JP2002262869A - 反応機構解析方法および反応機構解析装置 - Google Patents

反応機構解析方法および反応機構解析装置

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JP2002262869A
JP2002262869A JP2001069395A JP2001069395A JP2002262869A JP 2002262869 A JP2002262869 A JP 2002262869A JP 2001069395 A JP2001069395 A JP 2001069395A JP 2001069395 A JP2001069395 A JP 2001069395A JP 2002262869 A JP2002262869 A JP 2002262869A
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chromosome
topological
reaction
chromosomes
temporary
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JP2001069395A
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English (en)
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Takahiro Takahashi
崇宏 高橋
Kimito Funatsu
公人 船津
Yoshinori Ema
義則 江間
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率、且つ高精度で反応機構の解析を行う
ことのできる、新しい反応機構解析方法および反応機構
解析装置を提供する。 【解決手段】 反応経路を表すトポロジカル染色体を任
意の本数作成するステップ、各トポロジカル染色体毎
に、反応速度定数を表す非トポロジカル染色体を任意の
本数作成するステップ、各非トポロジカル染色体毎に、
反応速度の計算に必要なパラメータを表すテンポラリ染
色体を任意の本数作成するステップ、非トポロジカル染
色体により表される反応速度定数およびテンポラリ染色
体により表されるパラメータを用いて反応器における反
応速度を計算するステップ、反応器における実測反応速
度と計算反応速度とのズレを計算するステップ、ズレを
評価値に換算するステップ、評価値が所望の値となるま
でトポロジカル染色体、非トポロジカル染色体およびテ
ンポラリ染色体のうちの少なくともいずれかを遺伝的処
理により進化させるステップを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、反応機構
解析方法およびその装置に関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、反応器における化学反応の
反応機構を高効率、且つ高精度で解析することのでき
る、新しい反応機構解析方法および反応機構解析装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、化学反応において原料(反応物と
も呼ぶ)から生成物へ至る反応機構の解析は、ある反応
機構を推測し、推測反応機構による実験結果を基に逆問
題を解くことにより行なわれており、実験結果が実際の
化学反応結果と一致するまで反応機構を様々に変更す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、反応機構の推測・変更が経験則に基づいて、あるい
は手探り状態で試行錯誤的に行なわれるので、コンピュ
ータシミュレーションを行うにしても実験データに基づ
いてどのように反応機構を変更するかは結局は変更の度
に人間が導く必要があり、極めて非効率的であって、多
大なコストや時間、人材を要するといった問題があっ
た。
【0004】この出願の発明は、以上のとおりの事情に
鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消
し、高効率で反応機構の推測・変更が可能であり、反応
機構を高精度で導き出すことのできる、新しい反応機構
解析方法および反応機構解析装置を提供することを課題
としている。
【0005】
【課題を解決する手段】この出願の発明は、上記の課題
を解決するものとして、反応器における化学反応の反応
機構を解析する方法であって、反応経路を表すトポロジ
カル染色体を任意の本数作成するステップ、各トポロジ
カル染色体毎に、反応速度定数を表す非トポロジカル染
色体を任意の本数作成するステップ、各非トポロジカル
染色体毎に、反応速度の計算に必要なパラメータを表す
テンポラリ染色体を任意の本数作成するステップ、非ト
ポロジカル染色体により表される反応速度定数およびテ
ンポラリ染色体により表されるパラメータを用いて前記
反応器における反応速度を計算するステップ、前記反応
器における実測反応速度と計算反応速度とのズレを計算
するステップ、ズレを評価値に換算するステップ、評価
値が所望の値となるまでトポロジカル染色体、非トポロ
ジカル染色体およびテンポラリ染色体のうちの少なくと
もいずれかを遺伝的処理により進化させるステップを有
することを特徴とする反応機構解析方法(請求項1)を
提供し、この解析方法において、テンポラリ染色体によ
り表されるパラメータには、少なくとも中間体の濃度が
含まれること(請求項2)をも提供する。
【0006】また、この出願の発明は、反応器における
化学反応の反応機構を解析する装置であって、反応経路
を表すトポロジカル染色体を任意の本数作成するトポロ
ジカル染色体作成手段、各トポロジカル染色体毎に、反
応速度定数を表す非トポロジカル染色体を任意の本数作
成する非トポロジカル染色体作成手段、各非トポロジカ
ル染色体毎に、反応速度の計算に必要なパラメータを表
すテンポラリ染色体を任意の本数作成するテンポラリ染
色体作成手段、非トポロジカル染色体により表される反
応速度定数およびテンポラリ染色体により表されるパラ
メータを用いて前記反応器における反応速度を計算する
反応速度計算手段、前記反応器における実測反応速度と
計算反応速度とのズレを計算するズレ計算手段、ズレを
評価値に換算する換算手段、評価値が所望の値となるま
でトポロジカル染色体、非トポロジカル染色体およびテ
ンポラリ染色体のうちの少なくともいずれかを遺伝的処
理により進化させる染色体進化手段を有することを特徴
とする反応機構解析装置(請求項3)をも提供し、この
解析装置において、テンポラリ染色体により表されるパ
ラメータには、少なくとも中間体の濃度が含まれること
(請求項4)を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】この出願の発明による反応機構の
解析とは、反応器において生じる化学反応についての、 反応の有無や配列および順序などを含む反応経路、お
よび(これは反応器における化学反応の形に関する情報
であり、トポロジカル情報と呼ぶこととする) 反応速度定数、(これは反応器における化学反応の値
に関する情報であり、非トポロジカル情報と呼ぶことと
する)の解析を行う、つまり定性的解析および定量的解
析を行うことである。
【0008】またさらに、この出願の発明では、後述す
るように反応器における化学反応の反応速度を実測結果
と計算結果との比較対象としているので、上記トポロジ
カル情報および非トポロジカル情報に加えて、 反応速度計算に必要なパラメータ(これは個別の実測
条件に対応した情報であり、テンポラリ情報と呼ぶこと
とする)をも解析の対象としている。
【0009】そして、この出願の発明は、これらトポロ
ジカル情報の解析(定性的解析)および非トポロジカル
情報の解析(定量的解析)、さらにはテンポラリ情報の
解析を、「進化論的」(「遺伝的」とも言える)な探査
技法である遺伝的アルゴリズムあるいは遺伝的プログラ
ムを用いたコンピュータシミュレーションにより、自動
的に行うことを目的としている。すなわち、コンピュー
タによる反応機構解析の高効率・高精度な自動化を図る
ものである。
【0010】以下に、この出願の発明による解析につい
て詳細に説明する。図1は、この出願の発明の反応機構
解析装置を例示した機能ブロック図であり、図2は、こ
の反応機構解析装置により実行されるこの出願の発明の
反応機構解析方法のフローである。
【0011】<ステップS1>上記トポロジカル情報を
表す初代の染色体(トポロジカル染色体と呼ぶこととす
る)を作成する。この初代トポロジカル染色体は、コン
ピュータによりランダムに作成する。図1の解析装置で
はこの処理はトポロジカル染色体作成手段(1)により
実行される。
【0012】より具体的には、たとえば、まずトポロジ
カル染色体の本数および各トポロジカル染色体の長さを
設定する。この設定は、ユーザーが任意に選択してコン
ピュータへ入力するようにしても、あるいはコンピュー
タがトポロジカル染色体作成手段(1)の有する自動設
定手段(図示していない)によって自動設定するように
してもよい。
【0013】このトポロジカル染色体の長さは、反応器
における化学反応に係る最大分子数をnとした場合、n
2で表されることになる。よって、本数をjとすると、
トポロジカル染色体はj×n2の行列、つまり
【0014】
【数1】
【0015】となる。この行列を構成する各行列要素が
トポロジカル染色体の遺伝子である。
【0016】そして、トポロジカル情報をトポロジカル
染色体にて表すとは、トポロジカル情報を一本一本の、
つまり各行0,1・・・jのトポロジカル染色体へコー
ディングすることを意味する。
【0017】より具体的には、まず、トポロジカル染色
体作成手段(1)の有するランダム値作成手段(図示し
ていない)によって、トポロジカル情報である反応経路
をランダムに作成する。反応経路としては、たとえば図
3(a)〜(e)に例示したものが考えられる。これら
の例は、反応器として後述するマクロキャビティを用
い、CVDにより薄膜形成する場合において、最大分子
数nを4としたときの反応経路の様々なバリエーション
を示している。もちろんこれらは一例にすぎない。
【0018】図3(a)では、原料の分子1が反応中間
体(中間生成物ともいう)を介することなく一つの反
応、つまり表面反応によって生成物に達する反応経路と
なっており、関与する分子数は1つで、反応数も1つで
ある。図3(b)および図3(c)では、中間体を1つ
介する反応であるので分子数は原料の分子1と中間体の
分子2もしくは分子3との2つであり、反応の数も2つ
で同じであるが、図中矢印により表される反応の順序が
互いに異なっており、図3(b)では分子1および反応
器外で何らかの原因で発生した原料に由来しない独立し
た分子3それぞれの表面反応、図3(c)では分子1か
ら分子2への気相反応および分子2の表面反応が反応経
路となっている。図3(d)では、分子数は3つであ
り、原料の分子1と中間体の分子2および分子3とを順
に循環して分子3からの表面反応によって生成物に至る
といった反応経路となっている。図3(e)では、分子
数は4つであり、図中矢印により表される反応経路で成
膜されるものとなっている。
【0019】コーディングは、トポロジカル染色体作成
手段(1)内のコーディング手段(図示していない)に
よって、ランダム値作成手段からの上記各種の反応経路
それぞれを各トポロジカル染色体で表すようにして行な
われる。すなわち、一本のトポロジカル染色体を構成す
る各遺伝子(つまり上記行列要素)が、ある一つの反応
経路を構成する各反応要素を表すことになる。
【0020】このようなコーディングは、たとえば、
0,1の数字列を用いる遺伝的アルゴリズムにおけるコ
ーディング手法や、数字列とともに文字列をも用いる遺
伝的プログラムにおけるコーディング手法などを用いて
行うことができる。
【0021】数字列や文字列を用いたより具体的なコー
ディング手法については、数字列あるいはそれと文字列
とによって各反応を表すことができればよいので、特に
限定されるものではないが、この出願の発明の発明者等
は、この出願の発明の反応機構解析により適した以下の
ようなコーディング手法をも開発しており、これを用い
ることがより好ましい。
【0022】図4(a)(b)(c)は、この新しいコ
ーディング手法を概念的に例示したものである。分子数
がnの場合において、各分子を頂点とした図形をイメー
ジすると、各分子が係る反応の有無や配列・順序などは
頂点間の辺および対角線の位置や方向などによって表す
ことができ、これらを0,1の数字列あるいはそれと文
字列に変換するのである。
【0023】図4の例は、CVDによる成膜時の反応経
路を0,1の数字列に変換する場合のものであり、成膜
に係る分子数nを4とすると、図形は図4(a)に例示
したように各分子を頂点とした四角形となる。
【0024】この四角形においてたとえば図3(e)の
反応経路を表すと図4(b)に例示したようになる。具
体的には、図3(e)の反応経路では分子1,2,3か
らの表面反応があるので、それぞれの頂点を塗りつぶ
し、また各分子間の気相反応は分子1から2、分子2か
ら3、分子3から4、分子4から2という方向で存在し
ているので、該当する分子間の辺および対角線に反応方
向と同じ方向の矢印を付す。
【0025】そしてこれら気相反応および表面反応を図
4(c)に例示したように0,1の数字列に変換する。
この図4(c)では、まず各気相反応に2ビット(つま
り連続する二つの数字列)の情報が使われている。最初
の1ビットは気相反応の有無を表し、有る場合は1、無
い場合は0となっている。次の1ビットは気相反応の方
向を表し、分子番号の小さい方から大きい方へ向いてい
れば0、逆方向ならば1となる。有無ビットが0、つま
り気相反応が無い場合には、方向ビットは一律に0ある
いは1とされて無視される(図4(c)では0とされて
いる)。この規則に従って、分子1→2、1→3、1→
4、2→3、2→4、3→4の気相反応に対応した6つ
の2ビット情報が並べられている。気相反応数はn(n
−1)/2であるので、図4の例では気相反応数は6つ
である。これらに続く数列は各分子における表面反応の
有無を示しており、表面反応が有れば1、無ければ0と
なる。
【0026】したがって、CVDによる成膜における反
応経路の気相反応および表面反応を0,1数列に変換す
る場合、分子数nに対してn(n−1)+n=n2のビ
ット列が必要となる。当然にこの数は上述した染色体の
長さと等しく、各ビットが染色体の各遺伝子となって、
2のビット列により一本の染色体が構成されるように
なる。
【0027】実際のコンピュータプログラムにおいて
は、上述の図形を作成する処理が行われるわけではな
く、分子間の気相反応の有無および方向、ならびに分子
毎の表面反応の有無をランダムに決定する処理が行わ
れ、その決定に従って上述したような0,1変換処理が
行われる。
【0028】一方、数字列とともに文字列を用いてコー
ディングする場合は、たとえば文字列を数字列の解釈に
対する命令を表すものとし、たとえば図5に例示したよ
うなビット列に変換することができる。
【0029】この図5の例は、図3(d)と同じ反応経
路を表現したものであり、次のような規則に従ってい
る。もちろんこの規則は一例である。
【0030】・染色体の先頭に数字が並んでいる場合は
それは無視する。
【0031】・kg,ksが出てきたら、それに続く数
字を次のkgやksまで全て読む。
【0032】・kgに続く数字が1つなら、原料からそ
の数字の分子への気相反応があると解釈する。たとえ
ば、kg2なら1→2の気相反応がある。
【0033】・kgに続く数字が2つなら、先の数字の
分子から後の数字の分子への気相反応があると解釈す
る。たとえばkg31なら3→1の気相反応がある。
【0034】・kgに続く数字が3つ以上なら、2つ目
までを上記のように解釈し、3つ目以降を無視する。
【0035】・同じ番号から同じ番号への気相反応が指
定されたら、存在しない反応として無視する。
【0036】・ksに続く数字が1つなら、その数字の
分子から表面反応があると解釈する。
【0037】・ksに続く数字が2つ以上なら、2つ目
以降を無視する。
【0038】・重複した内容の情報があれば後から出て
きたものを無視する。
【0039】たとえばこのような規則に従って文字列を
用いた場合には、数字列のみよりも、より複雑な反応経
路を的確に表現することのできるコーディングが可能と
なる。
【0040】以上のコーディング手法により、簡便、か
つ的確にトポロジカル情報を染色体へコーディングでき
るのである。もちろん、図3〜図5は気相から固体への
化学反応の一例であって、このコーディング手法は、そ
の他各種の相変化を起こす化学反応の反応経路を染色体
へコーディングする場合にも同様に適用できる。
【0041】また、このコーディング手法は後述の非ト
ポロジカル情報やテンポラリ情報を各々の染色体へコー
ディングする場合にも適用できることは言うまでもな
い。
【0042】<ステップS2>以上のように作成された
各トポロジカル染色体毎に、上記非トポロジカル情報を
表す染色体(非トポロジカル染色体と呼ぶこととする)
を作成する。この初代非トポロジカル染色体は、コンピ
ュータによりランダムに作成する。図1の解析装置では
この処理は非トポロジカル染色体作成手段(2)により
実行される。
【0043】より具体的には、たとえば、まず非トポロ
ジカル染色体の本数および各非トポロジカル染色体の長
さを設定する。この設定は、ユーザーが任意に選択して
コンピュータへ入力するようにしても、あるいはコンピ
ュータが非トポロジカル染色体作成手段(2)の有する
自動設定手段(図示していない)によって自動設定する
ようにしてもよい。
【0044】この非トポロジカル染色体の本数をk、長
さをoとすると、非トポロジカル染色体はk×oの行
列、つまり
【0045】
【数2】
【0046】となる。各行列要素は非トポロジカル染色
体の遺伝子である。
【0047】そして、このk×o行列の非トポロジカル
染色体を、上記各行0,1・・・jのトポロジカル染色
体毎に作成するのである。すなわち、トポロジカル染色
体と非トポロジカル染色体とは、たとえば図6に例示し
たような入れ子構造を持つようになり、非トポロジカル
染色体はk×o行列×jの染色体団となる。
【0048】この染色体団における各非トポロジカル染
色体は非トポロジカル情報を表すものであるが、これは
非トポロジカル情報を一本一本の、つまり各行0,1・
・・kの非トポロジカル染色体へコーディングすること
により行なわれる。
【0049】非トポロジカル情報である反応速度定数は
反応器における各反応毎に存在するので、上記各行0,
1・・・jのトポロジカル染色体を構成する遺伝子毎
(つまり行列要素毎)に反応速度定数を設定する必要が
ある。すなわち、数1における1行目の行列要素と数2
における0,1・・・k行毎の行列要素とは互いに対応
したものとなるので、非トポロジカル染色体の長さo=
トポロジカル染色体の長さn2となる。したがって、上
述では非トポロジカル染色体の長さを任意に設定すると
したが、実際にはn2と同じ数字を設定すればよく、こ
れはトポロジカル染色体作成手段(1)から与えられる
データによって自動設定できるのである。
【0050】非トポロジカル染色体作成手段(2)の有
するランダム値作成手段およびコーディング手段(図示
していない)は、各反応毎の反応速度定数の値をランダ
ムに作成し、それぞれを0,1数列に変換する。この数
字列が連なって一本の非トポロジカル染色体となる。た
とえば反応速度定数一つ当たり8ビットの情報を用いた
場合では、非トポロジカル染色体の長さをビット数で言
うと、o(=n2)バイト×8ビットとなる。n=4の
場合は128ビットである。
【0051】たとえば、上述したようにCVDによる成
膜では気相反応および表面反応が関わってくるので、各
々に対応する反応速度定数、つまり気相反応速度定数お
よび表面反応速度定数が必要である。上述の図4(c)
に例示した非トポロジカル染色体に対しては、12の気
相反応速度定数および4つの気相反応速度定数を作成
し、各々を8ビット変換することになる。
【0052】なお、トポロジカル染色体は反応の有無を
表しており、存在しないとする反応の反応速度定数は当
然存在しないので、この場合では、0,1数列への変換
の際、非トポロジカル染色体作成手段(2)はトポロジ
カル染色体作成手段(1)からのトポロジカル染色体デ
ータを参照し、反応が存在しない位置にはその位置の反
応速度定数の値を強制的に0とし、0を表す0,1数列
に変換する。
【0053】<ステップS3>以上のように作成された
各非トポロジカル染色体毎に、上記テンポラリ情報を表
す染色体(テンポラリ染色体と呼ぶこととする)を作成
する。この初代テンポラリ染色体は、コンピュータによ
りランダムに作成する。図1の解析装置ではこの処理は
テンポラリ染色体作成手段(3)により実行される。
【0054】より具体的には、たとえば、まずテンポラ
リ染色体の本数および各テンポラリ染色体の長さを設定
する。この設定は、ユーザーが任意に選択してコンピュ
ータへ入力するようにしても、あるいはコンピュータが
テンポラリ染色体作成手段(3)の有する自動設定手段
(図示していない)によって自動設定するようにしても
よい。
【0055】このテンポラリ染色体の本数をl、長さを
pとすると、テンポラリ染色体はl×pの行列、つまり
【0056】
【数3】
【0057】となる。各行列要素はテンポラリ染色体の
遺伝子である。
【0058】そして、このl×p行列のテンポラリ染色
体を、上記各行0,1・・・kの非トポロジカル染色体
毎に作成するのである。すなわち、図6に例示したよう
に、トポロジカル染色体、非トポロジカル染色体および
テンポラリ染色体は三重入れ子構造となっており、テン
ポラリ染色体は最終的にはl×p行列×k×jの染色体
団となる。なお、図6の例では、より精密な反応機構解
析を実現すべく、l×p行列のテンポラリ染色体を各行
の非トポロジカル染色体毎に複数個q(たとえば三つ)
作成するものとなっており、この場合では、テンポラリ
染色体は最終的にはl×p行列×q×k×jの染色体団
となる。
【0059】この染色体団における各テンポラリ染色体
はテンポラリ情報を表すものであるが、これはテンポラ
リ情報を各行0,1・・・lのテンポラリ染色体へコー
ディングすることにより行なわれる。
【0060】テンポラリ情報は、次のステップS4にて
反応速度をシミュレート計算する際に必要なパラメータ
であり、テンポラリ染色体作成手段(3)の有するラン
ダム値作成手段およびコーディング手段(図示していな
い)は、それら各パラメータ値をランダムで作成し、そ
れぞれを0,1数列に変換する。各パラメータの数字列
が連なって一本のテンポラリ染色体となる。たとえばパ
ラメータ一つ当たり8ビットの情報を用いた場合では、
テンポラリ染色体の長さをビット数で言うと、pバイト
×8ビットとなる。
【0061】たとえば、反応器として、図7(a)
(b)に例示したようなマクロキャビティ(10)を用
いるとする。このマクロキャビティ(10)では、左右
一対のスペーサ(11)により上下一対の基板(12)
が相対向して支持されており、気体原料が図中矢印方向
に流れると、基板(12)間にて拡散が起こり、薄膜
(13)が形成されるようになっている。
【0062】このマクロキャビティ(10)における化
学反応の反応速度つまり成膜速度は、後述の数4により
算出することができる。その算出に必要なパラメータ
は、ステップS4にてより詳細に説明するが、反応速度
定数(気相反応速度定数および表面反応速度定数)、マ
クロキャビティの中心部における原料および中間体の濃
度、原料の拡散係数、マクロキャビティの中心からの距
離、マクロキャビティの内幅である。その内で、テンポ
ラリ染色体へコーディングし、解析対象とすることがで
きるものは、実際のマクロキャビティの形状に関わるパ
ラメータ以外のもの、つまりマクロキャビティの中心部
における原料および中間体の濃度、ならびに原料の拡散
係数である。マクロキャビティの形状パラメータは当然
実際のマクロキャビティと同じものに設定するので、解
析対象とはなり得ず、反応速度定数は非トポロジカル染
色体で表されているのでテンポラリ染色体にコーディン
グするものではない。
【0063】またたとえば、反応器として図8に例示し
たような円管型反応器(20)を用いる場合、この円管
型反応器(20)における化学反応の反応速度は、後述
の数5により算出することができる。その算出に必要な
パラメータは、ステップS4にてより詳細に説明する
が、反応速度定数(気相反応速度定数および表面反応速
度定数)、円管型反応器の入口における原料および中間
体の濃度、原料の線速度(場合によっては拡散係数
も)、円管の入口からの距離、円管の径などである。そ
の内で、テンポラリ染色体へコーディングし、解析対象
とすることができるものは、円管型反応器の入口におけ
る原料および中間体の濃度、ならびに原料の拡散係数で
ある。
【0064】したがって、これら各種パラメータをラン
ダムで作成し、それぞれを0,1数列に変換すること
で、一本のテンポラリ染色体を作成することになる。も
ちろん反応器が変われば解析対象となるパラメータも変
わる。
【0065】<ステップS4>さて、以上のように作成
された非トポロジカル染色体により表される非トポロジ
カル情報つまり反応速度定数、およびテンポラリ染色体
により表されるテンポラリ情報つまり反応速度計算に必
要なパラメータとを用いて、反応器における反応速度を
シミュレート計算する。図1の解析装置ではこの処理は
反応速度計算手段(4)により実行される。反応速度計
算手段(4)には、非トポロジカル染色体作成手段
(2)およびテンポラリ染色体作成手段(3)からそれ
ぞれの染色体データが与えられる。
【0066】ここでの反応速度計算にはたとえば公知の
計算式を用いる。反応器が異なれば反応速度の計算式も
当然異なり、完全混合層や四角管などの各種反応器およ
び計算式は、たとえば化学工学会編「化学工学便覧」丸
善株式会社発行に記載のものを適宜選択して用いること
ができる。あるいは微小空間における物質収支式を作れ
ば、それを計算式として用いることもできる。不規則な
形状の反応器の場合でも反応器内部を微小領域に切り分
け(たとえばメッシュ切り)、対応する計算式を用いれ
ばよい。
【0067】なお、たとえば、これら各種反応器および
計算式はデータベースとしてコンピュータの記憶手段
(8)(内部・外部を問わない)に記憶させておいても
よく、反応速度計算手段(4)は、反応器の種類に従っ
て自動的に計算式を記憶手段(8)から読み込み可能と
なるように構築する。
【0068】一方、反応速度の計算には、非トポロジカ
ル染色体による反応速度定数およびテンポラリ染色体に
よる各種パラメータの他にも、実際の反応器の形状など
の実測条件に関わるパラメータが必要となる。これら各
種パラメータは、たとえば予め記憶手段(8)に記憶さ
せておき、反応速度計算手段(4)が計算時に記憶手段
(8)から読み出すようにすればよい。これにより、実
測条件と同じ条件での反応器における反応速度をシミュ
レート計算できるようになる。
【0069】もちろん計算式は、実測条件その他各種要
因に応じて変形調整することが好ましいのは言うまでも
ない。たとえば、次式は、反応器が図7(a)(b)に
例示したようなマクロキャビティ(10)の場合の計算
式の一例である。
【0070】
【数4】
【0071】この数4において、 x:マクロキャビティの中心から原料流入方向に沿う距
離 L:マクロキャビティの中心から拡散方向に沿う距離 w:マクロキャビティの内幅 n:分子数 i,m:計算上の分子の番号(1≦i,m≦n)(番号
1は原料を示す) Dm:分子mの拡散係数 Cm(x):xにおける分子mの濃度 C0m:x=0における分子mの濃度 kgij:分子iから分子jへの気相反応速度定数 ksi:分子iの表面反応速度定数 Gr(x):xにおける成膜速度 である。但し、式(1)(2)(3)は分子毎に必要と
なるため、各n本ずつ必要となる。
【0072】式(1)において、左側第1項は拡散によ
る出入、第2項は気相反応による消失、第3項に表面反
応による消失、第4項に他分子からの気相反応による生
成を示している。
【0073】式(2)においては、成膜される薄膜(1
3)が左右対称であるため、中心部(x=0)での濃度
分布の傾きは0とする。
【0074】式(3)においては、濃度の計算はx=0
から積分することで求めるため、x=0での濃度を初期
値として入力する。また、かっこ内の等号関係について
は、中間体と比較して原料は化学的に不活性であるため
にマクロキャビティ外部と内部とでは原料濃度にほとん
ど差がないとみなし、マクロキャビティ外部での濃度つ
まり原料の供給濃度をマクロキャビティの中心部(x=
0)での濃度として計算に用いることを示している。
【0075】式(4)においては、成膜速度を各分子の
表面反応による流入項の和として求めている。
【0076】これら式(1)〜(4)によりなる数4を
用いた場合、 x:マクロキャビティの中心から原料流入方向に沿う距
離 L:マクロキャビティの中心から拡散方向に沿う距離 w:マクロキャビティの内幅 は実測条件と同じ値に設定するパラメータであって、記
憶手段(8)から反応速度計算手段(4)が計算時に読
み出すものである。xは、実際のマクロキャビティにお
いて成膜速度を計測した点のx座標である。複数個所に
て計測した場合には各x座標が記憶手段(8)から渡さ
れて、それぞれの位置での成膜速度Gr(x)が算出さ
れることになる。
【0077】kgij:分子iから分子jへの気相反応速
度定数 ksi:分子iの表面反応速度定数 は非トポロジカル染色体により表される。
【0078】Dm:分子mの拡散係数 C0m:x=0における分子mの濃度 はテンポラリ染色体により表される。なお、C0mは各分
子m毎に必要となるため、通常はこの濃度パラメータは
n個となるが、この例では原料(=分子1)の濃度を原
料供給濃度と同じものとして扱うので、m=2〜nでn
−1個のパラメータとなる。またたとえば、Dmおよび
0mの両方を染色体対象とせずに、Dmは予め決定して
外部から入力し、C0mのみを染色体対象とするようにし
てもよい。
【0079】次式は、反応器が図8に例示したような円
管型反応器(20)の場合の計算式の一例である。
【0080】
【数5】
【0081】この数5において、 x:円管型反応器の入口から原料流入方向に沿う距離 d:円管型反応器の直径 n:分子数 i,m:計算上の分子の番号(1≦i,m≦n)(番号
1は原料を示す) u:原料ガスの流入速度(線速度) Cm(x):xにおける分子mの濃度 C0m:x=0における分子mの濃度 C:原料の供給濃度 kgij:分子iから分子jへの気相反応速度定数 ksi:分子iの表面反応速度定数 Gr(x):xにおける成膜速度 である。但し、式(1)および式(2)は分子毎に必要
となるため、それぞれn本必要となる。また反応器内は
すべて等温度とする。
【0082】式(1)において、左側第1項は原料の流
れによる出入、右側第1項は気相反応による消失、第2
項に表面反応による消失、第3項に他分子からの気相反
応による生成を示している。
【0083】式(2)においては、濃度の計算はx=0
から積分することで求めるため、x=0での濃度を初期
値として入力する。また、かっこ内の等号関係について
は、原料の供給濃度を反応器入口(x=0)での原料の
濃度として計算に用いることを示している。
【0084】式(3)においては、成膜速度を各分子の
表面反応による流入項の和として求めている。
【0085】これら式(1)〜(3)によりなる数5を
用いた場合、 x:円管型反応器の入口から原料流入方向に沿う距離 d:円管型反応器の直径 u:原料ガスの線速度 は実測条件と同じ値に設定するパラメータであって、記
憶手段(8)から反応速度計算手段(4)が計算時に読
み出すものである。xは、実際の円管型反応器において
成膜速度を計測した点のx座標である。複数個所にて計
測した場合には各x座標が記憶手段(8)から渡され
て、それぞれの位置での成膜速度Gr(x)が算出され
ることになる。原料ガスの線速度uは、十分な量のキャ
リアガス中に原料等が存在していることを前提としてい
るために一定であると仮定しているので、外部から記憶
手段(8)へ入力しておく。
【0086】kgij:分子iから分子jへの気相反応速
度定数 ksi:分子iの表面反応速度定数 は非トポロジカル染色体により表される。
【0087】C0m:x=0における分子mの濃度 はテンポラリ染色体により表される。
【0088】また、次式は、図8に例示した円管型反応
器(20)の場合の計算式のさらに別の一例である。上
記数5は、反応器壁からの熱伝導などが原因で円管型反
応器(20)の入口に原料が到達する前から反応が開始
して、入口で中間体の濃度がわからない場合を想定した
ものであり、よってx=0における分子mの濃度C0m
テンポラリ染色体により表して解析対象としている。こ
れに対し、下記数6は、反応が理想的な状況にて生じ、
入口での濃度が全ての分子に関して決められている場合
を想定したものであり(管径方向への分子の拡散抵抗の
考慮が必要となる状況は想定していない)、よってx=
0における分子mの濃度C0mは解析対象ではなく外部か
ら入力するパラメータとしている。
【0089】
【数6】
【0090】この数6において、 x:円管型反応器の入口から原料流入方向に沿う距離 d:円管型反応器の直径 n:分子数 i,m:計算上の分子の番号(1≦i,m≦n)(番号
1は原料を示す) u:原料ガスの流入速度(線速度) Cm(x):xにおける分子mの濃度 C0m:x=0における分子mの濃度 kgij:分子iから分子jへの気相反応速度定数 ksi:分子iの表面反応速度定数 Gr(x):xにおける成膜速度 である。但し、式(1)および(3)は分子毎に必要と
なるため、それぞれn本およびn−1本必要となる。ま
た反応器内はすべて等温度とする。
【0091】式(1)において、左側第1項は原料の流
れによる出入、右側第1項は気相反応による消失、第2
項に表面反応による消失、第3項に他分子からの気相反
応による生成を示している。
【0092】式(2)においては、原料が反応器に入っ
た直後(x=0)は原料がそのまま存在するとしてい
る。
【0093】式(3)においては、原料が反応器に入っ
た直後(x=0)は中間体はまだ存在しないとしてい
る。
【0094】式(4)においては、成膜速度を各分子の
表面反応による流入項の和として求めている。
【0095】これら式(1)〜(4)によりなる数6を
用いた場合、 x:円管型反応器の入口から原料流入方向に沿う距離 d:円管型反応器の直径 u:原料ガスの線速度 C0m:x=0における分子mの濃度 は実測条件と同じ値に設定するパラメータであって、記
憶手段(8)から反応速度計算手段(4)が計算時に読
み出すものである。xは、実際の円管型反応器において
成膜速度を計測した点のx座標である。複数個所にて計
測した場合には各x座標が記憶手段(8)から渡され
て、それぞれの位置での成膜速度Gr(x)が算出され
ることになる。x=0における分子mの濃度C0mは、上
述したように数6が反応の理想的状況を想定したもので
あるので予め決められている。
【0096】kgij:分子iから分子jへの気相反応速
度定数 ksi:分子iの表面反応速度定数 は非トポロジカル染色体により表される。
【0097】なお、数5および数6において、円管径が
大きくなると管径方向への拡散抵抗が無視できなくなる
ので、その場合には拡散係数Dを組み込むことが好まし
く、数4の場合と同様に、テンポラリ染色体により表し
て解析対象としても、あるいは予め決定して外部から入
力するパラメータとしてもよい。
【0098】これら数4〜数6などのように、他の公知
計算式も実際の反応器や実測条件などに対応させて変形
調整することで、より正確な反応速度の計算が可能とな
る。
【0099】<ステップS5>以上のように算出された
反応速度と実際の反応器における実測反応速度とのズレ
を算出する。図1の解析装置ではこの処理はズレ計算手
段(5)により実行される。
【0100】より具体的には、たとえば、実測反応速度
は予め記憶手段(8)に記憶させておき、それをズレ計
算手段(5)が記憶手段(8)から受け取るとともに、
計算反応速度を反応速度計算手段(4)から受け取り、
両者の差をズレとして求める。
【0101】なお、上述したように実際の反応器におけ
る反応速度計測を複数個所にて行った場合には、各位置
での実測反応速度と計算反応速度とのズレを求めること
になる。
【0102】<ステップS6>この出願の発明では、以
上のように算出したズレを評価値に換算する。図1の解
析装置においてはこの処理は評価値換算手段(6)によ
り実行され、換算式は記憶手段(8)に記憶させて換算
時に読み込むか、あるいは評価値換算手段(6)に予め
持たせておけばよい。換算式としては、たとえば下記の
評価関数を用いることができる。
【0103】
【数7】
【0104】この数7は、rが評価値、Grexpiが反応
速度の実測値、Grexpiが反応速度の計算値を示してお
り、実測値と計算値の誤差の2乗和を規格化したものと
なっている。
【0105】<ステップS7>そして、評価値rが所望
の値となるまで上記トポロジカル染色体、上記非トポロ
ジカル染色体および上記テンポラリ染色体を遺伝的処理
により進化させる。図1の解析装置においてはこの処理
は染色体進化手段(7)により実行される。
【0106】遺伝的処理としては、選択、交叉、突然変
異など、さらにはエリート保存、トーナメント方式選
択、多点交叉などの各種公知の処理を用いることがで
き、これが染色体進化手段(7)の有する遺伝的処理手
段(図示していない)によって行われて、各染色体が次
世代へ進化される。エリート保存により残す染色体数
や、交叉確率、突然変異確率などの遺伝的処理条件は予
め設定しておく。
【0107】より具体的には、遺伝的処理手段にはトポ
ロジカル染色体作成手段(1)、非トポロジカル染色体
作成手段(2)、テンポラリ染色体作成手段(3)から
それぞれの初代染色体データが送られ、上記遺伝的処理
による進化後の次世代染色体データは反応速度計算手段
(4)へ送られる。この次世代染色体データに対して、
上述と同様にして、反応速度が計算され、その実測反応
速度とのズレがズレ計算手段(5)により計算され、そ
のズレが評価値換算手段(6)により評価値へ換算され
る。この評価値データは再び染色体進化手段(7)へ送
られ、染色体進化手段(7)では、それが有する評価値
判断手段(図示していない)によって評価値が所望の値
であるかを判断する。具体的にはたとえばしきい値を設
定するなどして判断する。評価値が所望の値でないと判
断されると、その判断に従って遺伝的処理手段により各
染色体を遺伝的処理によりさらに次世代へ進化させて、
次世代染色体についての反応速度計算、ズレ計算、評価
値換算が再び行われる。この一連の処理を、評価値が所
望の値となるまで行うのである。
【0108】そして、評価値が所望の値となったときの
染色体により表される各種情報が最適解となり、最適解
によって構成される反応機構が実際の反応器における化
学反応の反応機構を最も良くシミュレートしたものとな
る。
【0109】ところで、図6に例示したように各染色体
は3重の入れ子構造となっており、この場合におけるト
ポロジカル染色体、非トポロジカル染色体、テンポラリ
染色体の具体的な進化手法は、特に限定されるものでは
ないが、たとえば以下のように行うことができる。
【0110】まず、トポロジカル染色体および非トポロ
ジカル染色体を固定し、全てのテンポラリ染色体につい
て、反応速度計算、ズレ計算、評価値換算、進化を行
う。具体的には、1行目のトポロジカル染色体に対する
非トポロジカル染色体群(0,1・・・k行)のうちの
1行目の非トポロジカル染色体に対する全てのテンポラ
リ染色体(0,1,・・・l行)について、反応速度を
計算する。計算された各反応速度と実測反応速度とのズ
レを求め、各ズレを数7の評価関数により評価値rへ換
算する。
【0111】次いで、それら評価値rの中で最も良い値
(数7では値が小さいほど良い値となる)のものを勝者
として選択する。この最良評価値rVictoryが所望の値
となっているか判断し、なっていなければテンポラリ染
色体を進化させる。このとき、エリート保存処理とし
て、最良評価値から良い値順に、設定された個数のテン
ポラリ染色体をそのまま次世代へコピーする。それ以外
のテンポラリ染色体は選択、交叉、突然変異により次世
代へ進化させる。
【0112】再び次世代テンポラリ染色体について反応
速度計算、ズレ計算、評価値換算、進化を行う。この一
連の処理を最良評価値rVictoryが所望の値となるまで
2世代、3世代・・・のテンポラリ染色体に対して行
う。
【0113】そして、所望の値となった最良評価値r
Victoryを示すテンポラリ染色体が求める染色体であ
り、そのテンポラリ染色体の表すパラメータ(分子濃度
など)が、1行目のトポロジカル染色体およびそれに対
する1行目の非トポロジカル染色体のペアとが表す反応
機構において用いるべきパラメータとなる。
【0114】以上の処理を1行目のトポロジカル染色体
に対する他の非トポロジカル染色体(1・・・k行)に
ついても行う。これにより、1行目のトポロジカル染色
体およびそれに対する各行の非トポロジカル染色体毎
に、テンポラリ染色体の最適化が行なわれる。
【0115】なお、図6の場合では1本の非トポロジカ
ル染色体に対してq=3個のl行テンポラリ染色体群が
作成されているので、それぞれの最良評価値r
Victory-1,rVictory-2,rVictory-3が求められるこ
とになり、最終的な最良評価値はk×3個となる。
【0116】また、この段階でのテンポラリ染色体の進
化は、トポロジカル染色体および非トポロジカル染色体
が初代のものに固定されたままの状態で行なわれるの
で、各最良評価値が最終的に所望する値となる確率はあ
まり高くないといえる。したがって、この段階では、進
化終了条件を、所望値判断とするよりも、進化回数を限
定するか、あるいは最大評価値が数世代に渡って同じ値
となった場合に強制終了させるなど、より適切なものに
設定することが好ましい。したがって、染色体進化手段
(7)の評価値判断手段が行う最良評価値rVictory
判断には、所望値判断だけでなく、進化回数判断、同一
値判断などが含まれていてもよい。
【0117】さて、ここから入れ子が一つ上位の段階に
移る。上記最良評価値rVictoryは各非トポロジカル染
色体の評価値となるが、図6の場合では三つのr
Victory-1,rVictory-2,rVictory-3があるのでその
平均値を各非トポロジカル染色体の評価値とする。この
関係は次式で表すことができる。
【0118】
【数8】
【0119】この数8においてrglobalが各非トポロジ
カル染色体の評価値とされる。
【0120】この評価値rglobalを基に、1行目のトポ
ロジカル染色体に対する非トポロジカル染色体の進化を
行う。具体的な進化手法は、上述のテンポラリ染色体に
対するものとほぼ同じである。
【0121】まず、各非トポロジカル染色体の評価値r
globalの中で最も良い値(この場合も値が小さいほど良
い値となる)のものを勝者として選択する。この最良評
価値rglobal-Victoryが所望の値となっているか判断
し、なっていなければ非トポロジカル染色体を進化させ
る。このとき、エリート保存処理として、最良評価値か
ら良い値順に、設定された個数の非トポロジカル染色体
をそのまま次世代へコピーする。それ以外の非トポロジ
カル染色体は選択、交叉、突然変異により次世代へ進化
させる。
【0122】再び次世代非トポロジカル染色体について
反応速度計算、ズレ計算、評価値換算、進化を行う。こ
こでの反応速度計算には当然に最良評価値rVictory
示すテンポラリ染色体のパラメータのみを用いる。つま
り、テンポラリ染色体は最良評価値rVictoryを示すも
のに固定したままで、非トポロジカル染色体のみを進化
させるのである。この一連の処理を最良評価値r
global-Victoryが所望の値となるまで2世代、3世代・
・・の非トポロジカル染色体に対して行う。
【0123】そして、所望の値となった最良評価値r
global-Victoryを示す非トポロジカル染色体が求める染
色体であり、その非トポロジカル染色体の表す反応速度
定数(気相反応速度定数や表面反応速度定数など)が、
1行目のトポロジカル染色体が表す反応経路において最
適な反応速度定数となる。
【0124】以上の処理を他のトポロジカル染色体(1
・・・j行)についても行う。これにより、各トポロジ
カル染色体毎に非トポロジカル染色体の最適化が行なわ
れる。
【0125】なお、この段階での非トポロジカル染色体
の進化は、トポロジカル染色体が初代のものに固定され
たままの状態で行なわれるので、各最良評価値が最終的
に所望する値となる確率はあまり高くないといえる。し
たがって、この段階では、進化終了条件を、所望値判断
とするよりも、進化回数を限定するか、あるいは最大評
価値が数世代に渡って同じ値となった場合に強制終了さ
せるなど、より適切なものに設定することが好ましい。
したがって、染色体進化手段(7)の評価値判断手段が
行う最良評価値rglobal-Victoryの判断には、所望値判
断だけでなく、進化回数判断、同一値判断などが含まれ
ていてもよい。
【0126】さて、ここから入れ子がさらに一つ上位の
段階に移る。上記最良評価値rglob al-Victoryは各トポ
ロジカル染色体の評価値として用いられるが、たとえば
ここで以下のような態様を取ることができる。
【0127】最良評価値rglobal-Victoryは実測条件に
依存しない反応機構に関する定量的な情報である。しか
し、この値をそのまま定性的な評価に流用するより、た
とえば下記の数9により換算したものを用いる方がより
好ましいと考える。なんとなれば、定性的に複雑にすれ
ば、実測値と計算値のズレを小さくすることがより容易
になってしまうからである。定性的な正しさは、実測値
と予測値のズレが小さいことと共に、より簡単な構造で
あることも、指標として必要になる。そのため、「反応
機構を構成する分子数は少ないほどよい。存在する反応
も少ないほどよい。原料を経由しない独立した分子(つ
まり自らが原料として振る舞っている分子)は少ないほ
どよい。」ということを関数の形で表し(数9はその一
例)、r global-Victoryに加味することが好ましい。
【0128】
【数9】
【0129】この数9では、rglobal-Victoryを単にr
globalと表示している。また、変数sは反応器あるいは
化学反応によって異なり、経験則に基づいたものであ
る。この例では、マクロキャビティ反応器におけるCV
Dの場合のものとして、nc:反応機構中の分子の数、
ks:表面反応の数、nkg:気相反応の数、nind:原
料を経由しない分子の数としている。
【0130】得られたrtotalを定性的な評価に用いる
ことにより、複雑な構造だが非常に良い計算値を与える
反応機構と、計算値の精度はほどほどに良いが構造がシ
ンプルな反応機構とが競争するような環境を作ることが
できる。
【0131】また、rglobal-Victoryは実測値と計算値
が完全に一致した場合は0になるが、たとえば0.00
1と0.01ではそれぞれおよそ0.1%と1%程度の
ズレが実測値と計算値との間にあることを示しており、
値としては10倍違うが、よく一致しているという意味
ではほとんど同じである。これらの違いよりは、計算誤
差の方が大きく、その大小を比較することはあまり必要
でない。よって、たとえばrglobal-Victoryに関して
は、しきい値を設け、それ以下になったら、しきい値と
等しいものとする態様が好ましい。数9では、しきい値
を2.0e−2としており、rglobal-Victoryがこれを
下回った場合、2.0e−2を用いることとしている。
このしきい値も、経験則に基づいた値であり、適宜変更
させる。
【0132】もちろん、最良評価値rglobal-Victory
のままを各トポロジカル染色体の評価値rtotalとして
用いてよいのは言うまでもなく、そのままでも反応機構
の高精度な解析は実現可能である。
【0133】以上の評価値rtotalを基に、トポロジカ
ル染色体の進化を行う。具体的な進化手法は、上述の非
トポロジカル染色体に対するものとほぼ同じである。
【0134】まず、各トポロジカル染色体の評価値r
totalの中で最も良い値(この場合も値が小さいほど良
い値となる)のものを勝者として選択する。この最良評
価値r total-Victoryが所望の値となっているか判断
し、なっていなければトポロジカル染色体を進化させ
る。このとき、エリート保存処理として、最良評価値か
ら良い値順に、設定された個数のトポロジカル染色体を
そのまま次世代へコピーする。それ以外のトポロジカル
染色体は選択、交叉、突然変異により次世代へ進化させ
る。
【0135】再び次世代トポロジカル染色体について反
応速度計算、ズレ計算、評価値換算、進化を行う。ここ
での反応速度計算には当然に最良評価値rVictoryを示
すテンポラリ染色体のパラメータおよび最良評価値r
global-Victoryを示す非トポロジカル染色体の反応速度
定数のみを用いる。つまり、テンポラリ染色体および非
トポロジカル染色体は各々の最良評価値を示すものに固
定したままで、トポロジカル染色体のみを進化させるの
である。この一連の処理を最良評価値rtotal-Vi ctory
が所望の値となるまで2世代、3世代・・・のトポロジ
カル染色体に対して行う。
【0136】そして、所望の値となった最良評価値r
total-Victoryを示すトポロジカル染色体が求める染色
体であり、そのトポロジカル染色体の表す反応経路が最
適なものとなる。
【0137】ここでのトポロジカル染色体の進化につい
ても、進化終了条件を評価値の所望値判断に限定する必
要はなく、進化回数判断や同一値判断などにより評価値
が所望のものとなったと判断して強制終了させてもよ
い。
【0138】以上の処理によって、第一段階の進化、つ
まり初代染色体からの進化が完了したことになる。引き
続きさらなる解析精度の向上を目指して、第一段階進化
後のテンポラリ染色体、非トポロジカル染色体、および
トポロジカル染色体を上述の各処理により第2段階の進
化へ導く。後は同様にして、次々に進化させて新世代の
染色体を作り、最終的に最もよい評価値を持つ染色体の
表す反応機構を、実際の反応機構に最も一致した反応機
構であるとみなす。
【0139】これにより、この出願の発明の反応機構解
析方法および反応機構解析装置は、高効率、且つ高精度
で反応機構の解析を行うことができるのである。なお、
上述の態様は、トポロジカル染色体、非トポロジカル染
色体、テンポラリ染色体の全てを遺伝的処理による進化
の対象とした場合のものであるが、たとえば、トポロジ
カル染色体は固定して、望みの定性的情報にしておき、
非トポロジカル染色体およびテンポラリ染色体のみを進
化させて定量的情報の解析を行うこともできる。またテ
ンポラリ染色体については、予め決定した全パラメータ
を外部から入力して固定させておき、その他の染色体を
進化対象とするようにしてもよい。
【0140】上述した反応機構解析装置は、たとえば、
汎用コンピュータを機能させるソフトウェア形態や、解
析専用コンピュータ(解析機器)形態あるいはそれに組
み込まれるソフトウェア形態として実現できる。ソフト
ウェア形態である場合には上記各手段はそれぞれの機能
を実行するプログラムとして実現され、また、解析専用
コンピュータ(解析機器)自体である場合には上記各手
段はそれぞれの機能を実行する算術論理回路などとして
実現できる。
【0141】この出願の発明は、以上のとおりの特徴を
有するものであるが、以下に、添付した図面に沿って実
施例を示し、この出願の発明の実施の形態についてさら
に説明する。
【0142】
【実施例】[実施例1]上述したこの出願の発明によ
り、図7のマクロキャビティにおけるCVD法による成
膜を仮想的に設定し、そのときの反応機構をシミュレー
ト解析した。
【0143】本実施例では、成膜に係る最大分子数をn
=4と設定し(分子1=原料、分子2,3,4=中間
体)、その場合の反応経路をトポロジカル染色体として
進化・解析する。
【0144】また、各分子間の気相反応速度定数および
各分子からの表面反応速度定数を非トポロジカル染色体
として進化・解析する。
【0145】さらにまた、成膜速度の計算には数4を用
い、数4に必要なマクロキャビティの内幅w、マクロキ
ャビティの中心からの距離x,L、原料の拡散係数D1
および各中間体の拡散係数D2,D3,D4はそれぞれ下
記の表1のとおりに固定する。なお、原料の拡散係数D
1および各中間体の拡散係数D2,D3,D4は共に同一値
とした。また、数4に必要な原料の濃度C01には原料の
供給濃度つまりマクロキャビティ外部での原料濃度Cを
用いることとし(表1の値)、各中間体の濃度C02,C
03,C04をテンポラリ染色体として進化・解析する。
【0146】計算成膜速度と比較する実測成膜速度とし
ては、図9に例示した仮想実験データを用いる。この図
9は、マクロキャビティの内幅wを0.1mm,0.2
mm,0.4mmと設定し、それぞれの場合において0
〜5mm範囲内の任意点xで計測したと仮定して算出し
た成膜速度を示している。
【0147】
【表1】
【0148】図10および図11は、各々、本実施例に
おける解析結果を示したものであり、図10はトポロジ
カル染色体の各世代の評価値を示し、図11は解析され
た反応経路および各反応速度定数を示している。
【0149】図10に示したように、初代トポロジカル
染色体から遺伝的処理により8回の進化を行い、8世代
目のトポロジカル染色体にてズレ(縦軸の評価値)が許
容範囲のものとなった。すなわち、この8世代目トポロ
ジカル染色体にて図11に示した正しい反応経路が表さ
れ、この反応経路における正しい反応定数が非トポロジ
カル染色体にて表されたことになる。
【0150】成膜に係った分子は結局は原料(=分子
1)および一つの中間体(=分子2)のみであり、原料
から中間体への気相反応、原料からの表面反応および中
間体からの表面反応が反応経路であることが解析でき
た。この反応経路における原料から中間体への気相反応
定数kg12、原料からの表面反応ks1および中間体か
らの表面反応ks2は、表2にて示したとおり、1.5
6[s-1],4.41×10-4[m/s],0.162
[m/s]と解析され、予め別の手法にて求めておいた
真の値1.28[s-1],4.62×10-4[m/
s],0.189[m/s]に十分近い値となってい
る。また、中間体の濃度C02についても正確に解析でき
た。
【0151】以上の結果から、この出願の発明により、
図7のマクロキャビティにおけるCVD法による成膜の
反応機構を高精度で解析できたことがわかる。
【0152】もちろん、この出願の発明は以上の例に限
定されるものではなく、細部については様々な態様が可
能である。たとえば、CVD法による成膜についての実
施例のみを示したが、この出願の発明は、薄膜だけでな
く繊維状物質や基板に付着する微粒子などといった様々
な固体生成物を生む化学反応に対しても適用できること
は言うまでもなく、この場合では反応速度計算に数4〜
6の計算式をそのまま用いることができる。もちろんそ
の他の各種公知の反応器および計算式も適用可能であ
る。また、気体→固体といった化学反応だけでなく、気
体、固体、液体間のあらゆる化学反応についても適用で
き、用いる反応器や計算式を適宜選択、補正すればよ
い。
【0153】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明によって、高効率、且つ高精度で反応機構の解析を行
うことのできる、新しい反応機構解析方法および反応機
構解析装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の反応機構解析装置を例示した
機能ブロック図である。
【図2】この出願の発明の反応機構解析方法を例示した
フローチャートである。
【図3】(a)〜(e)は、各々、反応経路の一例を示
した図である。
【図4】(a)(b)(c)は、各々、コーディング手
法を説明する図である。
【図5】別のコーディング手法を説明する図である。
【図6】トポロジカル染色体、非トポロジカル染色体、
テンポラリ染色体の三重入れ子構造を説明する図であ
る。
【図7】(a)(b)は、各々、マクロキャビティを例
示した斜視図および断面図である。
【図8】円管を例示した断面図である。
【図9】この出願の発明の実施例において用いる成膜速
度の仮想実測結果を例示した図である。
【図10】この出願の発明による解析結果の一例を示し
た図である。
【図11】この出願の発明による解析結果の一例を示し
た図である。
【符号の説明】
1 トポロジカル染色体作成手段 2 非トポロジカル染色体作成手段 3 テンポラリ染色体作成手段 4 反応速度計算手段 5 ズレ計算手段 6 評価値換算手段 7 染色体進化手段 8 記憶手段 10 マクロキャビティ 11 スペーサ 12 基板 13 薄膜 20 円管型反応器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江間 義則 静岡県浜松市寺島町329−1 ナイスアー バン浜松中央602 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA19 CA01 HA12 HA19 4B029 AA07 AA23 FA12 4B063 QA12 QQ42 QR32 QR55 QS32 5B075 UU18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応器における化学反応の反応機構を解
    析する方法であって、 反応経路を表すトポロジカル染色体を任意の本数作成す
    るステップ、 各トポロジカル染色体毎に、反応速度定数を表す非トポ
    ロジカル染色体を任意の本数作成するステップ、 各非トポロジカル染色体毎に、反応速度の計算に必要な
    パラメータを表すテンポラリ染色体を任意の本数作成す
    るステップ、 非トポロジカル染色体により表される反応速度定数およ
    びテンポラリ染色体により表されるパラメータを用いて
    前記反応器における反応速度を計算するステップ、 前記反応器における実測反応速度と計算反応速度とのズ
    レを計算するステップ、 ズレを評価値に換算するステップ、 評価値が所望の値となるまでトポロジカル染色体、非ト
    ポロジカル染色体およびテンポラリ染色体のうちの少な
    くともいずれかを遺伝的処理により進化させるステップ
    を有することを特徴とする反応機構解析方法。
  2. 【請求項2】 テンポラリ染色体により表されるパラメ
    ータには、少なくとも中間体の濃度が含まれる請求項1
    の反応機構解析方法。
  3. 【請求項3】 反応器における化学反応の反応機構を解
    析する装置であって、 反応経路を表すトポロジカル染色体を任意の本数作成す
    るトポロジカル染色体作成手段、 各トポロジカル染色体毎に、反応速度定数を表す非トポ
    ロジカル染色体を任意の本数作成する非トポロジカル染
    色体作成手段、 各非トポロジカル染色体毎に、反応速度の計算に必要な
    パラメータを表すテンポラリ染色体を任意の本数作成す
    るテンポラリ染色体作成手段、 非トポロジカル染色体により表される反応速度定数およ
    びテンポラリ染色体により表されるパラメータを用いて
    前記反応器における反応速度を計算する反応速度計算手
    段、 前記反応器における実測反応速度と計算反応速度とのズ
    レを計算するズレ計算手段、 ズレを評価値に換算する換算手段、 評価値が所望の値となるまでトポロジカル染色体、非ト
    ポロジカル染色体およびテンポラリ染色体のうちの少な
    くともいずれかを遺伝的処理により進化させる染色体進
    化手段を有することを特徴とする反応機構解析装置。
  4. 【請求項4】 テンポラリ染色体により表されるパラメ
    ータには、少なくとも中間体の濃度が含まれる請求項3
    の反応機構解析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009157176A1 (ja) * 2008-06-25 2009-12-30 国立大学法人山口大学 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010009257A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Yamaguchi Univ 合成経路評価システムとその方法とそのプログラム

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