JP2010009257A - 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム - Google Patents

合成経路評価システムとその方法とそのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2010009257A
JP2010009257A JP2008166649A JP2008166649A JP2010009257A JP 2010009257 A JP2010009257 A JP 2010009257A JP 2008166649 A JP2008166649 A JP 2008166649A JP 2008166649 A JP2008166649 A JP 2008166649A JP 2010009257 A JP2010009257 A JP 2010009257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
reaction
transition state
route
calculation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008166649A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5099511B2 (ja
Inventor
Kenji Hori
憲次 堀
Toru Yamaguchi
徹 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaguchi University NUC
Original Assignee
Yamaguchi University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaguchi University NUC filed Critical Yamaguchi University NUC
Priority to JP2008166649A priority Critical patent/JP5099511B2/ja
Priority to US13/000,759 priority patent/US20110106794A1/en
Priority to PCT/JP2009/002841 priority patent/WO2009157176A1/ja
Publication of JP2010009257A publication Critical patent/JP2010009257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5099511B2 publication Critical patent/JP5099511B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16CCOMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
    • G16C20/00Chemoinformatics, i.e. ICT specially adapted for the handling of physicochemical or structural data of chemical particles, elements, compounds or mixtures
    • G16C20/10Analysis or design of chemical reactions, syntheses or processes
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16CCOMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
    • G16C10/00Computational theoretical chemistry, i.e. ICT specially adapted for theoretical aspects of quantum chemistry, molecular mechanics, molecular dynamics or the like

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】合成しようとする目的化合物について与えられた複数の合成経路の中から、自動的に合成経路をランキングして絞り込んで提案することができる合成経路評価システムを提供することである。
【解決手段】合成の目的化合物に対する複数の合成経路から最適な合成経路を抽出するために、量子化学計算部7と,反応機構解析部8と,合成経路ランキング部11と,を備える演算処理手段3と、前記合成経路に係るデータ(以下、合成経路データという。)15を格納する記憶手段4と、を有する合成経路評価システム1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、目的化合物を合成するための複数の合成経路から最適な合成経路を抽出するための合成経路評価システムとその方法とそのプログラムに関する。
新薬などを構成する新規化合物を創るためには、化学プラントや実験室内でその化合物を合成するための合成経路を見つけ出さなければならない。従来、合成経路をコンピュータにより提案するのは非常に難しい問題とされ、たとえコンピュータが提案できたとしても提案された経路で合成できるかどうかの可否は、実際に実験を行ってみないと分からなかった。
目的化合物を合成するまでには大きく分けて次の3つの工程が存在する。
(1) 目的化合物の合成経路を提案する工程
(2) 提案された合成経路から合成可能な経路を選択する工程
(3)選択された合成経路で合成を行う工程
これらの工程は試行錯誤の中で繰り返されながら最終的に最適な合成経路が選択されることになる。最適な合成経路が選択できなかった場合、目的化合物の合成に長時間を要してしまったり、コストが嵩んでしまったり、最悪の場合、合成できない場合もあり得る。そのため、前記工程(2)で示される最適な経路を選択することは非常に重要である。ここで、前工程(1)は、情報化学的な手段により提案できることが分かっている。目的化合物の新規合成経路を創成する際に、反応機構解析にコンピュータを利用することが知られている(特許文献1,2参照)。
しかしながら、合成経路は、適切な合成開始物質を選択する→その開始物質に適切な反応をさせる→目的物質までたどり着く、という工程により成り立っており、その反応段階で考えた場合、通常何段階から何十段階に及ぶ。例えば、目的化合物を合成するために10段階の反応が必要であり、各段階での反応パターンが2通りあった場合、合成経路は2の10乗、すなわち1024通りとなる。この合成経路より最適なものを選択する工程が、前記工程(2)である。しかしながら、これをコンピュータで行う方法は、これまで発明されていない。これは、合成経路で合成できるかの可否は、実際の実験を行わなければ調べることができないとされてきたためである。
従って、前記工程(2)は、現在、合成化学者と呼ばれる人の知識と経験に頼っているのが現状である。しかし、先ほどの1024通りの中から最適な経路を選び出すのは、たとえ経験豊富な化学者であっても、至難の技である。
特開2002−262869号公報 特開2004−119742号公報
そこで、本発明は、合成しようとする目的化合物について与えられた複数の合成経路の中から、自動的に合成経路をランキングして絞り込んで提案することができる合成経路評価システムとその方法とそのプログラムを提供するものである。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である合成経路評価システムは、合成の目的化合物に対する複数の合成経路から最適な合成経路を抽出するために、量子化学計算部と,反応機構解析部と,合成経路ランキング部と,を備える演算処理手段と、前記合成経路に係るデータ(以下、合成経路データという。)を格納する記憶手段と、を有する合成経路評価システムであって、前記合成経路データは、前記目的化合物に関する構造データと,この目的化合物を合成可能な複数の出発化合物に関する構造データと,をそれぞれ対応させた前記出発構造物の数の構造データ対から構成され、前記量子化学計算部は、前記合成経路データを前記記憶手段より読み出して前記出発化合物と目的化合物の構造データを構造最適化関数に代入して演算実行し、構造最適化した出発化合物の構造データと構造最適化した目的化合物の構造データを得る工程と、前記構造最適化した出発化合物の構造データと前記構造最適化した目的化合物の構造データを合成経路における遷移状態探索関数に代入して演算実行し、前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータと,この遷移状態が存在する場合には前記遷移状態に係る構造データと,を得る工程と、を実行するものであり、前記反応機構解析部は、前記記憶手段から前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータをキーとして、有の場合に、前記遷移状態に係る構造データを活性化エネルギー演算関数に代入して演算実行し、前記遷移状態における活性化エネルギー及び/又は反応熱を得る工程を実行するものであり、前記合成経路ランキング部は、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱をキーとして所望の順で前記活性化エネルギー及び/又は反応熱を前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する工程を実行するというものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の合成経路評価システムにおいて、前記量子化学計算部は、前記遷移状態に係る構造データを前記構造最適化関数に代入して演算実行し、構造最適化した遷移状態に係る構造データを得る工程を実行するものであり、前記反応機構解析部は、前記構造最適化した遷移状態に係る構造データを前記活性化エネルギー演算関数に代入して演算実行するというものである。
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の合成経路評価システムにおいて、前記演算処理手段は、収率予測部を備え、この収率予測部は、予め前記記憶手段に格納された収率予測式が存在する場合には、これを読み出して、前記合成経路データの前記構造データ対を前記収率予測式に代入して演算実行し、前記出発化合物毎の予測収率を得る工程、又は、前記収率予測式が存在しない場合には、記憶手段に格納された前記出発化合物から目的化合物を合成する反応に類似した反応の実験データを読み出して、この実験データの結果を用いて前記収率予測式を解析し、前記合成経路データの前記構造データ対を解析された収率予測式に代入して演算実行し、前記出発化合物の予測収率を得る工程を実行し、前記合成経路ランキング部は、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱、あるいは前記予測収率をキーとして所望の順で前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する工程を実行するというものである。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の合成経路評価システムにおいて、前記演算処理手段は、副反応予測部を備え、この副反応予測部は、前記目的化合物及び出発化合物をキーとして、予め前記記憶手段に格納された類似反応に関するデータを検索し、前記目的化合物及び出発化合物の組み合わせに係る合成経路と類似する反応を副反応として構築する工程を実行し、前記合成経路ランキング部は、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱、あるいは前記予測収率又は前記副反応の数をキーとして所望の順で前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する工程を実行するというものである。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の合成経路評価システムにおいて、前記演算処理手段は、副反応予測部を備え、この副反応予測部は、前記目的化合物及び出発化合物をキーとして、予め前記記憶手段に格納された類似反応に関するデータを検索し、前記目的化合物及び出発化合物の組み合わせに係る合成経路と類似する反応を副反応として構築する工程を実行し、前記収率予測部は、前記構築された副反応における目的化合物と出発化合物に対して予測収率を得る工程を実行し、前記合成経路ランキング部は、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱、あるいは前記予測収率又は前記副反応の数又は前記副反応の予測収率をキーとして所望の順で前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する工程を実行するというものである。
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の合成経路評価システムにおいて、前記合成経路ランキング部で生成されたデータセットを出力する出力手段を有するものである。
請求項7に記載の発明は、コンピュータが各工程を実行しながら、合成の目的化合物に対する複数の合成経路から最適な合成経路を抽出するために、前記合成経路に係るデータ(以下、合成経路データという。)と,前記合成経路途中の遷移状態と,前記遷移状態に係る活性化エネルギーと,を解析し、前記最適な合成経路を評価する合成経路評価方法において、前記合成経路データに含まれる前記目的化合物の構造データと,この目的化合物を合成可能な複数の出発化合物に関する構造データと,を構造最適化関数に代入して演算実行し、構造最適化した出発構造物の構造データと構造最適化した目的化合物の構造データを得る第1の量子化学計算工程と、前記構造最適化した出発化合物の構造データと前記構造最適化した目的化合物の構造データを合成経路における遷移状態探索関数に代入して演算実行し、前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータと,この遷移状態が存在する場合には前記遷移状態に係る構造データと,を得る第2の量子化学計算工程と、前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータをキーとして、有の場合に前記遷移状態に係る構造データを活性化エネルギー演算関数に代入して演算実行し、前記遷移状態における活性化エネルギー及び/又は反応熱を得る反応解析工程と、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱をキーとして所望の順で前記活性化エネルギー及び/又は反応熱を前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する合成経路ランキング工程と、を有するものである。
請求項8に記載の発明は、コンピュータによって、合成の目的化合物に対する複数の合成経路から最適な合成経路を抽出するために、前記合成経路に係るデータ(以下、合成経路データという。)と,前記合成経路途中の遷移状態と,前記遷移状態に係る活性化エネルギーと,を解析し、前記最適な合成経路を評価するための合成経路評価プログラムであって、コンピュータに、前記合成経路データに含まれる前記目的化合物の構造データと,この目的化合物を合成可能な複数の出発化合物に関する構造データと,を構造最適化関数に代入して演算実行し、構造最適化した出発構造物の構造データと構造最適化した目的化合物の構造データを得る第1の量子化学計算工程と、前記構造最適化した出発化合物の構造データと前記構造最適化した目的化合物の構造データを合成経路における遷移状態探索関数に代入して演算実行し、前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータと,この遷移状態が存在する場合には前記遷移状態に係る構造データと,を得る第2の量子化学計算工程と、前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータをキーとして、有の場合に前記遷移状態に係る構造データを活性化エネルギー演算関数に代入して演算実行し、前記遷移状態における活性化エネルギー及び/又は反応熱を得る反応解析工程と、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱をキーとして所望の順で前記活性化エネルギー及び/又は反応熱を前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する合成経路ランキング工程と、を実行させるものである。
本発明の合成経路評価システムでは、新規又は既知の化合物の合成を行う際に量子化学的計算結果や反応解析結果を用いて、複数存在している出発化合物から目的化合物に至る合成経路の評価を行うことが可能であり、また、その評価に基づいて所望の順序でランキングとして示すことができる。したがって、最適な合成経路を抽出することが可能であり、最適な合成経路を新たに実験することなく得ることができ、合成経路の開発時間を著しく短縮することが可能であると同時に、開発のコストを低減することが可能である。また、専門的な知識を有する合成化学者が必ずしも必要ではなくなり、実験の数を減らすことも可能であり、迅速かつ安全、環境に優しい新薬等の新規化合物の合成を可能とするものである。
さらに、特に請求項2に記載の発明においては、最適化した遷移状態に係る構造データを用いることができるため、同じ計算時間でより高精度あるいは同精度でより短い計算時間の活性化エネルギー及び/又は反応熱の演算が可能となっている。
また、特に請求項3記載の発明においては、活性化エネルギー及び/又は反応熱のみならず、目的化合物の出発化合物毎の予測収率が求められるため、より多くのファクターを考慮しながら最適な合成経路を抽出することが可能である。
特に、請求項4及び請求項5に記載の発明においては、副反応予測も含めて、さらに多くのファクターを考慮しながら最適な合成経路を求めることが可能である。
請求項7、8に記載の発明においては、それぞれ請求項1に記載の発明を方法発明として、また、コンピュータを用いて実行するプログラム発明として捉えたものであり、合成経路評価システムと同様に、複数存在している出発化合物から目的化合物に至る合成経路の評価を行うことが可能であると同時に、その評価に基づいて所望の順序でランキングとして示すことができる。したがって、最適な合成経路を抽出することが可能であり、最適な合成経路を新たに実験することなく得ることができ、合成経路の開発時間を著しく短縮して、開発のコストを低減することが可能である。また、専門的な知識を有する合成化学者が必ずしも必要ではなくなり、実験の数を減らすことも可能であり、迅速かつ安全、環境に優しい新薬等の新規化合物の合成を可能とするものである。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る合成経路評価システム、合成経路評価方法及び合成経路評価プログラムを図1乃至図19に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの構成図である。図1において、本実施の形態に係る合成経路評価システム1は、入力装置2、演算処理装置3、第1の記憶装置4、第2の記憶装置(データベース)5、出力装置6の5部から構成される。
まず、入力装置2より様々なデータが入力され、データは演算処理装置3において処理され、一時的な記憶を実現する主記憶装置としての第1の記憶装置4と恒常的な記憶を実現する第2の記憶装置(データベース)5に格納される。格納されたデータも演算処理装置3の各部によって読み出されて処理される。演算処理装置3によって処理が行われた結果得られたデータは出力装置6により表示されたり、あるいは外部装置へ出力される。
入力装置2としては、具体的にはキーボード、マウス、ペンタブレット、光学式又は磁気式の読み取り装置あるいはコンピュータ等の解析装置や計測機器等から通信回線を介してデータを受信する受信装置など複数種類の装置のいずれか1つ又は組み合わせから構成されるものである。
演算処理装置3は、量子化学計算部7、反応機構解析部8、収率予測部9、副反応予測部10、合成経路ランキング部11から構成されている。
また、第1の記憶装置4は、合成経路データ15、反応解析結果データ16、予測収率データ17、予測副反応データ18、補足項目データ19、経路ランキングデータ20を格納する記憶装置であり、第2の記憶装置5は、実験データ25、量子化学計算結果データ26、収率予測式データ27を格納する記憶装置である。
出力装置6としては、具体的にはCRT、液晶、プラズマあるいは有機ELなどによるディスプレイ装置、あるいはプリンタ装置などの表示装置、さらには外部装置への伝送を行うためのトランスミッタなどの発信装置などが考えられる。
次に、図2及び図3をも参照しながら、演算処理装置3の機能及び演算処理装置3によって処理されるデータの流れについて説明する。
図2は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの機能構成図である。図2において、点線で囲まれている部分は、それぞれ図1に示す合成経路評価システム1の演算処理装置3を構成する各部を示すものであり、その中には各部がそれぞれ発揮し得る機能が示されている。図3は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの処理フロー図である。
図2における合成経路入出力機能は、合成経路評価システム1全体で発揮し得る機能であり、具体的には、図3に示されるとおり、本システムの稼動時には、最初に発揮される機能である。
本実施の形態に係る合成経路評価システム1では、図3のステップS1に示されるとおり、最初に演算処理装置3の合成経路入出力機能を用いて、入力装置2から合成経路に係るデータを第1の記憶装置4に格納するために入力する。具体的には図2に示されるとおり、ユーザ合成経路データ15a,SRDS合成経路データ15bが入力装置2を介して入力され、第1の記憶装置4に合成経路データ15として格納される。ここで、SRDS(Synthesis Routes Designing System)とは、合成経路設計システムを意味し、これは既に実用化されているシステムである。このSRDSでは、一般に複数の合成経路を提案可能であるものの、多段階で反応を考えた場合には、その合成経路が級数的に増加し、経験豊かな合成化学者であってもその選択に迷う場合があり得るのである。すなわち、目的合成物が、一つの反応式(段階)で合成されるのではなく、複数の反応式(多段階)で合成されるような場合には、それぞれの反応毎に合成経路が存在し得るので、その組み合わせが級数的となってしまうのである。
本発明に係る実施の形態においては、本願発明の実施の形態に係る合成経路評価システム1のユーザ(利用者)が設定したユーザ合成経路データ15aや、このSRDSが生成し得るSRDS合成経路データ15bが、入力装置2を介していずれも合成経路データ15として入力され、それを用いながら解析が実行されるものである。
ステップS1における具体的な処理フローを、図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置における合成経路入出力機能の処理フロー図である。図4において、ステップS1−1では、合成経路の入力か出力かを判断するが、処理のタイミングや出力する合成経路データ15の存在の有無を判断することで、自動的に決定することが可能である。すなわち、合成経路評価システム1の起動後などではそのタイミングから合成経路データ15が存在しないため、入力と判断が可能であり、量子化学計算や反応機構解析、あるいは収率予測や副反応予測に関する解析を終了した後のタイミングでは、それらの解析結果と共に合成経路データ15を出力するニーズがあり、出力であると判断が可能である。
ステップS1−2では、ユーザ合成経路データの入力方法を問う。入力方法としては、ユーザが直接入力する場合と前述のSRDSからの入力の2通りがある。この問いは出力装置6のディスプレイ上に表示し、入力装置2を用いて入力可能としておく。ユーザが直接入力する場合、ステップS1−3に進み、ユーザ合成経路データ15aがキーボードやタブレット等の入力装置2を介して入力され、SRDSからの入力が選択された場合には、ステップS1−4で合成経路評価システム1の入力装置2はSRDSに接続され、ステップS1−5でSRDS合成経路データ15bが受信される。なお、入力装置2がSRDSに接続されるというのは、ケーブルなどのハードウェアでは既に接続されており、ここでは情報の呼び出しのために電気的に接続され受信待ちをするという意味である。
いずれの場合も合成経路データは以下のような二次元構造で示される経路群を表すバイナリデータ型の形式で提供される。ここではその例として、5-Benzyl-5-aza-spiro[2.4]heptane[4.7]-dioneのSRDSによる合成経路データの例を図5に示す。
図5は目的化合物(生成物)と出発化合物(反応物)の関係を示す合成経路データの概念図である。5-Benzyl-5-aza-spiro[2.4]heptane[4.7]-dioneを生成物31として、その周囲に出発化合物である第1の反応物32を配置する構成となっている。これらの反応物32から生成物31が合成される経路を反応タイプによって分類すると、図5に示されているとおり、A)Pyrrolidone construction系の反応、B)3-membered ring construction系の反応、C)Ketone synthesis系の反応の3つの経路(パス)がある。合成経路データ15は、目的化合物(生成物31)とこの目的化合物を合成するための複数の出発化合物(反応物32)との組み合わせとして構成される。図5に示される合成経路データ15では、1つの生成物31に対して10の反応物32が存在しており生成物31と反応物32の組み合わせとして10の構造データ対から構成されている。以下、構造データ対を単に構造データと呼ぶ場合がある。
図6に図5に示される10の経路のうち、Dieckmann condensation(ディックマン縮合反応)の反応物を生成するための経路のユーザ合成経路のデータ例を示す。
入力もしくは受信されたユーザ合成経路データ15a、SRDS合成経路データ15bは、図4のステップS1−6に示されるように素反応経路に分解される。素反応経路は入力されたユーザ合成経路データ15a、SRDS合成経路データ15bのデータを基に自動的に分解され、合成経路データ15として第1の記憶装置4に出力され(ステップS1−7)格納される。合成経路データ15は図7に示されるように、二次元構造で示される経路ごとの素反応群を表すバイナリデータ型の形式で格納される。図7は、ここではその例として、Dieckmann condensation(ディックマン縮合反応)における合成経路データの概念図である。分解された合成経路の素反応経路に関する情報(合成経路データ15)をユーザ便宜のために出力装置6に表示してもよいし、外部装置に対して出力してもよい。
図7において、生成物31を合成する場合、Step1-1として示されるように、第1の反応物30から第3の反応物32をまず合成し、その後、この第3の反応物32から生成物31を合成する経路と、Step1-2として示されるように、第2の反応物29から第3の反応物32を合成し、その後に第3の反応物32から生成物31を合成する経路の2通りあることが理解される。従って、図5に示されるように生成物31と反応物32を組み合わせて表現される合成経路データ15であっても、これらを素反応に分解しながら、複数の経路が生ずる可能性について認識しておくことが重要であり、上記のステップS1−6の存在理由も理解されるのである。ここで、素反応とは、例えば図7に示される矢印(→)で示される反応を指しており、Step1-1は3つの素反応から構成され、Step1-2は5つの素反応から構成されている。
なお、この合成経路データ15を素反応に分解する方法としては、予め素反応に関するデータ(素反応データ)をデータベースに登録しておき、このデータベースから素反応データを読み出して、比較照合して、合成経路データ15に含まれる素反応に分解する方法がある。また、ユーザ合成経路データ15a、SRDS合成経路データ15bなどが、予め素反応毎に分解されている場合には、そのまま合成経路データ15に素反応として分解されたものが含まれることになるので、ステップS1−6は省略してもよい。
素反応に分解することで、合成経路に関する解析の精度を高めることが可能である。
一方、合成経路の出力の場合には、図3では、ステップS8に示されているが、これを詳細に示すものが、図4のステップS1−8からステップS1−10である。この場合、ステップS1−1からステップS1−8へ進み、第1の記憶装置4に格納されている合成経路データ15を演算処理装置3が読み出し取得する。また、同様にステップS1−9では第1の記憶装置4に格納された経路ランキングデータ20を読み出し取得する。さらに、その後にステップS1−10では、演算処理装置3は取得した合成経路データ15と経路ランキングデータ20を出力装置6に表示したりあるいは外部装置に出力する。ここでいう合成経路データ15は、既に何らかのファクターによってランキング済みの経路に関するデータを意味している。
図8に目的化合物に対する合成経路のランキング済みの合成経路の出力の概念図を示す。図8において、目的化合物(生成物31)が左側に示されており、これを合成するための出発化合物(反応物32)がRANK[1]からRANK[4]として示されている。図8では、ランキングは例えば点数で表示され、点数の最も高いものが最も良い経路とされる。本発明の実施の形態に係る合成経路評価システム1のユーザは図8に示されるように、ランキング点数(Point)の出力を確認することの他に、このランキング点数の基となった、個々の計算結果に関するデータ、すなわち、反応解析データ(Eng.:経路全体の反応熱)、予測収率データ(Yield:予測収率)、予測副反応データ(S−reac.:予測副反応数)などもあわせて閲覧することができる。
従って、ユーザはこれらのデータを総合して考慮しランキングの点数に左右されることなく最適と考えられる経路の選択を行うこともできる。データは図8に示されるようなランキング点数を付加した二次元構造で示される合成経路群を表すバイナリデータ型として出力される。図8では例として、5-Benzyl-5-aza-spiro[2.4]heptane[4.7]-dioneのランキング済み経路の出力を示している。
また、演算処理装置3は合成経路入出力機能を用いて、入力装置2から入力される補足項目データ19を第1の記憶装置4に格納する。この補足項目データ19は、合成経路ランキング部11が合成経路ランキング機能(図2参照)を発揮する際に用いられるランキングの順序を評価するための補足項目に関するデータである。
以上、演算処理装置3の合成経路入出力機能の入力機能及び出力機能を中心として合成経路評価システム1に対するユーザ合成経路データ15a、SRDS合成経路データ15bの入力と、解析を実行した後のデータ出力を説明したが、これから、この合成経路評価システム1の演算処理装置3の内部で実行される個々の解析について、図1乃至図3に戻りつつ、新たな処理フロー図も参照しながら説明する。
図3のステップS1において、合成経路データ15が第1の記憶装置4へ格納された後、ステップS2として、反応機構解析部8による反応解析機能の発揮が存在する。なお、図3のステップS2として示される反応解析機能には、後述する量子化学計算機能が含まれるものである。
図2に示される演算処理装置3の反応機構解析部8は、図9に示されるような処理フローを実行する。図9は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置における反応解析機能の処理フロー図である。
反応機構解析部8は、まず、第1の記憶装置4に格納されている合成経路データ15を読み出して(ステップS2−1)、その合成経路データ15に含まれる素反応のうち、評価していない素反応経路の有無を検索する(ステップS2−2)。ここでいう評価とは、ステップS2−3以下に示される工程を経て得られる量子化学計算結果データ26と反応解析結果データ16に相当するデータが既に得られていることを意味している。従って、ステップS2−2で評価していない素反応経路がない場合には、そのままエンドとなり、ステップS2の反応解析機能に関する処理フローは終了する。
一方、評価していない素反応経路が存在する場合には、ステップS2−2に進み、量子化学計算と反応解析を実行して量子化学計算結果データ26及び反応解析結果データ16を得る。
以下、反応機構解析部8及び量子化学計算部7が発揮し得る反応解析機能(図3に示されるステップS2)について図2、図9乃至図17を参照しながら説明する。
図9において、ステップS2−2において評価していない素反応経路が存在する場合には、演算処理装置3の反応機構解析部8は、先に第1の記憶装置4から読み出した合成経路データ15から評価していない素反応経路における生成物31と反応物32の構造データ対及びその素反応経路における遷移状態に係る構造データ(遷移状態構造データ)を作成する。この遷移状態構造データとは、素反応経路において遷移状態の有無に無関係に、生成物31と反応物32の構造データ対を用いて生成されるものであり、例えば、生成物31と反応物32の構造データから平均値をとり、それを遷移状態構造データとして採用するものである。平均値の他にもそれぞれの構造データの成分に重みを付けて平均化するなどの方法も考えられる。つまり、素反応経路に遷移状態が存在するかしないかの判断はなされないまま、単に構造的な計算に基づいて仮の構造データが求められるのである。このような遷移状態構造データを用いて、後述するとおり、遷移状態類似構造や遷移状態への構造最適化計算を実行するのである。
また、このステップS2−3において、計算入力データを作成するとは、2次元の合成経路データ15を量子化学計算を実行するために3次元に変換することや量子化学計算を行う際のコンピュータによる計算環境に即した指定などを行うことを意味する。
反応機構解析部8において発揮される反応解析機能では、反応解析を行う合成経路のデータを取得し、評価していないすべての素反応経路に対して反応解析の処理を行う。生成物31、反応物32及び遷移状態に係る構造データに関する計算入力データ28は三次元構造の座標及び量子化学計算に必要なキーワード群(データ)を記載したASCII形式で作成される。量子化学計算に必要なキーワード群(データ)には、例えば、量子化学計算に用いる波動関数種類データ(RHF,B3LYP,MP2等)、基底関数種類データ(6-31G*,LANL2DZ等)、計算種別データ(構造最適化、遷移状態への構造最適化、振動計算、単なるエネルギー計算等)が含まれる。
図10に計算入力データ28の例として、Dieckmann condensation経路の一段階目の生成物であるethyl 1-(N-((ethoxycarbonyl)methyl)-N-benzylcarbamoyl)cyclopropanecarboxylateの計算入力ファイルの計算入力データ構造33を図10に示す。
図10において、左端は元素記号を示しており、その右隣の3つのデータが三次元構造に基づく直交座標上の座標点をそれぞれ示している。また、上からの順序は、ユーザが任意に指定した原子の順序(番号)に基づくものである。従って、この順序は特定されるものではなく、適宜ユーザによって決定されてよい。また、最上列には、前述の量子化学計算に必要なキーワード群(データ)が示されている。具体的には、”b3lyp”とあるのは波動関数データであり、”6−31g”は基底関数種類データを示している。また、”opt”は構造最適化計算のためのデータであることを示している。
図11は、図10に示されるディックマン縮合反応における合成経路の一段階目の生成物の計算入力ファイルの計算入力データ構造33を三次元的に表現した概念図である。図11において、符号34,35,36,37で示されるものが、それぞれ窒素原子34、酸素原子35、炭素原子36、水素原子37を示している。
ステップS2−4では、作成された計算入力データ28が反応機構解析部8から量子化学計算部7へ送信され、ステップS2−5では、計算入力データ28を受信した量子化学計算部7によって計算が実行される。
量子化学計算部7による計算が終了すると、量子化学計算部7は量子化学計算結果データ26を含む計算結果ファイルを作成する。量子化学計算結果データ26は、計算の途中過程の出力などを含むASCII形式で作成される。この量子化学計算結果データ26の例を図12に示す。図12は、ディックマン縮合反応における合成経路の一段階目の生成物の量子化学計算結果データのファイルのアーカイブ部分を示す概念図である。
量子化学計算結果データ26は、図1に示されるように量子化学計算部7によって第2の記憶装置5に格納される。
次に、量子化学計算部7は、計算の結果得られた量子化学計算結果データ26を第2の記憶装置5から読み出して、量子化学計算結果データ26に含まれる遷移状態の計算結果データを用いて、当該素反応経路において反応の遷移状態が存在しているかのチェックを行う(ステップS2−7)。遷移状態が存在する場合は、量子化学計算結果データ26に含まれる遷移状態の計算結果データ、反応物の計算結果データ及び、生成物の計算結果データを用いて、その遷移状態における活性化エネルギー値及び反応熱を計算する(ステップS2−8)。され、反応解析結果データ16として出力される(ステップS2−10)。
遷移状態が存在しない場合は、量子化学計算部7は、当該反応は進行しないものと判断し反応解析結果データに進行しないことを示す信号を出力装置6に対して出力し、その内容を表示することでユーザに情報を伝達する(ステップS2−9)。
出力された反応解析結果データ16は、表形式にて第1の記憶装置4に格納される。この反応解析結果データ16の例として、Dieckmann condensationの一段階目にあたる二つの反応解析結果のデータを表1に示す。この表1に含まれるStep-1とStep-2は、それぞれ図7に示したものと共通するものである。表1において、それぞれのStepについて反応解析結果データ16が示されている。Numは、遷移状態を特定するための番号を示し、Levelとは、量子化学計算を実行する際に使用した波動関数の種類と基底関数の組み合わせを示したものであり、Reac[a.u.]とは、反応物32の全エネルギーを原子単位で示した値であり、Prod[a.u.]とは、生成物31の全エネルギーを原子単位で示した値であり、Ea[kcal/mol]はそれぞれの遷移状態の活性化エネルギーを示しており、ΔE[kcal/mol]は、遷移状態の前後における反応熱を示している。
図13はディックマン縮合反応における合成経路の二段階目の二つの反応解析データのうち表1に示されるStep-1を可視化した概念図であり、図14は同様にディックマン縮合反応における合成経路の二段階目の二つの反応解析データのうちStep-2を可視化した概念図である。
Step-1で示される素反応経路では、表1にも示されるとおり第1の遷移状態42、第2の遷移状態43、第3の遷移状態44という3つの遷移状態があることが示されており、それぞれの遷移状態における活性化エネルギーは、図13中では、活性化エネルギー42a〜44aとして示されている。
Step-2で示される素反応経路では、同様に表1に示されるとおり第1の遷移状態45、第2の遷移状態46、第3の遷移状態47、第4の遷移状態48という4つの遷移状態があることが示されており、それぞれの遷移状態における活性化エネルギーは、図14中では、活性化エネルギー45a〜48aとして示されている。
すべての素反応経路について以上のような反応解析が実行されると反応解析機能は終了する。
以上、図9の処理フロー図を参照しながら、本実施の形態に係る合成経路評価システム1の反応機構解析部8における反応解析機能について説明を行ったが、次に図15を参照しながら、図9のステップS2−5に示される量子化学計算機能について説明を加える。
図15は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置における量子化学計算機能の処理フロー図である。この量子化学計算機能に係る処理は、演算処理装置3の量子化学計算部7において実行される。図9のステップS2−4において反応機構解析部8から計算入力データ28の送信を受けた量子化学計算部7は、計算種別データ、ステップT1で反応物32及び生成物31の構造に関する座標データ、レベルデータを計算入力データ28から読み出す。計算種別データは、前述のとおり、例えば構造最適化に関する計算あるいは遷移状態探索機能に関する計算をはじめとして振動計算やエネルギー計算などの実行するかに関するデータである。また、レベルデータとは、先の波動関数データと基底関数データを合わせたデータを意味している。
ステップT2では、量子化学計算部7がステップT1で読み出した反応物32及び生成物31の構造に関する座標データとレベルデータをキーとして参照しながら、既に類似する最適化構造の量子化学計算結果データ26aとして第2の記憶装置5に格納されているか否かを探索する。この検索によって類似の最適化構造が探索された場合には、量子化学計算部7はその類似する最適化構造に関する量子化学計算結果データ26aを第2の記憶装置5から読み出して自身に入力する(ステップT3)。
この量子化学計算結果データ26aは、表形式のデータ構造を取って第2の記憶装置5に格納されている。表2に、ディックマン縮合反応に関係する量子化学計算結果データ26aの例を示す。この量子化学計算結果データ26aにおいても、計算入力データ28と同様のデータが含まれている。
さらに、量子化学計算部7は、計算入力データ28に含まれていた構造最適化を実行させるための反応物の構造と、量子化学計算結果データ26aに含まれる類似の反応物の最適化構造との差分をとり、その差分構造、すなわち置換基の構造を探索して認識する(ステップT4)。この差分は、計算入力データ28と量子化学計算結果データ26aに含まれる反応物を構成する原子数・原子種の差異及び結合関係の差異により認識されるものである。
ステップT4において、量子化学計算部7によって類似の最適化構造に不足する置換基が認識された場合には、その置換基をこの類似の最適化構造に対して付与する(ステップT5)。この不足する置換基は、1つの場合もあれば複数存在する場合もある。置換基が付与されると、その置換基部分については、最適化構造となっていないことになるので、その部分のみの最適化を実行することになる。このように類似の反応物の最適化構造との差分を取ることで、置換基の付与によって解析を行うことが可能であるので、非常に効率的な解析が可能となる。
そこで、ステップT6では、量子化学計算部7は、その置換基を付与した部分以外を非構造最適化部分として固定し、置換基を付与した部分を構造最適化部分として指定し、量子化学計算部7に内蔵されている構造最適化関数を用いて部分構造最適化を実行する(ステップT7)。
部分構造最適化計算を実行することで、置換基を付与した部分の原子の構造が最適化されることになる。この構造の最適化とは、構造の全エネルギーを求めるためのSCF(Self Consistent Field)計算と、構造を変化させる操作を繰り返すことによって行われる。SCF計算は波動関数と基底関数を用いて構造の全エネルギーを求める一般的な量子化学計算方法である。複数の構造に対して全エネルギーを計算して行きながら、ニュートンアルゴリズム、モンテカルロアルゴリズム等に基づいたエネルギー勾配法によりエネルギーの極小点を算出する。この極小点に到達した場合に最適化されたというのである。すなわち、構造最適化計算とは、上述のSCF計算を実行することをいい、この一連の計算を行う関数を本願では構造最適化関数という。
次に、ステップT9では、量子化学計算部7は計算入力データ28に含まれる計算種別データを読み出して、計算種別の判別を実行する。この計算種別データが構造最適化に関するデータであった場合には、ステップT10に進み、構造最適化の計算を実行する。その構造最適化の演算の結果はステップT19で出力され、量子化学計算結果データ26として量子化学計算部7によって第2の記憶装置5に格納される。
これに対して、計算種別データが遷移状態計算に関するデータであった場合には、ステップT11に進み、以下、遷移状態計算を実行する。
ステップT11では、既に、先のステップT7によって部分構造最適化の計算が実行されている場合には、ステップT17に進み、遷移状態計算のうちの探索は実行せずに、遷移状態類似構造データを作成する。この場合には、既に類似の最適化構造が存在していることがわかっており、遷移状態への構造最適化計算も当該類似の最適化構造では完了しており、置換基を付与して部分構造最適化計算を終了した時点で、遷移状態類似構造に関するデータ(遷移状態類似構造データ)も得られるためである。この遷移状態類似構造とは、最適化を行った遷移状態構造ではないという意味であり、最適化の計算を行う前段階の構造を意味している。
これに対して、ステップT11において、部分構造最適化計算が実行されていない場合には、ステップT12へ進み、量子化学計算部7は、遷移状態探索法の判別を行う。部分構造最適化計算が実行されていない場合には、遷移状態の有無もわからず、従って遷移状態類似構造データも作成されておらず、遷移状態を探索しながら、遷移状態類似構造データを作成するものである。
遷移状態の探索方法としては、図15のステップT13,T14に記載されるとおり、ミニマムエネルギーパス法、等高線図法、SADDLE法などがある。このうち、ミニマムエネルギーパス法と等高線図法では、ステップT13でミニマムエネルギーパス計算を実行し、SADDLE法では、ステップT14でSADDLE計算を実行する。これらの計算方法は、それぞれ関数を用いて実行されるが、その各々の関数を本願では遷移状態探索関数と呼ぶ。量子化学計算部7は、この遷移状態探索関数を内蔵しており、これらの遷移状態探索関数に合成経路における反応物と生成物の構造データを代入し演算を行い、遷移状態(類似構造)の構造データと遷移状態の有無に関するデータを得るのである。その計算方法自体は、既に公知であるため、本願明細書ではその計算内容は特に説明を行わない。
ステップT13,T14からステップT15へ進むが、このステップT15は、等高線図法ではミニマムエネルギーパス計算を二方向に対して1回ずつ、計2回実行するために存在するものであり、先のミニマムエネルギーパス法、等高線図法、SADDLE法と3つに場合分けをするようなフロー図であってももちろんよい。
ステップT15で、等高線図法の場合には、ステップT16で2回目のミニマムエネルギーパス計算を実行し、それ以外の場合にはステップT17へ進む。ステップT16で2回目のミニマムエネルギーパス計算を実行した場合もステップT17へ進む。
以上、ステップT12からステップT16を実行して、その結果を得ることで遷移状態の探索が可能である。すなわち、遷移状態の有無が判別可能である。
遷移状態があると判別される場合には、その計算結果から、量子化学計算部7は遷移状態類似構造データを作成し、これを量子化学計算結果データ26として出力し、第2の記憶装置5に格納する。また、量子化学計算部7によって、出力装置6に量子化学計算結果データ26の内容を送信して、表示させるようにしてもよいし、外部装置に出力するようにしてもよい。
それぞれの遷移状態探索法(遷移状態探索関数)を実行することで、反応物から生成物に至る一連の反応から、遷移状態と予想される構造を複数発生させ、そのそれぞれの構造における全エネルギーを計算し、それらの構造の中で最も高いエネルギーの構造を遷移状態の類似構造とするのである。そして、その遷移状態の類似構造の座標を得て、計算座標としているのである(ステップT17)。
ステップT17において、遷移状態の類似構造としての計算座標を得た後に、量子化学計算部7は、ステップT18において遷移状態への構造最適化計算を実行する。構造最適化計算の内容は既に述べたとおりである。その計算結果は、ステップT19にて出力され、量子化学計算結果データ26として出力装置6を介して表示されるかあるいは出力装置6を介して外部装置へ出力されるようにしてもよい。また、量子化学計算部7は、量子化学計算結果データ26第2の記憶装置5に格納する。
本実施の形態においては、ステップT18において、遷移状態(類似構造)の構造データから構造最適化計算を実行しているが、これを行うことで、同じ計算時間でより高精度あるいは同精度でより短い計算時間とすることができる遷移状態の構造データを得ることができ、合成経路の評価の精度も向上させることができる。ただ、簡略化してよい場合、精度を問題としない場合には、遷移状態(類似構造)の構造データを用いた構造最適化計算を実行することなく、量子化学計算結果データ26を作成するようにしてもよい。但し、前述のとおり精度がステップT18を実行する場合に比較して劣ることになる。
なお、図15のステップT2において、類似の最適化構造が量子化学計算結果データ26aの中に存在しない場合には、ステップT3からステップT8までは実行されることなく、ステップT9へ進み、ここで計算種別データを計算入力データ28から読み出して計算種別を判別することになる。
このステップT3からステップT9までの手順を実行することで、次ステップの構造最適化もしくは遷移状態探索に要する計算時間を短縮することが可能になる。すなわち類似の最適化構造を利用することで、置換基を付与した部分のみ最適化を行うことで、全体の最適化のための計算時間を短縮することができるのである。
以上、図9に示されるステップS2−5において、演算処理装置3の量子化学計算部7が発揮し得る量子化学計算機能について説明を行った。図9に戻り、ステップS2−5(図15におけるステップT19)で得られた量子化学計算結果データ26は、反応機構解析部8によって読み出される(ステップS2−6)。
この量子化学計算結果データ26の中で、遷移状態の存在の有無を、遷移状態構造データを検索することで判断し(ステップS2−7)、遷移状態が存在している場合には、反応機構解析部8は最適化された反応物構造データ、生成物構造データ及び遷移状態構造データを用いて、自身に内蔵されている活性化エネルギー演算関数に代入することで、ステップS2−8で活性化エネルギー値及び/又は反応熱値を計算する。
一方、遷移状態が存在していない場合には、反応機構解析部8は反応が進行しないと判断し、量子化学計算結果データ26に対して、その旨記述する(ステップS2−9)。
ステップS2−8にて計算された活性化エネルギー値と反応熱値あるいはいずれか一方は、反応機構解析部8によってステップS2−10で反応解析結果として出力され、その反応解析結果データ16は、第1の記憶装置4に格納される。ステップS2−9で反応が進行しないとした場合も同じくステップS2−10へ進み、遷移状態がないので反応が進まない旨を結果として出力する。反応解析結果データ16は第1の記憶装置4に格納される他、反応機構解析部8によって出力装置6に対して信号出力し、反応解析結果データ16の内容を表示させたり、外部装置へ送信するようにしてもよい。
なお、ステップS2−10で再度ステップS2−2へ上る処理ラインがあるのは、反応機構解析部8及び量子化学計算部7における処理は、素反応経路が複数の場合を考慮するものであり、すべての素反応経路に対してステップS2−2からステップS2−10を実行するためである。
以上の説明をもって、図2におけるステップS2までの説明を終了する。
次に、図2では、ステップS3として、収率による評価の要否を判断し、ステップS4ではその収率予測機能についての処理フローが示され、その後にステップS5では副反応による評価の要否を判断し、ステップS6では、その副反応予測機能についての処理フローが示されている。合成経路評価システム1では、これらの機能を取捨選択しながら発揮させて、ステップS7で合成経路ランキング機能を発揮させていずれの合成経路が最も望ましいかという評価を行い、これを出力するのである(ステップS8)。
次に、上述した図2のステップS4について図16を参照しながら説明する。
図16は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置の収率予測部における反応収率予測機能の処理フロー図である。
演算処理装置3の収率予測部9は、ステップS4−1において、第1の記憶装置4から合成経路データ15を読み出して取得する。次に、収率について評価していない素反応経路の有無を探索して(ステップS4−2)、ない場合には、既に予測収率の計算が終了していると考えられるので、そのまま収率予測部9による処理は終了する。ステップS4−2で予め評価していない素反応経路の有無をチェックすることで、その後の解析を効率的に進めることが可能である。
一方、評価していない素反応経路が存在していない場合には予測収率についての評価を行う。収率予測部9は第2の記憶装置5に予め格納されている収率予測式データ27を検索して、この収率予測式データ27の中に、合成経路データ15に係る反応における収率予測式の存在を探索する(ステップS4−3)。
既に存在する場合には、ステップS4−10へ進み、収率予測部9はその収率予測式を読み出して、それに反応物と反応物の構造データ対を代入することで、予測収率を演算して予測収率データ17を得る。この予測収率データ17は、収率予測部9によって第1の記憶装置4に格納される。出力装置6を介して表示や外部装置に出力するようにしてもよい。
ステップS4−3において、収率予測式が予め格納される収率予測式データ27の中にない場合には、ステップS4−4において、収率予測部9は第1の記憶装置4から反応解析結果データ16を読み出して取得する。次に、ステップS4−5では当該素反応経路と同じ反応に関する実験データ25の有無を判断するために、第2の記憶装置5にアクセスし、予め格納されている実験データ25の検索を行い、存在する場合には、この素反応経路の反応に関する実験データ25を読み出す。ステップS4−3においても予め反応の収率予測式の存在をチェックすることから、その有無によってその後の解析を進めることができ、効率的な解析が可能となっている。
実験データ25は、表形式で格納されている。ここでは例として、Dieckmann condensationに関する類似反応の実験データの一部を表3に示す。ここで列項目のExp. Num.は実験番号を、Yieldは実験収率を、Temp.は実験温度を、Timeは実験時間を、aは実験開始時の溶質の初濃度を、εは溶媒の誘電率を示す。
反応解析データ及び実験データが揃ったところで多変量解析を実行するために収率予測部9は予測変数の選択を行い(ステップS4−7)、多変量解析を実行する(ステップS4−8)。この予測変数は、予め第2の記憶装置5に収率予測式データ27の一部として格納しておくとよい。
一方、ステップS4−5で予め格納されている実験データ25には含まれていない場合であって、外部に同一又は類似する実験データが存在する場合には、収率予測部9は、その外部からの実験データ25をステップS4−6で入力し、同様にステップS4−7で予測変数の選択を行い、多変量解析を実行する(ステップS4−8)。多変量解析に関する関数は、予め収率予測式データ27などに含めるか、単独で第1の記憶装置4あるいは第2の記憶装置5などの格納しておき、収率予測部9が読み出して解析を実行するか、あるいは収率予測部9自身に内蔵するようにしておくとよい。予め内部に格納されている実験データ25がない場合には、外部に同一又は類似する実験データが入力されるので、より汎用性の高い解析が実行可能である。
収率予測部9は、上述した多変量解析の結果に基づいて収率予測式の構築を行う(ステップS4−9)。構築された収率予測式は予測変数の選択のされ方と多変量解析結果によって異なるが、例えば以下のようなものになる。ここでzcalcは予測収率、εは実験データから求められる溶媒の誘電率、tは実験データから求められる反応時間、Rは気体定数、Tは実験データ25から求められる反応温度、Eaは反応解析結果データ16から求められる活性化エネルギー、A, B, C, Dは多変量解析から求められる定数値を表している。構築された収率予測式データ27は、収率予測部9によって第2の記憶装置5に格納される。また、収率予測部9は、出力装置6を介して表示したり、あるいは外部装置へ出力するようにしてもよい。
収率予測式データ27は表形式で格納される。ここでは例としてDiceckmann condensation他4反応の収率予測式データ27を表4に示す。
次に、収率予測部9は、収率予測式データ27を用いて当該反応の収率の予測を行なう(ステップS4−10)。予測された収率は予測収率データ17として第1の記憶装置4に格納される。予測収率データ17は、各素反応経路に対する収率を表した表形式で記憶される。ここでは例として、Dieckmann condensationの一段階目にあたる二つの経路の予測収率データ17を表5に示す。
すべての経路に対して収率予測が完了すると、反応収率予測機能は終了する。すなわち、図3におけるステップS4が終了することになる。
次に、上述した図2のステップS6について図17を参照しながら説明する。
図17は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置の副反応予測部における副反応予測機能の処理フロー図である。
副反応予測部10は、ステップS6−1で第1の記憶装置4から合成経路データを取得する。次に、副反応について評価していない素反応経路の有無を探索して(ステップS6−2)、ない場合には、既に副反応の計算が終了していると考えられるので、そのまま副反応予測部10による処理は終了する。
一方、評価していない素反応経路が存在していない場合には副反応についての評価を行う。副反応予測部10は第2の記憶装置5に予め格納されている量子化学計算結果データ26を検索して、この量子化学計算結果データ26の中に、生成物及び反応物に対する類似反応の有無に関する検索を実行する(ステップS6−3)。類似反応が検出された場合には、副反応が存在すると判断し(ステップS6−4)、類似反応に基づき当該素反応経路の反応についての副反応を構築する(ステップS6−5)。このように構築された副反応についてステップS6−6では反応解析を実行する。この反応解析は図3におけるステップS2の処理である。ここでいう構築とは、類似反応に係る副反応をそのまま解析を行っている素反応経路の副反応として抽出することを意味している。
さらに、ステップS6−7では収率による評価の要否を判断し、評価を行う場合にはステップS6−8で、先に図16を参照して説明したように収率予測部9による処理を実行する。
このステップS6−8による収率の評価が終了した場合及びステップS6−7で収率による評価をしない場合には、副反応予測部10は構築された副反応を出力し(ステップS6−10)、予測副反応データ18として第1の記憶装置4に格納する。副反応予測部10は、出力装置6を介して表示したり外部装置に予測副反応データ18を送信してもよい。
ステップS6−4で類似反応がない場合には、副反応予測部10はステップS6−9に進み、副反応はないものと判断し、ステップS6−10へ進む。ここでは副反応はない旨の結果を情報として出力し、同様に予測副反応データ18として第1の記憶装置4に格納する。また、出力装置6を介して表示したり、外部装置に予測副反応データ18を送信してもよいことも同様である。
なお、予測副反応データ18には、副反応数及びその副反応について収率予測に関する解析を実行した場合には、その副反応に係る予測収率に関するデータも含まれる。
図18は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置の合成経路ランキング部における合成経路ランキング機能の処理フロー図である。
演算処理装置3の合成経路ランキング部11は、ステップS7−1において、第1の記憶装置4から合成経路データ15を読み出して取得する。次に、ステップS7−2において、第1の記憶装置4から反応解析結果データ16を読み出して取得する。
また、ステップS7−3では、合成経路ランキング部11は第1の記憶装置4にアクセスして予測収率データ17の有無を検索する。予測収率データ17が存在している場合には、第1の記憶装置4から予測収率データ17を読み出して、ステップS7−4にて取得する。
さらに、ステップS7−3で予測収率データ17が存在しないことが分かった場合あるいはステップS7−4で予測収率データ17を取得した場合には、ステップS7−5に進み、第1の記憶装置4にアクセスして予測副反応データ18の有無を検索する。
予測副反応データ18が存在している場合には、第1の記憶装置4から予測副反応データ18を読み出して、ステップS7−6にて取得する。
さらに、ステップS7−5で予測副反応データ18が存在しないことが分かった場合あるいはステップS7−6で予測副反応データ18を取得した場合には、ステップS7−7に進み、第1の記憶装置4にアクセスして補足項目データ19の有無を検索する。
補足項目データ19が存在している場合には、第1の記憶装置4から補足項目データ19を読み出して、ステップS7−8にて取得する。
ステップS7−7で補足項目データ19が存在しないことが分かった場合あるいはステップS7−8で補足項目データ19を取得した場合には、ステップS7−9に進み、ランキングによる出力を行うか否かの判断をユーザに問うために出力装置6を介してランキングによる出力の要否について表示し、ユーザが入力装置2を介して要否に関する信号を入力するのを待つ。もちろん、予めステップS7−1の以前の段階でランキングの出力による要否を何らかのデータとして合成経路評価システム1の入力装置2を介して入力させておいて、ステップS7−9で、自動でその要否に関するデータを読み出して要否を判断するようにしておいてもよい。
ステップS7−9で、出力を行うという信号(情報)を何らかの形で合成経路ランキング部11が受信した場合は、反応解析結果データ16、予測収率データ17、予測副反応データ18、補足項目データ19のいずれに重きを置くのかについて重要視する項目の倍率を任意に入力装置2を介して入力可能なように出力装置6を介して表示する(ステップS7−10)。そして、ユーザによる入力装置2を介して入力された重みの倍率を含めて、ステップS7−11ではランキングのための点数を計算する。この重みの倍率は、もちろん、反応解析結果データ16以外の予測収率データ17、予測副反応データ18、補足項目データ19では選択が自由となっていることから、選択されない場合もあり、その際には、合成経路ランキング部11はステップS7−10においてもその項目については表示することを要しない。
補足項目データ19は、ユーザによって適宜追加するためのものであり、予め第1の記憶装置4に格納されるものである。これによって、ユーザは素反応経路にユーザ独自の評価項目を加えそれをランキングに反映させることが可能となる。補足項目データは項目を列、各経路を行とした表形式で入力される。ここでは補足項目データ19の例として、生成物31である5-Benzyl-5-aza-spiro[2.4]heptane[4.7]-dioneの各経路に対して合成開始物質の価格を補足項目として与える場合のデータ例を図19に示す。この補足項目が複数存在する場合もあり、その場合には、その項目毎に重みをつけることが可能である。
図19は、本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置の合成経路ランキング部における合成経路ランキング機能の処理時に追加される補足項目に関するデータを示す概念図である。
最後に、ステップS7−11で、取得した値を以下のランキング式(2)を用いて反応経路ごとに点数化する。ここで、Psはランキングの点数、Bは最高点数(バイアス値)、nは補足項目なども含めた評価項目数、Wは全体の重みで式(3)で表されるもの、wiはその評価項目における重み(倍率)、Sは合成経路数、riは評価項目における順位で1以上の自然数で1が最も高い順位を示す。もちろん、式(2)、(3)は例であり、その他反応解析結果データ16、予測収率データ17、予測副反応データ18及び補足項目データ19を含めて序列を付けることが可能な式であれば、特に限定するものではなく他の式でもよい。ランキング式は、予め重み関数も含めて、合成経路ランキング部11に内蔵させておいてもよいし、第1の記憶装置4あるいは第2の記憶装置5に格納しておき、これを合成経路ランキング部11が読み出して、それぞれのデータ16〜19を代入して演算するようにしておいてもよい。
評価項目における順位付けは、反応解析データにおいては、トータルの反応熱(ΔE)が低いものを高い順位とし、予測収率データにおいては、予測収率の高いものを高い順位とし、副反応予測では副反応数の少ないものを高い順位とするが、ユーザの設定により所望の順序に変更することが可能である。ユーザの補足項目はユーザの設定により順位付けを行う。ランキング点数が計算されたデータは、経路ランキングデータとして表形式で記憶される。ここではその例として、生成物31を5-Benzyl-5-aza-spiro[2.4]heptane[4.7]-dioneとした経路ランキングデータを表6に示す。表6には、生成物31が表示され、ディックマン縮合反応等、その反応経路種類毎にランキングの基となったファクターとランキング点数が表示され、まとめられているが、反応経路種類に代えて反応物32を示してもよい。
ステップS7−9でランキングによる出力を行わない処理が選択された場合には、合成経路ランキング部11は、ステップS7−12に進み、ランキング表示なしとなるものの、それまで選択された合成経路データ15、反応解析結果データ16、予測収率データ17、予測副反応データ18及び選択された場合には補足項目データ19もランキングなしのデータで、ユーザの評価、判断材料として示すために経路ランキングデータ20に含められる。そして、ランキング処理を終了する。
なお、経路ランキングデータ20は、合成経路データ15に含まれる反応物及び/又は生成物と共に、選択された反応解析結果データ16に含まれる活性化エネルギー及び/又は反応熱に関するデータ、あるいは予測収率データ17や予測副反応データ18とのデータセットとなっている。
また、ステップS7−11でランキング点数が演算された場合には、合成経路ランキング部11は経路ランキングデータ20を作成するが、これには先の合成経路データ15に含まれる反応物及び/又は生成物と共に、選択された反応解析結果データ16に含まれる活性化エネルギー及び/又は反応熱に関するデータ、あるいは予測収率データ17や予測副反応データ18に、ランキング点数も含めてデータセットとして構成されている。
本実施の形態においては、合成経路ランキング部11において、予測収率データ17、予測副反応データ18、補足項目データ19などを活性化エネルギー及び/又は反応熱に選択しながら加えつつ、それを基に重みをつけながら所望の考え方に基づいて順序を示すことができるので様々な観点からの評価を行うことができ、最適な合成経路を抽出することが可能である。
また、遷移状態に関する構造データを用いて、構造最適化を実行することで、反応物と生成物の構造データの最適化のみならず、遷移状態における構造データの最適化も可能となるので、量子化学計算を同じ計算時間でより高精度あるいは同精度でより短い計算時間とすることが可能である。
なお、以上本実施の形態に係る合成経路評価システムについて説明を行ったが、図1を汎用のコンピュータと捉え、これを動作させるプログラムとして、図3、図4、図9、図15乃至図18に示すフロー図を実行させることを考えると、上述の説明はコンピュータが各工程を実行しながら最適な合成経路を評価する合成経路評価方法についての実施の形態の説明として成立するものであり、また、同時にコンピュータを動作させるためのプログラムについての実施の形態の説明としても成立するものである。
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項8に記載された発明は、新薬開発や農薬開発など広く一般的に新しい化合物を合成する製薬分野や化学分野などにおける利用が可能である。
本発明の実施の形態に係る合成経路評価システムの構成図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの機能構成図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの処理フロー図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置における合成経路入出力機能の処理フロー図である。 目的化合物(生成物)と出発化合物(反応物)の関係を示す合成経路データの概念図である。 ディックマン縮合反応における合成経路データの概念図である。 ディックマン縮合反応における合成経路データの概念図である。 目的化合物に対する合成経路のランキング済みの合成経路の出力の概念図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置における反応解析機能の処理フロー図である。 ディックマン縮合反応における合成経路の一段階目の生成物の計算入力ファイルの概念図である。 ディックマン縮合反応における合成経路の一段階目の生成物の計算入力ファイルの三次元概念図である。 ディックマン縮合反応における合成経路の一段階目の生成物の量子化学計算結果データのファイルのアーカイブ部分を示す概念図である。 ディックマン縮合反応における合成経路の二段階目の二つの反応解析データのうち一方を可視化した概念図である。 ディックマン縮合反応における合成経路の二段階目の二つの反応解析データのうち他方を可視化した概念図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置における量子化学計算機能の処理フロー図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置の収率予測部における反応収率予測機能の処理フロー図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置の副反応予測部における副反応予測機能の処理フロー図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置の合成経路ランキング部における合成経路ランキング機能の処理フロー図である。 本実施の形態に係る合成経路評価システムの演算処理装置における合成経路ランキング機能の処理時に追加される補足項目に関するデータを示す概念図である。
符号の説明
1…合成経路評価システム 2…入力装置 3…演算処理装置 4…第1の記憶装置 5…第2の記憶装置 6…出力装置 7…量子化学計算部 8…反応機構解析部 9…収率予測部 10…副反応予測部 11…合成経路ランキング部 15…合成経路データ 15a…ユーザ合成経路データ 15b…SRDS合成経路データ 16…反応解析結果データ 17…予測収率データ 18…予測副反応データ 19…補足項目データ 20…経路ランキングデータ 20a…ランキング済み合成経路群 25…実験データ 25a…外部実験データ 26…量子化学計算結果データ 26a…量子化学計算結果データ 27…収率予測式データ 28…計算入力データ 29…反応物 30…反応物 31…生成物 32…反応物 33…計算入力データ構造 34…窒素原子 35…酸素原子 36…炭素原子 37…水素原子 41…データ計算結果ファイル構造 42…第1の遷移状態 42a…活性化エネルギー 43…第2の遷移状態 43a…活性化エネルギー 44…第3の遷移状態 44a…活性化エネルギー 45…第1の遷移状態 45a…活性化エネルギー 46…第2の遷移状態 46a…活性化エネルギー 47…第3の遷移状態 47a…活性化エネルギー 48…第4の遷移状態 48a…活性化エネルギー

Claims (8)

  1. 合成の目的化合物に対する複数の合成経路から最適な合成経路を抽出するために、量子化学計算部と,反応機構解析部と,合成経路ランキング部と,を備える演算処理手段と、前記合成経路に係るデータ(以下、合成経路データという。)を格納する記憶手段と、を有する合成経路評価システムであって、
    前記合成経路データは、前記目的化合物に関する構造データと,この目的化合物を合成可能な複数の出発化合物に関する構造データと,をそれぞれ対応させた前記出発構造物の数の構造データ対から構成され、
    前記量子化学計算部は、前記合成経路データを前記記憶手段より読み出して前記出発化合物と目的化合物の構造データを構造最適化関数に代入して演算実行し、構造最適化した出発化合物の構造データと構造最適化した目的化合物の構造データを得る工程と、前記構造最適化した出発化合物の構造データと前記構造最適化した目的化合物の構造データを合成経路における遷移状態探索関数に代入して演算実行し、前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータと,この遷移状態が存在する場合には前記遷移状態に係る構造データと,を得る工程と、を実行するものであり、
    前記反応機構解析部は、前記記憶手段から前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータをキーとして、有の場合に、前記遷移状態に係る構造データを活性化エネルギー演算関数に代入して演算実行し、前記遷移状態における活性化エネルギー及び/又は反応熱を得る工程を実行するものであり、
    前記合成経路ランキング部は、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱をキーとして所望の順で前記活性化エネルギー及び/又は反応熱を前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する工程を実行することを特徴とする合成経路評価システム。
  2. 前記量子化学計算部は、前記遷移状態に係る構造データを前記構造最適化関数に代入して演算実行し、構造最適化した遷移状態に係る構造データを得る工程を実行するものであり、前記反応機構解析部は、前記構造最適化した遷移状態に係る構造データを前記活性化エネルギー演算関数に代入して演算実行することを特徴とする請求項1記載の合成経路評価システム。
  3. 前記演算処理手段は、収率予測部を備え、この収率予測部は、予め前記記憶手段に格納された収率予測式が存在する場合には、これを読み出して、前記合成経路データの前記構造データ対を前記収率予測式に代入して演算実行し、前記出発化合物毎の予測収率を得る工程、又は、前記収率予測式が存在しない場合には、記憶手段に格納された前記出発化合物から目的化合物を合成する反応に類似した反応の実験データを読み出して、この実験データの結果を用いて前記収率予測式を解析し、前記合成経路データの前記構造データ対を解析された収率予測式に代入して演算実行し、前記出発化合物の予測収率を得る工程を実行し、
    前記合成経路ランキング部は、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱、あるいは前記予測収率をキーとして所望の順で前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する工程を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成経路評価システム。
  4. 前記演算処理手段は、副反応予測部を備え、この副反応予測部は、前記目的化合物及び出発化合物をキーとして、予め前記記憶手段に格納された類似反応に関するデータを検索し、前記目的化合物及び出発化合物の組み合わせに係る合成経路と類似する反応を副反応として構築する工程を実行し、
    前記合成経路ランキング部は、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱、あるいは前記予測収率又は前記副反応の数をキーとして所望の順で前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する工程を実行することを特徴とする請求項3に記載の合成経路評価システム。
  5. 前記演算処理手段は、副反応予測部を備え、この副反応予測部は、前記目的化合物及び出発化合物をキーとして、予め前記記憶手段に格納された類似反応に関するデータを検索し、前記目的化合物及び出発化合物の組み合わせに係る合成経路と類似する反応を副反応として構築する工程を実行し、
    前記収率予測部は、前記構築された副反応における目的化合物と出発化合物に対して予測収率を得る工程を実行し、
    前記合成経路ランキング部は、前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱、あるいは前記予測収率又は前記副反応の数又は前記副反応の予測収率をキーとして所望の順で前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する工程を実行することを特徴とする請求項4に記載の合成経路評価システム。
  6. 前記合成経路ランキング部で生成されたデータセットを出力する出力手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の合成経路評価システム。
  7. コンピュータが各工程を実行しながら、合成の目的化合物に対する複数の合成経路から最適な合成経路を抽出するために、前記合成経路に係るデータ(以下、合成経路データという。)と,前記合成経路途中の遷移状態と,前記遷移状態に係る活性化エネルギーと,を解析し、前記最適な合成経路を評価する合成経路評価方法において、
    前記合成経路データに含まれる前記目的化合物の構造データと,この目的化合物を合成可能な複数の出発化合物に関する構造データと,を構造最適化関数に代入して演算実行し、構造最適化した出発構造物の構造データと構造最適化した目的化合物の構造データを得る第1の量子化学計算工程と、
    前記構造最適化した出発化合物の構造データと前記構造最適化した目的化合物の構造データを合成経路における遷移状態探索関数に代入して演算実行し、前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータと,この遷移状態が存在する場合には前記遷移状態に係る構造データと,を得る第2の量子化学計算工程と、
    前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータをキーとして、有の場合に前記遷移状態に係る構造データを活性化エネルギー演算関数に代入して演算実行し、前記遷移状態における活性化エネルギー及び/又は反応熱を得る反応解析工程と、
    前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱をキーとして所望の順で前記活性化エネルギー及び/又は反応熱を前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する合成経路ランキング工程と、
    を有することを特徴とする合成経路評価方法。
  8. コンピュータによって、合成の目的化合物に対する複数の合成経路から最適な合成経路を抽出するために、前記合成経路に係るデータ(以下、合成経路データという。)と,前記合成経路途中の遷移状態と,前記遷移状態に係る活性化エネルギーと,を解析し、前記最適な合成経路を評価するための合成経路評価プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記合成経路データに含まれる前記目的化合物の構造データと,この目的化合物を合成可能な複数の出発化合物に関する構造データと,を構造最適化関数に代入して演算実行し、構造最適化した出発構造物の構造データと構造最適化した目的化合物の構造データを得る第1の量子化学計算工程と、
    前記構造最適化した出発化合物の構造データと前記構造最適化した目的化合物の構造データを合成経路における遷移状態探索関数に代入して演算実行し、前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータと,この遷移状態が存在する場合には前記遷移状態に係る構造データと,を得る第2の量子化学計算工程と、
    前記合成経路における遷移状態の有無に係るデータをキーとして、有の場合に前記遷移状態に係る構造データを活性化エネルギー演算関数に代入して演算実行し、前記遷移状態における活性化エネルギー及び/又は反応熱を得る反応解析工程と、
    前記複数の出発化合物に対応させて演算された活性化エネルギー及び/又は反応熱をキーとして所望の順で前記活性化エネルギー及び/又は反応熱を前記出発化合物及び/又は目的化合物と共に配列するデータセットを生成する合成経路ランキング工程と、
    を実行させることを特徴とする合成経路評価プログラム。
JP2008166649A 2008-06-25 2008-06-25 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム Active JP5099511B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008166649A JP5099511B2 (ja) 2008-06-25 2008-06-25 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム
US13/000,759 US20110106794A1 (en) 2008-06-25 2009-06-22 Synthesis path evaluation system and method and program thereof
PCT/JP2009/002841 WO2009157176A1 (ja) 2008-06-25 2009-06-22 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008166649A JP5099511B2 (ja) 2008-06-25 2008-06-25 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010009257A true JP2010009257A (ja) 2010-01-14
JP5099511B2 JP5099511B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=41444249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008166649A Active JP5099511B2 (ja) 2008-06-25 2008-06-25 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20110106794A1 (ja)
JP (1) JP5099511B2 (ja)
WO (1) WO2009157176A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010212769A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Renesas Electronics Corp 撮像装置
JP2020198003A (ja) * 2019-06-04 2020-12-10 ジャパンモード株式会社 生成物推定プログラム及びシステム
WO2023080061A1 (ja) * 2021-11-02 2023-05-11 株式会社レゾナック 情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
JP7495549B1 (ja) 2023-03-31 2024-06-04 住友化学株式会社 物質の探索支援方法、物質の探索支援装置、コンピュータプログラム及び物質の製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2653529A4 (en) * 2010-12-17 2018-01-24 Mitsubishi Chemical Corporation Synthetic pathway constructing equipment, synthetic pathway constructing method, synthetic pathway constructing program, and processes for manufacturing 3-hydroxypropionic acid, crotonyl alcohol and butadiene
US11610652B2 (en) * 2020-05-06 2023-03-21 Toyota Research Institute, Inc. Autonomous inorganic material synthesis machine
US11557378B2 (en) * 2020-05-06 2023-01-17 Toyota Research Institute, Inc. Synthesis route recommendation engine for inorganic materials
CN113160900A (zh) * 2021-05-24 2021-07-23 北京化工大学 基于蚁群算法高通量合成Ag基催化剂的优化路径获取方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10275149A (ja) * 1997-03-31 1998-10-13 Kureha Chem Ind Co Ltd 反応検索方法、反応検索装置および反応検索用記憶媒体
JP2002262869A (ja) * 2001-03-12 2002-09-17 Japan Science & Technology Corp 反応機構解析方法および反応機構解析装置
JP2004119742A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Japan Science & Technology Corp 反応機構解析プログラムおよび当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに反応機構解析装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005029385A1 (ja) * 2003-09-22 2005-03-31 Nec Corporation 分子シミュレーション方法及び装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10275149A (ja) * 1997-03-31 1998-10-13 Kureha Chem Ind Co Ltd 反応検索方法、反応検索装置および反応検索用記憶媒体
JP2002262869A (ja) * 2001-03-12 2002-09-17 Japan Science & Technology Corp 反応機構解析方法および反応機構解析装置
JP2004119742A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Japan Science & Technology Corp 反応機構解析プログラムおよび当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに反応機構解析装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010212769A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Renesas Electronics Corp 撮像装置
US8441565B2 (en) 2009-03-06 2013-05-14 Renesas Electronics Corporation Image pickup apparatus
US8947567B2 (en) 2009-03-06 2015-02-03 Renesas Electronics Corporation Image pickup apparatus having photoelectric conversion function
US9615042B2 (en) 2009-03-06 2017-04-04 Renesas Electronics Corporation Image pickup apparatus having photoelectric conversion function
JP2020198003A (ja) * 2019-06-04 2020-12-10 ジャパンモード株式会社 生成物推定プログラム及びシステム
WO2023080061A1 (ja) * 2021-11-02 2023-05-11 株式会社レゾナック 情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
JP7495549B1 (ja) 2023-03-31 2024-06-04 住友化学株式会社 物質の探索支援方法、物質の探索支援装置、コンピュータプログラム及び物質の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20110106794A1 (en) 2011-05-05
JP5099511B2 (ja) 2012-12-19
WO2009157176A1 (ja) 2009-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5099511B2 (ja) 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム
Miller et al. Combustion chemistry in the twenty-first century: Developing theory-informed chemical kinetics models
Westram et al. ARB: a software environment for sequence data
Seino et al. Semi-local machine-learned kinetic energy density functional with third-order gradients of electron density
Cuoci et al. OpenSMOKE++: An object-oriented framework for the numerical modeling of reactive systems with detailed kinetic mechanisms
Rangarajan et al. Language-oriented rule-based reaction network generation and analysis: Description of RING
Chen et al. CATKINAS: a large‐scale catalytic microkinetic analysis software for mechanism auto‐analysis and catalyst screening
Proppe et al. Mechanism deduction from noisy chemical reaction networks
Luche et al. Reduction of large detailed kinetic mechanisms: application to kerosene/air combustion
KR20190003578A (ko) 미생물 균주 설계 시스템 및 조작된 뉴클레오타이드 서열의 개선된 대규모 생산 방법
Recker et al. A unifying framework for optimization-based design of integrated reaction–separation processes
EP1725969A2 (en) Method and apparatus for integrated modeling simulation and analysis of chemical and biochemical reactions
Ravitz Data-driven computer aided synthesis design
Dana et al. Automated reaction kinetics and network exploration (Arkane): A statistical mechanics, thermodynamics, transition state theory, and master equation software
US20130290391A1 (en) Mathematical expression input apparatus, mathematical expression modification method, and storage medium storing program
Robert et al. Ymir: A 3D structural affinity model for multi-epitope vaccine simulations
Pelucchi et al. Addressing the complexity of combustion kinetics: Data management and automatic model validation
Heberle et al. Automated construction of reduced mechanisms and additive reaction modules
Liñán et al. A hybrid deterministic-stochastic algorithm for the optimal design of process flowsheets with ordered discrete decisions
Peters et al. Comparative analysis of chemical kinetic models using the alternate species elimination approach
CN116759000A (zh) 一种基于副产物的深度逆合成反应预测方法、装置、介质及设备
JP2017111749A (ja) 計算コード生成装置、方法及びプログラム
Spotte-Smith et al. A database of molecular properties integrated in the Materials Project
Weymuth et al. SCINE—Software for chemical interaction networks
Ratkiewicz et al. Automated mechanism generation: From symbolic calculation to complex chemistry

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120913

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5099511

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250