JP2012074152A - 無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具 - Google Patents

無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具 Download PDF

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健太郎 山内
Hiroshi Ogasawara
宏 小笠原
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宏司 平松
Atsunori Okada
淳典 岡田
Hidenori Kakehashi
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Abstract

【課題】バルブ内に残留している不純物に起因して無電極放電ランプのランプ性能が低下するのを抑制可能な無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】無電極放電ランプ16は、放電ガスである希ガスおよび水銀が封入された透光性のバルブ1と、高周波電流が通電されることにより高周波電磁界を発生させる誘導コイル4とを備える。誘導コイル4は、排気細管5の長手方向においてバルブ本体1aの最大径近傍に配置された第1のコイル4aと、排気細管5の他端部側に配置された第2のコイル4bとで構成される。無電極放電ランプ16を点灯させる点灯装置14は、無電極放電ランプ16の累積点灯時間を計時する計時手段と、計時手段により計時された累積点灯時間が所定時間になるまでは、第2のコイル4bに高周波電流を通電し、所定時間を経過してからは、第1のコイル4aに高周波電流を通電する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具に関するものである。
従来から、放電ガスである希ガス(例えば、アルゴンガス、クリプトンガスなど)および水銀が封入された透光性のバルブと、高周波電流が通電されることにより高周波電磁界を発生させる誘導コイルと、上記高周波電流を発生する点灯回路とを備えた無電極放電ランプ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1には、上述の無電極放電ランプ装置を備えた照明器具が提案されている。
この種の無電極放電ランプ装置における無電極放電ランプは、例えば、図6に示すように、バルブ1の内壁面側に高周波電磁界の作用による希ガスの放電により発生した紫外線を可視光に変換する蛍光体膜3が設けられている。また、図6に示した構成の無電極放電ランプ116は、バルブ1において電球状の外郭(以下、バルブ本体と称する)1a以外の部位に、誘導コイル4などを収納するキャビティ7を形成するキャビティ形成部1bが設けられている。さらに、図6に示した構成の無電極放電ランプ116は、一端部がキャビティ形成部1bの底部10に連結されて内部空間がバルブ本体1aの内部空間に連通し、他端部が封止された排気細管5が設けられている。なお、バルブ1の内壁面と蛍光体膜3との間には、バルブ1を保護する保護膜2が設けられている。また、排気細管5内には、バルブ1内に水銀蒸気を供給する水銀アマルガムが収納された金属容器6が配置されている。
上述の無電極放電ランプ116の製造方法としては、バルブ本体1aとキャビティ形成部1bとをそれぞれ形成する形成工程と、バルブ本体1aの内壁面とキャビティ形成部1bにおけるバルブ本体1a側の表面それぞれに保護膜2を形成してから蛍光体膜3を塗布する塗布工程と、蛍光体膜3を大気中にて高温で焼成する焼成工程と、バルブ本体1aとキャビティ形成部1bとを接合することでバルブ1を形成する接合工程と、上記他端部が開放された状態の排気細管5を通してバルブ1内を高温で真空排気する真空排気工程と、バルブ1内に希ガス(例えば、アルゴンガスなど)および水銀(アマルガムを含む)を封入する封入工程と、排気細管5の上記他端部を封止する封止工程とを有する方法が考えられる。
特開2010−50057号公報
ところで、図6に示した構成の無電極放電ランプ116は、上述の製造方法によって蛍光体膜3を焼成工程により大気中にて高温で焼成し、バルブ1内を真空排気工程にて真空排気することで、蛍光体膜3に含まれる水分および有機物などの不純物をバルブ1の外部に排出することが可能となる。
しかしながら、図6に示した構成の無電極放電ランプ116は、上述の製造方法によって蛍光体膜3を焼成し、バルブ1内を真空排気しているにもかかわらず、焼成工程における焼成温度や焼成時間などが不十分なことによる焼成不足や、真空排気工程における排気時の微小リークなどに起因して、炭素系(炭素や有機物など)の不純物がバルブ1内に残留することが懸念される。ここで、本願の発明者らは、図6に示した構成の無電極放電ランプ116のバルブ1内に不純物が残留していると、無電極放電ランプ116を点灯させて数分〜数十時間の間に、蛍光体膜3においてバルブ1内に発生するプラズマの強度が強い領域に曝される部位の表面に炭素膜が形成され、いわゆる黒化が起こることを実験的に確認している。図6の右側には、黒化の起こった無電極放電ランプ116のキャビティ形成部1bにおける蛍光体膜3表面の黒化の分布を示してある。
このような黒化が起こると、炭素膜での可視光の吸収に起因した発熱量が大きくなるため、蛍光体膜3において炭素膜が形成された部位付近に位置する金属容器6に収納された水銀アマルガムの温度が上昇する。これによって、バルブ1内の水銀蒸気圧が高くなり、希ガスの放電により発生する紫外線の発光効率が低下してしまうので、無電極放電ランプ116の光束の低下や発光色の変化が引き起こされる。また、蛍光体膜3において炭素膜が形成された部位では、蛍光体膜3に到達する紫外線の量の低下や可視光の反射率の低下が起こり、蛍光体膜3での発光量の低下を引き起こす。
そこで、無電極放電ランプ116の製造時にバルブ1内に残留する不純物を根絶することが第1に考えられるが、製造ラインにおける大規模な設備投資やリードタイムの長期化などに伴うコストアップの要因となる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、バルブ内に残留している不純物に起因して無電極放電ランプのランプ性能が低下するのを抑制可能な無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具を提供することにある。
本発明の無電極放電ランプ装置は、無電極放電ランプと、前記無電極放電ランプを点灯させる点灯装置とを備え、前記無電極放電ランプは、放電ガスである希ガスおよび水銀が封入された透光性のバルブと、高周波電流が通電されることにより高周波電磁界を発生させる誘導コイルと、前記バルブの内壁面側に設けられ前記高周波電磁界の作用による前記希ガスの放電により発生した紫外線を可視光に変換する蛍光体膜とを備え、前記バルブにおいて電球状に形成され口金側の端部が開口されたバルブ本体と、前記口金側の端部が開口された有底筒状に形成され前記バルブ本体に挿入されるキャビティ形成部とが、前記口金側の前記端部同士を接合することにより前記バルブが構成されており、前記キャビティ形成部に、前記キャビティ形成部の底部に長手方向の一端部が連結されて内部空間が前記バルブ本体の内部空間に連通し、前記長手方向の他端部が封止された排気細管が設けられるとともに、前記排気細管に外装された筒状のフィライトコアに巻回された前記誘導コイルと、前記フェライトコアと前記排気細管との間に配置され前記フィライトコアに熱的に結合された放熱体とを具備するカプラが収納されてなり、前記誘導コイルは、前記排気細管の前記長手方向において前記バルブ本体の最大径近傍に配置された第1のコイルと、前記排気細管の前記一端部側もしくは前記他端部側に配置された第2のコイルとで構成され、前記点灯装置は、前記無電極放電ランプの累積点灯時間を計時する計時手段と、前記計時手段により計時された累積点灯時間が所定時間になるまでは、前記誘導コイルのうち少なくとも前記第2のコイルに前記高周波電流を通電し、前記所定時間を経過してからは、前記誘導コイルのうち少なくとも前記第1のコイルに前記高周波電流を通電することを特徴とする。
この無電極放電ランプ装置において、前記点灯装置は、前記所定時間の経過前後で、前記第1のコイルへ供給する電力量と前記第2のコイルへ供給する電力量とを変化させることが好ましい。
本発明の照明器具は、前記無電極放電ランプ装置を備えてなることを特徴とする。
本発明の無電極放電ランプ装置においては、バルブ内に残留している不純物に起因して無電極放電ランプのランプ性能が低下するのを抑制可能となる。
本発明の照明器具においては、バルブ内に残留している不純物に起因して無電極放電ランプのランプ性能が低下するのを抑制可能な前記無電極蛍光ランプ装置を備えた照明器具を提供することができる。
実施形態1の無電極放電ランプ装置の概略説明図である。 同上の無電極放電ランプ装置の動作説明図である。 同上の無電極放電ランプ装置の特性説明図である。 同上の無電極放電ランプ装置を備えた照明器具の概略斜視図である。 実施形態2の無電極放電ランプ装置の動作説明図である。 従来例における無電極放電ランプの概略断面図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態の無電極放電ランプ装置について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態の無電極放電ランプ装置18は、無電極放電ランプ16と、この無電極放電ランプ16を点灯させる点灯装置14とを備えている。
無電極放電ランプ16は、放電ガスである希ガス(例えば、アルゴンガスなど)および水銀が封入された透光性のバルブ1と、高周波電流が通電されることにより高周波電磁界を発生させる誘導コイル4とを備えている。なお、バルブ1は、透光性材料であるガラス等で形成されている。
バルブ1の内壁面側には、高周波電磁界の作用による希ガスの放電により発生した紫外線を可視光に変換する蛍光体膜3が設けられている。この蛍光体膜3は、Y:Eu3+(YOX)からなる赤色蛍光体と、LaPO:Ce3+,Tb3+(LAP)からなる緑色蛍光体と、BaMgAl1627:Eu2+(BAM)からなる青色蛍光体とを混合した混合物で形成されている。また、バルブ1の内壁面と蛍光体膜3との間には、バルブ1を保護する透光性の保護膜2が設けられている。さらに、バルブ1において電球状の外郭(以下、バルブ本体と称する)1a以外の部位に、誘導コイル4などを収納するキャビティ7を形成するキャビティ形成部1bが設けられている。なお、保護膜2および蛍光体膜3は、バルブ1の内壁面の略全面に形成されており、図1ではその一部のみを図示している。
バルブ1は、電球状に形成され口金8側(図1では、下側)の端部が開口されたバルブ本体1aと、口金8側の端部が開口された有底筒状に形成されバルブ本体1aに挿入されるキャビティ形成部1bとの口金8側の端部同士を接合することで構成されている。なお、バルブ本体1aには、口金8が取り付けられている。
キャビティ形成部1bには、長手方向の一端部がキャビティ形成部1bの底部10に連結されて内部空間がバルブ本体1aの内部空間に連通し、上記長手方向の他端部が封止された排気細管5が設けられている。
排気細管5内には、棒状のガラスロッド9が収納されており、当該ガラスロッド9において排気細管5の上記一端部側に、バルブ1内に水銀蒸気を供給する水銀アマルガムが収納された金属容器6が配置されている。また、金属容器6は、ガラスロッド9を用いて、当該金属容器6が排気細管5の中央部に位置するように配置されている。なお、排気細管5には、金属容器6およびガラスロッド9を、排気細管5の底部5aとの間に保持する保持部5bが設けられている。
誘導コイル4は、排気細管5に外装される筒状のフィライトコア11の外周部に巻回されている。また、誘導コイル4は、排気細管5の長手方向においてバルブ本体1aの最大径近傍に配置された第1のコイル4aと、排気細管5の上記他端部側に配置された第2のコイル4bとで構成されている。ここにおいて、上述の金属容器6は、第1のコイル4aの内側に配置されている。また、第2のコイル4bは、バルブ本体1aの最小径近傍に配置されている。なお、第1のコイル4aと第2のコイル4bとは、キャビティ形成部1bおよび排気細管5の長手方向において所定の間隔を隔てて配置されている。また、第2のコイル4bは、金属容器6の近傍を避けて排気細管5の上記他端部側に配置されているが、金属容器6の近傍を避けて排気細管5の上記一端部側に配置してもよい。
フィライトコア11は、例えばアルミニウムや銅などの熱伝導性を有する部材で形成された筒状の放熱体(放熱シリンダ)12に外装されており、放熱体12と熱的に結合されている。無電極放電ランプ16は、第1のコイル4a、第2のコイル4b、フィライトコア11および放熱体12を具備するカプラ(パワーカプラ)13が、キャビティ形成部1bにより形成されたキャビティ7に収納される。なお、カプラ13は、放熱体12の内側に配置され放熱体12と排気細管5との間を断熱する断熱材(図示せず)が設けられている。また、第1のコイル4aおよび第2のコイル4bが巻回されたフィライトコア11の外径寸法は、キャビティ形成部1bの内径寸法よりも若干小さくなるように設定されている。さらに、放熱体12の内径寸法は、排気細管5の外径寸法よりも若干大きくなるように設定されている。
無電極放電ランプ16は、カプラ13をキャビティ7に収納し、バルブ本体1aに取り付けられた口金8にカプラ13を取着することで形成される。
点灯装置14は、無電極放電ランプ16の第1のコイル4aに高周波電流(例えば、周波数が135kHzの電流)を通電する第1の点灯回路14aと、無電極放電ランプ16の第2のコイル4bに上記高周波電流を通電する第2の点灯回路14bとを備えている。なお、第1の点灯回路14aと第1のコイル4aとは、第1の電線15aを介して電気的に接続されている。また、第2の点灯回路14bと第2のコイル4bとは、第2の電線15bを介して電気的に接続されている。なお、点灯装置14の各点灯回路14a,14bは、交流電源19に電気的に接続されるようになっており、交流電源19から給電される。また、交流電源19としては、周波数が商用周波数(50Hzもしくは60Hz)で実効電圧が100〜242Vであることが好ましい。さらに、各点灯回路14a,14bの出力は、周波数が135kHzで電圧が300Vであるが、この数値例は一例であり、特に限定するものではない。
点灯装置14は、無電極放電ランプ16の累積点灯時間を計時する計時手段(図示せず)を備えており、計時手段により計時された累積点灯時間が所定時間(例えば、15分〜100時間程度)を経過する前後で、第1のコイル4aへ供給する電力量と第2のコイル4bへ供給する電力量とを変化させる。本実施形態では、点灯装置14は、計時手段により計時された累積点灯時間が所定時間になるまでは、第2のコイル4bに上記高周波電流を通電させ、上記所定時間を経過してからは、第1のコイル4aに上記高周波電流を通電させるように各点灯回路14a,14bを制御するマイクロコンピュータなどからなる制御部(図示せず)を備えている。したがって、上記制御部による制御により、上記所定時間の経過前後で点灯装置14から第1のコイル4aへ供給する電力量と点灯装置14から第2のコイル4bへ供給する電力量とが変化する。なお、計時手段としては、例えば、タイマ時間を設定可能なタイマなどを用いてもよいし、上記マイクロコンピュータの内部タイマを用いることができる。また、累積点灯時間は、例えば、交流電源19から点灯装置14への給電路上に設けられた電源スイッチ(図示せず)のオンオフなどのタイミングと計時手段のオンオフのタイミングとを同期させることにより計時することができる。
以上説明した本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、交流電源19から電力供給される点灯装置14が、第1のコイル4aと第2のコイル4bとのいずれか一方に上記高周波電流を通電することで、バルブ1内に高周波電磁界が発生する。この高周波電磁界の作用による希ガスの放電により発生した紫外線が蛍光体膜3によって可視光に変換され、可視光がバルブ1の外部へ放射される。
ここにおいて、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、第1の点灯回路14aが第1のコイル4aに上記高周波電流を通電し、第2の点灯回路14bが第2のコイル4bに上記高周波電流を通電するように構成してあるが、これに限らず、例えば、第1の点灯回路14aあるいは第2の点灯回路14bから第1のコイル4aおよび第2のコイル4bに上記高周波電流をそれぞれ通電するように構成してもよい。
以下、本実施形態の無電極放電ランプ装置18の動作について説明する。
点灯装置14は、無電極放電ランプ16の累積点灯時間が上記所定時間になるまでは、第2のコイル4bのみに上記高周波電流を通電させる。これによって、無電極放電ランプ16は、バルブ1内における口金8側にプラズマが発生する。図2(a)は、バルブ1内においてプラズマが発生する領域に、プラズマの強度の大小に応じたドットの群を記載してある。すなわち、第2のコイル4bのみに上記高周波電流が通電されている際に発生するプラズマの強度は、図2(a)に示す領域A1が最も強く、図2(a)に示す領域A2が最も弱くなる。言い換えれば、バルブ1内における口金8側に発生したプラズマは、第2のコイル4bに近いほど強度が強く、第2のコイル4bから遠いほどプラズマの強度が弱い。
ここで、図2(a)の右側に、黒化の起こった無電極放電ランプ16のキャビティ形成部1bにおける蛍光体膜3表面の黒化の分布を示してある。図2(a)から、プラズマの強度が最も高い領域A1、つまり、第2のコイル4bの側方において、黒化が起こりやすく、バルブ本体1aの最大径付近では、黒化が起こりにくいことが実験により確認された。
ところで、点灯装置14は、計時手段により計時された累積点灯時間が上記所定時間に達した後は、第1の点灯回路14aから第1のコイル4aのみに上記高周波電流を通電させる。これによって、無電極放電ランプ16は、バルブ1内における中央部にプラズマが発生する。図2(b)は、バルブ1内においてプラズマが発生する領域に、プラズマの強度の大小に応じたドットの群を記載してある。すなわち、第1のコイル4aのみに上記高周波電流が通電されている際に発生するプラズマの強度は、図2(b)に示す領域A3が最も強く、図2(b)に示す領域A4が最も弱くなる。言い換えれば、バルブ1内における中央部に発生したプラズマは、第1のコイル4aに近いほど強度が強く、第1のコイル4aから遠いほどプラズマの強度が弱い。
しかしながら、累積点灯時間が上記所定時間を経過した後に、第1のコイル4aのみに上記高周波電流を通電して無電極放電ランプ16を点灯させても、蛍光体膜3表面の黒化が起こっている部位の変化は見られなかった(図2(b)の右側に、黒化の起こった無電極放電ランプ16のキャビティ形成部1bにおける蛍光体膜3表面の黒化の分布を示してある)。この点について説明する。無電極放電ランプ16の累積点灯時間が零の状態で無電極放電ランプ16のバルブ1内に炭素系の不純物が残留していると、具体的には炭素などの不純物が気体の状態または固体として蛍光体膜3に付着しているとする。上述の図2(a),(b)に示した実験結果から、本願発明者らは、無電極放電ランプ16を点灯させると、バルブ1内に発生するプラズマのエネルギによって不純物がガス化し、このガス化した不純物がプラズマの強い領域付近に来ると、近傍の蛍光体膜3に固体として堆積し、堆積した部分に留まることにより、黒化が起こり、黒化を引き起こした炭素膜は堆積した部分に安定して留まるのではないかと推測している。また、蛍光体膜3中に残留している炭素系の不純物についても、同様の現象が起こるのではないかと推測している。
したがって、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、製造直後や出荷時においてバルブ1内に炭素系の不純物が残留していたとしても、累積点灯時間が上記所定時間を経過する前に、第2のコイル4b付近の蛍光体膜3の表面に炭素膜を堆積させることで不純物を捕捉するので、プラズマの強度が強い領域A3に近接する蛍光体膜3の表面に炭素が堆積するのを抑制することができるものと考えられる。そして、本実施形態の無電極放電ランプ装置18は、第1のコイル4a付近の蛍光体膜3の表面に黒化が発生するのを抑制することが可能となる。
また、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、第2のコイル4b付近の蛍光体膜3の表面に炭素膜が形成されても、無電極放電ランプ16のランプ特性に与える影響は少ない。その理由として、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、第2のコイル4bが、水銀アマルガムが収納された金属容器6の近傍を避けて排気細管5の上記他端部側に配置されており、第2のコイル4bが金属容器6の側方に配置される場合に比べて、蛍光体膜3において炭素膜が形成される部位と金属容器6との距離を長くすることができるので、炭素膜が、金属容器6に収納された水銀アマルガムの温度上昇の原因となりにくくなるからである。また、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、第1のコイル4aのみに高周波電流を通電することで無電極放電ランプ16を点灯させた場合、キャビティ形成部1bでは、当該キャビティ形成部1bの長手方向において第1のコイル4aが配置されている中央部において可視光の発光強度が大きくなり、長手方向の両端部において発光強度が低くなるからである。なお、この場合の発光強度の分布の一例を図3に示す。ここで、可視光の発光強度については、波長が610nmの光の発光強度を測定した。また、図3の縦軸は、キャビティ形成部1bの長手方向における位置(ここでは、キャビティ形成部1bにおける口金8側の端縁を基準位置としたときの当該基準位置からの距離(単位はcm))であり、横軸は発光強度の最大値を100としたときの相対発光強度である。
したがって、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、キャビティ形成部1bにおいて当該キャビティ形成部1bの表面から放射される可視光の発光強度が最も強くなる部位が、キャビティ形成部1bにおける長手方向の中央部であって、当該中央部の内側に、水銀アマルガムが収納された金属容器6が配置されており、金属容器6の近傍に配置された第1のコイル4a付近での蛍光体膜3の表面の黒化を抑制することができるので、無電極放電ランプ16を高効率で点灯させることができるとともに、無電極放電ランプ16の光束の低下を抑制することが可能となる。
ここにおいて、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、第2のコイル4b付近の蛍光体膜3の表面に炭素膜が形成される現象が、出荷後の使用時に起こるようにしているが、製造直後のエージング処理として上記所定時間の点灯を行うことにより起こるようにしてもよい。なお、第2のコイル4bを設ける代わりに、第1のコイル4aだけで無電極放電ランプ16を点灯させてもよい。この場合、無電極放電ランプ16の累積点灯時間が上記所定時間になるまでは、第1のコイル4aが金属容器6の近傍以外に配置されるようにバルブ1とカプラ13との位置関係を調整し、上記所定時間を経過した後に、第1のコイル4aを金属容器6の近傍に配置すればよい。また、第1のコイル4aを可動式にして、金属容器6と第1のコイル4aとの位置関係を調整してもよい。
以上説明した本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、計時手段により計時された累積点灯時間が上記所定時間になるまでは、誘導コイル4のうち第2のコイル4bのみに上記高周波電流を通電し、上記所定時間を経過してからは、第1のコイル4aのみに上記高周波電流を通電するので、バルブ1内に不純物が残留している場合であっても、無電極放電ランプ16のランプ特性に与える影響が少ない第2のコイル4b付近の蛍光体膜3の表面に不純物である炭素を堆積させることで、無電極放電ランプ16の製造後にバルブ1内に残留している不純物に起因して無電極放電ランプ16のランプ性能が低下するのを抑制することが可能となる。
以下、本実施形態の無電極放電ランプ装置18を備えた照明器具の一例について、図4に基づいて説明する。なお、図1に示した構成の無電極放電ランプ装置18と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の照明器具は、無電極放電ランプ16から放射された光を反射する椀状の反射板17aと透光性材料で形成された前面パネル17bとで構成された筐体17と、当該筐体17内に配置された無電極放電ランプ16を点灯させる無電極放電ランプ装置18とを備えている。
また、本実施形態の照明器具では、点灯装置14が計時手段により計時された累積点灯時間に基づいて第1のコイル4aと第2のコイル4bとのいずれか一方に上記高周波電流を通電することで、無電極放電ランプ16のバルブ1内に高周波電磁界が発生する。この高周波電磁界の作用による希ガスの放電により発生した紫外線が蛍光体膜3(図1参照)によって可視光に変換され、可視光がバルブ1の外部へ放射される。したがって、無電極放電ランプ16の製造後にバルブ1内に残留している不純物に起因して無電極放電ランプ16のランプ性能が低下するのを抑制可能な無電極放電ランプ装置18を備えた照明器具を提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態の無電極放電ランプ装置18の基本構成は図1に示した実施形態1と同じであり、点灯装置14が、上記所定時間の経過前後のいずれも、第1のコイル4aと第2のコイル4bとの両方に上記高周波電流を通電することで電力を供給する点が実施形態1と相違する。すなわち、点灯装置14が、計時手段により計時された累積点灯時間が上記所定時間を経過する前後で、第1のコイル4aへ供給する電力量と第2のコイル4bへ供給する電力量とを変化させる点は実施形態1と同じであるが、実施形態1では、第1のコイル4aと第2のコイル4bとに同時に上記高周波電流を通電することがないのに対して、本実施形態では、点灯装置14bの上記制御部が、第1のコイル4aと第2のコイル4bとの両方に同時に上記高周波電流が通電されるように各点灯回路14a,14bを制御する点で相違する。
ここにおいて、上記制御部は、計時手段により計時された累積点灯時間が上記所定時間になるまでは、第2のコイル4bに供給する電力を第1のコイル4aに供給する電力よりも大きくする。これによって、無電極放電ランプ16が点灯する。ここで、図5(a)は、バルブ1内においてプラズマが発生する領域に、プラズマの強度の大小に応じたドットの群を記載してある。図5(a)から分かるように、バルブ1内に発生したプラズマは、第2のコイル4bへ近いほど強度が強く、第2のコイル4bから遠いほど弱い(プラズマは、領域A5が最も強く、領域A6が最も弱くなっている)。その結果、バルブ1内に残留している不純物である炭素が、プラズマの強度が強い領域A5に曝される蛍光体膜3の表面に堆積し、第2のコイル4b付近の蛍光体膜3の表面に炭素膜が形成されるものと考えられる。ここで、図5(a)の右側に、黒化の起こった無電極放電ランプ16のキャビティ形成部1bにおける蛍光体膜3表面の黒化の分布を示してある。
そして、上記制御部は、計時手段により計時された累積点灯時間が上記所定時間を経過してからは、第1のコイル4aに供給する電力を第2のコイル4bに供給する電力よりも大きくする。これによって、無電極放電ランプ16が点灯する。ここで、図5(b)は、バルブ1内においてプラズマが発生する領域に、プラズマの強度の大小に応じたドットの群を記載してある。図5(b)から分かるように、バルブ1内に発生したプラズマは、第1のコイル4aに近いほど強度が強く、第1のコイル4aから遠いほど強度が弱い(プラズマは、領域A7が最も強く、領域A8が最も弱くなっている)。
しかしながら、累積点灯時間が上記所定時間を経過した後に、第1のコイル4aと第2のコイル4bとの両方に上記高周波電流を通電して無電極放電ランプ16を点灯させても、蛍光体膜3表面の黒化が起こっている部位の変化は見られなかった(図5(b)の右側に、黒化の起こった無電極放電ランプ16のキャビティ形成部1bにおける蛍光体膜3表面の黒化の分布を示してある)。
ここで、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、実施形態1と同様に、バルブ1内に残留していた不純物である炭素を、無電極放電ランプ16の累積点灯時間が上記所定時間を経過するまでに、第2のコイル4b付近の蛍光体膜3の表面に堆積させることで捕捉することができ、プラズマの強度が強い領域A7に近接する蛍光体膜3の表面に炭素が堆積するのを抑制することができるものと考えられる。したがって、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、第1のコイル4a付近の蛍光体膜3の表面に黒化が発生するのを抑制することが可能となる。その結果、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、金属容器6に収納された水銀アマルガムの温度が上昇するのを抑制することが可能となり、キャビティ形成部1bにおいてキャビティ形成部1bの表面から放射する可視光の発光強度が強くなる部位(第1のコイル4a付近)の蛍光体膜3表面の黒化が抑制されるので、無電極放電ランプ16の光束の低下を抑制することが可能となる。また、本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、無電極放電ランプ16のバルブ1内に発生するプラズマが上記所定時間の経過前後のいずれにおいてもバルブ1内の中央部に発生している状態となるので、プラズマ強度分布の変化に起因する発光量の変動を抑制することが可能となる。
以上説明した本実施形態の無電極放電ランプ装置18では、計時手段により計時された累積点灯時間が上記所定時間になるまでは、第1のコイル4aと第2のコイル4bとの両方に上記高周波電流を通電し、上記所定時間を経過してからは、第1のコイル4aと第2のコイル4bとの両方に上記高周波電流を通電するが、上記所定時間になるまでは、第2のコイル4bに供給する電力を第1のコイル4aに供給する電力よりも大きくするので、バルブ1内に不純物が残留している場合であっても、無電極放電ランプ16のランプ特性に与える影響が少ない第2のコイル4b付近の蛍光体膜3の表面に不純物である炭素を堆積させることで、無電極放電ランプ16の製造後にバルブ1内に残留している不純物に起因して無電極放電ランプ16のランプ性能が低下するのを抑制することが可能となる。
本実施形態の無電極放電ランプ装置18を図4の照明器具に用いてもよい。
1 バルブ
1a バルブ本体
1b キャビティ形成部
3 蛍光体膜
4 誘導コイル
4a 第1のコイル
4b 第2のコイル
5 排気細管
8 口金
10 底部
11 フィライトコア
12 放熱体
13 カプラ
14 点灯装置
16 無電極放電ランプ
18 無電極放電ランプ装置

Claims (3)

  1. 無電極放電ランプと、前記無電極放電ランプを点灯させる点灯装置とを備え、前記無電極放電ランプは、放電ガスである希ガスおよび水銀が封入された透光性のバルブと、高周波電流が通電されることにより高周波電磁界を発生させる誘導コイルと、前記バルブの内壁面側に設けられ前記高周波電磁界の作用による前記希ガスの放電により発生した紫外線を可視光に変換する蛍光体膜とを備え、前記バルブにおいて電球状に形成され口金側の端部が開口されたバルブ本体と、前記口金側の端部が開口された有底筒状に形成され前記バルブ本体に挿入されるキャビティ形成部とが、前記口金側の前記端部同士を接合することにより前記バルブが構成されており、前記キャビティ形成部に、前記キャビティ形成部の底部に長手方向の一端部が連結されて内部空間が前記バルブ本体の内部空間に連通し、前記長手方向の他端部が封止された排気細管が設けられるとともに、前記排気細管に外装された筒状のフィライトコアに巻回された前記誘導コイルと、前記フェライトコアと前記排気細管との間に配置され前記フィライトコアに熱的に結合された放熱体とを具備するカプラが収納されてなり、前記誘導コイルは、前記排気細管の前記長手方向において前記バルブ本体の最大径近傍に配置された第1のコイルと、前記排気細管の前記一端部側もしくは前記他端部側に配置された第2のコイルとで構成され、前記点灯装置は、前記無電極放電ランプの累積点灯時間を計時する計時手段と、前記計時手段により計時された累積点灯時間が所定時間になるまでは、前記誘導コイルのうち少なくとも前記第2のコイルに前記高周波電流を通電し、前記所定時間を経過してからは、前記誘導コイルのうち少なくとも前記第1のコイルに前記高周波電流を通電することを特徴とする無電極放電ランプ装置。
  2. 前記点灯装置は、前記所定時間の経過前後で、前記第1のコイルへ供給する電力量と前記第2のコイルへ供給する電力量とを変化させることを特徴とする請求項1記載の無電極放電ランプ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の無電極放電ランプ装置を備えてなることを特徴とする照明器具。
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CN103256555A (zh) * 2013-06-06 2013-08-21 上海宏源照明电器有限公司 变换特定光谱组分的无极灯光照系统

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