JP2010007096A - レーザー切断性に優れた厚鋼板の製造方法 - Google Patents

レーザー切断性に優れた厚鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多量の合金元素の添加や特殊で非効率的な製造工程を用いることなく、経済的かつ高効率にレーザー切断性に優れた鋼板を製造することが出来るようにする。
【解決手段】質量%で、C;0.03〜0.22%、Si;0.05〜0.50%、Mn;1.60%以下、P;0.025%以下、S;0.015%以下、Al;0.045%以下、N;0.009%以下を含有し、好ましくは、選択元素として、Ni、Cu、Mo、Cr、Nb、Ti、Vの1種、または2種以上を含有し、残部が鉄、および不可避的不純物からなる鋼材を圧延もしくは圧延水冷して製造した後、さらに、室温〜560℃の温度範囲で圧延により0.1%〜2.0%の塑性歪を付与するレーザー切断性に優れた厚鋼板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、良好なレーザー切断性を有する鋼板の製造方法に関するものである。
造船、建築、産業機械、橋梁等の鋼構造物には多量の厚鋼板が使用されているが、これらの鋼構造物の工作においては、施工コスト・工数の多くが溶接と切断で占められている。この厚鋼板の切断方法としては、従来からガス切断、プラズマ切断あるいはレーザー切断等がある。
このレーザー切断は約20年前より実用化した切断方法であり、板厚が3.2mm以下の薄板加工業を中心に普及してきたが、近年のレーザー発振器の高出力化により、板厚のより厚い鋼板の切断にもその用途が広がりつつある。
このレーザー切断は、レーザー光の熱エネルギーで素材、および酸化物を溶融し、アシストガスで溶融物を除去して切断溝を形成する方法である。そして、切断可能な板厚は25mm厚程度が最大であるが、切断溝幅が狭く、精密切断に適しており、熱切断の中では切断歪みが最も小さい。また切断可能な素材の種類は熱切断の中では多様であり、複雑な形状の切断が可能である。さらに切断作業の自動化が可能であるため、企業の合理化策として急速に設備導入が進んでいる。
しかし、厚鋼板においては、適正なレーザー切断速度の範囲が限定されるため、適用範囲の拡大が阻害されていた。すなわち、切断速度を大きくすると、単位切断長さ当たりのエネルギー効率が小さくなり、板厚全体を溶融できなくなるか、または溶融できたにしても溶融金属の排除が十分に行えないため、鋼板上部で溶融した金属がドロスとして切断下面に付着する問題が発生する。
一方、切断速度を小さくすると、切断幅が大きくなり、溶融金属量も多くなるため、切断幅が大きく、切断面にノッチと呼ばれる凹凸状の部分的な切断不良部が発生する。切断面のノッチは、鋼板の溶接、加工に悪影響を及ぼすため、手入れで断面を綺麗に仕上げる作業を伴い多大な負荷を要している。従って、安定したレーザー切断性を有する厚鋼板が要望されている。
レーザー切断性は鋼板の表面スケール性状(色、厚さ、粗さ、組成等)に大きく左右されるので、レーザー切断性に優れた鋼板を得るには鋼板の表面スケール性状を制御する必要がある。鋼板のスケール性状に関連して、特許文献1〜3に示すように、以下のような技術が開示されている。
特許文献1には、スケールの表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で3.0μm以下であり、かつCu+Ni+Crが0.3重量%以上含まれることを特徴とするスケール密着性に優れたレーザー切断性用鋼板が、特許文献2にはCr、Al、Cu、Niの1種または2種以上がスケール/地鉄界面に濃化した層を有することを特徴とするスケール密着性に優れたレーザー切断用鋼板が開示されている。
また、特許文献3には、熱間圧延の際に各圧下直後あるいは各2回の圧下後に高圧水で水冷(デスケーリング)しながら圧延を行い、圧延終了温度を850℃以下とする、厚みが薄くタイトなスケールを有する鋼板の製造法が、特許文献4には、鋼組成を低C系とし、Si+Mn量を所定の範囲に制御し、デスケーリングを3回以上実施し、圧延を850〜750℃で終了することにより鋼板表面光沢を15%以下としたレーザー切断用鋼板およびその製造法が、特許文献5には、ロール表面にRa=2.0〜4.0μmの凹凸を付与したワークロールを用いて熱間圧延を行うことを特徴とするスケール密着性に優れた鋼板の製造方法がそれぞれ開示されている。
特開平8−3692号公報 特開平11−343541号公報 特開平7−48622号公報 特開平9−20963号公報 特開平2−182302号公報
しかし、上記のレーザー切断用鋼板やその製造方法を用いる場合には、必ずしも廉価な鋼板を効率良く製造することができないという問題があった。
特開平8−3692号公報、特開平11−343541号公報に記載の技術では、スケール制御のために添加元素を多量に添加するのでコストが増加する恐れがある。また、特開平7−48622号公報、特開平9−20963号公報、特開平2−182302号公報に記載の技術は、圧延中のデスケーリングの強化やロール表面粗度の調整などが必要であり、製造工程が複雑である。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、多量の合金元素の添加や特殊で非効率的な製造工程を用いることなく、経済的かつ高効率にレーザー切断性に優れた鋼板を製造することができるレーザー切断性に優れた鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その手段1は、質量%で、C;0.03〜0.22%、Si;0.05〜0.50%、Mn;1.60%以下、P;0.025%以下、S;0.015%以下、Al;0.045%以下、N;0.009%以下を含有し、残部が鉄、および不可避的不純物からなる鋼材を圧延もしくは圧延水冷して製造した後、さらに、室温〜560℃の温度範囲で圧延により0.1%〜2.0%の塑性歪を付与することを特徴とするレーザー切断性に優れた厚鋼板の製造方法である。
手段2は、さらに、前記鋼材が、質量%で、Ni;0.5%以下、Cu;0.5%以下、Mo;0.4%以下、Cr;0.5%以下、Nb;0.04%以下、Ti;0.04%以下、V;0.08%以下、の1種、または2種以上を含有するレーザー切断性に優れた厚鋼板の製造方法である。
本発明によれば、鋼板のスケール密着性が向上し、レーザー切断に際しての熱衝撃によるスケールの剥離を防止できるため、安定して良好な切断面が得られ、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明者等は、レーザーで鋼板を切断した際に、その切断面に発生するノッチの生成メカニズムについて検討した結果、レーザーを移動して鋼板を切断する際、該鋼板が溶融する幅が異なることによりノッチが生成し、この原因はレーザーの熱衝撃により鋼板表面にあるスケールの剥離にあることが判明した。このスケールの剥離を防止するためには、スケールの密着性が向上することが重要であり、これは、スケールの密着性を向上するとレーザー切断に際して、スケールが剥離するのを防止でき、レーザーで溶融する幅が同一となって、安定した切断品質が得られるとともに、良好な切断品質を得る切断速度の範囲を広く採ることができ、作業性が良好となる。
レーザー切断性の良否を左右する要因の一つにスケール密着性が考えられる。本発明者等は、スケールが付着した厚鋼板に塑性歪を付与することでスケール密着性が向上し、レーザー切断性が向上するのではないかと考案し、圧延によって付与する塑性歪量を変化させ得られた鋼板のレーザー切断性評価実験を行なった。その結果を図1に示す。評価実験に用いた鋼板は後述する表1の鋼A、B、Cである。
塑性歪を0.1%〜2.0%の範囲に制御することでノッチの発生を低位に抑制でき、レーザー切断性を向上できることを知見した。
0.1%〜2.0%の塑性歪を付与することでレーザー切断性が向上することの理由は、歪を付与することでスケールと地鉄との界面に存在していた微小な空隙がつぶされ、スケール密着性が向上したものと考えられる。この際、0.1%未満の塑性歪ではスケール密着性の向上が不充分であり、レーザー切断性は向上しない。また、2.0%を超える歪を付与した場合は、その歪によってスケールが部分的に破壊、剥離してしまい、表面の均一性が損なわれるとともに、それ自体が美観を損なう。
塑性歪を付与する温度は、スケールが安定したマグネタイト相であることが必要なので上限を560℃とし、下限は室温とした。温度が560℃を超えると、ウスタイト相が生成し、その後室温まで冷える際にマグネタイトに変態するため、付与した塑性歪の効果が低減する。塑性歪を付与する温度は、歪付与後のスケールの熱収縮を極力小さくするためにより低温の方がよく、100℃未満にすることが好ましい。
以下に鋼板に含有される個々の元素の制限範囲について説明する。Cは、強度元素のため0.03%以上必要であるが、0.22%を超えると鋼板の靭性を劣化させるので0.22%を上限とした。
Siはレーザー切断性を劣化させるが、スケール密着性は向上する働きがあるため、両者をバランスさせた0.05〜0.50%の範囲とした。レーザー切断性をより高位に保つためには0.10〜0.35%とすることが好ましい。
Mnは、レーザー切断性を大きく劣化させないでスケール密着性を向上させる元素であるが、1.6%を超えると溶接性を劣化させるため、1.6%を上限とした。
P、Sは、レーザー切断性には殆ど影響を及ぼさないが、材質上低いほど好ましく、Pが0.025%以下、Sが0.015%以下に上限を設定した。
Alは、脱酸上必要であり、0.045%以下とした。
Nは、0.0090%以下であれば、溶接性や鋳片品位に悪影響を及ぼさないため、その上限とした。
以上に述べた鋼板成分の範囲でレーザー切断性に優れた鋼板を製造することが可能であるが、特性を損なわずに、さらに高い強度を得るため、以下の元素を添加することが有効である。
Ni、Cu、Mo、Crは、固溶強化元素で鋼板の強度を高めることが可能である。しかしながら、多量の添加は、経済的、且つ品質的にも溶接性を害するため、上限の値をそれぞれNi≦0.5%、Cu≦0.5%、Mo≦0.4%、Cr≦5%とした。Nb、Ti、Vは、析出強化元素で、鋼板の強度を高める効果がある。しかしながら、多量の添加は、経済的、且つ品質的にも溶接部の靭性を劣化させるため、上限の値をそれぞれ、Nb≦0.04%、Ti≦0.04%、V≦0.08%とした。
表1、表2は本発明の実施例であり、表1は鋼板の化学成分、板厚を示したものである。なお、鋼板は、鋼を溶製した後、連続鋳造によりスラブとし、これを直ちにまたは再加熱した後、圧延して製造した。
表2は表1の鋼板に対し、圧下反力100トン(10kg)の圧延機を用いて圧延により種々の塑性歪量を付与し、その後のレーザー切断性評価をしたものである。圧延時の圧下率と塑性歪量とは等しい。
Figure 2010007096
Figure 2010007096
なお、上記表2に示すレーザー切断性評価は、鋼板を出力6kWのレーザーで750〜1200mm/minの切断速度で1m切断した際において、その切断面を目視観察したものであり、○は切断面のノッチが3個以下である。×は切断面に4個以上のノッチがあるかもしくは切断中にバーニングが発生し、切断不可能となった。またスケール剥離の評価は、試験片に1箇所でも剥離きずがあれば×とした。
表2からわかるように、本発明例1〜11は良好なレーザーでの切断結果を得るとともにスケール剥離も発生せず、良好な結果を得た。これに対して、比較例12〜19は、歪量が小さいためレーザー切断性に劣るか、もしくは歪量が大きいためスケール剥離を生じ、総合的に評価結果が悪いものであった。比較例20、21は、歪付与のための圧延温度が高かったためレーザー切断性が劣ったものである。
塑性歪量とレーザー切断性およびスケール剥離率との関係を示す表である。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C;0.03〜0.22%、
    Si;0.05〜0.50%、
    Mn;1.60%以下、
    P;0.025%以下、
    S;0.015%以下、
    Al;0.045%以下、
    N;0.009%以下を含有し、残部が鉄、および不可避的不純物からなる鋼材を圧延もしくは圧延水冷して製造した後、さらに、室温〜560℃の温度範囲で圧延により0.1%〜2.0%の塑性歪を付与することを特徴とするレーザー切断性に優れた厚鋼板の製造方法。
  2. さらに、前記鋼材が、質量%で、
    Ni;0.5%以下、
    Cu;0.5%以下、
    Mo;0.4%以下、
    Cr;0.5%以下、
    Nb;0.04%以下
    Ti;0.04%以下
    V;0.08%以下、の1種、または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー切断性に優れた厚鋼板の製造方法。
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