JP2010007497A - 作業車両用走行装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この走行装置は、左右一対のクローラを駆動して走行する作業車両に用いられ、一対の走行レバー6の操作に応じて作動する一対の走行用切換弁20には、差動トランス22がそれぞれ付設されている。各差動トランス22は、各走行用切換弁20の各スプールの作動量を検出する。そして、各スプールの作動量の検出値はコントローラ24に入力される。コントローラ24は、検出された各スプールの作動量に応じて、油圧ポンプを駆動するエンジン32のアクセル開度を制御する指令をスロットルセンサ30に送り、エンジンのアクセル開度を制御するようになっている。
【選択図】図2
Description
クローラクレーンは、その機体の下部に左右一対のクローラを有し、また、これら一対のクローラをそれぞれ駆動する一対の油圧モータが機体側に装備されている。これら一対の油圧モータそれぞれは、油圧ポンプからの圧油を給排する一対の走行用切換弁によってその駆動が制御される。そして、各走行用切換弁は、図4に例示する走行用切換弁20のように、運転席(不図示)からオペレータが操作する走行レバー6の操作量に応じて各スプールの作動量が決定されるようになっている。また、前記油圧ポンプは、エンジン(内燃機関)によって駆動され、このエンジンの回転数は、前記走行レバーとは別個に設けられたアクセル機構のアクセルペダルやアクセルレバーをオペレータが操作することによって上げ下げされるようになっている。
つまり、この種の作業車両を操向するためには、一対の走行レバーで各走行用切換弁を開閉し、その操作量に応じて走行用の左右の油圧モータに供給する圧油の流量を制御し、これにより、それぞれの油圧モータの回転数を変化させ、左右のクローラを駆動させてオペレータの意図した方向にクローラを操作している。一方、走行速度を上げるためには、手動もしくは足踏み式のアクセル機構をオペレータが操作することによってエンジンの回転数を上げ、これに連動して油圧ポンプの回転数を上げて圧油の吐出流量を多くし、これにより、走行用の油圧モータへの圧油の供給量を増やして走行速度を上げている。このように、従来は、走行速度を変化させるためには、走行レバーとは別途にアクセル操作を行うことが余儀なくされている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、オペレータによる操向操作とは別途のアクセル操作を不要とし得る作業車両用走行装置を提供することを目的としている。
また、本発明に係る作業車両用走行装置において、前記アクセル開度制御手段について、一方のスプール作動量のみ一定値を超えた場合や、前記一対の走行用切換弁の各スプールの作動方向が異なる方向の場合に、ともに一定値を超えていても、また、どちらか一方のみ作動量が一定値を超えたときでも、前記エンジンのアクセル開度が制限されるように制御することは好ましい。このような構成であれば、操向方向を変えるときは、相互のスプールの作動量に応じてエンジンのアクセル開度が制限されるように制御されるので、急激な操向操作を行ったように機体が暴れることを防止する上で好適である。
図1に示すように、このクローラクレーン1は、機体3の下部の左右に一対のクローラ2を有し、機体3側には、一対のクローラ2をそれぞれ駆動する一対の油圧モータ(不図示)が装備されている。また、機体3上には、アウトリガ5、クレーン4、および運転席10を備えている。機体3上のクレーン4は、機体3に対して旋回自在なコラム7と、そのコラム7に起伏自在に枢支された伸縮ブーム8とを有し、伸縮ブーム8の先端にはフック9が設けられている。また、運転席10の正面には、一対の走行レバー6(同図では一方のみを図示)が設けられている。なお、この運転席10には、クレーンを「走行モード」および「クレーンモード」のいずれかに切り換えるモード切換スイッチ(不図示)が装備されており、相互が択一的に選択されるようになっている。
そして、CPUは、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、図3のフローチャートに示す走行制御処理を実行し、そのプログラムに従って上記スロットルセンサ30を制御するようになっている。
この走行制御処理は、CPUにおいて実行されると、図3に示すようにステップS1に移行し、クレーンが「走行モード」および「クレーンモード」のいずれであるかを判定する。そして、「走行モード」が選択されていれば(Yes)ステップS2に移行し、「クレーンモード」が選択されていれば(No)処理を戻す。ステップS2では一対の走行レバー6が操作されているか否かを差動トランス22からの信号に基づいて監視し、操作されていれば(Yes)ステップS3に移行し、そうでなければ(No)処理を戻す。
ステップS5では、一対の走行用切換弁20のどちらか一方のスプールの作動量が、全操作量のうち、予め設定された小さい作動量の範囲に属しているかを、差動トランス22からの信号に基づいて監視する。どちらか一方のスプールがこの範囲に属していればステップS4に移行し、属していなければステップS6に移行する。
スプール作動量が40%〜100%のとき、右を「A領域」、左を「α領域」
スプール作動量が20%〜40%、および−20%〜−40%のとき、右を「C領域」、左を「γ領域」
スプール作動量が±20%のとき、右を「D領域」、左を「δ領域」
スプール作動量が−100%〜−40%のとき、右を「B領域」、左を「β領域」
これは、例えば右側の走行レバーを僅かしか倒さない、即ち、スプール作動量が図5におけるD領域の場合、相対する左側の作動がスプール作動量が小さいδ領域のときは、車両の低速走行においては取り扱い易く、また、左側の作動が大きいとき、クローラが仮にゴム製のクローラであれば、左右の回転差が大きいことによる右側ゴムクローラの摩耗減りが抑えられる。
ステップS6では、一対の走行用切換弁20のどちらか一方のスプール作動量が、予め設定された中間域、つまりC領域またはγ領域の範囲に属しているか否かを、差動トランス22からの信号に基づき監視する。どちらか一方のスプールがこの範囲に属していれば、ステップS7に移行する。属していなければステップS8に移行する。
ここで、上記課題を解決するための手段に記載の「アクセル開度制御手段」は、コントローラ24および上述した走行制御処理が対応する。
上述のように、このクローラクレーンの走行装置は、一対の走行用切換弁20の各スプールの作動方向および作動量を、差動トランス22で検出しているので、一対の走行レバー6での操向操作の有無およびその操作量の大きさの程度を検出することができる。そして、コントローラ24は、差動トランス22で検出されたスプールの作動量および作動方向に応じて、油圧ポンプを駆動するエンジン32のアクセル開度を制御する指令をスロットルセンサ30に送り、アクセル開度を制御することができるので、一対の走行レバー6での操向操作の有無およびその操作量の大きさの程度に連動させて、エンジン32のアクセル開度を変えることができる。したがって、オペレータによる操向操作とは別途のアクセル操作を不要とすることができる。
以上説明したように、このクローラクレーン1の走行装置によれば、オペレータによる操向操作とは別途のアクセル操作を不要とすることができる。
例えば、上記実施形態では、作業車両として、小型のクローラクレーン(ミニクローラクレーン)に、本発明に係る作業車両用走行装置を適用した例で説明したが、これに限定されず、左右一対のクローラを駆動して走行する作業車両であれば、種々の作業車両に、本発明に係る作業車両用走行装置を適用することができる。
2 クローラ
3 機体
4 クレーン
5 アウトリガ
6 走行レバー
7 コラム
8 伸縮ブーム
9 フック
10 運転席
20 走行用切換弁
22 差動トランス(作動量検出手段)
24 コントローラ(アクセル開度制御手段)
30 スロットルセンサ
32 エンジン
Claims (8)
- 機体下部に装備された左右一対のクローラと、該一対のクローラをそれぞれ駆動する一対の油圧モータと、該一対の油圧モータそれぞれを、一対の走行レバーの操作に応じて駆動させるように油圧ポンプからの圧油を給排する一対の走行用切換弁と、を備える作業車両に用いられる走行装置であって、
前記一対の走行用切換弁の各スプールの作動量を検出する作動量検出手段と、該作動量検出手段で検出された各スプールの作動量に応じて、前記油圧ポンプを駆動するエンジンのアクセル開度を制御するアクセル開度制御手段とを備えていることを特徴とする作業車両用走行装置。 - 前記アクセル開度制御手段は、前記一対の走行用切換弁の少なくとも一方のスプールの作動量が予め設定された小さい作動量の範囲内のときには、前記エンジンのアクセル開度をアイドリング状態に制限するように制御することを特徴とする請求項1に記載の作業車両用走行装置。
- 前記アクセル開度制御手段は、前記一対の走行用切換弁の各スプールの作動量がともに予め設定された小さい作動量の範囲を超え且つ一方のスプールの作動量のみが予め設定された中間域作動量の範囲内のときには、前記エンジンのアクセル開度を一定値に保持するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両用走行装置。
- 前記アクセル開度制御手段は、前記一対の走行用切換弁の一方のスプールの作動量のみが予め設定された中間域作動量を超え且つ前記一対の走行用切換弁の各スプールの作動方向が異なる方向のときには、前記エンジンのアクセル開度が制限されるように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業車両用走行装置。
- 前記アクセル開度制御手段は、前記一対の走行用切換弁の各スプールの作動方向が同じ方向のときに且つその作動量がともに前記中間域作動量を超えたときに、前記エンジンのアクセル開度を大きくすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業車両用走行装置。
- 前記アクセル開度制御手段は、前記一対の走行用切換弁の各スプールの作動方向が同じ方向のときに且つその作動量がともに前記中間域作動量を超えたときに、前記作動量検出手段からの互いのスプールの作動量の差を演算することを特徴とする請求項1または5に記載の作業車両用走行装置。
- 前記アクセル開度制御手段は、前記作動量検出手段からの互いのスプールの作動量の差が予め設定した乖離率以内のときは、その作動量の大きい方を前記エンジンのアクセル開度として選択することを特徴とする請求項1、5または6に記載の作業車両用走行装置。
- 前記アクセル開度制御手段は、前記作動量検出手段からの互いのスプールの作動量の差が予め設定した乖離率から外れたときは、その作動量の小さい方を前記エンジンのアクセル開度として選択することを特徴とする請求項1、5または6に記載の作業車両用走行装置。
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JPS63189534A (ja) * | 1987-01-29 | 1988-08-05 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 荷役車両における原動機の回転数制御装置 |
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2008
- 2008-06-24 JP JP2008164985A patent/JP5016560B2/ja active Active
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JPS63189534A (ja) * | 1987-01-29 | 1988-08-05 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 荷役車両における原動機の回転数制御装置 |
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JP5016560B2 (ja) | 2012-09-05 |
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