本発明は、センサー付き転がり軸受装置に関する。
一般に、自動車のハブユニットには車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置(回転検出装置)が取り付けられている。その回転検出装置は、例えば自動車のアンチロックブレーキシステム(ABS)の情報入力手段として用いられる。
この回転検出装置は、車輪を取り付けるハブと、このハブを内輪側で回転自在に支持し、かつ懸架装置に固定される外輪側を備えた軸受からなる軸受ユニットに使用される。この軸受ユニットの軸受の内輪側における車両インナー側には、回転検出装置を構成するパルサーリングが固定される。外輪側における車両インナー側には、パルサーリングを被覆する環状の保護板が設けられ、この保護板を介在させてパルサーリングと対面配置させたセンサーが設けられている。これによって車輪の回転に伴い回転するパルサーリングの回転変化をセンサーによって検出するように構成されたものが知られている(特許文献1参照)。
ところが、特許文献1のものは、クリップ部の弾性力によりセンサーのヘッドをクリップオン式に装着したものである。この構造は、クリップ部が弾性変形することによりセンサーを押し付けているため、熱変化や経時的なばね部位の押し付けによりクリープが生じてしまい、センサーを固定する力が低下する。これによって、センサーを安定的に固定することができなくなり、センサーの安定的な出力検出が確保できない問題を有している。
また、センサーにはアクティブ方式のものとパッシブ方式のものがある。パッシブ方式のものの場合、パルサーリングは、センサーとの対向部に貫通窓部が形成される構造を採用することができる。ところが、この場合、この貫通窓部を介して、軸受内部、特に内外輪間の空隙に泥水等の異物が侵入する可能性があり、軸受の性能悪化、低寿命化につながる惧れもあるので、これを回避する構造が必要となる。
本発明の課題は、ABSセンサーの固定の安定化を図るための位置決め機能を高め、信頼性向上を図るようにしたセンサー付き転がり軸受装置を提供することにある。さらには、軸受側への異物侵入を効果的に抑制できるセンサー付き転がり軸受装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の第一の転がり軸受装置は、
車両インナー側の車両固定部材に接続される外輪と、車輪に接続される内輪と、内輪と外輪との間に介在される転動体と、内輪に固定され、磁性体からなるパルサーリング部と、外輪側に固定されるとともにパルサーリング部に対し非接触で対向し、磁石と該パルサーリング部の回転に伴う磁気変化を検出する検出部とを有したABSセンサーと、外輪に固定され、ABSセンサーが一体に取り付けられる環状のセンサー保持体と、内輪と外輪との間に形成される転動体配置空隙の軸方向外方端側をシールするシール装置とを備えるセンサー付き転がり軸受装置であって、
シール装置は、外輪に嵌装される環状のアウターケースと、内輪に嵌装される環状のインナーケースとを有し、それらアウターケース及びインナーケースのうち一方に一体化されたシール部材が他方と協働してシール機能を発揮するものであり、
インナーケースは、磁性体をなす環状の板状部材として形成され、ABSセンサー側に筒状に延出して該ABSセンサーに対し径方向に非接触対向するセンサー対向部を有するとともに、当該センサー対向部がパルサーリング部とされていることを特徴とする。例えば、パルサーリング部は、径方向に貫通する貫通窓部を周方向に所定間隔にて複数有したギアローター部とすることができる。
上記本発明の第一の構成によると、外輪に嵌装されて強固に固定されるセンサー保持体にABSセンサーを固定できるとともに、内輪に嵌装されて強固に固定されるインナーケースにパルサーリング部が形成されるため、クリップオン式に比べ、ABSセンサーとパルサーリング部との相対的な位置決め機能(精度)が高まり、センシング精度が良好となる。さらに、インナーケースを内輪に固定することで同時にパルサーリング部も配置されるので、組み付け工数を減じることができる。
また、上記本発明の第一の構成において、ABSセンサーは、環状のセンサー保持体に対しボルトにより締結固定されるよう構成できる。これにより、センサーを軸受本体から着脱することが容易となり、センサーの修理や取替えが容易となる。また、簡易な方法でかつ強固にセンサーを固定することができるから、固定性が弱くてセンサーの位置、姿勢がずれることによってセンサーの計測値の誤差が増大することも回避できる。
また、ボルト締結の場合、ABSセンサーは、磁石及び検出部を有したセンサー本体と、ボルトを挿通する貫通孔を有した締結用固定部とを有するものとでき、他方、環状のセンサー保持体は、外輪の内周に嵌装される環状カバー部材と、ボルトを挿通する貫通孔を有した締結用固定部材とを別体形成し、その後に一体に固定されたものとすることができる。そして、ABSセンサーとセンサー保持体との双方の貫通孔にボルトを挿通させた形で、それら双方を締結固定することができる。これにより、センサー保持体に対し簡易な方法でかつ強固にセンサーを固定することができる。
また、この場合、ABSセンサーは突出部を有し、その突出部を貫いて貫通孔が形成され、突出部の突出方向が軸方向となり、かつ貫通孔の貫通方向が径方向となる姿勢で、ABSセンサーはセンサー保持体に固定することができる。これにより、センサーに突出部を形成して、その突出部に形成された貫通孔が径方向となり突出部の突出方向が軸方向として固定するので、センサーを環状部材に固定する機構が径方向に突出してスペースをとらないので、軸受装置に装着する場合に好適となる。
また、ABSセンサーのセンサー保持体への固定は、ABSセンサーの周方向の2つの端面上に径方向に形成されたレール溝部が、環状カバー部材に形成された2つのレール部に挿入される形でなされ、その固定状態において、環状カバー部材が周方向からABSセンサーを挟持するように構成できる。これにより、径方向に形成されたレール部とレール溝部とが係合して周方向におけるセンサーの位置決めを行うので、センサーの軸方向の移動が規制される。上記ボルト締結等の固定によって径方向および周方向の移動を規制することと相まって、センサーの位置、姿勢がさらに安定化される。したがってセンサーの位置、姿勢がずれて計測値に誤差を生じることが抑制されて、センサーの計測値に対する信頼性を十分に確保できる。
一方で、ABSセンサーは、環状のセンサー保持体に対し溶接固定することもできる。溶接によってセンサーを強固に固定することができるから、固定性が弱くてセンサーの位置、姿勢がずれることによってセンサーの計測値の誤差が増大することを回避できる。また、ABSセンサーとセンサー保持体とが溶接により一体化された部品とされているので、組立工程においては、これを外輪に嵌装するだけの簡易な作業となる。
また、ABSセンサーは、磁石と検出部と溶接用の金属固定部とを樹脂モールドした形で一体成形されたものとできる。他方、環状のセンサー保持体は、外輪の内周に嵌装される金属製の環状カバー部材を有したものとできる。この場合、ABSセンサーにおいて表面露出する金属固定部と環状カバー部材との双方を溶接する形で、ABSセンサーとセンサー保持体とを固定することができる。各種構成要素を含むABSセンサーは樹脂モールドの形で一体成形されるので、これと環状カバー部材との2部品を溶接するだけでよい。
ところで、本発明の第一の構成においては、軸受側への異物侵入を抑制する課題を解決するために、シール装置のインナーケースに異物侵入阻止構造を設けることができる。その一例として、異物は、パルサーリング部とセンサー保持体との間の空隙を通って軸受側に侵入する場合が考えられるので、この侵入を阻止する構成として、その侵入口が外部に直接露出しないように、インナーケースの一部に該侵入口を軸方向外方側から被う部分を形成することができる。
具体的には、本発明の第一の構成におけるインナーケースは、センサー対向部がABSセンサーを越えてさらに軸方向外方に延出するとともに、その延出先端側において径方向外方側に延出する環状壁部を有し、該環状壁部は、ABSセンサー及びセンサー保持体の軸方向外方側において転動体配置空隙の軸方向外方側の開口を被う転動体配置空隙被覆壁部として形成することができる。この構成によると、異物の侵入口の大部分が転動体配置空隙被覆壁部に被われるため、該侵入口は径方向外方側(車両固定部材側)ないし径方向内側(軸部材側)のわずかな隙間に制限され、軸受側に侵入する異物を大幅に減じることができる。
さらに、インナーケースに形成される上記転動体配置空隙被覆壁部よりも、外輪に固定される車両固定部材の内周面に近い位置に、当該内周面と協働してシール機能を発揮させる外周側シール部を形成することもできる。シール部の具体例としては、ゴム状弾性体による接触方式や、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を使用することができる。これにより、径方向外方側(車両固定部材側)の異物侵入口にシール部が設けられるので、外部空間から軸受側に侵入する異物をさらに減じることができ、軸受の性能悪化、低寿命化を抑制できる。また、転動体配置空隙内に配置されるシール装置と、その外側のシール構造(転動体配置空隙被覆壁部、外周側シール部)とで、2重のシール機能を有しているため、シール機能自体を向上させることができる。
ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を採用する場合、上記外周側シール部は、インナーケースに形成される転動体配置空隙被覆壁部の径方向外方側において、軸方向外向きに延出する筒状壁部を有して形成し、かつこの筒状壁部が、車両固定部材の内周面と近接対向する形で延出形成されて、当該内周面との間にラビリンス状の隙間を形成する形で構成できる。この構成によると、インナーケースの上記筒状壁部の外周面が車両固定部材の内周面と協働してラビリンスシール機能を発揮することができる。これにより、異物をより一層減じることができる。
一方、本発明の第一の構成においては、軸受側への異物侵入を抑制する課題を解決するために、シール装置のインナーケースではなく、センサー保持体の環状カバー部材に異物侵入阻止構造を設けることもできる。具体的には、環状カバー部材は、外輪の内周又は外周に嵌装される外輪嵌装部と、該外輪嵌装部の軸方向外方側において径方向内方側に延出して転動体配置空隙の軸方向外方側の開口を軸方向外方側から被う転動体配置空隙被覆壁部とを有して形成することができる。この構成によると、外部空間から軸受側に侵入する異物を、シール装置手前の段階で大幅に減じることができ、軸受の性能悪化、低寿命化を抑制できる。
さらに、本発明の第一の構成において、外部から軸受内空隙側に侵入する異物は、パルサーリング部の径方向内周側(ドライブシャフト側)の空隙から貫通窓部を通って侵入する場合と、パルサーリング部の径方向外周側(パルサーリング部とセンサー保持体との間)の空隙を通って軸受側に侵入する場合とが考えられるので、これら双方からの侵入を阻止する構成として、本発明の第一の構成における環状カバー部材は、これら双方の空隙の軸方向外方側を被う構成とすることができる。
具体的には、環状カバー部材は、インナーケースにおける軸方向外方側の先端部(例えばセンサー対向部)の軸方向外方側を被う形で径方向に延出するインナーケース端被覆部を設けることができる。これにより、パルサーリング部の径方向内周側及び径方向外周側の空隙の軸方向外方側がインナーケース端被覆部に被われるので、双方の空隙から侵入する異物を大幅に減じることができ、軸受の性能悪化、低寿命化を抑制できる。また、インナーケース端被覆部は、インナーケースにおける軸方向外方側の先端部(ここではセンサー対向部)の外周面を径方向外側から被う形で軸方向外方側に延出する端被覆部を含み、その先端部から続く形で径方向の外方側から内方側に延出する形状とすることもできる。これにより、双方の空隙から侵入する異物をより一層減じることができる。
また、環状カバー部材に形成される上記インナーケース端被覆部よりも、内輪とともに回転可能に設けられる軸部材の外周面(内輪の内側に一体回転可能に固定される軸部材の、該内輪内側から車輪側に突出した部分の外周面)に近い位置に、当該外周面と協働してシール機能を発揮させる内周側シール部を有して形成することができる。シール部の具体例としては、ゴム状弾性体による接触方式や、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を採用することができる。これにより、外部空間から軸受側に侵入する異物をさらに減じることができ、軸受の性能悪化、低寿命化を抑制できる。また、転動体配置空隙内に配置されるシール装置と、その外側のシール構造(転動体配置空隙被覆壁部、インナーケース端被覆部、内周側シール部等)とで、2重のシール機能を有しているため、シール機能自体を向上させることができる。
ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を採用する場合、上記内周側シール部は、環状カバー部材に形成される上記インナーケース端被覆部の径方向内方側において、軸方向外向きに延出する筒状壁部を有して形成し、かつこの筒状壁部が、上記軸部材の外周面と近接対向する形で延出形成されて、当該外周面との間にラビリンス状の隙間を形成する形で構成できる。この構成によると、環状カバー部材の上記筒状壁部の内周面が軸部材の外周面と協働してラビリンスシール機能を発揮することができる。これにより、異物をより一層減じることができる。
ただし、当該の筒状壁部が軸部材と接触して該軸部材の回転の抵抗となることを懸念して、筒状壁部は、軸部材の外周面との間の隙間が軸方向外方側ほど径方向に広がる形で形成することもできる。
また、ゴム状弾性体による接触方式のシール構造を採用する場合、上記内周側シール部は、インナーケース端被覆部の径方向内方側の先端部にゴム弾性体からなるシールリップ部を一体化して形成させ、軸部材の外周面と協働してシール機能を発揮するように形成することもできる。具体的に言えば、例えば、このシールリップ部を軸部材の外周面上に摺接させる形(摺動可能とする形)とし、摺動シール機能を発揮させるように形成できる。これにより、異物をより一層減じることができる。また、環状カバー部材の端部にゴム弾性体を一体化しただけのシンプルな構成であるから、製造も容易である。
また、本発明の第二の転がり軸受装置は、
車両インナー側の車両固定部材に接続される外輪と、該車輪に接続される内輪と、内輪と外輪との間に介在される転動体と、内輪に固定され、磁性体からなるパルサーリング部と、外輪側に固定されるとともにパルサーリング部に対し非接触で対向し、磁石と該パルサーリング部の回転に伴う磁気変化を検出する検出部とを有したABSセンサーと、外輪に固定され、ABSセンサーが一体に取り付けられる環状のセンサー保持体と、内輪と外輪との間に形成される転動体配置空隙の軸方向外方端側をシールするシール装置とを備えるセンサー付き転がり軸受装置であって、
軸方向においてシール装置とABSセンサーの間には、磁性体をなす環状の板状部材としてそれらとは別体に形成された円環リングが、内輪と一体回転する形で固定されており、
円環リングは、ABSセンサーに対し軸方向に非接触対向するセンサー対向部を有するとともに、当該センサー対向部がパルサーリング部とされていることを特徴とすることができる。例えば、パルサーリング部は、軸方向に貫通する貫通窓部を周方向に所定間隔にて複数有したギアローター部とすることができる。
上記本発明の第二の構成によると、外輪に嵌装されて強固に固定されるセンサー保持体にABSセンサーを固定できるので、内輪へのパルサーリング部の固定精度次第では、クリップオン式に比べ、それらの相対的な位置決め機能(精度)が高まり、検出精度が良好となる。パルサーリング部を有した円環リングは、例えば、シール装置のインナーケースと同様に内輪に対し嵌装されて固定することができるし、あるいは、内輪に対し溶接により一体化することもできる。このように強固に固定されることで、上記位置決め精度を高めることができる。また、ギアローター部を有した円環リングは、内輪に対し、シール装置の軸方向外方側に配置される構成となるので、軸方向に貫通する貫通窓部を通って異物が侵入したとしても、当該シール装置によって、さらに奥への侵入を防止することができる。
また、上記本発明の第二の構成においても、上記した本発明の第一の構成と同様にして、ABSセンサーは、環状のセンサー保持体に対しボルトにより締結固定される構成とすることができる。また、上記した本発明の第一と同様にして、ABSセンサーは、環状のセンサー保持体に対し溶接固定する構成とすることもできる。
ところで、本発明の第二の構成においては、軸受側への異物侵入を抑制する課題を解決するために、センサー保持体の環状カバー部材に異物侵入阻止構造を設けることもできる。例えば、異物は、シール装置の軸方向外方側に配置される円環リングに軸方向に貫通する窓部を通って軸受側に侵入する場合が考えられるので、この侵入を円環リングよりも手前で阻止する構成として、該窓部が外部に直接露出しないようインナーケースの一部に該窓部を軸方向外方から被う構成とすることができる。
具体的には、環状カバー部材は、外輪の内周又は外周に嵌装される外輪嵌装部と、該外輪嵌装部の軸方向外方側において径方向内方側に延出して転動体配置空隙の開口を軸方向外方側から被う転動体配置空隙被覆壁部とを有して形成することができる。具体的には、外輪嵌装部側から径方向内方側に延出し、円環リングの軸方向外方側において少なくとも貫通窓部の径方向内方側の端縁位置までを被うように形成する。より望ましくは、転動体配置空隙の軸方向外方側の開口を全て被う(径方向内方側の内輪外周位置までを被う)ようにする。この構成によると、外部空間から軸受側に侵入する異物を、シール装置手前の段階で大幅に減じることができ、軸受の性能悪化、低寿命化を抑制できる。
また、本発明の第二の構成における環状カバー部材は、軸方向外方側にABSセンサーを越えてさらに軸方向外方に延出する筒状中間部を有し、さらに、その延出先端側において径方向外方側に延出する環状壁部を有し、該環状壁部は、ABSセンサー及びセンサー保持体の軸方向外方側において転動体配置空隙を被う第二の転動体配置空隙被覆壁部として形成することができる。この構成によると、異物の侵入口の大部分が転動体配置空隙被覆壁部に被われるため、該侵入口は径方向外方側(車両固定部材側)ないし径方向内側(軸部材側)の隙間に限られ、軸受側に侵入する異物を大幅に減じることができる。また、環状カバー部材は、軸方向における内外で第一と第二の転動体配置空隙被覆壁部を有した2重のシール機能を持つことになり、シール機能自体を向上させることができる。
さらに、環状カバー部材に形成される上記転動体配置空隙被覆壁部よりも、外輪に固定される車両固定部材の内周面に近い位置に、当該内周面と協働してシール機能を発揮させる外周側シール部を有して形成することができる。シール部の具体例としては、ゴム状弾性体による接触方式や、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を使用することができる。これにより、径方向外方側(車両固定部材側)の異物侵入口にシール部が設けられるので、外部空間から軸受側に侵入する異物を大幅に減じることができ、軸受の性能悪化、低寿命化を抑制できる。また、転動体配置空隙内に配置されるシール装置と、その外側のシール構造(第一及び第二の転動体配置空隙被覆壁部、外周側シール部)とで、2重のシール機能を有しているため、シール機能自体を向上させることができる。
ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を採用する場合、上記外周側シール部は、環状カバー部材に形成される転動体配置空隙被覆壁部の径方向外方側において、軸方向外向きに延出する筒状壁部を有して形成し、かつこの筒状壁部が、車両固定部材の内周面と近接対向する形で延出形成されて、当該内周面との間にラビリンス状の隙間を形成する形で構成できる。この構成によると、環状カバー部材の上記筒状壁部の外周面が車両固定部材の内周面と協働してラビリンスシール機能を発揮することができる。これにより、異物をより一層減じることができる。
一方、本発明の第二の構成における環状カバー部材は、上記第一の転動体配置空隙被覆壁部よりも、内輪とともに回転可能に設けられる軸部材の外周面(内輪の内側に一体回転可能に固定される軸部材の、該内輪内側から車輪側に突出した部分の外周面)に近い位置に、当該外周面と協働してシール機能を発揮させる内周側シール部を有して形成することもできる。なお、シール部の具体例として、ゴム状弾性体による接触方式や、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を採用することができる。これにより、外部空間から軸受側に侵入する異物をさらに減じることができ、軸受の性能悪化、低寿命化を抑制できる。また、転動体配置空隙内に配置されるシール装置と、その外側のシール構造(転動体配置空隙被覆壁部、内周側シール部等)とで、2重のシール機能を有しているため、シール機能自体を向上させることができる。
ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を採用する場合、上記内周側シール部は、環状カバー部材の径方向内方側において、軸方向外向きに延出する筒状壁部を有して形成し、かつこの筒状壁部が、上記軸部材の外周面と近接対向する形で延出形成されて、当該外周面との間にラビリンス状の隙間を形成する形で構成できる。この構成によると、環状カバー部材の上記筒状壁部の内周面が軸部材の外周面と協働してラビリンスシール機能を発揮することができる。これにより、異物をより一層減じることができる。
ただし、当該の筒状壁部が軸部材と接触して該軸部材の回転の抵抗となることを懸念して、筒状壁部は、軸部材の外周面との間の隙間が軸方向外方側ほど径方向に広がる形で形成することもできる。また、筒状壁部は、軸部材の、車輪に近づくにつれて径が増大する傾斜外周面に対し近接対向する形で延出形成することもできる。
また、ゴム状弾性体による接触方式のシール構造を採用する場合、上記内周側シール部は、環状カバー部材に形成される転動体配置空隙被覆壁部の径方向内方側の先端部にゴム弾性体からなるシールリップ部を一体化して形成させ、軸部材の外周面と協働してシール機能を発揮するように形成することもできる。具体的に言えば、例えば、このシールリップ部を軸部材の外周面上に摺接させる形(摺動可能とする形)とし、摺動シール機能を発揮させるように形成できる。これにより、異物をより一層減じることができる。また、環状カバー部材の端部にゴム弾性体を一体化しただけのシンプルな構成であるから、製造も容易である。
ところで、環状カバー部材には、ABSセンサーとパルサーリング部との間に位置する周方向の一部区間が切り欠かれたものとすることができる。これにより、センサーとパルサーリング部との間の干渉構造体がなくなり、センサーのセンシング精度を増すことができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明に係るセンサー付き転がり軸受装置の取付状態の断面図、図2は、同装置の回転検出装置の部分拡大図である。図1において、センサー付き転がり軸受装置1は、固定輪としての外輪2aと、回転輪としての内輪2bと、該内輪2bと外輪2aとの間に介在される複数列で配列される転動体2cから構成される転がり軸受2を備えている。
転がり軸受2は、車両における懸架装置の車両インナー側のナックル、アクスルハウジングなどの車両固定部材3の取付口3aに接続される。この接続は転がり軸受2の外輪2aを取付口3a内に挿入して嵌装するとともに、外輪2aから外方へ突設されるフランジ部2dをボルト・ナットなどのファスナー2eを介して車両固定部材3の取付口3aの周辺面(車両アウター側)に固定させている。
転がり軸受2の内輪2bは、ハブ4と接続されている。ハブ4は、車両アウター側に車輪(図示せず)を装着するためのハブボルト4aを有している。ハブ4の車両インナー側には、転がり軸受2の内輪2bに圧入されて嵌装される圧入軸部4bを有しており、該圧入軸部4bを内輪2bに圧入してハブ4を内輪2bとともに回転可能に設けている。ハブ4は、ドライブシャフト5に対しスプライン結合され、ドライブシャフト5の一端側をハブ4の圧入軸部4bに形成される挿通孔4cに通し、この端部にナット6を螺合することにより固定されている。
転がり軸受2の車両インナー側端部には、車輪の回転変化を検出する回転検出装置7が取付られている。回転検出装置7は、図2、3に示すように、転がり軸受2の内輪2bと外輪2aとの間を外部から密封するためのシール装置8と、パルサーリング部をなすギアローター部9と、該ギアローター部9の回転による磁気変化を検出するパッシブタイプのABSセンサー10と、該ABSセンサー10を取り付けるための環状カバー部材11と、を備えた複合構造となしている。
回転検出装置7のシール装置8は、図2、3に示すように、転がり軸受2の内輪2bと外輪2aとの間の転動体配置空隙C0を外部から密封するために、内輪2bの外周に嵌装される環状のインナーケース8bと、外輪2aの内周又は外周(ここでは内周)に嵌装される環状のアウターケース8aからなり、それらアウターケース及びインナーケースのうち一方に一体化されたシール部材が他方と協働してシール機能を発揮するものであり、インナーケース8bとアウターケース8aとを、外輪2aと内輪2bとに振り分けて嵌装される。なお、本実施形態においては、ゴム状弾性体からなるシール部材8cがアウターケース8aに加硫接着され、インナーケース8bに摺動自在に接触しているが、シール部材8cは、インナーケース8bに加硫接着され、アウターケース8aに摺動自在に接触する構成でも良いし、双方に設けられていてもよい。
インナーケース8bは、全体が磁性体をなす環状の板状部材からなり、軸方向ZにおいてABSセンサー10側に筒状に延出して該ABSセンサーに対し径方向Xに非接触対向するセンサー対向部8b3が設けられ、当該センサー対向部8b3が、径方向Xに貫通する貫通窓部8hを周方向Yに所定間隔にて複数有したギアローター部とされている。なお、ギアローター部に代わって周方向でN極、S極が交互に着磁された着磁ローター部を設けてもよい。
なお、本実施形態のインナーケース8bは、内輪2bの軸方向Z内方側に延設されて、内輪2bの外周に圧入させて嵌装される第1筒部(内輪嵌装部)8b1と、これの軸方向Z外方側の端部から径方向X外方側に延設されて、その端部からUターン状に折り曲がって重合形成される第1壁部8b2とを有し、さらには、該第1壁部8b2の端部から折り曲がって軸方向Z外方側に延設され、内輪2bの外方に位置(ドライブシャフト5と車両固定部材3との間)に、ギアローター部をなす筒状の上記センサー対向部8b3とを有している。これら第1筒部(内輪嵌装部)8b1と第1壁部8b2とセンサー対向部8b3とは、板金材によって屈曲形成させている。
この第2筒部8b3は、重合形成される第1壁部8b2と連続形成させているため、機械的強度が高くなり、第2筒部8b3が変形しにくくなり、これに固定するギアローター部9の変位が抑制される。
アウターケース8aは、外輪2aの軸方向Z内方側(車両アウター側)に延設されて、内周又は外周(ここでは内周)に圧入させて嵌装される第1筒部(外輪嵌装部)8a1と、これの端部から折り曲がって径方向X内方側に延設される第1壁部8a2とから成る断面が略L字状の板金材で形成される。
また、アウターケース8aに加硫接着され、一体化されたシール部材8cは、ゴム状弾性体の一部を、軸方向Z外方や、その軸方向Zと交差する方向の内方に突出させたリップ部8c1を備えている。該リップ部8c1は、先端がインナーケース8bの第1壁部8b2に摺接するアキシャルリップ8c2と、先端がインナーケース8bの第1筒部8b1に摺接するラジアルリップ8c3を有し、インナーケース8bとリップ部8c1は、協働して接触方式のシール機能を発揮させている。
ギアローター部9は、図3に示すように内輪2bの軸方向Zにおける外端面から軸方向Z外方側に突出する形で筒状に形成され、周方向Yにおいて外周面が交互に凹凸するギア部として形成されている。本実施形態では、筒状に形成されたセンサー対向部8b3に対し、径方向Xに貫通する貫通窓部8hを周方向Yに所定間隔にて複数形成している。さらに、本実施形態における貫通窓部8hはその外周全てが壁部に被われた形で形成されており、少なくとも軸方向Z外方側(車両インナー側)において開放する形をとっていないため、その壁部は、異物侵入を妨げる部分として機能している。
センサー保持体20は、外輪2aに対し固定され、かつギアローター部9の回転による磁気変化を検出するABSセンサー10を取り付けるためのものであり、本実施形態においては、外輪2aの外周又は内周(ここでは外周)に嵌装される環状カバー部材11と、ボルトを挿通する貫通孔を有したブラケット(締結用固定部材)12とを別体形成された後に一体に固定されたものとなっている。
環状カバー部材11は、図2、5に示すように、外輪2aの外周又は内周(ここでは外周)に圧入されて嵌装される円筒部(外周嵌装部)11aと、該円筒部11aの端部から折り曲がって径方向X内方側に延出される環状立壁部11bと、該環状立壁部11bから折り曲がって軸方向Z外方側(車両インナー側)に延出される連続筒部11cと、該連続筒部11cから折り曲がって径方向X内方側に延出される連続壁部11dと、を板金材よって屈曲形成させている。この環状立壁部11bは、外輪2aの端面2a1に突き当てられる当接面11b1となしており、外輪2aへの装着時に、軸方向Zに対して位置決めされる部位として機能する。
また、環状カバー部材11の連続壁部11dは、転がり軸受2の内外輪2a,2b間の空隙(転動体配置空隙)C0の軸方向Z外方側の端部開口の一部又は全体を、軸方向Z外方側にて被う形で形成されている。本実施形態においては、シール装置8のアウターケース8aとインナーケース8bとの間に形成される車両インナー側の端部開口8dが、少なくとも軸方向Zの外方側(車両アウター側)において、連続壁部11dが対向して位置する形で被われている。これによって、外部Cから当該空隙C0に向けて侵入する異物は、連続壁部11dによって侵入を妨げられるようになっている。当然、連続壁部11dが径方向X内方側に長いほどこの異物侵入防止効果はより大きくなる。
また、該連続壁部11dと転がり軸受2の端部との間には、隙間C1が形成されているので、万一異物が混入しても推積が抑制され、長期使用の信頼性が向上する。また、環状カバー部材11には、センサー付き転がり軸受装置1を車両に組み付けた際に、下方に位置する個所に隙間C1内に浸入した異物を排出させるためのドレン孔11fが形成されている。
また、図5に示すように、環状カバー部材11におけるドレン孔11fと径方向X上で対向する上方には、連続筒部11cと連続壁部11dとにわたってABSセンサー10を装着するために、切欠形成されるセンサー用取付孔11eが設けられている。また、センサー用取付孔11eにおける周方向Yの両側には、レール部11e1が対向側へ突出形成されている。このレール部11e1はABSセンサー10と嵌合される部位である。
ABSセンサー10は、アクティブ型ではなくパッシブ型のセンサーであって、磁石と巻回された環状のコイル等からなる周知のものである。なお、ABSセンサー10はアクティブ型であってもよい。本実施形態のABSセンサー10は、図6に示すように、磁石(図示なし)とギアローター部9の回転による磁気変化(磁束の時間変化)を検出するための検出体(図示せず)を、樹脂モールドによってパケージングして、その断面形状を矩形状となした簡素な柱状にセンサー本体10aが形成されている。該センサー本体10aには、ABSセンサー10を環状カバー部材11におけるセンサー用取付孔11eのレール部11e1と嵌合させるレール溝部10a1が形成されている。該レール溝部10a1は、センサー本体10aの途中から先端側にわたって形成されている。なお、ABSセンサー10から車両に搭載されたECUへ接続する信号ケーブルは、径方向Xへ引き出される形態となしている。
このABSセンサー10は、センサー本体10aが内輪2a及び外輪2bの軸方向Z外方側に位置するように固定される。本実施形態においては、ブラケット12を介して環状カバー部材11に固定される。このブラケット12は、図7に示すように、矩形板状の座受け板12aの両側から左右一対のステー12bが連続して曲げられるように、板金材で形成される。このステー12bには、環状カバー部材11に固定するための孔部12b1が形成される。一方、環状カバー部材11の連続壁部11dにおけるセンサー用取付孔11eの周方向Yにおける両外側にも孔部11d1が形成されている(図5参照)。そして、ブラケット12の孔部12b1と環状カバー部材11の孔部11d1とがボルト・ナットやリベットなどのファスナー12cによって締結されることにより、ブラケット12が環状カバー部材11に固定される(図4参照)。なお、ブラケット12と環状カバー部材11の固定は、溶接などによっても固定することができる。
また、ABSセンサー10のセンサー本体10aには、ブラケット12の座受け板12aと連結するための突起部(締結用固定部)10bが、座受け板12aと対向配置されるように一体成形されている。この突起部10bには、径方向Xに貫通する貫通孔10b1が形成されている(図6参照)。一方、座受け板12aには貫通孔12a1が形成されている(図7参照)。この貫通孔12a1の径方向X内方側にナット12a2が溶接されている。なお、このナット12a2は溶接固定しなくてもよく、さらに、貫通孔12a1に、ネジ孔加工を直接してもよい。
そして、ABSセンサー10の取り付けは、ブラケット12のステー12bとの間に、ABSセンサー10のセンサー本体10aを挿入して、レール溝部10a1とレール部11e1とが嵌合するようにブラケット12と一体化させる。さらに、ナット12a2が裏側に溶接された貫通孔12a1と、突起部10bとが締結部材としてのボルト14によって締結されることにより、環状カバー部材11にブラケット12を介してABSセンサー10が固定される(図4参照)。
このように、径方向Xに形成されたレール部11e1とレール溝部10a1とが嵌合してABSセンサー10の位置決めを行うので、ABSセンサー10の軸方向Zの移動が規制される。したがって、締結部材よって径方向Xおよび周方向Yの移動を規制することと相まって、ABSセンサー10の位置、姿勢がさらに安定化される。よって、ABSセンサー10の位置、姿勢がずれて計測値に誤差を生じることが抑制されて、ABSセンサー10の計測値に対する信頼性が高くなる。
また、環状カバー部材11の円筒部11aが圧入されて嵌装される外輪2aの外周面2a2の一部には、図2に示すように、該外周面2a2の外径より小径に形成され、かつ円筒部11aの外径側11a1を外輪2aの外周面2a2より突出させないように縮径段差面2a3が形成される。この縮径段差面2a3に円筒部11aが圧入嵌装されても、車両固定部材3の取付口3aに転がり軸受2を装着する際の基準面(外周面2a2)が維持される。これによって外輪2aの外周面2a2を、車両固定部材3の取付口3aに接続する際の基準面として利用できるため、車両固定部材3の取付口3aへの取付精度が良好となる。
また、図2に示すように、外輪2aの縮径段差面2a3(外周面2a2)に圧入嵌装される円筒部11aには、外輪2aの縮径段差面2a3を押圧保持するバネ部11a2が、周方向に対して所定間隔をもって複数設けられている。このバネ部11a2は外輪2aの外周面2a2から突出させないように形成されている。このバネ部11a2によって環状カバー部材11の抜け止めが図られている。
なお、外輪2aの外周面2a2に縮径段差面2a3を設けずに、外周面2a2に直接、環状カバー部材11の円筒部11aを圧入嵌装することもできる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態を第一実施形態とし、それとは異なる実施形態について説明する。なお、同様の構造については同一の符号を付することでその説明を省略する。
図8は、本発明の第二実施形態である。上記第一実施形態との違いは、ABSセンサー10のセンサー保持体20への固定方法である。ここでのABSセンサー10は、環状のセンサー保持体11に対し溶接固定され、双方が一体化された部品とされている。具体的に言えば、ABSセンサー10は、磁石及び検出部(いずれも図示なし)と溶接用の金属固定部13とを樹脂モールドした形で体成形されたものとできる。他方、環状のセンサー保持体20は、外輪2aの外周又は内周に嵌装される金属製の環状カバー部材13を有したものとできる。この場合、ABSセンサー10において表面露出する金属固定部13(ここではその軸方向Z内方側(車両アウター側)の端面13a1)と環状カバー部材11(ここでは連続壁部11dの軸方向Z外方側の端面)との双方を溶接する形で、それらABSセンサー10とセンサー保持体20とを固定している。金属固定部13の形状も、上記のブラケット12のような特殊形状である必要は無く、よりシンプルな形状を採用できる。なお、ここでのセンサー保持体20は、外輪2aに嵌装される金属製の環状カバー部材11のみで構成されている。
さて、上記した第一実施形態と第二実施形態に対し、外部から軸受内空隙側(転動体配置空隙側)C0に侵入する異物を減じるという課題達成のため、異物侵入阻止構造をインナーケース8bに設けた変形例を考えることができる。
図9、10は、上記課題を解決するために、パルサーリング部(ここではギアローター部)8b3とセンサー保持体20との間の空隙を通って侵入する異物を防ぐための構成を有した実施形態である。図9と図10の違いはABSセンサー10のセンサー保持体20への固定方法であり、図9は上記第一実施形態と同様(締結固定)、図10は上記第二実施形態(溶接固定)と同様である。
図9,10の実施形態では、インナーケース8bのセンサー対向部8b3がABSセンサー10を越えてさらに軸方向Z外方に延出するとともに、その延出先端で折り曲げられた形で径方向X外方側に延出する環状壁部8b4が形成されている。この環状壁部8b4は、ABSセンサー10及びセンサー保持体20の軸方向Z外方側から転動体配置空隙C0を被う転動体配置空隙被覆壁部として機能しており、軸受側に侵入する異物を減じることができる。
さらに、この環状壁部8b4の径方向X外方側には、外輪2aに固定される車両固定部材3の内周面3bと協働してシール機能を発揮する外周側シール部が形成されている。シール部の具体例としては、環状壁部8b4の径方向Xの外方側先端にゴム状弾性体を設けた接触方式のものや、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を使用することができる。
本実施形態では、後者のラビリンス機能を実現した構成となっている。具体的にいえば、環状壁部8b4の径方向X外方側の先端が折り曲げられた形で軸方向Z外向き(車両インナー側)に延出するスカート部(筒状壁部)8b5が形成されている。このスカート部8b5は、車両固定部材3の内周面(ここでは、センサー配置空間CSよりも車両インナー側の内周面で、軸方向Zにおいて傾斜の無い円筒面)3bと近接対向する形で延出形成されており、当該内周面3bとの間にラビリンス状の隙間C2を形成している。
また、転動体配置空隙被覆壁部8b4のみを有し、スカート部8b5が形成されない実施形態であったとしても、転動体配置空隙被覆壁部8b4の効果については得られる。
また、図9,10の実施形態において、センサー対向部8b3において各貫通窓部8hの軸方向Z外方側の円環部8b31を、軸部材5の外周面(内輪の内側に一体回転可能に固定される軸部材の、該内輪内側から車輪側に突出した部分の外周面)5aと協働してシール機能を発揮する内周側シール部を形成してもよい。シール部の具体例としては、当該円環部8b31の径方向Xの内方側先端にゴム状弾性体を設けた接触方式のものや、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を使用することができる。ラビリンス機能を実現した構成の場合は、当該円環部8b31の内周面と軸部材5の外周面5aとが近接対向し、それらの間にラビリンス状の隙間を形成する。
一方、上記した第一実施形態と第二実施形態に対し、外部から軸受内空隙側(転動体配置空隙側)C0に侵入する異物を減じるという課題達成のため、異物侵入阻止構造を環状カバー部材11に設けることもできる。外部から軸受内空隙C0側に侵入する異物は、ギアローター部8b3の径方向内周側(ドライブシャフト5側)の空隙から貫通窓部8hを通って侵入する場合と、ギアローター部8b3の径方向外周側(ギアローター部8b3とセンサー保持体11(13)との間)の空隙を通って軸受側に侵入する場合とが考えられるため、これら双方からの侵入を阻止する構成として、環状カバー部材11に、これら双方の空隙の軸方向外方側にて被う構成を設けることができる。
図11、12は、これら双方の空隙の軸方向外方側にて被う構成を実現する形で上記課題を達成した実施形態である。図11と図12の違いはABSセンサー10のセンサー保持体20への固定方法であり、図11は上記第一実施形態と同様(締結固定)、図12は上記第二実施形態(溶接固定)と同様である。
図11,12の実施形態では、環状カバー部材11における連続壁部11dの径方向X内方側の先端が折り曲げられた形で軸方向Z外方側(車両インナー側)に延出する筒状中間部11g1が形成されている。筒状中間部11g1は、軸方向Z外方側の先端がインナーケース8bのセンサー対向部(パルサーリング部)8b3を越えて延出しており、その先端が折り曲げられた形で径方向X内方側に延出する環状壁部11g2が形成されている。筒状中間部11g1は、インナーケース8bのパルサーリング部をなすギアローター部8b3の径方向X外方側に位置し(ここではさらにセンサー本体11aの径方向X内方側の端面よりも内方側)、さらに、環状壁部11g2は、該ギアローター部8b3の軸方向Z外方側に位置しているので、該ギアローター部8b3は、環状カバー部材11によって軸方向Z外方側及び径方向X外方側から被われた形となる(インナーケース端被覆部)。これにより、外部から軸受内空隙C0側への異物侵入口のほとんどがなくなるので、径方向X内方側に侵入する異物を大幅に減じることができる。
さらに、この環状壁部11g2の径方向X内方側には、軸部材5の外周面(内輪の内側に一体回転可能に固定される軸部材の、該内輪内側から車輪側に突出した部分の外周面)5aと協働してシール機能を発揮する内周側シール部が形成されている。シール部の具体例としては、環状壁部11g2の径方向Xの内方側先端にゴム状弾性体を設けた接触方式のものや、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を使用することができる。
本実施形態では、後者のラビリンス機能を実現した構成となっている。具体的にいえば、環状壁部11g2の径方向X内方側の先端が折り曲げられた形で軸方向Z(ここでは軸方向Z外方側:車両インナー側)に延出するスカート部(筒状壁部)11g3が形成されている。このスカート部11g3は、軸部材5の外周面5aと近接対向する形で延出形成されており、当該外周面5aとの間にラビリンス状の隙間C3を形成している。
ただし、スカート部11g3が軸部材5と接触して該軸部材5の回転の抵抗となることを懸念して、スカート部11g3は、隙間C3がスカート部11g3の先端(ここでは軸方向Z外方側)ほど径方向に広がる形で形成されている(α>β)。本実施形態の軸部材5は、車輪に近づくにつれて径が増大する傾斜外周面を有しているので、スカート部11g3もこれに対応して傾斜しており、なおかつ上記のように隙間C3が車輪に近づくにつれて広がるように形成されている。図9,10の実施形態において、ラビリンス状の隙間C2を形成するスカート部(筒状壁部)8b5も、車両固定部材3の内周面が軸方向Zに傾斜形成される場合には、先端(ここでは軸方向Z外方側)ほど隙間C2が径方向に広がる形で形成することで、互いが接触し難い構造となる。
ちなみに、図13,14の実施形態は、図11、12の実施形態においてラビリンス隙間C3を形成するスカート部11g3に代わって、環状壁部11g2の径方向X内方側の先端にゴム弾性体からなるシールリップ部11jを一体化(例えば加硫接着)して形成し、軸部材5の外周面5aと協働してシール機能を発揮するように形成したものである。なお、図13と図14の違いはABSセンサー10のセンサー保持体20への固定方法であり、図13は上記第一実施形態と同様(締結固定)、図14は上記第二実施形態(溶接固定)と同様である。
なお、図11〜14の実施形態において、内周側シール部が形成されなくとも、筒状中間部11g1と環状壁部11g2のみを有した実施形態であったとしても、これらによる異物侵入防止効果を得ることはできる。
また、図9〜14の実施形態において、環状カバー部材11には、ABSセンサー10とパルサーリング部をなすギアローター部8b3との間に位置する周方向の一部区間に切り欠き部11kを形成している。これにより、センサー10とギアローター部8b3との間の干渉構造体がなくなり、センサー10のセンシング精度を増すことができる。場合によっては、ブラケット12も、センサー10とギアローター部8b3との間の干渉構造となる場合は、干渉部分が切り欠かれる(符号12k)。
さて、上記した第一実施形態と第二実施形態とは異なる第三実施形態として、図15のような実施形態を考えることができる。図15に示す転がり軸受装置1は、上記第一実施形態と基本的には同様の構成を有するが、その一部構成が異なっている。なお、共通部分の説明は省略する。
第一実施形態との相違点は、軸方向Zにおいてシール装置8とABSセンサー10の間に、シール装置8やABSセンサー10とは別体に形成された円環リング9が内輪2bと一体回転する形で固定されている点である。そして、この円環リング9は、全体が磁性体をなす環状の板状部材からなり、図16に示すように、ABSセンサー10に対し軸方向Zに非接触対向するセンサー対向部9bを有するとともに、当該センサー対向部9bが、軸方向に貫通する貫通窓部9hを周方向に所定間隔にて複数有したパルサーリング部(ここではギアローター部)とされている。
図16においては、円環リング9は、シール装置8の軸方向Z外方側(車両インナー側)において、内輪2bの内周に圧入されて嵌装されている。本実施形態の円環リング9は、内輪嵌装部9aと、これの端部から折り曲がって径方向X外方側に延設されるセンサー対向部(壁部)9bとから成る断面が略L字状の板状部材で形成され、内輪嵌装部8b7が内輪2bの内周面2b2に圧入嵌装されている。
また、内輪2bの軸方向Z外方側の内周面2b2は、それに軸方向Z内方側で隣接する内周面2b0よりも縮径した縮径段差面とされており、内周面2b2と内周面2b0との間の段差立面2b1が、円環リング9を内輪2bの内周に圧入嵌装する際に軸方向Zに当接する当接面(基準面)となっている。これにより、円環リング9の内輪2bへの取付精度及び軸方向への位置決め精度が良好となる。
一方、別体に形成されるシール装置8のインナーケース8b’は、図17に示すように、内輪嵌装部8b7と、これの端部から折り曲がって径方向X外方側に延設される壁部8a8とから成る断面が略L字状の板金材で形成され、内輪嵌装部8b7が内輪2bの内周面2b0に圧入嵌装されている。
また、環状カバー部材11の連続壁部11dは、転がり軸受2の内外輪2a,2b間の空隙(転動体配置空隙)C0の軸方向Z外方側の端部開口の一部又は全体を、軸方向Z外方側にて被う形で形成されている。本実施形態においては、外輪2a(あるいはアウターケース8aが軸方向外方端縁位置まで延出しているならばアウターケース8a)と、円環リング9との間に形成される車両インナー側の端部開口9dが、少なくとも軸方向Zの外方側(車両アウター側)において、連続壁部11dが対向して位置する形で被われている。これによって、外部Cから当該空隙C0に向けて侵入する異物は、連続壁部11dによって侵入を妨げられるようになっている。当然、連続壁部11dが径方向X内方側に長いほどこの異物侵入防止効果はより大きくなる。
図18は、本発明の第四実施形態である。上記第三実施形態に対しABSセンサー10のセンサー保持体20への固定方法が異なっており、上記第三実施形態が上記第一実施形態と同じであるのに対し、第四実施形態は上記第二実施形態と同じである。
さて、上記した第三実施形態と第四実施形態に対し、外部から軸受内空隙側(転動体配置空隙側)C0に侵入する異物を減じるという課題、さらには、パルサーリング部をなすギアローター部8b3の貫通窓部8hを通って軸受内空隙側(転動体配置空隙側)C0に侵入する異物を減じるという課題を解決するために、異物侵入阻止構造を環状カバー部材11に設けた変形例を考えることができる。
図19、20は、上記課題を解決するために、ギアローター部9b3とセンサー保持体20との間の空隙を通り、さらにはギアローター部9bの貫通窓部9hを通って侵入する異物を防ぐための構成を有した実施形態である。図19と図20の違いはABSセンサー10のセンサー保持体20への固定方法であり、図19は上記第一及び第三実施形態と同様(締結固定)、図20は上記第二及び第四実施形態(溶接固定)と同様である。
図19,20の実施形態では、環状カバー部材11における連続壁部11dの径方向X内方側の先端が折り曲げられた形で軸方向Z外方側(車両インナー側)に延出する筒状中間部11i1が形成されている。筒状中間部11i1は、軸方向Z外方側の先端がABSセンサー10を越えて延出しており、その先端が折り曲げられた形で径方向X外方側に延出する環状壁部11i2が形成されている。この環状壁部11i2は、ABSセンサー10及びセンサー保持体20の軸方向Z外方側から転動体配置空隙C0を被う転動体配置空隙被覆壁部として機能しており、軸受側に侵入する異物を減じることができる。
さらに、この環状壁部11i2の径方向X外方側には、外輪2aに固定される車両固定部材3の内周面3bと協働してシール機能を発揮する外周側シール部が形成されている。シール部の具体例としては、環状壁部11i2の径方向Xの外方側先端にゴム状弾性体を設けた接触方式のものや、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を使用することができる。
本実施形態では、後者のラビリンス機能を実現した構成となっている。具体的にいえば、環状壁部11i2の径方向X外方側の先端が折り曲げられた形で軸方向Z外向き(車両インナー側)に延出するスカート部(筒状壁部)11i3が形成されている。このスカート部11i3は、車両固定部材3の内周面(ここでは、センサー配置空間よりも車両インナー側の内周面で、軸方向Zにおいて傾斜の無い円筒面)3bと近接対向する形で延出形成されており、当該内周面3bとの間にラビリンス状の隙間C4を形成している。
また、転動体配置空隙被覆壁部11i2のみを有し、スカート部11i3が形成されない実施形態であったとしても、転動体配置空隙被覆壁部11i2の効果については得られる。
なお、筒状中間部11i1と軸部材5の外周面(内輪の内側に一体回転可能に固定される軸部材の、該内輪内側から車輪側に突出した部分の外周面)5aと協働してシール機能を発揮する内周側シール部を形成してもよい。シール部の具体例としては、連続壁部11dの径方向Xの内方側先端にゴム状弾性体を設けた接触方式のものや、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を使用することができる。ラビリンス機能を実現した構成の場合は、筒状中間部11i1の内周面と軸部材5の外周面5aとが近接対向し、それらの間にラビリンス状の隙間C5を形成する。
図21、22も、上記課題を解決するための変形例である。図21と図22の違いはABSセンサー10のセンサー保持体20への固定方法であり、図21は上記第一及び第三実施形態と同様(締結固定)、図22は上記第二及び第四実施形態(溶接固定)と同様である。
図21,22の実施形態では、環状カバー部材11において径方向Xに延出する環状壁部(ここでは連続壁部11d)の径方向X内方側が、ABSセンサー10の径方向X内方側の端面位置よりもさらに内方側に突出しており、その突出先端部に、軸部材5の外周面(内輪の内側に一体回転可能に固定される軸部材の、該内輪内側から車輪側に突出した部分の外周面)5aと協働してシール機能を発揮する内周側シール部が形成されている。シール部の具体例としては、連続壁部11dの径方向Xの内方側先端にゴム状弾性体を設けた接触方式のものや、ラビリンス機能による非接触方式のシール構造を使用することができる。
本実施形態では、後者のラビリンス機能を実現した構成となっている。具体的にいえば、連続壁部11dの径方向X内方側の先端が折り曲げられた形で軸方向Z(ここでは軸方向Z外方側:車両インナー側)に延出するスカート部(筒状壁部)11g4が形成されている。このスカート部11g4は、軸部材5の外周面5aと近接対向する形で延出形成されており、当該外周面5aとの間にラビリンス状の隙間C6を形成している。
ただし、スカート部11g4が軸部材5と接触して該軸部材5の回転の抵抗となることを懸念して、スカート部11g4は、隙間C6がスカート部11g4の先端(ここでは軸方向Z外方側)ほど径方向に広がる形で形成されている(α>β)。本実施形態の軸部材5は、車輪に近づくにつれて径が増大する傾斜外周面を有しているので、スカート部11g4もこれに対応して傾斜しており、なおかつ上記のように隙間C6が車輪に近づくにつれて広がるように形成されている。図19,20の実施形態において、ラビリンス状の隙間C4を形成するスカート部11i3も、車両固定部材3の内周面が軸方向Zに傾斜形成される場合には、先端(ここでは軸方向Z外方側)ほど径方向に広がる形で形成することで、互いが接触し難い構造となる。
ちなみに、図23,24の実施形態は、図21、22の実施形態においてラビリンス隙間C6を形成するスカート部11g4に代わって、連続壁部11dの径方向X内方側の先端にゴム弾性体からなるシールリップ部11j’を一体化(例えば加硫接着)して形成し、軸部材5の外周面5aと協働してシール機能を発揮するように形成したものである。なお、図23と図24の違いはABSセンサー10のセンサー保持体20への固定方法であり、図23は上記第一及び第三実施形態と同様(締結固定)、図24は上記第二及び第四実施形態(溶接固定)と同様である。
なお、第三実施形態及び第四実施形態、さらにはこれらに関連する図19〜23の実施形態において、円環リング9と内輪2bとの固定は、段差部への圧入嵌装によりなされているが、図25,26に示すように、段差を設けず、内輪2bの軸方向外側の端面(車両インナー側端面)2b2に対し直接一体固定するようにしてもよい。図25,26では、内輪2bの軸方向外側の端面2b2に対し円盤状の円環リング9の裏面が溶接固定されている。
また、第一〜第四実施形態を含む上記全実施形態において、環状カバー部材11には、ABSセンサー10の先端側と、パルサーリング部をなすギアローター部8b3又は9bとの間に位置する周方向の一部区間に、磁気変化の計測を可能となるように、直接向き合わせるための開口部位11kが形成されている。これにより、センサー10とギアローター部8b3との間の干渉構造体がなくなり、センサー10のセンシング精度を増すことができる。場合によっては、固定部材12,13がセンサー10とギアローター部8b3との間の干渉構造となる場合は、その干渉部分も切り欠かれる(符号12k、13k)。
また、同じく第一〜第四実施形態を含む上記全実施形態において、環状カバー部材11やインナーケース8bはいずれも、全体が環状の板状部材からなり、曲げ加工により各種形状を実現したものであり、いずれも容易に製造可能である。
なお、上記全ての実施形態において、ABSセンサー10はパッシブ型のセンサーであったが、アクティブ型のセンサーとすることもできる。また、上記全ての実施形態において、ギアローター部に代わって、周方向でN極、S極が交互に着磁された着磁ローター部を設けることもできる。ただし、ギアローター部である場合で、なおかつ、上記のような貫通窓部が設けられるような構成である場合には、その貫通孔部を通過して転動体配置空隙に侵入する異物を阻止することが課題となり、それを解決する構造が上記のように必要となる。
本発明の第一実施形態に係るセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す断面図。
図1の部分拡大断面図。
図1の密封装置部の部分分解図。
ABSセンサーとセンサー保持体との取付状態図。
センサー保持体の斜視図。
ABSセンサーの斜視図。
ブラケットの斜視図。
本発明の第二実施形態に係るセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第一実施形態の第一変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第二実施形態の第一変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第一実施形態の第二変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第二実施形態の第二変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第一実施形態の第三変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第二実施形態の第三変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第三実施形態に係るセンサー付き転がり軸受装置の取付状態の断面図。
図15の部分拡大断面図。
図15の密封装置部の部分分解図。
本発明の第四実施形態に係るセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第三実施形態の第一変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第四実施形態の第一変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第三実施形態の第二変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第四実施形態の第二変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第三実施形態の第三変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第四実施形態の第三変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第三実施形態の第四変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
本発明の第四実施形態の第四変形例におけるセンサー付き転がり軸受装置の取付状態を示す部分拡大断面図。
符号の説明
1 センサー付き転がり軸受装置
2a 外輪
2b 内輪
2c 転動体
3 車両固定部材
5 軸部材(ドライブシャフト)
8 シール装置
8a アウターケース
8b インナーケース
8b3 ギアローター部(センサー対向部)
8c シール部材
8h 貫通窓部
9 円環リング
9b ギアローター部(センサー対向部)
9h 貫通窓部
10 ABSセンサー
11 環状カバー部材
20 センサー保持体
C0 転動体配置空隙