本発明は、キャリア材料上にスポット溶接で形成された溶接部の画像を評価する装置に関し、スポット溶接の品質監視システム用に、少なくとも1つの検知手段と1つのレンズから成るカメラを含む光学画像検知ユニットを用いる。
更に、本発明は、画像分析用評価装置と共に、抵抗溶接電極用の少なくとも1つの保持腕を含むスポット溶接設備用の溶接工具、特に溶接銃に関し、また、溶接部、特に小さな塊の画像を形成するように用いられる電極を通過して案内されるキャリア材料、特にテープのための位置決めユニットに関する。
スポット溶接の品質監視方法は、US6414261B1で公知であり、溶接部は、ビデオカメラで記録した画像データを評価して分析される。ここでは、何らかの溶接がされた加工対象物の上部側がビデオカメラで記録され、スポット溶接の品質評価用に画像情報が演算される。ここで不都合なのは、加工対象物の上部側が外部に露出し、そのため照明が少なくとも部分的には周囲光で決定されるので、均一光状態が加工対象物の溶接接合部領域に広がっていないことである。更に、記録画像材料の情報内容は、金属の光沢面や反射面での反射によって、また評価装置又は溶接設備部品による影との双方又は一方によって影響されたり、改ざんされたりし、このため溶接接合部の正確できめ細かな品質評価が複雑になる。
この方法とスポット溶接の品質監視で公知である類似の従来技術方法とは、スポット溶接銃に固定されていないビデオカメラの本質的欠点を含んでいる。これは、ビデオカメラを適当な位置決めユニットで個々のスポット溶接面に位置決めしなければならないことを意味している。それ故、加工対象物も同様に、例えばビデオカメラの下に位置決めする。その結果、このようなシステムで溶接部を分析することは、多大の労力を要し、これには対応して費される時間も含まれる。
更に、スポット溶接の品質監視方法は、WO2004/022278A1でも公知であり、ここではテープ又は薄片が電極と溶接される金属板との間に挿入され、テープ又は薄片は、加工対象物上に形成された溶接部の特に比例関係で鏡面反転した画像又は痕跡が溶接工程でテープ又は薄片上に生成されるように設計されている。その後、テープ又は薄片上の鏡面反転した画像又は痕跡は、評価手段で検知かつ評価され、画像又は痕跡を用いて、評価手段により、又は、溶接装置の制御と評価の双方若しくは一方を行う手段により、溶接部の大きさ、形状及び位置のような結論を引き出すことができる。ここで、画像又は痕跡の光学的検知を従来のカメラとレンズの双方又は一方により行うことは、やはり不利であり、そこでは取得された画像の品質は、様々な又は不均一な周囲光と痕跡反射により強く影響されている。
その結果、スポット溶接の品質を監視する従来技術の方法と装置は、溶接工程直後に、規定の一定光条件又は周囲条件で、加工対象物に関係なく、自動的に溶接結果を評価することができないという欠点を伴っている。
それ故、本発明の目的は、評価装置と溶接工具の双方又は一方を提供することであり、これによりスポット溶接接合部の光学的品質検査を改良する。また、本発明は、スポット溶接設備の生産過程の効率を品質検査により特に溶接場所の直接的な領域の自動品質検査により向上させることを目的とする。
本発明の目的は、画像検知ユニットがキャリア材料上のスポット溶接画像を拡散均一照明する拡散器付き照明装置を含むことで独自に達成される。この結果としての利点は、溶接接合部の品質評価のために引き続いて行われる何らかの電子的画像処理を可能とするために、改ざんがなくできる限り自然な画像記録をカメラにより得ることが可能となるよう画像がキャリア材料上で均一に照明されることである。画像の均一拡散照明により、明領域と、暗領域特に影と、画像領域ないしカメラの記録領域における反射との全て又はいずれかが防止される。拡散器によりこのような画像の均一照明が可能となり、実質的に一定の光条件が形成され、キャリア材料上の種々の画像を同一の分析基準の下で評価することが可能となる。それ故、溶接接合部のより客観的できめ細かな評価が可能となる。
照明装置がカメラの方向にキャリア材料を間接照明する場合、単純な手法で拡散光を発生することが可能であり、キャリア材料を均一照明することが可能となる。
照明装置がキャリア材料の大面積照明用に配置された光源を含み、光源で発生された光線をキャリア材料の方向に反射面で反射する反射器を拡散器が有する場合、大きな光度でキャリア材料を拡散照明することが可能となる。光源が反射性キャリア材料を直接照射することがないので、キャリア材料面上では反射領域と明領域の双方又は一方が防止される。
光が浸透しない材料と可視光吸収度の低い不透明材料の双方又は一方から成る反射器を用いることにより、反射器に衝突する(auftreffenden)放射出力と反射される放射とは殆ど同一であるので、特に効率の良いキャリア材料照明が可能となり、発生された放射エネルギーの大部分がキャリア材料照明に使用される。
反射器の材料がプラスチック群から選択される場合、特に費用効率が良く機能的な設計が達成される。
反射面が明色であるか、明反射特性を持つか、又はその双方である場合、できる限り自然で、できる限り色の偽りがないキャリア材料照明が可能となる。
反射面が白色、特にくすんだ白色の設計は、可視光の全スペクトルすなわち白色光が白色面で反射され、キャリア材料面上では自然な着色と高い光度が同時に可能となるので、特に有利である。
その適切な反射特性のため、銀色、特にくすんだ銀色の反射面は、同様に有利である。
同様に、反射面が少なくとも部分的に湾曲を有し、内部を丸屋根状に包囲していると有利である。その結果、幾つかの側部から反射面下側にあるキャリア材料を照明することとその全周を照明することの双方又は一方が可能になり、非常に均一で反射のないキャリア材料照明が可能となる。
同様に有利なのは、湾曲を有する反射面が丸屋根を形成する筐体内の凹所を画定することである。その結果、照明装置の筐体は、同時に反射器と反射面の役割を果たし、丸屋根は外部からの光放射を完全に遮蔽する。これによって、照明装置だけを使用してキャリア材料上の画像を照明することができ、制御可能な照明と測定結果の再現を可能とする。ここで、丸屋根が反射面に対向する下部側に開口部を有し、この領域を通り過ぎるようにキャリア材料を案内すれば特に有利であることが証明されている。
丸屋根が実質的に半殻形状を持ち、丸屋根の壁にある反射面が好ましく半球状に延びるという措置をとれば、丸屋根の側部領域における照明手段の対向配置により間接照明装置を特に小型に形成することが可能となる。
ここで、丸屋根は、好ましくは反射面に対向する下部側に開口部を持ち、この領域にキャリア材料が案内されて通過する。
反射器が筐体の材料から成るという変形実施形態は、その単純かつ費用効率の良い構造のため、有利である。
筐体の性質とは独立の照明特性は、選択的に可変であるか、調整可能であるか、又はその双方であり、反射器を皮膜層又はラッカー塗装として筐体の内側上に設ける変形実施形態によって達成される。それ故、この反射器は、最適の照明結果を生ずるため、特にキャリア材料に適用される。
その結果、光源は、湾曲領域で反射面に対向するよう配置されており、キャリア材料の非常に均一な間接照明が可能となる。
光源が少なくとも1つの発光ダイオードから成り、好ましくは数個の発光ダイオードから構成されるLED環から成る実施形態では、光ダイオードの長期耐用年数のため照明装置保守の必要性がまれになるという利点を生じ、この照明装置のために熱発生と電力消費が低くなるという利点を生じる。
更に、照明装置の小型構造が可能であり、特にLED環が丸屋根の側部領域に位置し、円形に配置された少なくとも3個の発光ダイオードから成ることにより、小型で、照明に関して効率的な設計が提供される。
画像検知ユニットが穴を含むピンホールレンズを持つ変形実施形態は、有利である。その結果、反射しないのは極めて小さな領域に過ぎず、この領域はピンホールの断面に対応し、例えば丸屋根内に位置し、ピンホールレンズを拡散器の一部として設計することが可能となる。レンズの穴、すなわちピンホールは、比較的小断面であるので、キャリア材料の画像の擾乱的黒ずみであってカメラの穴を介する反射から生じる黒ずみが防止される。これにより、カメラの反射で生成される画像上の黒ずみは通常の対物レンズでの黒ずみに比して無視できるほど小さいので、カメラで記録される画像の品質は、格段に改良される。
レンズが穴を囲む反射器を持つという措置により、キャリア材料画像に対するカメラの反射が特に効率的に防止される。
カメラのレンズをキャリア材料に対向する丸屋根の上部側に配置するという設計が有利なのは、画像が無歪で比例的にカメラで検知され、その結果、記録された画像情報の評価が容易となるからである。
更に、画像検知ユニットを汚染から保護するように、例えばプラスチック又はガラスから成る透明保護要素を画像検知ユニットの前面に設ける変形実施形態も有利である。これにより、汚染物が丸屋根内部に入り、内部の照明特性に影響することを防止する。更に、これにより、照明装置内部を清掃する必要がなくなる。
本発明の目的は、更に、少なくとも部分的に上記説明に従い、特に請求項1ないし21のいずれかに従うように設計された評価装置を含む溶接工具により、独自に達成される。このような溶接工具が有利なのは、スポット溶接の接合部画像について溶接工程完了直後に評価装置で記録と分析の双方又は一方を行うことができるからである。
評価装置が保持腕の内側に配置され、画像を含むキャリア材料が溶接工程完了後にこの内側を過ぎて案内される設計も、キャリア材料が溶接接合部表面に沿って搬送され、同時に評価装置が溶接接合部近傍でキャリア材料画像を処理するので、有利である。その結果、キャリア材料画像を分析するための独立したワークステーションを省略することができ、溶接接合部の生産過程が単純化され、生産費用が低減される。
保持腕がそれ自体知られているようなL字形状に形成され、屈曲部を有し、かつ評価装置が屈曲部領域に配置される設計も、有利である。これにより、評価装置は、電極と溶接接合部の双方又は一方の間近に配置されるが、溶接工具は、評価装置が屈曲部領域に配置されているので動きが制限されることがなく、その結果溶接工具の使用範囲が評価装置で制限されることがなく、溶接部の評価は、後者が生成された直後に可能となる。溶接工程が完了した後、キャリア材料を配置する位置決めユニットが評価装置下方、特に丸屋根開口部の下方の保持腕の内側に位置するという措置により、キャリア材料画像の分析と処理の双方又は一方を有利に自動化することができ、スポット溶接接合部品質の経済的かつ効率的な評価が可能となる。
本発明について、添付の概略図を用いて更に詳細に説明する。
本発明の評価装置を含み、本発明の溶接工具を有するスポット溶接設備の側面図を示す。
溶接部領域における溶接金属板の部分破断斜視図を示す。
本発明の評価装置の変形実施形態の概略断面図を示す。
本発明の評価装置の変形実施形態の分解図を示す。
図1は、スポット溶接設備3の溶接銃2という形態で溶接工具1を示しており、例えば金属板4、5のような少なくとも2つの要素の抵抗溶接用である。好ましくは、溶接工具1は、スポット溶接ジョイントを自動生産するロボット応用に用いられる。溶接工具1は、例えば2つの曲げられた又はL形の保持腕6を持ち、その各々は1つの電極7で受けられ、電極7は、スポット溶接設備3の不図示の電流源に接続される。更に、溶接工具1は、キャリア材料8を受けて案内するように設計され、このキャリア材料は保持腕6を介して電極7の先端上を通るように案内される。好ましくは、キャリア材料8は、金属箔又はテープ10から成り、変形可能で、長さ方向では保持手段6の表面11に沿って移動可能である。キャリア材料8の移動と運搬の双方又は一方のために、溶接工具1と溶接設備3の双方又は一方は、例えば電極7を通過するテープ10の運搬と巻回・巻き戻しとの双方又は一方のための以下に記載する位置決めユニットを含む。
テープ10は、極めて多様な手法で電極7の回りに案内され、これが唯一の例示的実施形態を以下で手短に説明する理由である。ここで、誘電体間隔部材13が電極7の回りで、電極キャップ12と電極7の金属板4、5接触面との双方又は一方の領域に配置される。間隔部材13は、例えば移動可能に電極7に装着され、間隔部材13を介して金属板4、5に付加的な圧力が加えられるようにする。更に、間隔部材13の可動的装着の結果、溶接工程終了後に間隔部材13はテープ10を電極7から持ち上げる、すなわち溶接銃2を開いている間又はその後に間隔部材13はテープ10を先端9と電極キャップ12の双方又は一方から持ち上げるが、溶接銃2を閉じている間に間隔部材13は、電極7に対して相対的に移動され、テープ10が電極7に接するようになる。
更に、溶接工具1は、キャリア材料8を受けるための案内溝15を持つ支持部材14を含む。調整手段16、特にばね部材が支持部材14と間隔部材13の間に設けられ、これにより後者が電極7の長さ方向中心軸17の方向に移動して適当な圧力が加えられるようにする。このために、調整手段16は、変形可能であるか又はばね弾性であるように設計される。
溶接工具1により、金属板4、5は、全スポット溶接工程中に電極7を介して相互に機械的に押しつけられる。スポット溶接の工程中、結合される2要素の金属は、溶融とその後の固化の双方により結合されるが、このとき、電流が流れ始めるときに使われている要素間の高いオーム抵抗のために、高い出力が熱エネルギーに変換され、金属の溶融につながる。図2に概略が示されているように、溶融塊が溶接ジョイント18で固化した後、金属板4、5は、溶接部19又は小さな塊を介して結合される。
溶接部19の品質を評価するために、キャリア材料8は、溶接工程中にキャリア材料18が溶接ジョイント18の直ぐ上に位置するように設けられる。要素が溶接されるときに発生する放射と影響の双方又は一方、特に溶接部19の幾何学的延長部から出される熱は、溶接部19の鏡面反転画像20をキャリア部材8上に生じさせ、画像20が金属板4、5に面する側21で電極7の先端9の領域に配置されるようにする。溶接終了後、テープ10の長さ方向の移動を位置決めユニットで行い、評価装置22が金属板4、5の位置と処理の場所に関係なくキャリア材料8の分析を実行できるようにする。これに関連するような方法と装置は本出願人のWO2004/022278A1により公知であり、これが溶接設備3、溶接工具1及び工程順序の可能な設計の更なる詳細に関して該文献を参照する理由である。WO2004/022278A1に記載された発明の少なくとも幾つかの部分は、本発明の主題事項の一部である。
図3は、本発明の評価装置で可能な変形実施形態を示す。評価装置22は、スポット溶接品質を監視するシステムの一部である。このシステムは、溶接部19の特性、例えば、溶接部19の位置、形状及び大きさのような幾何学的変量の分析用に設計されている。キャリア材料8に記録された画像20の画像情報は分析に用いられ、画像20の光学的検知は、評価装置22で実行される。評価装置22は、少なくとも1つのカメラ24を有する画像検知ユニット23を持つ。カメラ24は検知手段25及びレンズ26を持ち、検知手段25は光を画像データに変換する検知器から成り、レンズ26は画像20の画像特性を調整するように設計されている。好ましくは、検知手段25は半導体検知器、例えばCCDカメラチップ(CCDは電荷結合素子)又はCMOSカメラチップ(CMOSは相補型酸化金属半導体)から成り、溶接部19の画像20を検知し、引き続いて電子機器によりデジタル化する。検知手段25及びレンズ26は共通の構造体ユニットを形成し得るが、カメラ24の電子機器(詳細は不図示)は評価装置22の異なる場所に配置し、電線、ネットワーク、バスシステム等を介して検知手段25に接続可能とし得る。このようにして、評価装置22をより小型化した構成を達成することができる。品質アセスメント監視システムと評価装置22の双方又は一方は、画像20の特性分析を実行する評価論理を含み、この評価論理はメモリ内のプログラム論理から成ることが好ましい。例えば、評価論理は、ネットワーク(インターネット、イントラネット等)を介して評価装置22から画像情報を受信する計算機内に組み込まれる。このような評価論理は、産業的画像処理の分野の当業者には公知であり、このため、これ以上の検討は行わない。
キャリア材料8と画像20の双方又は一方の照明制御は、評価論理が溶接部19の正確で多様な品質アセスメントを実行できるようにするため必要である。これは、キャリア材料8のスポット溶接画像20に対して拡散一様照明と所謂入射光照明の双方又は一方を行うように設計された照明装置27を含む本発明の画像検知ユニット23で達成される。拡散照明は、高反射性のキャリア材料8とテープ10の双方又は一方の画像20で反射がなく均一な着色を生じ、カメラ24で記録した画像20についての歪曲や光学情報損失がなくなる。この結果、溶接部19の特性は、非常に微細な階調で信頼できる画像を用いて結論することができる。
照明装置27は、拡散光を発生するための拡散器28を含み、前記拡散器28は種々の方向へ衝突光(auftreffende Lichtstrahlung)を散乱する。提示した変形実施形態では、照明装置27は、キャリア材料8の間接照明用に設計されており、この目的のために拡散器28は、反射面30に衝突する光線をキャリア材料8の方向に反射する反射器29を持つ。ここで、反射器29は、光が浸透しない不透明材料と光周波数領域における電磁放射吸収度が低い材料との双方又は一方から構成される。例えば、反射器29の材料はプラスチック群から選択され、このプラスチックは明色であることが好ましい。特に、反射器29の材料が白又は淡灰色のプラスチックで構成され、明色光と白色光の双方又は一方が反射器29でキャリア材料8の方向に反射されるようにする。更に有利な変形実施形態では、反射器29は銀色である。更に、反射器29の反射面30は、曇らせるか又は粗面化し、衝突光の散乱を増大する。
また、照明装置27は、キャリア材料8を直接的に照明するよう設計することもできる。ここで、拡散器28は、半透明の板と層の双方若しくは一方、例えばプラスチック、不透明ガラス等で形成されるもの、又は粗面を有する透明板から成り、後者は、上側を光で照射され、下側の拡散光がキャリア材料8の方向に照射されるようにする。
キャリア材料8の照明は、好ましくは大面積の光源又は大面積の反射器29で行われ、キャリア部材8の照明を可能な限り均一とする。
図3及び4に示された例示的な実施形態によれば、反射面30は、内部32を丸屋根状に囲む湾曲31を含む。照明装置27は、凹所34を有する筐体33を含み、これは反射面30と共に内部32を囲む丸屋根35を形成する。その前端領域36では、丸屋根35は開口部37を持ち、これは、特に板形状で、光浸透性と透明性の双方又は一方を有する保護要素38によって閉鎖される。丸屋根35に対向する保護要素38の底部側39に位置するキャリア材料8は、照明装置27を介して照明され、この照明装置は、丸屋根35の内部32を照明し、キャリア材料8の表面40が内部32から見え、画像20をカメラ24により検知できるようにする。
更に、例えばワイパー、圧縮空気噴出口等から成る清掃装置を設け、キャリア材料8における画像20の汚染領域を清掃する。その結果、保護要素38の汚染が防止され、これにより保護要素38の光透過性に悪影響を及ぼすことがない。
照明装置27は、光源41を含み、これは少なくとも1つのLED(発光ダイオード)42で形成されることが好ましい。好ましくは、数個の発光ダイオード42が1つのLED環44を形成する。LED環44は、例えば相互に径方向に対向する2つの発光ダイオードから成る。好ましくは、LED環44は、少なくとも3個の、特に5個を超える発光ダイオード42を持ち、これらはLED環44の周に沿って等間隔に配置される。好ましくは、LED環44の発光ダイオード42は、白色光を放射するように設計される。同様に、発光ダイオード42は、多色光、特に赤色光、緑色光又は青色光を放射するものでもよい。当然のことながら、LED環44は、例えばLED配列43から成るものでもよい。
LED環44は、端部領域36と丸屋根35の開口部37の領域との双方又は一方に配置され、筐体33の横方向領域45に沿って円形状又は環状に延びている。ここで、発光ダイオード42は、反射面30の方向に光を放射するように、すなわち発光ダイオード42からの光がキャリア材料8と開口部37の双方又は一方から遠ざかる方向に放射されるよう配置される。横方向放射に対する適切な対策により、テープ10への反射を防止し、同時に光円錐のより良い放射を達成することが可能となる。反射面30の笠型の湾曲31により、光が拡散反射し、内部32とこの内部32の下方に位置するキャリア材料8との双方又は一方が均一に照明される。好ましくは、丸屋根35は、二枚貝の殻の片方の形状、特に、実質的に半球の形状を持つように設計される。
本発明の例示的な実施形態では、更にカメラ24のレンズ26はピンホールレンズ46から成る。ピンホールレンズ46は小径48の穴47を含み、被写体又は画像20の画像寸法の決定が単純かつ小型の構造で可能となる。好ましくは、直径48は、僅か1ミリメートルの何分の1又は数ミリメートル、特に0.1mmから5mmの数分の1であり、画像20だけが検知手段25で撮像されるようにする。このためにピンホールレンズ46は、キャリア材料8に対向するように配置され、これから距離49だけ離される。ここで、距離49は、画像20が検知手段25で撮像される比例係数を決定する。更に、ピンホールレンズ46は、底部側50が拡散反射特性を有している。この結果、反射面30を含む反射器29はピンホールレンズ46の底部側に延び、前記反射器29は上記設計のものであることが好ましい。このように、底部側50は、反射面30の領域を形成し、光源41で発生された光は、比較的小さな断面の穴47の領域では反射されない。しかしながら、この非反射領域は、寸法が小さいため、キャリア材料8上へのカメラ24の反射は見えないか、又は無視できるほど小さく、キャリア材料8上の画像20の均質な照明が行われる。
例示的な実施形態では、ピンホールレンズ46は、好ましくは、丸屋根35の上部側51と頂点の双方又は一方に配置され、内部32の下に配置されたキャリア材料8の画像20が検知手段25を介して検知されるようにする。キャリア材料8上の画像20の上方へのピンホールレンズ46のこのような垂直配置により、比例寸法での画像20の無歪記録が可能となり、記録画像情報の効率的処理が可能となる。
図4に示されるように、筐体33は、数個の部分、特に主筐体52及び丸屋根筐体53から成る。保護要素38とLED環44の双方又は一方は、開口部54を有する固定枠53を介して、固定要素56特にねじ57を介して、丸屋根筐体53に固定される。
本発明の目的の更に別の解決策は、スポット溶接設備3用の溶接工具1、特に溶接銃2にある。溶接工具1は、抵抗溶接電極7用の保持腕6を含み、かつ電極7を通って案内されるキャリア材料8又はテープ10の案内と送りとの双方若しくは一方用の位置決めユニットを含み、ここでスポット溶接工程は、小塊の画像をキャリア材料8上に発生し、前記画像20を評価装置22で分析できるようにする。この別の解決策によると、評価装置22は、上記説明に少なくとも部分的に従うように設計されている。留意すべきは、以下に記載する例示的実施形態では、キャリア材料8がテープ10から成っていることである。
好ましくは、評価装置22は保持腕6の1つに直接配置され、画像20を有するテープ10は、評価装置22を通り過ぎて案内されるか、又は評価目的でこれを通り抜けて案内される。図1によれば、保持腕6は湾曲又は座屈で形成される屈曲58を持ち、特に保持腕6はL字形となる。評価装置22は、保持腕6の内側60に設けられた屈曲58の領域59に配置される。溶接工程の後、画像20を含むキャリア材料8は、内側60に沿って案内され、溶接結果の評価を溶接工程後直ぐに実行できるようにする。当然のことながら、評価装置22は、あらゆる形状の保持腕に適用され、本発明の評価装置22がスポット溶接の接合部の光学的品質検査を実行できるようにする。一方又は双方の保持腕6の評価装置22を統合すること、及びこれに応じてテープ10が評価装置22を通り過ぎるように案内することも可能である。ここで、溶接設備3の近づきやすさと動作の双方又は一方を決して制限しないことが有利である。
このため、溶接工具1ないしスポット溶接設備3は、キャリア材料8に対する位置決めユニット61を持っている。前掲の例示的実施形態によると、位置決めユニット61は、電極7周囲に案内されるテープ10を動かすように設計されており、移動は、例えば、溶接工程完了毎の所定の送りにより間欠的に実行される。このために、位置決めユニット61は、特にスポット溶接設備3の制御ユニットで制御できる駆動部材62を持つ。テープ10が動かされる場合、それは、テープ10が評価装置22を通り過ぎて案内されるように矢印63aと63bで示される方向に動く。テープ10は、例えば、丸屋根35の開口部37の下方に配置され、カメラ24が画像20を記録できるようにする。ここで、テープ10は、案内経路15と更なる案内手段の双方又は一方を介して、保持腕6の表面11に接近しこれに沿って通り過ぎるように案内される。テープ10が評価装置22を通り過ぎるように案内される場合、それは、例えば保持腕6の表面11に沿って、又は図1に点線で示されているように案内手段を介して保持腕6を横断して、所望通りに送られる。
好ましくは、カメラ24が画像20を自動的に記録するようにし、テープ10が位置決めユニット61を介して評価装置22を通り過ぎて案内されることにより、画像が記録される。これは、テープ10が丁度カメラ24を通り過ぎるように引っ張られ、同時に、テープ10の、従って溶接部19の表面が連続的に記録されることを意味する。これにより、評価論理が受信画像情報に基づいて溶接部19の最適画像を分析するので、カメラ24の前の溶接部19の正確な位置決めは不要となる。
このように、キャリア材料8は溶接工程が実行された直後に分析され、この分析は完全に自動化された形態で行われる。ここで、キャリア材料8を溶接工具1以外に分離して設けたワークステーションに供給する必要はないが、キャリア材料8は、溶接工程と分析が完了した後直ぐに次の目的地へ送られる。
更に、保持腕6の少なくとも1つに固定することに代えて、評価装置22を外部の器具やワークステーションに配置してもよい。溶接部19の評価を可能とするために、テープ10は、完全に消費された後に溶接銃2から外され、器具やワークステーションに挿入され、そこで個々の画像が評価される。スポット溶接の順序によって、誤りのある溶接部19をいつでも特定し、編集できるように溶接部19を割り当てることができる。
一般に、注意すべきことは、保持腕6の各々が別の評価装置22を持ち、例えば、異なる材料の金属板4、5に適用される異なるキャリア材料8が各保持腕6に対してそれぞれの評価装置22により別個に処理されるようにし得ることである。但し、前掲の例示的実施形態では、溶接工具1は、金属板4に割り付けられたテープ10を評価する唯一の評価装置22を持つ。
図1ないし4に示した個々の実施形態は、本発明の具体的な解決策の主題事項である。本発明のそれぞれの目的と解決策は、これらの図面の詳細な説明から知ることができる。