JP2010009868A - 無電極放電灯点灯装置および照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度検知素子を付加することなく、バルブの周囲温度の変化による無電極放電灯の光出力変動を抑制することができる無電極放電灯点灯装置および照明器具を提供する。
【解決手段】温度推定部27は、無電極放電灯の磁性体コアを磁気飽和させるために誘導コイル3に直流電圧を印加する直流供給回路28と、誘導コイル3の電圧や電流を検出することで磁性体コアの磁気飽和を検出する磁気飽和検出部29と、磁気飽和時における直流供給回路28の出力電圧から無電極放電灯の温度を推定する推定処理部30とを有する。温度推定部27では、磁性体コアの飽和磁束密度の温度特性を利用することにより、温度検知素子を用いることなく無電極放電灯の温度を求める。無電極放電灯の最冷点温度が閾値を下回ると、ヒータを駆動してバルブの最冷点温度を上昇させることでバルブ内の水銀蒸気圧を適正に維持し、無電極放電灯の光出力の変動を抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】温度推定部27は、無電極放電灯の磁性体コアを磁気飽和させるために誘導コイル3に直流電圧を印加する直流供給回路28と、誘導コイル3の電圧や電流を検出することで磁性体コアの磁気飽和を検出する磁気飽和検出部29と、磁気飽和時における直流供給回路28の出力電圧から無電極放電灯の温度を推定する推定処理部30とを有する。温度推定部27では、磁性体コアの飽和磁束密度の温度特性を利用することにより、温度検知素子を用いることなく無電極放電灯の温度を求める。無電極放電灯の最冷点温度が閾値を下回ると、ヒータを駆動してバルブの最冷点温度を上昇させることでバルブ内の水銀蒸気圧を適正に維持し、無電極放電灯の光出力の変動を抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、放電ガスが封入されたバルブに誘導コイルが巻装された磁性体コアを近接配置してなる無電極放電灯を点灯させる無電極放電灯点灯装置および照明器具に関するものである。
従来から、金属蒸気と不活性ガスとの混合気体である放電ガス(たとえば水銀および希ガス)が封入されたバルブに誘導コイルを近接配置してなり、誘導コイルから放電ガスに高周波電磁界を作用させることで発光する無電極放電灯を点灯させる無電極放電灯点灯装置(以下、点灯装置と略称する)が提供されている(たとえば特許文献1〜4参照)。
一般的な無電極放電灯は、バルブ内の放電ガスとして水銀蒸気と希ガスとの混合気体を用いており、前記高周波電磁界によって励起された水銀蒸気から放射される紫外線が、バルブの内表面に塗布された蛍光体で可視光線に変換されるように構成されている。この無電極放電灯は、バルブ内に電極を持たない構造であるから、電極の劣化による点灯不良が生じることはなく、バルブ内に電極を有する構造の放電灯(蛍光灯)に比べて長寿命であるという利点がある。
ただし、上記無電極放電灯では、水銀の励起発光を利用して点灯するので、外気温や点灯中に無電極放電灯から発生する熱などの影響を受けて水銀蒸気圧が変動すると、光出力が変動するという問題がある。通常、バルブの周囲温度が所定範囲内にあるときには、無電極放電灯の光出力が所望の大きさとなるものの、バルブの周囲温度が前記所定範囲から外れたときには、無電極放電灯の光出力は低下することとなる。
そこで、特許文献1〜4に記載の発明では、無電極放電灯の最冷点(たとえば口金付近)温度を所定範囲内に維持するように、無電極放電灯の最冷点近傍に発熱体を設け、最冷点温度の低下時には発熱体に通電して最冷点温度を上昇させる技術が採用されている。これにより、水銀蒸気圧が最適に保つことができ、バルブの周囲温度の変化の影響による無電極放電灯の光出力変動を抑制することができる。
実開平3−22305号公報
実開平6−5006号公報
実開平7−16398号公報
実開平7−1600号公報
しかし、上述した構成の点灯装置では、バルブの最冷点温度を所定範囲内に維持するため、発熱体を駆動するに当たって最冷点近傍の温度(あるいは発熱体自体の温度)を検出する温度検知素子が必要となり、また、当該温度検知素子を取り付けるための取付構造も必要となる。これにより、点灯装置の部品点数が増加し、コストアップにつながるという問題がある。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであって、温度検知素子を付加することなく、バルブの周囲温度の変化による無電極放電灯の光出力変動を抑制することができる無電極放電灯点灯装置および照明器具を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、放電ガスを封入したバルブに誘導コイルが巻装された磁性体コアを近接配置してなる無電極放電灯を点灯させる無電極放電灯点灯装置であって、誘導コイルに高周波電力を供給することで誘導コイルから放電ガスに高周波電磁界を作用させる主回路と、無電極放電灯の温度を求める温度推定部と、温度推定部で求まる温度に基づいて、温度変化による無電極放電灯の光出力の変化を抑制する温度補正回路とを備え、温度推定部が、誘導コイルに直流電圧を印加する直流供給回路と、誘導コイルへの直流電圧印加時に誘導コイルの両端電圧と誘導コイルに流れる電流との少なくとも一方を検出することで前記磁性体コアの磁気飽和を検出する磁気飽和検出部と、磁性体コアの飽和磁束密度の温度特性を利用して、磁性体コアの磁気飽和時における直流供給回路の出力の大きさから無電極放電灯の温度を推定する推定処理部とを有することを特徴とする。
この構成によれば、磁気飽和検出部が、誘導コイルの両端電圧と誘導コイルに流れる電流との少なくとも一方を検出することで磁性体コアの磁気飽和を検出し、推定処理部が、磁性体コアの飽和磁束密度の温度特性を利用して、磁性体コアの磁気飽和時における直流供給回路の出力の大きさから無電極放電灯の温度を推定するので、温度検知素子を付加することなく無電極放電灯の温度を求めることができる。ここにおいて、温度補正回路は、温度推定部で求まる温度に基づいて、温度変化による無電極放電灯の光出力の変化を抑制するので、結果的に、温度検知素子を付加することなくバルブの周囲温度の変化による無電極放電灯の光出力変動を抑制することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記主回路が、前記誘導コイルに供給される高周波電力を前記無電極放電灯が点灯する大きさに設定するオン期間と点灯しない大きさに設定するオフ期間とを交互に繰り返すことで無電極放電灯を調光点灯させる間欠制御部を有し、前記直流供給手段が、前記オフ期間において誘導コイルに直流電圧を印加することを特徴とする。
この構成によれば、直流供給手段が無電極放電灯が点灯しないオフ期間に直流電圧を印加するので、磁性体コアが磁気飽和しても無電極放電灯の点灯状態に影響を与えることはなく、磁性体コアの磁気飽和に起因した無電極放電灯のちらつきを回避できるという利点がある。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記直流供給手段が、前記無電極放電灯の始動前に前記誘導コイルに直流電圧を印加し、前記温度補正回路が、前記温度推定部で求まる温度に基づいて、無電極放電灯の始動時の無電極放電灯の温度を所定範囲内に調整することを特徴とする。
この構成によれば、直流供給手段が無電極放電灯の始動前に直流電圧を印加するので、磁性体コアが磁気飽和しても無電極放電灯の点灯状態に影響を与えることはなく、磁性体コアの磁気飽和に起因した無電極放電灯のちらつきを回避できるという利点がある。また、温度補正回路では、無電極放電灯の始動時の無電極放電灯の温度を所定範囲内に調整するから、無電極放電灯の始動時には過度の始動電圧を印加する必要がなく、始動時における磁性体コアの磁気飽和などを回避でき、さらに無電極放電灯の光出力の立ち上がり特性を改善できる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の無電極放電灯点灯装置と、放電ガスを封入したバルブに誘導コイルが巻装された磁性体コアを近接配置してなる無電極放電灯と、無電極放電灯を保持する灯具とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、バルブの周囲温度の変化による無電極放電灯の光出力変動を抑制することができるので、たとえば屋外のように温度変化の生じやすい環境下で照明器具を使用しても、無電極放電灯の光出力を一定に維持することができるという利点がある。
本発明は、磁性体コアの飽和磁束密度の温度特性を利用して、磁気飽和時の直流供給回路の出力の大きさから無電極放電灯の温度を求めることができるので、温度検知素子を付加することなく、バルブの周囲温度の変化による無電極放電灯の光出力変動を抑制することができるという利点がある。
(実施形態1)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置(以下、点灯装置と略称する)1は、図2に示すように、金属蒸気と不活性ガスとの混合気体である放電ガスを封入したバルブ2に誘導コイル3を含むカプラ4を近接配置してなる無電極放電灯5を点灯させるものであって、誘導コイル3に高周波電力を供給することで誘導コイル3から放電ガスに高周波電磁界を作用させる主回路6(図1参照)を備えている。
本実施形態の無電極放電灯点灯装置(以下、点灯装置と略称する)1は、図2に示すように、金属蒸気と不活性ガスとの混合気体である放電ガスを封入したバルブ2に誘導コイル3を含むカプラ4を近接配置してなる無電極放電灯5を点灯させるものであって、誘導コイル3に高周波電力を供給することで誘導コイル3から放電ガスに高周波電磁界を作用させる主回路6(図1参照)を備えている。
本実施形態では、無電極放電灯5の具体例として、図2に示すようにバルブ2に口金7が一体に取り付けられ、略白熱形状に形成された構成の無電極放電灯5を考えている。
バルブ2は、透光性材料であるガラスから中空の球状に形成され、その一部分がバルブネック8として突設されて円筒状の口金7に嵌合されるようになっている。さらに、バルブ2は、バルブネック8の先端面から内側へ陥没した円筒状のキャビティ9がバルブネック8と一体に形成されており、このキャビティ9内にはキャビティ9の底面の中央部からキャビティ9の外側に向けて突設された筒状の排気細管10がキャビティ9と連続一体に形成されている。なお、ここでは、図3に示すバルブ2の球状部分の内径Rは110mm〜180mmとする。
排気細管10は、内部空間がバルブ2の内部空間と連通しており、製造過程においてバルブ2の内部と外部とを連通させる機能を有するものであるが、図2の完成形では先端部となる封止部11がチップオフにより密閉封止されバルブ2内を気密空間(放電空間)としている。排気細管10は口金7の中心軸上に配置されており、封止部11がキャビティ9の開口面からは突出し且つ口金7に包囲される程度の長さにチップオフされている。
排気細管10の内周面を除くバルブの内表面(キャビティ9の外周面を含む)には、保護膜12、および紫外線を可視光線に変換する蛍光体を含む塗膜としての蛍光体膜13が形成されている。バルブ2内に封入される放電ガスとしては、アルゴンやクリプトン等の希ガスと水銀蒸気との混合気体が用いられる。上述した構成によれば、無電極放電灯5は、誘導コイル3により高周波電磁界が放電ガスに作用すると、放電ガスが励起されて紫外線を発生し、これにより蛍光体膜13が可視光を放射する。
ここでは放電ガス中の水銀蒸気の発生源としてアマルガムを用いており、排気細管10内に設けた金属容器14にアマルガムを収容している。アマルガムはたとえばビスマスとインジウムとの合金からなる基体金属に3.5%の含有比率で水銀を含有して成り、金属容器14は鉄−ニッケル合金からなる。排気細管10内にはさらに、金属容器14固定用の円柱状の一対のガラスロッド15が、金属容器14を両ガラスロッド15で挟み込む形で収容され、且つガラスロッド15の位置規制用の第1凹部16が形成されている。なお、バルブ2内には暗所での無電極放電灯5の始動性を向上させる暗所始動補助フラグ17が収容されており、暗所始動補助フラグ17の位置規制用の第2凹部18が排気細管10に形成されている。
カプラ4は、口金7を通してキャビティ9内に挿入される形でバルブ2に近接配置されるものであって、排気細管10が挿通されるように筒状に形成されている。カプラ4は、キャビティ9から突出する側の端部を口金7に嵌合させることにより、バルブ2に対して固定される。このカプラ4は、略円筒状に形成されて外周に誘導コイル3が巻装された磁性体コア19を有している。これにより、誘導コイル3のインダクタンスを大きくでき、比較的低い周波数(数百kHz)であっても、誘導コイル3から放電ガスに高周波電磁界を作用させることができる。磁性体コア19は、高周波磁気特性の良好な軟磁性材料から形成され(たとえばフェライトコア)、キャビティ9内に配置される。
また、詳しくは後述するが、口金7を下方に向けて(図2の向きで)無電極放電灯5を使用した場合にバルブ2において最冷点となるバルブネック8の外周には、バルブネック8を加熱するためのヒータ(発熱体)20が装着されている。このヒータ20は、点灯装置1に設けたヒータ駆動回路21(図1参照)から電力供給を受けて発熱し、バルブ2の最冷点温度を上昇させる機能を有する。
一方、点灯装置1における主回路6は、図1に示すように、交流電源(商用電源)ACを受けて高周波電力を出力する高周波電源回路22と、コンデンサを用いた共振回路を含む整合回路23とを有しており、誘導コイル3に対して管灯線24を介して接続される。なお、主回路6の構成は本発明の要旨ではないのでここでは詳細な説明を省略するが、たとえば周知の無電極放電灯点灯装置と同様の構成が適用される。
点灯装置1は、図4に示すように無電極放電灯5のカプラ4と管灯線24を介して接続されるとともに、電源プラグ25をコンセントに差し込むことで交流電源ACに接続される。なお、図4の例では、無電極放電灯5の口金7側にカプラ4放熱用の放熱フィン26を設けてある。
次に、上述した無電極放電灯5を点灯装置1で点灯させる際の基本的な動作について簡単に説明する。
すなわち、点灯装置1の主回路6が作動して誘導コイル3にたとえば数十kHz〜数MHzの高周波電流が流れると、誘導コイル3の周囲には高周波電磁界が発生する。この高周波電磁界によりバルブ2内の電子が加速され、電子の衝突によりガスが電離し放電が発生する。放電中は放電ガスが励起されて紫外線を発生し、当該紫外線は、蛍光体膜13で可視光に変換されバルブ2を透過して外部に放射される。
ところで、無電極放電灯5の点灯中においては、プラズマの熱によりバルブ2が高温となるものの、バルブ2の周囲の外気温度が極端に低い(たとえば−20℃)とき、バルブ2の最冷点(口金7を下方に向けていればバルブネック8)温度が所定範囲外となるため、バルブ2内の水銀蒸気圧が外気温度に影響され光出力が低下することがある。ここでいう所定範囲は、所謂最適最冷点温度の範囲であって、一般的には40〜50℃程度である。
このようにバルブ2の最冷点温度が最適最冷点温度を下回るような場合には、バルブネック8に装着したヒータ20を上記ヒータ駆動回路21により駆動し、バルブネック8を保温してバルブ2の最冷点温度の低下を抑制することで、無電極放電灯5の光出力の低下を抑制することが可能である。ただし、最冷点温度がたとえば35〜45℃と十分に高い温度に保たれている場合においてヒータ20を駆動すると、バルブ2内の水銀蒸気圧が過度に高くなり、この場合にも光出力の低下の原因となる。
そこで、最冷点温度が低い場合にのみヒータ20を駆動するために、バルブネック8の温度またはバルブ2の周囲温度を検知する必要があり、従来は専用の温度検知素子(図示せず)が用いられていた。しかしながら、従来の構成では温度検知素子が必要になること、並びに温度検知素子の取付構造が必要となることなどのデメリットがある。
これに対して、本実施形態の点灯装置1は、図5に示す磁性体コア(ここではフェライトコア)19の飽和磁束密度の温度特性を利用することにより、温度検知素子を用いることなく無電極放電灯5の温度を求める温度推定部27(図1参照)を採用している。
すなわち、周知のように、誘導コイル3への通電時に生じる磁界が磁性体コア19に作用した状態で、磁性体コア19における磁束密度が磁性体コア19の飽和磁束密度に達すると、磁性体コア19は磁気飽和し透磁率が低下するが、このときの飽和磁束密度は温度によって変化する。図5では材質の異なる4種類の磁性体コア19について飽和磁束密度の温度特性を示しているが、いずれの磁性体コア19であっても温度が高くなるほど飽和磁束密度が低下する傾向にある。なお、図5では横軸を温度、縦軸を飽和磁束密度としている。
したがって、磁性体コア19が磁気飽和する際の磁束密度(飽和磁束密度)が求まれば、当該磁束密度から図5の関係(飽和磁束密度の温度特性)を用いて磁性体コア19の温度が一意に求まる。さらに、磁性体コア19はバルブ2に近接配置されており、磁性体コア19の温度とバルブ2の温度との間には強い相関関係があるため、磁性体コア19の温度はバルブ2の温度に容易に換算することができる。
そこで、温度推定部27は、磁性体コア19を磁気飽和させ、そのときの磁性体コア19の磁束密度に基づいて、無電極放電灯5の温度を求めるように構成されている。
具体的な構成として、温度推定部27は、図1に示すように誘導コイル3に直流電圧を印加する直流供給回路28と、誘導コイル3の両端電圧と誘導コイル3に流れる電流との少なくとも一方を検出することで磁性体コア19の磁気飽和を検出する磁気飽和検出部29と、磁気飽和時における直流供給回路28の出力電圧から無電極放電灯5の温度を推定する推定処理部30とを有している。
直流供給回路28は、磁性体コア19を磁気飽和させるために誘導コイル3に直流電圧を印加するものであって、印加する直流電圧の大きさが可変となるように構成される。つまり、磁性体コア19を磁気飽和させるには、誘導コイル3に印加する電圧を高くして磁性体コア19における磁束密度を大きくする必要があるが、直流供給回路28にて、主回路6から誘導コイル3に印加される高周波電圧に直流電圧を重畳させることにより、効率よく磁性体コア19を磁気飽和させることが可能となる。ここに、直流供給回路28から誘導コイル3に印加する直流電圧は、時間経過に伴い連続的に上昇させるか、あるいは非連続で階段状に上昇させるものとする。
磁気飽和検出部29は、直流供給回路28が誘導コイル3に直流電圧を印加している期間中に、磁性体コア19が磁気飽和して透磁率が低下すれば誘導コイル3のインダクタンスが低下することを利用して、磁性体コア19の磁気飽和を検出する。つまり、磁性体コア19が磁気飽和すると、誘導コイル3のインダクタンスが変化することで、誘導コイル3に主回路6から供給される高周波電力が変化するので、磁気飽和検出部29は、誘導コイル3に供給される高周波電力(電圧、電流のいずれか一方でもよい)の変化から磁性体コア19の磁気飽和を検出する。ここで、磁気飽和検出部29は、ハイパスフィルタ(図示せず)を用いることで簡単に高周波成分のみを抽出することができる。
推定処理部30は、磁気飽和検出部29から磁性体コア19の磁気飽和検出時に検出信号を受け、当該検出信号を受けた時点における直流供給回路28の出力電圧を検出する。ここで、磁性体コア19の磁束密度は、誘導コイル3を流れる電流の大きさから一意に求めることができるので、磁性体コア19が磁気飽和したときの直流供給回路28の出力(誘導コイル3への印加電圧)から飽和磁束密度を算出することができ、さらに図5の関係(飽和磁束密度の温度特性)を用いて磁性体コア19の温度を求めることが可能である。本実施形態では、直流供給回路28の出力と温度とが一対一に対応付けられたテーブルを予め用意しており、温度推定手段30は、当該テーブルを参照して直流供給回路28の出力に対応する温度を求めるものとする。
しかして温度推定部27で求められた温度は後段の判別部31に出力され、判別部31に予め設定されている閾値と比較される。この閾値は最適最冷点温度の最低温度に設定される。そして、温度推定部27で求めた温度が当該閾値を下回る場合には、判別部31がヒータ駆動回路21に信号を出力し、ヒータ駆動回路21によりヒータ20を駆動する。ここで、判別部31およびヒータ駆動回路21は、温度推定部27で求まる温度に基づいて、温度変化による無電極放電灯5の光出力の変化を抑制する温度補正回路を構成する。
以上説明した構成の点灯装置1によれば、磁性体コア19の飽和磁束密度の温度特性を利用することで、温度検知素子を用いることなく無電極放電灯5の温度を求めることができる。そして、無電極放電灯5の最冷点温度が最適最冷点温度を下回ると判別部31にて判断された場合、ヒータ20を駆動してバルブ2の最冷点温度を上昇させることで、バルブ2内の水銀蒸気圧を適正に維持し、無電極放電灯5の光出力の変動を抑制することが可能である。
また、本実施形態では、温度補正回路にヒータ駆動回路21を用いた例を示したが、この例に限らず、たとえば温度推定部27で求まる温度に応じて、主回路6から誘導コイル3に供給される高周波電力の大きさを制御する温度補正回路を採用することも可能である。この構成では、無電極放電灯5の最冷点温度が最適最冷点温度を下回る場合だけでなく、無電極放電灯5の最冷点温度が最適最冷点温度を超えて上昇した場合にも、誘導コイル3に供給される高周波電力の大きさを制御することで光出力の変動を抑制することができる。なお、誘導コイル3に印加される電圧は、高周波電源回路22の動作周波数が整合回路23に含まれる共振回路と誘導コイル3とで決まる共振周波数に近くなるほど高くなるので、温度補正回路は高周波電源回路22の動作周波数を制御させることで、主回路6から出力される高周波電力の大きさを制御することができる。
(実施形態2)
本実施形態の点灯装置1は、誘導コイル3に供給される高周波電力を無電極放電灯5が点灯する大きさに設定するオン期間と、点灯しない大きさに設定するオフ期間とを周期的に交互に繰り返すことにより無電極放電灯5を調光点灯させる間欠制御部(図示せず)を主回路6に付加し、温度推定部27が、オフ期間において無電極放電灯5の温度を検出するようにした点が実施形態1の点灯装置1と相違する。
本実施形態の点灯装置1は、誘導コイル3に供給される高周波電力を無電極放電灯5が点灯する大きさに設定するオン期間と、点灯しない大きさに設定するオフ期間とを周期的に交互に繰り返すことにより無電極放電灯5を調光点灯させる間欠制御部(図示せず)を主回路6に付加し、温度推定部27が、オフ期間において無電極放電灯5の温度を検出するようにした点が実施形態1の点灯装置1と相違する。
間欠制御部は、高周波電源回路22の動作周波数を切り替えるように構成される。ここで、図6に示すようにオン期間T1においては、動作周波数は整合回路23の共振回路と誘導コイル3とで決定される共振周波数に近い数百kHz程度に設定されており、誘導コイル3に印加される電圧が比較的大きく、無電極放電灯5は点灯状態となる。一方、オフ期間T2においては、動作周波数は前記共振周波数から十分離れた数千kHz程度に設定され、誘導コイル3に印加される電圧が低下し、無電極放電灯5は不点灯状態となる。しかして、無電極放電灯5が点灯するオン期間T1と点灯しないオフ期間T2とが交互に繰り返されることになる。なお、図6では横軸を時間、縦軸を誘導コイル3への印加電圧とする。ここで、オン期間T1とオフ期間T2とを繰り返す周波数は、使用者に無電極放電灯5の点滅によるちらつきを感じさせない程度(たとえば100Hz以上)に設定される。
本実施形態では、オフ期間T2に無電極放電灯5の温度を検出するため、直流供給回路28は、オフ期間T2において主回路6から誘導コイル3へ印加される高周波電圧(数千kHz)に直流電圧を重畳させる。このとき、直流供給回路28からの直流成分によって無電極放電灯5が点灯することはない。ただし、誘導コイル3には高周波電力が供給されているので、磁気飽和検出部29では、誘導コイル3のインダクタンスの低下による当該高周波電力の変化を検出することで、磁性体コア19の磁気飽和を検出することができる。
以上説明した本実施形態の点灯装置1によれば、無電極放電灯5が点灯していないオフ期間T2において、磁性体コア19を磁気飽和させて磁性体コア19の温度を検出するようにしているから、磁性体コア19が磁気飽和して誘導コイル3のインダクタンスが低下しても、無電極放電灯5の点灯状態に影響を及ぼすことはなく、無電極放電灯5の点灯中のちらつきを回避できるという利点がある。また、オフ期間T2には主回路6は低出力状態にあるから、誘導コイル3のインダクタンスの低下によって主回路6に掛かる負担も小さく抑えることができる。
なお、その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態の点灯装置1は、温度推定部27が、無電極放電灯5の始動前に無電極放電灯5の温度を検出する点が実施形態1の点灯装置1と相違する。すなわち、点灯装置1は、電源が投入されると、まず温度推定部27で無電極放電灯5の温度を検出し、その後、無電極放電灯5を始動点灯する。
本実施形態の点灯装置1は、温度推定部27が、無電極放電灯5の始動前に無電極放電灯5の温度を検出する点が実施形態1の点灯装置1と相違する。すなわち、点灯装置1は、電源が投入されると、まず温度推定部27で無電極放電灯5の温度を検出し、その後、無電極放電灯5を始動点灯する。
本実施形態では、直流供給回路28は、点灯装置1の電源投入時において誘導コイル3に直流電圧を印加する。このとき、主回路6から誘導コイル3へ高周波電力が供給されていないので、誘導コイル3には直流電圧のみが印加され、当然ながら磁性体コア19が磁気飽和する前に無電極放電灯5が点灯することはない。ここで、直流供給回路28は、誘導コイル3に印加する直流電圧を連続的に上昇させるものとする。これにより、磁性体コア19に磁気飽和が生じて誘導コイル3のインダクタンスが低下すると、直流供給回路28から誘導コイル3に供給される直流電圧や直流電流の変化率が変わるので、磁気飽和検出部29は、誘導コイル3の両端電圧と誘導コイル3を流れる電流との少なくとも一方の変化から磁性体コア19の磁気飽和を検出することができる。
しかして温度推定部27で求めた温度が閾値を下回る場合には、ヒータ駆動回路21にてヒータ20を駆動してバルブ2の最冷点温度を上昇させることで、バルブ2内の水銀蒸気圧を適正に調整し、無電極放電灯5の始動特性を改善することができる。また、無電極放電灯5の始動直後の光の立ち上がり特性も改善することができる。
この構成によれば、無電極放電灯5の始動前において、磁性体コア19を磁気飽和させて磁性体コア19の温度を検出するので、磁性体コア19が磁気飽和して誘導コイル3のインダクタンスが低下しても、無電極放電灯5の点灯状態に影響を及ぼすことはなく、無電極放電灯5の点灯中のちらつきを回避できる。また、誘導コイル3への直流電圧の印加時においては、主回路6から誘導コイル3への電力供給は必要ないので、誘導コイル3と主回路6との間を電気的に切り離すことができ、直流供給回路28の出力が主回路6に逆流して主回路6に大電流が流れることを防止できるため、回路素子の耐圧を低く設計することができる。
なお、その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
ところで、上述した各実施形態の点灯装置1を用いた照明器具の具体例として、図7に示すような照明器具Aが考えられる。図7に示す照明器具Aは、上面が開口した椀状の反射板32と、反射板32の開口を閉塞する透光性の前面パネル33とを灯具として具備し、反射板32と前面パネル33とで囲まれた空間内に無電極放電灯5を口金7が下となる向きで収容している。反射板32の底部には孔34が形成され、管灯線24はこの孔34を通して引き出されて点灯装置1に接続される。この種の照明器具Aは屋外で使用されることもあるが、温度変化の生じやすい屋外で使用される照明器具Aにあっては、バルブ2の周囲温度に変化が生じやすく、したがって、バルブ2の周囲温度の変化による無電極放電灯5の光出力変動を抑制できる本発明の点灯装置1を採用することは特に有用である。
1 無電極放電灯点灯装置
2 バルブ
3 誘導コイル
5 無電極放電灯
6 主回路
19 磁性体コア
27 温度推定部
28 直流供給回路
29 磁気飽和検出部
30 推定処理部
A 照明器具
2 バルブ
3 誘導コイル
5 無電極放電灯
6 主回路
19 磁性体コア
27 温度推定部
28 直流供給回路
29 磁気飽和検出部
30 推定処理部
A 照明器具
Claims (4)
- 放電ガスを封入したバルブに誘導コイルが巻装された磁性体コアを近接配置してなる無電極放電灯を点灯させる無電極放電灯点灯装置であって、誘導コイルに高周波電力を供給することで誘導コイルから放電ガスに高周波電磁界を作用させる主回路と、無電極放電灯の温度を求める温度推定部と、温度推定部で求まる温度に基づいて、温度変化による無電極放電灯の光出力の変化を抑制する温度補正回路とを備え、温度推定部は、誘導コイルに直流電圧を印加する直流供給回路と、誘導コイルへの直流電圧印加時に誘導コイルの両端電圧と誘導コイルに流れる電流との少なくとも一方を検出することで前記磁性体コアの磁気飽和を検出する磁気飽和検出部と、磁性体コアの飽和磁束密度の温度特性を利用して、磁性体コアの磁気飽和時における直流供給回路の出力の大きさから無電極放電灯の温度を推定する推定処理部とを有することを特徴とする無電極放電灯点灯装置。
- 前記主回路は、前記誘導コイルに供給される高周波電力を前記無電極放電灯が点灯する大きさに設定するオン期間と点灯しない大きさに設定するオフ期間とを交互に繰り返すことで無電極放電灯を調光点灯させる間欠制御部を有し、前記直流供給手段は、前記オフ期間において誘導コイルに直流電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の無電極放電灯点灯装置。
- 前記直流供給手段は、前記無電極放電灯の始動前に前記誘導コイルに直流電圧を印加し、前記温度補正回路は、前記温度推定部で求まる温度に基づいて、無電極放電灯の始動時の無電極放電灯の温度を所定範囲内に調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無電極放電灯点灯装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の無電極放電灯点灯装置と、放電ガスを封入したバルブに誘導コイルが巻装された磁性体コアを近接配置してなる無電極放電灯と、無電極放電灯を保持する灯具とを備えることを特徴とする照明器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008166257A JP2010009868A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 無電極放電灯点灯装置および照明器具 |
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JP2008166257A JP2010009868A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 無電極放電灯点灯装置および照明器具 |
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ID=41590114
Family Applications (1)
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JP2008166257A Withdrawn JP2010009868A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 無電極放電灯点灯装置および照明器具 |
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JP (1) | JP2010009868A (ja) |
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2008
- 2008-06-25 JP JP2008166257A patent/JP2010009868A/ja not_active Withdrawn
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