JP2010009814A - Led照明器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正面に投光開口10が開口した有底の灯具本体4に、LED光源ユニット2を前記灯具本体4の内底面4Cから離間して配置し、前記LED光源ユニット2と前記灯具本体4との内底面4Cとの間に、前記LED光源ユニットが発する熱を前記灯具本体4に伝熱する伝熱ユニット32を備え、前記伝熱ユニット32は、前記LED光源ユニット2に接触して熱を受け前記灯具本体4の内側面4Dに接触して伝熱する受熱部としての保持板46を有し、前記灯具本体4の内底面4Cに接触する底面伝熱部52と、前記受熱部たる保持板46と接続された保持板取付部50と前記底面伝熱部52とを熱的に接続するヒートパイプ54を備える構成のLED照明器具。
【選択図】図3
Description
そこで、従来の照明器具においては、灯具本体に多数の放熱フィンを設け、この放熱フィンから外気への伝熱作用により放熱する第1の技術や、LEDの発熱量に対して十分な熱容量を有しLEDの発熱を吸収するヒートシンクを灯具本体に内蔵する第2の技術、灯具本体自体がLEDの発熱量に対して十分な熱容量を有しLEDの発熱を灯具本体が吸収する第3の技術などの各種の技術が提案されている。
また、上記本発明に係るLED照明器具において、前記ヒートパイプの一端側と前記受熱部との接続点と、前記ヒートパイプの他端側と前記底面伝熱部との接続点とを結んだ直線が、投光方向に対して傾斜するように、前記ヒートパイプで前記受熱部と前記底面伝熱部とを接続する構成もあり得る。
図1は本実施形態に係る照明器具の一態様たるLED投光器1の正面図、図2はLED投光器1の背面図、図3はLED投光器1を側面からみた主要断面図である。
これらの図に示すように、LED投光器1は、LED光源ユニット2を納めた灯具本体4と、この灯具本体4に一体に設けられた電源ケース6と、この電源ケース6を回動自在に支持するアーム8とを有する。
灯具本体4は、図3に示すように、背面側から正面側に向かって次第に拡開した有底の箱型形状を成すように例えばアルミダイカストで構成され、その正面側の略矩形の開口によって投光開口10が形成され、この投光開口10にはアルミダイカストの前面枠12が取り付けられている。本実施形態では、灯具本体4は、LED光源ユニット2の消費電力に対して50000mm3/W以下の体積とし小型化が図られている。
前面枠12は、灯具本体4の下面4A側を支軸として開閉自在に構成され、灯具本体4の上面4Bにラッチ13(図2)で掛止可能に構成されている。この前面枠12には、灯具本体4の投光開口10を閉塞する前面ガラス14が嵌め込まれる。
このLED投光器1は、図4(A)及び図4(B)に示すように、投光面が下又は上に向くように取付面Sに設置され、電源ケース6及び灯具本体4を回転支軸P回りに回動させて投光方向Qが調整される。
各LED装置30は、図1に示すように、縦横にマトリクス状に配置されており、本実施形態では、4×6個のLED装置30を配列して光源を構成している。各LED装置30は、図3に示すように、例えば1.2Wの高出力型の発光ダイオード素子(LED素子)40と、この発光ダイオード素子40の発光面に設けられたレンズ体42とを、熱伝導性に優れたアルミニウム製の板状の基板44に実装して構成されている。この基板44は、LED装置30ごとに設けても良いが、本実施形態では、2×6個の発光ダイオード素子40を1枚の基板44に実装した構成としている。
保持板46は、高熱伝導性を有するアルミニウム材を扁平角皿状に成型してなるものであり、図3に示すように、側面46Aを灯具本体4の内側面4Dに伝熱可能に密接させて灯具本体4に嵌め込み固定され、また、その扁平な面上には2枚の上記基板44が並置されている。すなわち、保持板46は、基板44に実装された各LED装置30が発する熱を受ける受熱部として機能し、受けた熱を、その側面46Aから灯具本体4の内側面4Dに伝熱する。
このような保持板46は、各LED装置30を灯具本体4の投光開口10の近傍に配置して灯具本体4の照明効率を高めるべく、内底面4Cから離間した位置(本実施形態では30mm以上離間した位置)に配置されている。そして、この保持板46と灯具本体4の内底面4Cとの間に、上記伝熱体48が配置される。
伝熱体48は、高熱伝導性を有する金属材である例えばアルミニウムから成型され、図3及び図5に示すように、保持板46に面接触して熱的に接続される保持板取付部50と、灯具本体4の内底面4Cと面接触する底面伝熱部52とを有し、保持板取付部50及び底面伝熱部52の間を熱的に接続する伝熱手段としての1組のヒートパイプ54、56が設けられている。
この構成により、上記保持板46に熱的に接続された保持板取付部50からヒートパイプ54、56を介して底面伝熱部52にLED装置30の発熱が伝熱され、この底面伝熱部52から灯具本体4の内底面4Cの略全面に伝えられる。
この構成により、LED装置30の発熱が保持板取付部50及び底面伝熱部52の各々から同程度の熱量が胴部58を伝わって中間伝熱部60に伝わり、これら保持板取付部50及び底面伝熱部52と同程度の熱を持ち、この熱が灯具本体4の内側面4Dに伝熱される。
これにより、灯具本体4の全体に亘り略均一に熱を伝え、放熱させることができる。
また、伝熱体48の体積に対して空洞部62の容積を40%〜55%とすることで、発光ダイオード40における発光素子のジャンクション部での算出推定による温度と、灯具本体4の外表面との温度差を25℃以下まで抑えることができ、LED装置30と灯具本体4との温度差が小さい、すなわち、冷却性に優れたLED投光器1が実現される。
ここで保持板取付部50から底面伝熱部52には、ヒートパイプ54、56を介した伝熱に加え、胴部58を介しても熱が伝えられることとなるが、アルミニウムの熱伝導率は、一般的に200W・m-1・K-1程度であり、灯具本体4に伝わるまでの距離に応じて熱伝導に損失が生まれるため、保持板取付部50と底面伝熱部52との間に温度差が生じる。これに対して、本実施形態のヒートパイプ54、56は、それぞれ高熱伝導性を有する金属材(例えばアルミニウムの熱伝導率の237W・m-1・K-1)に比べ約50倍以上の熱伝導性を有し、距離に関係なくほぼ同じ熱を素早く移動することができることから、LED装置30が発する熱を、保持板取付部50から底面伝熱部52に熱の損失なく素早く伝え両者の間に温度差が生じるのを抑えることができるのである。
因みに、伝熱体48からヒートパイプ54、56を取り外した構成においては、LED装置30と、灯具本体4の内底面4Cとの温度差が40℃にも達してしまい、LED装置30の短寿命化や光束低下の要囚となる。
さらに詳述すると、図4に示すように、灯具本体4は、アーム8に回動自在に保持されることで、その投光方向Qを調整可能に構成されている。灯具本体4の回動角α=0度を、図4(A)に示す投光方向Qが鉛直下向きの状態とすると、図4(B)に示すように回動角αが90度を超えた場合、伝熱体48にあっては、図6(B)に示すように、保持板取付部50が底面伝熱部52よりも上側に位置する。一方、ヒートパイプ56は、内部に作動液を封入し、熱源側である保持板取付部50で作動液を蒸発させ、その蒸気を放熱源側である底面伝熱部52に移動させて凝縮することで、保持板取付部50から底面伝熱部52に向けて熱を移動するものである。
すなわち、図6(B)のように、保持板取付部50が底面伝熱部52よりも上側に位置した場合、何ら対策を施さないと、ヒートパイプ56内の作動液が放熱源側である底面伝熱部52に溜まり、熱伝達機能が低減されることとなる。
これにより、図6(A)のように、投光方向Qを水平方向に向けるために、灯具本体4を回動角α=90度まで回動させた場合でも、ヒートパイプ56においては、保持板取付部50との接続点SA1が底面伝熱部52との接続点SA2よりも下方に維持されるため、ヒートパイプ56の伝熱機能を良好に維持することが可能となる。
また、このようなヒートパイプ54を設けることで、ヒートパイプ54及び56のU字状の部分(屈曲部54C、56C)が互いに異なる方向を向き(非平行状態となり)、特に、本実施形態では、図6に示すように、保持板取付部50の面の法線方向(投光方向Q)の直線に対して、ヒートパイプ54、56が対称にレイアウトされるため、例えばヒートパイプ54、56が伝熱する熱量が略均等になる、等の効果を奏する。
また、これにより、上記回動角α>αthの場合でも、2本以上のヒートパイプにより良好な熱伝達機能が維持できる。
このように構成することで、ヒートパイプ54、56の屈曲部54C、56Cのいずれかが、保持板取付部50の面に配置した直線部54A、56Aよりも下側に位置するように、灯具本体4が傾けて配置された場合には、その下側に位置する方の屈曲部54C、56Cに作動液が溜まることになるが、他方の屈曲部54C、56Cが直線部54A、56Aよりも必ず上側に位置するため、いずれかの直線部54A、56Aには必ず作動液が溜まることとなり、一方のヒートパイプ54、56の伝熱機能が良好に維持される。
また、灯具本体4の外郭側面(外郭の全部の側面)には、LED光源ユニット2の発熱量のうちの35%の熱量が受熱部たる保持板46及び中間伝熱部60を介して伝熱され、また、20%の熱量が底面伝熱部52から伝熱されて合計約55%の熱量が伝熱されるようになっている。
本実施形態では、2本のヒートパイプ54、56の断面積と、伝熱体48の胴部58の断面積と、受熱部たる保持板46の断面積の比を1:略30:略15とすることで、上記のような外郭底面及び外郭側面への熱量の配分を正確に実現している。
このようにしてLED光源ユニット2の発熱量の伝熱量を配分することで、灯具本体4の外郭の温度が全体的に略均一になり、灯具本体4の外郭表面全体を放熱体として効率良く使用して外気に放熱させ、LED光源ユニット2の温度を適正な温度に抑えられる。
これにより、灯具本体4に放熱フィンを設けずとも十分に高い放熱性を実現することができ、また、灯具本体4にヒートシンクを内蔵したり、灯具本体4自信の熱容量を大きくしたりする必要がないから、LEDの放熱効果の低減を抑え、なおかつ、十分な放熱性を実用的な大きさの灯具本体4で実現することができる。
また、伝熱体48の体積に対して空洞部62の容積を40%〜55%とすることで、LED装置30の基板44と保持板46(保持板取付部50)との間の接触箇所と、灯具本体4の外表面との温度差を25℃以下まで抑えることができ、冷却性に優れたLED投光器1が実現される。
例えば、上述した実施形態では、1組のヒートパイプ54、56の屈曲部54C、56Cが、灯具本体4の側面からみて互いに交差するように設けたが、これに限らず、屈曲部54C、56Cが保持板取付部50の法線方向を軸にして対称であれば良く、例えばハの字状に設けても良い。
また例えば、上述した実施形態では、本発明のLED照明器具を投光器に適用した場合を説明したが、これに限らず、LED光源を灯具本体に納めた構成の照明器具であれば、任意の照明器具に本発明を適用することができる。
2 LED光源ユニット
4 灯具本体
4C 内底面
4D 内側面
10 投光開口
30 LED装置
32 伝熱ユニット
40 発光ダイオード素子
46 保持板
48 伝熱体
50 保持板取付部
52 底面伝熱部
54、56 ヒートパイプ
58 胴部
60 中間伝熱部
62 空洞部
Q 投光方向
SA1、SA2 接続点
Claims (4)
- 正面に投光開口が開口した有底の灯具本体に、LED光源を前記灯具本体の底面から離間して配置し、前記LED光源と前記灯具本体との底面との間に、前記LED光源が発する熱を前記灯具本体に伝熱する伝熱ユニットを備え、
前記伝熱ユニットは、前記LED光源に接触して熱を受け前記灯具本体の内側面に接触して伝熱する受熱部と、前記灯具本体の底面に接触する底面伝熱部とを有するユニット本体と、前記受熱部と前記底面伝熱部とを熱的に接続するヒートパイプとを備えたことを特徴とするLED照明器具。 - 前記伝熱ユニットは、前記ユニット本体が高熱伝導性を有する金属材から形成され、2本以上のU字状に曲げた前記ヒートパイプを備えて構成され、それぞれの前記ヒートパイプが、互いに前記U字の向きを異ならせた姿勢で、直線部が前記ユニット本体の前記受熱部及び前記底面伝熱部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のLED照明器具。
- 前記ヒートパイプの断面積、前記伝熱ユニットのユニット本体における前記受熱部と前記底面伝熱部との間の胴部の断面積、及び前記受熱部の断面積の比を、前記LED光源の発熱を受けた前記灯具本体の外郭の温度を略均一にする所定の比率としたことを特徴とする請求項1及び2に記載のLED照明器具。
- 前記ヒートパイプの断面積と、前記胴部の断面積と、前記受熱部の断面積の比を1:略30:略15としたことを特徴とする請求項3に記載のLED照明器具。
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