JP2010005357A - フライヤー用高電圧印加装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁電極の電極部が容易に加工できると共に揚げ物のカスが溜まりにくい、フライヤー用高電圧印加装置を得る。
【解決手段】フライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を有した絶縁電極と、該絶縁電極に高電圧を印加するための高電圧発生器にて構成する。該絶縁電極にあっては、食品衛生上無害で耐熱性を有したブロック状の絶縁本体の表面に1乃至数ターンのループ状又は波形状の溝を削成し、該溝内に高耐電圧性及び耐熱性を有した電極線を埋設した後、該絶縁本体の表面に同材質の絶縁蓋を係合して構成した電極部を本体金具の下側に固定すると共に前記本体金具の上側にフライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を具備して構成する。油槽内の電場形成の効果を高める場合、絶縁本体と絶縁蓋との間に金属板を挟持させ、または前記絶縁蓋と金属板に代えて食品衛生上無害で耐熱性を有した絶縁体を被覆加工した金属板を係合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フライや天ぷら等の揚げ物を揚げるためのフライヤーにおいて、油の酸化を抑制して揚げ物を美味しく仕上げたり油煙や油臭を減少させる効果のある、フライヤー用高電圧印加装置に関するものである。
従来、食堂,仕出し弁当屋,コンビニエンスストアー等を始めとした業務でフライ,天ぷら,フライドポテト,フライドチキン等の揚げ物を揚げる場合、フライヤーを使用している。該フライヤーを使用して大量の揚げ物を揚げる場合、油の酸化による味や風味の劣化が早いため、頻繁に新しい油と入れ替える必要があった。このため、手間や経費がかかってしまうという問題点があった。
上記問題点を解決するため、本願出願人による登録実用新案第3136043号公報の『フライヤー用高電圧印加装置』は、フライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を有した絶縁電極と、該絶縁電極に高電圧を印加するための高電圧発生器にて構成し、前記絶縁電極にあっては、食品衛生上無害で耐熱性を有した筒状の絶縁体中に高耐電圧性及び耐熱性を有した電極線を挿入して構成した電極棒を本体金具の下側に固定金具にて固定すると共に前記本体金具の上側にフライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を具備して構成した高電圧印加装置の提案を行った。
上記のように構成した絶縁電極をフライヤーの油槽内部の壁面のヒートパイプ上部に設置し、高電圧発生器より該絶縁電極とフライヤーの筐体間に数百から数千ボルトの高電圧を印加してフライや天ぷら等を揚げることにより、油槽内に形成された電場により油の酸化を抑制し、さらには揚げ物素材中の分子を活性化して油中で発生する気泡や水泡を小さくすることにより、油煙や油臭を減少させることができるという効果が得られた。また、当該フライヤー用高電圧印加装置の構造がシンプルであるために安価に製造でき、さらには掃除も容易に行えるという効果も得られた。
登録実用新案第3136043号
しかしながら、上記登録実用新案第3136043号公報に記載の絶縁電極を構成する電極棒は、食品衛生上無害で耐熱性を有した筒状の絶縁体中に高耐電圧性及び耐熱性を有した電極線を挿入したものであり、該電極棒の形状は、1本の直線形状又は一つの折返し部を有したU字状又は二つ以上の折返し部を有した波形状若しくはループ状である。前記筒状の絶縁体として例えばテフロン(登録商標)があるが、該筒状のテフロンをU字状又は波型状若しくはループ状に曲げ加工する場合、剛性が強いために容易に曲げられない点と、曲げた後にあっても綺麗にU字状又は波形状若しくはループ状を保持できなく、美観の点から商品価値を低下させてしまうという問題点が見出された。
また、油槽内の電場形成の効果を高めるべく、上記電極棒の前面に当該電極棒全体を覆うことができる大きさを有すると共に食品衛生上無害で耐熱性を有した絶縁体を被覆加工した金属板を設置した場合、該金属板の固定部に細かな揚げ物のカスが溜まってしまうという問題点が見出された。
本発明は、上記の問題点を解決するために成されたものであり、油の酸化を抑制して揚げ物を美味しく仕上げたり油煙や油臭を減少させる効果のあるフライヤー用高電圧印加装置において、絶縁電極の電極部が容易に加工できると共に揚げ物のカスが溜まりにくい、フライヤー用高電圧印加装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のフライヤー用高電圧印加装置は、フライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を有した絶縁電極と、該絶縁電極に高電圧を印加するための高電圧発生器にて構成する。該絶縁電極にあっては、食品衛生上無害で耐熱性を有したブロック状の絶縁本体の表面に1乃至数ターンのループ状又は波形状の溝を削成し、該溝内に高耐電圧性及び耐熱性を有した電極線を埋設した後、該絶縁本体の表面に同材質の絶縁蓋を係合して構成した電極部を本体金具の下側に固定すると共に前記本体金具の上側にフライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を具備して構成する。
油槽内の電場形成の効果を高める場合、上記電極部を構成する絶縁本体と絶縁蓋との間に金属板を挟持させ、または前記絶縁蓋と金属板に代えて食品衛生上無害で耐熱性を有した絶縁体を被覆加工した金属板を係合する。
本発明のフライヤー用高電圧印加装置によれば、油槽内における電場形成の手段としてブロック状の電極部内に削成した1乃至数ターンのループ状又は波形状の溝内に電極線を埋設する構造のため、従来の電極棒を曲げ加工する方法に比べ電極部の加工が非常に容易となるという絶大なる効果を奏する。また、前記電極部の形状が単純なブロック状のために美観を損ねることもなく、さらには揚げ物のカスが溜まることもなく掃除も非常に容易となるという効果も奏する。
本発明を実施するための最良の形態を図を用いて説明する。
図1は本発明のフライヤー用高電圧印加装置を構成する絶縁電極の一実施例の外観図であり、図2は本発明のフライヤー用高電圧印加装置を構成する高電圧発生器の一実施例の外観図である。該図に示すように、本発明のフライヤー用高電圧印加装置は、フライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を有した絶縁電極1と、該絶縁電極1に高電圧を印加するための高電圧発生器15にて構成する。
また、図3は本発明のフライヤー用高電圧印加装置を構成する絶縁電極の電極部の内部構造図であり、図4は本発明のフライヤー用高電圧印加装置を構成する絶縁電極の電極部の構造組立図である。該図に示すように、上記絶縁電極1は、食品衛生上無害で耐熱性を有した例えばテフロン(登録商標)やPEEK(登録商標)をブロック状に形成した絶縁本体4の表面に1乃至数ターンのループ状又は波形状の溝7を削成し、該溝7内に高耐電圧性及び耐熱性を有した電極線12を埋設する。図3の(a)は、1ターンのループ状の溝7を削成した絶縁本体4を示し、(b)は2ターンのループ状の溝7を削成した絶縁本体4を示し、(c)は2ターンの波形状の溝7を削成した絶縁本体4を示している。なお、該ループ状や波形状の溝7の曲げ部は、(a)で示すように複数の直線で形成したり、(b),(c)で示すように滑らかな円弧で形成するなど何れの方法であっても構わない。
さらに、上記絶縁本体4の表面に同材質の絶縁蓋5を係合して電極部3を構成し、本体金具2の下側に固定すると共に前記本体金具2の上側にフライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段として例えばマグネット10を当該本体金具2の裏面に固定して構成する。また、前記電極線12の先端部には高電圧発生器15より高電圧を印加するための端子として例えば絶縁ホルダー13にバナナプラグ14を装着して構成した高圧プラグを設ける。なお、前記マグネット10を固定した本体金具2の表面にノブ11を設けることにより、フライヤーの油槽内部の壁面への絶縁電極1の着脱作業が容易に行えることになる。
また、油槽内の電場形成の効果を高める場合、上記電極部3を構成する絶縁本体4と絶縁蓋5との間に金属板6を挟持させ、または前記絶縁蓋5と金属板6に代えて食品衛生上無害で耐熱性を有した絶縁体を被覆加工した金属板(図示せず)を係合する。
上記絶縁蓋5を絶縁本体4に係合する方法として、絶縁本体4の四隅に穿孔した孔8と、絶縁蓋5の四隅に穿孔した孔24と、油槽内の電場形成の効果を高める場合においては金属板6の四隅に穿孔した孔25にネジ9を挿通し、前記絶縁本体4の裏面にてナット26を螺着して固定する。該ネジ9やナット26の材質は当該絶縁本体4や絶縁蓋5と同等のものが好適である。
図5は電極部を固定するネジ部の部分断面図であり、絶縁本体4の孔8の裏面に凹部27を穿孔し、ネジ9にナット26を螺着した際にネジ9の先端やナット26が絶縁本体4より突き出ないようにするのが好ましい。また、符号Aで示すように、螺着後にネジ9の先端を加熱処理して扁平に押し潰すようにすれば、使用中においてナット26が緩んでネジ9より脱落することを防止できて好適である。なお、絶縁蓋5を絶縁本体4に係合する方法として、前記ネジ9にナット26を螺着する方法以外に、溶着にて係合するなど他の方法であっても構わない。
上記本体金具2の材質はステンレスが好適である。また、電極線12の芯線もステンレスの撚り線が好適である。これは、一般的な電線の芯線は銅であるが、該銅に発生する緑青は食品衛生上有害であり、これを防止するためである。
上記高電圧発生器15は、スイッチング電源として回路構成された高電圧発生ユニットを当該高電圧発生器15に内蔵すると共に、当該高電圧発生器15に商用電源を供給するための電源プラグ21と、当該高電圧発生器15より発生した高電圧を絶縁電極1に印加するための高圧ジャック20と、当該高電圧発生器15が動作中であることを示すLED19と、当該高電圧発生器15をフライヤーに容易に固定するためのマグネット18を具備し、さらに電源プラグ21にはACプラグ23を具備した電源線22を接続して構成する。
図示した高電圧発生器15には電源スイッチがないが内蔵しても構わない。また、LED19はなくても構わない。
上記マグネット18は、高電圧発生器15の裏面にて固定金具16にネジ17を螺着して固定する。なお、マグネット18を使用せず、単に両面テープ(図示せず)を高電圧発生器15の裏面に貼付してフライヤーに固定する方法であっても構わない。また、電源プラグ21は高電圧発生器15より着脱自在とするが、電線クランプにて高電圧発生器15に固着する方法であっても構わない。
また、図6は絶縁電極の本体金具の他の実施例の側面図である。図1の実施例では絶縁電極1のフライヤーの油槽内部の壁面への持着手段としてマグネット10を用いる方法を示したが、本体金具2の上側をコ字状に折返して掛止部28を形成し、ローレットネジ29にて油槽の壁面を挟着して固定する方法であっても構わなく、使用する油槽の構造や形状に合わせ、前記2つの実施例以外の如何なる方法であっても構わない。
本発明の実施例を図を用いて説明する。
図7は本発明のフライヤー用高電圧印加装置をフライヤーに取り付けた状態の外観斜視図であり、まずフライヤー30の油槽31内部の壁面32に絶縁電極1を持着する。図示した絶縁電極1の持着手段はマグネットであるため、本体金具2の上側裏面に固定したマグネット10にて持着する。なお、持着位置は図示した油槽31内部の正面の壁面32に限定することなく、他の内側面の壁面32等であっても構わない。
次に高電圧発生器15をフライヤー30の外壁面に固定する。該高電圧発生器15の裏面にはマグネット18が具備されるため、現場の状況に応じて任意な位置に固定することができる。さらに上記絶縁電極1の電極線12の先端部にある絶縁ホルダー13及びバナナプラグ14で構成した高圧プラグを当該高電圧発生器15の高圧ジャック20に接続する。また、高電圧発生器15の電源線22に接続されたACプラグ23をACコンセント(図示せず)に接続する。なお、図示した高電圧発生器15には電源スイッチがないため、電源スイッチ付きのACコンセントに接続するのが好適である。
なお、本発明のフライヤー用高電圧印加装置は商用電源以外にバッテリーで稼動させることも可能である。この場合、バッテリーをDC/ACインバーター(何れも図示せず)に接続し、該DC/ACインバーターに附属のACコンセントに上記ACプラグ23を接続して使用する。または前記バッテリー及びDC/ACインバーターを当該高電圧発生器15の本体内に内蔵する方法であっても構わない。
上記のようにして本発明のフライヤー用高電圧印加装置をフライヤー30に設置した後、油槽31内の油(図示せず)をヒートパイプ33にて加熱すると共に本発明のフライヤー用高電圧印加装置を作動して揚げ物を揚げれば、油の酸化を抑制して揚げ物を美味しく仕上げたり油煙や油臭を減少させる効果が得られる。
なお、少量の揚げ物を揚げる場合には揚げかごの利用が便利であり、このような場合には上記フライヤー30の油槽31内に揚げかご(図示せず)を入れて使用しても構わない。
上述した内容は、業務用のフライヤーで大量の揚げ物を揚げる際に使用するフライヤー用高電圧印加装置について説明したが、絶縁電極を構成する電極部の構成及び形状が簡素化及び小型化になったため、卓上型の小型フライヤーやてんぷら鍋等での使用も可能となり、一般家庭や料理店等においても容易に使用することができるものである。
本発明のフライヤー用高電圧印加装置を構成する絶縁電極の一実施例の外観図である。 本発明のフライヤー用高電圧印加装置を構成する高電圧発生器の一実施例の外観図である。 本発明のフライヤー用高電圧印加装置を構成する絶縁電極の電極部の内部構造図である。 本発明のフライヤー用高電圧印加装置を構成する絶縁電極の電極部の構造組立図である。 電極部を固定するネジ部の部分断面図である。 絶縁電極の本体金具の他の実施例の側面図である。 本発明のフライヤー用高電圧印加装置をフライヤーに取り付けた状態の外観斜視図である。
符号の説明
1 絶縁電極
2 本体金具
3 電極部
4 絶縁本体
5 絶縁蓋
6 金属板
7 溝
8 孔
9 ネジ
10 マグネット
11 ノブ
12 電極線
13 絶縁ホルダー
14 バナナプラグ
15 高電圧発生器
16 固定金具
17 ネジ
18 マグネット
19 LED
20 高圧ジャック
21 電源プラグ
22 電源線
23 ACプラグ
24 孔
25 孔
26 ナット
27 凹部
28 掛止部
29 ローレットネジ
30 フライヤー
31 油槽
32 壁面
33 ヒートパイプ

Claims (2)

  1. フライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を有した絶縁電極と、該絶縁電極に高電圧を印加するための高電圧発生器にて構成し、該絶縁電極にあっては、食品衛生上無害で耐熱性を有したブロック状の絶縁本体の表面に1乃至数ターンのループ状又は波形状の溝を削成し、該溝内に高耐電圧性及び耐熱性を有した電極線を埋設した後、該絶縁本体の表面に同材質の絶縁蓋を係合して構成した電極部を本体金具の下側に固定すると共に前記本体金具の上側にフライヤーの油槽内部の壁面に着脱自在な持着手段を具備して構成することを特徴とした、フライヤー用高電圧印加装置。
  2. 油槽内の電場形成の効果を高める場合、上記電極部を構成する絶縁本体と絶縁蓋との間に金属板を挟持させ、または前記絶縁蓋と金属板に代えて食品衛生上無害で耐熱性を有した絶縁体を被覆加工した金属板を係合することを特徴とした、請求項1に記載のフライヤー用高電圧印加装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013536046A (ja) * 2010-08-22 2013-09-19 ヘニー・ペニー・コーポレーション フライヤーに使用される電極ユニット及びその電極ユニットを有するフライヤー

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