JP2010007786A - シールパッキンおよびこれを用いたシール構造 - Google Patents

シールパッキンおよびこれを用いたシール構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2010007786A
JP2010007786A JP2008168974A JP2008168974A JP2010007786A JP 2010007786 A JP2010007786 A JP 2010007786A JP 2008168974 A JP2008168974 A JP 2008168974A JP 2008168974 A JP2008168974 A JP 2008168974A JP 2010007786 A JP2010007786 A JP 2010007786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
packing
stem
seal
seal packing
pressing force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008168974A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5061045B2 (ja
Inventor
Kazuhisa Kubota
和久 窪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitz Corp
Original Assignee
Kitz Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kitz Corp filed Critical Kitz Corp
Priority to JP2008168974A priority Critical patent/JP5061045B2/ja
Publication of JP2010007786A publication Critical patent/JP2010007786A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5061045B2 publication Critical patent/JP5061045B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 局部的にシール面圧が高くなってしまうことを防止することができ、偏摩耗を防止して高いシール性を確保することのできるシールパッキンを提供する。
【解決手段】 バルブのステム17の外周側に配置される断面形状ほぼ四辺形状のリング状に形成されるとともに、上下面は、ステム17の軸方向に対して所定角度で同方向に傾斜する傾斜面D,Eとされ、内周面は、軸方向の押圧力が付与されていない状態でステム17の外周面との間に間隙を有し、軸方向の押圧力が付与された状態でステム17側に傾倒してステム17の外周面に面接触する傾斜面Gとされている。
【選択図】 図3

Description

本発明はシールパッキンおよびこれを用いたシール構造に係り、特に、配管内部の流体の流れを制御するために用いられるバルブステムの外周側に配置されるシールパッキンおよびこれを用いたシール構造に関する。
一般に、グローブバルブなどのように、弁体が取付けられたステムを軸方向に摺動させて弁の開閉動作を行うバルブが多く用いられている。
この場合に、従来から、図7に示すように、断面形状ほぼ台形状のパッキンを交互に積層して配置し、これらパッキンに押圧力を付与することにより、各パッキンをステムの軸方向に直交する方向に交互にずらしてステムのシールを行うカップアンドコーン型のシール構造が知られている。また、図8に示すように、断面形状ほぼV字状のパッキンを積層して配置し、これらパッキンに押圧力を付与することにより、各パッキンを軸方向に直交する方向に拡開させてステムのシールを行うVパッキン型のシール構造が知られている。
前記カップアンドコーン型のシール構造においては、押圧力によりパッキンを変形させることにより、内周面に面圧を発生させるようにしているが、パッキンの変形量が小さく増し締めを多く必要とするという問題を有している。また、前記Vパッキン型のシール構造においては、パッキンの内周側先端部だけ高い面圧を発生させることでシールを行うものであるため、主に、ボールバルブなどステムを回転させて弁の開閉動作を行うバルブに用いられている。したがって、Vパッキン方のシール構造は、ステムを軸方向に摺動させて弁の開閉を行うバルブに用いる場合には、摩耗しやすく耐久性に劣り、しかも、内周側先端部だけによるシールなので傷がつくと漏れやすいという問題を有している。さらに、1つのパッキンでステムに対して内周側先端部の1カ所による接触によりシールを行うものであるため、パッキン数が多く必要であり、形状もやや複雑でコスト高になってしまうという問題もある。
そのため、従来から、図9に示すように、断面形状ほぼ平行四辺形状のリング状パッキンを積層して配置し、これら各リング状パッキンにパッキン押さえにより押圧力を付与することにより、各リング状パッキンを内外周側に傾倒させ、ステムのシールを行うソリッドパッキン型のシール構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−181197号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のシール構造においては、特許文献1の図3に示すように、傾倒初期からパッキン内径上部がステムに接触しているため、傾倒に伴ってパッキン内径上部が、局部的にシール面圧の高い部位となってしまい、偏摩耗を招きやすく、偏摩耗が生じた場合には、シール性が著しく低下してしまうという問題を有している。
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、局部的にシール面圧が高くなってしまうことを防止することができ、偏摩耗を防止して高いシール性を確保することのできるシールパッキンおよびこれを用いたシール構造を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、バルブのステムの外周側に配置される断面形状ほぼ四辺形状のリング状に形成されるとともに、上下面は、前記ステムの軸方向に対して所定角度で同方向に傾斜する傾斜面とされ、押圧力が付与された状態で、前記ステム側に傾倒させて前記ステムのシールを行うシールパッキンにおいて、
内周面は、前記軸方向の押圧力が付与されていない状態で前記ステムの外周面との間に間隙を有し、前記軸方向の押圧力が付与された状態で前記ステム側に傾倒して前記ステムの外周面に面接触する傾斜面とされていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記内周面の傾斜面の角度γと最大傾斜角度βとの関係は、
0.3β<γ≦β
とされていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記上下面の傾斜面には、それぞれ支点が形成されており、これら各支点により押圧力が付与されていない状態で、隣接するパッキンとの間に間隙が形成されるように構成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項において、フッ素樹脂材料により形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシールパッキンの軸方向の両側に、前記シールパッキンの上下面の傾斜面に対向する傾斜面を備えたアダプタパッキンと、前記シールパッキンの上下面の傾斜面に対向する傾斜面を備えたコーンパッキンとを積層配置し、アダプタパッキンを介して前記シールパッキンに軸方向の押圧力を付与することにより前記シールパッキンを傾倒させ、前記アダプタパッキンの傾斜面と前記シールパッキンの傾斜面および前記コーンパッキンの傾斜面と前記シールパッキンの傾斜面とをそれぞれ密着させてステムのシールを行うことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、シールパッキンの内周面を押圧力が付与されていない状態でステムの外周面との間に間隙を有し、押圧力が付与された状態でステム側に傾倒してステムの外周面に面接触する傾斜面とし、シールパッキンの組み込み時から傾倒の前期段階までステムとの間に間隙が保たれるようにしているので、シールパッキンの傾倒時に、局部的にシール面圧が高くなってしまうことを防止することができ、偏摩耗を防止して高いシール性を確保することができる。
請求項2に係る発明によれば、シールパッキンの内周面の角度γとシールパッキンの最大傾倒角度βとの関係を、0.3β<γ≦βに設定することにより、小さい押圧力でも高いシール性を維持することができ、しかも、長期にわたってシール性を確保することができ、耐久性を著しく高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、シールパッキンの上下面の傾斜面にそれぞれ支点を形成し、これら各支点により押圧力が付与されていない状態で、隣接するパッキンとの間に間隙が形成されるように構成しているので、押圧力が付与された場合に、支点を傾倒の支点および力点としてシールパッキンが傾倒されることにより、傾倒を円滑に行うことができ、しかも、押圧力の付与による応力集中、ひいては局部変形を低減することができる。
請求項4に係る発明によれば、シールパッキンをフッ素樹脂材料により形成するようにしているので、耐食性を確保したまま、長期にわたってシール性を確保することができる。
請求項5に係る発明によれば、シールパッキンの軸方向の両側に、アダプタパッキンと、コーンパッキンとを積層配置し、アダプタパッキンを介して前記シールパッキンに軸方向の押圧力を付与することによりシールパッキンを傾倒させ、アダプタパッキンの傾斜面とシールパッキンの傾斜面およびコーンパッキンの傾斜面とシールパッキンの傾斜面とをそれぞれ密着させてステムのシールを行うようにしていてるので、局部的にシール面圧が高くなってしまうことを防止することができ、偏摩耗を防止して高いシール性を確保することができるとともに、樹脂が間隙に逃げるクリープ現象を防止することができ、シール面圧の低下を防止して高いシール性を確保することができる。
以下、本発明に係るシールパッキンおよびこれを用いたシール構造の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るシール構造をグローブバルブに適用した場合の実施形態を示したものであり、図1に示すように、グローブバルブのバルブ本体1の両端部には、流体の流入口2および流出口3がそれぞれ設けられており、バルブ本体1の内部には、流入口2側と流出口3側とを上下に仕切る仕切り壁4が形成されている。仕切り壁4の中途部には、開口5が形成されており、流体は、開口5の下面から導かれ開口5の上面に流出するようになっている。
バルブ本体1の上面には、弁体挿入用孔6が形成されており、この弁体挿入用孔6には、弁蓋7が弁体挿入用孔6を閉塞するように取付けられている。弁蓋7の中心部には、上下方向に貫通するステム支持孔8が形成されており、ステム支持孔8の内周部には、アダプタパッキン9、シールパッキン10、コーンパッキン11を設置するためのパッキン室12が弁蓋7の上面に開口するように形成されている。弁蓋7の上部には、アダプタパッキン9の上部を押圧する押さえ部材13が配設されており、押さえ用ボルト14を締め付けることにより、アダプタパッキン9、シールパッキン10およびコーンパッキン11を下方に向けて押圧するように構成されている。
また、弁蓋7には、弁蓋7のステム支持孔8の上方に位置するステム支持部材15が一体に形成されており、ステム支持部材15には、内周面に雌ねじが形成されたステム螺合部16が形成されている。ステム支持部材15のステム螺合部16および弁蓋7のステム支持孔8には、ステム17が挿通されており、ステム17の上部外周に形成された雄ねじをステム螺合部16の雌ねじに螺合させることにより、ステム17の回転動作でステム17を昇降動作させるように構成されている。
ステム17の下端部には、仕切り壁4の開口5を開閉させるための弁体18が取付けられており、ステム17の上端部には、ステム17を回転操作するためのハンドル19が取付けられている。
次に、本発明のシール構造について図2を参照してさらに詳細に説明する。
図2に示すように、本実施形態においてシール構造としては、例えば、フッ素樹脂からなるアダプタパッキン9、シールパッキン10、コーンパッキン11、シールパッキン10、アダプタパッキン9を順次積層して構成されており、アダプタパッキン9とシールパッキン10とは、それぞれ同一のパッキンを上下逆向きにして上下対称に配置されている。ここで、フッ素樹脂材料とは、フッ素系の樹脂を主原料としたものであり、PTFE、FEP、PFA、ETFE等を挙げることができる。主原料はフッ素樹脂であるが、充填材料として、金属、各種繊維材、潤滑剤などを配合若しくは塗布するようにしてもよい。
アダプタパッキン9は、端部一側面がほぼ水平面とされ、図3に示す他側面の傾斜角dが45°とされた断面形状ほぼ台形状のリング状に形成されており、アダプタパッキン9は、押さえ部材13による押圧力が付与された場合に、内周方向への押圧力に変えてシールパッキン10を内周側に傾倒させる機能を備えている。また、アダプタパッキン9は、増し締め時においては、シールパッキン10を径方向にスライドさせ、ステム17やパッキン室12とのシール面圧を向上させる機能を備えている。
コーンパッキン11は、内周側の中心軸方向の長さ寸法が外周側の長さ寸法より大きく形成された断面形状ほぼ台形状のリング状に形成されている。なお、コーンパッキン11の傾斜角cは45°に設定されている。そして、コーンパッキン11は、シールパッキン10を支持し、押さえ部材13による軸方向の押圧力の反力を外周方向への押圧力に変えてシールパッキン10を外周側にスライドさせる機能を備えている。また、コーンパッキン11は、増し締め時において、シールパッキン10を径方向にスライドさせ、ステム17やパッキン室12とのシール面圧を向上させる機能を備えている。
シールパッキン10は、アダプタパッキン9とコーンパッキン11との間に配置されており、断面形状ほぼ平行四辺形状のリング状に形成されている。
以下、シールパッキン10の形状について、図を参照して詳細に説明する。なお、上側のシールパッキン10と下側のシールパッキン10とは上下対称の形状であるため、上側のシールパッキン10に基づいて説明する。
シールパッキン10の下面の外周側端部から距離vだけ離れた位置には、支点P2が形成されており、シールパッキン10の下面は、支点P2により緩やかな傾斜をもった山型に形成されている。そして、シールパッキン10に押圧力が付与されていない状態で、この支点P2がコーンパッキン11の上面に当接するようになっており、押圧力が付与された場合に、支点P2を支点として、シールパッキン10が傾倒されることにより、コーンパッキン11との接触部である外周下縁部付近における応力集中ひいては局部変形を低減することができる。
シールパッキン10の下面の支点P2より内周側の面は、シールパッキン10を内周側に傾倒させるために内周側が上方に位置するように傾斜された傾斜面Eとされており、傾斜面Eの径方向長さgは、ステム17とパッキン室12との間に形成されるパッキン組み込み幅hより長く形成されている。
シールパッキン10の傾斜面Eは、水平面に対して角度aの傾斜角を有しており、この傾斜角aは、コーンパッキン11の上面の傾斜角cより大きく形成されている。これにより、シールパッキン10の傾斜面Eとコーンパッキン11の上面との間には、ステム17側に向かって開口する角度βの間隙Qが形成されるように構成されており、この間隙Qは、パッキン傾倒用として必須の間隙であり、角度β(a−c)がシールパッキン10の最大傾倒角度となる。
傾斜面Eの傾斜角度aの範囲は、30°〜60°に設定するのが好ましい。30°を下回る角度では、傾倒後の面接触におけるシール面圧を十分に得ることができない。一方、60°を超える角度では、シールパッキン10の断面が縦長状となり、押圧力に対する強度が低下してしまう。なお、本実施形態においては、a=50°に設定している。
また、角度βの範囲は、3°〜10°に設定するのが好ましい。3°を下回る角度では、傾倒状態におかれる時間が短すぎ、ステム17との面接触を傾倒の途中段階から生じさせることが困難となる。一方、10°を超える角度では、パッキンの傾倒に必要な押圧量、具体的にはグランドを押圧する軸方向の距離が長くなってしまい。パッキン室12の高さ方向長さや押さえ用ボルト14の寸法を長くしなければならない。本実施形態においては、β=5°に設定している。
シールパッキン10の上面の内周側端部から距離wだけ離れた位置には、支点P1が形成されており、シールパッキン10の上面は、支点P1により緩やかな傾斜をもった山型に形成されている。そして、押圧力が付与されていない状態で、この支点P1がアダプタパッキン9の下面に当接するようになっており、押圧力が付与された場合に、支点P1を力点として、シールパッキン10が傾倒されることにより、アダプタパッキン9との接触部である内周上縁部付近における応力集中、ひいては局部変形を低減することができる。
シールパッキン10の上面の支点P1より外周側の面は、シールパッキン10を内周側に傾倒させるために内周側が上方に位置するように傾斜された傾斜面Dとされている。シールパッキン10の傾斜面Dは、水平面に対して角度bの傾斜角を有しており、この傾斜角bは、アダプタパッキン9の下面の傾斜角dより大きく形成されている。これにより、シールパッキン10の傾斜面Dとアダプタパッキン9の下面との間には、パッキン室12側に向かって開口する角度αの間隙Sが形成されるように構成されており、角度α(b−d)がシールパッキン10の最大傾倒角度となる。間隙Sは任意の間隙であるが、間隙Sを形成することにより、力点P1の位置が明確となり、前記局部変形の低減効果を確実に得ることができる。
傾斜面Dの傾斜角度bの範囲は、0°〜60°に設定するのが好ましい。0°を下回る角度では、ステム17側に傾倒することができない。一方、60°を超える角度では、シールパッキン10の外周側が薄肉になってしまい、傾倒の始点部位として必要な強度が低下してしまう。本実施形態においては、b=50°に設定している。
角度αの範囲は、角度β以下に設定するのが好ましい。これにより、シールパッキン10の押圧完了状態において、シールパッキン10の上面とアダプタパッキン9の下面との間隙Sをなくし、樹脂が間隙に逃げ込むクリープ現象を抑制し、シール面圧の低下を防ぐことが可能となる。本実施形態においては、角度βと等しいα=5°に設定している。
シールパッキン10の内周面の下端部から距離yだけ離れた位置には、支点P3が形成されており、シールパッキン10の内周面は、支点P3により緩やかな傾斜をもった山型に形成されている。そして、押圧力が付与されていない状態で、ステム17の外周面との間に間隙Vが形成されるように構成されており、この間隙Vにより、パッキンの組み込み時から傾倒の前期段階までステム17との間に間隙Vが保たれ、パッキンの内周面とステム17の外周面との非接触状態が維持されることになる。すなわち、間隙Vは、面接触を傾倒の途中段階から生じさせるための必須の間隙である。そして、この支点P3を作用点として、シールパッキン10を傾倒することにより、ステム17の外周面との接触部である内周下縁部付近における応力集中、すなわち局部変形を低減することができる。
シールパッキン10の内周面の支点P3より上方側の面は、シールパッキン10が内周側に傾倒される際に内周側に縮径するための傾斜面Gとされており、この傾斜面Gは、垂直面に対して角度γの傾斜角を有している。
ここで、アダプタパッキン9、シールパッキン10およびコーンパッキン11は、バルブに組み込む際に接触傷が生じるのを防ぐため、あらかじめその内周面をステム17の外周面よりもわずかに大径に形成するとともに、ステム17の外周面をパッキン室12の内周面よりもわずかに小径に形成している。これにより、アダプタパッキン9、シールパッキン10およびコーンパッキン11の組み込み時には、アダプタパッキン9、シールパッキン10およびコーンパッキン11とステム17との間にわずかな間隙Uが形成されるように構成されている。この間隙Uは、パッキン組み込みに必須の間隙であり、本実施形態においては、間隙Vは間隙Uより大きく形成されている。
また、角度γは、シールパッキン10の最大傾倒角度βとの関係として、0.3<γ≦βに設定するのが好ましい。0.3β以下の値では、傾倒の前期段階で面接触が生じてしまい、パッキン内周における応力集中が大きくなってしまう。また、β以上の値では、傾倒の後期段階における面接触が不十分となってしまう。より好ましくは、0.5β≦γ≦βに設定するのが好ましく、さらに長期にわたってシール性を確保するには、0.7β≦γ≦0.9βに設定するのが好ましい。
なお、図4に示すように、シールパッキン10の下面の支点P2から外周側を傾斜面Eよりも浅い角度の傾斜面eとすることにより、コーンパッキン11の上面との間に角度εの間隙qを形成するようにしてもよい。また、シールパッキン10の上面の支点P1から内周側を傾斜面Dよりも浅い角度の傾斜面fとすることにより、アダプタパッキン9の下面との間に角度δの間隙sを形成するようにしてもよい。さらに、シールパッキン10の内周面の支点P3から軸方向下側を傾斜面Gよりも浅い角度の傾斜面gとすることにより、ステム17の外周面との間に角度τの間隙xを形成するようにしてもよい。
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、シール構造を組み立てる場合は、まず、図3に示すように、アダプタパッキン9、シールパッキン10およびコーンパッキン11をパッキン室12に積層配置して組み込む。
その後、押さえ部材13を上部のアダプタパッキン9の上面側に設置して、押さえ用ボルト14を締め付けることにより、各パッキンに対して軸方向の押圧力Fを付与する。これにより、押さえ部材13およびアダプタパッキン9を介してシールパッキン10が押圧される。この押圧力Fにより、シールパッキン10は、支点P1を力点、支点P2を支点として内径側に傾倒され、傾倒に伴って、シールパッキン10はコーンパッキン11の上面に沿って外周側に摺動し、シールパッキン10の外周側がパッキン室12の内周面に面接触する。なお、シールパッキン10の内周面は、間隙Vによりステム17の外周面とは非接触の状態に保持されている。
シールパッキン10の傾倒が進行すると、図5に示すように、シールパッキン10の内周側の支点P3を作用点として、支点P3がステム17の外周面に接触する。さらに傾倒が進行すると、支点P3は、ステム17の外周面を摺動しながら少しずつ圧縮変形され、P3の接触幅は徐々に広がって、応力集中を防ぎながら面接触が進行される。なお、シールパッキン10の材料が軟質樹脂の場合には、ステム17との間隙Vが保持されている状態で、圧縮変形により樹脂が間隙Vに逃げ、応力集中をさらに低減させることができる。そして、シールパッキン10の下面とコーンパッキン11の上面との間隙Qがなくなるまで、傾倒は進行する。
シールパッキン10の傾倒が完了すると、図6に示すように、シールパッキン10の下面とコーンパッキン11の上面との間隙Q、シールパッキン10の上面とアダプタパッキン9の下面との間隙Sがなくなる。これにより、樹脂が間隙に逃げるクリープ現象を防ぐことができ、シール面圧の低下を抑制することが可能となる。シールパッキン10のの内周面は、その前面がほぼ一様な面圧でステム17と面接触し、シールパッキン10の外周面は、その下部がパッキン室12に高い面圧で押しつけられる。この状態で、ステム17の外周面を完全にシールすることができる。
また、押さえ用ボルト14を増し締めすることにより、従来のカップアンドコーン型のパッキンと同様に、シールパッキン10をステム17側およびパッキン室12側にスライドさせることができ、これにより、シール面圧を高めることができる。そして、さらに、増し締めすることにより、アダプタパッキン9がシールパッキン10の上面の傾斜面Dに沿ってパッキン室12側にスライドし、コーンパッキン11がシールパッキン10の下面の傾斜面Eに沿ってステム17側にスライドすることにより、シール面圧をさらに高めることができる。
次に、本発明の実験結果について説明する。
バルブとしては、呼び圧力10K、呼び径40Aのグローブバルブを用いた。バルブ本体1の材料はSCS13を用いた。また、パッキンの材質はPTFE(油分の塗布はなし)を用いた。パッキンの寸法は、図と同様に、アダプタパッキン9が上下各1個、シールパッキン10が上下各1個、コーンパッキン11が1個をそれぞれ組み合わせて積層した状態で、パッキンの寸法は内径14.5mm、外径24.5mm、高さ28mmとした。
実験は、バルブ本体1の内部に空気圧を0.6MPaで付与した状態で、ステム17を回転往復動作させることにより行った。往復動作は、閉動作16秒、全閉位置保持6秒、開動作16秒、全開位置(保持時間なし)を連続して行い、これを作動回数1回とした。全開状態から全閉状態に至るまでのステム17の回転数は約6回転であり、ステム17の軸方向の移動量は約18mmである。そして、作動回数100回毎にバルブを停止して中間開度とし、リング状のパッキン押さえ部材13とステム17との間に石けん液を塗布し、目視により発泡の有無を確認した。なお、実験温度は室温(約10℃)で行った。
このような条件で行った実験結果を以下の表1に示す。
Figure 2010007786
本発明No.1から本発明No.4は、それぞれ本発明に係るシールパッキン10であり、本発明No.1はγ=0.5β、本発明No.2はγ=0.7β、本発明No.3はγ=0.9β、本発明No.4はγ=βとしたものである。
また、比較例No.5から比較例No.7は、それぞれ本発明に対する比較例であり、比較例No.5は、図7に示すように断面形状ほぼ台形状のパッキン20を用いたカップアンドコーン型のパッキン、比較例No.6は、図8に示すように断面形状ほぼV字状のパッキン21を用いたVパッキン型のパッキン、比較例No.7は、図9に示すように断面形状四辺形状のパッキン22を用いたソリッド型のパッキン、比較例No.8は、γ=0.3βとしたパッキンである。
なお、押圧比とは、各供試品について、内径側への面圧、すなわち、ステム17側への面圧が一定となるように軸方向の押圧力Fを求め、比較例No.6のVパッキン型の押圧力に対する比を表したものである。
この実験結果によれば、本発明No.1からNo.4は、比較例No.5およびNo.6と比較して、約1/2の押圧力でも高いシール性を維持することができることがわかる。また、本発明No.2およびNo.3のように、0.7β≦γ≦0.9βに設定した場合は、長期にわたってシール性を確保することができ、耐久性を著しく高めることができることがわかる。また、比較例No.8のように、γ=0.3βとした場合には、本発明No.1と比較して長期にわたったシール性を確保することができず、γ>0.3βとする必要があることがわかる。
したがって、本実施形態においては、シールパッキン10の内周面を角度γの傾斜面Gとし、パッキンの組み込み時から傾倒の前期段階までステム17との間に間隙Vが保たれ、パッキンの内周面とステム17外周面との非接触状態が維持されるようにしているので、シールパッキン10の傾倒時に、局部的にシール面圧が高くなってしまうことを防止することができ、偏摩耗を防止して高いシール性を確保することができる。
また、シールパッキン10の内周面の角度γとシールパッキン10の最大傾倒角度βとの関係を、0.3β<γ≦βに設定することにより、小さい押圧力でも高いシール性を維持することができ、しかも、長期にわたってシール性を確保することができ、耐久性を著しく高めることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。また、本発明は、バルブのステムにおけるシールの他、ポンプや空気圧シリンダなどのシャフトにおけるシールにも適用が可能である。
本発明に係るシール構造を適用したグローブバルブの実施形態を示す正面断面図である。 本発明に係るシール構造の実施形態を示す拡大断面図である。 本発明に係るシール構造の実施形態を示すシールパッキン部分の拡大断面図である。 本発明に係るシール構造のシールパッキンの変形例を示す拡大断面図である。 本発明に係るシール構造のシールパッキンの傾倒途中状態を示す説明図である。 本発明に係るシール構造のシールパッキンの傾倒完了状態を示す説明図である。 従来のカップアンドコーン型のパッキンを示す断面図である。 従来のVパッキン型のパッキンを示す断面図である。 従来のソリッド型のパッキンを示す断面図である。
符号の説明
1 バルブ本体
4 仕切り壁
7 弁蓋
9 アダプタパッキン
10 シールパッキン
11 コーンパッキン
12 パッキン室
13 押さえ部材
14 押さえ用ボルト
17 ステム

Claims (5)

  1. バルブのステムの外周側に配置される断面形状ほぼ四辺形状のリング状に形成されるとともに、上下面は、前記ステムの軸方向に対して所定角度で同方向に傾斜する傾斜面とされ、押圧力が付与された状態で、前記ステム側に傾倒させて前記ステムのシールを行うシールパッキンにおいて、
    内周面は、前記軸方向の押圧力が付与されていない状態で前記ステムの外周面との間に間隙を有し、前記軸方向の押圧力が付与された状態で前記ステム側に傾倒して前記ステムの外周面に面接触する傾斜面とされていることを特徴とするシールパッキン。
  2. 前記内周面の傾斜面の角度γと最大傾斜角度βとの関係は、
    0.3β<γ≦β
    とされていることを特徴とする請求項1に記載のシールパッキン。
  3. 前記上下面の傾斜面には、それぞれ支点が形成されており、これら各支点により押圧力が付与されていない状態で、隣接するパッキンとの間に間隙が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールパッキン。
  4. フッ素樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシールパッキン。
  5. 前記請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシールパッキンの軸方向の両側に、前記シールパッキンの上下面の傾斜面に対向する傾斜面を備えたアダプタパッキンと、前記シールパッキンの上下面の傾斜面に対向する傾斜面を備えたコーンパッキンとを積層配置し、アダプタパッキンを介して前記シールパッキンに軸方向の押圧力を付与することにより前記シールパッキンを傾倒させ、前記アダプタパッキンの傾斜面と前記シールパッキンの傾斜面および前記コーンパッキンの傾斜面と前記シールパッキンの傾斜面とをそれぞれ密着させてステムのシールを行うことを特徴とするシール構造。
JP2008168974A 2008-06-27 2008-06-27 シールパッキンおよびこれを用いたシール構造 Active JP5061045B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008168974A JP5061045B2 (ja) 2008-06-27 2008-06-27 シールパッキンおよびこれを用いたシール構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008168974A JP5061045B2 (ja) 2008-06-27 2008-06-27 シールパッキンおよびこれを用いたシール構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010007786A true JP2010007786A (ja) 2010-01-14
JP5061045B2 JP5061045B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=41588521

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008168974A Active JP5061045B2 (ja) 2008-06-27 2008-06-27 シールパッキンおよびこれを用いたシール構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5061045B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5324006B1 (ja) * 2013-02-08 2013-10-23 幸雄 大西 サーモエレメント及びサーモスタット
CN105134580A (zh) * 2015-09-14 2015-12-09 刘卫东 填料密封
JP2018204668A (ja) * 2017-06-01 2018-12-27 いすゞ自動車株式会社 バルブ構造

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5828082A (ja) * 1981-07-31 1983-02-18 スミス・インタ−ナシヨナル・インコ−ポレ−テツド シ−ル装置
JPS63285394A (ja) * 1987-05-15 1988-11-22 星野 謙三 流体回転接手及びシ−ル
JPH07248065A (ja) * 1994-03-11 1995-09-26 Miyairi Shoji Kk 外ねじヨーク式バルブ
JP2002181197A (ja) * 2000-12-15 2002-06-26 Nippon Valqua Ind Ltd グランドパッキンおよびこれを用いた密封装置
WO2008007685A1 (ja) * 2006-07-12 2008-01-17 Kitz Corporation 軸封パッキンとバルブ用軸封構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5828082A (ja) * 1981-07-31 1983-02-18 スミス・インタ−ナシヨナル・インコ−ポレ−テツド シ−ル装置
JPS63285394A (ja) * 1987-05-15 1988-11-22 星野 謙三 流体回転接手及びシ−ル
JPH07248065A (ja) * 1994-03-11 1995-09-26 Miyairi Shoji Kk 外ねじヨーク式バルブ
JP2002181197A (ja) * 2000-12-15 2002-06-26 Nippon Valqua Ind Ltd グランドパッキンおよびこれを用いた密封装置
WO2008007685A1 (ja) * 2006-07-12 2008-01-17 Kitz Corporation 軸封パッキンとバルブ用軸封構造

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5324006B1 (ja) * 2013-02-08 2013-10-23 幸雄 大西 サーモエレメント及びサーモスタット
CN105134580A (zh) * 2015-09-14 2015-12-09 刘卫东 填料密封
JP2018204668A (ja) * 2017-06-01 2018-12-27 いすゞ自動車株式会社 バルブ構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP5061045B2 (ja) 2012-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101353980B1 (ko) 초고순도 가스의 용기를 위한 밸브
CN101910697B (zh) 控制阀内件和密封
JP5905456B2 (ja) 溶接されたダイヤフラムのための締付リング
CN103732962B (zh) 止回阀
NO338803B1 (no) Lavfriksjonspakning belastet med nyttelast
JP2006090386A (ja) ダイヤフラムバルブ
US20150300509A1 (en) Floating Ball Valve
US10274088B2 (en) Closure element for a vacuum valve with pressed-off, vulcanized-on seal
JP5061045B2 (ja) シールパッキンおよびこれを用いたシール構造
US20140125012A1 (en) Compressable sealing ring assembly
US8936231B2 (en) High vacuum ball valve
JP2018071670A (ja) 調節弁
US8905375B2 (en) High vacuum ball valve
EP3150886B1 (en) Structure and method for fixing ball seat for ball valve, trunnion-type ball valve, and hydrogen station using said valve
JP4893100B2 (ja) 圧力容器のシール構造
JP2009103242A (ja) ボールバルブ
JP2005321061A (ja) 高温用弁
KR200395564Y1 (ko) 밸브스템용 패킹 조립체
JP6738741B2 (ja) ライニング型バタフライバルブ
JP2005321060A (ja) 高温用弁
CN102695901A (zh) 阀和密封圈
KR20200000066A (ko) 가스켓
JP2004011790A (ja) バタフライ弁
JP2009144754A (ja) バルブ装置
JP7281175B2 (ja) バルブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120806

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5061045

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350