JP2009538895A - トマト抽出物の治療的使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、静脈血栓症の始まりおよび静脈におけるフィブリン血栓形成の開始を予防または阻害に使用するためのトマト抽出物またはその活性画分に関する。

Description

本発明は、静脈血栓症の予防に使用するための組成物に関する。
静脈血栓症、静脈における血栓の形成は、毎年多数の死亡の原因であり、世界的に主要な健康問題となっている(Lopez, J. A., Kearon, C., Lee, A. Y.Y. (2004). Deep Venous Thrombosis. Hematology 2004:439-456)。
静脈血栓症に伴って生じる主な病態としては、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症が挙げられる。DVTは、深部静脈、例えば脚もしくは腕の深部静脈または下腹部の深部静脈において血栓が発生する疾患である。英国では毎年、英国人の1000人あたり1〜3人がDVTを発症していると推定されている。DVTの大部分の症例では、血栓は小さく、どのような症状も引き起こさない。身体は血栓を分解することができ、長期的な問題はない。しかしながら、多くの症例では、血栓がより大きく、結果として静脈の血流を部分的にまたは全体的に妨害し、静脈を取り囲む筋肉(例えば、ふくらはぎの筋肉)の腫れや筋肉の痛みをもたらす場合がある。幾つかの症例では、血栓の一片が剥がれて血流中を肺まで移動し、そこで肺の血流を妨害する肺塞栓を形成して、胸痛や息切れを引き起こし、あるいは重篤な症例では死亡までも引き起こす場合がある。
個人にDVTをより起こし易くすることがよく認識されている危険因子があり、それら危険因子としては、高齢、長期的な不動状態(immobilisation)、近時の手術、骨折のような外傷、経口避妊薬の使用、ホルモン補充療法、妊娠、産褥、癌および癌の治療、抗リン脂質症候群、種々の遺伝的危険因子、ならびに血漿性の危険因子が挙げられる。遺伝的危険因子は、主として止血系に関係しており、アンチトロンビン、プロテインCおよびプロテインSをコードする遺伝子における変異ならびに第V因子レイデン変異および第II因子G20210 A変異が挙げられる。血漿性の危険因子としては、高ホモシステイン血症ならびに第II因子濃度、第VIII因子濃度、第IX因子濃度、第XI因子濃度およびフィブリノゲン濃度の増加が挙げられる。
血栓症は、止血系の成分の機能不全または不適切な活性化によって起こる。止血系は2つの別々だが関連する系;血小板および凝固タンパク質からなる。その主要な機能は、血液の損失を防ぐと同時に、分子シグナルのネットワークを調整して血液流動性を確保することである。血管損傷が起こった場合には、血管系の完全性は血液によって維持され、血液は、血小板が開始し凝固タンパク質が補強する過程において損傷箇所で不溶性ゲルに変化させられる。
静脈血栓症および動脈血栓症が発生するメカニズムならびにそれら2種類の血栓症で形成される血栓の構造は実質的に異なっており、そのため、静脈血栓症と動脈血栓症とは一般的に明確に区別できる病型として認められる。
アテローム性動脈硬化症のような動脈血栓症または脳卒中や心筋梗塞のような動脈血栓イベントでは、血小板が血栓イベントの開始に関わっている。しかしながら、静脈血栓症に伴って生じる疾患では、疾患の発症は凝固カスケードの開始によって引き起こされ、血小板凝集はそれほど重要な役割を果たさない。実際に、アスピリンのような血小板凝集阻害剤は静脈血栓症の予防にほとんど役立たないことが見出されている。
組織因子(TF)は、凝固カスケードの主要な発動因子である膜貫通糖タンパク質である。血管損傷の間、内皮下のTFへ血液の暴露が起こる。曝露されたTFは、それぞれテナーゼ複合体およびプロトロンビナーゼ複合体の必須構成成分である第IX因子(FIX)および第X因子(FX)の第VIIa因子(FVIIa)が触媒する活性化の補因子として作用する。これはFXaおよびトロンビンの急速な形成につながる。トロンビンは次にフィブリノゲンをフィブリンに切断し、続いてフィブリンが重合してフィブリン血栓を形成する。
FVIIa/TF複合体は多くの血栓症の発症メカニズムに関与しており、TFの血中レベルは血栓症の危険因子である。TFへの血液の不適切な暴露は血中の炎症性サイトカインの長期的なアップレギュレーションにつながり、前記サイトカインは次にはC反応性タンパク質のような急性期炎症性マーカーの血中レベルを上昇させる。このような炎症系の混乱は、循環血液中の単球でのTF発現につながり、凝固カスケードにおける持続的な不均衡に寄与し、より広範な止血系の活性化まで波及する。
TFは血管損傷によって血流内に放出されるが、DVTは静脈の壁にいかなる破損もない場合でもしばしば発生し得る。近年では、TFが、細胞由来の膜微少胞に付随して、また可溶性の選択的スプライスされた形態として、正常血漿中を循環することを指し示す証拠が蓄積されている((1) Giesen et al. Blood-borne tissue factor:another view of thrombosis. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 1999;96:2311-2315;(2) Koyama et al. Determination of plasma tissue factor antigen and its clinical significance. Br. J. Haematol. 1994;87:343-347;および(3) Albrecht et al. Detection of circulating tissue factor and factor VII in a normal population. Thromb. Haemost. 1996;75:772-777を参照)。内因性TFを有する微小胞は、精巣挙筋の微小循環においてin vivoで実験的血栓症に寄与することが見出されており(Falati et al. J Exp Med. 2003;197:1585-1598)、また血友病マウスにおいて止血を向上させることも示されている(Hrachovinova et al. Nat. Med. 2003;9:1020-1025)。前述の文献に記載されている実験系では、TFを有する微小胞が、損傷箇所で血小板または活性化内皮細胞に結合すること、すなわち微小胞上のP-セレクチン糖タンパク質リガンド-1(PSGL-1)と活性化血小板上のP-セレクチンとの間の相互作用に依存する一連の行為によって血栓症に関与するようにみえる。
国際特許出願WO99/55350号公報は、トマトの水溶性抽出物の血小板凝集阻害剤としての使用を開示している。前記トマト抽出物(カーディオフロー(Cardioflow:登録商標)またはフルーツフロー(Fruitflow:商標)の商品名で知られている)の血小板凝集阻害特性は、かなりマスメディアの注目を集めており、大衆紙では、前記抽出物およびその他供給源に由来するトマト抽出物がDVTの危険性を減らし得ることが示唆されている(例えば、(a) Vibrant Life,1 January 2006, ISSN:0749-3509;Volume 22;Issue 1;(b) Main Report - Health and Wealth Letter, Drinking Tomato Juice Protects The Heart, 3 October 2005;(c) Citywire, 18 February 2005;(d) Verna Noel Jones, Chicago Tribune, RESOURCES. Q, 16 January 2005;(e) Lindsay McIntosh, Aberdeen Press & Journal, 23 September 2004;(f) The Express, 23 September 2004, City And Business Ed. Stephen Kahn;(g) Citywire, 22 September 2004;(h) The Sunday Mail, 5 September 2004;(i) ANSA - English Media Service, HEALTH:TOMATOES CAN PREVENT HEART DISEASES, 28 August 2004;および類似文献を参照)。
これらの文献の各々で前記抽出物の前記特性の根底にある根拠が議論されているが、前記抽出物をDVTの危険性の減少に利用できる可能性に関する推測は、常に既知の前記抽出物の血小板凝集阻害活性に基づいている。しかしながら、上で議論したように、血小板凝集は静脈血栓症の始まりに関係しておらず、またアスピリンのような血小板凝集阻害剤はDVTの予防にほとんど役立たないことが見出されている。トマト抽出物がその血小板凝集阻害活性によりDVTを予防できるという有力メディアにおける報告は、同時期の医学雑誌GP (Haymarket Publications, London, UK, 5 April 2004,)の“GP Clinical - Behind The Headlines - Can tomato drink halt blood clots?”(GP臨床-大ニュースの裏側-トマト飲料は血栓を食い止められるか?)と題された論文を視野に入れて見直されている。その論文で著者らは、一般開業医が自分の患者に「抗血小板薬は静脈系で大きな影響を与えないので、トマト飲料はDVT予防に役立たないかもしれない」ことを話すべきであると結論付けている。
したがって、本件出願人が知る限り、トマト抽出物が静脈血栓症の治療に何らかの効果があることを示唆する証拠はこれまでの文献上存在していない。さらに、トマト抽出物が静脈血栓の形成を開始する凝固カスケードに対して何らかの効果を有するという示唆は文献上なされていない。
[発明の概要]
さて、組織因子(TF)により仲介されるイベントはトマトの水溶性抽出物の影響を受けることが見出され、また前記抽出物は血漿(血小板を含む血球を取り除いた)においてin vitroの凝固時間を減少させることが見出された。これまでに得られたこれらの結果は、トマト抽出物が静脈血栓症の始まりを予防するのに有用であろうことを示している。
したがって第一の観点では、本発明は、静脈血栓症の始まりを予防または阻害するのに使用するためのトマト抽出物またはその活性画分を提供する。
別の観点では、本発明は、静脈におけるフィブリン血栓形成の開始を予防または阻害するのに使用するためのトマト抽出物またはその活性画分を提供する。
本明細書中で用いられる「活性画分」という用語は、トマト抽出物から分離された画分であって、静脈におけるフィブリン血栓形成の開始を予防するまたは静脈血栓症の始まりを予防する能力を有する前記画分を指す。
本発明はまた、以下のものを提供する:
・静脈血栓症の始まりを予防または阻害するための医薬を製造するための、トマト抽出物またはその活性画分の使用;
・静脈におけるフィブリン血栓形成の開始を予防または阻害するための医薬を製造するための、トマト抽出物またはその活性画分の使用;
・静脈血栓症の始まりを予防または阻害するのに使用するためのトマト抽出物またはその活性画分を含む組成物;
・静脈におけるフィブリン血栓形成の開始を予防または阻害するのに使用するためのトマト抽出物またはその活性画分を含む組成物;
・ヒトのような哺乳動物における静脈血栓症の始まりを予防または阻害する方法であって、有効量のトマト抽出物またはその活性画分を哺乳動物に投与することを含む前記方法;
・静脈におけるフィブリン血栓形成の開始を予防または阻害する方法であって、有効量のトマト抽出物またはその活性画分を患者に投与することを含む前記方法。
本発明のトマト抽出物は、以下の潜在的に危険な状態にある亜母集団のいずれか1つまたは(いずれかの組み合わせの)2つ以上に属することにより静脈血栓症の発生を経験する危険性が通常より高い患者における静脈血栓症の始まりの予防もしくは阻害(または静脈におけるフィブリン血栓形成の開始の予防または阻害)を対象とし得る:
・50歳を越える年齢、例えば、60歳を越えた、70歳を越えたまたは80歳を越えた年齢の患者;
・長期的な、例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12時間を超える、または1、2、3、4もしくは5日間を超える期間にわたり不動状態にある患者;
・医学的に肥満である患者;
・近時(例えば、過去1ヶ月または過去21日、14日もしくは7日のうち)に手術を受けた患者;
・骨折のような外傷を負った患者;
・経口避妊薬を服用している患者;
・ホルモン補充療法を受けている患者;
・妊娠している患者;
・近時に出産した(産褥の)母親;
・癌を患っている患者および癌の治療を受けている患者;
・抗リン脂質症候群を患っている患者;
・遺伝的危険因子を有する患者;ならびに
・血漿性の危険因子を有する患者。
遺伝的危険因子を有する患者について、前記危険因子は以下のいずれか1つまたは(いずれかの組み合わせの)2つ以上であり得る:
・アンチトロンビンをコードする遺伝子における変異;
・プロテインCをコードする遺伝子における変異;
・プロテインSをコードする遺伝子における変異;
・第V因子ライデン変異;および
・第II因子G20210 A変異。
血漿性の危険因子を有する患者について、前記危険因子は以下のいずれか1つまたは(いずれかの組み合わせの)2つ以上であり得る:
・高ホモシステイン血症
・第II因子濃度の増加;
・第VIII因子濃度の増加;
・第IX因子濃度の増加;
・第XI因子濃度の増加;および
・フィブリノゲンレベルの上昇。
よって、別の観点では、本発明は、本明細書中で規定される潜在的に危険な状態にある亜母集団のいずれか1つまたは(いずれかの組み合わせの)2以上に属する患者における静脈血栓症の予防に使用するためのトマト抽出物またはその活性画分を提供する。
本発明はまた、本明細書中で規定される潜在的に危険な状態にある亜母集団のいずれか1つまたは(いずれかの組み合わせの)2以上に属する患者における静脈血栓症の予防のための組成物(例えば、医薬)を製造するためのトマト抽出物またはその活性画分の使用も提供する。
本発明はさらに、本明細書中で規定される潜在的に危険な状態にある亜母集団のいずれか1つまたは(いずれかの組み合わせの)2以上に属する患者(例えば、ヒト患者のような哺乳動物患者)における静脈血栓症を予防する方法であって、有効量のトマト抽出物またはその活性画分を前記患者に投与することを含む前記方法も提供する。
さらなる観点では、本発明は、患者が再発性の深部静脈血栓症のような再発性静脈血栓症を患っている人の亜集団の一員である使用、使用するための抽出物、使用するための方法または使用するための組成物を提供する。
本明細書中で用いられる「有効量」という用語は、患者に治療効果を与える量を指す。その治療効果は、客観的(すなわち、何らかの試験またはマーカーにより測定可能である)であってもまたは主観的(すなわち、患者が効果を示唆するまたは感じる)であってもよい。
本発明のさらなる観点および態様は、以下本明細書とそれに添付した請求項に示すとおりである。
本発明のトマト抽出物は、幾通りかの方法で作用して組織因子(TF)の活性を予防または阻害することが見出された。
第一に、トマト抽出物は血漿凝固時間(PT、TCT、aPTT)に影響をあたえることが見出され、それにより凝固因子の潜在的な仲介を暗示している。
第二に、トマト抽出物は活性化血小板上のP-セレクチンの発現を減少させることが見出された。上述したように、組織因子を有する微小胞の血小板表面および内皮細胞表面のP-セレクチンとの結合は、凝固カスケードの開始の一端を担うと信じられている。
第三に、トマト抽出物は、TFとヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC細胞)の表面上のPAR2受容体との相互作用を遮ることが見出された。PAR2受容体は、TF/FVIIa複合体およびFXaに対する基質である。
上に示す3つの知見に基づいて、本発明のトマト抽出物および活性画分は静脈血栓症の始まりおよびフィブリン血栓の形成を阻害するのに有用であろうことが考えられる。
[トマト抽出物の調製および特性]
ホールトマトまたは粗みじん切りされたもしくは粉砕されたが分画されていないトマトは本発明の目的に使用し得るが、トマトの水性抽出物を使用するのが好ましい。
そのような抽出物は、皮付きまたは皮なしのトマトの果肉をホモジナイズし、次にそのホモジェネートを濾して固形物を除去することにより調製し得る。好ましくは、実質的に全ての水不溶性固形物が、例えば遠心分離および/または濾過によって除去される。
あるいは、商業的に入手可能なトマトペーストが前記抽出物の調製のための出発材料として用いられてもよい。トマトペーストは一般的に水で希釈されており、よって水不溶性固形物は例えば遠心分離および/または濾過によって除去されて、実質的に澄んだ溶液が得られる。
いずれの場合にも、水不溶性固形物の除去は、リコピンを含有している皮の破片を取り除く効果がある。このように、本発明の好ましいトマト抽出物は、リコピンを実質的に含まない水溶性抽出物である。
そのような水性濾液は、さらに分画が行われて、本明細書中に記載される生物学的影響または治療効果に関与する1または2以上の化合物を含有する活性画分が提供され得る。あるいは、前記水性濾液はエバポレーションされて、乾燥した水溶性抽出物を生じ得る。
トマトホモジェネートの濾過は、一段階で、または比較的粗い濾過または遠心分離の工程から始めてトマト果皮のより大きな小片および/またはその他トマト果肉の水不溶性の破片を取り除く一連の濾過処理で行なわれ得る。それから更なる濾過工程を行って、実質的に澄んだ溶液、例えば固形物を損失することなく0.2μm(0.2μ)フィルターを通過する溶液を得ることもできる。
このように本発明の1の好ましい態様では、トマト抽出物が、リコピンを実質的に含まず、固形分を損失することなく0.2μm(0.2μ)フィルターを通過できる水溶性の抽出物である。
ある態様では、トマト抽出物から生来の糖類(native sugars)が除去される。生来の糖類を除去することの利点は、トマト抽出物の活性が濃縮されることと、トマト抽出物が粘着性でなくなり固形状態での加工がしやすくなることである。
トマト抽出物の調製のための出発原料がトマトペーストである場合、トマトペーストは「ホットブレイク」法よりも「コールドブレイク」法によって製造されたものであるのが好ましい。「ホットブレイク」および「コールドブレイク」という用語はトマト加工の分野ではよく知られており、商業的に入手可能なトマトペーストは一般にホットブレイクペーストかコールドブレイクペーストのどちらかとして売られている。コールドブレイクペーストは、トマトのホモジネーションに続いてトマトが約60℃を越えない温度まで加熱される熱処理工程を含む方法によって調製することができ、対照的に、ホットブレイクペーストはホモジナイズされたトマトが約95℃の温度で熱処理される(例えばAnthon et al., J. Agric. Food Chem. 2002, 50, 6153−6159を参照)。
別の(alterative)方法では、トマトの水性抽出物またはトマトペーストは、ホモジネートした果肉またはペースト中のペクチンおよびでんぷんを酵素消化し、次にそのホモジェネートから浮遊している固形物を除去し、精密濾過または限外濾過して、より大きな分子量のタンパク質および残留している多糖類を除去することによって製造することができる。前記抽出物は、単糖類、例えばグルコース、フルクトースおよびスクロースの除去によって精製することができ、幅広い種類の低分子量(<1000 Da)の非糖(non-sugar)トマト成分を含む濃縮された水溶性抽出物が残る。単糖類の除去は、結晶化、例えば低温超音波利用(ultrasound-assisted)結晶化を用いることにより、または結晶性のグルコースおよびフルクトースのエタノール沈殿により行うことができる。あるいは、単糖類をクロマトグラフ法、例えば水溶液由来の生理活性のある抽出物成分をポリスチレンベースの樹脂材料に選択吸着することによって他の抽出物成分から分離することができ、廃棄物の流れのグルコース、フルクトースおよびスクロースの選択的除去を可能にする。吸着された非糖成分は次に、エタノールを用いた溶出とそれに続く蒸発によるエタノールの除去により、吸着性樹脂材料から回収される。非糖成分は、噴霧乾燥またはドラム乾燥により水溶性の粉末へと乾燥することができ、あるいは水中で再懸濁されて水性シロップを生成することができる。このようにして調製した水性抽出物は、本発明の更なる態様を表す。
例えば上で議論するような、糖を含まないトマト抽出物は、典型的には分子量が1000 Daより小さい種々の化合物を含み、本発明の使用のために好ましい抽出物を表す。
本発明者らは、トマト抽出物がヌクレオチドを含有しないかまたは低ヌクレオチド含量を有する場合に効果があることも見出した。したがって、好ましい抽出物は、その中に10 nMより少ないヌクレオチド含量を有するかまたはヌクレオチドを含まない。
本発明のトマト抽出物は、いくつかの生理活性成分を含む。好ましい抽出物は、次から選択される生理活性成分を含む:フェノール化合物;アミノ酸;アミノ酸複合体;および、トマト香味化合物。
前記抽出物は、好ましくは、次から選択されるフェノール化合物を含む:フラボノイド類およびフラボノイド誘導体、例えばケルセチン、ケンペロールおよびナリンゲニンの誘導体;ヒドロキシケイ皮酸類およびヒドロキシケイ皮酸誘導体、例えばフェルラ酸、クマリン酸およびそれらの複合体;安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、没食子酸、サリチル酸およびそれらの複合体のような安息香酸類および安息香酸誘導体。
前記抽出物は、好ましくは、チロシン、ヒドロキシチロシン、フェニルアラニン、グルタミンおよびそれらの複合体から選択されるアミノ酸を含む。
前記香味化合物は、ヘキサナール誘導体類、ジメチルスルフィド、b-ダマセノン、3-メチル酪酸、オイゲノールおよびメチオナールから選択され得る。
トマト抽出物は、HPLCにより亜分画して、極性に基づき3つの亜画分AF1、AF2およびAF3を得てもよい。後の実施例の章では、未分画抽出物(tAF)および亜画分AF1〜AF3を用いてin vitroの実施例を行った。
[医薬品および栄養補助食品の配合]
トマト抽出物またはその活性画分は、経口投与用に調剤されてもよい。そのようなものとして、トマト抽出物またはその活性画分は、一例として溶剤、懸濁液、シロップ剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤およびスナックバー、挿入物および貼付剤として調剤することができる。そのような配合物は、それ自体が周知の方法に従って調製することができる。
例えば、前記抽出物またはその活性画分は、糖類、ビタミン類、香料添加剤、着色剤、保存料および増粘剤から選択される1以上の賦形剤の存在下でシロップ剤またはその他の経口投与用の液剤、例えば健康飲料に作ることができる。
塩化ナトリウムまたは糖類のような張性調節剤を加えて、特定の浸透力の液剤、例えば等張液を提供することができる。緩衝剤のような1以上のpH調整剤が用いられて、pHを特定の値に調整することもでき、pHが調整された値を維持するのが好ましい。緩衝剤の例としては、クエン酸ナトリウム/クエン酸緩衝液およびリン酸緩衝液が挙げられる。
あるいは、前記抽出物またはその活性画分は、例えば噴霧乾燥または凍結乾燥によって乾燥させることができ、その乾燥生成物は固形または半固形の剤形、例えば錠剤、トローチ剤、カプセル剤、散剤、顆粒またはゲルとして調剤される。
単純な乾燥抽出物は、いずれの追加成分もなしに調製することができる。あるいは、固形支持体、例えばスクロース、ラクトース、グルコース、フルクトース、マンノースのような糖、キシリトール、ソルビトールもしくはマンニトールのような糖アルコール、またはセルロース誘導体の上に吸着させることによって乾燥抽出物が調製できる。その他の特に有用な吸着剤としては、穀粉、たとえば小麦粉およびトウモロコシ粉のようなでんぷんをベースとする吸着剤が挙げられる。錠剤形態のために、乾燥抽出物は一般に糖、例えばスクロースおよびラクトース、ならびにキシリトール、ソルビトールおよびマンニトールのような糖アルコール類、または粉末セルロース、微結晶セルロースもしくはカルボキシメチルセルロースのような変性セルロースもしくはセルロース誘導体のような希釈剤と混合される。錠剤は一般に、造粒剤、結合剤、滑剤および崩壊剤から選択される1以上の賦形剤も含むことができる。崩壊剤の例としては、でんぷんおよびでんぷん誘導体、ならびにその他膨潤性の高分子、例えば架橋カルボキシメチルセルロース、架橋ポリビニルピロリドンのような架橋高分子崩壊剤およびグリコール酸デンプンが挙げられる。滑剤の例としては、マグネシウムステアレートのようなステアレート類およびステアリン酸が挙げられる。結合剤および造粒剤の例としてはポリビニルピロリドンが挙げられる。希釈剤が本来あまり甘くない場合、例えばアンモニウムグリシルリジネートまたはアスパルテームもしくはサッカリン酸ナトリウムのような人口甘味料といった甘味料を添加することができる。
乾燥抽出物は、カプセル剤に組み込むための粉末、顆粒または半固体として調剤することもできる。粉末の形態で用いる場合は、乾燥抽出物は、錠剤に関して上述した賦形剤のいずれか1以上と一緒に配合することができ、または薄めていない形態で存在することもできる。半固体の形態での提示のため、ポリエチレングリコールのような粘稠液もしくは半固体ビヒクル、例えばプロピレングリコールといったグリコールまたはグリセロールのような液状担体、または植物油もしくは魚油、例えばオリーブ油、ひまわり油、紅花油、月見草油、大豆油、肝油、ニシン油などから選ばれる油に乾燥抽出物を溶解または懸濁することができる。そのような抽出物は、ハードゼラチンタイプもしくはソフトゼラチンタイプのカプセル、またはハードゼラチン代替物もしくはソフトゼラチン代替物から作られたカプセルに充填することができ、ソフトゼラチンカプセルまたはソフトゼラチン代替カプセルが粘稠液または半固体の充填物のために好ましい。
乾燥抽出物は、例えばフルーツバー、ナッツバーおよびシリアルバーといった棒状のスナック食品に組み込むために粉末形態で提供することもできる。棒状のスナック食品の形態での提示のため、乾燥抽出物を乾燥トマト、レーズンおよびスルタナのような乾燥果物、落花生、ならびにオート麦および小麦のような穀物から選択されるいずれか1以上の材料と混ぜることができる。
乾燥抽出物は、溶液として再構成するための粉末形態で提供することができる。そのようなものとして、乾燥抽出物は、糖類のような可溶性の賦形剤、クエン酸緩衝液およびリン酸緩衝液のような緩衝剤、例えば重炭酸ナトリウムまたは重炭酸アンモニウムのような重炭酸塩類といった炭酸塩類から作られた発泡剤、ならびに、例えばクエン酸または酸性クエン酸塩といった固体酸を含有することもできる。
一の好ましい態様では、乾燥抽出物が、任意で好ましい固体(例えば粉末の)賦形剤と一緒に、たとえばハードゼラチンカプセルといったカプセルへ組み込むための粉末形態で提供される。
別の態様では、乾燥抽出物が、実質的に全ての生来の糖類が除去されたものである。
本発明の固体または半固体の剤形は、例えば約800 mgまでのように約1000 mgまでの乾燥抽出物を含有することができる。
前記抽出物は、食品栄養補給物もしくは食品添加物として提示することができ、または食品、例えば機能性食品もしくは栄養補助食品の中に組み込むことができる。
本発明の組成物は、規定濃度の抽出物またはその活性画分を含む単位剤形の形態で提示することができる。そのような単位剤形は、所望レベルの生物活性を獲得するように選択することができる。例えば、単位剤形は、1000 mg(乾燥質量)まで、より一般的には800 mgまで、例として50 mg〜800 mg、たとえば100 mg〜500 mgの量の抽出物または活性画分を含有することができる。単位剤形に含められ得る抽出物または活性画分の個々の量は、50 mg、100 mg、150 mg、200 mg、300 mg、350 mg、400 mg、450 mg、500 mg、550 mg、600 mg、650 mg、700 mg、750 mgおよび800 mgから選択されうる。
本発明の組成物は、投与のための使用説明書と一緒に容器、パッケージまたはディスペンサーに入れることができる。
[医薬用途]
静脈血栓症の始まりを予防または阻害するのにおける使用のため、患者に投与される抽出物または活性画分の1日あたりの量は抽出物の強度ならびに治療中の特定の病態または疾患およびその重症度に左右されるであろうが、最終的には医師の判断によるであろう。しかしながら、投与量は典型的には、毒性がなく所望の結果をもたらすのに有効な量であろう。
例えば、潜在的に静脈血栓症を患う危険性がある状態のヒト患者のための典型的な1日用量は、体重1キログラムあたり0.0001〜0.1グラム、好ましくは体重1キログラムあたり0.001〜0.05グラムであり得る。活性画分が分離されて投与される場合には、投与される固形原料の量は活性画分の純度の上昇と一致する量を減らすことができる。典型的には、ヒト患者に1日あたり少なくとも100 mg(乾燥質量または乾燥質量相当)、好ましくは少なくとも200 mg、より一般的には少なくとも500 mgの前記抽出物を投与できる。
前記組成物は、1日あたり単回投与量単位または複数回投与量単位で、例えば1日あたり1〜4回、好ましくは1日あたり1または2回で投与することができる。
本発明の抽出物は、固体、液体または半固体の形態で投与することができる。例えば、前記抽出物は、単独のまたはオレンジジュースのような他のフルーツジュースと混合したトマトジュースまたはその濃縮物の形態で投与することができる。
[実施例1]
トマト抽出物の調製
出発原料として、0.350 AUより小さいブラウニングインデックス(browning index)(ブラウニングインデックスは可溶性固形物12.5 g/Lの濃度の溶液の420 nmでの吸光度として定義される)を有する商業的に入手可能な28〜30Brix(すなわち、28〜30%固形分、w/w)のコールドブレイクトマトペーストを用いて、本発明の治療方法に使用するためのトマト抽出物を調製した。このペーストを超純水を用いて希釈し(〜1:5)、室温でウエストファリアMSB-14セパレーター(遠心ディスク清澄機)を用い遠心濾過に続く清澄化によって大きな粒状物質を除去した。次に、より小さな粒状物質を45℃以下の温度での精密濾過によって除去し、不溶性(沈降する)固形物を含有せずかつ可溶性固形物の損失なしに0.2μm(0.2μ)フィルターを通過することができる澄んだ淡黄色の溶液を生成した。この溶液を、非酵素的褐変反応の進行を制限するため、注意深く制御された条件と80℃以下の温度を用いた蒸発によって62〜65Brixのシロップに濃縮した。蒸発処理の最初に瞬間殺菌工程(T=105℃で3秒間)を組み込んだ。最終生成物は、0.600 AUより小さいブラウニングインデックスおよび1000より少ない全微生物平板計数により特徴付けられた。
濃縮した抽出物は、患者への投与のため、オレンジジュースマトリックス(matrix)に添加してもよい。
[実施例2]
トマト抽出物およびその亜画分の選択的調製
新鮮なトマト(Lycopersicon esculentum、地元で調達)の均質化、遠心分離および結果として得られた淡黄色の液体の限外濾過(限外濾過膜:MWカットオフ1000 Da、Millipore(UK)Ltd., Watford, UK)による清澄化によって、完熟トマト果実由来の水性抽出物を調製した。分析結果は、そのトマト水性抽出物の大部分(乾燥物の85〜90%)が可溶性の糖類から成ることを示した。それらの構成成分を、pH 2.5でスチレン-ジビニルベンゼン(SDVB)カートリッジ(JT Baker, Mallinckrodt Baker BV, Deventer, Holland)を使用した固相抽出を用いて除去した。非糖成分はカートリッジに保持され、メタノール中に溶離した。分離された非糖物質(全活性画分tAF)は、水性抽出乾燥物の4%程度を占めていた。半調製HPLCを用いて、tAF成分を幅のある3群に亜分画した(Synergy Polar-RP, 4μm(4μ), 250 x 10 mmカラムおよびLuna C18(2), 3 μm(3μ), 250 x 10 mmカラム、Phenomenex, Macclesfield, UK:アセトニトリル/0.05%TFAグラジエント)。これら3群を図1のHPLCクロマトグラムに示しており、極性が減少する順にA1、A2およびA3と名前を付けた。分離されたtAFおよび亜画分AF1〜AF3をリン酸緩衝生理食塩水(PBS, Sigma-Aldrich, Poole, UK)で既知の濃度に再構成し、in vitroの実施例に用いる前に溶液のpHを7.4に調整した。
[実施例3]
トマト抽出物中の成分による凝固時間の抑制
トマト抽出物成分がin vitroおよびex vivoで血小板凝集を阻害することは以前に示されていた(本件出願人の先の出願WO99/55350を参照)。血小板は止血系の一部に相当し、凝固カスケードと協力して働いて血液流動性と血液凝固とのバランスをとる。本実験は、トマト抽出物が、血小板に対するその既知の効果から独立して凝固カスケードにも作用できるか否かを調べるように設計した。血小板の機能とは無関係に凝固カスケードの状態を反映する測定を提供するために、血漿凝固時間(血小板を除去した血漿中で測定する)を用いた。第I因子(フィブリノゲン)、第II因子(プロトロンビン)、第V因子、第VII因子および第X因子の凝固能力を組み込んで、外因系の妥当性の具体的基準を提供するためにプロトロンビン凝固時間およびトロンビン凝固時間(それぞれPTおよびTCT)を用いた。外因性系が機能するのを可能にするために、外部供給源から組織因子を添加しなければならない。活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)は、内因系を特徴付けるのに用いられ、また通常全て血漿中に存在する第XII因子、第XI因子、第IX因子、第V因子および第VIII因子の凝固能力を試験する。
実験の詳細:凝固時間の測定は、コアデータ4001凝固計(CoaData 4001 coagulometer:Helena Biosciences, UK)で製造者に指定された手順に従って行った。簡潔に言うと、PT試薬、TCT試薬およびaPTT試薬はNorm-Trol品質管理血漿とともにHelena Biosciencesから入手し、凝固計は同社からの較正物質キットを用いてPT/TCT/aPTTの百分率(%)に対して較正した。37℃まで温めたクエン酸血漿を対照溶液(生理食塩水)または処理溶液(下記参照)のいずれかと一緒に15分間インキュベートした。この処理した血漿を次に攪拌しながらPT/TCT/aPTT試薬と一緒にインキュベートし、血塊形成までにかかった時間を凝固計により二連で記録した。5%未満の変動係数を有する二連測定値を是認した。Norm-Trol QC血漿を対照として用いた。
処理:実施例2で説明したトマト抽出物AF1、AF2、AF3を処理剤として用いた。全ての処理溶液は血漿1 mLあたり80 μgの最終濃度を与えるように作製した。生理食塩水(0.9%NaCl)を対照として用いた。対照溶液および処理溶液は全て、使用前にpH 7.4に調整し37℃まで温めておいた。
結果:得られたデータは、対照血漿に比べて処理血漿中で血塊形成が起きた時間の増加を示した。図2は、得られた結果を対照の値と比べた凝固時間の抑制率(%)として示す。トマト抽出物画分AF1およびAF2は、凝固時間パラメーターに対して最も有意な効果を示した。外因性経路(PTおよびTCTによって評価される)は内因性経路よりもさらに強く影響を受けた。
結論:得られた結果は、凝固カスケードをともに作り上げている血液因子に対してトマト抽出物の何らかの成分がin vitroで相互作用できることを示しており、この効果は止血系の総括的機能を考慮する場合に興味深い。外因系に対する効果の増大は、静脈血栓症において格別重要であることが知られている凝固の組織因子仲介性経路が本発明のトマト抽出物の使用により有益に抑制できたことを示唆している。
[実施例4]
ADP誘導性血小板P-セレクチン発現に対するトマト抽出物の効果の調査
下記の実験は、トマト抽出物成分によって血液凝固を変化させることができるメカニズムをさらに探るために設計した。血小板の活性化は、活性化血小板の表面からの凝固促進シグナル伝達分子の放出をもたらす。続いて起こる血管壁との相互作用は、凝固カスケードの活性化をもたらす。これら凝固促進性の血小板由来シグナル伝達分子の最も著名なものの1つがP-セレクチンである。本実験では、P-セレクチンに対する蛍光標識抗体を用いて、活性化血小板の表面上におけるP-セレクチンの発現を測定した。P-セレクチン誘導蛍光のレベルをフローサイトメトリーによって定量化した。次に、P-セレクチン発現に対するトマト抽出物成分の効果を定量化した。
実験の詳細:新たに採取した全血をHEPES-Mg緩衝液(pH 7.4)で1:10に希釈し、処理溶液(下記参照)または対照溶液(HEPES-Mg緩衝液)と10分間プレインキュベーションした。血小板上のP-セレクチン発現を誘導するため、次に、これら混合物のアリコート(40 μL)をファルコンポリスチレンチューブ(BD Biosciences, Cowley, UK)中でADP(最終濃度3 μmol/L)と一緒にまたはADPなしで5分間室温にてインキュベーションした。次に、そのインキュベーションチューブに飽和濃度の二蛍光標識抗体を10 μL加えた。フルオロセインイソチオシアネート標識した抗CD61(抗CD61-FITC)を加えて、試験サンプル中の全ての血小板を明確に識別した(CD61は、他の血液細胞によっては発現されない血小板特異的タンパク質である)。フィコエリトリン標識した抗P-セレクチン(抗CD62P-PE)を加えて、血小板表面上に発現したP-セレクチンと結合させた。FITCおよびPE標識したマウスIgG抗体をアイソタイプコントロールとして用いた。暗所で室温にて20分間インキュベーションを行った。次に、氷のように冷たいリン酸緩衝生理食塩水(2 mL)を加え、CellQuestソフトウエア(BD Biosciences, Cowley, UK)を用いてFACSキャリバーフローサイトメーターで解析した。活性化した血小板を、CD62P受容体を共発現しているCD61ポジティブな結果のパーセンテージとして規定した。
処理:実施例2に記載するトマト抽出物tAFおよびAF1〜AF3を処理剤として使用した。全ての処理溶液は50 μg/mLの最終濃度を与えるように作製した。HEPES-Mg緩衝液を対照として用いた。全ての対照溶液および処理溶液は使用の前にpH 7.4に調整して37℃まで温めておいた。各測定についてn=5である。
結果:3 μmol/LのADPでの刺激に対し、41.2〜68.2%のP-セレクチンポジティブな血小板が対照サンプルで記録され、中央値は51.1%であった。実験から得られた分散は5%より下であった。希釈した全血のtAFまたはAF1〜AF3とのプレインキュベーションは、対照値に比べて、活性化誘発性のP-セレクチン発現の有意な阻害をもたらした(P<0.001、図3)。P-セレクチン発現に対するtAFの効果は亜画分AF1〜AF3の各々の効果と有意に異なっていたが、個々の亜画分の間で相違は検出されなかった。tAFによるP-セレクチンの阻害において用量反応性が観察された(最終濃度0〜100 g/mLの範囲、図4)。
結論:得られた結果は、トマト抽出物がin vitroでADPアゴニストに応答した血小板の活性化を減少させ、血小板表面におけるP-セレクチンの発現を阻害することを示している。この効果は、凝固カスケードにとって非常に重要である。活性化した血小板におけるP-セレクチンの発現は血流内へのP-セレクチンの放出(可溶性P-セレクチンまたはsP-セレクチン)をもたらし、血小板の活性化が抑制された後も持続できるタンパク質源をもたらす。より高いレベルの可溶性P-セレクチンは、可溶性P-セレクチンの血小板と単球との間の結合のメディエーターとしての機能と、血小板活性化と凝固カスケードとのつながりを提供する可溶性P-セレクチンの組織因子との相互作用とにより、静脈血栓症に関係している。発明者らの結果は、この凝固カスケードに対するつながりをP-セレクチン発現に対するトマト抽出物のプラス効果により壊すことができること;したがってトマト抽出物は結合した血小板と循環するP-セレクチンとの双方を減少させることにより静脈血栓症の危険性を減らせる可能性があること;を示唆する。
[実施例5]
培養ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC細胞)におけるTF誘導性サイトカイン放出に対する精製トマト抽出物およびその亜画分の効果の調査
実施例4は、トマト抽出物がその血小板上のP-セレクチン発現の抑制により静脈血栓症の始まりを予防するのに役立てる可能性があることを実証している。P-セレクチンは、静脈血栓症の起因過程に関与すると考えられている経路である凝固カスケードの組織因子仲介性開始の不可欠な部分である。本発明者らは、活性化した血小板または内皮細胞の表面におけるP-セレクチン発現を減少させることによって、トマト抽出物は組織因子を有する微小胞が内皮細胞に接着するのを妨げることができ、従ってトロンビン生成及び血栓形成に必要な密接な接触を妨げることができると仮説を立てた。
トマト抽出物の存在下で組織因子の内皮細胞への作用を阻害できることを実証するため、本発明者らはヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC細胞)が関わる実験を設計した。HUVEC細胞はプロテアーゼ活性化受容体PAR1およびPAR2を発現する。PAR2はTF/FVIIaおよびFXaの基質であり、活性化された場合に炎症性サイトカインIL-6およびIL-8の放出を刺激する。従って、TF仲介性のIL-6生成およびIL-8生成を測定することにより、トマト抽出物成分とのプレインキュベーションの効果が評価できる。
実験の詳細:HUVEC細胞はBGM-2培地中で増殖(5代まで継代)させた。細胞を5時間血清飢餓にしてから、トマト抽出物成分の存在下または非存在下で25 nM TF/10nM FVIIaおよび100 nM FXで処理した(処理剤は以下で充分に説明される)。処理した細胞を20時間インキュベーションした後、上清を集めてELISAによるIL-6およびIL-8の分析まで−80℃で冷凍しておいた。
処理剤:トマト抽出物活性成分の濃縮物(実施例2に記載するtAF)を“基本”の処理剤として用い、全成分の完全な吸収を前提に、2.5個の生のトマトを消費して正常個人の循環血液(血液量5.5 L)中で達成可能な最大濃度として計算した。その量はtAFについて43 mg/Lであった。tAFの3つの亜画分である実施例2に記載のAF1〜AF3も、乾燥重量ベースでそれらのtAFに対する寄与度を反映した濃度、すなわちAF1、AF2およびAF3の各々について13.6 mg/L、5.5 mg/Lおよび23.4 mg/Lで試験した。4つの処理剤全てをそれらの基本濃度で試験し、また基本濃度の2倍および10倍でも試験した。対照処理剤として生理食塩水を用いた。
結果:トマト抽出物成分とのプレインキュベーションは、HUVECにより生成されたIL-6のレベルを12%近くまで減少させ、またIL-8のレベルを10〜50%近くまで減少させた(図5を参照)。このことは、P-セレクチン発現を阻害することが分かったトマト抽出物がPAR経由で内皮細胞においてシグナル伝達カスケードを誘導するTFの能力も減少させることを意味している。AF2成分およびAF3成分はAF1成分より効果的であった−このことはP-セレクチン阻害についての結果に反映されている。使用した最高濃度では最も効果が少なく、ひょっとしたらインキュベーションの間のより大きなストレスを反映していると思われる(顕著な細胞死が起こった)。IL-8生成はIL-6生成よりも有意に影響を受けたが、これは、使用したTF濃度での2つのサイトカインの誘導の容易さにおける差異によるのかもしれない。
結論:本実験の結果は、水性トマト抽出物がTFと内皮細胞との相互作用を減少させることを示す。本発明者らは、それが少なくともP-セレクチン発現に対する水性トマト抽出物の効果を介する部分で起こることを示唆している(実施例4を参照)。内皮細胞におけるTF仲介性イベントに対するこれらの影響は、内皮細胞または活性化血小板とのTF/VIIa相互作用の結果としてのトロンビン生成が減少させられ、凝固カスケードおよび血栓形成の活性化を妨げるであろうことを意味している。これは、本発明者らが外因系を経由した血漿凝固がトマト抽出物成分によって抑制できたことを示した実施例3で与えられた結果によって支持される。本発明者らは、トマト抽出物が、静脈血栓症に影響を与える重要なメカニズムに対して、さらにはより広範な炎症系に対して有益な効果を有するであろうことを示唆する。IL-6に対する効果は、肝臓のCRP合成をin vivoで低下させることができる可能性を示唆する。CRPは、アテローム性動脈硬化およびCVDの独立危険因子である。IL-8に対する効果は、トマト抽出物成分によっても好中球活性化を抑制し得ることを示唆する。
[実施例6]
配合
(i)カプセル製剤
カプセル製剤は、実施例1に記載のトマト抽出物を乾燥させ、得られた凍結乾燥粉末を1カプセルあたり800 mgのカプセル容量を与えるようにハードゼラチンカプセル殻に充填することによって調製される。
(ii)希釈トマト抽出物含有カプセル
実施例1の水性トマト抽出物にスクロース、ラクトースおよびソルビトールから選択される希釈剤を添加する。次にその結果得られた混合物を凍結乾燥して粉末を生成し、1カプセルあたり800 mgのカプセル容量(200 mgのトマト抽出物および600 mgの希釈剤)を与えるように前記粉末をハードゼラチンカプセルに充填する。
(iii)フルーツ飲料
各々が18 gのトマト抽出物シロップを含有する50 mL容量および200 mL容量の飲料を与えるように、実施例1の水性抽出物をオレンジジュースマトリックス、例えば搾りたてのオレンジジュースに添加することができる。18 gのトマト抽出物シロップは、6個の生トマト(合計〜500 g生重量)で入手できるトマト抽出物量に相当する。
均等
前述の各実施例は本発明の説明の目的で提示するものであり、本発明の範囲に何らかの限定を課すものと解釈すべきでない。本発明の根底にある原理から離れることなく多数の改変及び変更が上述されかつ実施例で説明される本発明の具体的態様に行えることは、容易に理解できるであろう。そのような変更点の全ては本出願に包含されることを意図する。
本発明は、添付図面を参照して上述の実施例によって説明されるが、それらに限定されない。
実施例2で論じる、本発明のトマト抽出物(tAF)の3つの亜画分AF1〜AF3への亜分画を示すHPLCクロマトグラムである。 実施例3で論じる、in vitroの凝固時間パラメーターに対するAF1〜AF3の効果を示す。tAFの亜画分(AF1〜AF3)は、PT、TCTまたはaPTT試薬を用いた凝固の開始に先立って、血漿とプレインキュベーションした。全ての阻害剤溶液は最終濃度0.08 g/Lで用い、全ての測定についてn=3であった。 実施例4で論じる、全血とトマト抽出物活性画分、tAFおよびその亜画分AF1〜AF3とのプレインキュベーション後における血小板活性化マーカーP-セレクチンのADP誘導性発現の阻害を示す。全ての阻害剤は最終濃度0.05 g/Lで用い、各測定についてn=5であった。全ての阻害剤は対照と有意な差異を示した(P<0.001)。 実施例4で論じる、活性化血小板におけるP-セレクチン発現のtAFによる阻害(図3に示す)について観察される用量応答関係を示す。 本発明のトマト抽出物とのプレインキュベーションがヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC細胞)により産生されるインターロイキン6およびインターロイキン8のレベルを減少させることを示す。対照(con-)との有意な差異がグラフ上で示されており、また実施例5で論じられる。

Claims (20)

  1. 静脈血栓症の始まりを予防または阻害するための医薬品を製造するためのトマト抽出物またはその活性画分の使用。
  2. 静脈におけるフィブリン血栓形成の開始を予防または阻害するための医薬品を製造するためのトマト抽出物またはその活性画分の使用。
  3. 静脈血栓症の始まりの予防または阻害に使用するためのトマト抽出物またはその活性画分。
  4. 静脈におけるフィブリン血栓形成の開始の予防または阻害に使用するためのトマト抽出物またはその活性画分。
  5. 静脈血栓症の始まりの予防または阻害に使用するためのトマト抽出物またはその活性画分を含む組成物。
  6. 静脈におけるフィブリン血栓形成の開始の予防または阻害に使用するためのトマト抽出物またはその活性画分を含む組成物。
  7. ヒトのような哺乳動物における静脈血栓症の始まりを予防または阻害する方法であって、有効量のトマト抽出物またはその活性画分を哺乳動物に投与することを含む前記方法。
  8. 静脈におけるフィブリン血栓形成の開始を予防または阻害する方法であって、有効量のトマト抽出物またはその活性画分を哺乳動物に投与することを含む前記方法。
  9. トマト抽出物が水性抽出物である、請求項1もしくは2記載の使用、請求項3もしくは4記載の用途の抽出物、請求項5もしくは6記載の組成物または請求項7もしくは8記載の方法。
  10. トマト抽出物がリコピンを実質的に含まない、請求項9記載の使用、抽出物、組成物または方法。
  11. 水性トマト抽出物が水に不溶な粒状物質を実質的に含まない、請求項9または10記載の使用、抽出物、組成物または方法。
  12. 水性トマト抽出物が粒状物質を実質的に含まない、請求項9〜11のいずれか1項記載の使用、抽出物、組成物または方法。
  13. 水性トマト抽出物が固体の損失なく0.2μm(0.2μ)のフィルターを通り抜けることができる、請求項9〜12のいずれか1項記載の使用、抽出物、組成物または方法。
  14. トマト抽出物が脱水されて水溶性の乾燥抽出物を生じている、請求項1〜13のいずれか1項記載の使用、抽出物、組成物または方法。
  15. トマト抽出物がホールトマトまたはコールドブレイクトマトペーストから調製される、請求項1〜14のいずれか1項記載の使用、抽出物、組成物または方法。
  16. トマト抽出物が生来の糖類を実質的に含まない、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、抽出物、組成物または方法。
  17. 用途が、以下の(a)〜(l)の潜在的に危険な状態にある亜母集団のいずれか1つまたは(いずれかの組み合わせの)2つ以上に属することによって静脈血栓症の発生を経験する危険性が通常より高い患者における静脈血栓症の始まりの予防もしくは阻害(または静脈におけるフィブリン血栓形成の開始の予防もしくは阻害)である、請求項1〜16のいずれか1項記載の使用、抽出物、組成物または方法:
    (a) 50歳を越える年齢、例えば、60歳を越える、70歳を越えるまたは80歳を越える年齢の患者;
    (b) 長期的な、たとえば3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12時間を超える、または1、2、3、4もしくは5日間を超える期間にわたり不動状態にある患者;
    (c)医学的に肥満である患者;
    (d)近時に(例えば、過去1ヶ月または過去21日、14日もしくは7日のうちに)手術を受けた患者;
    (d)骨折のような外傷を負っている患者;
    (e)経口避妊薬を服用している患者;
    (f)ホルモン補充療法を受けている患者;
    (g)妊娠中の患者;
    (h)最近出産した(産褥期の)患者;
    (i)癌を患っている患者および癌の治療を受けている患者;
    (j)抗リン脂質症候群を患っている患者;
    (k)遺伝的危険因子を有する患者;および
    (l)血漿性の危険因子を有する患者。
  18. 患者が以下の(k-i)〜(k-v)のいずれか1つまたはいずれかの組合せである2つ以上の遺伝的危険因子を有する、請求項17記載の使用、抽出物、組成物または方法:
    (k-i)アンチトロンビンをコードする遺伝子における変異;
    (k-ii)プロテインCをコードする遺伝子における変異;
    (k-iii)プロテインSをコードする遺伝子における変異;
    (k-iv)第V因子ライデン変異;および
    (k-v)第II因子G20210 A変異。
  19. 患者が以下の(l-i)〜(l-vi)のいずれか1つまたはいずれかの組合せである2つ以上の血漿性の危険因子を有する、請求項17記載の使用、抽出物、組成物または方法:
    (l-i) 高ホモシステイン血症;
    (l-ii) 第II因子濃度の増加;
    (l-iii)第VIII因子濃度の増加;
    (l-iv)第IX因子濃度の増加;
    (l-v)第XI因子濃度の増加;および
    (l-vi)フィブリノゲンレベルの上昇。
  20. 再発性の深部静脈血栓症のような再発性の静脈血栓症を患う人々の亜母集団のメンバーの患者における静脈血栓症の始まりを予防もしくは阻害する(または静脈におけるフィブリン血栓形成を予防もしくは阻害する)ための、請求項1〜19のいずれか1項記載の使用、抽出物、組成物または方法。
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