JP2010008060A - 路面状態判別装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より高精度に路面状態を判別することが可能な路面状態判別装置を提供する。
【解決手段】路面上における線状の経路に沿って或いは1点でレーザ光を照射しつつ、路面からの反射光を測定するレーザ測定装置と、路面温度を測定する温度測定装置と、レーザ測定装置の測定結果に所定の統計処理を施して得られる統計処理結果と路面温度に基づいて路面状態を判別する判別装置とを備えた路面状態判別装置とし、判別装置は、路面の雪が解けた場合に乾燥を含む路面状態を判別する第1の路面判別モードと、路面に雪が積もった場合に乾燥を除外して路面状態を判別する第2の路面判別モードとを路面状態の判別結果に応じて選択的に切り替えるものとする。
【選択図】図1
【解決手段】路面上における線状の経路に沿って或いは1点でレーザ光を照射しつつ、路面からの反射光を測定するレーザ測定装置と、路面温度を測定する温度測定装置と、レーザ測定装置の測定結果に所定の統計処理を施して得られる統計処理結果と路面温度に基づいて路面状態を判別する判別装置とを備えた路面状態判別装置とし、判別装置は、路面の雪が解けた場合に乾燥を含む路面状態を判別する第1の路面判別モードと、路面に雪が積もった場合に乾燥を除外して路面状態を判別する第2の路面判別モードとを路面状態の判別結果に応じて選択的に切り替えるものとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、道路の路面状態を判別する路面状態判別装置に関する。
道路の路面状態を判別することは交通安全を確保するために極めて重要であり、離間した複数地点における道路の路面状態を自動的に判別するために表面状態判別装置が用いられる。この表面状態判別装置の判別結果を用いることで、例えば路面の凍結や積雪が生じたときにロードヒーティング、除雪、又は凍結防止材の散布等の対策を早期に行うことができる。また、表面状態判別装置の判別結果を道路情報として提供することで、例えば運転者が予めスタッドレスタイヤへのタイヤ交換又はチェーンの装着等の措置をとることができる。これらの対策や措置が早期に行われることで、交通事故の発生確率の減少につながる。
以下の特許文献1には、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)から射出される赤外光を路面に照射し、その正反射光量と拡散反射光量との比を用いて路面状態を判定する路面状態判定方法が開示されている。また、以下の特許文献2には、対象物の湿潤度により赤外線吸収が大きく変化する測定光の赤外線と、対象物の湿潤度により赤外線吸収が小さく変化する参照光の赤外線とを対象物に照射して、反射する各赤外線の反射光強度に基づいて対象物の湿潤度を求める方法が開示されている。また、以下の特許文献3には、路面にレーザ光を照射して得られる反射光を受光することにより路面状態画像データを取得し、この路面状態画像データに基づいて路面状態を判別する路面状態監視装置が開示されている。
特開2002−195940号公報
特開2001−141650号公報
特開2002−39861号公報
ところで、本出願人は、大幅なコスト上昇を伴わずに単純な制御で被測定物の必要な範囲内の表面状態を高精度に判別し得る発明(表面状態判別装置)を、特願2008−058335として出願している。この特願2008−058335の発明は、被測定物(道路)の表面上における線状の経路に沿ってレーザ光を照射しつつ、路面からの反射光を測定し、その測定結果を用いて所定の統計処理を行い、当該統計処理の結果(例えば、反射強度の平均値)に基づいて路面状態を判別するものである。
図8(a)は、レーザ光の反射強度(正確には反射強度の平均値であるが、以下では単に反射強度と略す)及び路面温度に基づいて、「積雪」、「乾燥」、「凍結」、「湿潤」の4つの路面状態を判別するための原理を示す模式図である。この図8(a)に示すように、反射強度Rが閾値Rth1未満の場合、路面状態は「凍結」または「湿潤」であると判別でき、さらに、路面温度Tが閾値Tth以上の場合は「湿潤」、閾値Tth未満の場合は「凍結」であると判別できる。また、反射強度Rが、閾値Rth1以上且つ閾値Rth2未満の場合、路面状態は路面温度に拘わらず「乾燥」と判別できる。また、反射強度Rが、閾値Rth2以上且つ閾値Rth3未満の場合、路面状態は路面温度に拘わらず「積雪」と判別できる。なお、上記の反射強度Rに関する閾値Rth1、Rth2、Rth3及び路面温度Tに関する閾値Tthは、実際に、路面状態と反射強度及び路面温度との関係を調査した結果に基づいて設定されるものである。
図8(b)は、上述した原理に基づく路面判別処理を示すフローチャートである。この図8(b)に示すように、まず、レーザ光を路面に照射して得られる反射強度Rと、閾値Rth1、Rth2、Rth3とが比較されて路面状態が判別される(ステップS100)。すなわち、Rth2≦R<Rth3の場合、路面状態は「積雪」と判別される(ステップS101)。また、Rth1≦R<Rth2の場合、路面状態は「乾燥」と判別される(ステップS102)。一方、R<Rth1の場合は、路面温度Tと閾値Tthとが比較され(ステップS103)、T<Tthの場合、路面状態は「凍結」と判別され(ステップS104)、T≧Tthの場合、路面状態は「湿潤」と判別される(ステップS105)。
ところが、本出願人が路面状態と反射強度及び路面温度との関係を詳細に調査した結果、図9に示すように、反射強度Rの広い範囲に亘って路面凍結が発生することが確認され、上述のような路面判別処理では路面状態が「凍結」であるにも拘わらず、「乾燥」や「積雪」と誤判別される虞があることがわかった。
また、実際に路面状態が「積雪」から雪が溶けて「湿潤」に変化する過程において、「積雪」→「乾燥」→「湿潤」となることはあり得ず、必ず「積雪」→「湿潤」→「乾燥」と変化するはずである。しかしながら、図8(b)からわかるように、路面状態が「積雪」から「湿潤」に変化する場合、反射強度Rは必ずRth1≦R<Rth2の範囲を通過することになり、その際に路面状態を「乾燥」と誤判定してしまう虞がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、より高精度に路面状態を判別することが可能な路面状態判別装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、路面状態判別装置に係る第1の解決手段として、路面上における線状の経路に沿って或いは1点でレーザ光を照射しつつ、路面からの反射光を測定するレーザ測定装置と、路面温度を測定する温度測定装置と、前記レーザ測定装置の測定結果に所定の統計処理を施して得られる統計処理結果と前記路面温度に基づいて路面状態を判別する判別装置とを備え、前記判別装置は、路面の雪が解けた場合に乾燥を含む路面状態を判別する第1の路面判別モードと、路面に雪が積もった場合に乾燥を除外して路面状態を判別する第2の路面判別モードとを路面状態の判別結果に応じて選択的に切り替えることを特徴とする。
また、本発明では、路面状態判別装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記判別装置は、所定サンプリング周期で前記路面温度をサンプリングし、所定値以上の路面温度を所定時間区間について積算する機能を有し、前記第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を乾燥または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が乾燥であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を乾燥と判別する一方、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が乾燥以外であって、前記路面温度の積算値が閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を乾燥と判別し、前記路面温度の積算値が閾値未満であれば凍結と判別することを特徴とする。
また、本発明では、路面状態判別装置に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記判別装置は、前記路面温度の積算値が閾値未満であって、前記路面温度の現在値が第1の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の現在値が第1の凍結判別閾値以上であれば乾燥と判別する。
また、前記第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を湿潤または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば凍結と判別する。
また、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であって、前記路面温度の積算値が閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の積算値が閾値以上であれば湿潤と判別する。
また、前記第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別する一方、連続して積雪と判別された回数が所定数に達した場合に前記第2の路面判別モードに切替える。
また、前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を湿潤または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であって、前記統計処理結果が第1の判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別し、前記統計処理結果が第1の判別閾値未満であって、連続して前記統計処理結果が第1の判別閾値未満となった回数が所定数に達していない場合に、今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別する一方、連続して前記統計処理結果が第1の判別閾値未満となった回数が所定数に達した場合に湿潤と判別すると共に前記第1の路面判別モードに切替える。
また、前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を凍結または積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であれば積雪と判別する。
また、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であって、前記統計処理結果が第2の判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別する一方、前記統計処理結果が第2の判別閾値未満であれば湿潤と判別する。
さらに、前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別する。
また、前記第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を湿潤または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば凍結と判別する。
また、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であって、前記路面温度の積算値が閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の積算値が閾値以上であれば湿潤と判別する。
また、前記第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別する一方、連続して積雪と判別された回数が所定数に達した場合に前記第2の路面判別モードに切替える。
また、前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を湿潤または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であって、前記統計処理結果が第1の判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別し、前記統計処理結果が第1の判別閾値未満であって、連続して前記統計処理結果が第1の判別閾値未満となった回数が所定数に達していない場合に、今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別する一方、連続して前記統計処理結果が第1の判別閾値未満となった回数が所定数に達した場合に湿潤と判別すると共に前記第1の路面判別モードに切替える。
また、前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を凍結または積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であれば積雪と判別する。
また、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であって、前記統計処理結果が第2の判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別する一方、前記統計処理結果が第2の判別閾値未満であれば湿潤と判別する。
さらに、前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別する。
本発明では、路面の雪が解けた場合に乾燥を含む路面状態を判別する第1の路面判別モードと、路面に雪が積もった場合に乾燥を除外して路面状態を判別する第2の路面判別モードとを路面状態の判別結果に応じて選択的に切り替える。つまり、路面状態が「積雪」から「湿潤」に変化する過程では、乾燥を除外して路面状態を判別する第2の路面判別モードが使用されることになるため、特願2008−058335で問題となっていた、路面状態が「積雪」から「湿潤」に変化する過程で路面状態を「乾燥」と誤判定してしまうことを防止することができる。
また、本発明では、第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を乾燥または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が乾燥であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を乾燥と判別する一方、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が乾燥以外であって、路面温度の積算値が閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を乾燥と判別し、路面温度の積算値が閾値未満であれば凍結と判別するため、特願2008−058335で問題となっていた、路面状態が「凍結」であるにも拘わらず、「乾燥」と誤判別されることを防止することができる。
また、本発明では、第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を凍結または積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であれば積雪と判別するため、特願2008−058335で問題となっていた、路面状態が「凍結」であるにも拘わらず、「積雪」と誤判別されることを防止することができる。
以上のように本発明によれば、より高精度に路面状態を判別することが可能な路面状態判別装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による路面状態判別装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による路面状態判別装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の路面状態判別装置1は、レーザ測定装置11、路面温度計12(温度測定装置)、及び制御処理装置13を備えており、レーザ測定装置11及び路面温度計12の測定結果に基づいて路面状態を判別し、その判別結果を示す判別信号D1を出力する。
レーザ測定装置11は、レーザセンサ11aと駆動装置11bとを備えており、路面に予め設定された計測エリアMA(図3(b)参照)に対してレーザ光を照射するとともに、その反射光を受光して計測エリアにおけるレーザ光の反射強度を測定し、その測定結果を示す信号S1を出力する。尚、詳細は後述するが、路面に設定された計測エリアは線状の経路であり、レーザ測定装置11はこの経路に沿ってレーザ光を照射しつつレーザ光の反射強度を測定する。駆動装置11bは、レーザ駆動装置11から射出されたレーザ光が、路面に設定された線状の経路に沿って移動するようにレーザセンサ11aを揺動させる。この駆動部11bは、制御処理装置13から出力される制御信号C1に基づいてレーザセンサ11aを駆動する。
図2は、レーザ測定装置11の外観を模式的に示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図である。図2に示すレーザ測定装置11は、レーザセンサ11aと、レーザセンサ11aをモータ駆動により揺動させる駆動装置11bと、レーザセンサ11aを揺動可能に支持するとともに駆動装置11bを固定支持する支持部材21とを備える。
支持部材21は、平板状の第1支持板21aと、第1支持板21aの一端において第1支持板21aに対して直交するように取り付けられた平板状の第2支持板21bとを備えるL字形状の部材である。第1支持板21aの第2支持板21bが取り付けられた面の略中央部には、レーザセンサ11aを揺動可能に支持する略円錐形状の支点22が設けられている。
レーザセンサ11aは、外形形状が直方体形状であって、正面に配置された射出口Hからレーザ光Lを射出する。このレーザセンサ11aは、支持部材21に設けられた支点22によって、支点22を中心として支持板21aに平行な面内で揺動可能に支持されている。つまり、図2(a)中の符号dを付した方向に揺動可能である。また、レーザセンサ11aの上面であって、射出口Hが形成されている端部とは反対側の端部には、溝の方向がレーザ光Lの射出方向に沿うように設定されたラック23が取り付けられている。
駆動装置11bは、モータ24と、モータ24の回転軸に取り付けられた平歯車25とからなる。モータ24は、回転軸がレーザ光Lの射出方向に沿う方向に設定され、且つ回転軸に取り付けられた平歯車25がレーザセンサ11aに取り付けられたラック23と噛み合うように支持部材21の第2支持板21bに固定支持されている。モータ24の回転軸に取り付けられた平歯車25及びレーザセンサ11aに取り付けられたラック23によって、モータ24の回転運動がレーザ光Lの射出方向と交差する方向の直線運動に変換される。
このため、モータ24の正転と反転とを切り替えることにより、支点22を中心としてレーザセンサ11aを揺動させることができる。尚、支持部材21の第1支持板21aに傾きがある場合には、平歯車25とラック23との噛み合わせが外れて、第1支持板21aに平行な面とは異なる面内でレーザセンサ11aが揺動することが考えられる。このため、レーザセンサ11aの動きを支点22を中心とした第1支持板21aに平行な面内における回転運動(揺動)に規制するガイドレール等を設けるのが望ましい。
図3は、レーザ測定装置11の設置例を示す図であって、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。図3(a)に示す通り、レーザ測定装置11は、路面Rに対して垂直に延びる支柱Pに路面Rを俯瞰するように取り付けられる。ここで、レーザ測定装置11は、設置高さhが例えば5.2mであって、設置角度(路面Rに対するレーザ光の照射角度)θが例えば20°になるように支柱Pに取り付けられる。このとき、図3(b)に示す通り、レーザ測定装置11から路面Rに設定された計測エリアMA(レーザ光が照射される路面R上に設定された経路)までの平面視における距離Gは、約1.9mになる。
また、路面R上に設定される計測エリアMAの長さlは、30cm程度に設定される。
かかる長さに設定するのは、路面状態を観測する場合には車両の安全確保を目的とするために路面Rに形成された轍W(図3(a)参照)を計測することが多く、轍Wの幅は30〜50cm程度になるからである。尚、轍Wを計測する場合には、計測エリアMAは、轍Wに沿うように(轍W内に収まれば轍Wの長手方向に対して斜め方向であっても良い)設定される。計測エリアMAの長さlが30cmである場合には、レーザ光を振る角度φ(即ち、レーザセンサ11aを揺動させる角度)が±4.5°程度になる。
かかる長さに設定するのは、路面状態を観測する場合には車両の安全確保を目的とするために路面Rに形成された轍W(図3(a)参照)を計測することが多く、轍Wの幅は30〜50cm程度になるからである。尚、轍Wを計測する場合には、計測エリアMAは、轍Wに沿うように(轍W内に収まれば轍Wの長手方向に対して斜め方向であっても良い)設定される。計測エリアMAの長さlが30cmである場合には、レーザ光を振る角度φ(即ち、レーザセンサ11aを揺動させる角度)が±4.5°程度になる。
レーザ測定装置11は、制御処理装置13の制御の下で、予め設定された計測間隔毎(路面判別タイミング毎)に、駆動装置11bの駆動によりレーザセンサ11aを揺動させてレーザセンサ11aからのレーザ光Lを計測エリアMAに沿って照射しつつ、路面Rからの反射光を測定する。図4は、計測エリアMA上におけるレーザ測定装置11の計測点の一例を示す図である。図4に示す通り、計測エリアMAに沿って複数の計測点MP1〜MPnが設定されており、レーザ計測装置11はこれら計測点MP1〜MPnにおける反射光の強度を測定する。
尚、計測エリアMA上における計測点MP1〜MPnの数、位置、間隔は任意でよい。
また、これら計測点MP1〜MPnは必ずしも固定である必要はなく、計測毎に異なる位置に設定されても良い。例えば、計測エリアMA上においてレーザ光Lを往復させる場合に、往路のときの計測点と復路のときの計測点とを異なる位置に設定しても良い。また、往路と復路で計測点の数を異ならせても良い。
また、これら計測点MP1〜MPnは必ずしも固定である必要はなく、計測毎に異なる位置に設定されても良い。例えば、計測エリアMA上においてレーザ光Lを往復させる場合に、往路のときの計測点と復路のときの計測点とを異なる位置に設定しても良い。また、往路と復路で計測点の数を異ならせても良い。
図1に戻り、路面温度計12は、道路の路面R又は路面Rの近傍の温度を測定し、その測定結果を示す信号S2を出力する。路面温度計12は、例えば道路上に設定されたレーザセンサ11の計測エリアMA内又はその近傍に配置され、道路に埋設されることにより道路の路面又は路面近傍の温度を測定する。この路面温度計12としては、例えば温度に対して抵抗値が変化するサーミスタ、リニア抵抗器、又は白金測温抵抗体等を用いることができる。
制御処理装置13は、信号処理部13a(判別装置)及び送信部13bを備えており、レーザ測定装置11及び路面温度計12の測定結果に基づいて道路の路面状態を判別して判別信号D1を外部に送信するとともに、レーザ測定装置11に設けられた駆動装置11bを制御する。信号処理部13aは、レーザ測定装置11からの信号S1及び路面温度計12からの信号S2を入力としており、レーザ測定装置11からの信号S1に所定の統計処理を施して得られる統計処理結果と路面温度に基づいて路面状態を判別する。
この信号処理部13aは、路面の雪が解けた場合に「乾燥」を含む路面状態を判別する第1の路面判別モードと、路面に雪が積もった場合に「乾燥」を除外して路面状態を判別する第2の路面判別モードとを、路面状態の判別結果に応じて選択的に切り替える機能を有している。さらに、この信号処理部13aは、所定のサンプリング周期で路面温度をサンプリングし、所定値(例えば0°C)以上の路面温度を所定時間区間について積算する機能を有している。所定時間区間とは、例えば午前8時から翌日の午前8時までの24時間であり、翌日の午前8時に達した時点で路面温度の積算値はリセットされるものとする。
送信部13bは、信号処理部13aの判別結果を判別信号D1として外部に送信する。ここで、制御処理装置13は、例えば有線又は無線によって道路の路面状態を統括して監視する監視センター等に接続されており、送信部13bから送信される判別信号D1は、監視センターに収集される。尚、本実施形態では、説明を簡単にするために、送信部13bが判別信号D1のみを外部に送信する場合を例に挙げて説明するが、判別信号D1に加えレーザ測定装置11の測定結果や路面温度計12の測定結果、或いは、レーザ測定装置11に関する制御情報(例えば、振れ角等)を送信しても良い。
次に、上記のように構成された路面状態判別装置1の動作について詳細に説明する。
上記構成において、予め設定された所定の計測間隔が経過して、今回の路面判別タイミングが到来すると、制御処理装置13からレーザ測定装置11に対して制御信号C1が出力され、これにより駆動装置11bによってレーザセンサ11aが駆動されて路面Rの計測が行われる。つまり、駆動装置11bによってレーザセンサ11aが揺動されることによってレーザセンサ11aから射出されたレーザ光Lが計測エリアMAに沿って路面R上に照射され、レーザ光Lが図4を用いて説明した計測点MP1〜MPnの各々に照射された時点でレーザ光Lの反射強度が測定される。
上記構成において、予め設定された所定の計測間隔が経過して、今回の路面判別タイミングが到来すると、制御処理装置13からレーザ測定装置11に対して制御信号C1が出力され、これにより駆動装置11bによってレーザセンサ11aが駆動されて路面Rの計測が行われる。つまり、駆動装置11bによってレーザセンサ11aが揺動されることによってレーザセンサ11aから射出されたレーザ光Lが計測エリアMAに沿って路面R上に照射され、レーザ光Lが図4を用いて説明した計測点MP1〜MPnの各々に照射された時点でレーザ光Lの反射強度が測定される。
計測点MP1〜MPnの各々における反射強度の測定結果は信号S1として制御処理装置13の信号処理部13aに入力され、この信号処理部13aは、計測点MP1〜MPnの各々における反射強度の測定結果のうち、値が最も大きな所定個の測定結果と値が最も小さな所定個の測定結果とを除外した残りの測定結果の平均値を求める処理を上記の統計処理として行う。以下、図5を参照して信号処理部13aで行われる統計処理について具体的に説明する。
図5に示す通り、信号処理部13aに反射強度を示す10個のデータ(データ番号「1」〜「10」)が入力されたとする。信号処理部13aは、まず反射強度が最も大きさ2つのデータ(データ番号「3」、「9」のデータ)と、反射強度が最も小さな2つのデータ(データ番号「1」、「2」のデータ)とを除外し、次いで残りの6つのデータ(データ番号「4」〜「8」、「10」)の平均値を求める処理を行う。ここで、データ番号「3」、「9」のデータは、他のデータに比べて反射強度が高くなっているが、これは路面R上の異物(例えば、落ち葉)の影響を受けたものであると考えられる。
図5に示す10個のデータ全ての平均値を求めると図中の平均値AV1になるが、これに対し、除外処理を行った上での平均値(データ番号「4」〜「8」,「10」の平均値)を求めると図中の平均値AV2になり、平均値AV1よりも大きく値が小さくなっているのが分かる。このように、値が最も大きな数個のデータ及び値が最も小さな数個のデータを除外した上で平均値を求めることで、路面R上に一時的に存在する落ち葉等の異物等による測定精度の悪化を防止することができる。
このように、信号処理部13aは、今回の路面判別タイミングにおいて、レーザ測定装置11の測定結果の統計処理結果として、レーザ光の反射強度の平均値AV2を得る。以下では、説明の便宜上、統計処理結果である反射強度の平均値AV2を、単に反射強度Rと略す。一方、路面温度計12による路面温度の測定は、路面判別タイミングに関係なく常時行われており、信号処理部13aは、上記の統計処理と平行して所定のサンプリング周期で路面温度をサンプリングし、所定値(0°C)以上の路面温度を所定時間区間(午前8時〜翌日午前8時)について積算している。
信号処理部13aは、上記のように、今回の路面判別タイミングの統計処理結果(つまり反射強度R)を取得すると、現在の路面判別モード(第1の路面判別モードまたは第2の路面判別モード)に応じた路面判別処理を実行する。この信号処理部13aにおける路面判別モードは、前回の路面判別タイミングにおける路面状態の判別結果に応じて選択的に切替わるものであるが、路面状態判別装置1の電源投入直後の初期状態では、予め第1の路面判別モードまたは第2の路面判別モードのいずれかに設定されている。
図6は、第1の路面判別モード時に信号処理部13aが実行する路面判別処理を表すフローチャートである。なお、この第1の路面判別モードは、路面の雪が解けた場合に「乾燥」を含む路面状態を判別するためのモードである。
この図6に示すように、信号処理部13aは、第1の路面判別モードにおいて、まず、統計処理結果である反射強度Rがレベル1(LV1)、レベル2(LV2)、レベル3(LV3)、レベル4(LV4)のどれに含まれるか判定する(ステップS1)。
この図6に示すように、信号処理部13aは、第1の路面判別モードにおいて、まず、統計処理結果である反射強度Rがレベル1(LV1)、レベル2(LV2)、レベル3(LV3)、レベル4(LV4)のどれに含まれるか判定する(ステップS1)。
ここで、LV1〜LV4とは、図9に示す路面状態と反射強度R及び路面温度Tとの関係を基に予め設定されている。すなわち、LV1は、図9に示すように、路面状態を「湿潤」または「凍結」と判別すべき閾値範囲(R<Rth1)に相当する。また、LV2は、路面状態を「乾燥」または「凍結」と判別すべき閾値範囲(Rth1≦R<Rth2)に相当する。また、LV3は、路面状態を「凍結」または「積雪」と判別すべき閾値範囲(Rth2≦R<Rth3)に相当する。LV4は、路面状態を「積雪」と判別すべき閾値範囲(R≧Rth3)に相当する。
上記ステップS1において、信号処理部13aは、反射強度RがLV2に含まれると判定した場合、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が「乾燥」であったか否かを判定し(ステップS2)、「Yes」の場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「乾燥」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS3)。これは、反射強度RがLV2に含まれ、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が「乾燥」であれば、今回の路面状態も「乾燥」である可能性が高いからである。
一方、上記ステップS2において、「No」の場合、つまり前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が「乾燥」以外であった場合、信号処理部13aは、路面温度の積算値が閾値(例えば100)以上か否かを判定し(ステップS4)、「Yes」の場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「乾燥」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS5)。これは、反射強度RがLV2に含まれ、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が「乾燥」以外であったとしても、路面温度の積算値が一定値以上であれば路面状態は「乾燥」である可能性が高いからである。
また、上記ステップS4において、「No」の場合、つまり路面温度の積算値が閾値未満の場合、信号処理部13aは、路面温度Tの現在値が第1の凍結判別閾値Tth1(例えば0°C)未満か否かを判定し(ステップS6)、「Yes」の場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「凍結」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS7)。一方、このステップS7において、「No」の場合、つまり路面温度Tの現在値が第1の凍結判別閾値Tth1以上の場合、信号処理部13aは、今回の路面判別タイミングの路面状態を「乾燥」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS8)。
このように、ステップS4で路面温度の積算値が閾値未満と判定された場合は、基本的に路面状態は「凍結」である可能性が高いが、本実施形態では、より判別精度の向上を図るために、さらにステップS6を設けて、路面温度Tの現在値が第1の凍結判断閾値Tth1未満の場合に「凍結」と判別している。従って、このステップS6は必ずしも設ける必要はなく、ステップS4で路面温度の積算値が閾値未満と判定された場合は、即座に路面状態は「凍結」であると判別するようにしても良い。
上記のようなステップS1〜S8によって、特願2008−058335で問題となっていた路面状態が「凍結」であるにも拘わらず「乾燥」と誤判別することを防止することが可能となる。
一方、上記ステップS1において、信号処理部13aは、反射強度RがLV1に含まれると判定した場合、路面温度Tの現在値が第2の凍結判別閾値Tth2(例えば−2°C)以上か否かを判定し(ステップS9)、「Yes」の場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「湿潤」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS10)。
また、上記ステップS9において、「No」の場合、つまり路面温度Tの現在値が第2の凍結判別閾値Tth2未満の場合、信号処理部13aは、路面温度の積算値が閾値以上か否かを判定し(ステップS11)、「Yes」の場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「湿潤」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS12)。一方、上記ステップS11において、「No」の場合、つまり路面温度の積算値が閾値未満の場合、信号処理部13aは、今回の路面判別タイミングの路面状態を「凍結」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS13)。
このように、ステップS9で路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値Tth2未満と判定された場合は、基本的に路面状態は「凍結」である可能性が高いが、本実施形態では、より判別精度の向上を図るために、さらにステップS11を設けて、路面温度の積算値が閾値未満の場合に「凍結」と判別している。従って、このステップS11は必ずしも設ける必要はなく、ステップS9で路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値Tth2未満と判定された場合は、即座に路面状態は「凍結」であると判別するようにしても良い。
一方、ステップS1において、信号処理部13aは、反射強度RがLV3またはLV4に含まれると判定した場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「積雪」と判別すし(ステップS14)、さらに、連続して「積雪」と判別された回数が所定数(例えば10回)に達したか否かを判定する(ステップS15)。このステップS15において、「No」の場合、つまり連続して「積雪」と判別された回数が所定数に達していない場合、信号処理部13aは、路面状態を「積雪」と判別したまま路面判別処理を終了する。一方、上記ステップS15において、「Yes」の場合、つまり連続して「積雪」と判別された回数が所定数に達した場合、信号処理部13aは、路面判別モードを第2の路面判別モードに切り替えて路面判別処理を終了する(ステップS16)。
このように、連続して「積雪」と判別された回数が所定数に達した場合、路面上には確実に雪が積もっていると判別できるため、第2の路面判別モードに切り替えて、次回の路面判別タイミングが到来した際には、第2の路面判別モードに応じた路面判別処理を実行する。なお、それ以外のステップS3、S5、S7、S8、S10、S12、S13において、路面状態の判別結果が確定した場合、及びステップS15において「No」の判定結果になった場合では路面判別モードの切り替えは行わず、次回の路面判別タイミングが到来した際も同様に第1の路面判別モードに応じた路面判別処理を実行する。
図7は、第2の路面判別モード時に信号処理部13aが実行する路面判別処理を表すフローチャートである。なお、この第2の路面判別モードは、路面に雪が積もった場合に「乾燥」を除外して路面状態を判別するためのモードである。
図7に示すように、信号処理部13aは、第2の路面判別モードにおいて、まず、統計処理結果である反射強度RがLV1、LV2、LV3、LV4のどれに含まれるか判定する(ステップS20)。
図7に示すように、信号処理部13aは、第2の路面判別モードにおいて、まず、統計処理結果である反射強度RがLV1、LV2、LV3、LV4のどれに含まれるか判定する(ステップS20)。
上記ステップS20において、信号処理部13aは、反射強度RがLV1に含まれると判定した場合、路面温度Tの現在値が第2の凍結判別閾値Tth2未満か否かを判定し(ステップS21)、「Yes」の場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「凍結」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS22)。一方、上記ステップS21において、「No」の場合、つまり路面温度Tの現在値が第2の凍結判別閾値Tth2以上の場合、信号処理部13aは、反射強度Rが第1の判別閾値RM1以上か否かを判定し(ステップS23)、「Yes」の場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「湿潤」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS24)。なお、第1の判別閾値RM1は、路面に積もっている雪が確実に解けているか否かを判別可能な程度の値に設定されている。
また、上記ステップS23において、「No」の場合、つまり反射強度Rが第1の判別閾値RM1未満の場合、信号処理部13aは、連続して反射強度Rが第1の判別閾値RM1未満となった回数が所定数(例えば10回)に達したか否かを判定し(ステップS25)、「No」の場合、ステップS24に移行し、今回の路面判別タイミングの路面状態を「湿潤」と判別して路面判別処理を終了する。一方、上記ステップS25において、「Yes」の場合、つまり連続して反射強度Rが第1の判別閾値RM1未満となった回数が所定数に達した場合、信号処理部13aは、今回の路面判別タイミングの路面状態を「湿潤」と判別し(ステップS26)、さらに、路面判別モードを第1の路面判別モードに切り替えて路面判別処理を終了する(ステップS27)。
このように、ステップS21で路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値Tth2以上と判定された場合、基本的に路面状態は「湿潤」である可能性が高いが、本実施形態では、第1の路面判別モードへの切り替え要因として、路面に積もっている雪が確実に解けているか否かを判別するために、さらにステップS23とS25を設けている。すなわち、路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値Tth2以上であって、さらに、反射強度Rが第1の判別閾値RM1未満であり、且つ連続して反射強度Rが第1の判別閾値RM1未満となった回数が所定数に達した場合に、路面に積もっている雪が確実に解けたと判別して第1の路面判別モードに切り替えている。なお、ステップS25は必ずしも設ける必要ではなく、ステップS23で反射強度Rが第1の判別閾値RM1未満であると判定された場合、即座に今回の路面判別タイミングの路面状態を「湿潤」と判別し、路面判別モードを第1の路面判別モードに切り替えて路面判別処理を終了するようにしても良い。
一方、ステップS20において、信号処理部13aは、反射強度RがLV2またはLV3に含まれると判定した場合、路面温度Tの現在値が第2の凍結判別閾値Tth2未満か否かを判定し(ステップS28)、「Yes」の場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「凍結」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS29)。一方、上記ステップS28において、「No」の場合、つまり路面温度Tの現在値が第2の凍結判別閾値Tth2以上の場合、信号処理部13aは、反射強度Rが第2の判別閾値RM2以上か否かを判定する(ステップS30)。なお、第2の判別閾値RM2は、路面状態が「積雪」か「湿潤」かを判別可能な程度の値に設定されている。
上記ステップS30において、「Yes」の場合、信号処理部13aは、今回の路面判別タイミングの路面状態を「積雪」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS31)。また、上記ステップS30において、「No」の場合、つまり反射強度Rが第2の判別閾値RM2未満の場合、信号処理部13aは、今回の路面判別タイミングの路面状態を「湿潤」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS31)。
このように、ステップS28で路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値Tth2以上と判定された場合は、基本的に路面状態は「積雪」である可能性が高いが、本実施形態では、より判別精度の向上を図るために、さらにステップS30を設けて、反射強度Rが第2の判別閾値RM2以上の場合に「積雪」と判別している。従って、このステップS30は必ずしも設ける必要はなく、ステップS28で路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値Tth2以上と判定された場合は、即座に路面状態は「積雪」であると判別するようにしても良い。
上記のようなステップS28〜S32によって、特願2008−058335で問題となっていた路面状態が「凍結」であるにも拘わらず「積雪」と誤判別することを防止することが可能となる。
一方、ステップS20において、信号処理部13aは、反射強度RがLV4に含まれると判定した場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を「積雪」と判別して路面判別処理を終了する(ステップS33)。
このように、第2の路面判別モードでは、路面に積もっている雪が確実に解けていると判別された場合に第1の路面判別モードに切り替え、次回の路面判別タイミングが到来した際には、第1の路面判別モードに応じた路面判別処理(図6参照)を実行する。なお、それ以外のステップS22、S24、S26、S29、S31、S32、S33において、路面状態の判別結果が確定した場合、路面判別モードの切り替えは行わず、次回の路面判別タイミングが到来した際も同様に第2の路面判別モードに応じた路面判別処理を実行する。
以上説明した第1の路面判別モードまたは第2の路面判別モードに応じた路面判別処理が、路面判別タイミングが到来する毎に実行されて、それぞれの路面判別タイミングにおける路面状態が時系列的に判別され、その判別結果は送信部13bに出力されて判別信号D1として監視センター等に送信されることになる。
以上のように、本実施形態では、路面の雪が解けた場合に「乾燥」を含む「湿潤」、「凍結」、「積雪」の路面状態を判別する第1の路面判別モードと、路面に雪が積もった場合に「乾燥」を除いた「湿潤」、「凍結」、「積雪」のみの路面状態を判別する第2の路面判別モードとを切り替えながら路面状態を判別している。つまり、路面状態が「積雪」から「湿潤」に変化する過程では、第2の路面判別モードが使用されることになるため、特願2008−058335で問題となっていた、路面状態が「積雪」から「湿潤」に変化する過程で路面状態を「乾燥」と誤判定してしまうことを防止することができる。
また、上述したように、本実施形態では、特願2008−058335で問題となっていた、路面状態が「凍結」であるにも拘わらず「積雪」または「乾燥」と誤判別することを防止することが可能となる。
また、上述したように、本実施形態では、特願2008−058335で問題となっていた、路面状態が「凍結」であるにも拘わらず「積雪」または「乾燥」と誤判別することを防止することが可能となる。
従って、本実施形態によれば、より高精度に路面状態を判別することが可能な路面状態判別装置1を提供することが可能である。
なお、本出願人は、上述した路面状態判別装置1を用いて、実際に所定地域における路面状態の判別実験を行った結果、正解率93.3%、安全側誤判別率5.9%、危険側誤判別率0.8%という実験結果を得ている。この実験結果は、特願2008−058335と比較して正解率が向上し、誤判定率が低下している。
なお、本出願人は、上述した路面状態判別装置1を用いて、実際に所定地域における路面状態の判別実験を行った結果、正解率93.3%、安全側誤判別率5.9%、危険側誤判別率0.8%という実験結果を得ている。この実験結果は、特願2008−058335と比較して正解率が向上し、誤判定率が低下している。
以上、本発明の一実施形態に係る路面状態判別装置1について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、道路の路面温度を測定する路面温度計12がサーミスタ、リニア抵抗器、又は白金測温抵抗体等であり道路に埋設される場合について説明した。しかしながら、路面温度計12としては非接触センサ、放射温度計、その他の各種温度計を用いることができ、道路の路面温度を路面に対して離間した位置から測定することも可能である。
また、上記実施形態では、レーザセンサ11aを揺動させて計測エリアMAに沿って設定された複数の計測点MP1〜MPnの測定を行っていた。しかしながら、コストの大幅な上昇を招かなければ、複数のレーザセンサを設けるとともに駆動装置11bを省略した構成にすることが可能である。また、レーザセンサにより計測される積雪深さや、路面温度計12以外の他の気象センサによる計測値を用いることで、より高精度の路面状態判別が可能である。
1…路面状態判別装置、11…レーザ測定装置、11a…レーザセンサ、11b…駆動装置、12…路面温度計、13a…信号処理部、L…レーザ光、MA…計測エリア
Claims (3)
- 路面上における線状の経路に沿って或いは1点でレーザ光を照射しつつ、路面からの反射光を測定するレーザ測定装置と、
路面温度を測定する温度測定装置と、
前記レーザ測定装置の測定結果に所定の統計処理を施して得られる統計処理結果と前記路面温度に基づいて路面状態を判別する判別装置とを備え、
前記判別装置は、路面の雪が解けた場合に乾燥を含む路面状態を判別する第1の路面判別モードと、路面に雪が積もった場合に乾燥を除外して路面状態を判別する第2の路面判別モードとを路面状態の判別結果に応じて選択的に切り替えることを特徴とする路面状態判別装置。 - 前記判別装置は、所定サンプリング周期で前記路面温度をサンプリングし、所定値以上の路面温度を所定時間区間について積算する機能を有し、
前記第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を乾燥または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が乾燥であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を乾燥と判別する一方、前回の路面判別タイミングの路面状態判別結果が乾燥以外であって、前記路面温度の積算値が閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を乾燥と判別し、前記路面温度の積算値が閾値未満であれば凍結と判別することを特徴とする請求項1記載の路面状態判別装置。 - 前記判別装置は、前記路面温度の積算値が閾値未満であって、前記路面温度の現在値が第1の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の現在値が第1の凍結判別閾値以上であれば乾燥と判別し、
前記第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を湿潤または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば凍結と判別し、
前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であって、前記路面温度の積算値が閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の積算値が閾値以上であれば湿潤と判別し、
前記第1の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別する一方、連続して積雪と判別された回数が所定数に達した場合に前記第2の路面判別モードに切替え、
前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を湿潤または凍結と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であって、前記統計処理結果が第1の判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別し、前記統計処理結果が第1の判別閾値未満であって、連続して前記統計処理結果が第1の判別閾値未満となった回数が所定数に達していない場合に、今回の路面判別タイミングの路面状態を湿潤と判別する一方、連続して前記統計処理結果が第1の判別閾値未満となった回数が所定数に達した場合に湿潤と判別すると共に前記第1の路面判別モードに切替え、
前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を凍結または積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値未満であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を凍結と判別する一方、前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であれば積雪と判別し、
前記路面温度の現在値が第2の凍結判別閾値以上であって、前記統計処理結果が第2の判別閾値以上であれば今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別する一方、前記統計処理結果が第2の判別閾値未満であれば湿潤と判別し、
前記第2の路面判別モードにおいて、今回の路面判別タイミングにて得られた統計処理結果が、路面状態を積雪と判別すべき閾値範囲に含まれていた場合、今回の路面判別タイミングの路面状態を積雪と判別することを特徴とする請求項2記載の路面状態判別装置。
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KR101265744B1 (ko) * | 2012-11-26 | 2013-05-21 | 한국건설기술연구원 | 편광영상 및 ecu 정보를 활용한 이동식 노면상태 자동검지 시스템 |
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2008
- 2008-06-24 JP JP2008164224A patent/JP2010008060A/ja active Pending
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