器出口バルブ36またはスタック入口バルブ16Aを閉弁した状態で、遮断バルブ32を開放し、第1ポンプ33を駆動し、燃料原料源30のガス状の燃料原料を脱硫器34を介してガス供給路31に所定時間供給する。その後、遮断バルブ32を閉弁して燃料原料の供給を停止する。この場合、交換した脱硫器34の取付が正常であれば、遮断バルブ32の閉弁時刻から所定時間tc経過したとしても、ガス供給路31のうち当該密閉空間は高圧状態の圧力値P2に維持されている。従って、遮断バルブ32の閉弁時刻から所定時間tc経過するとき、ガス供給路31におけるガス圧力が所定圧力を超えていることが圧力センサ38により検知される場合には、交換された脱硫器34がガス供給路31に正常に取り付けられたものと推定される。そこで制御装置8は、交換された脱硫器34がガス供給路31に正常に取り付けられた旨を示す信号を脱硫正常表示部85に入力させる。これにより脱硫正常表示部85は、脱硫器34がガス供給路31に正常に取り付けられたことを示す表示を行う。
これに対して、交換した脱硫器34の取付が正常でなければ、遮断バルブ32の閉弁時刻から所定時間tc経過すると、ガス供給路31のうち当該密閉空間は、高圧状態の圧力値P2よりも低下する。このように脱硫器34が正常に交換されていないときには、圧力センサ38の検知信号に基づいて制御装置8が取得した密閉空間状のガス供給路31の密閉空間のガス圧力値が、脱硫器34が正常作動しているときにおけるガス供給路31のガス圧力値にならない。この場合には、制御装置8は、脱硫警報部86に警報を出力する警報操作を実行する。これにより作業者は、交換された脱硫器34が正常に取り付けられなかったことを認識することができる。従って作業者は脱硫器34の交換取付作業を再び行うことが好ましい。
燃料電池システムの定常運転時におけるガス供給路31におけるガス圧力の圧力値をP1とし、脱硫器34の交換が終了時におけるガス供給路31の当該密閉空間のガス圧力の圧力値をP2とすると、P2>P1の関係とされている。これにより脱硫器34の交換取付に対する検査性を高めている。なお、P2は例えば ゲージ圧で例えば10kPaにできる。殊に、P2>(2×P1)の関係とされている。但し、場合によっては、P2=P1の関係、P2≒1の関係でも良い。
なお、ガス供給路31のうち当該密閉空間における高圧状態の圧力値の低下により、ガス供給路31のうち当該密閉空間における高圧状態の圧力変化率に基づいて、脱硫器34の交換の適否を判定することにしているが、これに限らず、脱硫器34の交換が正常であれば、脱硫器34による脱硫作用は良好であるため、脱硫器34を通過した硫黄成分の濃度に基づいて、制御装置8は脱硫器34の交換の適否を判定しても良い。
(フィルタ部51を交換する場合について)
この場合、交換部品はフィルタ部51である。この場合、要素は、フィルタ部51の下流に位置するカソードガス通路50である。操作スイッチ80は、フィルタ部51の交換作業の終了時に操作される。まず、フィルタ部51を交換する交換作業を開始するにあたり、燃料電池システムの発電は停止されている。このため、第2ポンプ52および第3ポンプ59は停止し、スタック入口バルブ16Cおよび迂回バルブ57は閉弁されている。次に、作業者が燃料電池システムの停止を確認した後、フィルタ部51を交換する作業を行う。
この場合、交換部品はフィルタ部51である。この場合、要素は、フィルタ部51の下流に位置するカソードガス通路50である。操作スイッチ80は、フィルタ部51の交換作業の終了時に操作される。まず、フィルタ部51を交換する交換作業を開始するにあたり、燃料電池システムの発電は停止されている。このため、第2ポンプ52および第3ポンプ59は停止し、スタック入口バルブ16Cおよび迂回バルブ57は閉弁されている。次に、作業者が燃料電池システムの停止を確認した後、フィルタ部51を交換する作業を行う。
フィルタ部51の交換作業が終了したら、作業者は操作スイッチ80を操作し、交換完了を制御装置8に知らせる。すると、操作スイッチ80の信号は制御装置8に入力される。制御装置8は、スタック入口バルブ16Cおよび迂回バルブ57を開弁させ、第2ポンプ52を駆動させ、外気である空気をフィルタ部51に通過させて加湿器54の加湿路54aを介してスタック1のカソード極11に供給する。スタック1に供給された空気は、加湿器54の吸湿路54aまたは迂回路56を介して排出される。
ここで、交換されたフィルタ部51がカソードガス通路50に正常に取り付けられているとき、第2ポンプ52の駆動に相当する空気の流量(カソードガス通路50の物理的状態)が、ガス流量センサ53により検知される。これに対して、交換されたフィルタ部51がカソードガス通路50に正常に取り付けられていないとき、カソードガス通路50における流量(ガス流量センサ53により検知される流量)が異状値となる。
従って制御装置8は、操作スイッチ80の操作から所定時間経過すると、運転部2のうちカソードガス通路50における空気の流れ状態をガス流量センサ53から取得する取得操作を実行する。すなわち、スタック入口バルブ16Cおよび迂回バルブ57を開弁した状態で、第2ポンプ52を駆動し、外気をフィルタ部51を介してカソードガス通路50に所定時間供給する。この場合、交換したフィルタ部51の取付が正常であれば、カソードガス通路50を流れる空気の単位時間当たりの流量は、所定範囲内に納まる。この場合、交換されたフィルタ部51が正常に取り付けられたものと推定される。そこで制御装置8は、フィルタ部51が交換されて正常に取り付けられた旨を示す信号をフィルタ正常表示部87に入力させる。これによりフィルタ正常表示部87は、フィルタ部51が正常に取り付けられたことを示す表示を行う。
これに対して、交換したフィルタ部51の取付が正常でなければ、ガス流量センサ53の検知信号に基づいて制御装置8が取得したカソードガス通路50の空気の単位時間当たりの搬送流量が、フィルタ部51が正常作動しているときにおけるカソードガス通路50を流れる空気の搬送流量にならない。この場合、制御装置8は、フィルタ警報部88に警報を出力する警報操作を実行する。これにより作業者は、交換されたフィルタ部51が正常に取り付けられなかったことを認識することができる。従って作業者はフィルタ部51の交換取付作業を再び行うことが好ましい。従って、定期的または不定期的なメンテナンスにおいて、作業者が交換部品(フィルタ部51)の交換を終了すると、作業者が操作スイッチ80を操作すれば、制御装置8は当該交換部品が正常に取り付けられたかどうか否かの判定を自動的に実行する。従って、燃料電池システムに対して詳細な知識を必ずしも有しない作業者等であっても、交換を良好に実施することができる。
ここで、燃料電池システムの定常運転(定格運転)時におけるカソードガス通路50における空気の単位時間当たりの搬送流量をVAとし、フィルタ部51の交換の終了時におけるカソードガス通路50の空気の単位時間当たりの搬送流量をVBとすると、VA>VBの関係、VA<VBの関係、VA=VBの関係、VA≒VBの関係のいずれでも良い。VA<VBの関係の場合には、フィルタ部51の正常取り付けの適否が良好に検知できる。VA>VBの関係の場合には、スタック1のカソード極11に空気が流れる空気量が低減されるため、アノードガスがスタック1のアノード極10に供給されていないときであっても、スタック1のイオン伝導膜13に対する負荷が軽減され、イオン伝導膜13の保護性を向上させ得る。VA=VBの関係、VA≒VBの関係の場合には、空気量が定常運転(定格運転)と同程度となるため、制御が簡便となる。
また、フィルタ部51の交換の適否を判定するにあたり、スタック入口バルブ16Cが閉弁され、スタック1のカソード極11に空気を供給しないようにした状態で、第2ポンプ52および第3ポンプ59を駆動させて行っても良い。この場合、第3ポンプ59で搬送される空気は改質器35の燃焼部35cから排出されるものの、空気はスタック1のカソード極11に供給されない。このため、アノードガスがスタック1のアノード極10に供給されていないときであっても、スタック1のイオン伝導膜13に対する負荷が軽減される。
(メンテナンス時に交換部品をまとめて交換する場合について)
メンテナンス時に交換部品をまとめて交換する場合の一例について説明する。操作スイッチ80は、脱硫器34,水精製器74,75,冷媒精製器62、フィルタ部51の交換作業の終了に共通化されている共通スイッチとされている。この場合、燃料電池システムの発電運転が停止している状態で、作業者は、脱硫器34、フィルタ部61、冷媒精製器62、水精製器74,75を新品に交換する。交換作業が終了すると、作業者は操作スイッチ80を手動で操作する。
メンテナンス時に交換部品をまとめて交換する場合の一例について説明する。操作スイッチ80は、脱硫器34,水精製器74,75,冷媒精製器62、フィルタ部51の交換作業の終了に共通化されている共通スイッチとされている。この場合、燃料電池システムの発電運転が停止している状態で、作業者は、脱硫器34、フィルタ部61、冷媒精製器62、水精製器74,75を新品に交換する。交換作業が終了すると、作業者は操作スイッチ80を手動で操作する。
図9は、交換の正否について制御装置8が実行するフローチャートの一例を示す。フローチャートはこれに限定されるものではない。図9に示すように、制御装置8は、操作スイッチ80の状態を読み込み(ステップS402)、操作スイッチ80が操作されているか否かを判定する(ステップS404)。操作スイッチ80が操作されているとき、制御装置80は燃料原料封入処理を行う(ステップS406)。すなわち、図2から理解できるように、制御装置8は、改質器出口バルブ36を閉鎖した状態で、遮断バルブ32を所定時間開弁させ、第1ポンプ33を所定時間駆動させ、燃料原料源30のガス状の燃料原料を改質器35に向けて搬送する。所定時間経過すると、改質器出口バルブ36を閉鎖した状態で、遮断バルブ32を閉鎖させ、第1ポンプ33を停止させ、ガス供給路31のうち改質器出口バルブ36と遮断バルブ32とで形成される密閉空間を形成させる。この結果、第1ポンプ33の駆動および駆動量(回転数)に相当するぶんのガス圧力をもつガス状の燃料原料がガス供給路31に供給される。これによりガス供給路31の当該密閉空間のガス圧力が高圧となる。
次に、制御装置8はカソードガス供給処理を行う(ステップS408)。すなわち、制御装置8は、スタック入口バルブ16Cおよび迂回バルブ57を開弁させ、第2ポンプ52を駆動させ、外気である空気をフィルタ部51に通過させて加湿器54の加湿路54aを介してスタック1のカソード極11に供給する。スタック1に供給された空気は、加湿器54の吸湿路54aまたは迂回路56を介して排出される。
次に、制御装置8は水精製処理を行う(ステップS410)。すなわち、制御装置8は、水バルブ73を所定時間開弁させ、水源としての貯湯槽70の水を第1水精製器74および第2水精製器75を介して改質水タンク71に供給する。ここで、交換された第1水精製器74および第2水精製器75が正常に取り付けられているとき、水バルブ73の開弁時間に相当するぶんの水量が改質水タンク71に貯水される。
次に、制御装置8はスタック冷媒循環処理を行う(ステップS412)。すなわち、制御装置8は、第5ポンプ61を駆動させ冷媒精製器62を介して循環路60の冷媒を循環させる。
次に、制御装置8はタイマーをスタートさせる。タイマースタートから第1所定時間TA経過していたら(ステップS416のYES)、制御装置8は、冷媒流量センサ63の信号を読み込み、循環路60の冷媒流量センサ63が所定流量以上を示すか否か判定する(ステップS418)。冷媒流量センサ63が所定流量以上を示せば(ステップS418のYES)、制御装置8は、冷媒精製器62の正常表示を冷媒精製正常表示部83に出力する(ステップS422)。冷媒流量センサ63が所定流量以上を示さなければ(ステップS418のNO)、制御装置8は、冷媒精製器62の交換が正常ではない警報を冷媒精製警報部84に出力する(ステップS422)。
また、タイマースタートから第2所定時間TB(TB>TA)。経過していたら(ステップS426のYES)、制御装置8は、カソードガス通路50のガス流量センサ53の信号を読み込み、ガス流量センサ53が所定流量以上を示すか否か判定する(ステップS428)。ガス流量センサ53が所定流量以上を示せば(ステップS428のYES)、制御装置8は、フィルタ部51の正常表示をフィルタ正常表示部87に出力する(ステップS432)。ガス流量センサ53が所定流量以上を示さなければ(ステップS428のNO)、制御装置8は、フィルタ部51の交換が正常ではない警報をフィルタ警報部88に出力する(ステップS430)。
また、タイマースタートから第3所定時間TC(TC>TB>TA)経過していたら(ステップS436のYES)、制御装置8は改質水タンク71の貯水センサ77の信号を読み込み、貯水センサ77が所定貯水量以上を示すか否か判定する(ステップS438)。貯水センサ77が所定流量以上を示せば(ステップS438のYES)、制御装置8は、水精製器74,75の正常表示を水精製正常表示部81に出力する(ステップS442)。貯水センサ77が所定水量以上を示さなければ(ステップS438のNO)、制御装置8は、水精製器74,75の交換が正常ではない警報を水精製警報部82に出力する(ステップS440)。
また、タイマースタートから第4所定時間TD(TD>TC>TB>TA)経過していたら(ステップS446のYES)、制御装置8は、ガス供給路31の圧力センサ38の信号を読み込み、圧力センサ38が所定圧力以上を示すか否か判定する(ステップS448)。圧力センサ38が所定圧力値以上を示せば(ステップS448のYES)、制御装置8は、脱硫器34の正常表示を脱硫正常表示部85に出力する(ステップS452)。圧力センサ38が所定圧力値以上を示さなければ(ステップS450のNO)、制御装置8は、脱硫器34の交換が正常ではない警報を脱硫警報部86に出力する(ステップS450)。全て終了か判定し(ステップS456)、終了でなければ、ステップS416に戻る。終了であれば、メインルーチンにリターンする。なお、TD>TC>TB>TAとされているが、これに限定されるものではない。
以上説明したように定期的または不定期的なメンテナンスにおいて、作業者が交換する必要がある交換部品(脱硫器34,水精製器74,75,冷媒精製器62、フィルタ部51)の交換を終了すると、作業者が操作スイッチ80(操作部)をする。すると、制御装置8は、当該交換部品が正常に取り付けられたかどうか否かの判定を自動的に実行する。従って、燃料電池システムに対して詳細な知識を必ずしも有しない作業者等であっても、交換を良好に実施することができる。
(その他)
上記した実施形態によれば、脱硫器34,水精製器74,75,冷媒精製器62、フィルタ部51をそれぞれ交換することにしているが、メンテナンス時において、脱硫器34,水精製器74,75,冷媒精製器62、フィルタ部51のうちのいずれか一つのみ、あるいは、二つのみ、あるいは、三つのみを交換することにしても良い。上記した実施形態によれば、ガス供給路31において改質器35とスタック1との間に圧力センサ38が設けられているが、これに限らず、改質器出口バルブ36とスタック入口バルブ16Aとの間に設けられていても良い。この場合、スタック入口バルブ16Aと遮断バルブ32との間の密閉空間の圧力を、圧力センサ38を検知する。
上記した実施形態によれば、脱硫器34,水精製器74,75,冷媒精製器62、フィルタ部51をそれぞれ交換することにしているが、メンテナンス時において、脱硫器34,水精製器74,75,冷媒精製器62、フィルタ部51のうちのいずれか一つのみ、あるいは、二つのみ、あるいは、三つのみを交換することにしても良い。上記した実施形態によれば、ガス供給路31において改質器35とスタック1との間に圧力センサ38が設けられているが、これに限らず、改質器出口バルブ36とスタック入口バルブ16Aとの間に設けられていても良い。この場合、スタック入口バルブ16Aと遮断バルブ32との間の密閉空間の圧力を、圧力センサ38を検知する。
上記した実施形態によれば、第1水精製器74および第2水精製器75の交換作業の完了時に、水バルブ73の開弁時間および閉弁時間が交互に繰り返されるが、これに限らず、水バルブ73を連続的に開弁させる形態でも良い。本発明は上記した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。上記した記載から次の技術的思想を把握できる。
[付記項1]アノード流体が供給されるアノード極およびカソード流体が供給されるカソード極をもつ燃料電池と、アノード流体を燃料電池のアノード極に供給するアノード流体供給部と、カソード流体を燃料電池のカソード極に供給するカソード流体供給部とを具備する燃料電池システム。
[付記項2]付記項1において、前記燃料電池の発電運転に直接的または間接的に寄与する機能を有する交換可能な交換部品と、前記交換部品が有する機能のうちの少なくとも一つの機能を利用する要素とを備えている燃料電池システム。
[付記項3]付記項2において、前記燃料電池の前記アノード極に前記アノード流体および前記燃料電池の前記カソード極に前記カソード流体を供給して前記燃料電池を発電運転させる運転部と、前記運転部のうち前記交換部品を交換した後における前記要素の状態を取得する取得操作と、取得した前記要素の状態が前記交換部品が正常作動しているときにおける前記要素の状態にならないとき、警報を出力する交換適否操作とを実行する制御装置とを具備する燃料電池システム。
[付記項1]アノード流体が供給されるアノード極およびカソード流体が供給されるカソード極をもつ燃料電池と、アノード流体を燃料電池のアノード極に供給するアノード流体供給部と、カソード流体を燃料電池のカソード極に供給するカソード流体供給部とを具備する燃料電池システム。
[付記項2]付記項1において、前記燃料電池の発電運転に直接的または間接的に寄与する機能を有する交換可能な交換部品と、前記交換部品が有する機能のうちの少なくとも一つの機能を利用する要素とを備えている燃料電池システム。
[付記項3]付記項2において、前記燃料電池の前記アノード極に前記アノード流体および前記燃料電池の前記カソード極に前記カソード流体を供給して前記燃料電池を発電運転させる運転部と、前記運転部のうち前記交換部品を交換した後における前記要素の状態を取得する取得操作と、取得した前記要素の状態が前記交換部品が正常作動しているときにおける前記要素の状態にならないとき、警報を出力する交換適否操作とを実行する制御装置とを具備する燃料電池システム。
本発明は例えば定置用、車両用、電気機器用、電子機器用、可搬用の燃料電池システムに利用することができる。
1はスタック(燃料電池)、10はアノード極、11はカソード極、13はイオン伝導膜、14は冷却路、2は運転部、3はアノードガス供給部(アノード流体ス供給部)、31はガス供給路(燃料原料通路,要素)、30は改質用燃料原料源、32は遮断バルブ、33は第1ポンプ、34は脱硫器(交換部品)、35は改質器、38は圧力センサ、41は分岐バルブ、5はカソードガス供給部(カソード流体供給部)、50はカソードガス通路(要素)、51はフィルタ部(塵埃低減部,交換部品)、52は第2ポンプ、53はガス流量センサ、54は加湿器、6はスタック冷却部、60は循環路(要素)、61は第5ポンプ、62は冷媒精製器(交換部品)、7は改質水供給部、70は貯湯槽、71は改質水タンク(要素)、72は給水路、73は水バルブ、74は第1水精製器(交換部品)、75は第2水精製器(交換部品)、77は貯水センサ、80は操作部を示す。
Claims (11)
- (i)アノード流体が供給されるアノード極およびカソード流体が供給されるカソード極をもつ燃料電池と、
(ii)前記燃料電池の発電運転に直接的または間接的に寄与する機能を有する交換可能な交換部品と、前記交換部品が有する機能のうちの少なくとも一つの機能を利用する要素とを備えており、前記燃料電池の前記アノード極に前記アノード流体および前記燃料電池の前記カソード極に前記カソード流体を供給して前記燃料電池を発電運転させる運転部と、
(iii)前記運転部のうち前記交換部品を交換した後における前記要素の状態を取得する取得操作と、取得した前記要素の状態が前記交換部品が正常作動しているときにおける前記要素の状態にならないとき、警報を出力する交換適否操作とを実行する制御装置とを具備する燃料電池システム。 - 請求項1において、前記交換部品が交換されたとき自動または手動で操作される操作部が設けられており、前記制御装置は前記操作部が操作されるとき、前記取得操作および前記交換適否操作を自動的に実行する燃料電池システム。
- 請求項1または2において、前記運転部は、前記アノード流体を前記燃料電池の前記アノード極に供給するアノード流体供給部と、前記カソード流体を前記燃料電池の前記カソード極に供給するカソード流体供給部とを備えており、
前記アノード流体供給部は、前記燃料電池の前記アノード極に供給される前記アノード流体を燃料原料から改質させる改質器と、原料水を精製させる水精製材を有する水精製器と、前記水精製器で精製された精製水を前記改質器において使用される改質水として溜める改質水タンクとを備えており、
前記交換部品は前記水精製器であり、前記要素は前記改質水タンクであり、
前記制御装置は、前記水精製器の交換作業後において、前記運転部のうち前記改質水タンクの状態を取得し、取得した前記改質水タンクの状態が、前記水精製器が正常作動しているときにおける前記改質水タンクの状態にならないとき、前記警報を出力する燃料電池システム。 - 請求項3において、前記制御装置は、前記原料水を前記水精製器に供給する水源の水が不足するとき警報を出力する燃料電池システム。
- 請求項3または4において、前記制御装置は、前記改質水タンクの貯水状態を取得するにあたり、前記水精製器に供給する前記原料水の単位時間あたりの流量を前記燃料電池の定常運転時よりも少なくするか、あるいは、多くするか、あるいは、定常運転時に対応させる燃料電池システム。
- 請求項1または2において、前記運転部は、前記アノード流体を前記燃料電池の前記アノード極に供給するアノード流体供給部と、前記カソード流体を前記燃料電池の前記カソード極に供給するカソード流体供給部とを備えており、
前記カソード流体供給部は、前記燃料電池の前記カソード極に供給される前記カソード流体を透過させ且つ前記カソード流体に含まれている塵埃を低減させる塵埃低減部と、定常運転時において前記塵埃低減部を透過した前記カソード流体が前記燃料電池の前記カソード極に向けて流れるカソード流体通路とを備えており、
前記交換部品は前記塵埃低減部であり、前記要素は前記カソード流体通路であり、
前記制御装置は、前記塵埃低減部の交換作業後において、前記運転部のうち前記カソード流体通路における前記カソード流体の状態を取得し、取得した前記カソード流体通路の状態が、前記塵埃低減部が正常作動しているときにおける前記カソード流体通路の状態にならないとき、前記警報を出力する燃料電池システム。 - 請求項6において、前記制御装置は、前記カソード流体通路における前記カソード流体の通過状態を取得するにあたり、前記塵埃除去部を透過させる前記カソード流体の単位時間あたりの流量を前記燃料電池の定常運転時よりも少なくするか、あるいは、多くするか、あるいは、定常運転時に対応させる燃料電池システム。
- 請求項6または7において、前記改質用燃料原料を改質させて前記アノード流体を形成する前記改質部と燃焼用燃料を燃焼用空気を用いて燃焼させることにより前記改質部を加熱する燃焼部とを有する改質器が設けられており、
前記カソード流体通路は、前記燃料電池の前記カソード極に連通する第1連通路と、前記改質器の前記燃焼部に連通する第2連通路とに分岐されており、前記制御装置は、前記塵埃除去部の交換作業後において、前記カソード流体通路における前記カソード流体の状態を取得するにあたり、交換後の前記塵埃除去部を透過させた前記カソード流体を前記第2連通路に供給し、且つ、前記カソード流体が前記第1連通路および前記カソード極に流れることを制限させる燃料電池システム。 - 請求項1または2において、前記運転部は、前記アノード流体を前記燃料電池の前記アノード極に供給するアノード流体供給部と前記カソード流体を前記燃料電池の前記カソード極に供給するカソード流体供給部とを備えており、
前記アノード流体供給部は、前記燃料電池の前記アノード極に供給される前記アノード流体を前記改質用燃料原料から改質させる改質器と、改質前の前記改質用燃料原料を前記改質器に向けて流す燃料原料通路と、前記改質器に供給される前の前記改質用燃料原料に含まれている有害成分を低減させる有害成分低減器とを備えており、
前記交換部品は前記有害成分低減器であり、前記要素は前記燃料原料通路であり、
前記制御装置は、前記有害成分低減器の交換作業後において、前記運転部のうち前記燃料原料通路の状態を取得し、取得した前記燃料原料通路の状態が、前記有害成分低減器が正常作動しているときにおける前記燃料原料通路の状態にならないとき、前記警報を出力する燃料電池システム。 - 請求項1または2において、前記運転部は、前記燃料電池を冷却する燃料電池冷却部を備えており、前記燃料電池冷却部は、前記燃料電池を冷却する前記冷却路に冷媒を流す冷媒搬送路と、前記冷媒搬送路を流れる前記冷媒の電気伝導度を低下させる冷媒精製器とを備えており、
前記交換部品は前記冷媒精製器であり、前記要素は前記冷媒搬送路であり、
前記制御装置は、前記冷媒精製器の交換作業後において、前記運転部のうち前記冷媒搬送路の流れ状態を取得し、取得した前記冷媒搬送路の流れ状態が、前記冷媒精製器が正常作動しているときにおける前記冷媒搬送路の流れ状態にならないとき、前記警報を出力する燃料電池システム。 - 請求項1〜10のうちの一項において、前記交換部品は複数個であり、前記要素は複数個であり、
前記制御装置は、前記操作部の操作に基づいて、前記運転部のうち複数の前記交換部品に対応する複数の前記要素の状態をそれぞれ取得し、取得した複数の前記要素のうち少なくとも一つの状態が、各前記交換部品が正常作動しているときにおける前記要素の状態にならないとき、前記警報を出力する燃料電池システム。
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JP (1) | JP2010009921A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018195397A (ja) * | 2017-05-15 | 2018-12-06 | アイシン精機株式会社 | 燃料電池システム |
JP2020202009A (ja) * | 2019-06-05 | 2020-12-17 | ダイニチ工業株式会社 | 燃料電池装置 |
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2008
- 2008-06-26 JP JP2008167389A patent/JP2010009921A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018195397A (ja) * | 2017-05-15 | 2018-12-06 | アイシン精機株式会社 | 燃料電池システム |
JP2020202009A (ja) * | 2019-06-05 | 2020-12-17 | ダイニチ工業株式会社 | 燃料電池装置 |
JP7341734B2 (ja) | 2019-06-05 | 2023-09-11 | ダイニチ工業株式会社 | 燃料電池装置 |
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