JP2009540003A - Aa1raの低頻度投与を含む腎機能の長期間にわたる改善 - Google Patents

Aa1raの低頻度投与を含む腎機能の長期間にわたる改善 Download PDF

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Abstract

治療効果的な量のAA1RAを患者に与えること、および、AA1RAの投与が、少なくとも3日であるAARA投与後の期間にわたって持続する腎機能における改善をもたらし得ることを患者または医療従事者に知らせることを含む、患者を処置するための方法。

Description

(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願第60/814,232号(2006年6月16日出願、Dittrich他、発明の名称:「AARAの低頻度投与を含む腎機能の長期間にわたる改善」、その開示全体がその全体において参考として本明細書中に組み込まれる)の優先権を主張する。
(発明の分野)
本明細書中に開示される実施形態は、腎機能における維持、回復または改善を必要としている個体において腎機能を長期間にわたって改善する方法に関連する。
(関連技術の説明)
医師は、重要な関係が、うっ血性心不全(CHF)において、心臓と、腎臓との間に存在することにますます気づきつつある。この複雑な相互作用は心腎症候群として知られている。多くの研究は、腎機能不全が、CHF患者におけるより悪化した短期結果および長期結果の強い独立した予兆であることを明らかにしている。例えば、入院期間中において、血清クレアチニンにおける0.3ミリグラム/デシリットルを越える増大(これは、悪化する腎機能の一般に使用されるマーカーである)により、より長期の入院、より大きい心不全再入院率、および、より大きい死亡率が予測される。腎機能の悪化は、標準的な利尿剤による効果的な処置をより困難にし、また、心臓の作業負荷を増大させ、不整脈を誘発し、心臓血管系に悪影響を及ぼし得る化学物質の産生をもたらすことがある。加えて、腎臓障害が存在する場合、医師は多くの場合、ACE阻害剤などの結果改善薬物の使用を、これらの薬物が腎機能をさらに悪化させることを恐れて減らす。現在、腎機能を、特に心不全の個体において改善するための効果的な治療法が求められている。
いくつかの実施形態において、本明細書中に提供されるのは、AARAの治療効果的な量を患者に与える工程、および、AARAの投与が、少なくとも約3日、少なくとも約5日、少なくとも約7日、少なくとも約10日、少なくとも約14日またはそれ以上であるAARA投与後の期間にわたって持続する腎機能における改善をもたらし得ることを患者または医療従事者に知らせる工程を含む、患者を処置するための方法である。
本明細書中に提供される他の実施形態は、腎機能における比較的長期間の改善を必要としている患者を特定する工程、および、比較的より短い期間のAARA治療をその患者に施す工程を含む、患者を処置するための方法に関連する。いくつかの実施形態において、比較的長期間の改善は、AARA治療後において少なくとも約3日持続する改善である。例えば、改善が、AARA治療後において少なくとも約5日、AARA治療後において少なくとも約7日、AARA治療後において少なくとも約10日、AARA治療後において少なくとも約14日またはそれ以上持続する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、腎機能における改善が、AARA治療後において少なくとも約3日、少なくとも約5日、少なくとも約7日、少なくとも約10日、少なくとも約14日またはそれ以上であるAARA投与後の期間にわたって持続することを患者または医療従事者に知らせる工程を含む。
いくつかの実施形態において、患者はうっ血性心不全に苦しんでいる。いくつかの実施形態において、AARAは下記の1つであり得る:KW−3902、BG−9719、または、BG−9928、SLV−320、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物。
いくつかの実施形態において、KW−3902の治療効果的な量は、約2.5mg/用量〜約70mg/用量の間、例えば、約20mg/用量〜約50mg/用量の間であり得る。好ましい実施形態において、KW−3902の治療効果的な量は約30mg/用量であり得る。
他の実施形態は、損なわれた腎機能を有する患者を処置するための方法に関連し、この場合、この方法は、改善された腎機能を少なくとも所定の期間にわたって達成するために意図される、AARAの投与を含む治療の経過を設計する工程、および、治療のその経過を患者に施し、ただし、AARAの投与が、その所定の期間が終了する前の少なくとも約3日において完了する工程を含む。
さらに別の実施形態により、長期間の利尿剤を服用する、安定型うっ血性心不全(CHF)の個体における腎機能を改善および/または維持する方法が提供され、この場合、この方法は、そのような個体にアデノシンAARAの治療効果的な量を約4日〜約1ヶ月の間隔で投与する工程を含み、ただし、個体は前記長期利尿剤治療を前記AARAによる処置の経過の始めから終わりまで同時に続ける。
さらに他の実施形態は、利尿剤治療を受けている、軽度の腎臓障害を経験する個体を処置するための方法に関連し、この場合、この方法は、そのような個体にAARAの治療効果的な量を2週間毎〜1ヶ月毎で投与する工程を含む。
さらに別の実施形態は、存在する腎臓障害または発症途中の腎臓障害を患者において遅らせるか、または逆戻りさせるための方法に関連し、この場合、この方法は、そのような患者にAARAの効果的な周期的量を4日毎に約1回から1ヶ月毎に約1回の間で投与する工程を含む。
いくつかの実施形態において、AARAは、KW−3902、BG−9719またはBG−9928、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物であり得る。好ましい実施形態において、AARAは、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物である。
いくつかの実施形態において、KW−3902の治療効果的な量は、約2.5mg/用量〜約70mg/用量の間、例えば、約20mg/用量〜約50mg/用量の間であり得る。好ましい実施形態において、KW−3902の治療効果的な量は約30mg/用量であり得る。
いくつかの実施形態において、AARAは、およそ4日〜30日の間隔で、例えば、7日〜30日の間隔で、例えば、7日〜9日の間隔などで投与することができる。いくつかの実施形態において、AARAはおよそ14日の間隔で投与することができる。
いくつかの実施形態は、AARA投与後の少なくとも3日間にわたって持続する腎機能における持続した改善を必要としている患者によって使用される、腎機能不全を処置するための医薬品の調製におけるAARAの使用に関連する。
他の実施形態は、腎機能における比較的長期間の改善を必要としている患者において腎機能不全を処置するための医薬品の調製におけるAARAの治療効果的な量の使用に関連し、この場合、前記医薬品は前記患者に比較的より短い期間にわたって投与される。
さらに他の実施形態は、患者における腎機能を所定の期間にわたって処置するために治療の経過において使用される医薬品の製造におけるAARAの治療効果的な量の使用に関連し、この場合、前記医薬品の投与が、前記所定の期間が完了する前の少なくとも3日において完了する。
他の実施形態は、長期間の利尿剤を服用する、安定型うっ血性心不全(CHF)の個体における腎機能を改善および/または維持し、4日〜30日の間隔で前記個体に投与するための医薬品の製造におけるAARAの治療効果的な量の使用に関連し、この場合、前記個体は長期利尿剤治療をAARA治療の経過の始めから終わりまで続ける。
さらに他の実施形態は、利尿剤治療を受けている、軽度の腎臓障害を経験する個体を処置し、2週間毎または1ヶ月毎で投与するための医薬品の製造におけるAARAの治療効果的な量の使用に関連する。
存在する腎臓障害または発症途中の腎臓障害を患者において遅らせるか、または逆戻りさせ、4日〜30日の間の間隔で投与するための医薬品の製造におけるAARAの効果的な周期的量の使用。
図1Aおよび図1Bは、KW−3902の25mgまたは30mgの1回の静脈内服用の後における経時的なKW−3902およびその代謝産物(M1−trans)のシミュレートされた血清中濃度を示す図である。KW−3902が、図の凡例に示されるように、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間または24時間にわたって投与される。図1Aにはまた、2時間かけて施されたKW−3902の10mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の15mgの服用(10/15)の後、または、2時間かけたKW−3902の15mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の10mgの服用(15/10)の後におけるKW−3902およびM1−transのシミュレートされた血清中濃度が示される。図1Bにはまた、2時間かけたKW−3902の10mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の20mgの服用(10/20)の後、2時間かけて施されたKW−3902の15mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の15mgの服用(15/15)の後、または、2時間かけて施されたKW−3902の20mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の10mgの服用(20/10)の後におけるKW−3902およびM1−transのシミュレートされた血清中濃度が示される。図1Bにおける矢印は、4時間の経過にわたって施された25mgまたは30mgのKW−3902の1回の服用の後におけるKW−3902およびM1−transのシミュレートされた血清中濃度を示す。
30mgのKW−3902またはプラセボによる処置の後の0時間〜2時間、2時間〜4時間、および、4時間〜8時間での被験体におけるベースラインに対する糸球体ろ過速度(mL/分)におけるパーセント変化を示す図である。
KW−3902またはプラセボによる処置の後の0時間〜2時間、2時間〜4時間、および、4時間〜8時間での被験体におけるベースラインに対する腎血漿流量における変化を示す図である。
プラセボ、10mgのKW−3902、30mgのKW−3902または60mgのKW−3902による処置の後の0時間〜3時間、3時間〜6時間、6時間〜9時間、および、9時間〜12時間での、ベースラインに対して比較されるクレアチニンクリアランス速度(mL/分)における変化を示す図である。
実施例1に記載されるように、30mgのKW−3902またはプラセボによる二重クロスオーバー研究における処置の後の4時間〜8時間での被験体におけるベースラインに対する糸球体ろ過速度(mL/分)における変化を示す図である。
プラセボ、2.5mgのKW−3902、15mgのKW−3902、30mgのKW−3902、または、60mgのKW−3902による処置の後における最後の観察または7日での持続する腎機能悪化の%発生を示す図である。
実施例1に記載されるように、腎機能の悪化を処置後の示された期間にわたって示す、10mg、20mgまたは30mgのKW−3902またはプラセボにより処置された急性CHFの被験者の百分率を示す図である。
実施例1に記載されるように、10mg、20mgまたは30mgのKW−3902またはプラセボによる処置の後での、静脈内利尿剤治療を必要とする急性CHFの被験者、および、軽症〜重症の腎臓障害の被験者における示された期間にわたる平均血清クレアチニンレベルにおける変化を示す図である。
本開示は、部分的には、アデノシンA受容体アンタゴニストが、AARAまたはその代謝産物が血流中に持続する期間を越えて継続する、腎機能に対する持続した有益な効果をもたらすという驚くべき発見に基づいている。安定型または急性のうっ血性心不全および損なわれた腎機能を有する患者を伴う研究において、本発明者らは、AARA処置が、AARAが患者によって除かれた後も十分に継続した腎機能における改善をもたらしたことを見出した。
アデノシンは、数種類のアデノシン受容体を介して身体中に作用する天然に存在する分子である。アデノシンは、腎機能を調節することにおいて重要な役割を果たす。健康な腎臓では、アデニシンにより、血流、腎機能、ならびに、塩および水分の処理が微調整される。腎臓は、アデノシンA受容体系によって媒介される糸球体ろ過および電解質再吸収を調節するためにアデノシンを構成的に産生する。腎臓において、アデノシンA受容体は輸入(前糸球体)腎臓細動脈の血管収縮応答を支配する。アデノシンおよび他のアデノシンアゴニストは腎臓への血流における低下を引き起こし、従って、糸球体ろ過速度における低下を引き起こす。
腎機能が、体液過剰および/またはうっ血性心不全(CHF)の患者では損なわれ得る。様々な治療剤、例えば、利尿剤、ACE阻害剤およびベータ遮断剤などが一般に、体液過剰および/またはうっ血性心不全(CHF)の患者に投与される。しかしながら、これらの化合物は腎機能をさらに損なうことがある。個々の利尿剤は、ネフロンの特定のセグメントに対して、例えば、近位尿細管、ヘンレ係蹄または遠位尿細管に対して作用する。従って、例えば、ループ利尿剤はヘンレ係蹄における再吸収を阻害する。結果として、より高い濃度のナトリウムが遠位尿細管にまで通過する。これは初めに、より大きな尿量をもたらし、従って、利尿効果をもたらす。しかしながら、尿細管の遠位部分はナトリウム濃度における増大を認識し、腎臓が2つの様式で反応する;一方が、ナトリウムの再吸収をネフロンのどこか他のところで増大させることであり、もう一方が、血管収縮が生じる輸入細動脈にアデノシンA受容体を介してフィードバックすることである。このフィードバック機構は尿細管糸球体フィードバック(TGF)として知られている。この血管収縮は、低下した腎臓血流および低下した糸球体ろ過速度(GFR)をもたらす。時間とともに、これら2つの機構は利尿効果における低下および腎機能の悪化をもたらす。この一連の事象が疾患の進行の一因となる。
本明細書中には、患者をAARAにより処置する方法が提供される。本明細書中で使用される用語AARAは、アデノシンA受容体を選択的に中和する化合物を示す。本発明の範囲には、現在知られているすべてのそのようなAARA、および、将来において発見されることになるすべてのそのようなAARAが含まれる。本明細書中に記載される実施形態において有用である例示的なAARAには、KW−3902、BG−9719、BG−9928、CVT−124、SLV−320、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物が含まれるが、これらに限定されない。用語「KW−3902」、用語「BG−9719」、用語「BG−9928」、用語「CVT−124」および用語「SLV−320」は、KW−3902、BG−9719、BG−9928、CVT−124、SLV−320、ならびに、その任意の医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、代謝産物またはプロドラッグをそれぞれ示すことが意味されることが理解される。BG−9719が、米国特許第5,446,046号、米国特許第5,631,260号および米国特許第5,668,139号に記載される(これらの開示は、それぞれがその全体において参考として本明細書中組み込まれる)。いくつかの実施形態において、AARAは、(3−[4−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−ビシクロ[2.2.2]オクタ−1−イル]プロピオン酸(BG−998)であり得る。
KW−3902はキサンチン由来のアデノシンA受容体アンタゴニスト(AA1RA)である。その化学名は8−(3−ノルアダマンチル)−1,3−ジプロピルキサンチンであり、3,7−ジヒドロ−1,3−ジプロピル−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1H−プリン−2,6−ジオンとしてもまた知られており、その構造は下記の通りである:
Figure 2009540003
KW−3902はまた、上記で記載された、(A受容体を介して)アデノシンにより媒介されるTGF機構を阻止する。このことは究極的には、増大したGFRおよび改善された腎機能を可能にし、これにより、究極的には、より多くの体液がヘンレ係蹄または遠位尿細管を通過することがもたらされる。加えて、KW−3902は近位尿細管におけるナトリウム(および、従って、水)の再吸収を阻害し、その結果、利尿をもたらす。さらには、KW−3902はTGFの阻害剤であり、これは、TGFを活性化するか、または促進させるいくつかの利尿剤(例えば、近位利尿剤など)の有害な影響を打ち消すことができる。
本発明の実施において有用であるKW−3902および関連化合物が、例えば、米国特許第5,290,782号、同第5,395,836号、同第5,736,528号、同第6,210,687号および同第6,254,889号に記載される(これらのすべての開示全体が、任意の図面を含めて、本明細書により参考として本明細書中に組み込まれる)。
本発明において有用である他のAARAが、例えば、米国特許第4,769,337号、米国特許第5,746,046号、米国特許第6,818,647号、米国特許第6,605,600号、米国特許第6,649600号、米国特許出願公開第2005/0245546号、米国特許出願公開第2004/0259889号、米国特許出願公開第2002/0115687号および米国特許第7,022,686号に開示されるAARAである(これらの開示は、それぞれが、すべての図面を含めて、本明細書により明示的にそれらの全体において参考として組み込まれる)。
用語「医薬的に許容され得る塩」は、投与される生物に対する著しい刺激作用を引き起こさず、化合物の生物学的な活性および性質を無効にしない化合物の配合物を示す。医薬用の塩を、本発明の化合物を無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびサリチル酸などと反応することによって得ることができる。医薬用の塩はまた、本発明の化合物を塩基と反応して、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩など)、有機塩基(例えば、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなど)の塩、アミノ酸(例えば、アルギニンおよびリシンなど)との塩などの塩を形成することによって得ることができる。
用語「エステル」は、式−(R)−COOR’(式中、RおよびR’は独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、(環炭素を介して結合する)ヘテロアリールおよび(環炭素を介して結合する)ヘテロ脂環系からなる群から選択され、nは0または1である)を有する化学的成分を示す。
用語「アミド」は、式−(R)−C(O)NHR’または式−(R)NHC(O)R’(式中、RおよびR’は独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、(環炭素を介して結合する)ヘテロアリールおよび(環炭素を介して結合する)ヘテロ脂環系からなる群から選択され、nは0または1である)を有する化学的成分である。アミドは、本発明の分子に結合し、それによりプロドラッグを形成するアミノ酸分子またはペプチド分子であり得る。
「プロドラッグ」は、生体内で元の薬物に変換される薬剤を示す。いくつかの状況において、プロドラッグは、元の薬物よりも、投与することが容易である場合があるので、プロドラッグは多くの場合、有用である。プロドラッグは、例えば、元の薬物が経口投与による生物学的利用能を有しないのに対して、経口投与による生物学的利用能を有する場合がある。プロドラッグはまた、元の薬物を上回る、医薬組成物において改善された溶解性を有する場合がある。プロドラッグの限定されない一例が、水溶性が移動性にとって有害である、細胞膜を横断する送達を容易にするためにエステル(「プロドラッグ」)として投与され、しかし、その後、水溶性が有益である細胞の内部に入ると、カルボン酸(活性な成分)に代謝により加水分解される本発明の化合物である。プロドラッグのさらなる一例が、酸基に結合した短いペプチド(ポリアミノ酸)であり得る。この場合には、ペプチドが、活性な成分を現すために代謝される。
本明細書中に開示される化合物の代謝産物、エステルまたはアミドにおけるアミン側鎖、ヒドロキシ側鎖またはカルボキシル側鎖はどれも、エステル化またはアミド化することができる。この目的を達成するために使用されるべき手順および具体的な基が当業者には知られており、また、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、John Wiley&Sons、New York、NY、1999)(これはその全体が本明細書中に組み込まれる)などの参考情報源において容易に見出され得る。
用語「代謝産物」は、出発化合物が哺乳動物の細胞の内部において変換される化合物を示す。例えば、KW−3902の代謝産物は、KW−3902が哺乳動物の細胞の内部において変換される化合物を示す。本発明の医薬組成物はKW−3902の代謝産物をKW−3902の代わりに含むことができる。本明細書中に記載される方法の範囲には、化合物(例えば、KW−3902)が患者に投与され、それでもやはり、その代謝産物が生物活性成分であるそのような場合が含まれる。
KW−3902のいくつかの代謝産物が知られており、本明細書中に開示される方法において有用である。これらには、キサンチン成分におけるプロピル基がヒドロキシル化される化合物、または、プロピル基がアセチルメチル(CHC(O)CH−)基である化合物が含まれる。他の代謝産物には、ノルアダマンチル基がヒドロキシル化される(すなわち、−OH基により置換される)か、または、オキシル化される(すなわち、=O基により置換される)代謝産物が含まれる。従って、KW−3902の代謝産物の例には、8−(trans−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン(これはまた、本明細書中では「M1−trans」として示される)、8−(cis−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン(これはまた、本明細書中では「M1−cis」として示される)、8−(trans−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1−(2−オキソプロピル)−3−プロピルキサンチン、および、1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−(trans−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチンが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中に開示される医薬組成物または方法において使用されるKW−3902代謝産物はキサンチン由来の化合物であり得る。そのようなキサンチン由来の化合物は下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容され得る塩であり得る:
Figure 2009540003
式中、
およびXのそれぞれが独立して、酸素または硫黄を表す;
Qは、
Figure 2009540003
(式中、Yは、単結合、または、1個〜4個の炭素原子を有するアルキレンを表し、nは0または1を表す)
を表す;
およびRのそれぞれが独立して、水素、低級アルキル、アリル、プロパルギル、または、ヒドロキシ置換、オキソ置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、かつ、Rは水素または低級アルキルを表し、あるいは、
およびRは同じであるか、または異なり、それぞれが水素またはヒドロキシを表し、また、RおよびRの両方が水素であるときには、RおよびRの少なくとも一方がヒドロキシ置換またはオキソ置換の低級アルキルであり、
ただし、Qが、
Figure 2009540003
であるときには、R、RおよびRは同時にメチルでない。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物のRおよびRの両方が低級アルキルであり、Rは水素であり、XおよびXの両方が酸素である。他の実施形態において、R、RおよびRは独立して、水素または低級アルキルを表す。さらに他の実施形態において、RおよびRのそれぞれが独立して、アルキルまたはプロパルギルを表し、Rは水素または低級アルキルを表す。特定の実施形態において、XおよびXはともに酸素であり、nが0である。
いくつかの実施形態において、Rは、ヒドロキシ置換、オキソ置換または非置換のプロピルであり、Rはヒドロキシ置換または非置換のプロピルであり、Yは単結合である。他の実施形態において、Rは、プロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−オキソプロピルまたは3−オキソプロピルであり、Rは、プロピル、2−ヒドロキシプロピルまたは3−ヒドロキシプロピルである。
いくつかの実施形態において、Qは、
Figure 2009540003
であり、一方、他の実施形態において、Qは、
Figure 2009540003
である。他の実施形態において、Qは、9−ヒドロキシ置換、9−オキソ置換または6−ヒドロキシ置換の3トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルであるか、あるいは、3−ヒドロキシ−1トリシクロ[3.3.1.03,7]デシルである。
特定の実施形態において、KW−3902代謝産物が、8−(ノルアダマンタン−3−イル)−1,3−ジプロピルキサンチン、1,3−ジアリル−8−(3−ノルアダマンチル)キサンチン、3−アリル−8−(3−ノルアダマンチル)−1−プロパルギルキサンチン、8−(trans−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン、8−(cis−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン、8−(trans−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1−(2−オキソプロピル)−3−プロピルキサンチンおよび1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−(trans−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン、または、それらの医薬的に許容され得る塩からなる群から選択される。
他の実施形態において、キサンチン誘導体は、下記の式IIもしくは式IIIのキサンチンエポキシド誘導体化合物、または、それらの医薬的に許容され得る塩である:
Figure 2009540003
式中、
およびRは同じであるか、または異なり、水素、または、炭素が1個〜4個のアルキル基が可能であり、Rは酸素または(CH1〜4のいずれかであり、n=0〜4である。
そのようなキサンチンエポキシド誘導体化合物は、
Figure 2009540003
であり得る。
いくつかの方法において、対象には、治療効果的な量のAARAが投与される。本明細書中で使用される用語「治療効果的な量」は、処置されている障害の徴候または症状の1つまたは複数をある程度緩和する、投与されている組成物のそのような量を示す。例えば、患者には、腎機能を改善または維持するために効果的な量のAARAを投与することができる。腎機能は、腎臓が老廃物を排出し、適正な化学的バランスを維持することができることを示す。腎機能は、クレアチニン、尿素および電解質の血漿中濃度によって測定することができる。クレアチニンは、体内においてかなりの一定の速度で産生され、通常の場合には腎臓によってろ過され、尿に排出される、正常な筋肉代謝の副生成物である。腎機能を測定するために当業者に知られている任意の方法が、本明細書中に記載される方法において使用され得ることが理解される。いくつかの実施形態において、血清クレアチニンレベル、尿クレアチニンレベル、糸球体ろ過速度(GFR)および腎血漿流量(RPF)を、腎機能を評価するために使用することができる。
本開示に関連して、腎機能を「維持する」によって、腎機能が、本明細書中に記載される方法によって測定されるとき、治療開始後の所定の期間にわたって変化しないままであることが意味される。言い換えれば、腎機能を「維持する」という表現は、例えば、尿クレアチニンクリアランス、血清クレアチニンレベル、GFRおよびRPFなどによって測定されたとき、腎臓障害の速度を遅くするか、または停止させることを示す。
本開示に関連して、腎臓障害を「遅くする」によって、腎機能における低下が、例えば、クレアチニンクリアランス速度を低下させることによって明らかになるとき、治療開始後の所定の期間にわたって遅くなるか、または停止されることが意味される。言い換えれば、腎臓障害を「遅くする」によって、腎臓障害の速度、例えば、尿クレアチニンクリアランス速度における低下の速度、血清クレアチニンレベルにおける増大の速度、糸球体ろ過速度における低下の速度、または、腎血漿流量における低下の速度が、治療開始後の所定の期間にわたって遅くなるか、または停止されることが意味される。
本開示に関連して、腎機能を「改善する」は、存在する腎臓障害の反転、または、腎臓障害後の腎機能の回復を示すことができる。いくつかの実施形態において、腎機能における改善は、腎臓障害の悪化を遅くすることまたは停止させることを示す。腎機能における改善はまた、例えば、治療開始後の所定の期間にわたる、クレアチニンクリアランスの低下する速度における停止、GFRもしくはRPFでの低下における停止、あるいは、尿クレアチニンクリアランスの速度における増大、GFRにおける増大、または、RPFにおける増大によって現れ得る。
いくつかの実施形態において、腎機能の維持または改善は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、少なくとも16時間、少なくとも20時間、少なくとも22時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、少なくとも84時間、少なくとも96時間、少なくとも108時間、少なくとも120時間、少なくとも132時間、少なくとも144時間、少なくとも156時間、少なくとも168時間、少なくとも180時間、少なくとも16日、少なくとも17日、少なくとも18日、少なくとも19日、少なくとも20日、少なくとも21日、少なくとも30日もしくそれ以上の期間、または、その間の任意の時間量の期間にわたって持続する。好ましくは、腎機能における維持または改善は少なくとも約3日またはそれ以上にわたって持続する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される方法は腎機能の長期間の改善または維持をもたらす。本明細書中で使用される表現「腎機能の長期間の維持」または表現「腎機能における長期間の改善」は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、少なくとも16時間、少なくとも20時間、少なくとも22時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、少なくとも84時間、少なくとも96時間、少なくとも108時間、少なくとも120時間、少なくとも132時間、少なくとも144時間、少なくとも156時間、少なくとも168時間、少なくとも180時間、少なくとも16日、少なくとも17日、少なくとも18日、少なくとも19日、少なくとも20日、少なくとも21日、少なくとも30日もしくそれ以上の期間、または、その間の任意の時間量の期間にわたって持続する腎機能における維持または改善を示す。好ましくは、腎機能における長期間の維持または長期間の改善は少なくとも約3日またはそれ以上にわたって持続する。
いくつかの実施形態において、患者には、治療効果的な量のAARAが投与される。用語「効果的な量」または用語「治療効果的な量」は、患者に投与されたとき、何らかの治療的利益をもたらすために効果的な量を意味する。治療的利益は、症状の改善、例えば、腎機能を維持または改善するために効果的な量であり得る。特定の状況において、患者は、その患者が処置されている状態の症状を示さないことがある。
用語「処置する」または用語「処置」は完全な治癒を必ずしも意味しない。疾患の何らかの望ましくない徴候または症状のある程度の何らかの緩和、あるいは、疾患の進行を遅らせることを、処置と見なすことができる。さらには、処置には、安寧または様子の、患者の全身的感覚を悪くし得る作用が含まれ得る。処置にはまた、たとえ、症状が緩和されない場合でも、または、疾患状態が改善されない場合でも、または、安寧の、患者の全身的感覚が改善されない場合でも、患者の寿命を長くすることが含まれ得る。従って、本発明の関連において、尿排出量を増大させること、血清クレアチニンのレベルを低下させること、または、クレアチニンクリアランスを増大させることは、たとえ、患者が治癒されないか、または、一般に、気分良くならない場合でも、処置と見なすことができる。
従って、いくつかの実施形態において、個体には、約0.01mg/mL、0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.10mg/mL、0.11mg/mL、0.12mg/mL、0.13mg/mL、0.14mg/mL、0.15mg/mL、0.16mg/mL、0.17mg/mL、0.18mg/mL、0.19mg/mL、0.20mg/mLまたはそれ以上の尿クレアチニンクリアランスにおける増大を生じさせるために効果的な量のAARAが投与される。いくつかの実施形態において、クレアチニンクリアランス速度における増大は、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも12日、少なくとも14日、少なくとも16日、少なくとも18日、少なくとも20日、少なくとも25日もしくは少なくとも30日にわたって、または、その間の任意の時間量にわたって持続する。いくつかの実施形態において、クレアチニンクリアランス速度における増大は、30日を越える期間にわたって持続する。
従って、いくつかの実施形態において、患者には、AARA(例えば、KW−3902)が、約0.5mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、または、その間の任意の数字の用量で投与される。いくつかの実施形態において、AARAが、0.5mgよりも少ない用量で投与される。他の実施形態において、AARAが、100mgよりも大きい用量で投与される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、AARAの投与が、AARA投与後の所定の期間にわたって持続する腎機能を維持または改善し得ることを患者または医療従事者に知らせる工程を含むことができる。例えば、患者または医療従事者には、腎機能が、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、少なくとも16時間、少なくとも20時間、少なくとも22時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、少なくとも84時間、少なくとも96時間、少なくとも108時間、少なくとも120時間、少なくとも132時間、少なくとも144時間、少なくとも156時間、少なくとも168時間、少なくとも180時間、少なくとも16日、少なくとも17日、少なくとも18日、少なくとも19日、少なくとも20日、少なくとも21日、少なくとも30日もしくそれ以上の期間、または、その間の任意の時間量の期間にわたって維持または改善され得ることを知らせることができる。
本明細書中で使用される用語「知らせる」は、公表されたものを示すか、または提供することを意味し、例えば、活性な薬剤を公表されたものとともに使用者に提供すること、あるいは、情報を、例えば、セミナー、会議もしくは他の教育的発表での発表によって、または、医薬品販売員と、医療従事者との間における会話によって、または、医療従事者と、患者との間における会話によって口頭で発表すること、あるいは、意図された情報を理解のために使用者に明らかにすることを意味する。
医療従事者は、安全性、効力、服用、投与または薬物動態学に関する情報を含めて、その投薬形態を含む、活性な薬剤に関する情報を必要または利用し得る、保健医療分野における作業者を意味する。医療従事者の例には、医師、薬剤師、医師助手、看護師、補助者、ケースワーカー(家族または保護者を含むことができる)、救急医療従事者および獣医師が含まれる。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、改善された腎機能を所定の期間にわたって達成することが意図される治療の経過を設計する工程を含み、この場合、治療の経過はAA1RAの投与を含む。例えば、いくつかの実施形態において、治療の経過は、下記で議論されるように、AA1RAを1つまたは複数の治療剤(例えば、アデノシン非緩和利尿剤、ACE阻害剤、ARB剤、ベータ遮断剤およびアルドステロン阻害剤など)とともに投与することを含むことができる。いくつかの実施形態において、治療の経過は、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、少なくとも約10日、少なくとも約11日、少なくとも約12日、少なくとも約13日、少なくとも約14日、少なくとも約15日、少なくとも約16日、少なくとも約17日、少なくとも約18日、少なくとも約19日、少なくとも約20日、少なくとも約21日、少なくとも約25日、少なくとも約30日、少なくとも約35日、少なくとも約40日、少なくとも約45日、少なくとも約50日、少なくとも約60日もしくはそれ以上、または、その間の任意の時間量であり得る。いくつかの実施形態において、AA1RAの投与を、治療の経過のための所定の期間が終了する前において少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、少なくとも約10日、少なくとも約11日、少なくとも約12日、少なくとも約13日、少なくとも約14日、少なくとも約15日、少なくとも約16日、少なくとも約17日、少なくとも約18日、少なくとも約19日、少なくとも約20日、少なくとも約21日、少なくとも約25日、少なくとも約30日、少なくとも約35日、少なくとも約40日、少なくとも約45日、少なくとも約50日、少なくとも約60日またはそれ以上で完了することができる。
特定の実施形態において、本発明の方法によって処置されている個体は腎臓障害に苦しむ。他の実施形態において、個体は腎臓障害に苦しんでいない。腎機能を測定するために当業者に知られている任意の方法が、本明細書中に記載される方法において使用され得ることが理解される。例えば、血清クレアチニンレベル、クレアチニンクリアランス、糸球体ろ過速度(GFR)および腎血漿流量(RPF)を、腎機能を評価するために使用することができる。例えば、腎臓障害に苦しむ個体は、約20mL/分〜約80mL/分のクレアチニンクリアランス速度(例えば、約25mL/分、約30mL/分、約35mL/分、約40mL/分、約45mL/分、約50mL/分、約55mL/分、約60mL/分、約65mL/分、約70mL/分、約75mL/分、約80mL/分もしくはそれ以上、または、その間の任意の数字)を示し得る。いくつかの実施形態において、患者は、約80mL/分未満のGFR(例えば、約20mL/分、30mL/分、40mL/分、50mL/分、60mL/分、70mL/分もしくは75mL/分、または、その間の任意の数字)を示す。
従って、いくつかの実施形態において、患者は、軽度に損なわれた腎機能(例えば、約50mL/分〜約80mL/分のGFR)を示す。いくつかの実施形態において、患者は、中程度に損なわれた腎機能(例えば、約30mL/分〜約50mL/分のGFR)を示す。さらに他の実施形態において、患者は、重度に損なわれた腎機能(例えば、約0mL/分〜約30mL/分のGFR)を示す。損なわれた腎機能を有する個体には、心不全(例えば、うっ血性心不全など)に苦しむ個体、または、体液過剰をもたらす他の疾病に苦しむ個体で、腎臓の正常な機能が未だ乱されていない個体が含まれ得る。
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される方法によって処置されている個体はうっ血性心不全を有する。うっ血性心不全(CHF)は、損なわれた心臓機能が存在する状態である。損なわれた心臓機能には、体液の増加が付随し得る。CHFは多くの場合、心拍出量が、身体の代謝要求を満たすために不十分であるときに生じるか、または、心臓が、充満圧/拡張期圧の増大したレベルで作動することの要求を満たすことができないときに生じる。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される方法によって処置されている個体は安定型うっ血性心不全を有する。本明細書中で使用される用語「安定型うっ血性心不全」または用語「慢性うっ血性心不全」には、その通常の意味が与えられる。例えば、安定型うっ血性心不全または慢性うっ血性心不全の個体は、少なくとも1つの以前の症状を含めて、うっ血性心不全の記録された病歴を有する個体を示すことができる。うっ血性心不全の症状の限定されない例には、労作時または安静時での呼吸困難、起座呼吸、発作性夜間呼吸困難、腹部膨満および末梢浮腫が含まれる。安定型うっ血性心不全はまた、心不全の1つの以前の徴候を有する個体を表し得る。うっ血性心不全の徴候の限定されない例には、頸静脈拡張、心室性ギャロップ、ラ音、肝腫大、腹水症または末梢浮腫が含まれる。安定型うっ血性心不全はさらに、過度なうっ血が現在ないこと(例えば、腹水がほとんどないこと)、ならびに、ほんの軽微な基底肺ラ音、および、末梢浮腫を示し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書中に提供される方法において特定される個体は急性うっ血性心不全を有する。急性の非代償性CHFを呈する患者は、心臓に対する急性傷害、例えば、心筋梗塞、僧帽弁逆流または心室中隔破裂などを有し得る。典型的には、この傷害は心筋の能力を損ない(例えば、心筋梗塞)、または、弁/心房・心室の一体性を損なう(例えば、僧帽弁逆流または心室中隔破裂)。そのような傷害は左心室(LV)充満圧における鋭い上昇をもたらし得る。LV充満圧における上昇は肺浮腫および呼吸困難をもたらす。場合により、急性CHFは、薬物療法の違反または無節制な食事に対する二次的な全身血管抵抗または体液量過剰における急性の増大に起因する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される方法によって処置されている個体は急性の体液過剰を有する。いくつかの実施形態において、対象はCHFおよび急性の体液過剰を有する。他の実施形態において、個体はCHFを有さず、しかし、急性の体液過剰を有する。いくつかの実施形態において、急性の体液過剰を呈する患者は静脈内利尿剤処置を必要としている。いくつかの実施形態において、急性体液過剰の個体は、短期間の入院、および/または、体液過剰を処置するための静脈内利尿剤治療を必要としている。急性体液過剰の患者は、標準的な臨床的診断手法を使用して特定することができる。個体が急性体液過剰のために入院を必要とするかどうかを決定することにおいて一般に評価される限定されない要因には、下肢の圧痕浮腫(2+);頸静脈拡張;肺浮腫または胸水;腹水;発作性夜間呼吸困難または2枕の起坐呼吸が含まれる。
いくつかの実施形態において、対象は静脈内利尿剤治療を必要としている。静脈内利尿剤処置を必要としている患者を、従来の診断方法を使用して特定することができる。例えば、IV利尿剤処置を必要としている個体は、CHFの症状の1つまたは複数の徴候または症状(例えば、肺、肝臓、腸および末梢区画のうっ血、息切れ(呼吸困難)、疲労、起坐呼吸、ラ音、圧痕浮腫、上昇した中心静脈圧、肺のうっ血、体重増加、体液量過剰、ならびに、上昇した充満圧)を示す個体を示し得る。
いくつかの実施形態において、患者は長期利尿剤治療を受けている。本明細書中で使用される表現「長期利尿剤治療」またはその変化形(例えば、「長期間の利尿剤」)は、所定に期間にわたる継続的な利尿剤治療(例えば、少なくとも毎日の治療)を示す。従って、長期利尿剤治療を受けているとして特定される個体は、利尿剤を、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、少なくとも約10週間、少なくとも約12週間もしくはそれ以上、または、その間の任意の期間にわたって継続して毎日服用し続けている個体を示すことができる。長期利尿剤治療の継続は、実質的に中断されない毎日の利尿剤治療を示す。いくつかの実施形態において、患者は長期利尿剤治療をAARAによる処置の経過の始めから終わりまで続ける。
(AARAと他の治療剤との組合せ)
本明細書中に提供されるいくつかの実施形態において、本明細書中に記載される方法によって処置されるべき対象には、AARAを別の化合物または治療剤(例えば、アデノシン非緩和利尿剤、ACE剤、ARB剤、ベータ遮断剤、アルドステロン阻害剤または他の化合物、あるいは、それらの任意の組合せなど)との組合せで投与することができる。
利尿剤は、その作用様式および作用場所に基づいて分類される。いくつかの実施形態において、アデノシン非緩和利尿剤は、近位利尿剤、すなわち、主として近位尿細管に作用する利尿剤である。例示的な近位利尿剤には、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤が含まれ、例えば、アセタゾラミド、メタゾラミドおよびジクロルフェナミドなどが含まれる。現在知られているか、または、その後に発見される近位利尿剤はどれも、本明細書中に開示される実施形態の範囲に含まれる。ループ利尿剤は主としてヘンレ係蹄に作用する。本明細書中に記載される方法において有用であるループ利尿剤の例には、フロセミド(LASIX(登録商標))、ブメタニド(BUMEX(登録商標))およびトルセミド(TOREM(登録商標))が含まれるが、これらに限定されない。現在知られているか、または、その後に発見されるループ利尿剤はどれも、本明細書中に開示される実施形態の範囲に含まれる。遠位利尿剤は主として遠位ネフロンに作用する。本明細書中に記載される方法において有用である遠位利尿剤の例には、メトラゾン、チアジド系薬剤およびアミロリドが含まれるが、これらに限定されない。現在知られているか、または、将来において発見される遠位利尿剤はどれも、本明細書中に開示される実施形態の範囲に含まれる。
いくつかの実施形態において、対象はベータ遮断剤をAA1RA治療に加えて受けることができる。数多くのベータ遮断剤が市販されている。これらの化合物には、塩酸アセブトロール、アテノロール、塩酸ベタキソロール、フマル酸ビソプロロール、塩酸カルテオロール、塩酸エスモロール、メトプロロール、酒石酸メトプロロール、ナドロール、硫酸ペンブトロール、ピンドロール、塩酸プロプラノロール、スクシナートおよびマレイン酸チモロールが含まれるが、これらに限定されない。ベータ遮断剤は一般にはベータアドレナリン作動性受容体遮断剤および/またはベータアドレナリン作動性受容体遮断剤であり、これらは、ベータアドレナリン作動性受容体アゴニストにより引き起こされる正の変時性応答、正の変力性応答、気管支拡張性応答および血管拡張性応答を低下させる。本明細書中に記載される実施形態には、現在知られているすべてのベータ遮断剤、および、将来において発見されるすべてのベータ遮断剤が含まれる。
いくつかの実施形態において、患者はアンギオテンシン変換酵素阻害剤またはアンギオテンシンII受容体遮断剤をAARA治療に加えて受けることができる。数多くのACE阻害剤が市販されている。これらの化合物(それらの化学構造はいくぶんか類似している)には、リシノプリル、エナラプリル、キナプリル、ラミプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、ホシノプリル、モエキシプリル、トランドラプリルおよびペリンドプリルが含まれる。ACE阻害剤は一般には、アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変換するアンギオテンシン変換酵素の作用を阻害する化合物である。本明細書中に記載される実施形態には、現在知られているすべてのACE阻害剤、および、将来において発見されるすべてのACE阻害剤が含まれる。
数多くのARB剤もまた市販されているか、または、この分野では知られている。これらの化合物には、ロサルタン、イルベサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、エポサルタンおよびバルサルタンが含まれる。ARB剤は、血圧を、血管を弛緩させることによって低下させる。このことは、より良好な血流を可能にする。ARB剤の機能は、アンギオテンシンIIが結合すること(これは通常の場合には血管を収縮させる)を阻止するその能力から生じる。本明細書中に開示される実施形態には、現在知られているすべてのARB剤、および、将来において発見されるすべてのARB剤が含まれる。
いくつかの実施形態において、患者はアルドステロン阻害剤をAARA治療に加えて受けることができる。数多くのアルドステロン阻害剤が市販されている。これらの化合物には、スピロノラクトン(ALDACTONE(登録商標))およびエプレレノン(INSPRA(登録商標))が含まれるが、これらに限定されない。本明細書中に開示される実施形態には、現在知られているすべてのアルドステロン阻害剤、および、将来において発見されるすべてのアルドステロン阻害剤が含まれる。
いくつかの実施形態において、患者は予防効果的または治療効果的な量の抗痙攣剤をAARA治療に加えて受けることができる。いくつかの抗痙攣剤がこの分野では知られており、本明細書中に記載される組成物および方法において有用である。例えば、米国特許出願公開第2005/0070524号を参照のこと。抗痙攣剤の広範囲の列挙がまた、例えば、Goodman and Gilman’s “The Pharmaceutical Basis Of Therapeutics”(第8版、McGraw−Hill,Inc.(1990年)、436頁〜462頁)、および、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”(第17版、Mack Publishing Company(1985年)、1075頁〜1083頁)に見出され得る(これらの開示は本明細書により明示的にそれらの全体が参考として組み込まれる)。本明細書中に開示される組成物および方法において使用することができる抗痙攣剤の限定されない例には、ジアゼパム、ミダゾラム、フェニトイン、フェオノバルビタール、マイソリン、クロナゼパム、クロラゼペート、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、バルプロ酸、バルプロエート、ガバペンチン、トピラメート、フェルバメート、チアガビン、ラモトリジン、ファモトジン、メフェニロイン、エトトイン、メフォバルビタール、エトスクシミド、メトスクシド、フェンスクシミド、トリメタジオン、パラメタジオン、フェナセミド、アセタゾラミド、プロガビド、ジバルプロエクスナトリウム、メタルビタール、クロバザム、スルチアム、ジフェニラン、レベトリアセタム、プリミドン、ロラゼパム、チオペンチオン、プロポフォールおよびゾニサミド、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、プロドラッグ、エステルまたはアミドが含まれる。しかしながら、現在知られているか、または、将来において発見される他の抗痙攣剤の包含は、本発明の範囲に含まれる。
いくつかの実施形態において、抗痙攣剤を、発作の処置または抑制において治療効果的または予防効果的であるような量で与えることができる。組成物のそれぞれの投薬形態物の個々の服用物に含有される抗痙攣剤の量は基本的には、必要な効果的量がいくつかの個々の服用物の投与によって達成され得るので、効果的な予防量を構成する必要がないことが理解される。当業者は、本明細書中に開示される、組成物に存在し、個体に投与される抗痙攣剤の量が、処置されるべき個体の年齢、性別および体重、投与の特定の方法およびスケジュール設定、ならびに、存在するならば、どのような他の抗痙攣剤が、本明細書中に開示される組成物に存在するか、または、本明細書中に開示される方法において投与されるかに依存して変化することを理解する。従って、個々の患者についての投薬量は典型的な投薬量範囲よりも多くてもよく、または、少なくてもよい。一般的に言えば、抗痙攣剤は、発作を処置、防止または抑制することに対して効果的であることが知られている任意の量で用いることができる。服用は1日に1回または多数回の服用であってもよく、1日あたり選ばれる服用の回数、および、服用間に許される時間は、患者の個々の必要性に依存して変化する。投薬量、投与方法および投与時間を含めて、処置の最適化を当業者によって常法により決定することができる。本明細書中に記載される医薬組成物および方法において使用することができる抗痙攣剤についての具体的な投薬量レベルが、例えば、“Physicians’ Desk Reference”の2003年版(Medical Economics Data Production Company、Montvale、N.J.)に含まれ、同様にまた、Goodman and Gilman’s “The Pharmaceutical Basis of Therapeutics”および“Remington’s Pharmaceutical Sciences”をはじめとする他の参考資料に含まれる(これらの開示はすべてが本明細書により明示的に参考として組み込まれる)。
(KW−3902および他の治療剤の投与)
本明細書中に記載される実施形態には、AA1RAを患者に投与することが含まれる。いくつかの実施形態において、AARA(例えば、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、代謝産物またはプロドラッグ)を非経口投与により投与することができる。例えば、筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、髄内注射、ならびに、クモ膜下注射、直接的な心室内注射、腹腔内注射、鼻腔内注射または眼内注射など。好ましくは、AARA(例えば、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、代謝産物またはプロドラッグ)を連続注入で静脈内に与えることができる。
いくつかの実施形態において、AARA(例えば、KW−3902)が投与期間中において1回の服用で与えられる。例えば、いくつかの実施形態において、約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、80mg、100mgまたはそれ以上のAARA(例えば、KW−3902)を1回の服用で与えることができ、例えば、連続静脈内注入で与えることができる。いくつかの実施形態において、AARA(例えば、KW−3902)が投与期間中において2回以上の服用で与えられ、例えば、AARA(例えば、KW−3902)の2回、3回またはそれ以上の服用を1回の連続静脈内注入で与えることができる。従って、いくつかの実施形態において、AARA(例えば、KW−3902)の約10mgの服用を与え、その後、約15mgまたは20mgの服用を連続注入で与えることができる。代替として、AARA(例えば、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、代謝産物またはプロドラッグ)の約15mgまたは20mgの服用を与え、その後、AARAの約10mgまたは15mgの服用を連続注入で与えることができ、同様に、他の様式も可能である。
いくつかの実施形態において、AARA(例えば、KW−3902)を、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間またはそれ以上の期間にわたって連続注入で与えることができる。好ましくは、AARA(例えば、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、代謝産物またはプロドラッグ)を、約3時間、3.5時間、4時間、4.5時間または5時間、5.5時間、6時間または6.5時間の期間、あるいは、その間の任意の時間量の期間にわたって連続注入で与えることができる。
いくつかの実施形態において、AARA(例えば、KW−3902)の1回の服用が、約3時間、3.5時間、4時間または4.5時間の期間にわたって、好ましくは、約4時間の期間にわたって連続注入で与えられる。いくつかの実施形態において、AARA(例えば、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、代謝産物またはプロドラッグ)の2回の服用を、約4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、6.5時間または7時間の期間にわたって連続注入で与えることができる。必要な場合には、第1の服用を、約1.5時間〜約2.5時間かけて、好ましくは、2時間かけて連続注入で与えることができ、第2の服用を、約3.5時間、4時間または4.5時間かけて、好ましくは、約4時間かけて与えることができる。
いくつかの実施形態において、患者には、約4日毎〜約1ヶ月毎のAARAの治療効果的な量の服用(例えば、「効果的な周期的服用」)が施される。従って、いくつかの実施形態において、AARAを、個体に、少なくとも約4日毎に、約5日毎に、約6日毎に、約7日毎に、約8日毎に、約9日毎に、約10日毎に、約11日毎に、約12日毎に、約13日毎に、約14日毎に、約15日毎に、約16日毎に、約17日毎に、約18日毎に、約19日毎に、約20日毎に、約21日毎に、約22日毎に、約23日毎に、約24日毎に、約25日毎に、約26日毎に、約27日毎に、約28日毎に、約29日毎に、約30日毎に、約31日毎に、約40日毎に、約50日毎に、もしくは、約60日毎に、または、その間の任意の日数で投与することができる。例えば、いくつかの実施形態において、患者には、AA1RAが2週間毎〜2ヶ月毎に投与される。いくつかの実施形態において、AARA(例えば、KW−3902)が、毎日、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日に5回、1日に6回、または、それ以上で投与される。
上記で言及されたように、AARA(例えば、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、代謝産物またはプロドラッグ)は経口投与により投与することができる。必要な場合には、KW−3902の経口配合物は、活性な医薬成分(例えば、KW−3902)の制御された放出または持続した放出をもたらすことができる。制御放出配合を含むKW−3902の経口配合物を、当業者に知られている日常的な方法を使用して作製することができる。本明細書中に記載される経口配合物において有用なキャリア物質の記載が、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第20版、Lippincott Williams&Wilkens Publishers(2003))に見出され得る(これは本明細書によりその全体が参考として組み込まれる)。
いくつかの実施形態において、患者が少なくとも1つの他の治療剤をAA1RAに加えて受ける場合、患者には、前記アデノシン非緩和利尿剤または他の治療剤(例えば、ACE、ARB、ベータ遮断剤およびアルドステロン阻害剤など)と、前記AARA(例えば、KW−3902)とをほぼ同時に投与することができる。これらの実施形態には、AARA(例えば、KW−3902)と、アデノシン非緩和利尿剤または他の治療剤(例えば、ACE、ARB、ベータ遮断剤およびアルドステロン阻害剤など)とが、同じ投与可能な組成物に存在する実施形態、すなわち、1個の錠剤、ピルもしくはカプセル、または、静脈内注射のための1つの溶液、または、1つの飲用可能な溶液、または、1つの糖衣剤配合物もしくはパッチが両方の化合物を含有する実施形態が含まれる。これらの実施形態にはまた、それぞれの化合物が別個の投与可能な組成物に存在し、しかし、対象には、これらの別個の組成物をほぼ同時に摂取することが指導される実施形態、すなわち、一方のピルがもう一方の直後に摂取される実施形態、または、一方の化合物の1回の注射が別の化合物の注射の直後に行われる実施形態などが含まれる。
他の実施形態において、投与工程は、非AARA治療剤(例えば、ACE、ARB、ベータ遮断剤およびアルドステロン阻害剤など)を最初に投与し、その後、AARA(例えば、KW−3902)を投与することを含む。さらに他の実施形態において、投与工程は、AARA(例えば、KW−3902)を最初に投与し、その後、アデノシン非緩和利尿剤または他の治療剤(例えば、ACE、ARB、ベータ遮断剤およびアルドステロン阻害剤など)を投与することを含む。これらの実施形態において、対象には、これらの化合物の一方を含む組成物を投与し、その後、しばらくして、数分後または数時間後に、これらの化合物の他方を含む別の組成物を投与することができる。これらの実施形態にはまた、対象に、これらの化合物の一方を含む組成物が定期的または連続的に投与され、一方で、他方の化合物を含む組成物が時々与えられる実施形態が含まれる。
本明細書中に記載される方法において使用される利尿剤の用量は、当業者に知られている従来の方法によって求めることができる。利尿剤治療の投薬量および投薬間隔が、調節効果または最小有効濃度(MEC)を維持するために十分である活性な成分の血漿中レベルを提供するために個々に調節され得ることが当業者によって理解される。MECはそれぞれの化合物について変化し、しかし、インビトロデータから推定することができる。MECを達成するために必要な投薬量は個体の特徴および投与経路に依存する。しかしながら、HPLCアッセイまたはバイオアッセイを使用して、血漿中濃度を求めることができる。
投薬間隔もまた、MECの値を使用して求めることができる。組成物は、MECを越える血漿中レベルを時間の10%〜90%について、好ましくは30%〜90%の間で、最も好ましくは50%〜90%の間で維持する療法を使用して投与されなければならない。
局所投与または選択的取り込みの場合には、薬物の有効局所的濃度は血漿中濃度に関係づけられなくてもよい。
投与される組成物の量は、当然のことではあるが、処置されている対象、対象の体重、病気の重篤度、投与様式、および、処方医の判断に依存している。
特定の実施形態において、本発明の方法において使用されるアデノシン非緩和利尿剤はフロセミドである。いくつかの実施形態において、フロセミドは、20mg、40mg、60mg、80mg、100mg、120mg、140mg、160mgまたはそれ以上の用量で投与される。投与は経口または静脈内であり得る。フロセミドが静脈内投与されるとき、フロセミドは、1回の注射として、または、連続注入として投与することができる。投与が連続注入を介してであるとき、フロセミドの投薬量は、1mg/時間未満、1mg/時間、3mg/時間、5mg/時間、10mg/時間、15mg/時間、20mg/時間、40mg/時間、60mg/時間、80mg/時間、100mg/時間、120mg/時間、140mg/時間、160mg/時間またはそれ以上であり得る。
本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、そのようなものとして、当然のことではあるが、変化し得ることを理解しなければならない。本発明の範囲は、添付された請求項によってのみ限定されるので、本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態を記述するという目的のためだけであり、限定であることが意図されないことをもまた理解しなければならない。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限および下限の間において、文脈が明確に別途指示しない限り、下限の単位の1/10までの、間にあるそれぞれの値、および、その言及された範囲における任意の他の言及された値または間にある値が本発明において包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限が、言及された範囲における任意の具体的に除外される限界に左右されるが、そのより小さい範囲に独立して含まれてもよく、また、同様に本発明において包含される。言及された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた本発明において含まれる。
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料に対して類似または同等である任意の方法および材料もまた、本発明の実施または試験において使用することができるが、代表的な例示的な方法および材料が次に記載される。
本明細書において引用されるすべての刊行物および特許は、それぞれの個々の刊行物または特許が参考として組み込まれることが具体的かつ個々に示されていたかのように、参考として本明細書中に組み込まれ、また、刊行物がそれらに関連して引用される方法および/または材料を開示および記載するために参考として本明細書中に組み込まれる。どの刊行物の引用も、本出願日よりも前におけるその開示のためのものであり、本発明が先行発明によってそのような刊行物に先行するものでないことを認めるものとして解釈してはならない。さらに、示された発行日は、独立して確認する必要があるかもしれない実際の発行日と異なる場合がある。
これまで本発明を一般的に記載してきたが、本発明は、例示目的のためだけに本明細書中に含まれ、また、別途示されない限り、限定であることが意図されないいくつかの具体的な実施例を参照することによってよりよく理解される。すべての参照される刊行物および特許は、それらの全体が参考として本明細書中に組み込まれる。
下記の実施例は個体におけるKW−3902およびM1−trans代謝産物の濃度を示す。
(実施例1:KW−3902の薬物動態学研究)
個体は、示されたように、1mg、2.5mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mgまたは60mgのKW−3902の1回の静脈内服用を受けた。KW−3902およびそのM1−trans代謝産物の血清中濃度を、日常的な分析方法を使用して測定した。常法による数学式を使用して、薬物動態学の値を求めた。データが表1に示される。
Figure 2009540003
KW−3902の30mg用量のT1/2についての平均値が14.7時間であった。
これらのデータを外挿して、KW−3902を静脈内注入した後におけるKW−3902およびM1−transのシミュレートされた血清中濃度を示す曲線を作製した。シミュレートされた濃度の曲線が図1Aおよび図1Bに示される。簡単に記載すると、1Aおよび1Bはともに、KW−3902の1回の25mgまたは30mgの静脈内服用の後での経時的なKW−3902およびM1−transの予測された血清中濃度を示す。曲線は、図の凡例に示されるように、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間または24時間の注入時間による予測濃度を示す。図1Aはまた、2時間かけて施されたKW−3902の10mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の15mgの服用(10/15)の後、または、2時間かけたKW−3902の15mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の10mgの服用(15/10)の後におけるKW−3902およびM1−transのシミュレートされた血清中濃度を含む。図1Bはまた、2時間かけたKW−3902の10mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の20mgの服用(10/20)の後、2時間かけて施されたKW−3902の15mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の15mgの服用(15/15)の後、または、2時間かけて施されたKW−3902の20mgの服用、その後、4時間かけたKW−3902の10mgの服用(20/10)の後におけるKW−3902およびM1−transのシミュレートされた血清中濃度を示す。図1Bにおける矢印は、4時間の経過にわたって投与された25mgまたは30mgのKW−3902の1回の服用の後におけるKW−3902およびM1−transのシミュレートされた血清中濃度を示す。
下記の実施例は、KW−3902が、腎機能に対する持続した有益な効果を、KW−3902が患者の身体から効果的に除かれている後において有することを明らかにする。
(実施例2:安定型CHFを有する個体の処置)
二重盲検による多施設でのクロスオーバー設計の管理された研究を下記のように行った。およそ23名の外来患者被験者がランダム化された。被験者は30mL/分〜80mL/分の間での推定クレアチニンクリアランスを有し、80mg以上のフロセミドを毎日服用していた。被験者は、6日の処置間のメジアン間隔で、少なくとも3日離された少なくとも2つの処置を受けた。それぞれの患者が、120分かけた80mgのIVによるフロセミドに加えて、120分かけた30mgのKW−3902のIVまたはプラセボのいずれかを受けた。KW−3902を最初の通院の時に受けた患者は、プラセボを2回目の通院の時に受け、また、逆に、プラセボを最初の通院の時に受けた患者は、KW−3902を2回目の通院の時に受けた。イオタラム酸塩(CONRAY(商標))およびパラ−アミノ馬尿酸塩の注入が、糸球体ろ過速度(GFR)および腎血漿流量(RPF)を評価するために標準的なプロトコルに従ってそれぞれ施された。イオタラム酸塩およびパラ−アミノ馬尿酸塩が、KW−3902/プラセボによる処置の前に180分かけて、また、KW−3902/プラセボによる処置の後で8時間かけて投与された。尿および血漿が、ベースライン時、ならびに、2時間、4時間および8時間でGFRおよびRPFのために集められた。ベースライン時の平均GFRが61mL/分であった。
データが下記の表2に示される。
Figure 2009540003
8時間にわたる尿量は、KW−3902+フロセミドの期間中の方(2995.1±1138.17mL)が、プラセボ+フロセミド(2535.7±1159.35mL)よりも大きかった。予想外ではあったが、KW−3902を最初の通院のときに受けたサブグループでは、8時間でのGFR記録における増大が経過観察ベースラインの時(6日のメジアン)において持続した。図5。これらの結果は、AA1RAのKW−3902が、GFRにおける統計学的に有意な増大(図2)および腎血漿流量における統計学的に有意な増大(図3)を、利尿剤により処置される腎臓障害の心不全患者においてもたらすことを明らかにする。図5に示されるように、腎機能におけるこの改善は、予想外なことに、数日間、すなわち、KW−3902およびその代謝産物が患者の系に留まっている後も長く持続する。データは、AA1RAが、個体において、具体的には、その腎臓障害が心不全治療を制限する個体において、著しい利点をもたらすことを明らかにする。
(実施例3:KW−3902は、標準的な利尿剤治療に対して不応性のCHF患者における腎機能を改善する)
二重盲検による、プラセボをコントロールとする研究を下記のように行った。標準的な利尿剤治療に対して不応性である35名のうっ血性心不全の被験者が特定された。被験者をランダム化し、4つの処置群に分けた:(1)プラセボ(n=11);(2)KW−3902、10mg(n=8);(3)KW−3902、30mg(n=7);およびKW−3902、60mg(n=7)。患者の利尿剤治療は処置の少なくとも5時間前に中断された。−3時間から開始して、尿を体積およびクレアチニンクリアランスの測定のために集めた。0時間において、患者には、KW−3902またはプラセボの静脈内注入が患者の現在の利尿剤治療との組合せで与えられた。血液および尿のサンプルを、研究薬物投与後の0時間、3時間、6時間、9時間、12時間および24時間で集めた。0時間〜3時間、3時間〜6時間、6時間〜9時間、および、12時間〜24時間での、様々な処置群でのベースラインからのクレアチニンクリアランス(mL/分)における増大が図4に示される。データは、30mgのKW−3902の用量が腎機能における改善を経時的にもたらしたことを明らかにする。
(実施例4:KW−3902は、急性体液過剰および腎臓障害を有するCHF患者における腎機能を改善する)
二重盲検による、ランダム化された多施設での、プラセボをコントロールとする研究を下記のように行った。およそ157名の被験者をランダム化して、144の評価可能な被験者を、およそ50の施設で行われた分析を処理する意図で得た。研究集団には、ニューヨーク心臓協会分類のII〜IVのCHFを有する、年齢が少なくとも18歳の男性および女性が含まれた。すべての被験者が20mL/分〜80mL/分の間での推定クレアチニンクリアランスを有した。登録時におけるすべての個体についての平均血清クレアチニンが1.75mg/dLであった。すべての被験者が経口ループ利尿剤を服用していた。この研究についての人口統計学データが下記の表3に示される。
Figure 2009540003
研究通院では、処置前の−2日目〜−1日目、処置期間の1日目〜3日目、4日目/早期終了、および、30日目での経過観察接触が含まれた。手順および観察には、病歴、理学的検査、CHFの分類、生命徴候、体重、CHFの徴候および症状スコア、ホルターモニター記録、胸部X線、CBC化学、クレアチニンクリアランス、水分摂取量ならびに尿排出量が含まれた。
処置日において、個体は、KW−3902を、単独療法、および、利尿剤との併用治療の両方として、プラセボに対して4つの用量の1つ(2.5mg、15mg、30mgまたは60mg)で120分かけて静脈内に受けた。KW−3902(またはプラセボ)が1日目から3日目まで投与された。1日目において、KW−3902(またはプラセボ)が単独療法として投与された。KW−3902投与後6時間で、IVによるループ利尿剤が、必要に応じて、すべての処置群に与えられた。2日目および3日目において、KW−3902が、臨床的に適用されるならば、静脈内フロセミドとの混合治療として投与された。最終的な研究室データが4日目または早期終了時に集められた。経過観察の電話接触が30日目に行われた。
持続した腎機能悪化を呈する被験者の割合を求めた。腎機能の悪化を血清クレアチニンにおける0.3mg/dL以上の増大として定義した。結果が図6に示される。これらの結果は、KW−3902がCHFおよび腎臓障害の患者において腎機能を改善することを明らかにする。腎機能に対する有益な効果が持続した。
(実施例4B:KW−3902は、急性体液過剰および腎臓障害を有するCHF患者における腎機能を改善する)
体液過剰を処置するために静脈内利尿剤治療を必要とし、また、20mL/分〜80mL/分の間でのクレアチニンクリアランス値を呈する、急性CHFのために入院した300名を越える被験者が特定された。これらの被験者を、プラセボ、あるいは、1日あたり10mg、20mgまたは30mgの静脈内KW−3902のいずれかを受けるようにランダム化した。被験者のBNPレベル、NT−pro−BNP、血清クレアチニン、体重およびNYHA分類を測定した。
1日目において、KW−3902(またはプラセボ)が静脈内フロセミド(LASIX(商標))と同時投与された。KW−3902(またはプラセボ)の指定され用量が4時間の期間をかけて注入された。被験者は、必要に応じて3日までの期間、治療を受けた。血清クレアチニン、体重、呼吸困難、および、心不全の悪化が、1日目から14日目まで研究者によって毎日評価された。腎機能の悪化を血清クレアチニンにおける0.3mg/dL以上の増大として定義した。
研究から得られるデータが図7および図8に示される。プラセボを受けている被験者は血清クレアチニンレベルでのより大きい増大を経時的に示した。注目すべきことに、30mgのKW−3902を受けた被験者は、14日目で腎機能における改善を示す、血清クレアチニンレベルにおける全体的な低下を示し、これに対して、プラセボを受けた被験者は、腎機能の悪化を示す、血清クレアチニンレベルにおける平均的増大を14日目で示した(図8)。注目すべきことに、KW−3902は、1日目、2日目および3日目にわたって投与されただけであったが、血清クレアチニンレベルにおける改善が14日目で認められた。このことは、KW−3902が腎機能に対する持続した効果を有することを明らかにしている。さらには、腎機能の悪化を、研究の2日目、3日目、4日目、5日目、6日目および7日目で有する個体の割合における増大が、プラセボ処置群に対して比較されたとき、KW−3902治療を受けている処置群ではより低かった。図7。これらのデータから、KW−3902が腎機能を改善し、維持することが確認される。
被験者の1つのサブグループが、KW−3902およびLASIXの1回の服用、または、プラセボおよびLASIXの1回の服用を受けた。1日目および4日目での血清クレアチニンレベル、ならびに、血清クレアチニンレベルにおける変化が下記の表4に示される。
Figure 2009540003
この有益な効果が、KW−3902が患者の系から除かれることが推定される後も長く見られる。プラセボ群では、血清クレアチニンレベルにおける平均的増大が14日目で認められ、一方、AA1RA治療(30mgのKW−3902)を受けている処置群では、血清クレアチニンレベルにおける平均的低下が認められた。これらのデータは、KW−3902の1回の服用の後での腎機能おける改善を明らかにしている。この改善は、KW−3902が患者の系に存在することが予想される期間を十分に越える期間にわたって持続する。

Claims (61)

  1. AARA投与後において少なくとも3日間にわたって持続する腎機能における永続的な改善を必要としている患者によって使用される、腎機能不全を処置するための医薬品の調製におけるAARAの使用。
  2. 前記患者が、AARA投与後において少なくとも5日間にわたって持続する腎機能における改善を必要としている、請求項1に記載の使用。
  3. 前記患者が、AARA投与後において少なくとも7日間にわたって持続する腎機能における改善を必要としている、請求項1に記載の使用。
  4. 前記患者が、AARA投与後において少なくとも10日間にわたって持続する腎機能における改善を必要としている、請求項1に記載の使用。
  5. 前記患者が、AARA投与後において少なくとも14日間にわたって持続する腎機能における改善を必要としている、請求項1に記載の使用。
  6. 前記患者がうっ血性心不全に苦しんでいる、請求項1に記載の使用。
  7. 前記AARAが、KW−3902、BG−9719、BG−9928、CVT−124およびSLV−320、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
  8. 前記AARAが、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物である、請求項1に記載の使用。
  9. KW−3902の前記治療効果的な量が2.5mg/用量〜70mg/用量の間である、請求項1に記載の使用。
  10. KW−3902の前記治療効果的な量が20mg/用量〜50mg/用量の間である、請求項9に記載の使用。
  11. KW−3902の前記治療効果的な量が30mg/用量である、請求項10に記載の使用。
  12. 腎機能における比較的長期間の改善を必要としている患者における腎機能不全を処置するための医薬品の調製におけるAARAの治療効果的な量の使用であって、前記医薬品が比較的より短い期間にわたって前記患者に投与される、使用。
  13. 前記比較的長期間の改善が、AARA治療後において少なくとも3日持続する改善である、請求項12に記載の使用。
  14. 前記改善がAARA治療後において少なくとも5日持続する、請求項12に記載の使用。
  15. 前記改善がAARA治療後において少なくとも7日持続する、請求項12に記載の使用。
  16. 前記改善がAARA治療後において少なくとも10日持続する、請求項12に記載の使用。
  17. 前記改善がAARA治療後において少なくとも14日持続する、請求項12に記載の使用。
  18. 前記患者がうっ血性心不全に苦しんでいる、請求項12に記載の使用。
  19. 前記AARAが、KW−3902、BG−9719、BG−9928、CVT−124およびSLV−320、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物からなる群から選択される、請求項12に記載の使用。
  20. 前記AARAが、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物である、請求項12に記載の使用。
  21. KW−3902の前記治療効果的な量が2.5mg/用量〜70mg/用量の間である、請求項20に記載の使用。
  22. KW−3902の前記治療効果的な量が20mg/用量〜50mg/用量の間である、請求項21に記載の使用。
  23. KW−3902の前記治療効果的な量が30mg/用量である、請求項22に記載の使用。
  24. 腎機能における改善が、少なくとも3日であるAARA投与後の期間にわたって持続することを前記患者または医療従事者に知らせることをさらに含む、請求項12に記載の使用。
  25. 前記患者がうっ血性心不全に苦しむ、請求項12に記載の使用。
  26. 患者における腎機能を所定の期間にわたって処置するために治療の経過において使用される医薬品の製造におけるAARAの治療効果的な量の使用であって、前記医薬品の投与が、前記所定の期間が終了する前の少なくとも3日において完了する、使用。
  27. 長期間の利尿剤を服用する、安定型うっ血性心不全(CHF)の個体における腎機能を改善および/または維持し、4日〜30日の間隔で前記個体に投与するための医薬品の製造におけるAARAの治療効果的な量の使用であって、前記個体が長期利尿剤治療をAARA治療の経過の始めから終わりまで続ける、使用。
  28. 前記AARAが、KW−3902、BG−9719、BG−9928、CVT−124およびSLV−320、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物からなる群から選択される、請求項27に記載の使用。
  29. 前記AARAが、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物である、請求項27に記載の使用。
  30. KW−3902の前記治療効果的な量が2.5mg/用量〜70mg/用量の間である、請求項29に記載の使用。
  31. KW−3902の前記治療効果的な量が20mg/用量〜50mg/用量の間である、請求項30に記載の使用。
  32. KW−3902の前記治療効果的な量が30mg/用量である、請求項31に記載の使用。
  33. 前記AARAがおよそ4日〜14日の間隔で投与される、請求項27に記載の使用。
  34. 前記AARAがおよそ7日〜9日の間隔で投与される、請求項27に記載の使用。
  35. 前記AARAがおよそ7日〜30日の間隔で投与される、請求項27に記載の使用。
  36. 前記AARAがおよそ14日の間隔で投与される、請求項27に記載の使用。
  37. 利尿剤治療を受けている、軽度の腎臓障害を経験する個体を処置し、2週間毎または1ヶ月毎で投与するための医薬品の製造におけるAARAの治療効果的な量の使用。
  38. 前記AARAが、KW−3902、BG−9719、BG−9928、CVT−124およびSLV−320、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物からなる群から選択される、請求項37に記載の使用。
  39. 前記AARAが、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物である、請求項38に記載の使用。
  40. KW−3902の前記治療効果的な量が2.5mg/用量〜70mg/用量の間である、請求項39に記載の使用。
  41. KW−3902の前記治療効果的な量が20mg/用量〜50mg/用量の間である、請求項40に記載の使用。
  42. KW−3902の前記治療効果的な量が30mg/用量である、請求項41に記載の使用。
  43. 前記AARAがおよそ4日〜14日の間隔で投与される、請求項37に記載の使用。
  44. 前記AARAがおよそ7日〜9日の間隔で投与される、請求項37に記載の使用。
  45. 前記AARAがおよそ7日〜30日の間隔で投与される、請求項37に記載の使用。
  46. 前記AARAがおよそ14日の間隔で投与される、請求項37に記載の使用。
  47. 存在する腎臓障害または発症途中の腎臓障害を患者において遅らせるか、または逆戻りさせ、4日〜30日の間の間隔で投与するための医薬品の製造におけるAARAの効果的な周期的量の使用。
  48. 前記AARAが、KW−3902、BG−9719、BG−9928、CVT−124およびSLV−320、あるいは、それらの医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物からなる群から選択される、請求項47に記載の使用。
  49. 前記AARAが、KW−3902、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは代謝産物である、請求項48に記載の使用。
  50. KW−3902の前記治療効果的な量が2.5mg/用量〜70mg/用量の間である、請求項49に記載の使用。
    補正請求項
  51. KW−3902の前記効果的な周期的量が20mg/用量〜50mg/用量の間である、請求項50に記載の使用。
  52. KW−3902の前記治療効果的な量が30mg/用量である、請求項51に記載の使用。
  53. 前記AARAがおよそ4日〜14日の間隔で投与される、請求項48に記載の使用。
  54. 前記AARAがおよそ7日〜9日の間隔で投与される、請求項48に記載の使用。
  55. 前記AARAがおよそ7日〜30日の間隔で投与される、請求項48に記載の使用。
  56. 前記AARAがおよそ14日の間隔で投与される、請求項48に記載の使用。
  57. 前記用量が4時間の経過をかけて投与される、請求項11に記載の方法。
  58. 前記用量が4時間の経過をかけて投与される、請求項23に記載の方法。
  59. 前記用量が4時間の経過をかけて投与される、請求項32に記載の方法。
  60. 前記用量が4時間の経過をかけて投与される、請求項42に記載の方法。
  61. 前記用量が4時間の経過をかけて投与される、請求項52に記載の方法。
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