JP2010004872A - 反芻動物用の全粒飼料を取得する方法 - Google Patents

反芻動物用の全粒飼料を取得する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反芻動物用の全粒飼料を取得する。
【解決手段】選択されたシリアルを粉砕する第2の工程、および前記粉砕されたシリアルを、3〜7分間、均質な塊が得られるまで、無機物とペレットと繊維とに混合する第3の工程を有する。当該方法(手順)には、脂肪成分を加える第4の工程、およびタンパク質源を加える第6の工程も含まれる。また、当該方法(手順)は、得られたピースを熱気で乾燥させる第8の工程、および非タンパク質窒素源およびアミノ酸を追加する液状被覆を加える第9の工程も有する。当該方法(手順)の最終工程は、抗生物質および無機物を含んだ固形被覆を加える第10の工程、および温度範囲が室温を5℃を超えて上回らず残留湿度が11%を超えない完成品を得るため、冷気を吹付けて前記全粒飼料ピースを冷却する第11の工程から成る。
【選択図】なし

Description

本発明は、反芻動物用の全粒飼料を取得する方法に関する。
本発明の理解を助けてその実施を容易に行えるよう、以下、本開示では好適な製造方法について正確に記述し、また例示的な図面を参照している。本明細書の内容は、すべて、排他的に例示的でかつ非限定的な本発明の実施例を構成しており、その構成要素は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の均等物(等価物)の中から選択可能である。
先行技術では、バランスの取れた反芻動物用飼料を得るため開発された種々の方法(手順)を見ることができる。その例としては、「離乳前の子牛用試料の増強剤および強化剤、ならびにその使用方法(FEED FORTIFIER AND ENHANCER FOR PRERUMINANT CALVES AND METHOD OF USING SAME)」に関する米国特許第6,156,333号を挙げることができ、その配合には、50〜75%のタンパク質と、10〜50%の動物血漿と、多数の無機成分から選択されたCo、Cu、Iなどの2,5〜10%の微量栄養素と、ナイアシン、d−パントテン酸、リボフラビンなどの有機成分とが含まれている。
また前記配合は、Na、Mg、K、Ca、およびその組み合わせからなる塩群から選択される2.5%未満の電解質と、ビタミンとも有する。
前記配合には、2%未満のアリシンと、2%のフラクトオリゴ糖と、coagulans、licheniformis、subulis、bifidobacterium bifidum、lactobacillus、acidofilus、casei、乳製品、streptococcus diacetylactis、およびそれらの混合物とからなる群から選択される約1%の微生物とが含まれる。
上記に引用した文書は米国特許第5,795,990号を拡張したもので、当該特許には上記の配合およびその製造方法が含まれており、前記製造方法は、配合物を溶解するため一定の比率の水を加える工程を有する。
米国特許第5,372,811号では、乾燥させたタンパク質血漿およびアミラーゼを「同時噴霧」(co−spray)したものを含む動物用栄養補助飼料を開示している。
一方、特許第4,919,935号は、枯草菌の担体C−3102、すなわち工業技術院醗酵研究所(現在は「独立行政法人産業技術総合研究所」に統合されている)において生成された有機体を加えた栄養補助飼料から成る。
上記の特許を単に参照した場合、これらの組成が本発明の対象(主題)と干渉しないことは容易に理解され、さらに上記の特許では、複雑で高価な配合(製剤)を定義している。
また、我が国(アルゼンチン)では、家畜用にバランスの取れた押出成形(固形)飼料が入手できる。
そのような例がアルゼンチン特許第244,954号で、これは、消化率の高いタンパク質、ビタミン、および無機成分から構成される「バランスの取れた動物飼料」(Balanced food for animals)を開示している。その配合には、加水分解した羽毛、魚発酵飼料、および野菜などの成分が含まれる。
他方、アルゼンチン特許第240,863号は、放牧段階の反芻動物に使用される「反芻動物用の飼料無機混合物」(Food mineral mixture for ruminants)から成る。この特許では、マクロ(巨視的)成分およびマイクロ(微視的)成分を含む配合を開示しており、より少ない牧草飼料でより家畜の体重増加を高めるという観点から生産性を最大限に高める畜産効率を目的としている。その飼料は、粉砕した無機成分を特定の比率で加えたものから構成されている。
先行技術に見られる配合のほぼすべては、家庭または農業用地で動物を飼養し、当該動物の体重増加の改善を試行することを目的としている。
なお、離乳前の動物のための配合では、動物の成長を加速するため、有機または無機の化学成分または代用乳を加えることを目的としている。
ただし、上記の配合は、栄養素の消化および同化に関与する器官の自然な成長を考慮したものではなく、当該動物に対し、損傷を与え、疾病率を高めることが非常に多く、寿命を縮める原因となったケースもいくつか見られた。
動物用全粒飼料は、その定義として、これらの動物に必要な飼料の物理化学的特性をすべて含む。
これまで行われた研究から、牛(ウシ亜科の動物)は、その消化器官内の微生物の代謝を直接制御できないことと、胃腸内発酵過程に影響を及ぼす重要な生理学的要因が存在することとがわかっている。
反芻動物が確実に十分な発酵パターンを有するようにするには、大半の有益な細菌および他の微生物について成長および好適な代謝パターンを促進する条件を保ち、飼料について次の要件を満たさなければならないことが明らかにされている。
1.発酵のための基質を与える。
2.温度を37℃付近に保つ。
3.反芻動物の液体(体液)浸透圧(イオン電荷)を300mosm付近の良好な範囲内にしなければならない。
4.酸化−還元の負電位を−250〜−450mV範囲に保つ。
5.消化できないごみ(固形物)を排除する。
6.微生物の消化リズムを、最も好適な再生時間に適合させなければならない。
7.嫌気性発酵からの酸性生成物(揮発性脂肪酸)を軟化させる。
基質の寄与は、摂食行為の結果であり、温度やイオン電荷など他の要因は、有機体においてこれらの生理学的条件を保つ恒常性維持機構により満たされ、適切な酸化還元(酸化−還元)電位をもたらすには、単に発酵場所から酸素を離脱させればよい。
残りの要件については、前胃段階に伴う特殊な生理学的機能を開発(改善)する必要がある。そのうち、第2胃(別称「蜂巣胃」および「網胃」)の特徴は、その運動パターン揮発性脂肪酸の直接吸収、および唾液の大量生成などと考えられる。
第1胃(別称「瘤胃」および「ルーメン」)における発酵は、能動的に発酵可能な物質を選択的に停滞させる一方、発酵不能なごみを第4胃(別称「皺胃」)へ通過させることにより特徴付けられる。
上記の目的上、第2胃の壁は筋肉質で幅広の神経系が内在し、第2胃運動パターンなどの非常に複雑な運動パターンを生み調整することができ、このような運動は、一次収縮または混合収縮(mix contractions)と、二次収縮またはゲップ収縮(eructation contractions)とからなる。
一般に、第2胃の収縮は1分あたり1〜3回のリズムで起こり、摂食中は頻度が増し、深い睡眠の段階では完全に消失する。そのリズムおよび強度は飼料の種類に応じて異なり、繊維性の飼料は、より頻度および強度を高めるよう刺激する。
二次収縮は、主な収縮の半分に伴う可能性があるが、この関係は、ガス(中でも二酸化炭素およびメタン)発生のリズムに応じて異なる。
第1胃に取り込まれたものは層状になり、重力の作用および第2胃の運動により分離される。高レベルの牧草飼料を含んだ飼料を摂食する牛(ウシ亜科の動物)は、第1胃内容について異なる帯域または相を示す。第1胃の頂部には、発酵により生じるガスが蓄積されたガス層(ガス帯)がある。
このガス帯の下には、絡み合い発酵した牧草飼料粒子から構成される固形物帯があり、これら牧草飼料粒子は、内部に閉じ込められた空気と、植物性物質に付着した細菌周囲で発酵により形成される細かい気泡との浮力により常時浮んでいる。
第1胃の底部には、水と同様な粘稠度の液状帯があり、この帯域は境界の曖昧なスラリー帯により前記頂部の固形物帯と分離されている。
これら4つの主要帯は重力により生じるが、これらに加え運動パターンにより生じるもう2つの機能的ゾーン、すなわち駆出域および漏出可能域があり、これらは、第2胃および前嚢の背側および腹側(上方および下方)の領域をそれぞれ構成する。
牧草飼料が摂取される際、初期の咀嚼では、第2胃に入る粒子が単に部分的に切断され、大きな牧草飼料の塊で形成された、咀嚼され絡み合った大きな玉(bolus)になるのみである。前記大玉は、その内部および飼料粒子間に空気が閉じ込められていることから1より小さい機能的な比重を有するため、前記駆出域内で第2胃の収縮が起こるまで浮揚する。前記収縮後、その収縮で生じる圧力により、前記大玉は第2胃を出て、背側嚢の固形物帯に入る。
この嚢では、細菌が牧草飼料粒子に付着して発酵を開始し、その間、当該粒子の比重を小さく保つ上で役立つ小さい気泡が形成される。摂取した飼料は、前記背側嚢の運動により混合され、その混合および発酵が起こっている間、前記粒子は、植物を構成する炭水化物が分解されるに伴い断片化し始める。
前記粒子が小さくなるに伴い、それに閉じ込められていた空気が逃げ出し、ガス形成リズムが緩慢になって機能的比重が高まる。
この過程で、粒子は、スラリー帯へ沈み分離して、発酵および小型化を続ける傾向がある。
腹側嚢(下方)では、運動パターンにより、まだ低い機能的比重を保っている摂食物がスラリー帯および腹側嚢循環塊の上で懸濁する傾向がある場合でも、取り込みの流れを第1胃の前筋柱へ向かって方向付ける。
特定の密度に達した摂食物は、傾向として、前嚢内の他の前筋柱の漏出可能域へと沈み、そこで当該嚢の収縮により第2胃へ向かって移動し、そこから第2胃・第3胃口を通じて第1胃を出ることができる。
消化過程の異なる点での粒子サイズを考慮すると、第1胃における粒子分離システムの効率を理解することができる。このように、牧草飼料の大部分は、初期の咀嚼で小さくなり、第1胃の背側(上方)では1〜2cm以下の粒子形態になる。牧草飼料は、より腹側の部分でさらに小さくなって2〜3mmの粒子サイズに達し、第2胃・第3胃口を通過する。
第1胃における飼料の粒子サイズは、微生物作用および再咀嚼の結果であるが、繊維の断片化速度は、その消化率の結果である。
消化率の低い繊維は、消化率の高い繊維と比べ、漏出可能域に達する上で十分な断片化に時間がかかる。これは、より長時間第1胃に留まることを示唆している。
第1胃の容積は限られているため、飼料の摂取量、ひいては消化率が低い飼料の摂取量は、非常に消化しやすい飼料と比べて必ず小さくなる。
この概念を考慮すると、消化率の低い飼料を粉砕し、また牧草飼料を切断したものが第1胃をより速く通過するたび、飼料の調製(方法)が上記の関係を左右すると言える。
したがって、多くの場合、第1胃の通過速度が増すことにより微生物作用を受ける時間が減少し消化率が減少した場合でも、切断または粉砕により第1胃の容量が高められ、動物が摂取できる物質の量を増加させることができる。
この理由から、物理的形態(長さ)および消化率は、別個に、第1胃の通過速度と、飼料摂取量とに影響を及ぼす。
反芻が行われると、逆流し口腔に達した大玉が、咀嚼開始前に舌および頬により締め付けられるため、反芻は粒子分離過程と協動できる。この作用により、水および小さな粒子が残りの大玉から除外され、小さな粒子と大きな粒子との間で実際に粒子分離過程が行われる。この過程において、小さな粒子は、再び嚥下されると漏出可能域に沈む傾向があり、大きな粒子はスラリー帯に戻る。
反芻は、動物が活発に摂食していない間(通常、休息中)に起こるが、深い睡眠中には起こらない。反芻に費やされる時間は、飼料の種類に応じて異なり、粒レベルの高い飼料の場合はほぼ変わらず、牧草レベルの高い飼料の場合は1日あたり最大10時間である。
第1胃の力学作用では、水の流れが重要な効果をもたらす。小さい粒子および可溶性物質が第1胃を出るには、腹側(下方)嚢と前(前部)嚢と第2胃との液状帯に含まれる液体が、絶えず第2胃・第3胃口を通過し動いていなければならない。これは、絶えず固形物の塊を通過する一定の水流が存在しなければならないことを意味している。実際、第2胃は巨大なフィルターとして作用し、粒子を含有した発酵中の塊を支持しながら、それに水を貫流させて、小さな粒子および可溶性物質を前記塊の外部に引き出している。第1胃に入る水は、ほぼすべて、唾液の流れ、飲んだ水、または汁気の多い飼料とともに食道を通過してくる。
水の摂取速度は、飼料および塩の摂取速度、または飼料に含まれた電解質に影響される。
前胃上皮を通じて第1胃に入る水は少量である。また、前記上皮は腺性であるが直接的な流体分泌はない。通常の第1胃浸透圧は約280mosm/kgで、それと比べ、血液および細胞外液の浸透圧は300mosm/kgである。そのため、通常の浸透流は第1胃から流出する。
小さな粒子は、微生物も含め、液相である間に第1胃を出る。その結果、高速な希釈が起こり微生物が高速に排除されて、微生物細胞濃度が減少する。同じように、微生物濃度が高いとその分裂が抑制され、水の通過速度が高い(希釈が速い)と微生物の成長が刺激される。栄養学の観点から見ると、比較的安定したより高齢の微生物集団の場合、利用可能なエネルギーの大部分は維持過程ではなく成長過程に使用されるため、成長リズムは高いことが望ましい。このように、希釈速度が高いと、細胞成長を保つため適切なタンパク質を利用できるという条件で、微生物の生産性が高まる傾向がある。.
希釈速度は、微生物の生産性に及ぼす作用とは別に、第1胃のバイオマスの微生物集団に影響を及ぼし、場合により、発酵パターンにも影響を及ぼす。
微生物の排出速度が希釈速度とともに増すと、後者が高かった場合、排出速度に複製速度が追いつかず、微生物の成長速度が低下してその集団サイズが縮小する。そのため、第1胃内で希釈速度が高い間は、選択的な圧力がかかって成長リズムの高い種が優勢になる。
例外もあるが、一般に、高速希釈により第1胃に変化が生じる場合は、酢酸の生成が高まり、後者とプロピオン酸との間の比率が高まる。これは、反芻動物の栄養学分野では、非常に望ましい効果である。
脳幹の迷走神経背側核には、第2胃の運動を調整する運動制御中枢がある。この中枢は、前胃へ向かって迷走神経により求心性線維全体にわたり活動電位を印加する。第2胃には、広範囲にわたり固有の神経系が存在するが、通常の運動パターンを調整するには迷走神経支配が必要である。
迷走神経背側核は、前胃の運動制御に作用する刺激を受け取る。これらの信号は、第2胃の拡張/膨張、摂取物の粘稠度、pH、揮発性脂肪酸の濃度、およびイオン電荷から来るものである。第1胃の容積制御または拡張は、第1胃の壁(大部分、筋柱内)に存在する拡張受容体により行われる。中程度の拡張は、第1胃運動および反芻運動を高め、ひいては粒子の断片化速度を高め、通過速度を高める。そのため、大量の摂取により第1胃容積が拡張すると、第1胃容量が増加する。
摂取物の粘稠度も、第1胃の運動に重要な影響をもたらす。例えば、細かく切ったものを動物が摂食すると、固形物帯の量は少なくなり、スラリー帯は流体的な粘稠度を呈する。この種の摂取物は、第1胃の筋柱運動にほとんど抵抗を示さないため、当該筋柱は、比較的少ない力で第1胃の内容物を混合し循環させることができる。第2胃筋肉の張力受容体は、摂取間で筋柱を動かすために必要な力を制御すると考えられる。第1胃内の摂取物が高度に液状であると筋肉張力が低下するため、第2胃運動への弊害が示唆される。
第1胃および第2胃の壁には、pHと、揮発性脂肪酸の濃度と、イオン電荷(または浸透圧)とを制御する化学受容体が存在し、拡張について上述したものと同様な調整機構を制御している。これらは、すべて、第2胃の完璧なバランスを保証するためのものである。
本明細書の目的は、本明細書で提案する全粒飼料の物理特性、すなわちその密度、浮揚時間、形態、および原料の積層化により栄養方程式を最適化するようにし、反芻動物飼料に大量に含まれることの多い繊維を省きつつ、反芻行為における繊維の役割を模倣することである。
その結果、過剰に摂取したかのように動物の体に反応させることを可能にする飼料の物理構造をもたらすよう、繊維成分が排除される。
この排除により、エネルギー密度が高まり、タンパク質、無機物、ビタミンなどに対するニーズに対応する栄養補助飼料を加えることが可能になる。
これにより、第1胃が損傷または障害を被ることなくより効率的に作用するよう、第1胃を調節することが可能になる。これは、変換効率、すなわち飼料摂取量(kg単位)と、生産された肉(kg単位)または乳(リットル単位)との比を測定することにより確認できる。
本明細書で提唱する飼料は、消化率が高いため動物の消化器系がより効率的に作用し、排泄物も明らかに減少する。
従来の飼料と比較すると、環境を汚染する固形排泄物およびガスの生成量は、約半分未満となる。
本明細書で開示する結果を取得するため、飼料の密度、浮揚時間、およびサイズが調整された。
飼料の密度を調整すると、飼料の消費量を変化させることができる。実際、本願発明者は、第1胃の物理的な充填度を調べる受容体を伴った神経末端が第1胃の筋柱に存在することを知っている。
本開示の飼料は、低密度であるため第1胃内で浮揚し、これにより現時点で既知の量より少ない摂取量で満杯であると前記受容体に認識させ、当該動物は1日あたりより頻繁に餌箱に通うようになる。
飼料の低密度化によるこの摂取分割で、第1胃は1日あたりの摂取(充填)回数が増え、より安定して効率的に作用する。
考慮すべき第2のパラメータは、摂取頻度を定義するだけでなく細菌の成長も左右する浮揚時間である。
実際、本願発明者は、飼料が第1胃の底部に沈むか上部に浮揚するかに応じて、飼料により送達されるエネルギー量が変化することを明らかにした。これは、細菌の攻撃(作用)が固形物帯およびスラリー帯でより大きいため、従来の飼料より浮揚率が高い本飼料では、飼料発酵率が高まりエネルギーの活用度も増すことによる。
考慮すべき第3のパラメータは、全粒飼料のサイズであり、これは第1胃での細菌発酵率が攻撃表面積の減少とともに減少するためである。この理由から、本開示の全粒飼料は、第1胃が繊維性飼料と認識して固形物帯に配置する特定サイズの円柱体から構成される。サイズが小さいほど露出する表面積が増え、細菌からの攻撃も増し、繊維として第1胃に滞留する時間が減る。
その結果、細かく粉砕した粒子により繊維を模倣する概念が生まれ、その場合、当該粒子が膨張し好都合なサイズの円筒形になると、第1胃の固形物帯に留まり、第1胃が確実に運動するようにし、したがって動物の健康も保証する。
また、膨張により消化率を向上させ、繊維立体構造の効果を模倣することにより、処理、移動、および摂取される飼料量を削減でき、メタンガスが環境に及ぼす影響と、虫が湧くため十分大きい注目を集めている排泄物の蓄積とを軽減することができる。
どのような変化とも同様に、適応段階が必要であり、これは牧草地で摂食してきた動物の第1胃内の細菌叢が、本開示で提案する全粒飼料を摂取し、より少量の飼料で1キロの肉または1リットルの乳を産出するよう(飼料から産出量への)変換率を最大限に伸ばせるようになるまでの時間である。
本発明の全粒飼料の最も重要な利点の1つは、この移行段階中に牧草飼料を与える必要はないこと、すなわち第1胃内の細菌叢の変化は、それまで牧草地で動物が摂食していた飼料に関係なく、全粒飼料の物理的パラメータの操作により起こることに関係している。
これにより、動物は、肥育飼料を化学的に消費することにより、十分な第1胃細菌叢を選択するが、より優れた繊維摂取物の物理的パラメータ、すなわち肥育化学特性と繊維性飼料の物理特性とを有する飼料を与えられるため、第1胃の動力学作用が緩慢になり、肥育段階に最適な微生物を選択することになる。
これにより、動物は、牧草地で繊維レベルの高い飼料を摂食した場合と同様の挙動を確実に示す。
繊維の割合が高い飼料の物理的パラメータを排除することにより、低密度の全粒飼料と、(大豆の殻、綿、ヒマワリなどを配合により多く含めることにより得られる)長い浮揚時間と、低い攻撃表面積とを、肥育飼料と化学的に同様な配合で与えて、セルロース分解性細菌叢からアミノ分解性細菌叢への変化に推奨される適応時間を最小限に短縮することができる。
前記適応段階の後は、肥育段階となり、消化器系を安定させて摂食のたび第1胃を真の発酵樽と見なせるよう飼料を常に同じものにすることにより、エネルギー吸収が最大化される。
本飼料は物理化学的特性について均一であるため、第1胃は、常に、同じ比率で配合された同じ成分に対し、同じ力学作用で機能することになる。
上記に厳密に基づいた変換が、この段階で実現される。
従来の飼料を動物に与える場合、大きな影響を及ぼす問題は、雨天時の飼料の管理である。そのような場合、全粒飼料では、肥育配合について化学的に変更せず物理的パラメータだけを変更でき、細菌叢のアシドーシス発現を避けるため飼料サイズを変更して当該配合を保ち、また細菌攻撃を軽減するよう飼料サイズを拡大し露出表面積を低減することができる。
別の可能性は、全粒飼料の浮揚性を高めて、固形物帯およびスラリー帯により長時間滞留するようにし、上記の神経末端の作用により、動物の摂取頻度を低下させることである。
また、本願発明者は、産乳に割り当てられた動物について酪農場で得られた結果も研究した。
この場合、牧草の欠乏を考慮すると、飼料は、乳牛のカテゴリーに応じ、初産牛と、経産牛とを区別して適合・調整しなければならない。
次に、前記2つのカテゴリーの乳牛を、それぞれフレッシュ牛(分娩から28日以内のもの)と、妊娠しておらず産乳量の多い搾乳牛と、妊娠牛と、乾乳牛とに分離しなければならない。
全カテゴリーで、要件が類似し能力条件が同じ動物同士をグループ(群)に分けると、各々の生産量が最大化する傾向がある。
これは、動物を放牧する場合には非常に複雑な作業となるが、異なるペン(房)に動物を割り当て、群ごとに対応する飼料を与える場合は、はるかに単純化される。
乾乳牛とは、分娩前60日以内の動物をいい、移行期牛とは、分娩前21日以内の動物をいう。
育成牛とは、初産前の雌牛で、乳牛として育成中の生後60日から分娩能力が備わった年齢までのものをいう。
牛の飼料で最も大きな体積を占める牧草を排除すると、給餌がより容易になり、産乳重視のシステムにおける他の不都合もいくつか軽減される。それら不都合の例としては、牧草飼料が占める保管場所が指摘され、これに関連して収穫および保存のための多額の投資と、牧草を飼料に含めるための労力および時間とも必要になる。
特筆すべき点として、本開示で提案する全粒飼料を標準的なTMR(mixer or total mixed rationの略称、粗飼料と濃厚飼料を配合した混合飼料)と比較した場合、本発明の最も重要な利点は、この新しい概念が、密度、浮揚時間、および細菌攻撃の表面積を扱うものであり、これまで知られている栄養方程式を修正し、他の繊維源で置き換えた場合には牧草量をゼロに減らすることができ、より大きな細菌攻撃表面積をもたらすということである。
TMRと異なり、全粒飼料の場合は、専門要員が配属された完全な自動飼料施設を構築することができる。
このようにすると、コストおよび過失を最小限に抑え、生産を制御し、飼料分配を単純化して、養鶏システムと等価なものを構築開始することができる。
本開示の全粒飼料は、牧草を無視することにより、気候や季節など制御不能な条件に左右される自然飼料、牧草(原料)の変動性管理を回避できるという大きな利点を有する。
したがって、単純な技術で制御できる物理現象(特性)で飼料を管理することにより、肉および乳の生産を前記条件と無関係に行えるようになる。
本明細書で提案する全粒飼料とペレット化した一般的な配合飼料とを比較すると、本発明は膨張飼料であり、すなわちデンプン分子を細菌に露出する目的で細胞溶解が起こる過程を経るものであると見なせる。
本発明の完成品は、やや海綿状(多孔質)で、細菌攻撃を受けるペレット表面積が拡大されており、前記攻撃と、細菌の一部の活用とを加速する。
当該全粒飼料は押出成形することで確実に消化率を高め、これにより生産性を高め、環境汚染も劇的に軽減する。
指摘すべきもう1つの非常に重要な相違点は、ペレット化処理は、製品密度を高めて運搬コストを抑えるよう使用が開始されたものであるが、デンプンを膠化させ消化を助ける上では望ましくない。一部のケースで消費量を増加させ、また粉じん量が少ないため呼吸障害を軽減するだけである。
本開示で提案する全粒飼料は、生産システムおよび動物のカテゴリー(必要なエネルギー)に応じて適切な飼料密度が異なる場合でも、低密度で作用すると考えられる。密度が高いほど、生産性も高まる。
先行技術では、動物飼料の調製に使用される膨張機および押し出し成形機の双方に、シリアルおよびペレットの塊を圧縮するネジが使用されており、それと同時に炭水化物を膠化させタンパク質を不溶化して、生のシリアル状態から物理化学的パターンを変化させるよう水および蒸気が加えられる。
また、炭水化物およびタンパク質の何らかの反応によりその複合体が不溶化して、栄養学的に望ましくない効果が生じてしまう。
これら望ましくない効果を回避するため、本願発明者は、前記押し出し成形機を改造して反芻動物向け全粒飼料の生産に利用でき、また生産システムに適合できるようにして、従来の押し出し成形に起因する栄養のバランスを修正し、炭水化物をより発酵しやすくし(第1胃での消化)、タンパク質をより不溶性にした(腸での消化)。
この押し出し成形機で反芻動物用の全粒飼料を得るには、穀物と、繊維源と、タンパク質源の一部とを入れ、その後、消化場所のバランスを取り飼料密度を高めるためより多くのタンパク質源を加える。
本明細書で提案する全粒飼料において、前記タンパク質源はペレットから構成され、前記繊維源は、ヒマワリの殻、大豆の殻、モヤシの粉砕ロールなどから構成される。
前記成分の積層化は、細菌攻撃に基づいて行わなければならないため、当該全粒飼料の層状構造が維持され、細菌が外側から内側(繊維、炭水化物、およびタンパク質の比率がより高い)へと攻撃を進め、第1胃が最も効率的に作用するよう膨張機を設計する必要がある。
また本願発明者は、表題にもあるとおり、反芻動物用の飼料について別の概念を修正した。
先行技術の飼料に加える化合物に関しては、本願発明者は、不都合な点を2つ明らかにすることができた。
その第1の不都合は、加えられる生菌製剤、抗生物質、および/またはビタミンの一部が、前記膨張機の通過時、適用される温度および圧力で分解され、非効率的になってしまった点である。この理由から、本開示の解決策では、前記段階の通過後に前記成分を加える。
第2の不都合は、一部の無機物が特定の細菌叢だけの成長に有利で他の細菌叢が犠牲になる点であり、このため本開示の解決策では、望ましい第1胃内細菌叢に基づいて特定の基質を選択する。これにより、一部の細菌コロニーが他より先に成長できるようにする層を形成するよう、積層順序を決定することもできる。
この概念は、先行技術における反芻動物の栄養学で使用されることが多く、先行技術の飼料では、無機ビタミン核の上から1若しくは複数の事前混合物を加える。
本発明の概念は、先行技術に見られるように無機物の核を使用するが、液状被覆層および固形被覆層を加えて異なる細菌コロニーの成長を調節することに基づいている。
前記液状被覆により、アルファ化(予備糊化)したデンプンと同程度に発酵性の製品の高速な第1胃発酵(ルーメン発酵)を中和するため必要な非タンパク質窒素源が加わる。さらに、前記非タンパク質窒素源が細菌発酵されると、タンパク質が生成可能である。
前記液状被覆により、アミノ酸、酵母、および細菌を加えることもできる。これらの各々を含めるかどうかは、動物のカテゴリーごとに必要なバランスに依存する。
固形被覆には、選択した細菌コロニーが成長および繁殖できるよう、当該細菌に必要な無機物基質に伴う抗生物質および無機物が含まれる。
前記固形被覆または液状被覆内における各製品、無機物、抗生物質、生菌製剤、酵母、アミノ酸、および非タンパク質窒素の位置は、常に、市場における製品の位置付けと、水性媒体中における安定性とに依存する。
全粒飼料が繊維と無関係であることから、繊維の生産が高価な場所、特に繊維を輸送し若しくはかんがい(灌漑)システムにより生産しなければならない地域において肉または乳の生産が可能になり、これによりコストが下がる。
密度、浮揚時間、およびサイズが、繊維についてこれまで知られている密度、浮揚時間、およびサイズと結びつくという概念により、粗飼料を4〜15%含む飼料の配合が可能になる。後者は、ヒマワリの殻、大豆の殻、大豆ロール、または牧草とは無関係のサトウキビやおがくずなど小さく消化しやすい他の繊維源から成るものであってよい。
当該全粒飼料は、細菌学的に安定し、既知の全可変量を制御する可能性をもたらす製品を実現する。
また、必要に応じ、混合および膨張が可能な位置に植物、または異なる飼料成分を含めることができ、同時に、すべての動物が同一の比率で完全に混合された同じ飼料を終日摂取するよう、密度、浮揚時間、および飼料サイズを定義および変更することもできる。
また、第1胃の生態系を選択し、エネルギー活用方程式の改善結果として肉または乳への飼料変換率を最大限に伸ばし、また環境汚染を削減するよう、核を加え、それを覆うこともできる。
現在までの分析によれば、本開示で提案する全粒飼料を使うと、アルゼンチンの既知のフィードロット(家畜肥育施設)と比べ、20〜40%少ない範囲の摂食量で等しい家畜体重増加を達成することができる。
本明細書で提案する全粒飼料の利点の1つは、当該全粒飼料を摂食する動物のペン(房)内の排泄物を削減し、その結果(排泄物由来の)メタンガス排出量も削減できることである。
本発明の全粒飼料でのメタン排出削減量を推定するため、我々は、「Methane production in dairy cows」(乳牛によるメタン生成)(Journal of Dairy Science 62、1583−1586(Moe and Tyrrell、1979))を参照し、次式を得た。
メタン排出量Mj/日=3.41+0.51NFC+1.74HC+2.65C

ここで、NFCは非繊維性炭水化物、HCはヘミセルロース、Cはセルロースを表し、これらはすべてKg/日の単位で測定される。
上式で容易に理解できるように、繊維量を減らすと、メタン排出量に大きく寄与し、すなわち最も汚染率の高い成分であるヘミセルロースおよびセルロース(それぞれの係数は1.74および2.65)の量を減らすことにつながる。
図1には、雨天の日に推奨される飼料の各々を形成する異なる成分が含まれている。この図では、各成分の量を重量およびパーセンテージの双方で表しており、それぞれの価格が、飼料1トンあたりの最終価格とともに示されている。 図2は、従来の飼料および本開示の全粒飼料を使用した場合の肉の生産量および糞便の量をトン単位で示したものである。
本発明は、基本的に牧草飼料の使用を回避し、代わりに制御容易な繊維源を使用した反芻動物用全粒飼料から成る。
本飼料には、無機物と、抗生物質と、生菌製剤(プロバイオティック)と、アミノ酸と、ビタミンとが層状に含まれており、これは特定の細菌コロニーの成長を助け、または特定の順序で複数の細菌コロニーの成長を確立する上で有利である。
本開示で提案する全粒飼料には、トウモロコシと、ソルガムと、ヒマワリペレットと、脱脂綿と、ヒマワリの殻と、無機物の核と、炭酸水素ナトリウムと、塩化ナトリウムと、液状被覆と、固形被覆とが含まれる。
拡散させた全粒飼料への脂肪付加は、膨張機において原料の塊を湿潤させて加温する事前調整時に脂肪を追加すれば行えるため、極めて容易であり、加える脂肪については、動物由来でも植物由来でもよいが、わが国(アルゼンチン)では、SENASA(Servicio Nacional De Sanidad Y Calidad Agroalimentariaの略称、アルゼンチン全国衛生・農産畜物品質管理サービス)により、動物由来のものは承認されていない。そのため、極めて高価ではあるが植物油が使用されている。
当該全粒飼料には、無機物と、抗生物質と、生菌製剤と、非タンパク質窒素と、タンパク質と、アミノ酸とも含まれる。
作用
以上、本発明の開発バージョンの異なる成分とその性質について説明したが、以降ではその各部分の機能上および作用上の関係と、それにより得られる結果とについて補足する。
本明細書の目的は、反芻動物用の全粒飼料を得る方法を開示することであり、この全粒飼料を使うと、反芻動物用飼料から牧草を排除し糞便量を減らせるため、結果的にメタンガスの排出量も削減でき、より良好なエネルギー活用の実現が可能になる。本全粒飼料の成分については、前記動物が適応段階にあるか肥育段階にあるか応じて、与えるべき飼料の成分比率が異なることがわかった。
さらに、雨天日に全粒飼料を与える場合、ならびに酪農生産における各カテゴリー、すなわち子牛、育成牛、および乳牛を考慮した場合、飼料成分の変更が可能である。
反芻動物用飼料から牧草を排除するには、代替繊維源が使用され、これにより飼料は自然作物の栽培、収穫、保管、および分配と無関係になり、したがって品質管理において制御不能な変動にも左右されなくなる。
本明細書で言及するすべての内容から、迅速に導入実施でき、異なる要件にも適合できるという、本明細書で提案する全粒飼料の利点が指摘できる。
また、牧草に依存せずに済むことから、全粒飼料の全成分を単一の製造工場で混合し、バランスの取れた飼料として流通できることも特筆しなければならない。
当該全粒飼料により、一般的な第1胃発酵(ルーメン発酵)パターンが維持され、腸の機能不全を回避することができる。
特筆すべき点として、押し出し成形後にタンパク質成分を加えると、そのタンパク質成分が第1胃で部分的に消化されるようにできる。
押し出し成形で飼料の消化率が高まり第1胃内でデンプンが消化しやすくなる場合でも、第1胃がタンパク質を修飾し、腸での消化率を高める。
この理由から、米国では、100℃で加温し25%で湿潤させたデンプンを、トウモロコシ粉砕機で膠化させることが一般的である。
それに、繊維源としてのトウモロコシサイレージまたはアルファルファ乾草など、およびタンパク質源としてのヒマワリペレット、綿実、大豆ペレット、または小麦のミドリング粉などを混合する。
反芻動物用の栄養としてアルファ化されたデンプンは非常に有益であるが、本願発明者は、押し出し成形機の通過によりタンパク質が変質し、腸で消化しやすくなることを明らかにした。
本願発明者が明らかにしたことに基づき、タンパク質を少なくとも部分的に第1胃で消化可能にする必要があることを考慮して、本発明では、押し出し成形段階の後かつスクリュー部材での製品成形段階の前に(すなわち押し出し成形せずに)、タンパク質源の一部を加えている。
上記に基づき、本開示の方法は、以下の工程段階を有する。配合成分の重量(割合)を決定する工程と、当該全粒飼料に含めるシリアルを粉砕する工程と、ペレットと繊維と無機物とに前記粉砕シリアルを混合して均質な塊を取得する工程と、前記取得された塊を湿潤させて加温する工程と、前記塊を膨張機に入れて膨張させる工程と、あらかじめ湿潤させ加温したタンパク質源を加える工程と、前記膨張させ前記タンパク質源を加えた塊を成形して当該全粒飼料を取得する工程と、当該全粒飼料を乾燥させる工程と、前記液状被覆を加えて冷却する工程。
本明細書で開示する方法において、第1の工程は、選択された配合成分の重量(割合)を決定する工程を有し、前記配合成分は、上述のとおり適応段階の動物に対しより好適になるよう修正でき、肥育段階の動物用配合または乳牛の栄養として最も適した配合との差別化を図ることができる。
同じ方法で、前記配合は雨天日に使用するように適合させることができる。
図1からわかるように、配合に加える最大の変更は、トウモロコシのパーセンテージであり、ソルガムを犠牲にして肥育段階で増加させる。諸値は、適応段階ではその逆になる。
また、雨天日の場合、動物が確実に湿度の高い飼料を摂取することを考慮すると、腸機能不全の可能性を低減するため、当該配合の被覆に何らかの抗生物質を含めることが推奨される。
これらの場合、例えばサイズを大きくするなどして繊維を増やし、その作用を高めることも適切であろう。
また、ヒマワリの殻、大豆の殻、綿の殻などを加えて摂取の頻度を減らすと、浮揚時間を延長することができる。
前記方法の第2の工程では、前記図1で示したように、希望する目的に従って選択したシリアルを粉砕する。この図に含まれている情報によれば、シリアルは、トウモロコシ、ソルガム、綿実、ヒマワリペレット、ヒマワリの殻、大豆ペレット、大豆の殻、またはその組み合わせの中から選択される。
第3の工程では、前工程で得られた粉砕物を混合機に入れて無機物を加え、混合して均質な塊を得る。この工程において、前記混合は3〜7分間隔で行う。
第4の工程では、前工程で得られた前記均質な塊を水および水蒸気で加温し湿潤させて、植物油および動物性脂肪から選択した脂肪を加える。
第5の工程では、前記質量を膨張機に入れて膨張させる。
第6の工程では、例えばペレットに成形されたタンパク質源を、水および水蒸気によりあらかじめ湿潤させ加温して加える。この工程で加えるのは、大豆、トウモロコシ、ソルガム、ヒマワリ、綿、ベニバナ、またはこれらの組み合わせのペレットであってよい。
第7の工程では、あらかじめ膨張させた塊を、前工程のタンパク質源と併せてスクリューに入れ、後日給餌用に流通される全粒飼料ピースへと分割する。前記スクリューは、直径約13mmおよび長さ20mmの円柱体へと前記塊を成形する。
ただし、雨天日の飼料について上述したように、前記ピースの長さおよび直径は場合に応じて異なる。
第8の工程では、上記で得られたピースを暖気で乾燥させる。これは、前記ピースの被覆が完全に乾燥したのち、第9の工程で液状被覆を加えるために行うもので、これにより非タンパク質窒素源を組み込んでアルファ化デンプンの高速な第1胃発酵(ルーメン発酵)を中和し、細菌発酵からタンパク質を生成する。
また、前記第9の工程の液状被覆は、コロニーおよび酵母に対し選択的なアミノ酸も加える。
第10の工程では、細菌コロニーが成長および繁殖するため必要な無機物基質に基づき、細菌コロニーの生態学的選択に必要なアミノ酸、生菌製剤、および無機物を含んだ固形被覆を加える。
最後に、第11の工程では、得られた当該全粒飼料のピースを冷却する。この冷却は、冷気を吹きつけることにより行い、室温を5℃を超えて上回らない範囲まで前記ピースの温度を下げることを狙いとしている。
この乾燥(冷却)後、本開示の方法(手順)により得られた当該ピースに含まれる残留湿度が11%を超えることはない。
このように、本発明の実施につながる構造的な可能性の1つと、それを実施する方法とを要約してきた。本明細書は、以下の請求項に含まれた本発明の要約により補足されている。
以上、本発明の性質と、本発明の範囲と、本発明の基本的な概念を実施できる方法とについて説明および明確化したが、以下の請求項では、本発明およびその排他的特性を明らかにしている。

Claims (5)

  1. トウモロコシ、ソルガム、ヒマワリ、綿実、ヒマワリペレット、ヒマワリの殻、大豆ペレット、グルテンフィード、ベニバナペレット、大豆の殻、またはこれらの組み合わせのうち少なくとも1つのシリアルを含有する配合成分の重量(割合)を決定し、抗生物質と、生菌製剤(プロバイオティック)と、アミノ酸と、無機物とを加え、前記混合物を加温し湿潤させ、のちに膨張機に入れて膨張させるために水および水蒸気を加え、前記混合物を分割スクリューに加える工程を有する、反芻動物用の全粒飼料を取得する方法であって、
    選択されたシリアルを粉砕する第2の工程と、
    前記粉砕されたシリアルを、3〜7分間、均質な塊が得られるまで、無機物とペレットと繊維とに混合する第3の工程と、
    脂肪成分を加える第4の工程と、
    タンパク質源を加える第6の工程と、
    得られたピースを熱気で乾燥させる第8の工程と、
    非タンパク質窒素源およびアミノ酸を追加する液状被覆を加える第9の工程と、
    抗生物質および無機物を含んだ固形被覆を加える第10の工程と、
    温度範囲が室温を5℃を超えて上回らず残留湿度が11%を超えない完成品を得るため、冷気を吹付けて前記全粒飼料ピースを冷却する第11の工程と
    を有する、反芻動物用の全粒飼料を取得する方法。
  2. 請求項1記載の飼料において、前記第6の工程の前記タンパク質源は、水および水蒸気によりあらかじめ湿潤させ加温したペレットにより形成されるものである。
  3. 請求項1記載の飼料において、前記第6の工程で加えられる前記ペレットは、大豆ペレット、トウモロコシペレット、ヒマワリペレット、綿ペレット、ベニバナペレット、またはこれらの組み合わせから選択されるものである。
  4. 請求項1記載の飼料において、前記第7の工程の前記塊は、直径約13mmおよび長さ20mmの円柱体へと前記塊を成形するスクリューに入れられるものである。
  5. 請求項1記載の飼料において、前記第7の工程の前記塊は、異なる長さおよび直径の円柱体へと前記塊を成形するスクリューに入れられるものである。
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