JP2010006472A - 太陽電池の梱包方法および該梱包方法により得られる梱包体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 太陽電池の輸送時の劣化と破損を抑制する梱包方法、および該梱包方法によって得られる梱包体を提供すること。
【解決手段】 開口部を有する箱体内に、複数の太陽電池を収納する太陽電池の梱包方法を提供する。この方法は、該箱体内には、複数の溝を有する一対の支持部材が対向配置されており、該一対の支持部材間に、該太陽電池の縁部が溝内に挿入されるように、該太陽電池を配置する工程および該支持部材を変形させて該太陽電池の縁部を該支持部材の溝の内面で挟持する工程を包含することを特徴とし、この特徴により、湿度による太陽電池の劣化および輸送時の振動による破損を同時に低減することができる。
【選択図】図1
【解決手段】 開口部を有する箱体内に、複数の太陽電池を収納する太陽電池の梱包方法を提供する。この方法は、該箱体内には、複数の溝を有する一対の支持部材が対向配置されており、該一対の支持部材間に、該太陽電池の縁部が溝内に挿入されるように、該太陽電池を配置する工程および該支持部材を変形させて該太陽電池の縁部を該支持部材の溝の内面で挟持する工程を包含することを特徴とし、この特徴により、湿度による太陽電池の劣化および輸送時の振動による破損を同時に低減することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は太陽電池の梱包方法、およびこの梱包方法により得られる太陽電池の梱包体に関する。
近年、太陽光を光電変換し電力をつくり出す太陽電池モジュールが世界中で注目されている。これらの関心の高まりに伴い、完成品の太陽電池モジュールを海外へ輸出するのみでなく、半完成品の太陽電池パネルを輸出する需要も生じている。
このような太陽電池パネル、太陽電池モジュールなどの太陽電池を輸送する際の梱包方法として、梱包材料を節約する観点から、例えば、複数の太陽電池を一つの梱包材料に納めて輸送する梱包方法(例えば特許文献1)が提案されている。
特開2005−153888号公報
しかし、特許文献1に示すような一つの梱包材料に複数の太陽電池を納める梱包方法では、輸送時に、太陽電池を支持する梱包材料内に形成された案内溝の中で、太陽電池が振動して案内溝の内壁と衝突する結果、半田付け部が剥離するなどの問題が生じる。特に海外輸送は、輸送距離が長く、振動に曝される時間が長いため、太陽電池の破損が生じ易い。
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は簡便な梱包方法により、輸送時の振動による太陽電池の破損を抑制することにある。
本発明の太陽電池の梱包方法は、開口部を有する箱体内に、複数の太陽電池を収納する太陽電池の梱包方法であって、該箱体内には、複数の溝を有する一対の支持部材が対向配置されており、該一対の支持部材間に、該太陽電池の縁部が溝内に挿入されるように、該太陽電池を配置する工程および該支持部材を変形させて該太陽電池の縁部を該支持部材の溝の内面で挟持する工程を包含する。
ある実施態様においては、前記箱体内に、さらに袋状のシートが前記支持部材を包むように内装されており、前記支持部材を変形する工程の後に、該袋状のシートを封止する工程を包含する。
ある実施態様においては、前記支持部材の変形が、前記シート内を減圧処理することによって行われる。
ある実施態様においては、前記支持部材は、前記溝の底部が外方へ突出するように変形される。
ある実施態様においては、さらに、前記箱体の開口面において、複数の溝を有する固定部材を、前記太陽電池の縁部に装着する工程および該固定部材を変形させて該太陽電池の縁部を該固定部材の溝の内面で挟持する工程を包含する。
ある実施態様においては、前記固定部材は、前記固定部材の溝の底部が外方へ突出するように変形される。
ある実施態様においては、さらに、前記シート内を、防湿処理する工程を包含する。
ある実施態様においては、前記防湿処理工程が、前記シート内に吸湿剤を封入する工程である。
本発明の太陽電池の梱包体は、開口部を有する箱体と、該箱体内に対向配置される複数の溝を有する一対の支持部材と、該一対の支持部材間に配置される複数の太陽電池とを備え、該支持部材は、該溝の底部を外方へ突出させた状態で、該溝の内面で該太陽電池の縁部を挟持している。
ある実施態様においては、さらに、前記箱体と前記支持部材との間で、該支持部材を包むように配置される袋状のシートを備え、該袋状のシートが封止されている。
ある実施態様においては、前記支持部材の変形が、前記シート内を減圧処理することによって行われる。
ある実施態様においては、前記支持部材は、前記溝の底部が外方へ突出するように変形される。
ある実施態様においては、さらに、前記箱体の開口面において前記太陽電池の縁部に装着される複数の溝を有する固定部材を備え、該固定部材は、前記太陽電池の縁部を該固定部材の溝の内面で挟持するように変形されている。
ある実施態様においては、前記固定部材は、前記固定部材の溝の底部が外方へ突出するように変形される。
ある実施態様においては、さらに、前記シート内が、防湿処理されている。
ある実施態様においては、前記防湿処理として、前記シート内に吸湿剤が封入されている。
ある実施態様においては、前記支持部材は、前記溝を構成する複数の突起部と、該突起部に設けられた長尺状の軸部材と、を有し、前記突起部は、前記軸部材に対して回動可能に取り付けられてなる。
本発明の太陽電池の梱包方法、および該梱包方法によって得られる梱包体によれば、箱体に設けられた支持部材の溝内に、該太陽電池の縁部を保持するように該太陽電池が挿入され、さらにこの支持部材を変形することによって、該太陽電池の縁部が支持部材の溝の内面で挟持されているため、太陽電池が安定して支持される。そのため、輸送時の振動による太陽電池と溝の内壁との衝突を避けることができ、太陽電池の破損を抑制することができる。特に、減圧処理を行うと、箱体に内装された袋状のシートを収縮させ、その圧力で、支持部材を変形させるとともに、湿度による悪影響を低減できる。
本発明の太陽電池の梱包方法は、開口部を有する箱体内に、複数の太陽電池を収納する太陽電池の梱包方法であって、該箱体内には、複数の溝を有する一対の支持部材が対向配置されており、該一対の支持部材間に、該太陽電池の縁部が溝内に挿入されるように、該太陽電池を配置する工程および該支持部材を変形させて該太陽電池の縁部を該支持部材の溝の内面で挟持する工程を包含する。本発明の実施形態について図面を参照にして詳細に説明する。
(太陽電池)
本発明の方法に用いられる太陽電池は、太陽電池パネルおよび太陽電池モジュールのいずれであってもよい。太陽電池パネルの一実施形態を図3(a)、図3(b)を用いて説明する。図3(a)は、本実施形態の太陽電池パネルの一例を非受光面側から見た平面図である。図3(b)は、図3(a)の太陽電池パネルに示すA−A’線における概略断面図である。
本発明の方法に用いられる太陽電池は、太陽電池パネルおよび太陽電池モジュールのいずれであってもよい。太陽電池パネルの一実施形態を図3(a)、図3(b)を用いて説明する。図3(a)は、本実施形態の太陽電池パネルの一例を非受光面側から見た平面図である。図3(b)は、図3(a)の太陽電池パネルに示すA−A’線における概略断面図である。
図3(a)および図3(b)に示すように、本実施形態の太陽電池パネル1は、透光性基板2、太陽電池素子3、インナーリード4、充填材5、および裏面保護材6より成る。複数の太陽電池素子3間はインナーリード4により電気的に接続されており、これらの太陽電池素子3は、充填材5により封止されている。充填材5は、透光性基板2と裏面保護材6との間で挟持されている。また太陽電池素子3からの出力は、裏面保護材6に設けられた出力リード取り出し口7より導出した出力リード8より出力される。
透光性基板2は、太陽電池素子3に光を入射させることができる材料であればよい。例えば、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどのガラス、ポリカーボネート樹脂などからなる光透過率の高い基板などが用いられる。透光性基板2の厚みは、例えば、3mm〜5mmである。具体的には、厚みが3mm〜5mm程度の白板強化ガラス、厚みが5mm程度の合成樹脂基板(ポリカーボネート樹脂などからなる)が用いられる。
太陽電池素子3としては、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池素子、アモルファスシリコン太陽電池素子、Si薄膜太陽電池素子、CIS系太陽電池素子、CIGS系太陽電池素子又は色素増感太陽電池素子などが用いられる。例えば、太陽電池素子を、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて製造する場合、このシリコン基板の内部には、ボロンなどのP型不純物を多く含んだP層と、リンなどのN型不純物を多く含んだN層とが接合して成るPN接合が形成される。また、シリコン基板の表面又は裏面には、銀ペースト等からなる電極が、スクリーンプリント法などにより形成されている。なお、この電極の表面には、電極の保護およびインナーリード4を取り付け易くする観点から、そのほぼ全面にわたりハンダがコーティングされていることが好ましい。
このような太陽電池素子3は、隣接する他の太陽電池素子3と、インナーリード4を用いて電気的に接続されている。
インナーリード4は、例えば、厚さ0.1mm〜0.5mmの銅箔などの配線材の表面全面をメッキやディピングにより20〜70μm程度ハンダコートしたものが用いられる。
充填材5は、太陽電池素子3を封止する役割を有する。充填材5は、例えば、熱硬化性樹脂や、架橋剤を加えて熱硬化特性を持たせた熱可塑性樹脂を、Tダイと押出し機によりシート状に成形し切断することによって得られる。熱硬化性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが利用可能である。また、熱可塑性樹脂としては、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などの熱可塑性樹脂を主成分とし、それらに架橋剤を含有させたものが好適に用いられる。架橋剤は、熱可塑性樹脂の分子間を結合させる役割を有するものであり、例えば、70〜180℃の温度で分解してラジカルを発生する有機過酸化物が用いられる。有機過酸化物としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシピバレートなどが挙げられる。架橋剤は、例えば、EVA100質量部に対し1質量部程度の割合で含有させることが好ましい。
裏面保護材6は、充填材5を保護する役割を有するものであり、例えば、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、或いは、これらの2種以上を積層した樹脂が好適に用いられる。
太陽電池パネル1においては、インナーリード4と太陽電池素子3とがハンダで接着されて電気的に接続される。このハンダ付け部は、振動や衝撃が長時間加わることで、クラックや剥離が生じ、電気的接続が損なわれるおそれがある。また、太陽電池パネル1は、その端面や、端子ボックスを取り付ける部分の出力リード取り出し口7から、充填材5が露出する。この充填材5は、湿気を含む空気中に曝されると、吸湿し透明性を損なう。さらには、充填材5中の配線材も腐食する。したがって、本願発明においては、太陽電池パネル1を輸送時の振動や衝撃から保護し、好ましくは湿気から保護する梱包方法を提供する。
(箱体)
本発明の梱包方法に用いられる箱体の一例を図4に示す。箱体9は、少なくとも一面が開口した直方体もしくは立方体の外装10と、この外装10と略同じ大きさの袋状のシート11と、複数の溝を有する一対の支持部材12とから構成される。
本発明の梱包方法に用いられる箱体の一例を図4に示す。箱体9は、少なくとも一面が開口した直方体もしくは立方体の外装10と、この外装10と略同じ大きさの袋状のシート11と、複数の溝を有する一対の支持部材12とから構成される。
外装10の材料は、特に制限されず、輸送環境(例えば、輸送時に想定される衝撃、振動、温度、湿度、圧縮など)、繰り返し利用の有無、輸送距離、輸送先の荷役時の取扱いなどに合わせて適宜選択できる。そのため、外装10の材料としては、例えば、段ボール、木材、プラスチック、金属、またはゴムなどが利用可能である。特に、段ボールは強度が高く、軽量で、加工が容易で、衝撃吸収性を有するため、破れやすい内装のシートを保護するとともに、輸送時に太陽電池パネルに加わる輸送振動を吸収するため好適である。また木材、プラスチック、金属などは、強度が高いため、突起物による打突などによって破損し易い太陽電池パネルを保護するのに好適であるとともに、繰り返し利用が可能なため省資源の点から好適である。
外装10の底面に、板状の発泡プラスチック、ゴムシートなどの衝撃吸収材を敷設してもよい。輸送時の振動は、主に底面に力が加わる。衝撃吸収材は、これらの力による衝撃を吸収するとともに、太陽電池パネルの収納時や取り出し時などの荷役時に生じる衝撃を緩和することができる。
シート11は、減圧処理による収縮に耐え得る強度を有するとともに、太陽電池パネルを湿気から保護する機能(ガスバリア性および防湿性)が必要とされる。例えば、PVCフィルム、PEフィルム、PVAフィルム、PETフィルムなどの単層フィルム、これらの単層フィルムとアルミニウム箔、アルミ蒸着樹脂層、PEクロスなどとを組み合わせた多層フィルムまたは複合フィルムなどが用いられる。アルミニウム箔やアルミ蒸着樹脂層はガスバリア性と防湿性に優れ、PEクロスの層は強度を高め、またPETフィルムの層は基材として利用しやすい。このように性質の異なる2種類以上の材料を組み合わせたものを用いることにより、高いガスバリア性や防湿性、強度を確保することができる。例えば、少なくともアルミ蒸着樹脂層とアルミニウム箔層との2層構造から構成されるシートは、アルミ蒸着樹脂層がアルミニウム箔の物理的に脆弱でピンホールやシワができやすいという短所を補い、アルミニウム箔のガスバリア性および防湿性が有効に機能して、加工特性が良い点で好適である。シート11は袋状であり、外装10に内装でき、かつ太陽電池パネル1を収納した後に太陽電池パネル1および一対の支持部材12を包みかつ封止できるような大きさを有する。
袋状のシート11の開口部は、梱包時に封止するために、ヒートシールや接着などに用いられる溶着可能な樹脂材料などを設けてもよい。
支持部材12は、物流過程で受ける太陽電池パネル1の衝撃を吸収できるような緩衝能を有する材料を用いることが好ましい。このような支持部材12の材料としては、例えば、段ボール、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンなどの発泡プラスチック、およびこれらを組み合わせたものが挙げられる。支持部材12は、例えば、底部13と、底部13から延びる複数の凸部14とからなり、この凸部14間に複数の溝15が形成されている。凸部14の厚みは、太陽電池パネルが互いに接触しない程度の厚みであればよく、凸部毎に異なってもよいし、一定であってもよい。溝15は、太陽電池パネル1を挿入し、この溝内で太陽電池パネル1を挟持する目的で形成される。溝15は、輸送時に太陽電池パネルに生じる撓みを考慮して、太陽電池パネルが互いに接触しない程度の開口幅を有している。
支持部材12は、変形可能に構成される。例えば、減圧処理により太陽電池パネル1の厚み方向に圧力が加えられることで、溝15の開口幅が小さくなるように、具体的には溝15の底部が外方に突出するように変形し、太陽電池パネル1をより強固に支持することができる。このような支持部材12に圧力を加えると、底部が外方に突出するように変形する構造は、例えば、図2に示すように底部13を十分に薄くすること、あるいは例えば段ボールを用いる場合、底部に予め折目を入れておくことなどにより形成される。
箱体9は、例えば、図4に示すように、外装10の内側に袋状のシート11が内装され、このシート11の内側に支持部材12を対向配置されることによって構成される。すなわち、袋状のシート11は、前記箱体と前記支持部材との間で、該支持部材を包むように配置されている。袋状のシート11は、開口方向が、外装10の開口方向と略同一となるように配置される。一対の支持部材12は、太陽電池パネル1が所定間隔をあけて並んだ状態で収納することができるように、凸部14が対向するように配置される。さらに、外装10の底面に支持部材12を配置してもよい。
(本発明の梱包方法)
以下、本発明の太陽電池の梱包方法の一例について、図1(a)〜(c)に基づいて順を追って説明する。
以下、本発明の太陽電池の梱包方法の一例について、図1(a)〜(c)に基づいて順を追って説明する。
まず、図1(a)に示すように、箱体9に設けられた支持部材12の溝内に、太陽電池パネル1の縁部を挿入する。このようにして、一対の支持部材12間に、太陽電池パネル1が配置される。具体的には、太陽電池パネル1は、太陽電池パネル1の縁部の厚み方向を支持部材12に形成された溝15の内面で挟持するように(すなわち太陽電池パネル1の縁部の厚み方向を支持部材12に形成された凸部14で挟持するように)収納される。太陽電池パネル1の枚数は、支持部材12に設けられた溝の数に応じて設定される。太陽電池パネル1の収納方向は、特に制限されないが、太陽電池パネル1中のインナーリードの長手方向が、輸送時において上下方向となるように収納することが好ましい。太陽電池パネルは、インナーリードの長手方向に比べて短手方向に撓み易い。輸送時は上下方向の振動が大きいため、太陽電池パネル1の長手方向が横方向(すなわち短手方向が上下方向)となるように収納すると、自重と振動により太陽電池パネルが繰り返し撓み、太陽電池素子3とインナーリード4の結線部の断線や、太陽電池素子3のクラックなどを生じるおそれがある。また、この場合、太陽電池パネル1が撓んで互いに干渉することを抑制するため、十分な間隔を保って収納する必要があり、輸送できる太陽電池パネルの枚数も限られる。太陽電池パネル1中のインナーリードの長手方向が、輸送時において上下方向となるように収納すること(例えば、図1(a)においては、太陽電池中のインナーリードの長手方向が、箱体9の開口面に対して垂直となるように収納すること)で、これらの問題を低減することができる。
次いで、支持部材12を変形させて、太陽電池パネル1の縁部を該支持部材12の溝15の内面(すなわち凸部14)で挟持する。具体的には、太陽電池パネル1の縁部の厚み方向を挟持する。支持部材12の変形方法は、太陽電池パネル1の厚み方向に力を加える方法であればよく特に制限されない。例えば、箱体9に袋状のシートが内装されている場合、シートの開口部を強く縛ることによって支持部材に圧力を加えること、あるいは後述する減圧処理することによって、シートにより支持部材に圧力を加えることなどが挙げられる。支持部材12は、例えば、支持部材の溝15の底部が外方あるいは内方に突出するように変形(屈曲)され、太陽電池パネル1を安定に支持する。
太陽電池パネル1をさらに固定する観点から、箱体9の開口面において、固定部材17を太陽電池パネル1に装着することが好ましい。固定部材17は、振動による太陽電池パネル1各々の横ゆれを抑制できるものであればよい。例えば、支持部材12と同様の材料を用いることができ、変形可能な構造を有する。固定部材17は、具体的には、図1(a)に示すような、底部と、底部から延びる複数の凸部とからなり、この凸部間に、複数の溝が形成される構造を有し、固定部材17の溝を太陽電池パネル1に嵌合させるように装着する。この固定部材17も、支持部材12と同様に、減圧処理などにより太陽電池パネル1の厚み方向に圧力が加えられることで、固定部材の溝の底部が外方あるいは内方に突出するように変形(屈曲)される(溝の開口幅が小さくなるように屈曲する)。これによって、太陽電池パネル1は、より強固に固定される。
梱包体内は、物流過程で太陽電池パネルを乾燥した状態で輸送するために、シート内に存在する水分を除去すべく、予め防湿処理を行うことが好ましい。防湿処理は、例えば、シート内に吸湿剤を封入することによって行われる。吸湿剤としては、開梱時の作業者の安全や製品の品質を維持することを考慮して、人体に無害で、臭気を生じず、水分を吸収して溶解しないものが好ましい。このような吸湿剤としては、例えば、シリカゲル、塩化カルシウム、アルミナゲルなどが挙げられる。吸湿剤の量は、減圧処理後にシート11内に残留する空気量および輸送時間により透湿する水分量を考慮して設定される。吸湿剤は、そのままシート内に投入してもよく、予めシート内に貼り付ける、例えば、支持部材12あるいは固定部材17に貼り付けておいてもよい。
さらに、太陽電池パネル1中の充填剤および出力リードの酸化を抑制する点から、例えば、シート11内の空気を二酸化炭素や窒素ガスなどの不活性ガスに置換する、あるいは酸化抑制剤をシート11内に封入してもよい。
次いで、箱体内にシート11が内装されている場合、シート内を減圧処理することが好ましい。減圧処理は、例えば、図1(b)に示すように、減圧処理装置18のノズルをシート内に入れた状態で吸引・排気することによって行われる。減圧処理装置としては吸引・排気できるものであればよく、特に制限されない。
減圧処理を行うことによって、袋状のシート11が収縮するとともに、このシート11により支持部材12、さらには固定部材17に圧力が加えられる。すると、太陽電池パネル1を収納した支持部材12および固定部材17は、例えば、図2(b)に示すように、溝15の底部が外方に突出するように変形する(溝15の開口幅が小さくなるように変形する)ため、太陽電池パネルを安定に支持し、輸送時の振動や衝撃による太陽電池パネル1と溝15の内壁との衝突などを抑制することができる。これによりハンダで接着されたインナーリード4と太陽電池素子3の接着部に剥離が生じるなどの太陽電池パネル1の輸送時の破損を抑制することができる。
また、シート11内を減圧処理して排気を行うことで、シート11の内側に残留した水分を低減することができ、充填材5が吸湿するのを抑制することができる。また、防湿処理を行うことにより、排気後にシート内へ残留した水分やシートを浸透した水分を吸収することができるため、充填材5の吸湿をさらに抑制することができる。
減圧処理後、シート11の開口部を封止する。封止は、例えば、テープラベルで貼る、接着剤などで接着する、ヒートシールするなどにより行われる。
封止後、箱体10の開口部を保護する点から、例えば、図1(c)に示すように、箱体10と同様な材料でカバーされる。
このようにして得られた太陽電池の梱包体は、例えば、開口部を有する箱体と、該箱体内に対向配置される複数の溝を有する一対の支持部材と、該一対の支持部材間に配置される複数の太陽電池とを備え、該支持部材は、該溝の底部を外方へ突出させた状態で、該溝の内面で該太陽電池の縁部を挟持している。このような梱包体は、太陽電池が安定に支持されており、輸送時の振動による太陽電池の破損を抑制することができる。
(本発明の他の実施例)
次に、本発明の梱包体の他の形態について図5〜図7を参照しつつ説明する。
次に、本発明の梱包体の他の形態について図5〜図7を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る梱包体は、支持部材12が複数の突起部19を有しており、隣り合う突起部19同士で溝15を構成している。加えて、この支持部材12では、軸部材20に対し、突起部19が回動可能に取り付けられている点で上述してきた実施の形態とは異なっている。図5は複数の突起部19を軸部材20で連結させた様子を示すものであり(a)は側面図、(b)は正面図である。図6〜図7は太陽電池パネル1を収納・固定する様子を説明する側面図および正面図である。
本実施の形態に係る支持部材12は、図5(a)に示すように、一部が外側に突出した突起部20を有しており、これと同形のユニットを長尺状の軸部材19により複数連結されたものである。そして、軸部材19の軸方向に沿って設けられた1つの突起部20と隣接する他の突起部20との間でもって溝15を構成している。また、支持部材12は、図5(b)に示すように、軸部材19を軸として各々の突起部20が回動可能となるように取り付けられている。
次に、図6を用いて支持部材12の突起部20の回動と太陽電池パネル1の固定・取り出しの工程を説明する。まず、図6(a)、(b)のように支持部材12の突起部20を外側に回動させる。これに伴い、一対の支持部材12間に太陽電池パネル1が通過可能な幅が確保されるので、太陽電池パネル1を受光面側または非受光面側を箱体9の開口部と対向する方向に向けた状態で太陽電池パネルを奥(最下部)へ収納することができる。次いで、図6(c)、(d)のように太陽電池パネル1の手前の支持部材12を回動させると突起部20が太陽電池パネル1の倒れ込みを支える溝15を形成する。このように、次々と太陽電池パネル1を格納することで図7のように溝によって太陽電池パネル1が支持する梱包構造となる。そして最後に、必要に応じてシート11(不図示)を減圧して密封する。
このような構成によれば、支持部材12の突起部20を回動可能に設けているため、太陽電池パネル1の挿入方向に自由度が増し、太陽電池パネル1の収納・取り出しがより容易になる。なお、本実施形態では、支持部材12の突起部20を回動可能としているため、突起部20は、ゴム等のように摺動性と防護性の両方に適した材質を用いることが望ましい。また、軸部材19は太陽電池パネルを支えられるように、木材、プラスチック、金属のように強度を有する材質を用いると良い。
1:太陽電池パネル
2:透光性基板
3:太陽電池素子
4:インナーリード
5:充填材
6:裏面保護材
7:出力リード取り出し口
8:出力リード
9:箱体
10:外装
11:シート
12:支持部材
13:凸部
14:底部
15:溝
16:吸湿剤
17:固定部材
18:減圧処理装置
19:軸部材
20:突起部
2:透光性基板
3:太陽電池素子
4:インナーリード
5:充填材
6:裏面保護材
7:出力リード取り出し口
8:出力リード
9:箱体
10:外装
11:シート
12:支持部材
13:凸部
14:底部
15:溝
16:吸湿剤
17:固定部材
18:減圧処理装置
19:軸部材
20:突起部
Claims (16)
- 開口部を有する箱体内に、複数の太陽電池を収納する太陽電池の梱包方法であって、
該箱体内には、複数の溝を有する一対の支持部材が対向配置されており、
該一対の支持部材間に、該太陽電池の縁部が溝内に挿入されるように、該太陽電池を配置する工程および
該支持部材を変形させて該太陽電池の縁部を該支持部材の溝の内面で挟持する工程
を包含する、太陽電池の梱包方法。 - 前記箱体内に、さらに袋状のシートが前記支持部材を包むように内装されており、
前記支持部材を変形する工程の後に、該袋状のシートを封止する工程
を包含する、請求項1に記載の太陽電池の梱包方法。 - 前記支持部材の変形が、前記シート内を減圧処理することによって行われる、請求項2に記載の太陽電池の梱包方法。
- 前記支持部材は、前記溝の底部が外方へ突出するように変形される、請求項1から3のいずれかの項に記載の太陽電池の梱包方法。
- さらに、前記箱体の開口面において、複数の溝を有する固定部材を、前記太陽電池の縁部に装着する工程および
該固定部材を変形させて該太陽電池の縁部を該固定部材の溝の内面で挟持する工程
を包含する、請求項1から4のいずれかの項に記載の太陽電池の梱包方法。 - 前記固定部材は、前記固定部材の溝の底部が外方へ突出するように変形される、請求項5に記載の太陽電池の梱包方法。
- さらに、前記シート内を、防湿処理する工程を包含する、請求項2から6のいずれかの項に記載の太陽電池の梱包方法。
- 前記防湿処理工程が、前記シート内に吸湿剤を封入する工程である、請求項7に記載の太陽電池の梱包方法。
- 開口部を有する箱体と、該箱体内に対向配置される複数の溝を有する一対の支持部材と、該一対の支持部材間に配置される複数の太陽電池とを備える太陽電池の梱包体であって、
該支持部材は、該溝の底部を外方へ突出させた状態で、該溝の内面で該太陽電池の縁部を挟持している、梱包体。 - さらに、前記箱体と前記支持部材との間で、該支持部材を包むように配置される袋状のシートを備え、該袋状のシートが封止されている、請求項9に記載の太陽電池の梱包体。
- 前記支持部材の変形が、前記シート内を減圧処理することによって行われる、請求項10に記載の太陽電池の梱包体。
- さらに、前記箱体の開口面において前記太陽電池の縁部に装着される複数の溝を有する固定部材を備え、該固定部材は、前記太陽電池の縁部を該固定部材の溝の内面で挟持するように変形されている、請求項9から11のいずれかの項に記載の太陽電池の梱包体。
- 前記固定部材は、前記固定部材の溝の底部が外方へ突出するように変形される、請求項12に記載の太陽電池の梱包体。
- さらに、前記シート内が、防湿処理されている、請求項10から13のいずれかの項に記載の太陽電池の梱包体。
- 前記防湿処理として、前記シート内に吸湿剤が封入されている、請求項14に記載の太陽電池の梱包体。
- 前記支持部材は、前記溝を構成する複数の突起部と、該突起部に設けられた長尺状の軸部材と、を有し、前記突起部は、前記軸部材に対して回動可能に取り付けられてなることを特徴とする請求項9から15のいずれかに記載の太陽電池の梱包体。
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