JP2010008036A - 暖房システム - Google Patents

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Abstract

【課題】暖房端末の暖房負荷に応じて往き温度や戻り温度を調整する際に、COPの低下を抑制可能な暖房システムを提供する。
【解決手段】暖房システムは、ヒートポンプシステムと、ヒートポンプシステム内で加熱された温水を暖房端末に供給すると共に、暖房端末から排出された温水をヒートポンプシステム内に戻す暖房回路と、暖房端末における暖房負荷を判断する判断手段70と、暖房端末に供給される温水の往き温度を調節する往き温度調節手段45と、暖房端末から排出された温水の戻り温度を調節する戻り温度調節手段48と、往き温度調節手段45及び戻り温度調節手段48を制御する制御手段75とを備え、制御手段75は、判断手段70により暖房負荷が減少したと判断された場合は、戻り温度が低下するように戻り温度調節手段48の制御を開始した後で、往き温度が低下するように往き温度調節手段45の制御を開始する。
【選択図】図2

Description

本発明は、暖房端末に温水を供給する暖房システムに関する。
従来、ヒートポンプ式給湯ユニットと、このヒートポンプ式給湯ユニットで加熱された温水を貯留する貯湯タンクとを備える暖房システムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の暖房システムでは、貯湯タンクで熱交換された高温の湯を床暖房熱交換器に循環させて床暖房が行われる。このような床暖房システムは、貯湯タンクから床暖房熱交換器に供給される温水の往き温度と、床暖房熱交換器から貯湯タンクへ戻る温水の戻り温度とを調整して、床暖房熱交換器の暖房負荷に合わせた能力を引き出すための温度制御が行われている。
特開2007−3188号公報
しかしながら、このような従来の暖房システムでは、床暖房熱交換器の暖房負荷に応じて往き温度や戻り温度を調整する際に、暖房システムのCOPは考慮されていなかったため、電気料金が増加するという問題があった。
本発明の目的は、暖房端末の暖房負荷に応じて往き温度や戻り温度を調整する際に、暖房システムのCOPの低下を抑制可能な暖房システムを提供することである。
第1の発明に係る暖房システムは、ヒートポンプシステムと、ヒートポンプシステム内で加熱された温水を暖房端末に供給すると共に、暖房端末から排出された温水をヒートポンプシステム内に戻す暖房回路と、暖房端末における暖房負荷を判断する判断手段と、暖房端末に供給される温水の往き温度を調節する往き温度調節手段と、暖房端末から排出された温水の戻り温度を調節する戻り温度調節手段と、往き温度調節手段及び戻り温度調節手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、判断手段により暖房負荷が減少したと判断された場合は、戻り温度が低下するように戻り温度調節手段の制御を開始した後で、往き温度が低下するように往き温度調節手段の制御を開始する。
この暖房システムでは、暖房端末の暖房負荷が減少した場合に、戻り温度調節手段の制御を開始した後で往き温度調節手段の制御を開始できる。このため、暖房システムのCOPを高く維持しつつ、減少後の暖房負荷に対応した戻り温度及び往き温度の低下制御を実現できる。つまり、暖房端末の暖房負荷が減少した場合に、往き温度の制御と戻り温度の制御とを開始したときに、減少後の暖房負荷に到達するまでの間における暖房システムのCOPが著しく低下してしまう問題が発生しなくなる。
第2の発明に係る暖房システムは、第1の発明に係る暖房システムにおいて、暖房回路は、ヒートポンプシステム内と暖房端末との間で温水を循環させる。
この暖房システムでは、ヒートポンプシステム内と暖房端末との間で温水を循環させるものにおいて、暖房システムのCOPを向上できる。
第3の発明に係る暖房システムは、第2の発明に係る暖房システムにおいて、暖房回路は、ヒートポンプシステム内で加熱された温水を暖房端末に供給する流路に配置された混合弁と、暖房端末から排出された温水の一部を混合弁に供給する流路とを備える。
この暖房システムでは、ヒートポンプシステム内で加熱された温水を暖房端末に供給する流路に混合弁を設けることにより、混合弁を、暖房端末に供給される温水の往き温度を調節する往き温度調節手段として機能させることができる。
第4の発明に係る暖房システムは、第1の発明に係る暖房システムにおいて、暖房回路は、ヒートポンプシステム内で加熱された温水を貯える貯湯タンクと、貯湯タンクと暖房端末との間で温水を循環させる循環回路とを有する。
この暖房システムでは、貯湯タンクに貯えられた温水を貯湯タンクと暖房端末との間で循環させるものにおいて、暖房システムのCOPを向上できる。
第5の発明に係る暖房システムは、第4の発明に係る暖房システムにおいて、暖房回路は、貯湯タンクに貯えられた温水を暖房端末に供給する流路に配置された混合弁と、暖房端末から排出された温水の一部を混合弁に供給する流路とを備える。
この暖房システムでは、貯湯タンクに貯えられた温水を暖房端末に供給する流路に混合弁を設けることにより、混合弁を、暖房端末に供給される温水の往き温度を調節する往き温度調節手段として機能させることができる。
第6の発明に係る暖房システムは、第4または第5の発明に係る暖房システムにおいて、貯湯タンク内に配置され、給湯水が内部を流れる熱交換器を備える。
この暖房システムでは、貯湯タンク内に熱交換器を設けた場合において、暖房システムのCOPを向上できる。
第7の発明に係る暖房システムは、第1〜第6の発明のいずれかに係る暖房システムにおいて、往き温度を検出する往き温度センサと、戻り温度を検出する戻り温度センサとを備え、制御手段は、往き温度センサ及び戻り温度センサの出力に基づいて往き温度調節手段及び戻り温度調節手段を制御する。
この暖房システムでは、往き温度センサ及び戻り温度センサが設けられているため、往き温度センサ及び戻り温度センサの各出力に応じて往き温度調節手段及び戻り温度調節手段を容易に制御できる。
第8の発明に係る暖房システムは、第1〜第7の発明のいずれかに係る暖房システムにおいて、外気温度を検出する外気温度センサを備え、判断手段は、外気温度センサで検出される外気温度に基づいて暖房負荷が減少したと判断する。
この暖房システムでは、外気温度センサが設けられているため、外気温度に応じて暖房負荷が低負荷であるか否かを容易に判断できる。
第9の発明に係る暖房システムは、第1〜第8の発明のいずれかに係る暖房システムにおいて、制御手段は、戻り温度が下限温度に達した後で、往き温度が低下するように往き温度調節手段の制御を開始する。
この暖房システムでは、戻り温度が下限温度に達した後で往き温度調節手段の制御を開始できるため、戻り温度が下限温度に達する前に往き温度調節手段の制御を開始する場合に比べて、暖房システムのCOPを向上できる。
第10の発明に係る暖房システムは、第1〜第8の発明のいずれかに係る暖房システムにおいて、制御手段は、戻り温度が下限温度に達する前に、往き温度が低下するように往き温度調節手段の制御を開始する。
この暖房システムでは、戻り温度が下限温度に達する前に、必要に応じて往き温度調節手段の制御を開始できるため、戻り温度が下限温度に達した後に往き温度調節手段の制御を開始する場合に比べて、より早期に減少後の暖房負荷に到達できる。
第11の発明に係る暖房システムは、第1〜第10の発明のいずれかに係る暖房システムにおいて、循環回路内において温水を循環させる循環ポンプと、循環ポンプの回転数、往き温度及び戻り温度に基づいて暖房負荷を演算する演算手段と、演算手段で演算された演算暖房負荷と、減少後の暖房負荷とを比較する比較手段とを備え、制御手段は、演算暖房負荷が減少後の暖房負荷以下である場合に、戻り温度を低下させるための戻り温度調節手段の制御、及び、往き温度を低下させるための往き温度調節手段の制御を停止する。
この暖房システムでは、演算暖房負荷が減少後の暖房負荷に到達したときに、演算暖房負荷と減少後の暖房負荷とを比較するだけの簡単な演算で戻り温度及び往き温度の低下を確実に停止できる。
第12の発明に係る暖房システムは、第1〜第11の発明のいずれかに係る暖房システムにおいて、冷媒はCO冷媒である。
この暖房システムでは、冷媒がCO冷媒であっても、暖房システムのCOPの低下を抑制しつつ、減少後の暖房負荷に到達できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、暖房端末の暖房負荷が減少した場合に、戻り温度調節手段の制御を開始した後で往き温度調節手段の制御を開始できる。このため、暖房システムのCOPを高く維持しつつ、減少後の暖房負荷に対応した戻り温度及び往き温度の低下制御を実現できる。つまり、暖房端末の暖房負荷が減少した場合に、往き温度の制御と戻り温度の制御とを開始したときに、減少後の暖房負荷に到達するまでの間における暖房システムのCOPが著しく低下してしまう問題が発生しなくなる。
また、第2の発明では、ヒートポンプシステム内と暖房端末との間で温水を循環させるものにおいて、暖房システムのCOPを向上できる。
また、第3の発明では、ヒートポンプシステム内で加熱された温水を暖房端末に供給する流路に混合弁を設けることにより、混合弁を、暖房端末に供給される温水の往き温度を調節する往き温度調節手段として機能させることができる。
また、第4の発明では、貯湯タンクに貯えられた温水を貯湯タンクと暖房端末との間で循環させるものにおいて、暖房システムのCOPを向上できる。
また、第5の発明では、貯湯タンクに貯えられた温水を暖房端末に供給する流路に混合弁を設けることにより、混合弁を、暖房端末に供給される温水の往き温度を調節する往き温度調節手段として機能させることができる。
また、第6の発明では、貯湯タンク内に熱交換器を設けた場合において、暖房システムのCOPを向上できる。
また、第7の発明では、往き温度センサ及び戻り温度センサが設けられているため、往き温度センサ及び戻り温度センサの各出力に応じて往き温度調節手段及び戻り温度調節手段を容易に制御できる。
また、第8の発明では、外気温度センサが設けられているため、外気温度に応じて暖房負荷が低負荷であるか否かを容易に判断できる。
また、第9の発明では、戻り温度が下限温度に達した後で往き温度調節手段の制御を開始できるため、戻り温度が下限温度に達する前に往き温度調節手段の制御を開始する場合に比べて、暖房システムのCOPを向上できる。
また、第10の発明では、戻り温度が下限温度に達する前に、必要に応じて往き温度調節手段の制御を開始できるため、戻り温度が下限温度に達した後に往き温度調節手段の制御を開始する場合に比べて、より早期に減少後の暖房負荷に到達できる。
また、第11の発明では、演算暖房負荷が減少後の暖房負荷に到達したときに、演算暖房負荷と減少後の暖房負荷とを比較するだけの簡単な演算で戻り温度及び往き温度の低下を確実に停止できる。
また、第12の発明では、冷媒がCO冷媒であっても、暖房システムのCOPの低下を抑制しつつ、減少後の暖房負荷に到達できる。
本発明の第1実施形態の暖房システムの構成を示す模式図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 戻り温度及び往き温度に対応する暖房端末の能力の実験データを示す説明図である。 図3で示した能力に対応するCOPの実験データを示す説明図である。 本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第1制御動作を示すフローチャートである。 戻り温度の変化を示す説明図である。 本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第2制御動作を示すフローチャートである。 往き温度及び戻り温度の変化を示す説明図である。 本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第3制御動作を示すフローチャートである。 往き温度及び戻り温度の変化を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の暖房システムの構成を示す模式図である。 図11に示した暖房システムの概要を示す模式図である。
以下、本発明の暖房システムを図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
<暖房システムの構成>
図1は、本発明の第1実施形態の暖房システムの構成を示す模式図である。暖房給湯システム100は、暖房システム101、給湯システム102及びリモコン104を有している。暖房システム101は、ヒートポンプユニット1(ヒートポンプシステム)、暖房回路4及び暖房端末8を備えている。この暖房回路4は、貯湯タンク2、沸き上げ用循環回路4a及び暖房用循環回路4b(循環回路)を有している。また、暖房端末8の具体例としては、ラジエタや床暖房パネル等を挙げることができる。給湯システム102は、給湯用熱交換器3(熱交換器)を有している。また、暖房給湯システム100は、貯湯タンク2の側面に配置された制御部60によって制御される。また、リモコン104は、制御部60と有線又は無線により通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、暖房回路が貯湯タンク及びその内部に配置された熱交換器を備えていることから、暖房給湯システムと称する。
ヒートポンプユニット1は、冷媒回路16及び電動送風機17を備え、貯湯タンク2内の水を沸き上げて温水にする。冷媒回路16は、蒸発器11、圧縮機12、凝縮器(水冷媒熱交換器)13、過冷却熱交換器14及び膨張弁15を有している。この冷媒回路16ではCO冷媒が循環する。
CO冷媒は、蒸発器11において、電動送風機17から送られた空気中の熱を吸収してガス化する。そして、CO冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高温となった後、凝縮器13に到達して熱を放出する。これにより、CO冷媒は、凝縮器13に入る前に比べて低温となって、過冷却熱交換器14へ向かって流れる。そして、CO冷媒は、その過冷却熱交換器14でさらに冷却された後、膨張弁15を経て、蒸発器11に戻る。
また、ヒートポンプユニット1は、沸き上げ用循環回路4aを介して貯湯タンク2と接続されている。沸き上げ用循環回路4aは、沸き上げ用循環ポンプ51及び沸き上げ用三方弁52を有している。そして、沸き上げ用循環回路4aは、第2暖房往き接続口42と、沸き上げ用の供給口53と、凍結防止水戻し接続口54とに接続されている。
供給口53は貯湯タンク2の下部に設けられている。これにより、貯湯タンク2内の下部領域にある比較的低温の温水を、供給口53を介して沸き上げ用循環ポンプ51に供給することができる。沸き上げ用循環ポンプ51は、貯湯タンク2内の下部領域にある比較的低温の温水を吸い込み、この吸い込んだ比較的低温の温水を凝縮器13へ向けて吐出する。凝縮器13ではCO冷媒と温水とが熱交換されて、その温水が高温になる。この凝縮器13を出た高温の温水は沸き上げ用三方弁52へ向かう。
沸き上げ用三方弁52は、給湯運転中及び暖房運転中、凝縮器13からの高温の温水を、第2暖房往き接続口42を介して貯湯タンク2内の上部領域に流す。したがって、第2暖房往き接続口42は、貯湯タンク2の供給口53から流出してヒートポンプユニット1の凝縮器13を出た後の温水が戻る沸き上げ戻り接続口となっている。
貯湯タンク2内の温水は、上側に高温の温水、下側に比較的低温の温水が位置するように湯層(温度分布)が形成されている。なお、ヒートポンプユニット1の起動時などの際に、まだヒートポンプユニット1の凝縮器13から出る温水が十分に高温となっていない場合、温水は第2暖房往き接続口42ではなく、凍結防止水戻し接続口54を介して貯湯タンク2に戻されるように三方弁52が制御される。
したがって、凍結防止水戻し接続口54は、温水が十分に高温でない場合の第2の沸き上げ戻り接続口となっている。このように、温水の温度により戻り口を切り替えるのは、十分に高温になっていない温水を貯湯タンク2の上部に戻すと貯湯タンク2内の温度分布が乱れる可能性があり、これを防止するためである。
この三方弁の切り替えは凝縮器13と沸き上げ用三方弁52との間に設けられた温度センサ(図示せず)の出力に基づいて行われる。また、沸き上げ用三方弁52は、凍結防止運転中には、供給口53から沸き上げ用循環回路4aを介して流れてきた温水を、凍結防止水戻し接続口54を介して貯湯タンク2内の下部領域に流す。なお、凍結防止運転は沸き上げ運転の停止中に行われる。
貯湯タンク2はヒートポンプユニット1で加熱された温水を貯える。また、貯湯タンク2内の上下方向の略中央部にはヒータ6を配置していて、このヒータ6は貯湯タンク2内の温水を直接加熱する。
給湯用熱交換器3は、コイル状のパイプから成って、貯湯タンク2内の下部領域から上部領域に渡って配置されている。給湯水は給湯用熱交換器3内を流れることによって加熱される。より詳しくは、上記給湯水は、貯湯タンク2の下部から貯湯タンク2内に入って、貯湯タンク2内の下部領域に配置された給湯用熱交換器3を上方に向かって流れる。そして、上記給湯水は、貯湯タンク2内の上部領域に配置された給湯用熱交換器3を上方に向かって流れた後、貯湯タンク2の上部から貯湯タンク2外に出る。なお、貯湯タンク2内の上下方向の中央部にはヒータ6が配置されており、給湯用熱交換器3は該ヒータ6を跨ぐように配置されている。このヒータ6により、貯湯タンク2の上部により高温の温水を貯湯することができる。
また、給湯水の温度を設定温度に調整するために、給湯用混合弁31を開いて、貯湯タンク2から出た給湯水と、貯湯タンク2に流入する前の給湯水とを混ぜ合わせる。これにより、上記貯湯タンク2から出た給湯水の温度を下げることができる。
暖房用循環回路4bは、貯湯タンク2内に貯められた温水を貯湯タンク2外の複数の暖房端末8を経由させた後、再び、貯湯タンク2内に戻して循環させるためのものである。そして、暖房用循環回路4bは、第1暖房往き接続口41、第2暖房往き接続口42及び暖房戻り接続口43に接続されている。なお、第1暖房往き接続口41は第2取水口の一例であり、暖房戻り接続口43は戻し口の一例である。
第1暖房往き接続口41は、貯湯タンク2内の温水を取り出すためのものである。この第1暖房往き接続口41は、貯湯タンク2の上下方向の略中央部に設けられて、ヒータ6近傍かつ上方に位置している。これにより、ヒータ6で加熱された直後の温水を、第1暖房往き接続口41から取り出し、複数の暖房端末8に送ることができる。
第2暖房往き接続口42も、第1暖房往き接続口41と同様に、貯湯タンク2内の温水を取り出すためのものである。この第2暖房往き接続口42は貯湯タンク2の上部に設けられている。これにより、貯湯タンク2内の上部領域の温水を、第2暖房往き接続口42から取り出し、複数の暖房端末8へ送ることができる。また、第2暖房往き接続口42は沸き上げ戻り接続口を兼用している。
暖房端末8は、貯湯タンク2から流れてきた温水の熱を直接取り出し、室内に放出する。そして、温水は、低温となり、暖房端末8を出て、暖房戻り接続口43へ向かって流れる。暖房戻り接続口43は貯湯タンク2の下部に設けられている。これにより、暖房戻り接続口43から出た温水を、貯湯タンク2内の下部領域の温水と混ぜることができる。
また、暖房用循環回路4bには、バイパス配管44(流路)、暖房用混合弁45(混合弁及び往き温度調節手段)、往き温度センサ46、戻り温度センサ47、暖房用循環ポンプ48(戻り温度調節手段)及び暖房用三方弁49が設けられている。
バイパス配管44は、暖房端末8から暖房戻り接続口43へ流れる温水の一部を暖房用混合弁45へ案内する。暖房用混合弁45は、貯湯タンク2からの温水が流入する入口と、バイパス配管44からの温水が流入する入口とを有している。詳しくは後述するが、暖房用混合弁45の各入口の開度は制御部60によって調節される。
往き温度センサ46は、貯湯タンク2から暖房端末8へ向かう温水の温度を往き温度として検出し、この往き温度を示す信号を制御部60に送る。戻り温度センサ47は、暖房端末8から貯湯タンク2へ向かう温水の温度を戻り温度として検出し、この戻り温度を示す信号を制御部60に送る。暖房用循環ポンプ48は、第2暖房往き接続口42または第1暖房往き接続口41を介して貯湯タンク2内の温水を吸い込み、複数の暖房端末8に向けて吐出する。
暖房用三方弁49は、貯湯タンク2内の温水の高温領域が第1暖房往き接続口41近傍に存在している場合、第1暖房往き接続口41から温水を取り出す。また、暖房用三方弁49は、貯湯タンク2内の温水の高温領域が第1暖房往き接続口41近傍に存在していない場合、第2暖房往き接続口42から温水を取り出す。
制御部60は、例えば、外気温度が高い時に、暖房用混合弁45を調節してバイパス配管44からの温水流入量を増加させることで往き温度を下げたり、暖房用循環ポンプ48の回転数を下げて循環する温水の流速を下げることで戻り温度を下げる。一方、制御部60は、外気温度が低い時に、暖房用混合弁45を調節してバイパス配管44からの温水流入量を減少させることで往き温度を上げたり、暖房用循環ポンプ48の回転数を上げて循環する温水の流速を上げることで戻り温度を上げる。
<制御部の構成>
図2は、制御部60の構成を示すブロック図である。制御部60は、暖房負荷判断部70(判断手段)、往き/戻り温度検知部71、回転数検出部72、暖房負荷演算部73(演算手段)、暖房負荷比較部74(比較手段)及び往き/戻り温度制御部75(制御手段)を有している。
暖房負荷判断部70は、外気温度センサ18から外気温度を示す信号を受け取り、この信号に基づいて、暖房端末8における必要能力(暖房負荷)が減少したか否かを判断し、その判断結果を示す信号を往き/戻り温度制御部75に出力する。往き/戻り温度検知部71は、往き温度センサ46及び戻り温度センサ47から、それぞれ、往き温度及び戻り温度を示す信号を受け取り、受け取った各信号を暖房負荷演算部73及び往き/戻り温度制御部75に出力する。
回転数検出部72は、暖房用循環ポンプ48から回転数を示す信号を検出し、検出した信号を暖房負荷演算部73に出力する。暖房負荷演算部73は、往き/戻り温度検知部71や回転数検出部72から受け取った各信号に基づいて演算暖房負荷を演算し、演算した演算暖房負荷を示す信号を暖房負荷比較部74に出力する。
暖房負荷比較部74は、暖房負荷演算部73から受け取った信号に基づいて、暖房端末8の必要能力に対応する必要暖房負荷と、暖房負荷演算部73で演算された演算暖房負荷とを比較し、比較結果を示す信号を往き/戻り温度制御部75に出力する。往き/戻り温度制御部75は、暖房負荷判断部70や暖房負荷比較部74から受け取った信号に基づいて、暖房用混合弁45や暖房用循環ポンプ48を制御する。
図3は、戻り温度及び往き温度に対応する暖房端末8の能力の実験データを示している。この実験データでは、各能力は、往き温度が85℃、戻り温度が60℃に対応する能力を100%(以下、能力1という)とした数値比率で表されている。このため、例えば、往き温度が85℃、戻り温度が30℃に対応する能力は48.2%(以下、能力2という)で表され、往き温度が65℃、戻り温度が30℃に対応する能力は35.7%(以下、能力3という)で表され、往き温度が45℃、戻り温度が40℃に対応する能力は34.0%(以下、能力4という)で表される。
図4は、図3で示した各能力に対応するCOPの実験データを示している。この実験データでは、各COPは、能力1に対応するCOPを100%とした数値比率で表されている。このため、例えば、能力2に対応するCOPは191%で表され、能力3に対応するCOPは215%で表される。図に示すような往き温度/戻り温度/COPの関係は、戻り温度を下げることで貯湯タンク2下部の温水温度が低下し、貯湯タンク2からヒートポンプユニット1の沸き上げ用循環回路4aに導入される温水温度が低下するのでヒートポンプユニット1のCOPが向上する点、往き温度を下げることで暖房端末8で使用される熱量を少なく抑えることができるのでヒートポンプユニット1のCOPが向上する点によるものである。
<暖房システムにおける制御動作>
本実施形態の暖房システムでは、以下で説明する第1〜第3制御動作のいずれかの制御を行うことができる。
第1制御動作は、往き温度を一定に保ちつつ、戻り温度を低下させる制御が行われる。
第2制御動作では、戻り温度を低下させる制御の開始後、往き温度を低下させる制御が行われる。
第3制御動作では、戻り温度を低下させる制御の開始後、所定時間が経過したときに、往き温度を低下させる制御が行われる。
<第1制御動作>
図5は、本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第1制御動作を示すフローチャートであり、図6は、戻り温度の変化を示している。この例では、初期状態において、暖房端末8の必要能力は能力1(100%)に維持されており、往き温度が85℃、戻り温度が60℃であると仮定する。そして、図5では、暖房端末8の必要能力が能力1から48.2%に減少した場合であって、往き温度を85℃で一定に保ち、かつ、戻り温度を低下させて、能力1から能力2(48.2%)に到達させる例について説明する。
まず、ステップS100において、暖房負荷判断部70は、暖房端末8における暖房負荷、つまり、暖房端末8の必要能力が初期状態の能力1から減少したか否かを判断する。能力1から48.2%に減少した場合、処理はステップS102に移行する。一方、暖房端末8の必要能力が能力1から減少しない場合、処理はステップS100を繰り返す。
ステップS100で48.2%に減少したと判断された場合、ステップS102において、往き/戻り温度制御部75は、往き/戻り温度検知部71の出力に基づいて、暖房用循環ポンプ48を制御して戻り温度を能力1に対応した60℃から能力2に対応した30℃まで低下させる制御を開始する。そして、処理はステップS104に移行する。
ステップS104において、暖房負荷比較部74は、能力2に対応する必要暖房負荷と、戻り温度を低下させる制御が行われているときの演算暖房負荷とを比較する。演算暖房負荷が必要暖房負荷より大きい場合、すなわち、戻り温度が30℃まで低下せず暖房端末8の必要能力が能力2に到達していない場合、処理はステップS102に移行する。一方、演算暖房負荷が必要暖房負荷以下の場合、すなわち、戻り温度が30℃まで低下して暖房端末8の必要能力が能力2に到達した場合、処理はステップS106に移行する。
ステップS104で暖房端末8の必要能力が能力2に到達したと判断された場合、ステップS106において、往き/戻り温度制御部75は、戻り温度を下げる制御を停止する。そして、本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第1制御動作が終了する。
<第2制御動作>
図7は、本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第2制御動作を示すフローチャートであり、図8は、往き温度及び戻り温度の変化を示している。この例では、初期状態において、暖房端末8の必要能力は能力1(100%)に維持されており、往き温度が85℃、戻り温度が60℃であると仮定する。この例では、戻り温度を低下可能な下限温度は30℃であると仮定する。そして、図7では、暖房端末8の必要能力が能力1から35.7%に減少した場合であって、往き温度及び戻り温度を低下させて、能力1から能力3(35.7%)に到達させる例について説明する。
まず、ステップS200において、暖房負荷判断部70は、暖房端末8の必要能力が能力1から減少したか否かを判断する。能力1から35.7%に減少した場合、処理はステップS202に移行する。一方、暖房端末8の必要能力が能力1から減少しない場合、処理はステップS200を繰り返す。
ステップS200で必要能力が35.7%に減少したと判断された場合、ステップS202において、往き/戻り温度制御部75は、往き/戻り温度検知部71の出力に基づいて、暖房用循環ポンプ48を制御して戻り温度を能力1に対応した60℃から下限温度である30℃まで低下させる制御を開始する。このとき、往き温度は能力1に対応した85℃に維持されている。そして、処理はステップS204に移行する。
ステップS204において、往き/戻り温度制御部75は、往き/戻り温度検知部71の出力に基づいて、戻り温度が下限温度に達したか否か判断する。下限温度に達したと判断した場合、処理はステップS206に移行する。一方、下限温度に達していないと判断した場合、処理はステップS202に移行する。
ステップS204で下限温度に達したと判断された場合、ステップS206において、往き/戻り温度制御部75は、戻り温度を低下させる制御を停止する。そして、処理はステップS208に移行する。
ステップS208において、往き/戻り温度制御部75は、往き/戻り温度検知部71の出力に基づいて、暖房用混合弁45を調節して往き温度を低下させる制御を開始する。このとき、戻り温度は下限温度に維持されている。そして、処理はステップS210に移行する。
ステップS210において、暖房負荷比較部74は、能力3に対応する必要暖房負荷と、往き温度を低下させる制御が行われているときの演算暖房負荷とを比較する。演算暖房負荷が必要暖房負荷より大きい場合、すなわち、暖房端末8の必要能力が能力3に到達していない場合、処理はステップS208に移行する。一方、演算暖房負荷が必要暖房負荷以下の場合、すなわち、暖房端末8の必要能力が能力3に到達した場合、処理はステップS212に移行する。
ステップS210で暖房端末8の必要能力が能力3に到達したと判断された場合、ステップS212において、往き/戻り温度制御部75は、往き温度を低下させる制御を停止する。そして、本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第2制御動作が終了する。
<第3制御動作>
図9は、本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第3制御動作を示すフローチャートであり、図10は、往き温度及び戻り温度の変化を示している。この例では、初期状態において、暖房端末8の必要能力は能力1(100%)に維持されており、往き温度が85℃、戻り温度が60℃であると仮定する。この例では、戻り温度を低下可能な下限温度は30℃であると仮定する。そして、図9では、暖房端末8の必要能力が能力1から34.0%に減少した場合であって、往き温度及び戻り温度を低下させて、能力1から能力4(34.0%)に到達させる例について説明する。
まず、ステップS300において、暖房負荷判断部70は、暖房端末8の必要能力が能力1から減少したか否かを判断する。能力1から34.0%に減少した場合、処理はステップS302に移行する。一方、暖房端末8の必要能力が能力1から減少しない場合、処理はステップS300を繰り返す。
ステップS300で暖房端末8の必要能力が34.0%に減少したと判断された場合、ステップS302において、往き/戻り温度制御部75は、往き/戻り温度検知部71の出力に基づいて、暖房用循環ポンプ48を制御して戻り温度を低下させる制御を開始する。そして、処理はステップS304に移行する。
ステップS304において、往き/戻り温度制御部75は、戻り温度を低下させる制御の開始後から所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過した場合、処理はステップS306に移行する。一方、所定時間が経過していない場合、処理はステップS302に移行する。
ステップS304で所定時間が経過したと判断された場合、ステップS306において、往き/戻り温度制御部75は、戻り温度を低下させる制御を停止する。そして、処理はステップS308に移行する。
ステップS308において、往き/戻り温度制御部75は、往き/戻り温度検知部71の出力に基づいて、暖房用混合弁45を調節して往き温度を下げる制御を開始する。そして、処理はステップS310に移行する。
ステップS310において、暖房負荷比較部74は、能力4に対応する必要暖房負荷と、往き温度を低下させる制御が行われているときの演算暖房負荷とを比較する。演算暖房負荷が必要暖房負荷より大きい場合、すなわち、能力4に到達していない場合、処理はステップS308に移行する。一方、演算暖房負荷が必要暖房負荷以下の場合、すなわち、能力4に到達した場合、処理はステップS312に移行する。
ステップS310で必要能力4に到達したと判断された場合、ステップS312において、往き/戻り温度制御部75は、往き温度を下げる制御を停止する。そして、本発明の第1実施形態の暖房システムにおける第3制御動作が終了する。
[第1実施形態の暖房システムの特徴]
以上、第1実施形態の暖房システムでは、第1制御動作が行われるときに、暖房端末8の暖房負荷が減少した場合に、往き温度を低下させずに戻り温度だけを低下させることで減少後の暖房負荷に到達できる。また、往き温度を一定に保ちつつ、戻り温度を下げることによって暖房給湯システム100のCOPを向上できる。
また、第1実施形態の暖房システムでは、第2または第3制御動作が行われるときに、暖房端末8の暖房負荷が減少した場合に、暖房用循環ポンプ48の制御を開始した後で暖房用混合弁45の制御を開始できる。このため、暖房給湯システム100のCOPを高く維持しつつ、減少後の暖房負荷に対応した戻り温度及び往き温度の低下制御を実現できる。つまり、暖房端末8の暖房負荷が減少した場合に、往き温度の制御と戻り温度の制御とを開始したときに、減少後の暖房負荷に到達するまでの間における暖房給湯システム100のCOPが著しく低下してしまう問題が発生しなくなる。
また、第1実施形態の暖房システムでは、往き温度センサ46や戻り温度センサ47が設けられているため、往き温度センサ46や戻り温度センサ47の出力に応じて、暖房用混合弁45や暖房用循環ポンプ48を容易に制御できる。
また、第1実施形態の暖房システムでは、暖房負荷演算部73及び暖房負荷比較部74が設けられているため、演算暖房負荷が減少後の暖房負荷に到達したときに戻り温度や往き温度の低下を確実に停止できる。
また、第1実施形態の暖房システムでは、暖房用混合弁45を設けることにより、この暖房用混合弁45を、暖房端末8に供給される温水の往き温度を調節する往き温度調節手段として機能させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の暖房システムについて説明する。第1実施形態で説明した要素と同一の要素については、詳細な説明を省略する。この実施形態の暖房システム200では、暖房回路が貯湯タンクを備えていない点で、第1実施形態と相違する。図11は、本発明の第2実施形態の暖房システム200の構成を示す模式図である。図12は、図11に示した暖房システムの概要を示す模式図である。
<暖房システムの構成>
図11に示すように、暖房システム200は、ヒートポンプユニット1(ヒートポンプシステム)、暖房回路204、ハイドロユニット201、ラジエタ202(暖房端末)、床暖パネル203(暖房端末)、給湯用の湯を貯留する給湯タンク205及び室内リモコン252を有している。
ヒートポンプユニット1は、第1実施形態の図1に示した構成に加えて、凝縮器13に供給される温水の温度を検知する入湯温度センサ20と、凝縮器13から排出される温水の温度を検知する出湯温度センサ21とを有している。暖房回路204は、ヒートポンプユニット1内で加熱された温水を各暖房端末202、203に供給する供給回路204aと、各暖房端末202、203から排出された温水をヒートポンプユニット1内に戻す戻り回路204bとを有している。また、供給回路204aは、暖房用三方弁249を有している。
ハイドロユニット201は、ヒートポンプユニット1から供給される温水の温度を検知する入湯温度センサ22と、バイパス配管244(流路)と、暖房用混合弁245(混合弁及び往き温度調節手段)と、往き温度センサ246と、戻り温度センサ247と、暖房用循環ポンプ248(戻り温度調節手段)と、流量センサ250及び本体リモコン251(制御手段)とを有している。なお、本体リモコン251と室内リモコン252とは、有線又は無線により通信可能に接続されており、暖房システム200は、本体リモコン251によって制御される。
バイパス配管244は、各暖房端末202、203から流量センサ250を介してヒートポンプユニット1へ流れる温水の一部を暖房用混合弁245へ案内する。暖房用混合弁245は、ヒートポンプユニット1からの温水が流入する入口と、バイパス配管244からの温水が流入する入口とを有しており、暖房用混合弁245の各入口の開度は本体リモコン251によって調節される。
往き温度センサ246は、各暖房端末202、203に向かう温水温度を往き温度として検出し、この往き温度を示す信号を本体リモコン251に送る。戻り温度センサ247は、各暖房端末202、203から排出された温水温度を戻り温度として検出し、この戻り温度を示す信号を本体リモコン251に送る。暖房用循環ポンプ248は、暖房用混合弁245を介して供給された温水を吸い込み、吸い込んだ温水を暖房用三方弁249を介して、各暖房端末202、203に向けて吐出する。
また、図12に示すように、ヒートポンプユニット1は屋外に、ハイドロユニット201、給湯タンク205及び暖房用三方弁249は機械室内に、ラジエタ202、床暖パネル203及び室内リモコン252は居室内に、それぞれ設置されている。また、図12に示すように、ヒートポンプユニット1及びハイドロユニット201には、それぞれ、別電源が供給されている。
<暖房システムにおける温度制御>
本実施形態の暖房システムでは、第1実施形態の図5に示した第1制御動作(ステップS100〜S106)、図7に示した第2制御動作(ステップS200〜S212)、図9に示した第3制御動作(ステップS300〜S312)、と同様の動作を実行可能である。
[第2実施形態の暖房システムの特徴]
以上、第2実施形態の暖房システムでは、各暖房端末202、203の暖房負荷が減少した場合に、暖房用循環ポンプ248の制御を開始した後で暖房用混合弁245の制御を開始できる。このため、暖房システム200のCOPを高く維持しつつ、減少後の暖房負荷に対応した戻り温度及び往き温度の低下制御を実現できる。つまり、各暖房端末202、203の暖房負荷が減少した場合に、往き温度の制御と戻り温度の制御とを開始したときに、減少後の暖房負荷に到達するまでの間における暖房システム200のCOPが著しく低下してしまう問題が発生しなくなる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
なお、上述した第1実施形態では、暖房給湯システム100が、暖房システム101及び給湯システム102を有する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、暖房給湯システム100は、暖房システム101のみを有するものでもよい。
なお、上述した第1及び第2実施形態では、暖房負荷判断部70が、外気温度センサ18から受け取った信号に基づいて、暖房端末の必要能力が減少したか否かを判断する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。暖房負荷判断部70は、リモコンで設定された設定温度に対応する設定暖房負荷と演算暖房負荷とを比較し、その比較結果に基づいて、暖房端末の必要能力が減少したか否かを判断してもよい。
また、リモコン104に設けられたスイッチのオン/オフに基づいて、暖房端末8の必要能力が減少したか否かを判断してもよい。
また、一日の最低外気温度が室内設定温度より高くなった日が連続して所定期間(例えば3日)以上続いた場合に、暖房端末8の必要能力が減少したか否かを判断してもよい。
また、次に示す演算式(1)、(2)に基づいて算出される所定時間(例えば1日)のヒートポンプユニット1側で生成した熱量QHPが、ある値より小さい場合に、暖房端末8の必要能力が減少したと判断してもよい。
QHP=ΣV0×(Tout−Tin)・・・・(1)
V0=N0×K0・・・・(2)
なお、各式中のN0は沸き上げ用循環ポンプ51の回転数を、K0は予め測定した沸き上げ用循環ポンプ51の回転数と沸き上げ用循環ポンプ51循環流量の回転数を、Toutはヒートポンプユニット1の出口温度を、Tinはヒートポンプユニット1への入口温度をそれぞれ示している。
なお、上述した第1及び第2実施形態では、第1〜第3制御動作のいずれかが行われる例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、第2及び第3制御動作の少なくとも一方が行われるものでもよい。また、暖房負荷が減少したと判断された場合に、戻り温度が低下するように制御を開始した後で、往き温度が低下するように制御を開始する制御動作が行われるものであればよい。
1 ヒートポンプユニット(ヒートポンプシステム)
2 貯湯タンク
3 給湯用熱交換器(熱交換器)
4、204 暖房回路
4a 沸き上げ用循環回路
4b 暖房用循環回路(循環回路)
8 暖房端末
44、244 バイパス配管(流路)
45、245 暖房用混合弁(混合弁及び往き温度調節手段)
48、248 暖房用循環ポンプ(戻り温度調節手段)
60 制御部(制御手段)
70 暖房負荷判断部(判断手段)
73 暖房負荷演算部(演算手段)
74 暖房負荷比較部(比較手段)
75 往き/戻り温度制御部
100 暖房給湯システム
101、200 暖房システム
102 給湯システム
104 リモコン
202 ラジエタ(暖房端末)
203 床暖パネル(暖房端末)
205 給湯タンク
251 本体リモコン(制御手段)
252 室内リモコン

Claims (12)

  1. ヒートポンプシステムと、
    前記ヒートポンプシステム内で加熱された温水を暖房端末に供給すると共に、前記暖房端末から排出された温水を前記ヒートポンプシステム内に戻す暖房回路と、
    前記暖房端末における暖房負荷を判断する判断手段と、
    前記暖房端末に供給される温水の往き温度を調節する往き温度調節手段と、
    前記暖房端末から排出された温水の戻り温度を調節する戻り温度調節手段と、
    前記往き温度調節手段及び前記戻り温度調節手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記判断手段により前記暖房負荷が減少したと判断された場合は、前記戻り温度が低下するように前記戻り温度調節手段の制御を開始した後で、前記往き温度が低下するように前記往き温度調節手段の制御を開始することを特徴とする暖房システム。
  2. 前記暖房回路は、前記ヒートポンプシステム内と暖房端末との間で温水を循環させることを特徴とする請求項1に記載の暖房システム。
  3. 前記暖房回路は、
    前記ヒートポンプシステム内で加熱された温水を暖房端末に供給する流路に配置された混合弁と、
    前記暖房端末から排出された温水の一部を前記混合弁に供給する流路とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の暖房システム。
  4. 前記暖房回路は、
    前記ヒートポンプシステム内で加熱された温水を貯える貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクと暖房端末との間で温水を循環させる循環回路とを有することを特徴とする請求項1に記載の暖房システム。
  5. 前記暖房回路は、
    前記貯湯タンクに貯えられた温水を暖房端末に供給する流路に配置された混合弁と、
    前記暖房端末から排出された温水の一部を前記混合弁に供給する流路とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の暖房システム。
  6. 前記貯湯タンク内に配置され、給湯水が内部を流れる熱交換器を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の暖房システム。
  7. 前記往き温度を検出する往き温度センサと、
    前記戻り温度を検出する戻り温度センサとを備え、
    前記制御手段は、前記往き温度センサ及び前記戻り温度センサの出力に基づいて前記往き温度調節手段及び前記戻り温度調節手段を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の暖房システム。
  8. 外気温度を検出する外気温度センサを備え、
    前記判断手段は、前記外気温度センサで検出される外気温度に基づいて前記暖房負荷が減少したと判断することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の暖房システム。
  9. 前記制御手段は、前記戻り温度が下限温度に達した後で、前記往き温度が低下するように前記往き温度調節手段の制御を開始することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の暖房システム。
  10. 前記制御手段は、前記戻り温度が下限温度に達する前に、前記往き温度が低下するように前記往き温度調節手段の制御を開始することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の暖房システム。
  11. 前記循環回路内において温水を循環させる循環ポンプと、
    前記循環ポンプの回転数、前記往き温度及び前記戻り温度に基づいて暖房負荷を演算する演算手段と、
    前記演算手段で演算された演算暖房負荷と、減少後の暖房負荷とを比較する比較手段とを備え、
    前記制御手段は、演算暖房負荷が減少後の暖房負荷以下である場合に、前記戻り温度を低下させるための前記戻り温度調節手段の制御、及び、前記往き温度を低下させるための前記往き温度調節手段の制御を停止することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の暖房システム。
  12. 冷媒はCO冷媒であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の暖房システム。
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