JP2010005716A - ナット回し工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業性よくナットを着脱することができるようにしたナット回し工具を提供する。
【解決手段】このナット回し工具は、ナットNの外径よりも大きな内径の円筒状の内面11を有する本体部10と、本体部10を横向きないし縦向きに保持し、かつ、操作棒1の先端に取り付けられるホルダ20とを備えている。本体部10の内面11には、ナットの側面Naが滑りにくいようにするための掛止部が設けられている。前記ホルダ20の基端側には、ナットNの捕捉部30が備えられている。ホルダ20の先端側には、ナットNが脱落しないようにするための狭窄部が設けられている。そして、ナットの側面Naを本体部10の対面に押し当て、本体部10を回転させることによって、ナットNに回転力を付与する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電柱の腕金などの高所に締結されたナットを着脱するのに好適なナット回し工具に関し、特に、ナットを強固に締め付けるまでの仮締めの段階や緩み始めた後のナットを効率的に着脱することができるようにしたナット回し工具に関する。
電柱に固定された腕金などの高所に締結されたナットを作業性よく仮締めすることができるようにしたナット仮締め具が特許文献1に開示されている。このナット仮締め具は、図8に示すように、帯状に形成されたベースプレート111と、このベースプレート111の片面に被着された弾性体112とからなり、ベースプレート111の基部が間接活線操作棒100の先端に角度調整手段113によって取り付けられている。そして、ベースプレート111及び弾性体112の先端は、弾性体112を内側にして彎曲状に形成されている。また、弾性体112の表面には、ナットNの外周面に当接される波形状の押接面112aが形成されている。
このナット仮締め具によれば、作業者が間接活線操作棒100を操作して、弾性体112の押接面112aをナットNの外周面に押圧状態に当接させつつ、ベースプレート111をスライドさせる。すると、ナットNに回転力が付与され、仮締めすることができる。そして、ベースプレート111の先端部が弾性体112を内側にして彎曲状に形成されていることにより、ナットNが彎曲部にくると、抵抗が大きくなり、締付け効果が大いに発揮されるとともに、不用意に外れないようにすることができる。
さらに、弾性体112の押接面112aが波形状に形成されていることにより、ナットNに回転力を確実に与えることができる。また、角度調整手段113によってベースプレート111の角度を間接活線操作棒100と同一方向から直角方向まで調整することにより、作業条件に応じて適切な方向からアクセスすることができる。
特開2007−144574号公報
特許文献1に開示されたナット仮締め具は、ナットNを仮締付けするため、ベースプレート111を下端部から上端部までスライドさせる作業を繰り返さなければならい。すなわち、このナット仮締め具は、ナットNの外周面に当接している弾性体112が上端部までスライドすると、弾性体112の押接面112aをナットNの外周面から一旦外し、ベースプレート111を上昇させ、弾性体112の下端部の押接面112aをナットNの外周面に押圧状態に当接させるという作業を繰り返さなければならない。したがって、このような作業は、連続した操作でないことから、このナット仮締め具は、作業性がよいといえない。
そこで、本発明は、作業性よく操作することができるようにしたナット回し工具を提供することを課題とする。
本発明に係るナット回し工具は、ナットの外径よりも大きな内径の円筒状の内面を有する本体部と、該本体部を横向きないし縦向きに保持し、かつ、操作棒の先端に取り付けられるホルダとが備えられていることを特徴としている。
このナット回し工具によれば、ホルダが操作棒の先端に取り付けられることにより、電柱の腕金などの高所にナットを着脱することができ、そして、ホルダが本体部の開口した先端側を横向きないし縦向きに保持することにより、ナットの端面が横向でも下向きでも着脱することができ、さらに、円筒状の本体部の内面がナットの外径よりも大きく形成されていることにより、ナットの側面が本体部の内面に1箇所又は2箇所で押し当てられるように掛止することができる。そして、ナットの側面が本体部の内面を押し当てられた状態を維持して、本体部を回転させると、ナットに回転力が付与され、ナットを回転させて着脱することができる。このナット回し工具は、本体部を連続して回転することにより、ナットに連続して回転力を付与することができ、往復動のようにナットに付与する回転力が不連続にならないようにすることができる。
また、前記本発明に係るナット回し工具において、前記本体部の内面には、ナットの側面を滑りにくくするための掛止部が設けられていることが好ましい。このナット回し工具によれば、本体部の内面に掛止部が設けられていることにより、ナットの側面が掛止部に掛止され、本体部によって付与される回転力が滑ることなくナットに伝達される。なお、掛止部は、クッション体や凹凸体によって形成することができる。
また、前記本発明に係るナット回し工具において、前記本体部の基端側には、ナットの捕捉部が設けられていることが好ましい。このナット回し工具によれば、外されたナットが捕捉部に捕捉され、落下しないようにすることができる。なお、捕捉部は、ネットや有底筒体によって構成することができる。
また、前記本発明に係るナット回し工具において、前記ホルダの先端側には、ナットが内面から離脱しないようにするための狭窄部が設けられていることが好ましい。このナット回し工具によれば、本体部が長さ方向にぶれても、ナットが狭窄部に掛止された状態を維持し、本体部の開口した先端側から離脱しないようにすることができる。なお、狭窄部は、本体部の先端縁に内向きに設けた鍔部や先端側を奥側よりも縮径したテーパ部、あるいはナットの長さよりも広い幅の環状溝などによって設けることができる。
また、前記本発明に係るナット回し工具において、前記ホルダには、前記本体部が所期の姿勢を維持するように仮固定するための締結部材が取り付けられていることが好ましい。このナット回し工具によれば、ナットの向きに応じて本体部を横向きや縦向きとし、ホルダに締結され、所期の姿勢を維持することができる。
また、前記本発明に係るナット回し工具において、前記ホルダには、前記操作棒から偏心した先端側で本体部を挟む一対の支持部と、該一対の支持部の基端側を連結する連結部とが備えられていることが好ましい。この着脱工具によれば、特に鉛直姿勢とされた長いボルトに、端面を下向きとしたナットを着脱するときに、本体部が一対の支持部によって操作棒から偏心するため、ボルトの先端が操作棒に突き当たらないようにすることができる。
本発明によれば、ナットに回転力を連続して付与することのできるナット回し工具を提供することができるため、ナットを着脱する作業性を高めることができる。
本発明に係るナット回し工具の実施形態について図1ないし図7を参照しながら説明する。このナット回し工具は、基本的に図1及び図2に示すように、ナットNに回転力を付与する本体部10と、この本体部10を横向きないし縦向きに保持し、かつ、間接活線操作棒、その他の操作棒1の先端に取り付けられるホルダ20とを備えている。
本体部10は、ナットNの長さよりも長く、ナットNの外径よりも大きな内径の内面11を有する円筒状に形成されている。本体部10の内面は、ナットの側面Naを係止する部位であり、本体部10の内面11には、ナットの側面Naが滑りにくいようにするため、図3(a)に示すようなクッション体からなる掛止部12、又は図3(b)に示すような鋸歯形状ないし図示しない波形状からなる掛止部12を備えている。クッション体からなる掛止部12は、摩擦係数が高い及び/又はナットの側面Naが食い込む硬めのゴムその他の弾性部材に形成される。また、鋸歯形状ないし波形状の掛止部12においても、クッション体によって形成してもよい。
そして、本体部10の先端側には、ナットNに回転力を付与している本体部10が長さ方向にぶれても、ナットNが内面11から離脱しないようにするための狭窄部13が設けられている。狭窄部13は、図4(a)に示すように、本体部10の先端縁に内向き形成した鍔や、図4(b)に示すように、先端側に向かって縮径するテーパや、図4(c)に示すように、先端縁からわずかに奥側に設けた環状溝などによって構成される。なお、環状溝は、当然、ナットNの長さよりも広い幅とされ、ナットNがスムーズに入り込み、また外れるように、環状溝のエッジが面取りされていることが好ましい。
そして、本体部10の基端部には、外されたナットNを捕捉する捕捉部30が備えられている。捕捉部30は、図1又は図2に示すように、着脱可能なネットによって構成される。ネットは奥側が垂下するため、捕捉されたナットNが飛び出ないようにすることができる。また、ネットが着脱可能とされることにより、破けるなど損傷したときに交換することができる。
ただし、捕捉部30は、図5(a)(b)に示すように、本体部10と同一の素材として、本体部10を延長した有底筒状としてもよい。なお、ナット回し工具は、図示しないが、図4に示した各狭窄部13を有する本体部10の基端部に有底筒状の捕捉部30を設けたものとしてもよい。
一方、ホルダ20は、本体部10を操作棒1から偏心した先端側で挟む一対の支持部21,21と、この一対の支持部21,21の基端側を連結する平板状の連結部22とを備えたものとされている。一対の支持部21,21は、縦部材21aと横部材21bとを側面視でL字形に形成したもので、縦部材21aの上部で本体部10が挟まれる。
そして、本体部10の直径を結ぶ部分と支持部21の上部とが軸(図示せず)によって連結され、本体部10の向きを変更できるようにしている。そして、本体部10が横向きないし縦向きの姿勢を維持することができるように、軸の一端部又は両端部には蝶ナットなどの締結部材23が取り付けられている。
このような支持部21は、縦部材21aが長すぎると、本体部10の保持が不安定となる一方、短すぎると、鉛直姿勢の長いボルトBにナットNを着脱するときに、ボルトBの先端が操作棒1の上端に突き当たる。そこで、支持部21の縦部材21aは、本体部10の半径よりも長い程度に形成され、横部材21bによって本体部10が操作棒1の延長線上から偏心させることにより、長いボルトBにナットNを着脱するときでも、ボルトBの先端が操作棒1に突き当たらないようにされている。
なお、ホルダ20は、図示したように支持部21と連結部22とを側面視でL字形に形成することにより、軽量化を図ることができるが、側面視で三角形状とするなど限定するものではない。
そして、支持部21の横部材21bの基端側に板状の連結部22が連結され、この連結部22に操作棒1を連結する継手24が設けられている。操作棒1として、先端にピン1aを突出したものを使用する場合は、連結部22の継手24には、このピン1aを係入する溝24aが設けられている。このような連結部22を設けることにより、任意の長さの操作棒1を選択して使用することができる。
このナット回し工具は、以上のように構成され、次に、使用方法について説明する。図1に示すように、軸を水平向きとして腕金などの被取付物(図示せず)を貫通したボルトBにナットNを締結する場合は、本体部10の開口した先端側を横向きの姿勢とする。本体部10が横向きの姿勢を維持することができるように、締結部材23によって本体部10とホルダ20の支持部21とを締め付け、仮固定する。
そして、ナットNを適宜手段によってボルトBの先端に螺合する。その後、ナットの側面Naを図6及び図7(a)に示すように、本体部10の内面11に押し当てる。そして、作業者が回転軸を水平向きとして操作棒1を回転することにより、本体部10を図7(b)(c)(d)(a)…というように回転させる。すると、ナットの側面Naが本体部10の内面11に押し当てられていることから、ナットNに回転力が付与され、ナットNのボルトBへの仮締めが進行する。
本体部10は、図7に示すように連続して回転させることができるため、ナットNのボルトBへの仮締めを連続して進行させることができる。ただし、このナット回し工具だけでは、ナットNをボルトBに強固に締結(本締め)することができないため、最後は、作業者が別の操作棒の先端に取り付けられたラチェットなどによって、本締めする。
逆に、本締めされたナットNを緩めるには、最初に前記のラチェットなどによって、本締めされたナットNを一旦緩め、その後、このナット回し工具を使用する。すなわち、ナットの側面Naを図6に示すように本体部10の内面11に押し当てる。そして、作業者が操作棒1を前記と逆方向に回転することによって、本体部10を図7(d)(c)(b)(a)…というように前記と逆方向に回転する。すると、ナットNがボルトBから外れていく。そして、ナットNがボルトBから外れると、このボルトBは捕捉部30内に落下する。したがって、外れたボルトBが作業者の方へ落下することがなく、安全が確保される。
また、図2に示すように、軸を鉛直向きとして腕金などの被取付物(図示せず)を貫通したボルトBにナットNを締結する場合は、本体部10の開口した先端側を上向きの姿勢とする。なお、ナット締め工具の本体部10が横向きの姿勢とされているときは、締結部材23を一旦緩め、本体部10を上向きの姿勢とし、締結部材23によって本体部10とホルダ20の支持部21とを締め付け、仮固定する。
そして、前記と同様、ナットNを適宜手段によってボルトBの先端に螺合し、その後、図示しないが、ナットの側面Naを本体部10の内面11に押し当てる。このとき、ボルトBが長いものであっても、ホルダ20は支持部21の横部材21bによって操作棒1から偏心していることにより、ボルトBの先端部が継手24又は操作棒1の上端に突き当たることはない。
そして、作業者が回転軸を鉛直向きとして操作棒1を回転することにより、本体部10を回転させる。すると、ナットの側面Naが本体部10の内面11に押し当てていることから、ナットNに回転力が付与され、ボルトBへの仮締めが進行する。本体部10は、連続して回転させることができるため、ナットNのボルトBへの仮締めを連続して進行することができる。ただし、前記同様、このナット回し工具だけでは、ナットNをボルトBに強固に締結することができないため、最後は、別の操作棒の先端に取り付けられたラチェットなどによって、本締めする。
逆に、本締めされたナットNを緩めるには、前記と同様、最初にラチェットなどによってナットNを一旦緩め、その後、このナット回し工具によって連続して緩める。すなわち、ナットの側面Naを本体部10の内面11に押し当てながら、本体部10を前記と逆方向に回転することにより、ナットNをボルトBから外す。ボルトBから外れたナットNは、捕捉部30内に落下する。
このようにして、このナット回し工具によって、いずれの向きのナットNも連続した操作によって着脱することができる。また、この操作において、本体部10の内面11に掛止部12が設けられることにより、ナットの側面Naが本体部10上を滑らないようにし、効率的に作業することができる。また、本体部10の先端側に狭窄部13が設けられることにより、本体部10を回転させている最中に、本体部10が長さ方向にぶれるなどして、ナットNが本体部10の内面11から離脱しないようにし、効率的に作業することができる。
なお、本発明は、前記の実施形態に限定することなく、種々変更することができる。例えば、前記の実施形態においては、ナットNが横向き又は下向きに着脱する場合について説明したが、ボルトBが斜め向きに配置され、ナットNを斜め向きに着脱するときは、本体部10を斜め向きの姿勢にホルダ20に保持されるようにする。このナット回し工具は、ホルダ20が本体部10を横向きないし縦向きに保持するため、本体部10は横向きから縦向きの間の任意の角度に向けることができる。
また、ホルダ20は、長いボルトBにナットNを着脱しないと限定する場合において、支持部21の横部材21bを省略し、支持部材21の縦部材21aに連結部22を直接、連結するようにしてもよい。また、本体部10は、摩擦係数の高い素材によって形成することにより、別途、掛止部12を本体部10の内面11に設けないようにすることもできる。さらに、本体部10は、内面11が円筒状であればよく、外面の形状を角形にしてもよい。
また、本ナット回し工具は、電柱の腕金などの高所に締結されたナットNを着脱する場合に好適に使用することができるが、短い操作棒をホルダ20に取り付け、低所に締結されたナットNを着脱してもよい。この場合、ナット回し工具は捕捉部30を設けないものとしてもよい。
さらに、操作棒1を交換しないようにすることもでき、この場合、ホルダ20は継手24を備えないで、連結部22を直接、操作棒に固定してもよい。
本発明に係るナット回し工具の一実施形態であって、横向きのナットを着脱する状態を示す斜視図である。 本発明に係るナット回し工具の一実施形態であって、下向きのナットを着脱する状態を示す斜視図である。 本発明に係るナット回し工具を構成している本体部の変形例であって、(a)(b)はそれぞれ異なる実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るナット回し工具を構成している本体部の変形例であって、(a)(b)(c)はそれぞれ異なる実施形態を断面側面図である。 本発明に係るナット回し工具を構成している本体部の変形例であって、(a)(b)はそれぞれ異なる実施形態を断面側面図である。 本発明に係るナット回し工具によってナットを着脱している状態の一実施形態を示す断面側面図である。 本発明に係るナット回し工具によってナットを着脱している状態の一実施形態であって、(a)(b)(c)(d)はそれぞれ異なる操作途中を示す正面図である。 従来のナット仮締め具を示す斜視図である。
符号の説明
1……操作棒
10…本体部
11…内面
12…掛止部
13…狭窄部
20…ホルダ
21…支持部
22…連結部
23…締結部材
30…捕捉部

Claims (6)

  1. ナットの外径よりも大きな内径の円筒状の内面を有する本体部と、該本体部を横向きないし縦向きに保持し、かつ、操作棒の先端に取り付けられるホルダとが備えられていることを特徴とするナット回し工具。
  2. 前記本体部の内面には、ナットの側面を滑りにくくするための掛止部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のナット回し工具。
  3. 前記本体部の基端側には、ナットの捕捉部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のナット回し工具。
  4. 前記ホルダの先端側には、ナットが内面から離脱しないようにするための狭窄部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナット回し工具。
  5. 前記ホルダには、前記本体部が所期の姿勢を維持するように仮固定するための締結部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のナット回し工具。
  6. 前記ホルダには、前記操作棒から偏心した先端側で本体部を挟む一対の支持部と、該一対の支持部の基端側を連結する連結部とが備えられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のナット回し工具。
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