JP2010003896A - ファイバレーザ用光ファイバ及びファイバレーザ - Google Patents

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兵 姚
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和也 齋藤
Akio Sato
彰生 佐藤
Kohei Yanaka
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Abstract

【課題】高品質、高光出力で、シングルモードのレーザ光が得られるファイバレーザ用光ファイバ及びファイバレーザを提供する。
【解決手段】希土類元素が添加されたコアと、該コアの周囲に形成された複数の空孔を有するクラッドとを備え、励起光を増幅させてレーザ光を発振させるファイバレーザ用光ファイバ2において、長手方向の所定位置に、モードフィルタ6が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、高品質、高光出力で、シングルモードのレーザ光が得られるファイバレーザ用光ファイバ及びファイバレーザに関する。
ファイバレーザは、希土類元素からなる励起物質を添加したファイバレーザ用光ファイバに励起光を入射し、再放出された光を発振させるものである。その原理を簡単に説明すると、図5に示されるように、ファイバレーザ用光ファイバである光ファイバ101に入射した励起光がコア102中の励起物質を励起し、励起物質から再放出される光がレーザ光となり、出力される。
図6に示されるように、従来のファイバレーザ111は、励起物質が添加されたファイバレーザ用光ファイバとしての励起用光ファイバ112と、励起用光ファイバ112の両端に配置されたミラー3,4と、励起用光ファイバ112に励起光を入射させる励起光入射手段5とを備える。
励起用光ファイバ112は、例えば、径方向において屈折率が段階的に変化しているステップインデックス型の光ファイバである。ここでは、この光ファイバは、励起物質が添加されたコアの周囲に第1クラッドがあり、第1クラッドの周囲に第2クラッドがあるダブルクラッドファイバである。
ミラー3,4は、例えば、特定波長の光を選択的に反射又は透過するFBGからなる。図の左側は、発振させたい波長の光を全部反射する全反射ミラー3である。図の右側は、発振させたい波長の光を部分的に透過し、部分的に反射する部分反射ミラー4である。
励起光入射手段5は、励起用光源と、励起用光源からの励起光を励起用光ファイバ112に取り込むカプラとを備える。励起用光源として、複数のレーザダイオード7を用い、各レーザダイオード7からの励起光をそれぞれ光源用光ファイバ8でマルチカプラ9に導くようになっている。マルチカプラ9から励起用光ファイバ112に入射した励起光が励起用光ファイバ112を伝搬し増幅しながら励起物質に吸収され、励起物質から光が再放出される。
励起光の波長は、例えば、915nm,975nmであり、励起物質は、例えば、Ybであり、レーザ光の発振波長は、例えば、1030〜1100nmである。
特開2000−200931号公報 特開2000−349369号公報 特開2002−118315号公報 特表2007−522497号公報
ファイバレーザの出力を大きくしようとするには、励起光のパワーを大きくすればよい。しかし、ファイバレーザの出力を大きくしていくと、ステップインデックス型の光ファイバからなるファイバレーザ用光ファイバでは、光ファイバ内のエネルギー密度が高くなり、このために光ファイバが破壊されたり、非線形現象が発生したり、光ファイバが発熱して周囲に熱的影響が及んだりするなどの問題が生じる。
これに対し、光ファイバのコア径を大きくする等の方法によりモードフィールド径を拡大することが有効である。
しかし、光ファイバのコア径を拡大することにより、シングルモードからマルチモードのレーザ発振となり、レーザ光の品質が低下してしまう。
一方、ファイバレーザ用光ファイバとして、フォトニック結晶ファイバ(PCF)を用いた場合、広帯域でシングルモードのレーザ発振を維持しながらモードフィールド径を大きくすることができるが、モードフィールド径を大きくしたことによる曲げ損失の増大があるため、実用化は困難である。
本発明の目的は、上記課題を解決し、高品質、高光出力で、シングルモードのレーザ光が得られるファイバレーザ用光ファイバ及びファイバレーザを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のファイバレーザ用光ファイバは、希土類元素が添加されたコアと、該コアの周囲に形成された複数の空孔を有するクラッドとを備え、励起光を増幅させてレーザ光を発振させるファイバレーザ用光ファイバにおいて、長手方向の所定位置に、モードフィルタが形成されているものである。
上記モードフィルタは、上記空孔の直径dと上記空孔の間隔Λとの比d/Λが0.44未満となるように上記空孔の構造を変形させて形成されていてもよい。
上記モードフィルタは、上記空孔を放電、あるいはレーザ光照射により変形させて形成されていてもよい。
上記モードフィルタは、100mm未満の長さを有してもよい。
上記モードフィルタは、上記光ファイバの長さ方向の複数箇所に形成されていてもよい。
上記モードフィルタは、直線状に配置される部分に形成されていてもよい。
本発明のファイバレーザは、請求項1〜6のいずれかに記載のファイバレーザ用光ファイバと、上記ファイバレーザ用光ファイバへ励起光を入射させる励起光入射手段とを備えるものである。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)高品質のレーザ光が得られる。
(2)高光出力のレーザ光が得られる。
(3)シングルモードのレーザ光が得られる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本発明は、高次モードの発振を抑制するために、コアに希土類元素が添加され、コアの周囲に複数の空孔を有するファイバレーザ用光ファイバにモードフィルタが形成されたファイバレーザ用光ファイバを提供するものである。この構成を有するファイバレーザ用光ファイバを備えたファイバレーザでは、高出力のレーザ光が得られる。
以下に、その原理について詳しく考察する。
ファイバレーザは、光ファイバをシングルモードの光が伝搬するシングルモード動作条件を考慮する必要がある。シングルモードで光を伝搬させると高品質のレーザ光が得られるからである。逆に言うと、マルチモードで光を伝搬させるとレーザ光の品質が良くない。レーザ光の品質は、ビームの断面径を小さく絞ることができるほど品質が良いとし、ビームの断面径を小さく絞れないのは品質が良くないとする。
図7(a)、図7(b)に示すように、コアの屈折率がnc、クラッドの屈折率がncl、コアの半径がaとする。このとき、式(1)を満足すれば、光ファイバをシングルモードの光が伝搬する。
Figure 2010003896
ここで、V(λ)は正規化周波数である。正規化周波数V(λ)が2.405以下であれば光ファイバがシングルモード動作することが分かる。例として、波長が1.06μmのときを考察する。λ=1.06μm、V(λ)=2.405、N.A.(光の閉じ込めに関係する値)=(nc2(λ)−ncl2(λ))1/2=0.06を用いて、コア半径aを求めると、
Figure 2010003896
となり、光ファイバがシングルモード動作するためのコア半径aは6.6μm以下である。
次に、ファイバレーザにおける発振モードについて考察する。
図8(a)に示したモデルは、所定間隔Lを隔てて置いた全反射ミラー121と部分透過ミラー122との間に増幅媒質123を配置したものである。この増幅媒質123に図示しない励起光を注入すると、全反射ミラー121と部分透過ミラー122との間で発振光が得られ、その光が部分透過ミラー122から外部へ取り出される。
このとき、ミラー間における利得と損失の関係を見ると、図8(b)に示されるように、利得が全体的に小さいときには、利得が損失を超える周波数νの範囲が狭い。周波数軸に沿って離散的に存在する発振周波数のうち利得が損失を超える周波数νの範囲に含まれる発振周波数はqのみである。発振できる周波数が1つに限られるので、発振モードはシングルモードとなる。
一方、図8(c)に示されるように、利得が全体的に大きいときには、利得が損失を超える周波数νの範囲が広い。周波数軸に沿って離散的に存在する発振周波数のうち利得が損失を超える周波数νの範囲に含まれる発振周波数はq−1,q,q+1,q+2である。発振できる周波数が複数あるために、発振モードはマルチモードとなる。
以上より、発振モードをシングルモードとする方法は、ミラー間における利得を下げるか、又は損失を増加することである。そこで、ミラー間における光ファイバを曲げて曲げ損失を形成することで、発振モードをシングルモードとすることができる。
図9に示されるように、コア直径2a=30μm、N.A.=0.06の光ファイバにおいて、横軸のように曲げ半径を大きくしていくと、曲げ損失は大きくなる。パラメータLP02,LP21,LP11,LP01は、高次モードを表す。曲げ半径50mmのときのLP11における曲げ損失は50dB/mであり、曲げ半径50mmのときのLP01における曲げ損失は0.01dB/mである。この図から、各高次モードのレーザ発振は曲げ損失によって効果的に除去できることが分かる。これに対し、基本モード(図示せず)における曲げ損失はほとんどない。しかし、コア直径2aが30μmを超えると、高次モードと基本モードにおける曲げ損失の差が小さくなる。
次に、ファイバレーザにフォトニック結晶ファイバを用いた場合を考察する。
図10に示されるように、フォトニック結晶ファイバ131は、空孔132を有する光ファイバである。図示したフォトニック結晶ファイバ131は、径方向に屈折率が均一な光ファイバ133に、中心から所定距離以上、所定距離以下の範囲に多数の空孔132を設けてある。空孔132は、光ファイバ断面に円周角120°ごとに引いた3つの直線に沿って一定間隔で設けられている。空孔132の直径をd、隣接し合う空孔同士の間隔(空孔間隔)をΛ、空孔リング数をN、光ファイバ133を構成する素材である石英の屈折率をn、光の波長をλとする。
このとき、コアサイズ(コアの半径)a=[2Λ−d]と定義できる。なお、ここではコアとは光が閉じ込められる領域を指す。
フォトニック結晶ファイバにおいてシングルモードでレーザ発振が可能な条件は次のように求まる。図11に示されるように、光の波長λを空孔間隔Λで割って規格化し、その規格化波長λ/Λを横軸に取る。縦軸には正規化周波数Veff(λ)をとる。
正規化周波数Veff(λ)は、
Figure 2010003896
で表される。正規化周波数Veff(λ)が円周率未満、すなわちVeff(λ)<πであれば、フォトニック結晶ファイバにおいてシングルモードでレーザ発振が可能である。そこで、正規化周波数Veff(λ)=πを境界にシングルモード発振領域とマルチモード発振領域を定義できる。
このとき、空孔直径dを空孔間隔Λで割って規格化し、その規格化空孔直径d/Λをパラメータとして、規格化波長λ/Λに対応する正規化周波数Veff(λ)を示すと、図11のように、規格化空孔直径d/Λが所定値より大きい場合は、正規化周波数Veff(λ)が規格化波長λ/Λによってシングルモード発振領域とマルチモード発振領域に入るが、規格化空孔直径d/Λが所定値より小さい場合は、正規化周波数Veff(λ)が規格化波長λ/Λによらずシングルモード発振領域のみに存在する。
具体的には、規格化空孔直径d/Λが0.44未満(図中にハッチングを付したパラメータの範囲)であれば、光の波長にもコアの半径にも依存せず、フォトニック結晶ファイバにおいては、シングルモードでレーザ発振が可能である。
ここで、図12の特性141に示されるように、フォトニック結晶ファイバにおける空孔間隔Δとモードフィールド径との関係を見ると、空孔間隔Δが大きくなるに従いほぼ比例してモードフィールド径が大きくなる。一方、特性142に示されるように、正規化周波数Veff(λ)は、空孔間隔Δが大きくなっても3を超えない。よって、フォトニック結晶ファイバにおいては、シングルモードでのレーザ発振を維持しつつ、コア半径aに相当するモードフィールド径を大きくすることができる。
ここまでの考察から、ファイバレーザにフォトニック結晶ファイバを用いると、シングルモードでのレーザ発振を維持しつつ、モードフィールド径を大きくして出力を大きくすることができることが分かる。
ところが、モードフィールド径を大きくしたフォトニック結晶ファイバには、曲げ損失が大きいという別の問題が存在する。
図13に示されるように、曲げ直径を一定にしたフォトニック結晶ファイバにおいて、モードフィールド径を大きくしていくと、曲げ損失が増大する。図示例では、曲げ直径が200mmにおいて、モードフィールド径が20μm未満で曲げ損失が10dB/m以上になり、モードフィールド径が30μmでは曲げ損失が100dB/mに達している。このように、曲げ損失が大きいため、曲げ直径を小さくできない。曲げ直径が大きくなることは、ファイバレーザを製造、運送、設置する際に、取り扱い、設置方法、スペースなどに大きな制約が生じる。
なお、フォトニック結晶ファイバは、図14に示されるように、規格化空孔直径(以下、構造パラメータという)d/Λが大きいほど曲げ損失が小さいという性質を有する。すなわち、横軸に構造パラメータd/Λをとり、縦軸に正規化周波数Veff(λ)をとると、図14の特性151に示されるように、構造パラメータd/Λの増大に対して正規化周波数Veff(λ)がほぼ直線的に増大することを示す。一方、縦軸に曲げ損失をとると、図14の特性152に示されるように、構造パラメータd/Λの増大に対して曲げ損失が減少することを示す。
つまり、構造パラメータd/Λが大きいフォトニック結晶ファイバは、正規化周波数が大きく、曲げ損失が小さい。構造パラメータd/Λが小さいフォトニック結晶ファイバは、正規化周波数が小さく、曲げ損失が大きい。
以上の考察に基づき、本発明のファイバレーザ用光ファイバ及びファイバレーザの実施形態を説明する。
図1に示されるように、本発明に係るファイバレーザ用光ファイバは、希土類元素が添加されたコアと、該コアの周囲に形成された複数の空孔を有するクラッドとを備え、励起光を増幅させてレーザ光を発振させるファイバレーザ用光ファイバ2において、長手方向の所定位置に、モードフィルタ6が形成されているものである。
本発明に係るファイバレーザ1は、励起物質が添加された励起用光ファイバ2と、励起用光ファイバ2の両端に配置された全反射ミラー3及び部分反射ミラー4と、励起用光ファイバ2に励起光を注入する励起光入射手段5とを備えたファイバレーザ1において、励起用光ファイバ2がフォトニック結晶ファイバであって、このフォトニック結晶ファイバの長手方向所定位置にd/Λが0.44未満(d:空孔直径、Λ:空孔間隔)であるモードフィルタ6が形成されたものである。
本発明のファイバレーザ1は、フォトニック結晶ファイバからなる励起用光ファイバ2の長手方向所定位置にd/Λが0.44未満(d:空孔直径、Λ:空孔間隔)であるモードフィルタ6が形成された点を除けば図4で説明したファイバレーザと同じであるから、全反射ミラー3、部分反射ミラー4、励起光入射手段5については説明を省略する。
励起用光ファイバ2(図2、図3参照)となるフォトニック結晶ファイバは、Yb等の励起物質が添加された第1クラッド21の周囲に第2クラッド22が形成され、第2クラッド22の周囲に図示されていない被覆層が形成され、第1クラッド21に空孔23を有するフォトニック結晶ファイバである。
モードフィルタ6となるフォトニック結晶ファイバは、空孔23と同じピッチで同じ個数の空孔24を有するが、励起用光ファイバ2とは構造パラメータ(d/Λ)が異なる。本実施形態では、モードフィルタ6は励起用光ファイバ2となるフォトニック結晶ファイバの長さ方向の一部が変形加工されたものである。
図2に、フォトニック結晶ファイバの各部分の断面を示す。断面Aと断面Cは、励起用光ファイバ2の断面であり、断面Bはモードフィルタ6の断面である。空孔間隔Λは断面によらず一定であり、断面Aと断面Cにおける空孔23の直径dよりBにおける空孔24の直径dより大きい。具体的には、断面Aと断面Cにおける構造パラメータ(規格化空孔直径)d/Λは0.44を超えており、断面Bにおける構造パラメータd/Λは0.44に満たない。
モードフィルタ6となるフォトニック結晶ファイバは、規格化空孔直径d/Λが0.44未満(図9参照)であり、シングルモード条件を満たしている。つまり、モードフィルタ6は、シングルモード動作するフォトニック結晶ファイバを用いて、マルチモード光(高次モードのレーザ光)を遮断するものである。
励起用光ファイバ2及びモードフィルタ6となるフォトニック結晶ファイバのモードフィールド径は、例えば、30μm以上とする。
モードフィルタ6は、直線状に伸ばされて配置される部分に形成され、その長さLfは、100mm未満が望ましい。ただし、モードフィルタ6の長さが短すぎると、高次モードのレーザ光がモードフィルタ6を透過してしまうので、長さLfは、ある程度の大きさは必要である。
励起用光ファイバ2は、ループ状に曲げられる(図4参照)。
モードフィルタ6の製造方法を図3により説明する。
図3(a)に示されるように、フォトニック結晶ファイバ31は、Yb等の励起物質が添加されたコア32の周囲にクラッド33が形成され、クラッド33の周囲に被覆層34が形成され、クラッド33に空孔35を有する。フォトニック結晶ファイバ31の構造パラメータ(規格化空孔直径)d/Λは0.44を超えているものとする。このフォトニック結晶ファイバ31の長手方向の一部において、被覆層34を除去する。
次いで、この被覆層除去部に対し、通常のファイバ融着で行うような放電を行うか、CO2レーザ等のレーザ装置よりレーザ光を照射するか、ファイバカプラ形成時のようにマイクロバーナで加熱するなどして空孔構造を変形させる。具体的には、フォトニック結晶ファイバ31の構造パラメータ(規格化空孔直径)d/Λが0.44未満となるように、空孔直径dを小さくさせる。
このようにして、空孔35を空孔35より空孔直径dの小さい空孔36とした後、リコート材料37を被覆層34の欠如部分に埋め込んで被覆層34を修復する。この結果、継ぎ目のない一連のフォトニック結晶ファイバの長さ方向に、励起用光ファイバ2とモードフィルタ6が適宜な距離で交互に並ぶフォトニック結晶ファイバ31を製造することができる。
本発明のファイバレーザ用光ファイバ11の動作原理を簡単に説明すると、図2示されるように、励起用光ファイバ2に入射した励起光が励起用光ファイバ2の第1クラッド21中の励起物質を励起し、励起物質から再放出される光がレーザ光となる。励起用光ファイバ2は、構造パラメータ(規格化空孔直径)d/Λが0.44を超えるフォトニック結晶ファイバである。よって、レーザ光はマルチモード光になる。しかし、このレーザ光は、構造パラメータd/Λが0.44に満たないフォトニック結晶ファイバからなるモードフィルタ6を通るため、レーザ光はシングルモード光になる。
このように、本発明のファイバレーザ1は、曲げ損失が小さいがマルチモード動作する励起用光ファイバ2と、この励起用光ファイバ2内に、曲げ損失が大きいが高次モード光を除去できるモードフィルタ6とを長さ方向に並べて形成されたファイバレーザ用光ファイバを備えたことにより、基本モード光のみを出力させることができ、しかも、直線状にしなければならない部分が短いので、小型で実用的なファイバレーザ1が実現できる。
本発明のファイバレーザ1の動作を詳細に説明する。
図1に示されるように、励起光入射手段5中の各レーザダイオード7から出射された所定の波長を有する励起光は、光源用光ファイバ8でマルチカプラ9に導かれる。マルチカプラ9から励起用光ファイバ2に入射した励起光が励起用光ファイバ2の第1クラッド21を伝搬しながら励起物質に吸収され、励起物質から光が再放出される。励起用光ファイバ2の一端に配置された全反射ミラー3では、発振させたい波長の光が全部反射される。一方、励起用光ファイバ2のもう一端に配置された部分反射ミラー4では、発振させたい波長の光が部分的に透過され、部分的に反射される。この結果、部分反射ミラー4からレーザ光が出力される。
このとき、本発明にあっては、励起用光ファイバ2がフォトニック結晶ファイバであって、このフォトニック結晶ファイバの構造パラメータd/Λが0.44を超えている。よって、もし、モードフィルタ6がなければ、レーザ光のエネルギーを十分に大きくすると、励起用光ファイバ2内で発振するレーザ光はマルチモードとなる。
モードフィルタ6はフォトニック結晶ファイバであって、このフォトニック結晶ファイバの構造パラメータd/Λが0.44に満たない。このため、励起用光ファイバ2からモードフィルタ6に入射したレーザ光のうち高次モードのレーザ光はモードフィルタ6を透過しない。モードフィルタ6を透過するレーザ光は基本モードのみとなる。よって、ファイバレーザ1で発振するレーザ光はシングルモードとなり、部分反射ミラー4から出力されるレーザ光はシングルモードとなる。
この結果、高品質、高光出力で、シングルモードのレーザ光が得られる。
本発明にあっては、励起用光ファイバ2には曲げ損失の小さいフォトニック結晶ファイバを用いたので、励起用光ファイバ2に所望の小さい曲げ半径(又は直径)を与えることができる。一方、モードフィルタ6に用いるフォトニック結晶ファイバは曲げ損失が大きいため直線状にして使用する必要があるが、その長さLfは100mm未満である。この結果、ファイバレーザ1を小型に形成することができる。
本発明にあっては、フォトニック結晶ファイバの長さ方向の一部において構造を変形させるように加工して構造パラメータを変更したので、融着等のファイバ接続部がなくなり、接続損失をなくすることができる。
本発明のファイバレーザ1は、図1の実施形態のようにモードフィルタ6を1箇所だけ設けたものに限定されない。図4(a)、図4(b)のように、励起用光ファイバ2となるフォトニック結晶ファイバ中にモードフィルタ6を複数箇所に設けてもよい。
図4(a)に示したファイバレーザ41は、長さLfが100mm未満のモードフィルタ6を励起用光ファイバ2と励起用光ファイバ2の間に2箇所設けたものである。モードフィルタ6の個数は3以上いくらでも良い。
図4(b)に示したファイバレーザ42は、第1の励起用光ファイバ2aと第2の励起用光ファイバ2bの間に長さLfが100mm未満のモードフィルタ6を設け、さらに、第2の励起用光ファイバ2bが折り返された部分にも同様のモードフィルタ6を設けたものである。このように励起用光ファイバ2を折り返して、複数個のモードフィルタ6の直線状部分を平行に配置することにより、ファイバレーザ42の全体が一方向に長くなるのを回避してファイバレーザ42の小型化を実現することができる。
図4(a)、図4(b)に示したファイバレーザ41,42は、モードフィルタ6を固定台43に載せ、固定具44で固定したものである。
本発明の一実施形態を示すファイバレーザの構成図である。 本発明のファイバレーザの動作原理を説明するために光ファイバ中における光の振る舞いを示した側断面図である。 (a)及び(b)は、本発明のファイバレーザに用いるフォトニック結晶ファイバの製造方法を示す側断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態を示すファイバレーザの部分構成図である。 従来のファイバレーザの動作原理を説明するために光ファイバ中における光の振る舞いを示した斜透視図である。 従来のファイバレーザの構成図である。 (a)はステップインデックス型光ファイバ中における光の振る舞いを示した図であり、(b)は径方向の屈折率分布図である。 (a)はファイバレーザの原理モデル図、(b)はシングルモード発振となる利得と損失の関係を示す図、(c)はマルチモード発振となる利得と損失の関係を示す図である。 光ファイバの曲げ半径対曲げ損失特性グラフである。 フォトニック結晶ファイバの断面図である。 フォトニック結晶ファイバの規格化空孔直径(構造パラメータ)をパラメータとした規格化波長対正規化周波数特性グラフである。 フォトニック結晶ファイバの空孔間隔対正規化周波数及びモードフィールド径特性図である。 フォトニック結晶ファイバのモードフィールド径対曲げ損失特性グラフである。 フォトニック結晶ファイバの構造パラメータ対正規化周波数及び曲げ損失特性グラフである。
符号の説明
1 ファイバレーザ
2 励起用光ファイバ(ファイバレーザ用光ファイバ)
3 全反射ミラー
4 部分反射ミラー
5 励起光入射手段
6 モードフィルタ

Claims (7)

  1. 希土類元素が添加されたコアと、該コアの周囲に形成された複数の空孔を有するクラッドとを備え、励起光を増幅させてレーザ光を発振させるファイバレーザ用光ファイバにおいて、
    長手方向の所定位置に、モードフィルタが形成されていることを特徴とするファイバレーザ用光ファイバ。
  2. 上記モードフィルタは、上記空孔の直径dと上記空孔の間隔Λとの比d/Λが0.44未満となるように上記空孔の構造を変形させて形成されていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ用光ファイバ。
  3. 上記モードフィルタは、上記空孔を放電、あるいはレーザ光照射により変形させて形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のファイバレーザ用光ファイバ。
  4. 上記モードフィルタは、100mm未満の長さを有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のファイバレーザ用光ファイバ。
  5. 上記モードフィルタは、上記光ファイバの長さ方向の複数箇所に形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のファイバレーザ用光ファイバ。
  6. 上記モードフィルタは、直線状に配置される部分に形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のファイバレーザ用光ファイバ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のファイバレーザ用光ファイバと、上記ファイバレーザ用光ファイバへ励起光を入射させる励起光入射手段とを備えることを特徴とするファイバレーザ。
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