JP2010003615A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換効率を向上させることができる光電変換装置を提供すること。
【解決手段】透明導電基板1と、透明導電基板1に対向配置される対極2と、透明導電基板1及び対極2間に設けられ、入射した光を電気に変換させる発電部3と、透明導電基板1及び対極2間に設けられ、発電部3に隣接する非発電部4とを備え、非発電部4が、透明導電基板1のうち対極2側の表面上に設けられる金属配線11と、金属配線11を被覆し且つ透明導電基板1に接触する配線保護層12とを有し、配線保護層12が、発電部3にて電気に変換される光を透過可能であり、対極2が、配線保護層12を透過した光を反射又は散乱させる光反射散乱部を有する光電変換装置100。
【選択図】図1
【解決手段】透明導電基板1と、透明導電基板1に対向配置される対極2と、透明導電基板1及び対極2間に設けられ、入射した光を電気に変換させる発電部3と、透明導電基板1及び対極2間に設けられ、発電部3に隣接する非発電部4とを備え、非発電部4が、透明導電基板1のうち対極2側の表面上に設けられる金属配線11と、金属配線11を被覆し且つ透明導電基板1に接触する配線保護層12とを有し、配線保護層12が、発電部3にて電気に変換される光を透過可能であり、対極2が、配線保護層12を透過した光を反射又は散乱させる光反射散乱部を有する光電変換装置100。
【選択図】図1
Description
本発明は、光電変換装置に関する。
光電変換装置として、シリコンを用いた太陽電池、色素増感型太陽電池などが知られている。中でも、色素増感型太陽電池は、安価で、高い光電変換効率が得られることから注目されており、さらなる光電変換効率の向上を目指して種々の開発が行われている。
色素増感型太陽電池は一般に、透明基板及び透明導電層を有する透明導電基板と、透明導電基板に対向して配置される対極と、透明導電基板の対極側に設けられる半導体電極層と、半導体電極層に担持される光増感色素と、半導体電極層の周囲に充填される電解質部とを主要構成要素としており、電解質部は、例えばI−/I3 −などの酸化還元系(レドックス対)を含む電解液などで構成されている。
このような色素増感型太陽電池においては、入射された可視光によって光増感色素中の電子が励起され、そのようにして励起された光増感色素から半導体電極の伝導帯に電子が注入され、外部回路へと流れ出る。外部回路から戻ってきた電子は対極にてトリヨウ化物イオン(I3 −)を還元し、電子を失い酸化された光増感色素がヨウ化物イオン(I−)により再還元され、こうして発電が行われる。
このような色素増感型太陽電池として、大電流を取り出すために、透明導電層の対極側表面に金属配線を設けた色素増感型太陽電池が知られている(例えば下記特許文献1参照)。この色素増感型太陽電池においては、金属配線が電解質部との接触により腐食されるおそれがあるため、金属配線には配線保護層が設けられている。
特開2005−346971号公報
しかし、上記特許文献1に記載の色素増感型太陽電池において、配線保護層は、金属配線を電解質部から保護するものの、配線保護層が設けられる領域は、発電に寄与しない非発電部となっている。そのため、金属配線を電解質部から保護するために配線保護層を設けても、色素増感型太陽電池全体としての光電変換効率をより一層向上させることは困難である。
そこで、本発明は、光電変換効率を向上させることができる光電変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、透明導電基板と、前記透明導電基板に対向して配置される対極と、前記透明導電基板と前記対極との間に設けられ、入射した光を電気に変換させる発電部と、前記透明導電基板と前記対極との間に設けられ、前記発電部に隣接する非発電部と、を備えており、前記非発電部が、前記透明導電基板のうち前記対極側の表面上に設けられる金属配線と、前記金属配線を被覆し且つ前記透明導電基板に接触する配線保護層とを有し、前記配線保護層が、前記発電部にて電気に変換される光を少なくとも透過させることが可能となっており、前記対極が、前記配線保護層を透過した光を反射又は散乱させる光反射散乱部を有すること、を特徴とする光電変換装置である。
この光電変換装置によれば、光が透明導電基板に照射されると、透明導電基板を透過した光は発電部に入射され、入射した光は、発電部にて、透明導電基板及び対極とともに、電気に変換される。一方、透明導電基板を透過した光は非発電部に入射される。このとき、非発電部の配線保護層に入射した光のうち、少なくとも発電部にて電気に変換される光は配線保護層を透過し、対極の光反射散乱部によって反射又は散乱される。この反射又は散乱された光は、直接又は、金属配線若しくは透明導電基板表面と上記光反射散乱部との間の反射を繰り返して発電部に入射され、発電部にて電気に変換される。このため、非発電部に入射して本来は発電に寄与しない光までもが、発電に寄与することが可能となり、入射した光が有効利用される。その結果、光電変換効率を向上させることができる。
また上記光電変換装置においては、前記対極のうち前記配線保護層に対向する保護層対向面が前記光反射散乱部を有し、前記光反射散乱部が、凹部及び凸部、又はそのいずれか一方を有していてもよい。この場合、配線保護層を透過した光が、対極の保護層対向面における凹部及び凸部またはそのいずれか一方によって散乱され、その散乱光を発電部に導くことが可能となる。
上記光電変換装置においては、具体的には、前記光反射散乱部が、入射した光を散乱させる粒子を含む。この場合、配線保護層を透過した光が、上記粒子によって散乱され、その散乱光が発電部に導かれる。
さらに、上記光電変換装置においては、前記対極が前記光反射散乱部と、前記光反射散乱部に対して前記配線保護層側に設けられる触媒層又は導電層とを備えており、前記触媒層又は前記導電層が、前記配線保護層を透過した光を透過させることが可能であってもよい。この場合、配線保護層を透過した光が、触媒層または導電層を透過して光反射散乱部に入射され、光反射散乱部で散乱され、その散乱光が発電部に導かれることになる。
本発明によれば、光電変換効率を向上させることができる光電変換装置が提供される。
以下、本発明に係る光電変換装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る光電変換装置の好適な実施形態を示す部分断面図、図2は、図1の対極を示す部分拡大断面図である。図1に示すように、本実施形態の光電変換装置100は色素増感型太陽電池を示している。
図1は、本発明に係る光電変換装置の好適な実施形態を示す部分断面図、図2は、図1の対極を示す部分拡大断面図である。図1に示すように、本実施形態の光電変換装置100は色素増感型太陽電池を示している。
光電変換装置100は、透明導電基板1と、透明導電基板1に対向するように配置される対極2とを備えている。透明導電基板1と対極2との間には、入射した光を電気に変換する複数の発電部3が設けられている。また透明導電基板1と対極2との間であって隣接する発電部3同士間には非発電部4が配置されている。
透明導電基板1は、透明基板5と、透明基板5の対極2側に設けられる透明導電層6とを備えている。
透明基板5を構成する材料は、透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)などの樹脂、酸化チタン、アルミナなどのセラミックスが挙げられる。
透明導電層6を構成する材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(Indium−Tin−Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO2)、フッ素添加酸化スズ(Fluorine−doped−Tin−Oxide:FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電層6は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよいが、複数の層で構成される積層体を用いると、各層の特性を反映させることが可能となることから好ましい。中でも、ITOで構成される層と、FTOで構成される層との積層体を用いることが好ましい。この場合、高い導電性、耐熱性及び耐薬品性を持つ透明導電層6が実現できる。
透明導電層6を形成する方法としては、例えばスパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法(SPD:Spray Pyrolysis Deposition)及びCVD法などが挙げられる。透明導電層6の厚さは例えば0.001μm〜10μmの範囲にすればよい。
発電部3は、酸化物半導体多孔膜で構成される半導体層7と、半導体層7の酸化物半導体多孔膜に担持される光増感色素とを有し、半導体層7は、透明導電層6の対極2側に設けられている。また発電部3は、半導体層7の周囲に設けられる電解質部13を有している。電解質部13は対極2及び非発電部4にも接触するように配置されている。なお、電解質部13は、非発電部4と対極2との間に入り込んでいてもよい。
半導体層7を構成する酸化物半導体多孔膜は、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In3O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タリウム(Ta2O5)、酸化ランタン(La2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ホスホニウム(Ho2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化セリウム(CeO2)、アルミナ(Al2O3)又はこれらの2種以上で構成される酸化物半導体粒子で構成される。これら酸化物半導体粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが、必要な比表面積を確保するという理由から好ましい。半導体層7の厚さは、例えば0.5〜50μmとすればよい。
酸化物半導体多孔膜を形成するためには、例えば上記酸化物半導体粒子を焼結させることにより得ることができる。
光増感色素は、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。
光増感色素を半導体層7に担持させるためには、例えば、光増感色素を含有する溶液を半導体層7を浸漬させることによって光増感色素を酸化物半導体多孔膜に吸着させればよい。
電解質部13は例えば電解液となっており、電解液は例えばI−/I3 −などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI−/I3 −のほか、臭素/臭化物イオンなどの対であってもよい。
電解質部13としては、イオン液体電解質にSiO2、TiO2、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットイオンゲル電解質を用いてもよい。イオン液体電解質としては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、LiI、I2、4−t−ブチルピリジンを所定量溶解したものなどが挙げられる。
電解質部13を半導体層7の周囲に設ける方法としては、電解質部13が電解液である場合には、半導体層7に対向するように対極2を配置し対極2の周囲を封止材で封止した後、封止材に形成した電解液を注入するための注入口を通して電解液を注入する方法が挙げられる。また、電解質部13が上記ナノコンポジットイオンゲル電解質である場合には、上記ナノコンポジットイオンゲル電解質を含むペーストを用意し、これを例えばスクリーン印刷法等によって塗布し、乾燥する方法も挙げられる。
非発電部4は、透明導電基板1の対極2側の表面上、具体的には、透明導電層6の表面上に設けられる金属配線11と、金属配線11を被覆する配線保護層12とを備えている。配線保護層12は、電解質部13と金属配線11との接触を防止するため、金属配線11の全体を覆うように金属配線11を被覆している。即ち、配線保護層12は、金属配線11に跨るように設けられ、透明導電基板1の透明導電層6に接触している。
金属配線11を構成する材料は、透明導電層6よりも低い抵抗を有する材料であればよく、このような材料としては、例えば金、銀、銅、白金、アルミニウム、チタン及びニッケルなどの金属が挙げられる。この中でも、導電性や汎用性の観点から銀、銅、アルミニウム、ニッケルが好ましい。金属配線11の形状としては例えば格子状、縞状及び櫛状が挙げられるが、形状は、必要な形状を適宜選択すればよい。
金属配線11は、例えば、上記金属の酸化物(例えば酸化銀)で構成される粒子と、エチレングリコールなどの還元剤とを配合してペーストとし、そのペーストを、スクリーン印刷法などの印刷法を用いて所望の形状を形成するように塗膜し、加熱して焼成することによって得ることができる。または、銀粒子とガラスフリットとを溶媒に混合してペーストとし、そのペーストを、スクリーン印刷法などの印刷法を用いて所望の形状を形成するようにして塗膜し、加熱して焼成することによっても得ることができる。
配線保護層12は、発電部3にて電気に変換される光、即ち光増感色素を励起可能な可視光、を少なくとも透過させることが可能となっている。
配線保護層12を構成する材料としては、例えば非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどのガラス、透明なシリコーンワニス、透明なポリイミドなどの透明樹脂などが挙げられる。なお、これらの材料は、無色透明でもよく、有色透明であっても、光増感色素を励起可能な可視光を透過させることができるものであれば使用可能である。
配線保護層12は、例えば、上記材料またはその前駆体に、必要に応じて増粘剤、結合剤、分散剤、溶剤などを配合してなるペーストを、スクリーン印刷法などにより金属配線11を被覆するように塗布し、加熱処理することによって得ることができる。
対極2は、導電層9と、導電層9の透明導電基板1側に設けられて対極2の表面における還元反応を促進する触媒層10とを備えている。図2に示すように、触媒層10は、配線保護層12に対向する保護層対向面10aを有しており、この保護層対向面10aの少なくとも一部は粗面化された粗面化部10bとなっている。即ち、保護層対向面10aの粗面化部10bは凹部10c及び凸部10dを有し、非発電部4に対して透明導電基板1と反対側に設けられている。この粗面化部10bによって光反射散乱部が構成されている。
保護層対向面10aのうち粗面化部10bの表面粗さRaは特に限定されないが、0.05〜50μmであると、可視光が効果的に散乱されるので、好ましい。
導電層9は、例えばチタン、ニッケル、金などの金属材料や、ITO、FTO等の導電性酸化物で構成される。ここで、導電層9を上記金属材料で構成し、導電層9を金属箔で構成すると、透明導電基板1の表面を基準とした配線保護層12の高さと、電解質部13の高さとの間の差に基づき凹凸構造が形成されていても、図1及び図2に示すように、対極2を、その凹凸構造に追従して容易に変形させることが可能となる。
触媒層10は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。
保護層対向面10aの粗面化部10bは、例えば保護層対向面10aをサンドブラスト又はエッチングにより粗面化することで得ることができる。
上記光電変換装置100によれば、光が透明導電基板1に照射されると、光は、透明基板5及び透明導電層6を透過して発電部3に入射される。発電部3に入射された光は、まず半導体層7に入射され、光増感色素を励起する。そして、励起された光増感色素から半導体層7の伝導帯に電子が注入され、外部回路(図示せず)へと流れ出る。外部回路から光電変換装置100に戻ってきた電子は対極2にてトリヨウ化物イオン(I3 −)を還元し、電子を失い酸化された光増感色素がヨウ化物イオン(I−)により再還元され、こうして発電が行われる。
一方、透明導電基板1を透過した光は非発電部4にも入射される。このとき、配線保護層12は透明導電基板1の透明導電層6に接触しており、光増感色素を励起可能な可視光を少なくとも透過させることが可能となっている。このため、非発電部4のうち配線保護層12に入射した光のうち少なくとも可視光は配線保護層12を透過し、対極2の触媒層10の保護層対向面10aに入射される。ここで、保護層対向面10aは粗面化部10bを有している。このため、保護層対向面10aの粗面化部10bに入射された光は散乱される。この散乱された光は、直接又は、金属配線11若しくは透明導電基板1の表面と上記保護層対向面10aとの間の反射を繰り返して発電部3に入射され、発電部3にて電気に変換される。このため、非発電部4に入射して本来は発電に寄与しない光までもが、発電に寄与することが可能となり、入射した光が有効利用される。従って、光電変換装置100によれば、光電変換効率を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図3は、本発明の光電変換装置の第2実施形態を示す部分拡大断面図である。図3に示すように、本実施形態の光電変換装置200は、対極2が、触媒層210に対して配線保護層12側(導電層9と反対側)に光散乱層(光反射散乱部)201をさらに備え、光散乱層201が、入射される光を散乱させる複数の粒子203を含む点で、第1実施形態の光電変換装置100と相違する。
ここで、光散乱層201は、触媒層210上に連続して形成されている。光散乱層201を構成する粒子203は、例えば樹脂や半導体からなるナノ粒子で構成することができる。このような光散乱層201は、例えばナノ粒子を含むペーストを印刷し乾燥して形成することができる。ナノ粒子の平均粒径は、可視光を効果的に散乱させる点からは、100〜1000nmであることが好ましい。半導体としては、例えば酸化チタン、シリカ、酸化ジルコニウムなどの半導体層7を構成する材料と同様のものを用いることができる。
本実施形態の光電変換装置200によれば、非発電部4に入射した光のうち、光増感色素を励起可能な可視光が配線保護層12を透過した後、光散乱層201に入射される。このとき、光散乱層201に入射された光は散乱され、直接又は、金属配線11若しくは透明導電基板1の表面と上記保護層対向面10aとの間の反射を繰り返して発電部3に入射され、発電部3にて電気に変換される。このため、本実施形態の光電変換装置200によっても、光電変換効率を向上させることができる。また本実施形態の光電変換装置200は、触媒層210が、カーボン等の炭素系材料や導電性高分子など、可視光反射性又は可視光散乱性の低い材料で構成される場合に特に有用である。
なお、触媒層210の光散乱層201側の表面は平坦であってもよいし、触媒層10の保護層対向面10aと同様に粗面化されていてもよいが、粗面化されていることが好ましい。この場合、光散乱層201で散乱されずに透過した光が触媒層10でも散乱され、発電部3に導かれるため、非発電部4の配線保護層12を透過した光が無駄なく利用され、光電変換効率をより向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の光電変換装置の第3実施形態について図4を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、本発明の光電変換装置の第3実施形態について図4を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図4は、本発明の光電変換装置の第3実施形態を示す部分拡大断面図である。図4に示すように、本実施形態の光電変換装置300は、対極2が、触媒層210と導電層9との間に、即ち、触媒層210に対して配線保護層12と反対側に、光散乱層201を備える点で第2実施形態の光電変換装置200と相違する。ここで、本実施形態の光電変換装置300においては、触媒層210が、配線保護層12を透過した光を透過させて光散乱層201まで導くことが可能となっている。
本実施形態の光電変換装置300によれば、非発電部4に入射した光のうち、光増感色素を励起可能な可視光が配線保護層12を透過した後、触媒層210に入射される。ここで、触媒層210は、配線保護層12を透過した光を透過させて光散乱層201まで導くことが可能となっている。このため、触媒層210に入射された光は、触媒層210を透過し、この透過光は光散乱層201に入射される。このとき、光散乱層201に入射された光は散乱され、再度触媒層210を透過し、直接又は、金属配線11若しくは透明導電基板1の表面と触媒層210との間の反射を繰り返して発電部3に入射され、発電部3にて電気に変換される。また、触媒層210を透過せずに反射された光も発電部3に導かれる。従って、非発電部4の配線保護層12を透過した光が無駄なく利用され、光電変換装置300によっても、光電変換効率をより向上させることができる。
本発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではない。例えば上記第1実施形態では、光反射散乱部が粗面化部10bで構成されているが、粗面化部10bに代えて、マトリクス状に配置された複数の凸部又は複数の凹部によっても光を散乱させることができる。
さらに、第1実施形態の光電変換装置100においては、粗面化部10bに代えて、保護層対向面10aのうち透明導電基板1に対向する領域に形成され、発電部3に向けられる傾斜面を用いてもよい。この場合、傾斜面に入射した光は反射されて発電部3に導かれるので、このような構成の光電変換装置でも、光電変換効率を向上させることができる。なお、傾斜面は、例えばエッチングにより形成することができる。また傾斜面は1つであっても複数であっても構わない。
また上記第2実施形態では、対極2が、導電層9の表面上に触媒層210及び光散乱層201を順次形成してなるものであるが、図5に示す光電変換装置400のように、対極2の光散乱層201は、配線保護層12と導電層9との間にのみ存在し、導電層9と電解質部13との間の部分には存在しなくてもよい。この場合、導電層9と電解質部13との間の部分には光散乱層201に代えて、触媒層10が配置されるとよい。なお、このように配線保護層12と導電層9との間に触媒層10が存在しなくても、触媒層10が存在しない領域(即ち光散乱層201が配置されている領域)は、発電部3ではなく非発電部4に対向した位置に設けられているため、発電効率は、第2実施形態の光電変換装置200とほとんど変わることがない。
また図5に示す光電変換装置400では、光散乱層201が導電層9と配線保護層12との間で、導電層9上に連続して形成されているが、光散乱層201は、導電層9上に不連続に形成されていてもよい。例えば、光電変換装置400において、光散乱層201のうち、金属配線11に対向する部分のみが触媒層10となり、触媒層10の両側に光散乱層201が配置されていてもよい。
さらに上記第1〜第3実施形態では、対極2が触媒層10,210を有しているが、触媒層10,210は省略してもよい。但し、この場合、例えば第1実施形態の光電変換装置100では、光を散乱させる粗面化部は、導電層9の配線保護層12側に形成されることになる。
また上記第1〜第3実施形態においては、本発明の光電変換装置を色素増感型太陽電池に適用した場合について説明されているが、本発明の光電変換装置は、色素増感型太陽電池以外に、発電部によって金属配線が腐食されるおそれのある用途、例えば感光性センサなどにも適用可能である。
1…透明導電基板、2…対極、3…発電部、4…非発電部、11…金属配線、12…配線保護層、10b…粗面化部(光反射散乱部)、201…光散乱層(光反射散乱部)、100,200、300、400…光電変換装置。
Claims (4)
- 透明導電基板と、
前記透明導電基板に対向して配置される対極と、
前記透明導電基板と前記対極との間に設けられ、入射した光を電気に変換させる発電部と、
前記透明導電基板と前記対極との間に設けられ、前記発電部に隣接する非発電部と、
を備えており、
前記非発電部が、前記透明導電基板のうち前記対極側の表面上に設けられる金属配線と、前記金属配線を被覆し且つ前記透明導電基板に接触する配線保護層とを有し、
前記配線保護層が、前記発電部にて電気に変換される光を少なくとも透過させることが可能となっており、
前記対極が、前記配線保護層を透過した光を反射又は散乱させる光反射散乱部を有すること、
を特徴とする光電変換装置。 - 前記対極のうち前記配線保護層に対向する保護層対向面が前記光反射散乱部を有し、
前記光反射散乱部が、凹部及び凸部、又はそのいずれか一方を有すること、
を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。 - 前記光反射散乱部が、入射した光を散乱させる粒子を含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。 - 前記対極が前記光反射散乱部と、前記光反射散乱部に対して前記配線保護層側に設けられる触媒層又は導電層とを備えており、前記触媒層又は前記導電層が、前記配線保護層を透過した光を透過させることが可能であること、
を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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