JP2010004790A - 鍋物調理用調味料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、ストレート換算で、20℃における粘度が130〜700cpとなるように粘度調整剤を含有する、煮つまりによる味変化が防止された鍋物調理用調味料を提供するものである。
【選択図】 なし
Description
昨今では、家庭で手軽に鍋物調理ができる鍋物調理用調味料が市販されている。予め調味された鍋物調理用調味料を鍋に張り、その中に肉や魚、野菜などの具材を入れ、火にかけて煮込みながら食べるための調味料であり、具材等を準備するだけで誰でも本格的な鍋物料理を楽しむことができることから重宝されている。
鍋物調理用調味料は、野菜等水分を多く含む具材を多く使用すると、具材から出た水分によって味が薄まってしまうという問題があり、これに対しては予め薄まることを想定して濃い目の味付けにする工夫がなされている。また、薄まった鍋物料理に、鍋物調理用調味料を手軽で効率良く追加する工夫も提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
具材の水分で味が薄くなる現象や煮つまりにより味が変化する現象は、鍋物料理に用いる具材の種類や量、又は調理時間などにより、生じたり生じなかったりする問題ではあるが、野菜等を少量しか用いない場合や、予め野菜等からしみ出る水分を見越して設計されている鍋物用調味料においては長時間の煮込みにより煮つまって味が濃くなる問題の方が深刻であり、この現象の改善が強く望まれていた。
なお、従来の鍋物調理用調味料においては、味付けの違いで差別化した商品は多々提供されているが、本発明において提案する「煮つまりによる味変化防止」のように機能性の改善をした商品は提供されてこなかった。
また、粘度調整剤としては、キサンタンガム、加工澱粉、澱粉およびタマリンドガムのうち少なくともいずれかを用いると、煮つまり防止効果も安定していることを発明者らは見出した。
さらに、粘度調整剤として、キサンタンガム、加工澱粉および澱粉のうち少なくともいずれかを用いると、鍋物料理をした際の食感が良好(とろみの質が滑らか)であることを本発明者らは見出した。
さらには、突沸や焦げ付きといった問題を生じさせないで、煮つまりによる味変化防止を達成し得る最適な粘度範囲を見つけ出すことに成功して、本発明を完成したものである。
請求項2に記載の発明は、鍋物調理時において、とろみを有していることを特徴とする請求項1に記載の鍋物調理用調味料を提供するものである。
ここで「とろみ」とは、さらさらな水のような性状とは異なり一般に粘性があると感じる程度の性状のことであり、粘度で表現すると50cp以上、好ましくは100cp以上の性状のことである。
請求項3に記載の発明は、粘度調整剤が、キサンタンガム、加工澱粉、澱粉およびタマリンドガムのうちの少なくとも1種以上のものである、請求項1又は2に記載の鍋物調理用調味料を提供するものである。
請求項4に記載の発明は、鍋物調理時において、前記鍋物調理用調味料の煮つまりによる味変化が防止されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍋物調理用調味料を提供するものである。
請求項5に記載の発明は、鍋物調理時において、前記鍋物調理用調味料の突沸および焦げ付きが防止されたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍋物調理用調味料を提供するものである。
請求項6に記載の発明は、ストレート換算で、1〜5質量%となるように塩分を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の鍋物調理用調味料を提供するものである。
なお、本発明において「鍋物調理時において」とは、「鍋物調理時における高温域において」という意味合いであり、通常、鍋物調理時の温度は95〜99℃くらいの温度である。
即ち、本発明の鍋物調理用調味料は、鍋物調理時における高温域(通常、鍋物調理時の温度は95〜99℃くらいの温度である)において、煮つまりによる味変化が防止されている。
また、本発明の鍋物調理用調味料は、煮つまりによる塩分濃度の増加を防止するので、塩分の過剰摂取をも防止することができる。
特に、予め野菜等からしみ出る水分を見越して若干濃い目に設計されている鍋物調理用調味料は煮つまりによって味が濃くなりやすいが、本発明によればこのような塩分含量が高めの鍋物調理用調味料の煮つまりによって味が濃くなる現象を防止することができる。
次に、本発明によれば、突沸や焦げ付きといった問題を生じない鍋物調理用調味料が提供される。
即ち、本発明の鍋物調理用調味料は、鍋物調理時における高温域(通常、鍋物調理時の温度は95〜99℃くらいの温度である)において、突沸および焦げ付きが防止されている。
さらに、本発明によれば、鍋物料理をした際の食感が良好(とろみの質が滑らか)な鍋物調理用調味料が提供される。
本発明における鍋物調理用調味料とは、鍋物調理用に予め調味された調味料である。鍋物調理用調味料を鍋に張り、その中に肉や魚、野菜などの具材を入れ、火にかけて煮込みながら食べるための調味料であり、具材等を準備するだけで誰でも本格的な鍋物料理を楽しむことができることから重宝されている。
本発明の鍋物調理用調味料は、どんな種類の鍋物料理用であってもよく、加熱調理をしながら食べる鍋物料理であれば特に限定はない。例えば、すき焼き、ちゃんこ鍋、モツ鍋、キムチ鍋、味噌鍋、中華風鍋、ごま鍋、豆乳鍋、火鍋、塩鍋、カレー鍋、洋風鍋などに適用可能である。
特に、野菜等の水分が多い具材を少量しか用いないか、或いは鍋物調理の初期に野菜等のほとんどを投入してしまうような調理方法で鍋を作る場合には、通常、煮つまりによる味の変化(味が濃くなる変化)が起こりやすく、本発明が効果を奏する。
調味料の味付けは適宜選択し得るが、特に本発明は、予め野菜等からしみ出る水分を見越して若干濃い目に設計されている鍋物調理用調味料の煮つまりによる味変化防止に特に効果を発揮する。濃い目の味に設計されている鍋物調理用調味料はもともと塩分濃度が高めなので、味が濃くなりやすいためである。詳しくは、塩分含量をストレート換算で1〜5質量%となるように設計されている鍋物調理用調味料の煮つまりによって味が濃くなる変化を防止することに好適に用いることができる。
上記した原料を用いた鍋物調理用調味料の組成例としては、ストレート換算で、塩分濃度1〜5質量%、酸味料0〜1質量%、調味料0〜10質量%、油脂0〜10%、香辛料0〜10質量%、エキス類0〜10%、砂糖、液糖が0〜20%とすることが挙げられる。
通常は、鍋物調理用調味料の包材などに”ストレート使用品”である旨や”調理時の希釈倍率等(濃縮品である旨)”が記載されており、ストレート品の場合は希釈をしないで測定した粘度や塩分等の濃度の値であり、2倍希釈品の場合は2倍に水で希釈して測定した粘度や塩分等の濃度の値である。
特に、キサンタンガム、加工澱粉、澱粉は、鍋としての食感が良好(とろみの質が滑らか)である点本発明への適用が好ましく、さらにキサンタンガム、加工澱粉、澱粉、タマリンドガムの4つの粘度調整剤については、以下に記載するような有利な点を有するため本発明への適用が特に好ましい。
さらに、キサンタンガムおよびタマリンドガムは、極めて耐熱性も高いため、鍋物調理用調味料をレトルト殺菌処理する場合には極めて好ましい。
なお、加工澱粉とは、天然澱粉を工業的に利用する際に本来の物理化学的性状のうち高粘性であったり、冷却するとゲル化するといった欠点を克服するために、物理的、酵素的又は化学的に加工を加えたものをいう。加工澱粉としては、例えば、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉(松谷化学製「パインエース#1」等)などを用いることができる。
また、澱粉としては、例えば、片栗粉を用いることができる。
粘度が130cp未満であると、煮つまりによる味変化の防止効果を発揮しない。一方、粘度が700cpを超えると、煮つまりによる味変化は防げるものの、突沸の危険性や焦げ付きが生じやくなるため好ましくない。
さらには、煮つまり防止による味変化をより防止するためには、199cp以上、特には230cp以上の粘度に調整することが好ましく、また、突沸や焦げ付きを防ぐ面から600cp以下、特には500cp以下の粘度に調整することが好ましい。
また、塩分測定方法としては、TOA塩分分析計を用いることができる。
なお、本発明における粘度及び塩分濃度は、特に条件を記載しない限り20℃における測定値である。
また、原料を混合した後は、例えば澱粉、加工澱粉、カラギーナンを用いる場合は、加熱(例えば、澱粉なら湯煎で約80℃に達温後、約3分間維持)することで、粘度調整剤を糊化させることができる。
原料が均一に混合され、粘度調整剤が糊化された調味料は、冷却後に水を加えて、所望の調味料製品の濃縮率になるように調製することができる。
ただし、加工澱粉の場合だけ、できた調味料をレトルトパウチに充填し、封をして120℃で20分間のレトルト殺菌を行い完全に糊化させ、常温まで冷やして鍋物用調味料を完成した。
試験例1(粘度と煮つまりによる味変化の関係)
(1)鍋物調理用調味料の製造
約500gの水にキサンタンガム(表1の量)を膨潤した後、醤油(30g)、魚介エキス(8g)、オニオンペースト(2g)、液糖(15g)、砂糖(10g)、香辛料(1g)、旨味調味料(5g)、塩(10g)を加え均一に混合した。
次に、これに水約100gで水溶きした加工澱粉(松谷化学製「パインエース#1」)(表1の量)を加えて湯煎にて加熱し、80℃達温から3分間維持して糊化させた後、調味料全体で1000gとなる量の水を加えて50〜60℃まで冷却した。
その後、調味料をレトルトパウチに充填し、封をしたものを120℃で20分間レトルト殺菌を行い完全に糊化させ、常温まで冷やして鍋物調理用調味料を完成した。
キサンタンガム及び加工澱粉の配合量とそれぞれの粘度を表1に示す。なお、キサンタンガム及び加工澱粉の配合量はガムの種類による影響をなくすために配合比をほぼ一定として表1のように変化させた。
なお、製造した鍋物調理用調味料は、予め野菜等からしみ出る水分を見越して若干濃い目に設計しており、表2に示すように塩分濃度1.4〜1.6質量%の範囲である。
前記(1)で製造した鍋物調理用調味料について、煮つまりによる塩分の増加率、味の変化、焦げ付き具合を以下のように調べた。
まず、前記(1)で製造した鍋物調理用調味料について、それぞれ約700gを8号サイズの土鍋に充填し、ガスコンロに火をかけて98℃に達温させた。この時点で味見用の調味料を少量すくい取り、若干冷ましてから味見した。一方、鍋に入った調味料は、98℃達温後、98.5±1.0℃で維持されるように調整しながら25分間加熱を続け、その後コンロの火を止めた。その後すぐに少量すくい取り、若干冷ましてから味見した。
98℃達温の時点ですくい取った調味料と25分間加熱を続けた調味料との味(主に塩味)の変化を比較して評価した。塩味の差をあまり感じない場合には〇、若干差を感じるが許容範囲の場合には△、塩味が明らかに濃くなっていると感じる場合には×とそれぞれ評価した。
また、前記25分間加熱後すぐに調味料から塩分測定用のサンプルを少量取り、常温に冷やして塩分を測定した。
さらに、前記25分間加熱後の鍋への調味液の焦げ付き具合についても目視により確認した。焦げ付きを生じていない場合は〇、極僅かに焦げ付いた場合は△、明らかに焦げ付きを生じた場合は×とした。
なお、いずれの評価においても△は商品としての許容範囲と判断した。表2に結果を示す。
以上より、鍋物調理用調味料の煮つまりによる味の変化を防ぐには、20℃における粘度を130cp以上、好ましくは199cp以上、さらに好ましくは230cp以上とすることが必要であることを見出した。
また、粘度が500cpまでは焦げ付きの心配はなく、700cpになると許容範囲ではあるが、若干の焦げ付き傾向が生じることがわかった。
以上より、焦げ付きを防ぐためには、20℃における粘度を700cp以下、好ましくは600cp以下、さらに好ましくは500cp以下とすることが必要であることを見出した。なお、焦げ付きが起こらないものは、突沸もおこりにくいものである。
(1)鍋物調理用調味料の製造
約500gの水に、表3に記載の各種粘度調整剤〔タマリンドガム(調味料k)、キサンタンガム(調味料l)、加工澱粉(松谷化学製「パインエース#1」)(調味料m)、澱粉(片栗粉)(調味料n)、カラギーナン(調味料o)、ペクチン(調味料p)(なお、ペクチンは、カルシウムがないと粘度発現がないため乳酸カルシウムを一緒に含有させた。)を所定量膨潤した後、醤油(30g)、魚介エキス(8g)、オニオンペースト(2g)、液糖(15g)、砂糖(10g)、香辛料(1g)、旨味調味料(5g)、塩(10g)を加え、少量のお湯を注して40〜50℃まで温度を上げた状態で均一に混合した。その後、粘度調整剤の種類ごとの温度調整を行った後、調味料全体で1000gとなる量の水を加えて均一に混合して鍋物調理用調味料を完成した。ただし、加工澱粉の場合だけ、できた調味料をレトルトパウチに充填し、封をして120℃で20分間のレトルト殺菌を行い完全に糊化させ、常温まで冷やして鍋物調理用調味料を完成した。
粘度調整剤の種類ごとの温度調整方法は、加工澱粉および澱粉については80℃まで加温して、達温から3分間維持した。カラギーナンについては95℃まで加温して、達温から4分間維持した。なお、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチンは、特に温度調整を行っていない。
粘度調整剤の種類ごとに温度調整の方法を変更したり、加工澱粉のみレトルト殺菌を行う理由は、それぞれの粘度調整剤の種類ごとに粘度発現のための条件が異なるためであり、本試験において粘度を揃えるためである。
また、粘度調整剤の配合量は、調味料の粘度が試験例1の結果から煮つまり防止効果高いと考えられる300cp前後となるように調製した。それぞれの鍋物調理用調味液の粘度を表3に示す。
なお、製造した鍋物調理用調味料は、予め野菜等からしみ出る水分を見越して若干濃い目に設計しており、表4に示すように塩分濃度1.4〜1.6質量%の範囲である。
前記(1)で製造した鍋物調理用調味料について、試験例1と同様にして、煮つまりによる塩分の増加率、味の変化、焦げ付き具合を以下のように調べた。
また、味の評価の際に、とろみの質についても評価した。とろみの質が滑らかであり好ましい場合には〇、とろみの質が滑らかでなく鍋物料理として若干違和感があると感じた場合には△と評価した。なお、とろみの質は、98℃達温時のサンプルと25分間加熱後のサンプルの両方から総合的に判断した。なお、いずれの評価においても△は商品としての許容範囲と判断した。表4に結果を示す。
このことから、粘度の範囲だけでなく、調味料k〜nで用いたような耐熱性を有する粘度調整剤(タマリンドガム,キサンタンガム,加工澱粉,澱粉(片栗粉))を用いることが、煮つまり防止効果を発揮するためには重要であることがわかった。
また、特に、キサンタンガム、澱粉、加工澱粉を用いると、とろみの質がよく好ましいことがわかった。
また、本発明の鍋物調理用調味料は、煮つまりによる塩分濃度の増加を防止するので、塩分の過剰摂取をも防止することができる。
従って、本発明は、食品産業において広く利用することができる。
Claims (6)
- ストレート換算で、20℃における粘度が130〜700cpとなるように粘度調整剤により粘度調整されていることを特徴とする、鍋物調理用調味料。
- 鍋物調理時において、とろみを有していることを特徴とする請求項1に記載の鍋物調理用調味料。
- 粘度調整剤が、キサンタンガム、加工澱粉、澱粉およびタマリンドガムのうちの少なくとも1種以上のものである、請求項1又は2に記載の鍋物調理用調味料。
- 鍋物調理時において、前記鍋物調理用調味料の煮つまりによる味変化が防止されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍋物調理用調味料。
- 鍋物調理時において、前記鍋物調理用調味料の突沸および焦げ付きが防止されたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍋物調理用調味料。
- ストレート換算で、1〜5質量%となるように塩分を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の鍋物調理用調味料。
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