JP2010001857A - 内燃機関の触媒劣化判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストかつ信頼性の高い触媒劣化判定装置を提供する。
【解決手段】排気空燃比をリーンから一時的にリッチに切り換えて(S20)、NOx吸蔵触媒より上流側の排気温度T1から推定したNOx吸蔵触媒通過後の排気温度T2estと、触媒後排気温度センサにより検出した実排気温度T2との差に基づいて、NOx吸蔵触媒の劣化状態を判定する(S30〜S100)。
【選択図】図2
【解決手段】排気空燃比をリーンから一時的にリッチに切り換えて(S20)、NOx吸蔵触媒より上流側の排気温度T1から推定したNOx吸蔵触媒通過後の排気温度T2estと、触媒後排気温度センサにより検出した実排気温度T2との差に基づいて、NOx吸蔵触媒の劣化状態を判定する(S30〜S100)。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の触媒劣化判定装置に係り、詳しくは、内燃機関の排気浄化触媒の劣化状態を判定する技術に関する。
内燃機関(エンジン)の排気通路に、排気浄化装置としてNOx吸蔵触媒を備えたものがある。NOx吸蔵触媒は、リーン雰囲気下で排気中のNOxを吸蔵し、リッチ雰囲気下でNOxを還元除去する機能を有する。このNOx吸蔵触媒は、排気空燃比が変動しても吸蔵及び還元能力を安定して発揮できるように、通常、酸素を吸蔵する酸素ストレージ機能を有している。
ところで、NOx吸蔵触媒は、経時使用に伴って、例えば排気中の硫黄成分によって被毒し徐々に劣化する。そこで、NOx吸蔵触媒が劣化状態であるか否かを判定し、劣化状態である場合にパージ処理を行うことで、NOx吸蔵触媒に蓄積した硫黄等を除去して、NOx吸蔵触媒を再生している。硫黄被毒再生のパージ処理は高温雰囲気で行われるため、長期に亘る使用においては、触媒は熱負荷によって、パージ処理では回復不可能に劣化する。
NOx吸蔵触媒等の排気浄化触媒の劣化状態を判定する方法として、上記酸素ストレージ機能を利用した方法が知られている。詳しくは、熱負荷等により排気浄化触媒が劣化すると酸素ストレージ能力も低下することから、酸素ストレージ能力を推定することで、排気浄化触媒の劣化状態を判定する。酸素ストレージ能力の推定方法としては、排気浄化触媒の前後に空燃比センサを設け、排気空燃比をリーンから一次的にリッチに切り換え、そのときの排気浄化触媒の前後での空燃比の切り換わりの時間差を計測することで推定する方法が知られている(特許文献1)。
特許第2812023号公報
しかしながら、特許文献1のような酸素ストレージ能力の推定による劣化状態判定方法では、比較的高価な空燃比センサを2個必要とするので、コスト増加を招いてしまう。また、空燃比センサは、排気中に含まれる水分やすすが空燃比センサに付着した場合、検出精度が低下し易く、よって劣化状態を誤判定してしまう虞がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、低コストかつ信頼性の高い内燃機関の触媒劣化判定装置を提供することにある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、低コストかつ信頼性の高い内燃機関の触媒劣化判定装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に設けられた酸素吸蔵機能を有する排気浄化触媒の触媒劣化判定装置であって、排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチとリーンとの間で切り換える排気空燃比切換手段と、排気浄化触媒の上流側の排気通路に設けられ、排気温度を検出する触媒前排気温度検出手段と、触媒前排気温度検出手段により検出された排気浄化触媒の上流側の排気温度と内燃機関の運転状況とに基づいて、排気浄化触媒の下流側の排気温度を推定する触媒後排気温度推定手段と、排気浄化触媒の下流側の排気通路に設けられ、排気温度を検出する触媒後排気温度検出手段と、排気空燃比切換手段により排気空燃比をリーンから一時的にリッチに切り換えて、触媒後排気温度検出手段により検出された実排気温度と触媒後排気温度推定手段により推定された推定排気温度との差に基づいて排気浄化触媒の劣化状態を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明では、請求項1において、判定手段は、排気空燃比のリッチへの切り換え時間内における実排気温度と推定排気温度との差を積算し、該積算した値を切り換え時間内に排気浄化触媒を通過した排気流量の積算値で除算した値に基づいて排気浄化触媒の劣化状態を判定することを特徴とする。
また、請求項3の発明では、請求項1または2において、排気浄化触媒の触媒温度を検出する触媒温度検出手段を備え、判定手段は、触媒温度検出手段により検出された触媒温度が所定の温度である場合に排気浄化触媒の劣化状態の判定を行うことを特徴とする。
また、請求項3の発明では、請求項1または2において、排気浄化触媒の触媒温度を検出する触媒温度検出手段を備え、判定手段は、触媒温度検出手段により検出された触媒温度が所定の温度である場合に排気浄化触媒の劣化状態の判定を行うことを特徴とする。
また、請求項4の発明では、請求項1または2において、判定手段は、触媒温度検出手段により検出された触媒温度に基づいて、排気浄化触媒が劣化状態であるか否かを判別するための閾値を変更することを特徴とする。
また、請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかにおいて、排気浄化触媒の下流側の排気通路に排気空燃比を検出する空燃比検出手段を備え、判定手段は、空燃比検出手段により検出された排気空燃比がリッチである場合に排気浄化触媒の劣化状態を判定することを特徴とする。
また、請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかにおいて、排気浄化触媒の下流側の排気通路に排気空燃比を検出する空燃比検出手段を備え、判定手段は、空燃比検出手段により検出された排気空燃比がリッチである場合に排気浄化触媒の劣化状態を判定することを特徴とする。
本発明の請求項1の内燃機関の触媒劣化判定装置によれば、排気の空燃比をリーンから一時的にリッチに切り換えることで、排気浄化触媒に吸蔵されている酸素と排気中の燃料とが反応して排気温度が上昇する。そして、排気浄化触媒の上流側の排気温度から推定した下流側の推定排気温度と排気浄化触媒の下流側の実排気温度との差により、排気浄化触媒に吸蔵された酸素量が推定される。排気浄化触媒に吸蔵された酸素量は触媒の劣化とともに減少することから、このように酸素量を推定することで触媒の劣化を判定することができる。本発明では、以上のように触媒の前後の排気温度に基づいて触媒の劣化が判定されるので、空燃比センサを用いる方法より安価であり、かつ被水や被すすの影響の少ない温度検出手段を用いた低コストかつ信頼性の高い触媒劣化判定が可能となる。
また、本発明の請求項2の内燃機関の触媒劣化判定装置によれば、排気空燃比のリッチへの切り換え時間内における実排気温度と推定排気温度との差を積算し、排気流量の総量で除算することで、排気空燃比の切り換えによる排気浄化触媒での発熱量を正確に求めることができる。よって、排気浄化触媒に吸蔵されている酸素量が正確に推定され、触媒の劣化状態を正確に判定することができる。
また、本発明の請求項3の内燃機関の触媒劣化判定装置によれば、排気浄化触媒に吸蔵される酸素量は触媒の温度、活性状態であるか否かによって影響されることに鑑み、触媒温度が所定の活性温度である場合に排気浄化触媒の劣化状態の判定を行うことで、触媒温度の変動に影響され難い安定した劣化状態の判定を行うことができる。
また、本発明の請求項4の内燃機関の排気浄化装置によれば、触媒温度に基づいて、排気浄化触媒が劣化状態であるか否かを判別するための閾値を変更することで、触媒温度に対応した正確な劣化状態の判定を行うことができる。
また、本発明の請求項4の内燃機関の排気浄化装置によれば、触媒温度に基づいて、排気浄化触媒が劣化状態であるか否かを判別するための閾値を変更することで、触媒温度に対応した正確な劣化状態の判定を行うことができる。
また、本発明の請求項5の内燃機関の排気浄化装置によれば、排気空燃比がリッチである場合に劣化状態を判定することで、排気中の酸素と燃料との反応による排気浄化触媒での熱の発生が抑制されるので、排気浄化触媒において発生する熱量から酸素吸蔵量を正確に推定することができ、よって排気浄化触媒の劣化状態をより正確に判定することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の触媒劣化判定装置が適用された車両のディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)の排気系の概略構成図である。
エンジン1の排気通路である排気管2には、排気浄化触媒としてNOx吸蔵触媒3が介装されている。NOx吸蔵触媒3は、例えば、白金(Pt),パラジウム(Pd)等の貴金属を含んだ担体に、バリウム(Ba),カリウム(K)等のNOx吸蔵剤を担持させて構成されており、リーン空燃比雰囲気(酸化雰囲気)下でNOxを捕捉する一方、リッチ空燃比雰囲気(還元雰囲気)下で、捕捉しているNOxを放出し、排気中のHC、COと反応させて還元する機能を有している。
図1は、本発明の触媒劣化判定装置が適用された車両のディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)の排気系の概略構成図である。
エンジン1の排気通路である排気管2には、排気浄化触媒としてNOx吸蔵触媒3が介装されている。NOx吸蔵触媒3は、例えば、白金(Pt),パラジウム(Pd)等の貴金属を含んだ担体に、バリウム(Ba),カリウム(K)等のNOx吸蔵剤を担持させて構成されており、リーン空燃比雰囲気(酸化雰囲気)下でNOxを捕捉する一方、リッチ空燃比雰囲気(還元雰囲気)下で、捕捉しているNOxを放出し、排気中のHC、COと反応させて還元する機能を有している。
NOx吸蔵触媒3の上流側には、NOx吸蔵触媒3に流入する排気の温度を検出する触媒前排気温度センサ4が設けられている。NOx吸蔵触媒3の下流側には、NOx吸蔵触媒3から排出された排気の温度を検出する触媒後排気温度センサ5が設けられている。
ECU10(電子コントロールユニット)は、エンジン1等の制御を行うよう構成され、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。
ECU10(電子コントロールユニット)は、エンジン1等の制御を行うよう構成され、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。
ECU10の入力側には、車速センサ11、エンジン回転速度センサ12、アクセルポジションセンサ13や図示しないエアフローセンサ等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。
ECU10の出力側には、筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁14や、図示しないスロットル弁等の各種出力デバイスが接続されており、これら各種出力デバイスには各種センサ類からの検出情報に基づきECU10において演算された燃料噴射量、燃料噴射時期、吸入空気量等がそれぞれ出力され、これにより、適正なタイミングでスロットル弁が開閉操作され、燃料噴射弁14から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射される。
ECU10の出力側には、筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁14や、図示しないスロットル弁等の各種出力デバイスが接続されており、これら各種出力デバイスには各種センサ類からの検出情報に基づきECU10において演算された燃料噴射量、燃料噴射時期、吸入空気量等がそれぞれ出力され、これにより、適正なタイミングでスロットル弁が開閉操作され、燃料噴射弁14から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射される。
ECU10は、更に、排気の空燃比が一時的にリーンからリッチに切り換わるように、燃料噴射弁14による燃料噴射量を制御する空燃比切換手段(空燃比切換機能)を備えている。
また、本実施形態のECU10は、上述の触媒前排気温度センサ4、触媒後排気温度センサ5、車速センサ11、エンジン回転速度センサ12、アクセルポジションセンサ13、外気温度を検出する外気温度センサ15からの検出情報に基づいて、NOx吸蔵触媒3が劣化しているか否かを判定するNOx吸蔵触媒劣化判定機能が備えられている(判定手段)。
また、本実施形態のECU10は、上述の触媒前排気温度センサ4、触媒後排気温度センサ5、車速センサ11、エンジン回転速度センサ12、アクセルポジションセンサ13、外気温度を検出する外気温度センサ15からの検出情報に基づいて、NOx吸蔵触媒3が劣化しているか否かを判定するNOx吸蔵触媒劣化判定機能が備えられている(判定手段)。
図2は、ECU10におけるNOx吸蔵触媒3の劣化判定要領を示すフローチャートである。本ルーチンは、NOx吸蔵触媒3の劣化判定必要時に、例えば所定期間間隔をおいて実行される。
先ず、図2に示すように、ステップS10では、NOx吸蔵触媒3の酸素ストレージ能力の限界まで酸素が吸蔵されるように、排気空燃比がリーンとなる状態を所定時間継続させる。そして、ステップS20に進む。
先ず、図2に示すように、ステップS10では、NOx吸蔵触媒3の酸素ストレージ能力の限界まで酸素が吸蔵されるように、排気空燃比がリーンとなる状態を所定時間継続させる。そして、ステップS20に進む。
ステップS20では、排気空燃比がリーンから所定時間リッチになるように空燃比切換手段による制御を開始する。この所定時間は、NOx吸蔵触媒3に吸蔵された酸素が全て確実に消費されるような時間に設定すればよい。そして、ステップS30に進む。
ステップS30では、触媒前排気温度センサ4から触媒前排気温度T1を入力し、この触媒前排気温度T1に基づいて、次式(1)によりNOx吸蔵触媒3の下流側の推定触媒後排気温度T2estを算出する。
ステップS30では、触媒前排気温度センサ4から触媒前排気温度T1を入力し、この触媒前排気温度T1に基づいて、次式(1)によりNOx吸蔵触媒3の下流側の推定触媒後排気温度T2estを算出する。
T2est=T1+Qhr+Qloss・・・(1)
上記(1)式において、Qhrは、NOx吸蔵触媒3における通常発熱量であり(酸素吸蔵量が0である場合の発熱量に相当する。)、エンジン1の運転状態及び排気温度等から演算される。エンジン1の運転状態としては、エンジン回転速度センサ12により検出されたエンジン回転速度、アクセルポジションセンサ13により検出されたアクセル開度が用いられ、これらの情報に基づいて、あらかじめ設定しておいたマップから読み出して求めればよい。Qlossは、NOx吸蔵触媒3の上流側から下流側へ移動する際の排気の熱損失であり、車速センサ11により検出された車速及び外気温度センサ15から検出した外気温に基づいて演算される。また、触媒前排気温度T1に対しては、フィルタリングをするとともに、NOx吸蔵触媒3の上流側から下流側への熱伝達の遅れを考慮して補正するとよい。そして、ステップS40に進む。
上記(1)式において、Qhrは、NOx吸蔵触媒3における通常発熱量であり(酸素吸蔵量が0である場合の発熱量に相当する。)、エンジン1の運転状態及び排気温度等から演算される。エンジン1の運転状態としては、エンジン回転速度センサ12により検出されたエンジン回転速度、アクセルポジションセンサ13により検出されたアクセル開度が用いられ、これらの情報に基づいて、あらかじめ設定しておいたマップから読み出して求めればよい。Qlossは、NOx吸蔵触媒3の上流側から下流側へ移動する際の排気の熱損失であり、車速センサ11により検出された車速及び外気温度センサ15から検出した外気温に基づいて演算される。また、触媒前排気温度T1に対しては、フィルタリングをするとともに、NOx吸蔵触媒3の上流側から下流側への熱伝達の遅れを考慮して補正するとよい。そして、ステップS40に進む。
ステップS40では、触媒後排気温度センサ5から触媒後排気温度T2を入力し、ステップS20において演算した推定排気温度T2estとの温度差(T2−T2est)を積算する。そして、ステップS50に進む。
ステップS50では、排気流量Qeを積算する。排気流量Qeは例えばエアフローセンサにより検出された吸入空気量及びエンジン回転速度センサ12により検出されたエンジン回転速度、アクセルポジションセンサ13により検出されたアクセル開度に基づいて演算すればよい。そして、ステップS60に進む。
ステップS50では、排気流量Qeを積算する。排気流量Qeは例えばエアフローセンサにより検出された吸入空気量及びエンジン回転速度センサ12により検出されたエンジン回転速度、アクセルポジションセンサ13により検出されたアクセル開度に基づいて演算すればよい。そして、ステップS60に進む。
ステップS60では、ステップS20において開始した一時的なリッチ切り換えが終了したか否かを判別する。終了した場合は、ステップS70に進む。終了していない場合は、ステップS30に戻る。
ステップS70では、ステップS40において演算した排気温度の積算値Σ(T2−T2est)と、ステップ50において演算した排気流量の積算値ΣQeを用いて、NOx吸蔵触媒における発熱量Qlr(1回のリッチ切り換えにおける発熱量の総量)を、次式(2)により演算する。
ステップS70では、ステップS40において演算した排気温度の積算値Σ(T2−T2est)と、ステップ50において演算した排気流量の積算値ΣQeを用いて、NOx吸蔵触媒における発熱量Qlr(1回のリッチ切り換えにおける発熱量の総量)を、次式(2)により演算する。
Qlr=Σ(T2−T2est)/ΣQe・・・(2)
そして、ステップS80に進む。
ステップS80では、ステップS70において演算した発熱量Qlrに基づいて、NOx吸蔵触媒3における酸素吸蔵量Qoを推定する。酸素吸蔵量Qoは発熱量Qlrと相関関係にあり、あらかじめ実験等により確認して作成したマップを用いて求めたり、発熱量Qlrを酸素吸蔵量Qoの指標としてそのまま用いたりしてもよい。そして、ステップS90に進む。
そして、ステップS80に進む。
ステップS80では、ステップS70において演算した発熱量Qlrに基づいて、NOx吸蔵触媒3における酸素吸蔵量Qoを推定する。酸素吸蔵量Qoは発熱量Qlrと相関関係にあり、あらかじめ実験等により確認して作成したマップを用いて求めたり、発熱量Qlrを酸素吸蔵量Qoの指標としてそのまま用いたりしてもよい。そして、ステップS90に進む。
ステップS90では、NOx吸蔵触媒劣化判定用の閾値である酸素吸蔵量劣化判定値Qo1を演算する。酸素吸蔵量劣化判定値Qo1は、NOx吸蔵触媒3の触媒温度に応じて設定され、例えば触媒前排気温度T1及び触媒後排気温度T2の平均値に基づいて設定したり、簡易的に触媒後排気温度T2に基づいて設定したりすればよい(触媒温度検出手段)。そして、ステップS100に進む。
ステップS100では、ステップS80において演算した酸素吸蔵量QoがステップS90において演算した酸素吸蔵量劣化判定値Qo1より少ないか否かを判別する。酸素吸蔵量Qoが酸素吸蔵量劣化判定値Qo1より少ない場合は、ステップS110に進む。
ステップS110では、NOx吸蔵触触媒3が劣化していると判定する。そして、本ルーチンを終了する。
ステップS110では、NOx吸蔵触触媒3が劣化していると判定する。そして、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS100において、酸素吸蔵量Qoが酸素吸蔵量閾値Qo1以上であると判定した場合は、ステップS120に進む。
ステップS120では、NOx吸蔵触媒3が劣化していないと判定する。そして、本ルーチンを終了する。
図3は、上記制御による触媒後排気空燃比及び触媒後排気温度の推移を示すタイムチャートである。以下、図3を用いて、本実施形態の作用を説明する。
ステップS120では、NOx吸蔵触媒3が劣化していないと判定する。そして、本ルーチンを終了する。
図3は、上記制御による触媒後排気空燃比及び触媒後排気温度の推移を示すタイムチャートである。以下、図3を用いて、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、リーン運転をしてNOx吸蔵触媒3に最大限酸素を吸蔵させた後、一時的に排気空燃比をリッチにする。すると、図3に示すように、NOx吸蔵触媒3通過後の排気温度T2が上昇し、その上昇量は、新品に対して劣化品の方が少ない。このような排気温度T2の上昇は、排気空燃比をリッチにしている間の排気中の燃料がNOx吸蔵触媒3に吸蔵されている酸素と反応するためであり、その上昇量はあらかじめ吸蔵した酸素量と比例する。本実施形態では、この一時的にリッチにしている期間におけるNOx吸蔵触媒3の触媒前排気温度T1から推定した推定触媒後排気温度T2estとの差の積算値Σ(T2−T2est)と排気流量の積算値ΣQeとを求め、この温度差の積算値Σ(T2−T2est)を排気流量の積算値ΣQeで除算することで、NOx吸蔵触媒3における発熱量Qlrが演算され、NOx吸蔵触媒3における酸素吸蔵量が推定される。そして、この推定された酸素吸蔵量が、閾値である酸素吸蔵量劣化判定値Qo1より低い場合に、NOx吸蔵触媒3が劣化していると判定される。このようにして、NOx吸蔵触媒3の劣化が正確に判定され、NOx吸蔵触媒3に対して再生や交換等の適切な対処が可能となり、排気浄化性能を常に良好な状態に維持させることができる。
図4は、発熱量Qlrと触媒劣化状態との関係を示すグラフである。図4に示すように、発熱量Qlrが少なくなるに連れてNOx吸蔵触媒3が劣化していることが伺える。本実施形態では、発熱量Qlrから酸素吸蔵量Qoを推定し、この酸素吸蔵量Qoが酸素吸蔵量劣化判定値Qo1より低い場合にNOx吸蔵触媒3が劣化状態であることを判定しているが、図4を用いて発熱量Qlrが所定値(例えば図中a)未満である場合に劣化状態であると判定してもよい。
また、本実施形態では、酸素吸蔵量劣化判定値Qo1がNOx吸蔵触媒3の触媒温度に応じて設定されるので、触媒の温度変化に対応した精度のよい劣化判定が可能となる。あるいは、触媒温度が所定の活性温度である場合にのみ劣化判定を行うようにしてもよい。このようにすれば、劣化判定の機会は減少するが、触媒温度の変動に影響され難い安定した劣化判定を行うことができる。また、酸素吸蔵量劣化判定値Qo1をあらかじめ一定の値に設定することができ、酸素吸蔵量劣化判定値Qo1の演算が不要となるので、制御の簡素化を図ることができる。
更に、NOx吸蔵触触媒3の下流側に空燃比センサ20を設け、上記ステップS60以降の劣化判定を、NOx吸蔵触触媒3通過後の排気の空燃比がリッチとなってから行うとよい。このようにすれば、排気中の酸素と燃料との反応による排気浄化触媒3での熱の発生が抑制されるので、排気浄化触媒3において発生する熱量から酸素吸蔵量Qoをより正確に推定することができる。この場合、空燃比センサを1個追加することで部品コストが増加するものの、空燃比センサを2個使用する従来技術よりは部品コストを抑えることができる。
本実施形態では、ディーゼルエンジンのNOx吸蔵触媒の劣化を判定するが、本発明はこれに限定するものではなく、例えばガソリンエンジンの三元触媒のように、酸素ストレージ機能を有する触媒であれば、その劣化判定に広く適用することができる。
1 エンジン
3 NOx吸蔵触媒
4 触媒前排気温度センサ
5 触媒後排気温度センサ
10 ECU
20 空燃比センサ
3 NOx吸蔵触媒
4 触媒前排気温度センサ
5 触媒後排気温度センサ
10 ECU
20 空燃比センサ
Claims (5)
- 内燃機関の排気通路に設けられた酸素吸蔵機能を有する排気浄化触媒の触媒劣化判定装置であって、
前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチとリーンとの間で切り換える排気空燃比切換手段と、
前記排気浄化触媒の上流側の排気通路に設けられ、排気温度を検出する触媒前排気温度検出手段と、
前記触媒前排気温度検出手段により検出された前記排気浄化触媒の上流側の排気温度と前記内燃機関の運転状況とに基づいて、前記排気浄化触媒の下流側の排気温度を推定する触媒後排気温度推定手段と、
前記排気浄化触媒の下流側の排気通路に設けられ、排気温度を検出する触媒後排気温度検出手段と、
前記排気空燃比切換手段により排気空燃比をリーンから一時的にリッチに切り換えて、前記触媒後排気温度検出手段により検出された実排気温度と前記触媒後排気温度推定手段により推定された推定排気温度との差に基づいて前記排気浄化触媒の劣化状態を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置。 - 前記判定手段は、排気空燃比のリッチへの切り換え時間内における前記実排気温度と前記推定排気温度との差を積算し、該積算した値を前記切り換え時間内に前記排気浄化触媒を通過した排気流量の積算値で除算した値に基づいて前記排気浄化触媒の劣化状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化判定装置。
- 前記排気浄化触媒の触媒温度を検出する触媒温度検出手段を備え、
前記判定手段は、前記触媒温度検出手段により検出された触媒温度が所定の温度である場合に前記排気浄化触媒の劣化状態の判定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の触媒劣化判定装置。 - 前記判定手段は、前記触媒温度検出手段により検出された触媒温度に基づいて、前記排気浄化触媒が劣化状態であるか否かを判別するための閾値を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の触媒劣化判定装置。
- 前記排気浄化触媒の下流側の排気通路に排気空燃比を検出する空燃比検出手段を備え、
前記判定手段は、前記空燃比検出手段により検出された排気空燃比がリッチである場合に前記排気浄化触媒の劣化状態を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の触媒劣化判定装置。
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JP (1) | JP2010001857A (ja) |
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2008
- 2008-06-23 JP JP2008163059A patent/JP2010001857A/ja not_active Withdrawn
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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