JP2010008861A - カラーフィルタ、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに異なる色相の第1及び第2の着色透過領域12と、該第1及び第2の着色透過領域の間に遮光領域14とを有するカラーフィルタであって、前記第1及び第2の着色透過領域の少なくとも一方に、前記遮光領域との接部から面内の任意の方向x、yに沿って、法線方向zに対する光学的濃度の勾配が設けられ、該光学的濃度が、前記遮光領域との接部において最も大きいことを特徴とするカラーフィルタである。
【選択図】図1
Description
また、本発明は、カラーフィルタの回折光に起因する表示性能の低下が軽減された液晶表示装置を提供することを課題とする。
[1] 互いに異なる色相の第1及び第2の着色透過領域と、該第1及び第2の着色透過領域の間に遮光領域とを有するカラーフィルタであって、前記第1及び第2の着色透過領域の少なくとも一方に、前記遮光領域との接部から面内の任意の方向に沿って、法線方向に対する光学的濃度の勾配が設けられ、該光学的濃度が、前記遮光領域との接部において最も大きいことを特徴とするカラーフィルタ。
[2] 前記第1及び第2の着色透過領域の少なくとも一方に、少なくとも前記第1及び第2の着色透過領域の色相が混色した混色領域が存在し、それにより、光学的濃度の勾配が形成されていることを特徴とする[1]のカラーフィルタ。
[3] 前記混色領域が、少なくとも、前記第1の着色透過領域の色相の層と、前記第2の着色透過領域の色相の層との積層により形成されていることを特徴とする[1]又は[2]のカラーフィルタ。
[4] 第1及び第2の着色透過領域と異なる色相の第3の着色透過領域をさらに有し、前記第3の着色透過領域には遮光領域と接触する部分に、前記第1、第2及び第3の着色透過領域の色相が混色した混色領域が存在することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかのカラーフィルタ。
[5] 前記法線方向の光に対する光学的濃度の勾配が、前記透過領域の厚みの勾配によって形成されていることを特徴とする[1]のカラーフィルタ。
[6] 前記遮光領域が、ブラックマトリックス又は電極であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかのカラーフィルタ。
[7] 液晶セルと、偏光板と、[1]〜[6]のいずれかのカラーフィルタとを少なくとも有する液晶表示装置。
図1は、本発明のカラーフィルタの一例の一部を法線方向から見た平面図(a)である。また、図1(b)は、図1(a)中の破線で囲んだ部分の拡大図であり、図1(c)は図1(a)中の2つの破線で切断した部分を図中の矢印の方向からみた側面図である。なお、図1(a)〜(c)は、法線方向(図1(c)中の矢印z方向)から入射する光に対する、着色透過領域12の光学的濃度を模式的に濃淡で示したものであり、実際の色及び形状は必ずしも正確に反映されていない。
光学的濃度は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
これにより、透過領域に光学的濃度の勾配がない光学フィルタ(i)に法線方向から偏光を入射すると、図2中、(i)の曲線で示す通り、透過領域の幅を超えた部分に上記回折現象によって、ある程度の光強度が観測される。一方、光学的濃度に勾配のある光学フィルタ(ii)について同様に観察すると、図2中(ii)の曲線で示す通り、透過領域の幅を超えると、光強度はほとんど0になり、回折現象による光漏れが抑制されている。
図3に示すカラーフィルタは、パターニング用マスクを用いたフォトリソグラフィー等の技術を利用して作製することができる。以下に、この方法について、図5(a)〜(d)により詳細に説明するが、本発明のカラーフィルタの製造方法は、この方法に限定されるものではない。例えば、転写法及びインクジェット法を利用して作製することもできる。
図5(a)に示す通り、まず、ブラックマトリックスKが形成された基板を準備する。ブラックマトリックスKは、例えば、黒色感光性樹脂組成物を塗布液として調製し、該塗布液を基板表面に塗布乾燥し、フォトマスク等を介して露光し、その後、現像により非露光部(感光性組成物の種類によっては露光部)を除去することで作製することができる。その他、転写法、又はインクジェット法などを利用して作製することもできる。
(A)着色剤
各色の着色剤については、カラーフィルタの作製に用いられている、種々の色素、顔料等を利用することができる。より具体的には、各色の着色剤の例には、有機顔料、有機色素、フラーレン、ポリジアセチレン、ポリイミドなどの高分子有機材料、芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素(例えば、配向性を有する芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素、又は昇華性を有する芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素)などからなる粒子が含まれる。中でも、各色の着色剤が、有機ナノ粒子であるのが好ましい。各色に着色された有機ナノ粒子は、例えば、各色の着色剤である有機材料を良溶媒に溶解した有機材料溶液と、前記良溶媒と相溶性でありかつ前記有機材料に対しては貧溶媒となる溶媒とを混合し析出させて製造することができる。
前記着色感光性組成物における着色剤の含有量としては、10〜90質量%程度、好ましくは10〜80質量%になるように調節することが好ましい。
感光性組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの点からは、アルカリ水溶液で現像可能なものが好ましい。かかる点から、前記現像液に可溶な樹脂は、アルカリ可溶性樹脂から選択されるのが好ましい。
pKa3.0以下の酸に由来の基としてはスルホン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びリン酸アミド基などが挙げられる。中でも、欠け欠陥改良、樹脂の溶剤への溶解性の観点から、リン酸基、ホスホン酸基及びリン酸アミド基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
素、塩素、臭素等)又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。R1、R2及びR3は、より好ましくは水素原子又は炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは、水素原子又はメチル基である。更に、R2及びR3は、水素原子であることが特に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
以下に、式(I)〜(III)で表される代表的な化合物の例を示す。
酸性基としてはカルボン酸基(カルボキシル基)、スルホン酸基及びその他の活性水素を有する基などが挙げられるが、溶解性やアルカリ現像性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
単量体は分子内に付加重合性二重結合を有する化合物である。分子内に付加重合性二重結合と酸性基とを有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物の反応物、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸などが挙げられる。中でも、他の成分との共重合性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及び4−ビニル安息香酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
その他の単量体は、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体及び酸性基を有する単量体と、共重合可能な単量体から任意に選ぶことができる。具体的には、シアン化ビニル(例えば、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリルなど)、カルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル及びギ酸ビニルなど)、脂肪族共役ジエン(例えば、1,3‐ブタジエン及びイソプレンなど)、(メタ)アクリル酸のアルキル、アラルキル若しくはアリールエステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど)、アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド及びtert−オクチル(メタ)アクリルアミドなど)、置換アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど)、重合性オリゴマー(例えば、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートなど)等が挙げられる。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂におけるその他の単量体から得られる繰り返し単位の含有量は、0〜90質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、60〜90質量%が更に好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂の好ましい具体例(例示化合物JS−1〜JS−22)を示す。
さらに、前記JS−1〜JS−22において、本発明の好ましい共重合比の具体的化合物を表1に示す。
(C)光重合系材料は、光照射によって重合して硬化し、現像液に不溶となる材料である。通常は、光重合開始剤及び重合性モノマーを含む。
・光重合開始剤
前記光重合開始剤としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0012]、[0013]に記載の公知の開始剤を用いることができるが、中でもアミノアセトフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系及びオキシムエステル系からなる群より選択される少なくとも1種の光重合開始剤が好ましい。また、必要に応じて、光重合開始助剤を含有してもよい。
アシルフォスフィンオキサイド系の開始剤の具体例として、DAROCUR TPOや、Irgacure(Irg)819等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
オキシムエステル系の開始剤の具体例として、IRGACURE(Irg) OXE01や、CGI242等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。上述の開始剤の構造を以下に示す。
また、光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
前記「エチレン性二重結合を有する付加重合性モノマー(以下、単に「モノマー」とも言う。)」は、付加重合することで現像液に不溶な樹脂となり得るモノマーを意味する。
前記モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン若しくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
前記モノマーの感光性組成物の全固形分に対する含有量は、1〜50質量%が一般的であり、5〜40質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内にあると、光感度や画像の強度も低下せず、感光性組成物層の粘着性が過剰になることもない。
[液晶表示装置]
本発明は、液晶セルと、偏光板と、本発明のカラーフィルタとを少なくとも有する液晶表示装置にも関する。以下に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明は、従来の様々なモードの液晶表示装置のいずれにも利用することができる。様々なモードの液晶表示装置については、例えば、内田龍雄監修「反射型カラーLCD総合技術」((株)シーエムシー、1999年刊)、「フラットパネルディスプレイの新展開」((株)東レリサーチセンター調査部門、1996年刊)、「液晶関連市場の現状と将来展望(上巻)、(下巻)」(富士キメラ総研(株)、2003年刊)等に記載されているものが挙げられる。
(VAモード液晶表示装置)
図7に示す液晶表示装置は、偏光板PL1及びPL2と、その間に液晶セルLC(105〜107)を有する。上偏光板PL1は、偏光子102と、その表面に保護フィルム101及び103を有し;及び下偏光板PL2は、偏光子110と、その表面に保護フィルム109及び111を有する。さらに、上偏光板PL1と液晶セルLCとの間、及び下偏光板PL2と液晶セルLCとの間には、それぞれ光学異方性層104及び108が配置されている。光学異方性層104及び108は、複屈折性のポリマーフィルムであっても、液晶組成物の配向状態を固定して形成された膜であってもよい。複屈折性のポリマーフィルムである場合は、保護フィルム103及び109を省略することができる。
本発明の液晶表示装置の一態様は、TNモード液晶表示装置である。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献の記載が挙げられる。TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性分子が寝た配向状態にある。本態様の液晶表示装置は、TNモード液晶セル、及び該液晶セルの基板のいずれか一方の内面に本発明の光学フィルタであるカラーフィルタを有する。
本発明の液晶表示装置の一態様は、IPSモード液晶表示装置である。
IPSモードの液晶セルでは、液晶分子を基板に対して常に水平面内で回転させるモードで、電界無印加時には電極の長手方向に対して若干の角度を持つように配向されている。電界を印加すると電界方向に液晶分子は向きを変える。液晶セルを挟持する偏光板を所定角度に配置することで光透過率を変えることが可能となる。液晶分子としては、誘電率異方性Δεが正または負のネマチック液晶を用いる。IPSモード液晶セルのΔn・dは、0.25μm〜0.32μm程度とするのが好ましい。また液晶セルには、ネマチック液晶が利用される。本態様の液晶表示装置は、IPSモード液晶セル、及び該液晶セルの基板のいずれか一方の内面に本発明の光学フィルタであるカラーフィルタを有する。また、IPSモードの一態様として、2層の電極間に生じる横電界を利用して液晶分子を水平面内で回転させるFFS(Fringe Field Switching)モードもある。
本発明は、他のモードの液晶表示装置においても、同様に効果が得られる。他の液晶モードの例には、STNモード、OCBモード及びECBモードが含まれる。
1.実施例1
1.−1 カラーフィルタ(CF)基板の作製
以下の様に、図3に示す例と同様のカラーフィルタ基板を作製した。
1.−2 ブラック(K)画像の形成
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(平田機工(株)製)にて、黒色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置:東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K1を得た。
次に純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロマテリアルズ(株)製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、パターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、更に超純水をシャワーノズルで両面から吹き付けて、付着している現像液や前記感光性樹脂層溶解物を除去し、エアーナイフにて液切りを行い、ブラック(K)の画像を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
カラーフィルタの露光用マスクを上記K画像が形成された基板上に配置して、下記方法によりレッド画素を形成した。
使用したフォトマスクの一部の拡大模式図を図6に示す。使用したマスクは、33μmの赤色透過領域R用開口部、ブラックマトリクス用マスク部、緑色透過領域G用のマスク部とスリット部(但しスリット部はブラックマスク用のマスク部と接触する部分にある)、及び青色透過領域B用のマスク部とスリット部(但しスリット部はブラックマスク用のマスク部と接触する部分にある)を設けた。スリットの幅は約3μm程度とした。
前記K画像を形成した基板に、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(平田機工(株)製)にて、赤色感光性樹脂組成物R1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置:東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、120℃3分間プリベークして膜厚1.6μmの感光性樹脂層R1を得た。
超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板と前記マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と感光性樹脂層R1との間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
赤色透過領域Rの厚みは、1.6μmであり、顔料C.I.ピグメント・レッド254及びC.I.ピグメント・レッド177の塗布量はそれぞれ、0.88、0.22g/m2であった。
前記K画像と赤色透過領域Rと赤色層rとが形成された基板に、緑色感光性樹脂組成物G1を用い、前記赤色透過領域Rの形成と同様の工程で、基板状に、緑色透過領域Gを形成した(図5(c))。図5(c)に示すように、マスクのスリット部により、青色透過領域に対応する領域のK画像(遮光部)と接触する部分に、赤色層rと緑色層gとの積層が形成された。
緑色透過領域Gの膜厚は1.6μmであり、顔料C.I.ピグメント・グリーン36及びC.I.ピグメント・イエロー150の塗布量はそれぞれ、1.12及び0.48g/m2であった。
前記K画像、赤色透過領域R、及び緑色透過領域Gを形成した基板に、青色感光性樹脂組成物B1を用い、前記赤色透過領域Rの形成と同様の工程で、青色透過領域Bを形成した(図5(d))。図5(d)に示すように、マスクのスリット部により、赤色透過領域及び青色透過領域Bに対応する領域のK画像(遮光部)と接触する部分に、青色層bが形成された。
青色透過領域Bの膜厚は1.6μmであり、顔料C.I.ピグメント・ブルー15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット23の塗布量はそれぞれ、0.63及び0.07g/m2であった。
このカラーフィルタ基板の光学的濃度を縦軸に、基板面内の所定の方向をx軸にプロットしたグラフを図8に示す。上記方法により、図8に示す様に、各着色透過領域に光学的濃度の勾配を有するカラーフィルタ基板を作製した。
上記方法によって作製したカラーフィルタ基板の上に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。次いで、特開2006−64921号公報の実施例1に従い、このITO膜上の隔壁(ブラックマトリックス)上部に相当する部分にスペーサを形成した。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタのRGB画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
上記カラーフィルタ基板の作製方法において、各色の着色透過領域の形成時に、図9に示す、開口部及び遮光部に加えて、ハーフトーン部を有する、ハーフトーンフォトマスクを使用し、各着色層の厚みを変えて、各着色透過領域の光学的濃度を変化させ、図4に示す例と同様のカラーフィルタ基板を作製した。開口部とハーフトーン部を通過する光量の違いにより、着色透過領域中に厚みが異なる領域M1’、M2’及びM3’を形成した。各着色透過領域の厚みが厚くなっている領域M1’、M2’及びM3’の光学的濃度は1.0であり、その幅は3μmであった。即ち、図8のグラフ中の光学的濃度1.5の領域が光学的濃度1.0となっているカラーフィルタ基板を作製した。また、ブラックマトリックスの光学濃度は4.0であり、赤色透過領域R、緑色透過領域Bおよび青色透過領域Bはそれぞれ0.3、0.3、0.2であった。該カラーフィルタ基板を用いた以外は、上記と同様にして、液晶表示装置を作製した。
各着色透過領域に、幅が1μmであり、光学的濃度が1.0である領域のあるカラーフィルタ基板を作製した。即ち、図8のグラフ中の光学的濃度1.5の領域が光学的濃度1.0となっていて、及びその幅が1μmであるカラーフィルタ基板を作製した。ブラックマトリックスと各色透過領域の光学的濃度は実施例2と同様であった。該カラーフィルタ基板を用いた以外は、上記と同様にして、液晶表示装置を作製した。
各着色透過領域に幅が15μmであり、光学的濃度が1.0である領域のあるカラーフィルタ基板を作製した。即ち、図8のグラフ中の光学的濃度1.5の領域が光学的濃度1.0となっていて、及びその幅が15μmであるカラーフィルタ基板を作製した。ブラックマトリックスと各色透過領域の光学的濃度は実施例2と同様であった。該カラーフィルタ基板を用いた以外は、上記と同様にして、液晶表示装置を作製した。
各着色透過領域に幅が3μmであり、光学的濃度が0.5であるカラーフィルタ基板を作製した。即ち、図8のグラフ中の光学的濃度0.5となっていて、及びその幅が3μmであるカラーフィルタ基板を作製した。ブラックマトリックスと各色透過領域の光学的濃度は実施例2と同様であった。該カラーフィルタ基板を用いた以外は、上記と同様にして、液晶表示装置を作製した。
各着色透過領域に幅が3μmであり、光学的濃度が3.0であるカラーフィルタ基板を作製した。即ち、図8のグラフ中の光学的濃度1.5の領域の光学的濃度が3.0であり、及びその幅が3μmであるカラーフィルタ基板を作製した。ブラックマトリックスと各色透過領域の光学的濃度は実施例2と同様であった。該カラーフィルタ基板を用いた以外は、上記と同様にして、液晶表示装置を作製した。
上記カラーフィルタ基板の作製方法において、各色の着色透過領域の形成時に、スリットのないフォトマスクを使用した以外は、同様にしてカラーフィルタ基板を作製し、該カラーフィルタ基板を用いた以外は、上記と同様にして、液晶表示装置を作製した。
実施例及び比較例の液晶表示装置のそれぞれを、白表示及び黒表示させ、輝度を、色彩輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いて測定し、コントラストを算出した。結果を下記表に示す。
12 着色透過領域
14 遮光領域
z 法線方向
x、y カラーフィルタ面内の任意の方向
R 赤色透過領域
G 緑色透過領域
B 青色透過領域
K ブラックマトリックス
M1、M2、M3 混色領域
M1’、M2’、M3’ 厚みが厚い領域
r 赤色層
g 緑色層
101、103、109、111 保護フィルム
102、110 偏光子
104、108 光学異方性層
105、107 液晶セル基板
106 液晶層
LC 液晶セル
PL1、Pl2 偏光板
Claims (7)
- 互いに異なる色相の第1及び第2の着色透過領域と、該第1及び第2の着色透過領域の間に遮光領域とを有するカラーフィルタであって、前記第1及び第2の着色透過領域の少なくとも一方に、前記遮光領域との接部から面内の任意の方向に沿って、法線方向に対する光学的濃度の勾配が設けられ、該光学的濃度が、前記遮光領域との接部において最も大きいことを特徴とするカラーフィルタ。
- 前記第1及び第2の着色透過領域の少なくとも一方に、少なくとも前記第1及び第2の着色透過領域の色相が混色した混色領域が存在し、それにより、光学的濃度の勾配が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
- 前記混色領域が、少なくとも、前記第1の着色透過領域の色相の層と、前記第2の着色透過領域の色相の層との積層により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ。
- 第1及び第2の着色透過領域と異なる色相の第3の着色透過領域をさらに有し、前記第3の着色透過領域には遮光領域と接触する部分に、前記第1、第2及び第3の着色透過領域の色相が混色した混色領域が存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
- 前記法線方向の光に対する光学的濃度の勾配が、前記透過領域の厚みの勾配によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
- 前記遮光領域が、ブラックマトリックス又は電極であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
- 液晶セルと、偏光板と、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタとを少なくとも有する液晶表示装置。
Priority Applications (1)
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