JP2010001639A - スラグ系モルタルの仕上げ工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】下水道、屎尿等の処理施設、廃棄物処理施設、温泉施設等において、躯体となるコンクリート構造物にスラグ系セメントを使用する場合のドライアウト防止、樹脂層と躯体コンクリートの接着性の向上及び工期短縮を図るために改良した工法の提供。
【解決手段】15重量%以上のスラグを配合した高炉水砕スラグ、ポルトランドセメント、砂及び有機もしくは無機の各種添加剤からなる水硬性粉体と、水とからなるモルタルの施工において、モルタル打設後、前記モルタル表面が塗布可能な硬度に達した時点から3日までの間に、前記モルタル表面に水系エマルション化したエポキシ樹脂系塗材を塗布することを特徴とするスラグ系モルタルの仕上げ工法を開発した。
【選択図】なし

Description

下水道、屎尿等の処理施設、廃棄物処理施設、温泉施設等において、これらの施設の躯体となるコンクリート構造物に、耐硫酸性のあるスラグ系セメントを使用する場合のドライアウト防止、樹脂層と躯体コンクリートの接着性の向上及び工期短縮を図るために改良した工法に関する。
ポルトランドセメントは、水和により水酸化カルシウムを多量に生成するため、無機酸、有機酸等に容易に侵食される。すなわち、ポルトランドセメントの水和反応により生成した水酸化カルシウムが、例えば、硫酸存在下で反応して石膏を生成し、強度が低下するとともに、生成した石膏とセメント中に含まれるアルミン酸三石灰とが反応して、エトリンガイトを生成する。このエトリンガイトの生成時に、膨張し、組織が崩壊すると考えられる。
下水道関連施設等においては、下水汚泥から発生する硫化水素ガスが硫黄酸化細菌によって酸化され、生成した硫酸で施設の躯体コンクリートが腐食して劣化する事例が増えてきている。このため、躯体コンクリートの表面に、耐硫酸性を有するエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等、耐酸性を有する樹脂による被覆を行っている。
しかしながら、これらの樹脂被覆は、稀ではあるが、ピンホール等が発生し、躯体コンクリートが硫酸腐食等により劣化する場合がある。
したがって、下水道関連施設においては、施設躯体の破損を防止するため、躯体コンクリートのモルタルとして、耐硫酸性に優れたスラグ系セメント、アルミナセメント等の使用が要求されている。
しかしながら、スラグ系セメントモルタルは、打設した後のモルタル硬化の際、水を失い、表面がドライアウトしやすい。ドライアウトの防止は、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、スターチ系等の保水性増粘剤を添加することによって改善することができるが、これらの保水性増粘剤の添加は、耐硫酸性を低下させるため、できる限り添加量を少なくする必要がある。
通常、耐硫酸性が要求されるコンクリートやモルタルは、耐硫酸性と酸を含む処理水の浸透を防ぐために、表面をエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の耐酸性樹脂で被覆をする。新設の場合は、コンクリート表面が平滑であるため、これらの樹脂による被覆が可能であるが、改修工事の場合は、コンクリート劣化部を取り除いた後、この部分を埋め戻し、平滑にしてから防食被覆施工を行う。この埋め戻し材料にスラグ系セメントモルタルを使用すれば、耐硫酸性に優れた下地とすることができる。
さらに、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の代表的な耐硫酸性被覆材として使用される合成樹脂は、全て有機質材料であり、無機質のコンクリートを被覆した場合には、様々な問題が生じる。その代表的な例は、剥離及び膨れである。原因は、無機質のコンクリートと有機質の被覆材との熱膨張・収縮特性の差、また、コンクリート細孔内に残存する水や溶剤の蒸気圧にあると言われている。
また、コンクリートが湿潤状態にあると、有機質防食被覆材の接着力が著しく低下することも指摘されている。
また、ポルトランドセメントにスラグ等を併用すると、耐硫酸性は得られるが、十分に緻密な構造とならず、硫酸の浸透を十分に防ぐことができない。すなわち、透水率が高く、硫酸を含む処理水が被覆層(ライニング層)を通過した場合は、躯体コンクリートに到達して、コンクリートを侵食することになるため、耐硫酸性樹脂被覆層に耐硫酸性があるのみでは意味がない。
耐硫酸性モルタルを打設する現場では、養生後のコンクリート表面に、表面の素地調整と耐酸性を高めるため、素地調整剤として耐硫酸性樹脂を厚さ1mm程度塗布することが行われているが、その塗布は、モルタルが十分に乾燥し、養生後に塗布するのが普通である。
このため、スラグ系セメントモルタルの施工においては、ドライアウト対策及び工期の短縮が求められてきた。
本発明は、下水道関連施設または廃棄物処理施設等において、コンクリート構造物にスラグ系耐硫酸性モルタルを使用し、耐硫酸性を失うことなく、ドライアウト防止、樹脂層と躯体コンクリートの接着性の向上及び工期短縮を可能とした改良したスラグ系モルタルの仕上げ工法を提供することを目的とする。
本発明は、
[1]15重量%以上のスラグを配合した水硬性粉体と、水とからなるモルタルの施工において、モルタル打設後、前記モルタル表面が塗布可能な硬度に達した時点から3日までの間に、前記モルタル表面にエポキシ樹脂系塗材を塗布することを特徴とするスラグ系モルタルの仕上げ工法、
[2]前記水硬性粉体が、高炉水砕スラグ、ポルトランドセメント、砂及び有機もしくは無機添加剤からなる水硬性組成物であることを特徴とする上記[1]記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法、
[3]前記モルタルが、ポルトランドセメントに対して外割りで固形分0.1〜25%の水性ポリマーディスパージョンまたは再乳化型粉末樹脂を混合した水硬性粉体を用いたスラグ系モルタルであることを特徴とする上記[1]または[2]に記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法、
[4]前記エポキシ樹脂系塗材として、水系エマルション化したエポキシ樹脂を用いることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法、
[5]前記エポキシ樹脂系塗材が、水硬性粉体を含むものであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法、
[6]前記水性ポリマーディスパージョンが、濃度が10〜50%のアクリル系樹脂またはEVA系樹脂であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法、及び、
[7]下水道もしくは屎尿の処理施設、廃棄物処理施設または温泉施設の躯体となるコンクリート構造物に施工することを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法、を開発することにより上記課題を解決した。
スラグ系耐硫酸性モルタルを打設する場合、モルタル打設後、通常1週間以上、早くても少なくとも3日位乾燥させた後に、素地調整材としてエポキシ樹脂系塗材を塗布する工法が一般的であるが、本発明によれば、モルタル打設後、該モルタル表面が塗布可能な硬度に達した時点から3日までの間に、該モルタル表面にエポキシ樹脂系塗材を厚さ0.5〜1.5mm程度で塗布することにより、ドライアウト防止及び工期短縮が可能となり、樹脂層と躯体コンクリートの接着性の向上及び工期短縮を図るための改良した工法及び該工法で施工された施設を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。ただし、この実施の形態は、発明の趣旨をより理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
本発明において使用する水硬性粉体とは、ポルトランドセメント、骨材(砂)、有機もしくは無機の各種添加材(剤)及びスラグからなる水硬性組成物を意味する。
前記水硬性粉体に配合されるスラグは、高炉水砕スラグであり、該水硬性粉体の耐硫酸性を高めるために、カルシウム系等のアルカリ性粉末は配合しない。前記高炉水砕スラグの配合割合は、水硬性粉体100重量部中に、少なくとも15重量部配合する。
本発明において使用するポルトランドセメントとしては、特に限定する必要はなく、性能的には、普通、早強、超早強、中庸熱または低熱の各種ポルトランドセメントが使用可能であるが、初期強度発現性が良好となることから、3CaO・SiO2(以下、C3Sという。)含有量が60%以上のポルトランドセメントを使用することが好ましい。C3S含有量が60%以上のポルトランドセメントとしては、市販の早強ポルトランドセメントや超早強ポルトランドセメント等が挙げられる。
骨材としては、材質や粒径は特に制限されないが、一般に、酸に対して強いシリカ系やシリカ−アルミナ系が好ましく、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のアルカリ土類酸化物や鉄を多く含む骨材は酸に弱いため好ましくない。このため、通常は、コスト的に、砂または珪砂を用いる。耐硫酸性を向上させるためには、アルミナゲルが徐々に生成するアルミナセメントクリンカー、ジェットセメントクリンカー等のアルミネート系クリンカー骨材を用いることが好ましい。
また、粒径は、用途により細かいものから粗いものまで使用可能であり、通常のセメントモルタルやコンクリートに用いるものと同等または類似のものが好ましい。一般の構造材として用いる場合には、粒径が大きいものが使用される。
本発明においては、前記水硬性粉体中に、有機または無機の各種添加剤(材)、例えば、高性能減水剤、AE減水剤または高性能AE減水剤等の減水剤、流動化剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、凝結調整剤、セメント膨張材、ベントナイト等の粘土鉱物を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
さらに、ポルトランドセメントに対して外割りで固形分0.1〜25%、より好ましくは、3〜10%の水性ポリマーディスパージョンまたは再乳化型粉末樹脂を混合した水硬性粉体を用いることは、躯体との接着性の改善、モルタル表面のドライアウト防止等の理由から好ましい。
本発明における水性ポリマーディスパージョンとしては、セメント混和可能なものであればよく、一般には、JIS A6203−3に規定するセメント混和用ゴムラテックスまたはセメント混和用の樹脂エマルションを広く利用することができる。
好適な水性ポリマーディスパージョンとしては、アクリル(樹脂)系エマルション、アクリル−スチレン(樹脂)系エマルション、EVA(エチレン−酢酸ビニル樹脂)系エマルション、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)系ラテックス、CR(クロロプレンゴム)系ラテックス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このような水性ポリマーディスパージョンを添加することにより、耐酸性を高めるとともに、非透水性や接着性を向上させることができる。
特に、曲げ強度の発現、耐水性、接着性の面から、水系のアクリル系エマルション、同じく、水系のエチレン−酢酸ビニル系エマルションが好ましい。
前記アクリル系エマルションは、(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる1種以上の単量体を含む単量体組成物を乳化重合して得ることができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートが好ましい。
前記エチレン−酢酸ビニル系エマルションは、エチレンと酢酸ビニルの共重合体のエマルションであり、エチレン5〜50%のエマルションである。
本発明における水性ポリマーディスパージョンの好ましい粒子径は、0.05〜10μmであり、より好ましくは、0.2〜1μmである。
また、前記水性ポリマーディスパージョンの固形分は、30〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは45〜60重量%である。
また、前記水性ポリマーディスパージョンの粘度は、200mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがより好ましい。
水性ポリマーディスパージョンを配合することにより、躯体との接着性が改善され、モルタルのドライアウト防止効果が得られるが、大量に配合すると、耐硫酸性が低下するため、多くても全体の20重量%とする必要がある。
前記モルタル中の水(水性ポリマーディスパージョン中の水分も含む)の配合割合は、スラグとポルトランドセメントとの合計重量に対して35〜65重量%、好ましくは、40〜60%程度である。
配合水量が上記範囲より多くなると、硬化したモルタル中に空隙が多く生成しやすくなり、耐硫酸性が低下する。一方、上記範囲以下の場合には、スラグの水和反応が十分に進行せず、強度が低下する。
代表的な配合割合は、重量比で水硬性粉体25、水性ポリマーディスパージョン(固形分45%)1、水4の比率であるが、これに限定されるわけではない。
モルタル打設後、その表面に塗布するエポキシ樹脂系塗材としては、普通使用されている各種のエポキシ樹脂の塗材を使用することができ、特に限定されるものではないが、通常、エポキシ樹脂組成物に硬化剤を混合したものを含有する。
エポキシ樹脂系塗材に使用するエポキシ樹脂組成物は、水系エマルション化したものが好ましく、また、コストおよび性能の面からは、ビスフェノールAタイプの樹脂組成物、例えば、「ショウゼットSA−1 主剤」(登録商標:昭和電工建材株式会社)が好ましい。
このエポキシ樹脂組成物の樹脂固形分の濃度は、10〜60重量%程度が好ましく、30〜50重量%がより好ましい。
また、これに使用する硬化剤としては、アミン系、エステル系、酸無水物系、変性ポリアミン系等のいくつかの硬化剤の使用が可能であるが、変性ポリアミン系硬化剤、例えば、「ショウゼットSA−1 硬化剤」(登録商標:昭和電工建材株式会社)が好ましい。
前記エポキシ樹脂系塗材は、モルタルとの接着性等の観点から、ポルトランドセメント等を含んだ水硬性粉体を含有することが好ましく、ポルトランドセメントを含む場合、その含有率は、粉体に対し10重量%以上であることが好ましい。
この水硬性粉体としては、例えば、「ショウゼットSA−1 粉体」(登録商標:昭和電工建材株式会社)が好ましい。
また、エポキシ樹脂系塗材における前記水硬性粉体の含有率は、50〜90重量%であることが好ましい。
スラグ系モルタルの表面に塗布するエポキシ樹脂系塗材の塗り厚は0.1〜5mm程度が好ましく、0.5〜1.5mm程度がより好ましい。
前記エポキシ樹脂系塗材は、スラグ系耐硫酸性モルタルが完全に硬化する前、すなわち、モルタル打設後、前記モルタル表面が塗布可能な硬度に達した時点(早い場合には1時間、通常3〜5時間位)から3日までの間に塗布することが必要である。
モルタルが、エポキシ樹脂系塗材が塗布可能な状態になる時間は、気温、モルタルの水配合量等により変わるため、確定的なことは言えないが、モルタル表面がエポキシ樹脂系塗材の塗布が可能となる硬度に達したら直ちに塗布することが好ましく、打設後3日以内に塗布することが必要である。
この期間を徒過すると、モルタルのドライアウト発生の可能性が高くなる上、樹脂層とコンクリート表面との接着性の向上が期待できず、また、工期の短縮を図る上でも障害となる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。なお、下記配合比における%は重量%で示す。
[実施例1]
以下の材料を用いた。
水硬性粉体:高炉水砕スラグ40%、ポルトランドセメント19%、骨材40%、その他添加剤1%(以下、上記配合を「耐硫酸性モルタルA」とする。)
吸水調整剤:ARプライマー(登録商標:昭和電工建材株式会社)
水性ポリマーディスパージョン:ペタルスWP(登録商標:昭和電工建材株式会社)
エポキシ樹脂系塗材:ショウゼットSA−1(登録商標:昭和電工建材株式会社)
なお、ARプライマーは、接着助剤であり、下地の吸水調整剤である。ペタルスWPは、アクリル−スチレン系エマルションである。
ARプライマー100g/m2を塗布した歩道板に、耐硫酸性モルタルA:ペタルスWP:水=25:1:4で混練りした材料を20mm厚施工した。
そして、所定時間経過後、ショウゼットSA−1を1mm厚で施工した。
施工方法は、東京都コンクリート改修技術マニュアル(処理施設編)の接着安定性試験の試験方法に準じた。
耐硫酸性モルタルAを打設後、5時間、24時間、3日、5日、7日後に、ショウゼットSA−1を塗布した。
材齢28日における接着試験結果を表1に示す。表1における破断位置は、A:歩道板、B:材料/歩道板界面、C:材料下部、D:材料内部、E:材料表層、F:SA−1/材料界面、G:SA−1内部とした。
Figure 2010001639
接着試験の結果、ショウゼットSA−1塗布の有無で、強度、破断位置に大きな違いが見られた。
各時間帯において、ショウゼットSA−1を塗布した場合においては、破断位置の一部は歩道板からであった。
これに対して、ショウゼットSA−1の塗布なしの場合は、材料表層から破断した。
表1の結果は、実験室内での結果であるが、材料表層は外部の影響を最も受けやすいため、破断位置が材料表層よりも歩道板の方が、現場のあらゆる環境状況においても安全であると言える。
[実施例2]
以下の材料を用いた。
水硬性粉体:高炉スラグ40%、ポルトランドセメント19%、骨材40%、その他添加剤1%、再乳化型粉末樹脂:2%(外割り)(以下、上記配合を「耐硫酸性モルタルB」とする。)
吸水調整剤:ARプライマー(登録商標:昭和電工建材株式会社)
エポキシ樹脂系塗材:ショウゼットSA−1(登録商標:昭和電工建材株式会社)
ARプライマー100g/m2を塗布した歩道板に、耐硫酸性モルタルB:水=25:4.6で混練りした材料を20mm厚施工した。
そして、所定時間経過後、ショウゼットSA−1を1mm厚で施工した。
施工方法は、東京都コンクリート改修技術マニュアル(処理施設編)の接着安定性試験の試験方法に準じた。
耐硫酸性モルタルBを打設後、5時間、24時間、3日、5日、7日後に、ショウゼットSA−1を塗布した。
材齢28日における接着試験結果を表2に示す。表2における破断位置は、A:歩道板、B:材料/歩道板界面、C:材料下部、D:材料内部、E:材料表層、F:SA−1/材料界面、G:SA−1内部とした。
Figure 2010001639
接着試験の結果、ショウゼットSA−1塗布の有無で、強度、破断位置に大きな違いが見られた。
高炉水砕スラグを配合したスラグ系モルタルは、硬化時に水を失い、表面のドライアウトを起こしやすい。特に、耐硫酸性を高めるために保水性増粘剤を配合しない場合に、その傾向が高い。
また、耐硫酸性モルタルを打設する場合、素地調整材としてエポキシ樹脂系塗材をモルタルが乾燥後に塗布する工法が一般的であるが、本発明においては、モルタル打設後1時間以降7日までの間に、エポキシ樹脂系塗材を1mm厚程度塗布することにより、ドライアウトの防止及び工期短縮が可能となる。
このため、本発明に係る工法は、酸類と接触する施設や土木・建築部材のポルトランドセメント質材料の防食被覆や欠損部の修復に使用することができ、さらに、それらの施設や部材の構造材として使用され得る耐酸性材料を形成することができる。また、強酸性の地下水環境に使用可能な耐酸性補修材としても利用できる。
すなわち、本発明は、下水道、屎尿等の処理施設、廃棄物処理施設、焼却炉または温泉施設の躯体となるコンクリート構造物等の耐硫酸性に優れた耐硫酸モルタル打設のための工法として、ドライアウト防止、樹脂層と躯体コンクリートの接着性の向上及び工期短縮を可能とした改良して工法を提供するものである。

Claims (7)

  1. 15重量%以上のスラグを配合した水硬性粉体と、水とからなるモルタルの施工において、モルタル打設後、前記モルタル表面が塗布可能な硬度に達した時点から3日までの間に、前記モルタル表面にエポキシ樹脂系塗材を塗布することを特徴とするスラグ系モルタルの仕上げ工法。
  2. 前記水硬性粉体が、高炉水砕スラグ、ポルトランドセメント、砂及び有機もしくは無機添加剤からなる水硬性組成物であることを特徴とする請求項1記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法。
  3. 前記モルタルが、ポルトランドセメントに対して外割りで固形分0.1〜25%の水性ポリマーディスパージョンまたは再乳化型粉末樹脂を混合した水硬性粉体を用いたスラグ系モルタルであることを特徴とする請求項1または2に記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法。
  4. 前記エポキシ樹脂系塗材として、水系エマルション化したエポキシ樹脂を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法。
  5. 前記エポキシ樹脂系塗材が、水硬性粉体を含むものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法。
  6. 前記水性ポリマーディスパージョンが、濃度が10〜50%のアクリル系樹脂またはEVA系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法。
  7. 下水道もしくは屎尿の処理施設、廃棄物処理施設または温泉施設の躯体となるコンクリート構造物に施工することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスラグ系モルタルの仕上げ工法。
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