[第1の実施の形態]
以下、この発明に従った弾性表面波素子の第1の実施の形態を添付の図面中の図1ないし図4を参照しながら詳細に説明する。
図1には、第1の実施の形態の弾性表面波素子10の外観が示されている。この弾性表面波素子10は:弾性表面波が伝搬可能な曲面が連続した少なくとも円環状の曲面の一部によってなる伝搬表面帯12aを含む表面を有する3次元基体12と;伝搬表面帯12aに前記弾性表面波を励起し伝搬表面帯12aに沿い弾性表面波を伝搬させるとともに伝搬表面帯12aに伝搬する前記弾性表面波を受信可能な電気音響変換素子14と;を備えている。
なおここで伝搬表面帯12aは図面の簡略化の為に幅方向Wの寸法が伝搬表面帯12aが円環状に連続する方向において一定であるように描かれているが、実際には3次元基体12の表面において伝搬表面帯12aが円環状に連続する方向に弾性表面波が伝搬する間には、弾性表面波は図1に示されているように幅方向Wにおける寸法が一定であることもあるし、幅方向Wにおける寸法が拡散と収縮とを繰り返すこともある。
いずれにせよ、伝搬表面帯12aを伝搬する弾性表面波は電気音響変換素子14から所望の距離を、或いは1周回当たり、少なくとも80%以上のエネルギーを保ち伝搬することが実用上望まれている。
この実施の形態において3次元基体12は、全体が3方晶系のLiNbO3結晶により球形状に形成されている。従って、この実施の形態においては、伝搬表面帯12aが3次元基体12の球形状の表面において円環状に連続している。伝搬表面帯12aは3次元基体12の最大外周線12bに沿い連続しており、好ましくは伝搬表面帯12aの範囲内に最大外周線12bが含まれている。
3次元基体12の外表面において最大外周線12bは、図2の(A)中に示されているように、LiNbO3結晶の1つの結晶軸である+Y軸をX軸を回転中心に+Z方向に20°だけ回転させることにより規定された結晶軸CAを法線とする結晶面と3次元基体12の外表面12との交線に一致している。即ち、3次元基体12の外表面において伝搬表面帯12aが沿っている最大外周線12bは、LiNbO3結晶の1つの結晶面上を延出している。3次元基体12の外表面において上記結晶面に沿い弾性表面波が伝搬する間には、上記結晶面に対し交差する方向には弾性表面波のエネルギーの大きな拡散が生じないので、3次元基体12の外表面において弾性表面波を最も効率良く伝搬させることが出来る。
なお、3次元基体12を形成しているLiNbO3結晶は3方晶系なので、図2の(B)中に示されている如く、1つの平面内に互いに120°をなす3つの結晶軸+Yを有している。従って、LiNbO3結晶により全体が形成されている3次元基体12の球形状の外表面には、これらの3つの結晶軸+YをX軸を回転中心に+Z方向に20°だけ回転させることにより規定された3個の結晶軸CAを法線とする3つの結晶面と3次元基体12の外表面との3つの交線を最大外周線12bとした場合、この3つの最大外周線12bに沿い上述した如く連続する3つの伝搬表面帯12aを規定することが可能である。
全体が3方晶系のLiNbO3結晶により球形状に形成されている前述の第1の実施の形態の3次元基体12の外表面においてはさらに、それに沿い伝搬表面帯12aが連続している最大外周線12bを以下のようしても規定することが出来る。
即ち、3次元基体12の外表面において最大外周線12bを、図3の(A)中に示されているように、LiNbO3結晶の1つの結晶軸である+Y軸をX軸を回転中心に−Z方向に26°だけ回転させることにより規定された結晶軸CBを法線とする結晶面と3次元基体12の外表面との交線に一致させる。このことは、この場合においても、3次元基体12の外表面において伝搬表面帯12aが沿っている最大外周線12bは、LiNbO3結晶における前述の3つの+Y軸をX軸の回りに+Z方向に20°回転した結晶軸CAを法線とする前述の3つの結晶面とは別の1つの結晶面上を延出していることを意味している。3次元基体12の外表面においてこの別の1つの結晶面に沿い弾性表面波が伝搬する間にも、前述の3つの結晶面の場合と同様に、上記別の1つの結晶面に対し交差する方向には弾性表面波のエネルギーの大きな拡散が生じないので、3次元基体12の外表面において弾性表面波を最も効率良く伝搬させることが出来る。
3次元基体12を形成しているLiNbO3結晶は3方晶系なので、図3の(B)中に示されている如く、1つの平面内に互いに120°をなす3つの結晶軸+Yを有している。従って、LiNbO3結晶により全体が形成されている3次元基体12の球形状の外表面には、これらの3つの結晶軸+YをX軸を回転中心に−Z方向に26°だけ回転させることにより規定された3個の結晶軸CBを法線とする3つの結晶面と3次元基体12の外表面12との3つの交線を最大外周線12bとした場合、この3つの最大外周線12bに沿い上述した如く連続する3つの伝搬表面帯12aを規定することが可能である。
即ち、3次元基体12を形成しているLiNbO3結晶は合計6個の結晶面を有しているので、LiNbO3結晶により全体が形成されている3次元基体12の外表面には合計6つの最大外周線12bを規定することが出来る。
また、3次元基体12の表面を伝搬する表面弾性波がその伝搬方向に対し上記表面に沿い直交する方向に実際にどの程度の幅を有しているのかは、例えば上記表面に水滴を付着させ上記表面において水滴が付着した部分では表面弾性波が伝搬しなくなることから視覚的に推測することも出来る。
また、一般に、電気音響変換素子としてすだれ状電極を用いて高い周波数の弾性表面波を励起する場合には、すだれ状電極の有効幅(即ち、すだれ状電極において、3次元基体の表面に対しすだれ状電極が弾性表面波を励起させ所望の方向に伝搬させることが出来るとともに上記表面を伝搬した弾性表面波を受信することが出来る部分の、上記表面に沿って上記所望の方向とは直交する方向の寸法)は小さくなるが、上記有効幅は、上記表面において弾性表面波が伝搬する伝搬表面帯(図1では、参照符号12aにより指摘されている)が上記所望の方向となる最大外周線(図1では、参照符号12bにより指摘されている)に対し直交する方向において有している曲率の曲率半径の1.5倍よりも大きくなると、弾性表面波を励起し受信する効率が大きく低下することが分かっている。
3次元基体12は、その外表面において電気音響変換素子14により励起された弾性表面波が伝搬する伝搬表面帯12a以外の部分が支持腕16を介して支持台18に支持されている。伝搬表面帯12aを伝搬する弾性表面波に対しいかなる影響も与えないようにする為に、伝搬表面帯12aには電気音響変換素子14を除き何も接触させない。従って、この実施の形態においては、伝搬表面帯12aにおいて電気音響変換素子14に弾性表面波を励起させる為や伝搬表面帯12aを伝搬し電気音響変換素子14に受信された弾性表面波を電気音響変換素子14から受け取る為の電気音響変換素子制御ユニット20は、電気音響変換素子14から3次元基体12の外表面において伝搬表面帯12a以外の領域上を延びるリード線により電気音響変換素子14に接続されている。電気音響変換素子制御ユニット20は例えば、図1中に示されている如く、インピーダンスマッチング回路20a,サーキュレータ20,高周波電源を含む発信器20c,アンプ20d,そしてディジタルオシロスコープ20e等を備えている。なお、発信器20cに代わり高周波電波受
信アンテナを使用することも出来る。
電気音響変換素子14は、図4の(A)中に示されているように、伝搬表面帯12aに励起した弾性表面波のエネルギーの流れる密度が最大となる方位MDが最大外周線12bに対し20°以内になるよう構成されていることが好ましい。なおこの角度はより好ましくは10°以内であり、さらに好ましくは5°以内である。このことは、電気音響変換素子14により伝搬表面帯12aに励起された弾性表面波は、3次元基体12の外表面上で最大外周線12bに沿い例えば周回毎にエネルギーの80%以上を保つような小さな減衰率で周回することが出来るのであれば伝搬するにつれて励起された直後の幅よりも最大外周線12bから拡散する傾向にあっても良いが、上記の角度範囲内にあることが好ましいことを意味している。
なお本発明において記載される「最大外周線に沿う」は、弾性表面波が周回或いは伝搬経路に亘り伝搬する場合に、弾性表面波のエネルギーの流れる密度が最大となる方向が最大外周線に対し好ましくは20°以内、より好ましくは10°以内、さらに好ましくは5°以内の範囲内である場合をいう。
この実施の形態において、電気音響変換素子14は3次元基体12の外表面上で伝搬表面帯12aの範囲内に直接形成されている。この実施の形態において電気音響変換素子14は例えば櫛型電極のようなすだれ状電極22であって、例えば蒸着や印刷やスパッタリングやゾル・ゲル法などの種々の公知の方法により上記外表面上に直接形成されることが出来る。
電気音響変換素子14がすだれ状電極22により形成されている場合、すだれ状電極22は、図4の(B)中に良く示されているように、すだれ状電極22において伝搬表面帯12aに対し弾性表面波を励起するとともに伝搬表面帯12aに伝搬する弾性表面波を受信可能な送受信部分(前述の有効幅の部分)に対し3次元基体12の外表面に沿い直交する線が、伝搬表面帯12aが沿っている対応する最大外周線12bに対し10°以下の範囲に含まれるよう構成されていることが好ましい。より詳細には、すだれ状電極22のパターンの各端子(線要素)22aにおける前記送受信部分(すだれ状電極22の場合には、パターンの各端子(線要素)22aが最大外周線12bに沿った方向において相互に重複する部分)に対し伝搬表面帯12aの外表面に沿って延出する直交線OLが最大外周線12bに対し10°以下の範囲内にあることが好ましいことを意味している。
その理由は、図4の(A)を参照しながら前述したように、電気音響変換素子14を、伝搬表面帯12aに励起した弾性表面波のエネルギーの流れの密度が最大となる方位MDを最大外周線12bに対し20°以内になるよう構成することが好ましい理由と同じである。
さらに、最大外周線12bに沿った方向におけるすだれ状電極22のパターンの複数の端子22a(図4の(B)参照)の配列周期Pは、最大外周線12bの曲率半径の1/10以下であることが好ましい。配列周期Pは、すだれ状電極22が励起する弾性表面波の一波長(即ち、振動周期)分の長さに相当している。
弾性表面波の波長(即ち、すだれ状電極22のパターンの複数の端子22aの配列周期P)が弾性表面波が伝搬する伝搬表面帯12aに含まれる最大外周線12bの曲率半径(伝搬表面帯12aがこの実施の形態のように球面の一部により構成されている場合は、上記球面の半径)の1/10よりも大きいと、湾曲した伝搬表面帯12aの幾何学的な特徴が伝搬表面帯12aを伝搬する弾性表面波が拡散しようとするのを抑制する機能が弱くなる。従って、3次元基体12の表面の伝搬表面帯12aに比較的長い波長の弾性表面波を所望の距離だけ伝搬させようとする場合には、伝搬表面体12aに含まれる最大外周線12bの曲率半径を上記波長との上述した関係を充たすよう予め設定しなければならない。
従って、伝搬表面帯12bにおいて効率良く弾性表面波を伝搬させるには前記配列周期にすることが好ましい。
この実施の形態に従い本願の発明者が実際に作成したLiNbO3結晶の球形状の3次元基体の直径は25.4mmであり、電気音響変換素子として使用するすだれ状電極を球形状の3次元基体の外表面において3次元基体の中心から見て上記結晶の+X方向に相当する位置に形成した。すだれ状電極は、3次元基体の外表面にクロムの1000オングストロームの蒸着又は金の1000オングストロームの蒸着による膜形成を行なった後に、すだれ状電極のパターンの端子(線要素)が、前述したようにLiNbO3結晶の+Y軸をX軸を回転中心に+Z方向に20°回転させた方向を中心として上記球形状の外表面上を周回する方向に対し直交するようフォトリソプロセスされることにより形成された。この時に形成されたすだれ状電極のパターンの端子(線要素)の配列周期Pは0.532mmであり、夫々が0.133mmの幅の複数の端子(線要素)が0.133mmの間隔で配列され、互いに隣り合う端子(線要素)間に所望のパルス電圧が印加される。そして、パルス電圧が印加されることにより、相互間に電界が生じる互いに隣り合う端子(線要素)の夫々の重複する部分の長さは3.1mmである。
ここでは本願の発明者がLiNbO3結晶の球形状の3次元基体の外表面に実際に作成した電気音響変換素子として使用するすだれ状電極の一例の寸法を記載したが、本願発明の3次元基体の外表面において本願発明の求める機能或いは効果を達成することが出来るのであれば、現在知られている如何なる材料や寸法や形状のすだれ状電極も使用することができる。
そして、上述した如く構成された球形状の弾性表面波素子のすだれ状電極に100Vの電圧で半値幅2ナノ秒のインパルス信号を印加したところ、その結果として上記すだれ状電極から上記周回する方向に約6.5MHzの中心周波数を有したバースト状のシグナルが21.8μ秒の間隔で少なくとも50回繰り返し出力されたことがデジタルオシロスコープにより確認された。このことは、上述した如く25.4mmの直径を有したLiNbO3結晶の球形状の3次元基体の外表面を上記周回する方向に平均して3658m/sの速度で弾性表面波が少なくとも50回以上周回していることを意味している。
本願の発明者はまた、上述したのと同じ直径のLiNbO3結晶の球形状の3次元基体の外表面上において上述したのと同じ位置に電気音響変換素子として使用するすだれ状電極を上述したのとは異なる以下のようにしても形成した。即ち、この場合には、すだれ状電極は、3次元基体の外表面にクロムの1000オングストロームの蒸着又は金の1000オングストロームの蒸着による膜形成を行なった後に、すだれ状電極のパターンの端子(線要素)が、前述したようにLiNbO3結晶の+Y軸をX軸を回転中心に−Z方向に26°回転させた方向を中心として上記球形状の外表面上を周回する方向に対し直交するようフォトリソプロセスされることにより形成された。この時に形成されたすだれ状電極のパターンの端子(線要素)の種々の寸法は上述したのと同じである。
このように構成された球形状の弾性表面波素子のすだれ状電極に対しても上述したのと同様にインパルス信号を印加したところ、このようなすだれ状電極からは上記周回する方向に約6.5MHzの中心周波数を有したバースト状のシグナルが22.5μ秒の間隔で少なくとも50回繰り返し出力されたことがデジタルオシロスコープにより確認された。このことは、上述した如く25.4mmの直径を有したLiNbO3結晶の球形状の3次元基体の外表面を上記周回する方向に平均して3540m/sの速度で弾性表面波が少なくとも50回以上周回していることを意味している。
そして本願の発明者により上述した如く構成された2つの種類の球形状の弾性表面波素子の夫々の外表面においてすだれ状電極から上記周回する方向に離れた位置(即ち、弾性表面波の周回経路上)に水を含ませた綿棒を接触させたところ、すだれ状電極に上述した如くインパルス信号を印加してもすだれ状電極からは何も出力を得ることが出来なくなり、弾性表面波の周回が阻害されていることが判った。さらに、上述した如く構成された2つの種類の球形状の弾性表面波素子の夫々の外表面においてすだれ状電極から上記周回する方向に対し直交する方向に5mm以上離れた位置(即ち、弾性表面波の周回経路から外れた位置)に水を含ませた綿棒を接触させたところ、すだれ状電極に上述した如くインパルス信号を印加した時にすだれ状電極から上述した如きバースト状のシグナルが上述した如く繰り返し出力され、上述した如き弾性表面波の周回が阻害されないことが判った。
[第1の変形例]
次には、図5の(A)及び(B)を参照しながら、この発明に従った弾性表面波素子の第1の変形例について詳細に説明する。
この変形例の弾性表面波素子は、前述の第1の実施の形態の3方晶系のLiNbO3結晶により形成されている3次元基体12を、同様な3方晶系であるLiTaO3結晶により球形状に形成している。これに伴ない、3次元基体12の外表面上に規定する最大外周線12bの規定方法も、前述の第1の実施の形態の3方晶系のLiNbO3結晶により形成されている3次元基体12の場合と異なっている。しかしながら、これ以外の構成は、前述の第1の実施の形態の弾性表面波素子の構成と同じである。
この第1の変形例の弾性表面波素子では、3方晶系のLiTaO3結晶により全体が形成されている3次元基体12の外表面において最大外周線12bを、図5の(A)中に示されているように、LiTaO3結晶の1つの結晶軸である+Y軸をX軸を回転中心に−Z方向に45°だけ回転させた結晶軸CCを法線とする1つの結晶面と3次元基体12の外表面との交線に一致させている。3次元基体12の外表面においてこの1つの結晶面に沿い弾性表面波が伝搬する間にも、前述の第1の実施の形態の結晶面の場合と同様に、上記結晶面に対し交差する方向には弾性表面波のエネルギーの大きな拡散が生じないので、3次元基体12の外表面において弾性表面波を最も効率良く伝搬させることが出来る。
3次元基体12を形成しているLiTaO3結晶は3方晶系なので、図5の(B)中に示されている如く、1つの平面内に互いに120°をなす3つの結晶軸+Yを有している。従って、これらの3つの結晶軸+Yについて上述したように規定される3つの交線を最大外周線12bとした場合、この3つの最大外周線12bに沿い上述した如く連続する3つの伝搬表面帯12aを規定することが可能である。
[第2の変形例]
次には、図6の(A)及び(B)を参照しながら、この発明に従った弾性表面波素子の第2の変形例について詳細に説明する。
この変形例の弾性表面波素子は、前述の第1の実施の形態の3方晶系のLiNbO3結晶により形成されている3次元基体12を、同様な3方晶系ではある水晶により球形状に形成している。これに伴ない、3次元基体12の外表面上に規定する最大外周線12bの規定方法も、前述の第1の実施の形態の3方晶系のLiNbO3結晶により形成されている3次元基体12の場合と異なっている。しかしながら、これ以外の構成は、前述の第1の実施の形態の弾性表面波素子の構成と同じである。
この第2の変形例の弾性表面波素子では、3方晶系の水晶により全体が形成されている3次元基体12の外表面において最大外周線12bを、図6の(A)中に示されているように、水晶の1つの結晶軸CDである+Y軸を法線とする1つの結晶面と3次元基体12の外表面との交線に一致させている。3次元基体12の外表面においてこの1つの結晶面に沿い弾性表面波が伝搬する間にも、前述の第1の実施の形態の結晶面の場合と同様に、上記結晶面に対し交差する方向には弾性表面波のエネルギーの大きな拡散が生じないので、3次元基体12の外表面において弾性表面波を最も効率良く伝搬させることが出来る。
3次元基体12を形成している水晶は3方晶系なので、図6の(B)中に示されている如く、1つの平面内に互いに120°をなす3つの結晶軸+Yを有している。従って、これらの3つの結晶軸+Yについて上述したように規定される3つの交線を最大外周線12bとした場合、この3つの最大外周線12bに沿い上述した如く連続する3つの伝搬表面帯12aを規定することが可能である。
前述した第1の実施の形態,第1及び第2の変形例に従った弾性表面波素子10においては、弾性表面波素子10の3次元基体12の外表面上に電気音響変換素子14により励起された弾性表面波が、前記外表面において前述した如くして規定された最大外周線12bに沿い円環状に連続している伝搬表面帯12aの範囲内で伝搬表面帯12aが円環状に連続している方向に沿い1周期当たりエネルギーの実質的に20%以下の消耗率で(即ち、1周回当たりエネルギーの80%以上を保って)円環状に周回するように、3次元基体12の種々の寸法や電気音響変換素子14の種々の寸法が前述した如く設定されている。
このことは、弾性表面波素子10の3次元基体12は、伝搬表面帯12a以外は、如何なる任意の形状にしても良いことを意味している。例えば、3次元基体12は、外表面に円環状の伝搬表面帯12aを有したリング状のドーナツ形状や樽形状やラグビーボール形状や円盤形状であることが出来る。
前述した第1の実施の形態,第1及び第2の変形例に従った弾性表面波素子10においては、伝搬表面帯12aが接する空間に満たされている流体(気体や流体)に何等かの変化があれば(即ち、伝搬表面帯12aが接する外部環境に何等かの変化があれば)伝搬表面帯12aを伝搬する弾性表面波の伝搬速度や1周期当たりに要する伝搬時間に変化が生じる。即ち、弾性表面波素子10を外部環境の変化や差異を検出する為の環境差異検出装置として使用することが出来る。
[第2の実施の形態]
つぎに、図7を参照しながら、この発明に従った弾性表面波素子の第2の実施の形態を詳細に説明する。
この実施の形態では、前述した第1の実施の形態,第1及び第2の変形例のいずれかに従った弾性表面波素子10の3次元基体12の外表面上に前述した如く規定することが出来る複数の伝搬表面帯12a(第1の実施の形態では6個であり、第1及び第2の変形例の夫々では3個である)の中の任意の複数の夫々において他の伝搬表面帯12aと交差しない部分に前述した如く電気音響変換素子14を形成し、各電気音響変換素子14は前述の電気音響変換素子制御ユニット20に接続されている。
さらにこの実施の形態では、3次元基体12の外表面において電気音響変換素子14を形成した複数の伝搬表面帯12aを除いた位置に、3次元基体12を図示しない何等かの台座に支持する為の支持部材32が固定されている。
このように構成されている第2の実施の形態に従った弾性表面波素子30は、第1の実施の形態,第1及び第2の変形例のいずれかに従った弾性表面波素子10に比べると、環境差異検出装置として使用した時により優れている。その理由は以下の通り。
前述の弾性表面波素子10のように、1つの電気音響変換素子14とそれに接続された1つの電気音響変換素子制御ユニット20しか使用しない場合には、前述した外部環境の変化の影響で弾性表面波素子10に何等かの物理的な変化(例えば、外部環境の温度の変化による3次元基体12の膨張或いは収縮)が生じた時に、伝搬表面帯12aを伝搬する弾性表面波の伝搬速度や1周期当たりに要する伝搬時間に微妙な変化が生じる。
従って、前述したように伝搬表面帯12aが接する空間に満たされている流体(気体や流体)の変化(即ち、伝搬表面帯12aが接する外部環境の変化)をより精密に検出しようとするならば、前述した外部環境の変化の影響による弾性表面波素子10の物理的な変化を考慮しなければならない。
図7を参照した第2の実施の形態に従った弾性表面波素子30によれば、3次元基体12の外表面において電気音響変換素子14を形成した複数の伝搬表面帯12aの中の少なくとも1つの伝搬表面帯12aを変化を検出しようと意図している外部環境から隔離するとともに、電気音響変換素子14を形成した複数の伝搬表面帯12aの中の残りの少なくとも1つの伝搬表面帯12aを前記外部環境に接触するよう構成する。
このような構成であれば、外部環境から隔離されている伝搬表面帯12a上の電気音響変換素子14からそれが対応している前述の電気音響変換素子制御ユニット20が受信した信号は外部環境の変化に伴なう弾性表面波素子10の物理的な変化を示し、前記外部環境に接触した前記残りの少なくとも1つの伝搬表面帯12aの電気音響変換素子14からそれが対応している前述の電気音響変換素子制御ユニット20が受信した信号は外部環境の変化に伴なう弾性表面波素子10の物理的な変化に加えて外部環境の変化を示すことになる。
従って、前記外部環境に接触した前記残りの少なくとも1つの伝搬表面帯12aの電気音響変換素子14からそれが対応している前述の電気音響変換素子制御ユニット20が受信した信号から、外部環境から隔離されている伝搬表面帯12a上の電気音響変換素子14からそれが対応している前述の電気音響変換素子制御ユニット20が受信した信号を差し引けば、純粋に外部環境の変化のみを検出することが可能になる。
[変形例]
図8には、図7を参照しながら説明した第2の実施の形態に従った弾性表面波素子30の変形例が示されている。
この変形例では、3次元基体12の外表面において複数の伝搬表面帯12aの交差領域に複数の伝搬表面帯12aに共通の共通励起用電気音響変換素子14’が形成されている。共通励起用電気音響変換素子14’は共通励起用電気音響素子制御ユニット20’に接続されていて、共通励起用電気音響素子制御ユニット20’は共通励起用電気音響変換素子14’を複数の伝搬表面帯12aに同時に同じ周波数の弾性表面波を励起させ伝搬させるよう制御する。
そして、複数の伝搬表面帯12aの夫々において相互に重複しない位置に受信用電気音響変換素子14’’が形成されている。複数の受信用電気音響変換素子14’’の夫々は受信用電気音響変換素子制御ユニット20’’に接続されているとともに、夫々の受信用電気音響変換素子制御ユニット20’’を介して夫々の受信用電気音響変換素子制御ユニット20’’が受信した信号の差異を検出する信号差異検出手段24に接続されている。
そして通常は、複数の受信用電気音響変換素子14’’は複数の伝搬表面帯12aから同時に弾性表面波を受信する。しかしながら、例えば、いずれか1つの伝搬表面帯12aに隣接する外部空間の部分の環境の変化により、いずれか1つの伝搬表面帯12aに例えば液体などの異物が接すると、異物が接したいずれか1つの伝搬表面帯12aにおける弾性表面波の伝搬速度と異物に接していない残りの複数の伝搬表面帯12aにおける弾性表面波の伝搬速度との間で差異が生じる。この差異により、複数の受信用電気音響変換素子14’’に複数の受信用電気音響変換素子制御ユニット20’’を介して接続されている信号差異検出手段24は上記外部空間の部分の環境の変化の程度を知ることが出来る。
なお、この変形例では、複数の伝搬表面帯12aに対し1つの共通励起用電気音響変換素子14’が形成されているとともに対応する複数の受信用電気音響変換素子14’’が形成されているので、1つの共通励起用電気音響変換素子14’の為に1つの共通励起用電気音響素子制御ユニット20’が、また複数の受信用電気音響変換素子14’’の為に複数の受信用電気音響変換素子制御ユニット20’’が設けられている。
このような変形例の共通励起用電気音響素子制御ユニット20’や複数の受信用電気音響変換素子制御ユニット20’’の夫々の回路設計は、図7中に示されている第2の実施の形態の複数の伝搬表面帯12aに対し複数の送受信用の電気音響変換素子14に対応して設けられている複数の送受信制御用の電気音響変換素子制御ユニット20の夫々の回路設計に比べ、遥かに容易である。
[第3の実施の形態]
次に、図9を参照しながら、この発明に従った弾性表面波素子の第3の実施の形態を詳細に説明する。
第3の実施の形態に従った弾性表面波素子40は、3次元基体12が凹所又は中空部を有していて、これら凹所又は中空部の内表面12cが、弾性表面波が伝搬可能な曲面が円環状に連続した伝播表面帯12aを含んでいる。図9には中空部の一種である貫通孔を有した3次元基体12が示されている。
3次元基体12は、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12と同様に、全体がLiNbO3結晶,LiTaO3結晶,又は水晶により形成されている。そして、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12の外表面に3次元基体12を形成している結晶の種類に特有の複数の結晶面の少なくとも1つと前記外表面との交線に伝搬表面帯12aを沿わせる基準となる最大外周線12bが規定されていたのと同様に、第3の実施の形態に従った弾性表面波素子40の3次元基体12の内表面に3次元基体12を形成している結晶の種類に特有の複数の結晶面の少なくとも1つと前記内表面との交線に伝搬表面帯12aを沿わせる基準となる少なくとも1つの最大外周線12bが規定されている。そして、この内表面上で最大外周線12bに沿い連続して延出するよう伝搬表面帯12aが規定されている。この実施の形態の3次元基体12の内表面における伝搬表面帯12aの規定の仕方は、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12の外表面における伝搬表面帯12aの規定の仕方と同じである。従って好ましくは前記内表面上の伝搬表面帯12aの範囲内に最大外周線12bが含まれている。
そして、この実施の形態の3次元基体12の内表面における伝搬表面帯12aにも、伝搬表面帯12aの範囲内で最大外周線12bに沿い弾性表面波を大きく減衰させることなく伝搬させるよう電気音響変換素子14が形成されていて、電気音響変換素子14には前述の電気音響変換素子制御ユニット20が接続されている。
この実施の形態においても、前記内表面は伝搬表面帯12aが前述した所定の方法により規定されていれば、伝搬表面帯12a以外の部位の形状は任意である。
この実施の形態の弾性表面波素子40は、電気音響変換素子14により伝搬表面帯12aに励起され伝搬表面帯12a内を例えば1周回当たり80%以上のエネルギーを保って大きく減衰することなく伝搬する弾性表面波が、3次元基体12の内表面における伝搬表面帯12aが接する環境である貫通孔の内部空間を通過する流体(気体又は流体)の種々の変化に対応して、変化するのを電気音響変換素子14を介して電気音響変換素子制御ユニット20により電気信号として受信することにより、前記環境の変化、即ち差異、を検知することが出来る。
さらに、この実施の形態においても、図7を参照しながら前述した第2の実施の形態の弾性表面波素子30と同様に、前記内表面に3次元基体12を形成している結晶の種類に特有の複数の結晶面と前記内表面との複数の交線に一致させた複数の最大外周線12bに沿った複数の伝搬表面帯12aの夫々に、他の伝搬表面帯12aとの交差部位を除き前述の電気音響変換素子制御ユニット20が接続されている電気音響変換素子14を形成することが出来る。そしてこの場合も、図7を参照しながら前述した第2の実施の形態の弾性表面波素子30と同様に、より精密に環境の差異を検出することが出来る環境差異検出装置として使用することが出来る。
またさらに、この実施の形態においても、図8を参照しながら前述した第2の実施の形態の変形例の弾性表面波素子30と同様に、前記外表面に3次元基体12を形成している結晶の種類に特有の複数の結晶面と前記外表面との複数の交線に一致させた複数の最大外周線12bに沿った複数の伝搬表面帯12aの交差領域に複数の伝搬表面帯12aに共通の共通励起用電気音響変換素子14’を形成するとともに複数の伝搬表面帯12aの夫々において上記交差領域外に受信用電気音響変換素子14’’を形成することも出来る。そしてこの場合も、図8を参照しながら前述した第2の実施の形態の変形例の弾性表面波素子30と同様に、より精密に環境の差異を検出することが出来る環境差異検出装置として使用することが出来る。
[第4の実施の形態]
次に、図10及び図11を参照しながら、この発明に従った弾性表面波素子の第4の実施の形態を詳細に説明する。
第4の実施の形態に従った弾性表面波素子50は、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12と同様に、全体がLiNbO3結晶,LiTaO3結晶,又は水晶により形成されている球形状の3次元基体12を備えている。3次元基体12の外表面には、3次元基体12の材料の複数の結晶面と前記外表面との複数の交線の少なくとも1つを最大外周線12bとし最大外周線12bに沿い円環状に連続する伝搬表面帯12aを規定している。この実施の形態の弾性表面波素子50の3次元基体12の外表面上の伝搬表面帯12aもまた、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12の外表面上の伝搬表面帯12aと同様に、好ましくは伝搬表面帯12aの範囲内に最大外周線12bを含んでいる。
この実施の形態の弾性表面波素子50が、第1の実施の形態や第1及び第2の変形例の弾性表面波素子10と異なっているのは、3次元基体12の外表面上の伝搬表面帯12aに表面弾性波を励起させ、励起させた弾性表面波を伝搬表面帯12aの範囲内で最大外周線12bに沿い伝搬させる電気音響変換素子14が3次元基体12の外表面上の伝搬表面帯12aに直接形成されていないことである。
この実施の形態では、3次元基体12の外表面上の伝搬表面帯12a以外の部分を支持する台座52が伝搬表面帯12aとの間に所定の隙間Sを介して対面する伝搬表面帯対面領域52aを有していて、台座52の伝搬表面帯対面領域52aに電気音響変換素子14が形成されている。伝搬表面帯12aに対する電気音響変換素子14の寸法や配置は、第1の実施の形態や第1及び第2の変形例の弾性表面波素子10において伝搬表面帯12aに電気音響変換素子14が直接形成されている場合と同様である。
なお所定の隙間Sは、電気音響変換素子14が櫛型電極のようなすだれ状電極22の場合、すだれ状電極22のパターンの複数の線要素(端子)の配列周期P(図4の(B)参照)の4分の1以下であることが好ましい。所定の隙間Sが配列周期P(図4の(B)参照)の4分の1以上であると、電気音響変換素子14は3次元基体12の外表面上の伝搬表面帯12aに所望の弾性表面波を常に確実に励起させることが難しくなる。
第4の実施の形態に従った弾性表面波素子50は、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12と同様に、使用することができる。しかも、電気音響変換素子14が3次元基体12の外表面上の伝搬表面帯12aに所定の隙間Sを介して対面している場合には、3次元基体12の外表面上の伝搬表面帯12aに電気音響変換素子14が直接形成されている場合と比べると、伝搬表面帯12aに直接形成されている電気音響変換素子14が電気音響変換素子14により伝搬表面帯12aに励起され伝搬表面帯12a中を伝搬する弾性表面波に極僅かに与えるかも知れない影響を排除することが出来、伝搬表面帯12a中を伝搬する弾性表面波の変化をより精密に検知することが出来る。
さらに第4の実施の形態に従った弾性表面波素子50においても、図8を参照して前述したこの発明の第2の実施の形態の変形例のように、3次元基体12の外表面上に規定することが出来る複数の最大外周線12bに沿う複数の伝搬表面帯12aの交差領域に、台座52の伝搬表面帯対面領域52aを対面させるとともに、この伝搬表面帯対面領域52aに3次元基体12の外表面上の複数の伝搬表面帯12aの上記交差領域に所定の隙間Sを介して対面する共通励起用電気音響変換素子14’を形成することが出来る。さらに、複数の伝搬表面帯12aの夫々において上記交差領域外に伝搬表面帯対面領域52aを有した台座52と同様な追加の台座の伝搬表面帯対面領域を対面させるとともに、この追加の台座の伝搬表面帯対面領域に3次元基体12の外表面上の複数の伝搬表面帯12aの夫々において上記交差領域外に所定の隙間Sを介して対面する受信用電気音響変換素子14’’を形成することが出来る。そしてこの場合も、図8を参照しながら前述した第2の実施の形態の変形例の弾性表面波素子30と同様に、より精密に環境の差異を検出することが出来る環境差異検出装置として使用することが出来る。
[第5の実施の形態]
次に、図12を参照しながら、この発明に従った弾性表面波素子の第5の実施の形態を詳細に説明する。
第5の実施の形態に従った弾性表面波素子60は半球形状を有している3次元基体12’を備えていて、3次元基体12’の外表面に弾性表面波が伝搬可能な曲面が連続した少なくとも円環状の曲面の一部によってなる伝播表面帯12’aを含んでいる。
半球形状の3次元基体12’は、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12と同様に、全体がLiNbO3結晶,LiTaO3結晶,又は水晶により形成されている。そして、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12の外表面に3次元基体12を形成している結晶の種類に特有の複数の結晶面の少なくとも1つと前記外表面との交線に、伝搬表面体12aを連続して沿わせる基準となる最大外周線12bが規定されていたのと同様に、第5の実施の形態に従った弾性表面波素子60の3次元基体12’の半球形状の外表面に3次元基体12’を形成している結晶の種類に特有の複数の結晶面の少なくとも1つと前記外表面との交線に一致させて、伝搬表面体12’aを連続して沿わせる基準となる少なくとも1つの最大外周線12’bが規定されている。そして、好ましくは伝搬表面帯12’aの範囲内に最大外周線12’bが含まれている。
この実施の形態の3次元基体12’の外表面において伝搬表面帯12’aを沿わせる基準となる最大外周線12’bの規定の仕方は、前述の第1の実施の形態,そして第1又は第2の変形例の3次元基体12の外表面における最大外周線12bの規定の仕方と同じである。
そして、この実施の形態の3次元基体12’の外表面における伝搬表面帯12’aにも、伝搬表面帯12’aの範囲内で最大外周線12’bに沿い弾性表面波を1周回当たり少なくとも80%以上のエネルギを保ち伝搬させるよう電気音響変換素子14が直接形成されていて、電気音響変換素子14には前述の電気音響変換素子制御ユニット20が接続されている。
この実施の形態においては、電気音響変換素子14により伝搬表面帯12’aの範囲内に励起され伝搬表面帯12’aの範囲内で最大外周線12’bに沿い伝搬する弾性表面波の伝搬方向に電気音響変換素子14から離れた位置に、弾性表面波反射体62が形成されている。弾性表面波反射体62は、電気音響変換素子14から伝搬表面帯12’a中を弾性表面波反射体62に向い伝搬して来た弾性表面波を伝搬表面帯12’aを同じ経路で電気音響変換素子14に向うよう反射する。
この実施の形態においても、前記外表面は伝搬表面帯12’aが前述した所定の方法により規定されていれば、伝搬表面帯12’a以外の部位の形状は任意である。
この実施の形態においても、3次元基体12’は伝搬表面帯12’a以外の部分が図示しない台座に支持されている。
この実施の形態の弾性表面波素子60は、電気音響変換素子14により少なくとも円環状の曲面の一部によってなる伝搬表面帯12’aに励起され伝搬表面帯12’a内を大きく減衰することなく伝搬する弾性表面波が、3次元基体12の外表面における伝搬表面帯12’aが接する環境である外部空間に含まれている流体(気体又は流体)の種々の変化に対応して、変化するのを電気音響変換素子14を介して電気音響変換素子制御ユニット20により電気信号として受信することにより、前記環境の変化、即ち差異、を検知することが出来る。
さらに、この実施の形態においても、図7を参照しながら前述した第2の実施の形態の弾性表面波素子30と同様に、前記外表面に3次元基体12’を形成している結晶の種類に特有の複数の結晶面と前記外表面との複数の交線により規定された複数の最大外周線12’bに沿った複数の伝搬表面帯12’aの夫々に、他の伝搬表面帯12’aとの交差部位を除き前述の電気音響変換素子制御ユニット20が接続されている電気音響変換素子14を形成することが出来る。なおこの場合、複数の伝搬表面帯12’aの夫々において他の伝搬表面帯12’aとの交差部位を除き電気音響変換素子14と対向する位置に弾性表面波反射体62が設置される。
さらに、図8を参照しながら前述した第2の実施の形態の変形例の弾性表面波素子30と同様に、3次元基体12’の外表面の複数の伝搬表面帯12’aの交差領域に共通励起用電気音響変換素子14’を形成するとともに、複数の伝搬表面帯12’aの夫々において交差領域外に弾性表面波反射体62の代わりに受信用電気音響変換素子14’’を形成しても良い。
またさらに、この実施の形態においても、図9を参照しながら前述した第3の実施の形態の弾性表面波素子40と同様に、3次元基体12に形成した例えば半球形状の凹所又は空洞の内表面に中心線12bを伴なった少なくとも円環状の曲面の一部によってなる伝搬表面帯12aを規定し、このような伝搬表面帯12aに中心線12aに沿い相互に離間し相互に対向する電気音響変換素子14及び弾性表面波反射体62を設置するよう変形させることも出来る。
またさらに、この実施の形態においても、図10及び図11を参照しながら前述した第4の実施の形態の弾性表面波素子50と同様に、3次元基体12’の伝搬表面帯12aに直接電気音響変換素子14を形成するのではなく、伝搬表面帯12aに対し所定の隙間Sを介して対向するよう前述の図示しない台座に電気音響変換素子14を形成することも出来るし、3次元基体12’の外表面の複数の伝搬表面帯12’aの交差領域に所定の隙間Sを介して対向するよう前述の図示しない台座に共通励起用電気音響変換素子14’を形成するとともに複数の伝搬表面帯12’aの夫々において交差領域以外に所定の隙間Sを介して対向するよう前述の図示しない台座に受信用電気音響変換素子14’’を形成することも出来る。
さらに、弾性表面波反射体62の代わりに前述の電気音響変換素子制御ユニット20が接続されているもう1つの電気音響変換素子14を使用することも出来る。