JP2010008008A - 給湯システム - Google Patents
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Abstract
【課題】集中制御部の電源故障による応急運転時においても給湯設定温度の変更ができ、かつ集中制御部の故障を表示できる給湯システムを提供する。
【解決手段】2台の給湯装置のうちの一方の給湯装置1aのマイコン11aに集中制御部としての機能が付与された給湯システムにおいて、給湯装置1aの電源部14aからリモコン2に電力を供給するように構成するとともに、当該給湯装置1aからリモコン2への電源供給ライン4に、当該電源供給ライン4の電圧低下によって閉成されるブレーク接点6aを介して他方の給湯装置1bの電源部14bを接続することにより、給湯装置1aからリモコン2への電源供給が途絶した場合でも、他方の給湯装置1bの電源部14bからリモコン2に電源が供給されるようにし、リモコン2による給湯設定温度の変更を可能にする。
【選択図】 図1
【解決手段】2台の給湯装置のうちの一方の給湯装置1aのマイコン11aに集中制御部としての機能が付与された給湯システムにおいて、給湯装置1aの電源部14aからリモコン2に電力を供給するように構成するとともに、当該給湯装置1aからリモコン2への電源供給ライン4に、当該電源供給ライン4の電圧低下によって閉成されるブレーク接点6aを介して他方の給湯装置1bの電源部14bを接続することにより、給湯装置1aからリモコン2への電源供給が途絶した場合でも、他方の給湯装置1bの電源部14bからリモコン2に電源が供給されるようにし、リモコン2による給湯設定温度の変更を可能にする。
【選択図】 図1
Description
この発明は給湯システムに関し、より詳細には、複数の給湯装置を集中制御部によって集約して制御する給湯システムに関する。
図3に、この種の給湯システムの概略構成の一例を示す。図示の給湯システムは、複数の給湯装置a1からa3を集約して制御する集中制御部としてシステムコントローラbを備えた給湯システムであって、この種の給湯システムにおいては、各給湯装置a1〜a3の制御部c1〜c3はシステムコントローラbと通信接続され、システムコントローラbから個別に給湯運転の発停、給湯設定温度、設定流量などの指令を受けるとともに、システムコントローラbに対して運転状態に関するデータをそれぞれが送信するように構成されている。なお、図において、eは水源に接続された入水管、fは給湯栓gに接続された出湯管を示している。また、hはシステムコントローラbに対して給湯設定温度の設定等を行うリモコンを示している。
ところで、このような給湯システムでは、各給湯装置a1〜a3に設けられた流路開閉弁d1〜d3の開閉制御権は集中制御部であるシステムコントローラbが有しており、システムコントローラbが故障等によって動作不能に陥った場合、各給湯装置a1〜a3の流路開閉弁d1〜d3はいずれも全開を維持した状態で、加熱運転(燃焼加熱運転)を行わないように構成されていた。
しかし、このような構成では、システムコントローラbの修理が完了するまで給湯運転を行うことができず不便であることから、最近では、このような場合に、給湯装置aの電源を一旦リセットすることにより、給湯装置aをいわゆる本体制御型の給湯装置として応急運転できるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−89960号公報
しかしながら、このように集中制御部故障時の応急運転として給湯装置を本体制御型として使用する構成では以下のような問題があった。
すなわち、本体制御型の給湯装置は、所定の運転条件(給湯設定温度は固定)に従って給湯運転を行うものであるから、応急運転中に給湯設定温度を変更することができず不便である。
また、この種の給湯システムにおけるリモコンは集中制御部から電力の供給を受けるように構成されているので、集中制御部の電源部が故障した場合、リモコンを使って給湯設定温度を設定・変更することができない。さらには、リモコンの表示部も表示不能に陥るので給湯システムの故障についても表示できないという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、集中制御部の電源故障による応急運転時においても給湯設定温度の変更ができ、かつ集中制御部の故障を表示できる給湯システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る給湯システムは、複数の給湯装置を集中制御部によって集約して制御する給湯システムであって、上記集中制御部に対して給湯設定温度を設定する設定装置が上記集中制御部の電源部から電源供給を受けるように構成されたものにおいて、上記集中制御部から上記設定装置への電源供給ラインに、スイッチ手段を介して一の給湯装置の電源部が接続され、上記集中制御部の電源部から設定装置に対する電源供給が途絶すると、上記スイッチ手段によって上記一の給湯装置の電源部から設定装置に電源供給が開始されるように構成されたことを特徴とする。
すなわち、本発明の給湯システムでは、集中制御部の電源部から設定装置に対する電源供給が途絶すると、集中制御部から設定装置への電源供給ラインに接続されたスイッチ手段が、一の給湯装置の電源部から設定装置に対して電源が供給されるように切り替えられる。したがって、集中制御部の電源部の故障により給湯装置の応急運転を行う場合には、設定装置に対して一の給湯装置の電源部から電源が供給されるので、応急運転時においても設定装置による給湯設定温度の変更が可能となる。また、同様に設定装置の表示部も表示可能な状態となるので、該表示部に必要な故障表示等を行うこともできる。
そして、本発明はその好適な実施態様として、給湯システムが2台の給湯装置で構成され、そのうちの1台の給湯装置をマスター給湯装置としてこのマスター給湯装置に上記集中制御部が内蔵されるとともに、他の1台の給湯装置は電気的に絶縁された通信線を介して上記マスター給湯装置と通信接続されることにより、各給湯装置が集中制御部により集約して制御されるように構成され、上記他の1台の給湯装置の電源部が、上記スイッチ手段を介して上記集中制御部から上記設定装置への電源供給ラインに接続されていることを特徴とする。
すなわち、この実施態様は、給湯システムを2台の給湯装置で構成する、いわゆる簡易連結型の給湯システムに本発明を適用した場合であり、この場合、集中制御部は2台ある給湯装置のうちのマスター給湯装置に内蔵され、このマスター給湯装置に備えられた電源部が集中制御部の電源部として用いられる。そして、この場合、他の1台の給湯装置の電源部がスイッチ手段を介して集中制御部から設定装置への電源供給ラインに接続されるので、マスター給湯装置の電源部から設定装置への電源供給が途絶した場合には、他の1台の給湯装置の電源部から設定装置に対して電源が供給される。したがって、この実施態様によれば、このような簡易連結型の給湯システムにおいても、集中制御部の電源部の故障により応急運転が行われる際には設定装置に電源が供給されるので、設定装置による給湯設定温度の変更が可能となる。また、同様に設定装置の表示部も表示可能な状態になるので、該表示部に必要な故障表示等を行うことができる。
また、本発明は他の好適な実施態様として、上記集中制御部は、独自の電源部を有し、給湯装置とは別体に構成された制御装置として構成され、各給湯装置がこの制御装置と通信接続されることにより集中制御部によって集約して制御されるように構成され、上記制御装置に接続された給湯装置のうちの1台の給湯装置の電源部が、上記スイッチ手段を介して上記集中制御部から上記設定装置への電源供給ラインに接続されていることを特徴とする。
すなわち、この実施態様は、集中制御部が給湯装置とは別体の独立した制御装置(システムコントローラ)として構成される、いわゆるシステムコントローラ使用型の給湯システムに本発明を適用した場合であり、この場合、集中制御部を構成する制御装置には独自の電源部(商用電源から独自に電源供給を受ける電源部)が備えられており、この制御装置の電源部が集中制御部の電源部として用いられる。そして、この場合、制御装置に接続された複数の給湯装置のうちの1台の給湯装置の電源部がスイッチ手段を介して制御装置の電源部から設定装置への電源供給ラインに接続されるので、制御装置の電源部から設定装置への電源供給が途絶した場合には、スイッチ手段に接続された給湯装置の電源部から設定装置に対して電源が供給される。したがって、本実施態様によれば、このようなシステムコントローラ使用型の給湯システムにおいても、集中制御部の電源部の故障により応急運転が行われる際には設定装置に電源が供給されるので、設定装置による給湯設定温度の変更が可能となる。また、同様に設定装置の表示部も表示可能な状態になるので、該表示部に必要な故障表示等を行うことができる。
また、本発明は他の好適な実施態様として、上記設定装置と上記集中制御部とが電源重畳通信により通信接続されてなり、上記スイッチ手段に接続される給湯装置には電源重畳通信端子が備えられ、この端子が上記スイッチ手段に接続されていることを特徴とする。
すなわち、この実施態様は、上述した簡易連結型およびシステムコントローラ使用型の給湯システムに共通する実施態様であって、この場合、設定装置と集中制御部とが電源重畳通信により通信接続されるとともに、給湯装置に備えられた電源重畳通信端子がスイッチ手段に接続されているので、集中制御部の電源部の故障により応急運転が行われる際には、設定装置と該設定装置に電源を供給する給湯装置とが電源重畳通信により直接(集中制御部のマイコンを介さずに)通信接続される。したがって、この実施態様では、電源供給用とは別の通信線を配設することなく、応急運転時に設定装置で設定された給湯設定温度を給湯装置に入力することができるようになる。
そして、本発明は更なる他の好適な実施態様として、上記スイッチ手段は、上記集中制御部から上記設定装置への電源供給ラインの電圧に応じて接点が制御されるブレーク接点で構成されていることを特徴とする。
すなわち、この実施態様では、集中制御部から設定装置への電源供給が途絶すると、スイッチ手段を構成するブレーク接点がその電圧低下によって自動的に切り替えられるので、集中制御部の電源部の故障があった場合、自動的に設定装置への電源供給を確保することができる。したがって、設定装置が操作不能や表示不能に陥ることが防止される。
さらに、本発明は他の好適な実施態様として、給湯システムが、上記集中制御部との通信が途絶したこと、および/または、上記設定装置と上記一の給湯装置との通信が開始されたことを条件として、集中制御部が異常である旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
すなわち、本発明の給湯システムでは、集中制御部から設定装置への電源供給の途絶によって一の給湯装置から設定装置に電源が供給されると、集中制御部と設定装置および一の給湯装置の通信が途絶する一方、設定装置と一の給湯装置とが通信可能になるので、これらのうちのいずれかの状態になったときには、報知手段を通じて集中制御部に異常がある旨を報知する。これにより、集中制御部の異常を速やかに認識することができる。
本発明によれば、集中制御部の電源部の故障等により給湯装置の応急運転を行う場合、スイッチ手段に接続された一の給湯装置の電源部から設定装置に対して電源が供給されるので、応急運転時においても設定装置による給湯設定温度の変更が可能で、使い勝手の良い給湯システムを提供することができる。
また、同時に設定装置の表示部も表示可能な状態になるので、該表示部に必要な故障表示等を行わせることができ、故障発生箇所の特定が容易になる。
さらに、請求項4に係る発明によれば、設定装置と集中制御部とが電源重畳通信により通信接続されるとともに、スイッチ手段に接続される給湯装置には電源重畳通信端子が備えられ、この端子がスイッチ手段に接続されているので、電源供給用とは別の通信線を別途配設することなく、応急運転時に設定装置によって給湯設定温度を変更することができるようになる。
また、請求項5に係る発明によれば、上記スイッチ手段として、集中制御部から設定装置への電源供給ラインの電圧に応じて接点が自動的に切り替えられるブレーク接点を用いられるので、集中制御部の電源部の故障によって設定装置への電源供給が途絶しても、自動的に設定装置への電源供給を復帰させることができ、設定装置が操作不能や表示不能に陥ることが回避される。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施形態1
実施形態1
図1は、本発明を簡易連結型の給湯システムに適用した一例を示す概略構成図である。
この簡易連結型の給湯システムは、2台の給湯装置の一方をマスター給湯装置として、このマスター給湯装置に複数の給湯装置を集約して制御することができる集中制御部を内蔵させるとともに、他方をスレーブ給湯装置として、電気的に絶縁された通信線を介して上記マスター給湯装置と通信接続することにより、これら2台の給湯装置をマスター給湯装置に内蔵された集中制御部によって制御可能に構成した給湯システムである。
この簡易連結型の給湯システムは、2台の給湯装置の一方をマスター給湯装置として、このマスター給湯装置に複数の給湯装置を集約して制御することができる集中制御部を内蔵させるとともに、他方をスレーブ給湯装置として、電気的に絶縁された通信線を介して上記マスター給湯装置と通信接続することにより、これら2台の給湯装置をマスター給湯装置に内蔵された集中制御部によって制御可能に構成した給湯システムである。
図示のように、この給湯システムは、マスター給湯装置1aと、スレーブ給湯装置1bと、リモコン2とを主要部として構成される。ここで、上記マスター給湯装置1aおよびスレーブ給湯装置1bは、いずれも給湯機能に関しては公知の給湯装置(たとえば、ガスや灯油を燃料として、バーナによる燃焼熱によって低温水を加熱して所望温度の温水を生成し、これを給湯栓などへ供給するもの)と同様の構成を備えているので、給湯機能に関する構成については説明を省略し、以下では簡易連結型に特有の構成を中心に説明する。
マスター給湯装置1aの制御手段を構成するマイコン11aは、マスター給湯装置1aの給湯機能を制御するための制御手段として機能するとともに、システムの集中制御部としても機能するようにプログラムされている。すなわち、マスター給湯装置1aのマイコン11aは、給湯システムの集中制御部を兼用するように構成されている。具体的には、このマイコン11aには、集中制御部の機能として、上記リモコン2から与えられる指令に基づいて、マスター給湯装置1aおよびスレーブ給湯装置1bに対して運転の発停(給湯運転の開始/停止)、給湯設定温度、設定流量などを指令するとともに、マスター給湯装置1aおよびスレーブ給湯装置1bの運転状態に関するデータを取得して上記リモコン2に与える等の機能が備えられている。そして、このような機能を実現するために、上記マイコン11aには、上記リモコン2を接続するためのリモコン端子12aと、スレーブ給湯装置1bを接続するための通信端子13aとが備えられている。
上記リモコン端子12aは、リモコン2と電源重畳通信を行うための通信端子であって、マスター給湯装置1aに備えられる電源部14aから供給される直流電源(たとえばDC15V)に重畳された通信信号をリモコン2と通信できるように構成されている。電源部14aは、外部の商用電源3から電源供給を受けるスイッチング電源装置で構成されており、上記商用電源3から供給される交流電源からマスター給湯装置1aの各部並びにリモコン2に供給する直流電源を生成するように構成されている。なお、上記リモコン端子12aとリモコン2との電源重畳通信は、一般的な(集中制御部で集中制御されない)給湯装置において、当該給湯装置とそのリモコンとを接続するために用いるのと同じ規格の2芯通信ケーブル4を用いて行われる。つまり、このリモコン端子12aは、マスター給湯装置1aを簡易連結型の給湯システムとして使用しない場合には、一般的な給湯装置としても利用できるように構成されている。
一方、上記通信端子13aは、スレーブ給湯装置1bと通信を行うための専用の通信端子で構成される。マスター給湯装置1aとスレーブ給湯装置1bとの通信は、電気的に絶縁された通信ケーブル5を用いて行われる。これは、マスター給湯装置1aとスレーブ給湯装置1bは、いずれも一般的な給湯装置と同様の基本構成を備えていることから、それぞれが独自の電源部14a,14bを備えており、リモコン2のようにマスター給湯装置1aから電源を供給する必要がないからである。したがって、上記通信ケーブル5では通信信号のみがやりとりされている。
これに対して、スレーブ給湯装置1bの制御手段を構成するマイコン11bは、スレーブ給湯装置1bの給湯機能を制御するための制御手段として機能するようにプログラムされている。すなわち、スレーブ給湯装置1bのマイコン11bには、集中制御部としての機能は備えられておらず、マスター給湯装置1aからの制御を受けて給湯機能を制御するように構成されている。具体的には、マスター給湯装置1aから与えられる運転の発停、給湯設定温度、設定流量などの指令に基づいて給湯機能を制御するとともに、マスター給湯装置1aに対してスレーブ給湯装置1bの運転状態に関するデータを送信できるように構成されている。
そして、このマイコン11bには、このような機能を実現するために通信端子13bが備えられるとともに、本発明では、後述する応急運転時におけるリモコン2への電源供給を行うためのリモコン端子12bが備えられている。
ここで、上記通信端子13bは、マスター給湯装置1aと通信を行うための通信端子であって、上述したように、電気的に絶縁された通信ケーブル5を介してマスター給湯装置1aの通信端子13aと接続されている。
一方、リモコン端子12bは、マスター給湯装置1aのリモコン端子12aと同様に電源重畳通信を行うために設けられた通信端子であって、このリモコン端子12bはスレーブ給湯装置1bに備えられる電源部14bから供給される直流電源(たとえばDC15V)に重畳された通信信号を外部のリモコンと通信できるように構成されている。より詳細には、このリモコン端子12bは、マスター給湯装置1aのリモコン端子12aと同種の2芯の通信ケーブルが接続可能に構成されている。つまり、このスレーブ給湯装置1bもマスター給湯装置1aと同様に単独で一般的な給湯装置として使用できるように構成されたものであり、リモコン端子12bはこのような単独使用時に一般的なリモコンと電源重畳通信ができるように設けられている。本発明では、このような単独使用時に使用されるリモコン端子12bを利用して応急運転時に給湯システムのリモコン2と電源重畳通信を行うようにされている。なお、スレーブ給湯装置1bの電源部14bは、上述した電源部14aと同様のスイッチング電源装置で構成されており、その電源は外部の商用電源3から供給されている。
上記リモコン2は、給湯システムに対する各種指令(たとえば、システムの運転オン/オフ、給湯設定温度など)を入力するための操作装置であって、本発明ではこのリモコン2が給湯設定温度を設定するための設定装置を構成している。
このリモコン2には、当該リモコンの制御手段を構成するマイコン21と、このマイコン21が上記マスター給湯装置1aと電源重畳通信を行うための通信端子22とが備えられている他、図示しないが、上述した給湯システムに対する各種指令を入力するための操作部と給湯システムの状態や故障表示等を行うための表示部とが設けられている。
上記マイコン21は、リモコン各部を制御するための制御手段として機能するようにプログラムされている。すなわち、上記操作部により給湯システムに対する各種指令が入力されるとその内容を所定の通信信号に変換してマスター給湯装置1aに送信するとともに、マスター給湯装置1aからマスター給湯装置1aおよびスレーブ給湯装置1bの運転状態に関するデータを受信するとその内容を上記表示部に表示させる等の処理を行うように構成されている。
なお、上記通信端子22に入力される電源重畳通信信号は図示しない電源分離手段によって直流電源と通信信号とに分離され、通信信号は上記マイコン21に与えられ、直流電源はリモコン2の各部に供給される。
しかして、このように構成された給湯システムにおいて、本実施形態では,集中制御部を構成するマスター給湯装置1aの電源部14aが故障等することにより、マスター給湯装置1aの電源部14aからリモコン2に対して電源供給ができなくなった場合には、スレーブ給湯装置1bからリモコン2に対して電源供給ができるように、以下の構成を備えている。
すなわち、本実施形態の給湯システムでは、マスター給湯装置1aからリモコン2への電源供給ラインに、スイッチ手段6を介してスレーブ給湯装置1bの電源部14bが接続されている。具体的には、マスター給湯装置1aのリモコン端子12aに、一端が上記2芯の通信ケーブル4に接続され、他端が2芯の通信ケーブル7を介して上記スレーブ給湯装置1bのリモコン端子12bに接続されたブレーク接点6aを備えるスイッチ回路(スイッチ手段6)が設けられている。
このスイッチ回路6のブレーク接点6aは、リモコン端子12aの2芯端子間にリレーの1次側コイルが接続され、電源供給ラインの電圧が低下すると、この1次側コイルに電流が流れなくなって、リレーの2次側を構成するブレーク接点6aが閉成されるように構成されており、リモコン端子12aの電源出力が途絶すると、上記2芯の通信ケーブル7と電源供給ライン(通信ケーブル4)とを接続するように構成されている。なお、上記リモコン端子12aには、通信ケーブル7を介して供給される電源がマイコン11aや電源部14a側に流れないようにダイオード等の整流素子(図中のダイオード参照)が配設されている。
これにより、マスター給湯装置1aの電源部14aからリモコン2に対する電源供給が途絶すると、このブレーク接点6aが自動的に短絡(閉成)して、スレーブ給湯装置1bの電源部14bからリモコン2に対して電源供給が開始される。また、これによりスレーブ給湯装置1bのマイコン11bは電源重畳通信が可能なリモコン端子12bを介してリモコン2の通信端子22と接続されることから、リモコン2のマイコン21とスレーブ給湯装置1bのマイコン11bとが通信可能になる。
したがって、本実施形態に示す給湯システムでは、集中制御部を有するマスター給湯装置1aの電源部14aが故障することにより、スレーブ給湯装置1bによる応急運転が開始された場合、リモコン2はスレーブ給湯装置1bから電源供給を受けるとともに、リモコン2とスレーブ給湯装置1bとが通信可能となることから、応急運転時にリモコン2において給湯設定温度の変更操作がなされると、その操作内容はスレーブ給湯装置1bのマイコン11bに受け付けられ、スレーブ給湯装置1bの給湯設定温度が変更される。
また、その際、リモコン2のマイコン21は、スレーブ給湯装置1bのマイコン11bとの通信またはマスター給湯装置1aとの通信状態(通信途絶)から、マスター給湯装置1aに異常があることを認識することができるので、リモコン2の表示部には当該異常の発生が表示される。
このように、本実施形態の給湯システムでは、マスター給湯器1aの電源部14aからの電源供給が途絶した場合でも、リモコン2にはスレーブ給湯器1bから電源が供給され、応急運転時においてもリモコン2の操作等が可能とされる。
実施形態2
次に、本発明の第2の実施形態について図2に基づいて説明する。
次に、本発明の第2の実施形態について図2に基づいて説明する。
図2は、本発明をシステムコントローラ使用型の給湯システムに適用した一例を示す概略構成図である。この給湯システムは、集中制御部として給湯装置とは別体の独立したシステムコントローラ(制御装置)を用いたもので、システムコントローラに複数の給湯装置を通信接続することにより、各給湯装置をシステムコントローラで集約して制御可能に構成している。
図示のように、この給湯システムは、複数(図示例では3台)の給湯装置100a〜100cと、リモコン200と、システムコントローラ300とを主要部として構成されている。なお、本実施形態に示す給湯装置100a〜100cについても給湯機能に関しては公知の給湯装置(たとえば、ガスや灯油を燃料として、バーナによる燃焼熱によって低温水を加熱して所望温度の温水を生成し、これを給湯栓などへ供給するもの)と同様の構成を備えているので、給湯機能に関する構成については説明を省略し、以下では本システムに特有の構成を中心に説明する。また、各給湯装置100a〜100cはいずれも構成が共通するので、個々の給湯装置100a〜100cの説明は省略し、以下では給湯装置100aについて説明する。
この種の給湯システムに使用される給湯装置100aは、図示のように、マイコン101aと、リモコン端子102aと、電源部104aとを備えている。マイコン101aは、給湯装置100aの給湯機能を制御するための制御手段であって、リモコン端子102aを介して上記システムコントローラ300から与えられる運転の発停、給湯設定温度、設定流量などの指令に基づいて給湯機能を制御するとともに、システムコントローラ300に対して給湯装置100aの運転状態に関するデータを送信できるように構成されている。
リモコン端子102aは、外部のリモコン又はシステムコントローラ300と電源重畳通信を行うために設けられた通信端子であり、このリモコン端子102aは給湯装置100aに備えられた電源部104aから供給される直流電源(たとえばDC15V)に重畳される通信信号を外部のリモコン等と通信できるように構成されている。なお、このリモコン端子102aには上述した実施形態1と同様に一般の給湯装置とリモコン間に使用されるのと同種の2芯の通信ケーブル400aが接続可能に構成されており、この通信ケーブル400aがシステムコントローラ300の通信端子303aに接続されている。
電源部104aは、外部の商用電源30から電源供給を受けるスイッチング電源装置で構成されており、上記商用電源30から供給される交流電源から給湯装置100aの各部に供給する(電源重畳通信用の電源を含む)直流電源を生成するように構成されている。
リモコン200は、給湯システムに対する各種指令(たとえば、システムの運転オン/オフ、給湯設定温度など)を入力するための操作装置であって、本実施形態においてもリモコン200が給湯設定温度を設定するための設定装置を構成している。
このリモコン200には、当該リモコンの制御手段を構成するマイコン201と、このマイコン201がシステムコントローラ300と電源重畳通信を行うための通信端子202とが備えられている他、図示しないが、上述した給湯システムに対する各種指令を入力するための操作部と給湯システムの状態や故障表示等を行うための表示部とが設けられている。
上記マイコン201は、リモコン各部を制御するための制御手段として機能するように構成されており、上記操作部により給湯システムに対する各種指令が入力されるとその内容を所定の通信信号に変換してシステムコントローラ300に送信するとともに、システムコントローラ300から各給湯装置100a〜100cの運転状態に関するデータを受信するとその内容を上記表示部に表示させる等の処理を行うように構成されている。
なお、上記通信端子202に入力される電源重畳通信信号は図示しない電源分離手段によって直流電源と通信信号とに分離され、通信信号は上記マイコン201に与えられ、直流電源はリモコン200の各部に供給される。
システムコントローラ300は、給湯システムの集中制御部を構成する制御装置を構成するものであり、マイコン301と、上記リモコン200との電源重畳通信用のリモコン端子302と、上記各給湯装置100a〜100cとの通信用の通信端子303(303a〜303c)と、電源部304とを主要部として構成されている。
マイコン301は、システムコントローラ300の制御手段を構成するものであり、このマイコン301は、集中制御部の機能として、上記リモコン200から与えられる指令に基づいて、各給湯装置100a〜100cに対して運転の発停(給湯運転の開始/停止)、給湯設定温度、設定流量などを指令するとともに、各給湯装置100a〜100cの運転状態に関するデータを取得して上記リモコン200に与える等の機能が備えられている。
上記リモコン端子302は、給湯装置100のリモコン端子102と同様に電源重畳通信を行うために設けられた通信端子であって、このリモコン端子302はシステムコントローラ300に備えられる電源部304から供給される直流電源(たとえばDC15V)に重畳された通信信号を外部のリモコン200と通信できるように構成されている。なお、このリモコン端子302も上述した他のリモコン端子102と同様に一般の給湯装置とリモコン間に使用されるのと同種の2芯の通信ケーブル500が接続可能に構成されており、この通信ケーブル500が上記リモコン200の通信端子202に接続されている。つまり、リモコン200はこの通信ケーブル500を介してシステムコントローラ300から電源供給を受けるように構成されている。
また、電源部304は、給湯装置100の電源部104と同様のスイッチング電源装置で構成されており、商用電源30から供給される交流電源からシステムコントローラ300の各部に供給する(電源重畳通信用の電源を含む)直流電源を生成するように構成されている。なお、システムコントローラ300には、このような独自の電源部304が備えられているので、上述したシステムコントローラ300の通信端子303a〜303cは、給湯装置100a〜100cとの間でそれぞれ電気的に縁切りされ、通信信号のみを相互にやりとりするように構成されている。
しかして、このように構成された給湯システムにおいて、本実施形態では,集中制御部を構成するシステムコントローラ300の電源部304が故障等することにより、システムコントローラ300の電源部304からリモコン200に対して電源供給ができなくなった場合には、システムコントローラ300に接続された給湯装置100a〜100cのうちの1台の給湯装置(図示例では、給湯装置100a)からリモコン200に対して電源供給ができるように、以下の構成を備えている。
すなわち、本実施形態の給湯システムでは、システムコントローラ300からリモコン200への電源供給ラインに、スイッチ手段600を介して給湯装置100aの電源部104aが接続されている。具体的には、システムコントローラ300の通信端子303aと給湯装置100aとの間に、接点の切り替えによって上記2芯の通信ケーブル400aの接続先を通信端子303a側と上記2芯の通信ケーブル500側とに切り替えることができるブレーク接点600aを備えるスイッチ回路(スイッチ手段600)が設けられている。このスイッチ手段600のブレーク接点600aは、電源供給ラインの電圧の低下によって接点を通信ケーブル500側に切り替える(閉成する)ように構成されており、リモコン端子302の電源出力が途絶すると、2芯通信ケーブル400aと電源供給ライン(2芯の通信ケーブル500)とを接続するように構成されている。
なお、上記リモコン端子302には、通信ケーブル400aを介して供給される電源がマイコン301側に流れ込まないようにダイオード等の整流素子(図中のダイオード参照)が配設される点は上述した実施形態1と同様である。
これにより、システムコントローラ300の電源部304からリモコン200に対する電源供給が途絶すると、このブレーク接点600aが自動的に通信ケーブル500と通信ケーブル400aとを接続して、給湯装置100aの電源部104aからリモコン200に対して電源供給が開始される。また、これにより、給湯装置100aのマイコン101aは、電源重畳通信が可能なリモコン端子102aを介してリモコン200の通信端子202と接続されることになるから、リモコン200のマイコン201と給湯装置100aのマイコン101aとが通信可能になる。
したがって、本実施形態に示す給湯システムでは、集中制御部を構成するシステムコントローラ300の電源部304が故障することにより、給湯装置100aによる応急運転が開始された場合には、リモコン200は当該給湯装置100aから電源供給を受けるとともに、給湯装置100aと通信可能となることから、応急運転時にリモコン200において給湯設定温度の変更操作がなされると、その操作内容は給湯装置100aのマイコン101aに受け付けられ、給湯装置100aの給湯設定温度が変更される。
また、その際、リモコン200のマイコン201は、給湯装置100aのマイコン101aとの通信またはシステムコントローラ300との通信状態(通信途絶)から、システムコントローラ300に異常があることを認識することができるので、リモコン200の表示部には当該異常の発生が表示される。
このように、本実施形態の給湯システムにおいても、システムコントローラ300の電源部304からの電源供給が途絶した場合でも、リモコン200には給湯装置100aから電源が供給され、応急運転時においてもリモコン200の操作等が可能とされる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、集中制御部を構成するシステムコントローラ300に接続される給湯装置100が3台の場合を示したがその接続台数は適宜設定変更可能である。
また、上述した実施形態では、システムコントローラ300が1台の場合を示したが、複数のシステムコントローラを階層的に配置した給湯システムにも本発明は適用可能である。
また、上述した実施形態では、システムコントローラ300が独自の電源部304を備える場合について説明したが、本発明は、たとえば、システムコントローラが該システムコントローラに接続される複数の給湯装置のうちの1台の給湯装置から電源供給を受けるように構成されている場合にも適用可能である。すなわち、この場合、システムコントローラに電源を供給する給湯装置の電源部が電力供給不能になると、他の給湯装置の電源部(リモコン端子(電源重畳通信端子))からリモコンに電源が供給されるようにスイッチ手段(ブレーク接点)を備えさせておくことができる。
1 給湯装置
2 リモコン(設定装置)
4 2芯の通信ケーブル(電源供給ライン)
6 スイッチ手段
6a ブレーク接点
11a 給湯装置のマイコン(集中制御部)
14a 給湯装置の電源部
100a〜100c 給湯装置
200 リモコン(設定装置)
300 システムコントローラ(集中制御部)
500 2芯の通信ケーブル(電源供給ライン)
600 スイッチ手段
600a ブレーク接点
2 リモコン(設定装置)
4 2芯の通信ケーブル(電源供給ライン)
6 スイッチ手段
6a ブレーク接点
11a 給湯装置のマイコン(集中制御部)
14a 給湯装置の電源部
100a〜100c 給湯装置
200 リモコン(設定装置)
300 システムコントローラ(集中制御部)
500 2芯の通信ケーブル(電源供給ライン)
600 スイッチ手段
600a ブレーク接点
Claims (6)
- 複数の給湯装置を集中制御部によって集約して制御する給湯システムであって、前記集中制御部に対して給湯設定温度を設定する設定装置が前記集中制御部の電源部から電源供給を受けるように構成されたものにおいて、
前記集中制御部から前記設定装置への電源供給ラインに、スイッチ手段を介して一の給湯装置の電源部が接続され、前記集中制御部の電源部から設定装置に対する電源供給が途絶すると、前記スイッチ手段によって前記一の給湯装置の電源部から設定装置に電源供給が開始されるように構成されたことを特徴とする給湯システム。 - 給湯システムが2台の給湯装置で構成され、そのうちの1台の給湯装置をマスター給湯装置としてこのマスター給湯装置に前記集中制御部が内蔵されるとともに、他の1台の給湯装置は電気的に絶縁された通信線を介して前記マスター給湯装置と通信接続されることにより、各給湯装置が集中制御部により集約して制御されるように構成され、
前記他の1台の給湯装置の電源部が、前記スイッチ手段を介して前記集中制御部から前記設定装置への電源供給ラインに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。 - 前記集中制御部は、独自の電源部を有し、給湯装置とは別体に構成された制御装置として構成され、各給湯装置がこの制御装置と通信接続されることにより集中制御部によって集約して制御されるように構成され、
前記制御装置に接続された給湯装置のうちの1台の給湯装置の電源部が、前記スイッチ手段を介して前記集中制御部から前記設定装置への電源供給ラインに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。 - 前記設定装置と前記集中制御部とが電源重畳通信により通信接続されてなり、
前記スイッチ手段に接続される給湯装置には電源重畳通信端子が備えられ、この端子が前記スイッチ手段に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の給湯システム。 - 前記スイッチ手段は、前記集中制御部から前記設定装置への電源供給ラインの電圧に応じて接点が制御されるブレーク接点で構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の給湯システム。
- 前記集中制御部との通信が途絶したこと、および/または、前記設定装置と前記一の給湯装置との通信が開始されたことを条件として、集中制御部が異常である旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の給湯システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008170043A JP2010008008A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | 給湯システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008170043A JP2010008008A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | 給湯システム |
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JP2010008008A true JP2010008008A (ja) | 2010-01-14 |
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ID=41588720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008170043A Withdrawn JP2010008008A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | 給湯システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010008008A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012032070A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | Noritz Corp | 給湯システム |
JP2012117782A (ja) * | 2010-12-02 | 2012-06-21 | Purpose Co Ltd | 給湯システム、給湯装置及び給湯制御方法 |
CN104833099A (zh) * | 2015-05-15 | 2015-08-12 | 芜湖美的厨卫电器制造有限公司 | 家居水系统和基于其的热水器及应急控制方法 |
CN109059252A (zh) * | 2018-09-04 | 2018-12-21 | 广东万家乐燃气具有限公司 | 一种多台并联燃气热水器 |
-
2008
- 2008-06-30 JP JP2008170043A patent/JP2010008008A/ja not_active Withdrawn
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