以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
すなわち、本発明の一側面の遊技球発射装置(例えば、図2の遊技球発射装置11)は、遊技球と略同径で、所定の角度で設定され、前記遊技球を内部に装填可能な円筒(例えば、図2のパイプ31)と、前記円筒の略軸方向に磁界を発生するコイル(例えば、図2のコイル32)と、前記円筒の下方端部において、上下方向に回動可能であって、下方に回動した状態で、前記円筒に装填された遊技球と、前記円筒の略軸方向に対して異なる方向から当接する当接面(例えば、図2の当接面33a)を含む遊技球停止部(例えば、図2の停止部33)と、前記遊技球停止部を下方向の回動方向に付勢する付勢部(例えば、図2の付勢部35)と、前記付勢部により付勢された下方向の回動方向に回動される前記遊技球停止部を、前記遊技球が前記円筒の下方端部の所定位置で固定できる位置に前記当接面を位置決めさせる位置決め固定部(例えば、図2の固定ブロック36)と、前記遊技球停止部を、前記付勢部による付勢力よりも大きな力で、前記円筒の下方端部より上方に回動させる回動部(例えば、図2の操作レバー37)とを備える。
前記円筒には、前記円筒上部で前記遊技球を、前記円筒に投入する投入部(例えば、図3の投入孔31a)をさらに設けるようにさせることができる。
前記投入部より投入された遊技球が前記円筒内に所定数を超えて装填されていることを検出する検出手段(例えば、図3の球詰まり検出部21)をさらに設けるようにさせることができ、前記回動部(例えば、図2の操作レバー37)には、前記検出手段により、前記投入部より投入された遊技球が前記円筒内に所定数を超えて装填されていることが検出された場合、前記遊技球停止部を、前記付勢部による付勢力よりも大きな力で、前記円筒の下方端部より上方に回動させるようにすることができる。
前記円筒(例えば、図2のパイプ31)は、非磁性体で構成されるようにすることができ、側面部に前記円筒の略軸方向にスリット(例えば、図2のスリット31d)を設けるようにさせることができる。
図1は、本発明に係る遊技球発射装置を備えた遊技機の実施の形態の構成例を示す図である。
遊技機1は、遊技球発射装置11を備えている。遊技球発射装置11は、制御部22により動作が制御されており、遊技機1の右下部に設けられた操作ハンドルHが操作されることにより、図示せぬ遊技球を発射孔11aより遊技機1の盤面12に発射させる。より詳細には、操作ハンドルHが遊技者により把持され、回転されると、遊技球発射装置11は、回転角度に応じて駆動回路23により磁界が発生され、上皿13の図示せぬ装填部より順次装填された遊技球を図中の太線の矢印方向に発射孔11aより連続的に発射する。発射された遊技球は、ガイド部16により弾道が規制されて、例えば、図中の軌道R1で示されるように連続的に盤面12に投入される。
また、遊技球発射装置11は、球抜きボタン15が遊技者により操作されるか、または、球詰まり検出部21により球詰まりが検出されると、装填された遊技球を、図中の点線の矢印で示される軌道R2で示されるように、下皿14に排出する。
次に、図2,図3を参照して、遊技球発射装置11の詳細な構成について説明する。
遊技球発射装置11は、パイプ31、コイル32、停止部33、軸34、付勢部35、固定ブロック36、および操作レバー37より構成されている。パイプ31は、非磁性体の物質から構成され、遊技球P1に対して略同径の筒状のものであり、軸方向が水平方向に対して、ガイド部16に対応した所定の角度をもって傾斜して設けられている。パイプ31は、図3の左上部で示されるように、上方端部付近に遊技球と略同径の投入孔31aを備えており、上皿13より図示せぬ装填部を介して供給されてくる遊技球の投入を受け付ける。図中においては、パイプ31は、左方向が上方に、右方向が下方向に傾斜されている。また、パイプ31は、図中の上方端部の発射孔31b(上述した発射孔11aと同一のもの)、および下方端部の排出孔31cがいずれにおいても開放されており、パイプ31単体では遊技球は投入孔31aより投入されると、自重により下方端部の排出孔31cより排出される構造となっている。
コイル32は、制御部22(図1)により制御される駆動回路23の動作により磁界を発生し、遊技球P1を矢印A1方向に吸引すると共に、吸引された際に発生する慣性力により図中の遊技球P1’で示されるように発射孔31bより発射する。
停止部33は、L字型の部材から構成されており、L字部の角を軸34として図中の矢印B1またはB2方向に回動可能に設けられている。また、停止部33は、バネ状の付勢部35により図中の矢印B1方向に回転するように所定の力で付勢されている。停止部33は、一方の端部である支持部33bが操作レバー37と係合されており、操作レバー37の矢印C1またはC2方向への動作に対応して軸34を中心として、矢印B1またはB2方向に回動する。停止部33は、付勢部35により図中矢印B1方向に付勢されているが、支持部33bが、固定ブロック36により当接することで回動が規制され、通常、図3の右上部で示されるように、当接面33aが、パイプ31の径内の一部を閉塞するように、かつ、パイプ31の軸に対して所定の角度θをなした状態で停止する。尚、図3の右上部は、図3の左上部の右下の位置からの矢視Aを示している。
このため、例えば、投入孔31aより遊技球P11が投入されると、パイプ31内に装填されて、自重により遊技球P1の位置まで移動すると、停止部33の当接部33aにおいて固定される。当接面33aは、遊技球P1と当接する位置において、遊技球の曲面に対応した凹状の溝が設けられた構造となっており、図3の上右部で示されるように、遊技球P1の略中央上部から、パイプ31の軸方向に対して所定の角度θをなす方向から遊技球P1の上面部に当接する。
このため、遊技球P1は、図3の左上部、および右上部で示されるように、パイプ31の曲面状の内側面と、停止部33の凹状の溝が設けられた当接部33aとの2方向から、異なる2面に当接することで固定されるので、適切な位置に固定することが可能になると共に、異なる方向から、遊技球P1の表面形状に対応した2面の曲面部により固定されるので、迅速に静定させることが可能となる。このため、遊技球は、発射される所期の固定位置に、安定的に、かつ、迅速に静定されるので、安定した飛距離で発射させることが可能となる。
また、操作レバー37が、図中の矢印C2方向に操作されると、支持部33bが押圧されることにより、停止部33は、矢印B2方向に回転する。このとき、停止部33の当接面33aは、図3の左下部で示されるように、上方に回動し、パイプ31の下方端部に設けられた排出孔31cが開放された状態となる。このため、この場合においては、パイプ31の投入孔31aより遊技球P11が投入されても、遊技球P3,P2で示されるように自重によりパイプ31の下方端部まで移動し、遊技球P1の位置においても停止部33により停止されないため、遊技球P1’,P1”で示されるように、排出孔31cより転がり落ちて下皿14に排出することが可能となる。
このような構造により、例えば、パイプ31内に複数の遊技球が貯留される状態となった場合(いわゆる、球詰まりの状態になった場合)にでも、操作レバー37が操作されると、停止部33が図3の左下部で示されるように排出孔31cより遊技球を排出することが可能になると共に、操作レバー37を矢印C1方向に動作させることで、再び、遊技球P1で示されるように固定することが可能となる。すなわち、パイプ31における遊技球の投入孔31aは、遊技球が発射される発射孔31bと同一の方向に設けられており、排出孔31cは、発射方向とは逆方向の端部に設けられているので、投入孔31aより順次所定の間隔で連続的に遊技球が供給されるような状況で、かつ、球詰まりが生じるような状況においても、遊技球を確実に排出することが可能になると共に、排出が完了した後、迅速に遊技球の装填を受け付けることが可能となる。結果として、遊技球を連続的に受け付けることが可能になると共に、球詰まりが生じてもスムーズに排出することが可能となり、連続的に、安定した飛距離で遊技球を発射することが可能となる。
尚、操作レバー37は、制御部22により動作させることも可能であるが、球抜きボタン15の操作に連動して動作させるようにしても良いものである。
また、パイプ31は、図4の上部で示されるように側面部にパイプの軸に平行にスリット31dが設けられている。
すなわち、図4の中部で示されるように、側面部にスリットが設けられていないパイプ31’の場合、コイル32により図中の実線で示される磁界が発生されると、パイプ31’の表面に渦電流が発生し、図中の点線で示される反磁界が発生される。このため、遊技球P1の発射孔31b’方向への吸引力が低下し、飛距離が低下してしまう。
そこで、側面部にスリット31dを設けるようにすることで、図4の下部で示されるように、反磁界が発生しない構造となるため、コイル32により磁界が発生される際、遊技球P1の発射孔31b方向への吸引力の低減を防止することが可能となる。
次に、図5を参照して、駆動回路23の構成例について説明する。
駆動回路23は、出力部51、充電停止部52、および充電部53より構成されている。
出力部51は、充電部53のフライバックトランスFTを介して、内蔵するコンデンサC1に電力を充電し、コイル32に電力を供給する。また、充電停止部52は、フライバックトランスFTの充電状態を監視し、充電が完了した時点で、充電部53による充電を停止させる。
出力部51は、コイルL1、ダイオードD1、ツェナーダイオードZD1、抵抗R1,R2、コンデンサC1、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)からなるトランジスタQ1、およびフォトトランジスタからなるトランジスタQ2、並びに、フライバックトランスFTの2次側コイルLsより構成される。
コイルL1は、コイル32を構成するものであり、一方の短部がダイオードD1のカソード、抵抗R1の一方の端部、コンデンサC1の一方の端部、およびダイオードD21のカソードに接続され、他方の端部がダイオードD1のアノード、およびトランジスタQ1のコレクタに接続されている。
ダイオードD1は、カソードがコイルL1の一方の端部、抵抗R1の一方の端部、コンデンサC1の一方の端部、およびダイオードD21のカソードに接続され、アノードがコイルL1の他方の端部、およびトランジスタQ1のコレクタに接続されている。
抵抗R1は、一方の端部がコイルL1の一方の端部、ダイオードD1のカソード、コンデンサC1の一方の端部、およびダイオードD21のカソードに接続されており、他方の端部がトランジスタQ2のコレクタに接続されている。
コンデンサC1は、一方の端部がコイルL1の一方の端部、ダイオードD1のカソード、抵抗R1の一方の端部、およびダイオードD21のカソードに接続されており、他方の端部が2次側コイルLsの他方の端部、抵抗R2の他方の端部、ツェナーダイオードZD1の他方の端部、およびトランジスタQ1のドレインに接続されている。
トランジスタQ2は、図示せぬフォトダイオードにより受光されるとベースに電流が流れて、抵抗R1の他方の端部に接続されたコレクタより、抵抗R2の一方の端部、ツェナーダイオードZD1のカソード、およびトランジスタQ1のゲートに接続されたエミッタに電流が流れる。
抵抗R2は、一方の端部がトランジスタQ2のエミッタ、ツェナーダイオードZD1のカソード、およびトランジスタQ1のゲートに接続され、他方の端部が2次側コイルLsの他方の端部、コンデンサC1の他方の端部、ツェナーダイオードZD1のアノード、およびトランジスタQ1のドレインに接続されている。
ツェナーダイオードZD1のカソードは、トランジスタQ1のゲート、トランジスタQ2のエミッタ、および抵抗R2の一方の端部に接続されており、アノードは、フライバックトランスFTの2次側コイルLsの他方の端部、コンデンサC1の他方の端部、抵抗R2の他方の端部、およびトランジスタQ1のエミッタに接続されている。
充電停止部52は、比較部Comp1、強制接地部61、抵抗R11,R12、PNP型のトランジスタQ11、およびダイオードD11から構成されている。
比較部Comp1の正端子は、トランジスタQ11のコレクタおよび抵抗R12の一方の端部に接続され、負端子は参照電位REF1に接続されており、反転出力端子は、強制接地部61に接続されている。比較部Comp1は、正端子の入力電圧と負端子の参照電圧REF1とを比較し、正端子の入力電圧の方が高い場合、反転出力端子より負の(Lowの)信号を出力し、それ以外の場合、正の(Hiの)信号を出力する。
強制接地部61は、比較部Comp1の反転出力端子より負信号が入力されると、ラッチ部の出力端子Qからの出力信号を強制的に、所定時間だけ接地し、充電部53のトランジスタQ21を強制的にOFFの状態に制御する。
抵抗R11の一方の端部は、トランジスタQ11のエミッタに接続され、他方の端部は、充電部53のフライバックトランスFTの1次側コイルLpの他方の端部、トランジスタQ21のソース、および抵抗R31の他方の端部に接続されている。
トランジスタQ11のベースは、ダイオードD11のカソードに接続され、エミッタは、抵抗R11の一方の端部に接続され、コレクタは、比較部Comp1の正端子、および抵抗R12の一方の端部に接続されている。
抵抗R12の一方の端部は、比較部Comp1の正端子、およびトランジスタQ12のコレクタに接続され、他方の端部は接地されている。
ダイオードD11のカソードは、トランジスタQ11のベースに接続され、アノードは、フライバックトランスFTの1次側コイルLpの一方の端部に接続されている。
充電部53は、ダイオードD21、フライバックトランスFT、N型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)からなるトランジスタQ21、ラッチ部71、充電制限部72、および充電開始部73より構成されている。
ダイオードD21のカソードは、コンデンサC1の一方の端部、抵抗R1の一方の端部、ダイオードD1のカソード、およびコイルL1の一方の端部に接続されており、アノードは、フライバックトランスFTの2次側コイルの一方の端部に接続されている。
フライバックトランスFTの2次側コイルLsの一方の端部は、ダイオードD21のアノードに接続され、他方の端部が、コンデンサC1の他方の端部、抵抗R2の他方の端部、ツェナーダイオードZD1のアノード、およびトランジスタQ1のエミッタに接続されている。
フライバックトランスFTの1次側コイルLpの一方の端部は、充電停止部52のダイオードD11のアノードに接続され、他方の端部は、抵抗R11の他方の端部、充電制限部72のトランジスタQ21のソース、および充電開始部73の抵抗R31の他方の端部に接続されている。
フライバックトランスFTの1次側コイルLpと2次側コイルLsとは、コイルの巻き方向が逆方向となっているため、1次側コイルLpに流れる電流Ipの方向と2次側コイルLsに流れる電流Isの方向が逆方向となる。
トランジスタQ21のソースは、フライバックトランスFTの1次側コイルLpの他方の端部、充電停止部52の抵抗R11の他方の端部、充電開始部73の抵抗R31の他方の端部に接続され、ドレインは、充電制限部72の比較部Comp2の正端子、および抵抗R21の一方の端部に接続され、ゲートは、ラッチ部71の出力端子Q、および充電停止部52の強制接地部61に接続されている。
ラッチ部71のセット端子Sは、充電開始部73の比較部Comp12の出力端子に接続されており、リセット端子Rは、充電制限部72の比較部Comp11の出力端子に接続されており、出力端子Qは、強制接地部61、およびトランジスタQ21のゲートに接続されている。ラッチ部71は、リセット端子Rに正の(Hiの)信号が入力されると、出力端子Qより負の(Lowの)信号を出力し、セット端子Sに正の(Hiの)信号が入力されると、出力端子Qより正の(Hiの)信号を出力する。
充電制限部72の抵抗R21の一方の端部は、トランジスタQ21のドレイン、および比較部Comp11の正端子に接続され、他方の端部は接地されている。
比較部Comp11の正端子は、トランジスタQ21のドレイン、および抵抗R21の一方の端部に接続され、負端子は、参照電位REF2に接続されている。比較部Comp11は、正端子の入力電圧と負端子の参照電圧REF2とを比較し、正端子の入力電圧の方が高い場合、出力端子より正の(Hiの)信号を出力し、それ以外の場合、負の(Lowの)信号を出力する。
充電開始部73の抵抗R31の一方の端部は、比較部Comp12の正端子に接続され、他方の端部は、フライバックトランスFTの1次側コイルLpの他方の端部、充電停止部52の抵抗R11の他方の端部、およびトランジスタQ21のソースに接続されている。
比較部Comp12の正端子は、抵抗R31の一方の端部に接続され、負端子は、参照電位REF3に接続されている。比較部Comp12は、正端子の入力電圧と負端子の参照電圧REF3とを比較し、正端子の入力電圧の方が高い場合、出力端子より正の(Hiの)信号を出力し、それ以外の場合、負の(Lowの)信号を出力する。
次に、充電停止部52、および充電部53による充電処理について説明する。
フライバックトランスFTは、充電の開始において、トランジスタQ21がONとされることにより、1次側コイルLpに電流が流れる。このとき、1次側コイルLpに流れる電流は、(Vtrance−Vds(on))/Lpのレートで比例的に増加する。ここで、Vtransは、1次側コイルLpの両端の印加電圧であり、Vds(on)は内部抵抗であり、Lpは、1次側コイルLpのインダクタンスを示す。2次側コイルLsには、−N・(Vtrance−Vds(on))の入力電圧が印加され、この印加電圧によりダイオードD21が逆バイアスされることにより、2次側コイルLsに電流が流れない状態となり、フライバックトランスFTの中にエネルギーが蓄積される。ここで、Nは1次側コイルLpに対する2次側コイルLsの巻き数比を示す。
充電制限部72の比較部Comp11は、負端子に入力される参照電位REF2で設定された電流制限値まで、正端子に入力される1次側コイルLpに電流が増加すると、ラッチ部71にHiのリセット信号を出力する。この動作により、ラッチ部71の出力端子QはLowの信号を出力するので、トランジスタQ21がOFFにされる。
次に、2次側コイルLsは、フライバックトランスFTのコアに蓄積されたエネルギーを、ダイオードD2を順方向にバイアスすることで、コンデンサC1への電流として移動させる。
2次側コイルLsのすべての電流が出力コンデンサC1に移動すると、1次側コイルLpの両端に(Vout+Vdiode)/Nが発生する。エネルギーを持たないフライバックトランスFTは直流電圧を保持できないため、1次側コイルLpの両端の電圧はゼロになる。トランジスタQ21のドレインは最終的に、Vtrance+(Vout+Vdiod)/NからVtranceに移行する。抵抗R31に反映されるドレイン電圧が規定のVtrance電圧に下がると、比較部Comp12は、出力端子よりHiの信号をラッチ部71のセット端子に供給する。この処理により、トランジスタQ21が再びONの状態とされ、再び充電が開始する。
このように、1次側コイルLpの電流制限値が監視されながら、ラッチ部71によりトランジスタQ21がONまたはOFFされることにより、フライバックトランスFTを介して、コンデンサC1が充電されていく。
ところで、2次側コイルLsは、フライバックトランスFTのコアに蓄積されたエネルギーを、ダイオードD2を順方向にバイアスすることで、コンデンサC1への電流として移動させるが、このとき出力電圧が1次側コイルLpに逆反射される。そこで、充電停止部52の抵抗R12は、その反射された電圧を検出し、比較部Comp1の正端子に出力する。比較部Comp1は、反射された電圧を、参照電位REF1と比較する。コンデンサC1の充電電圧の上昇に伴って、2次側コイルLsの印加電圧が目標電圧に達することにより、比較部Comp1は、反射された電圧が、参照電位REF1より高くなると、正反転出力端子より強制接地部61に対してLowの信号を出力する。強制接地部61は、このLowの信号に基づいて、所定時間だけ、ラッチ部71の出力端子Qの電位を強制的に接地電位に設定する。この動作により、トランジスタQ21のゲートが所定時間だけLowとなるため、トランジスタQ21がOFFの状態となり、1次側コイルLpへの電力供給が遮断され、コンデンサC1への充電が停止される。
尚、比較部Comp1は、反射された電圧が、参照電位REF1より高くならず、目標電圧に達しない場合、それまでの動作、すなわち、1次側コイルLpの電流制限値を監視しながら、ラッチ部71によりトランジスタQ21をONまたはOFFさせて、フライバックトランスFTを介して、コンデンサC1を徐々に充電する動作が、2次側コイルLsの充電電圧が目標電圧に達するまで繰り返される。
次に、図5,図6を参照して、コイルL1(コイル32)の駆動方法について説明する。
コンデンサC1は、上述した動作により繰り返し充電される。コイルL1は、このコンデンサC1に充電された電力を利用して駆動される。より具体的には、図示せぬ発光装置により遊技球の発射タイミングが供給されると、光が発光されるタイミングにおいて、フォトトランジスタであるトランジスタQ2は、ONの状態とされる。このため、トランジスタQ1のゲートに電流が流れるので、トランジスタQ1がONとされる。このとき、コンデンサC1に充電された電力が放電されて、コイルL1に電流が流れることによりコイルL1が駆動する。尚、この発光装置は、操作ハンドルHの回転操作に対応して所定の間隔で光を発し、発した光をフォトトランジスタであるトランジスタQ2に照射する。
ところで、コイルL1が遊技球に対して必要とされるエネルギーは、コイルL1のサイズによるインダクタンスL1と、抵抗R1,R2により制約される。すなわち、コンデンサC1の充電電圧を小さくすると、充電容量C1を大きくする必要が生じるが、充放電に時間がかかるため、連続的に遊技球を発射し続けることが難しくなる。そこで、充電容量C1を大きくせず、充電電圧を高めに設定できるように、コンデンサC1の静電容量C1、コイルL1のインダクタンスL1、および、抵抗R1,R2を調整することにより遊技球を安定的に、連続して発射できるものとしている。
より詳細には、図6の右側の曲線K2で示されるように、充電電圧を低くして、コンデンサC1の静電容量C1を大きくすると、コンデンサC1に蓄積されるエネルギーは大きなものとなるが、停止部33によりコイル32の下方端部(パイプ31の下方端部)で固定された遊技球P1に対しては、矢印で示される発射方向に対して、遊技球P1がコイル32で囲まれたパイプ31の上方端部の発射孔31bを通過するまでのタイミングにおいて、コンデンサC1に充電された電荷を十分に開放することができず、駆動電流を十分な大きさで流すことができない。このため、コンデンサC1に充電されたエネルギーを効率よく遊技球P1に伝達することができない。尚、図6において、右側は縦軸が時刻に対応したコイル32内における遊技球P1の移動位置を示し、横軸がコイル32(コイルL1)の駆動電流の大きさを示している。
そこで、コンデンサC1の静電容量C1、コイルL1のインダクタンスL1、および、抵抗R1,R2を調整し、充電電圧を高くして、静電容量を小さくすることにより、図6の右側の曲線K1で示されるように、遊技球P1がコイル32で囲まれたパイプ31内における略中央部付近に到達するまでの時刻t1までの短時間にコンデンサC1に充電されたエネルギーを大電流として放出すると共に、図6の左側で示されるように、コイルL1に電流が流れている状態における磁界の強度分布がコイル32の略中央部で最大強度となるように設定することで、遊技球P1は、電流が流れ始めるタイミングから磁界強度が最大となる時刻t1までのタイミングで磁界の影響により、図中の矢印方向に吸引されるように加速され、それ以降のタイミングにおいては、電流がカットされることにより、発射方向と逆向きの力を受けずに済むので、最高速度に加速された状態における慣性により、発射孔31bより発射される。このため、遊技球P1には、コンデンサC1に充電されたエネルギーが高い効率で伝達されるので、安定した飛距離で、かつ、連続的に発射することが可能となる。尚、図6の左側においては、縦軸がコイル32内の位置を示し、横軸がコイル32内における磁界の強度分布を示している。
尚、このトランジスタQ1に用いられるIGBTには、例えば、使い捨てカメラなどのストロボ発光装置で利用されているものなどを使用することができる。このため、汎用品で代用できることからコストを低減することが可能となる。また、フライバックトランスにより出力部51と、充電停止部52および充電部53とがそれぞれ独立した回路として構成されるため、出力部51により発生するサージなどの影響を、遊技機1の制御機構を含む充電停止部52および充電部53に与えずに済むため、遊技機1を安定的に動作させることが可能となる。
次に、図7のフローチャートを参照して、球詰まり監視処理について説明する。
ステップS1において、球詰まり検出部21は、パイプ31の投入孔31aを撮像する。
ステップS2において、球詰まり検出部21は、撮像した画像内に遊技球が撮像されているか否かを判定することにより、遊技球が球詰まりしているか否かを判定する。すなわち、投入孔31aに投入された遊技球は、球詰まりがない場合、下方端部に転がり落ちるため、投入孔31aから遊技球が見える状態とはならない。これに対して、球詰まりが生じた場合、パイプ31内に遊技球が順次貯留される状態となるため、所定数を超える状態となると、投入孔31aから遊技球が観察できる状態となる。
ステップS2において、例えば、遊技球が球詰まりしていると判定された場合、球詰まり検出部21は、球詰まりが生じていることを示す信号を制御部22に出力する。制御部22は、この信号に応じて、操作レバー37を図3における矢印C2方向に動作させることにより、停止部33の当接面33aが、矢印B2で示される上方に回動することにより、パイプ31の排出孔31cが開放されて、遊技球が排出孔31cより順次下皿14に排出される。そして、球詰まりをしていた遊技球が排出されると、制御部22は、操作レバー37を矢印C1方向に動作させることにより、停止部33を矢印B1方向に回動させることにより、再び当接面33aが排出孔31cの一部を閉塞する。
一方、ステップS2において、球詰まりが検出されない場合、ステップS3の処理はスキップされて、処理は、ステップS1に戻る。
以上の処理により、遊技球が、パイプ31の投入孔31aに順次投入されると、そのタイミングでコイル32により遊技球が発射孔31bより順次発射され、仮に、球詰まりが生じても、速やかに排出された後、再び遊技球を発射することが可能となるので、安定的に、連続して遊技球を発射することが可能となる。
以上のことから、図1の遊技球発射装置11は、安定した飛距離で、かつ、連続的に遊技球を発射することが可能となる。
また、図8で示されるように、投入孔103より投入されて、ガイドL11に沿って矢印A51方向に投入された遊技球P51を停止部101で停止した後、発射ソレノイド102の凸部102aを駆動させて、遊技球P51を矢印A52方向に、遊技球P51’で示されるように発射する構造の直進ソレノイド型の遊技球発射装置に比べて、図9で示されるように、ガイドL11、および発射ソレノイド102のような大型の構造物を必要としないので、装置全体を小型化することが可能となる。
さらに、図10で示されるように、投入孔123より投入されて、ガイドL21に沿って矢印A61方向に投入された遊技球P61を停止部122で停止した後、ロータリー式ソレノイド発射レバー121の凸部121aを矢印A72方向からA71方向に駆動させて、遊技球P61を矢印A62方向に、遊技球P61’で示されるように発射する構造のロータリソレノイド型の遊技球発射装置に比べて、図11で示されるように、ガイドL21、およびロータリー式ソレノイド発射レバー121のような大型の構造物を必要としないので、装置全体を小型化することが可能となる。
最近の遊技機においては、盤面全体を液晶パネルにより全体を表示部にしたいとする要望が大きいため、遊技球発射装置を小型化することにより、表示部のサイズを大きくすることが可能となる。
以上の如く、本発明の遊技球発射装置によれば、遊技球を安定した飛距離で、かつ、連続的に発射することが可能となる。また、コイルにより発生される磁界により遊技球が発射される構造であるため、直進ソレノイド装置、ロータリー式ソレノイド装置、またはガイド設備などの付随設備を必要としないため、装置全体を小型化することが可能となる。
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。