JP7086813B2 - 照明装置 - Google Patents
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Description
本発明は、レンズ効果を有する光透過性ワークの観察や撮像、検査等に用いる照明光を照射する照明装置に関するものである。
製品の完成後や製造中に、当該製品に傷や汚れがついていないか検査する為に照明光を照射する照明装置が従来から用いられている。
この照明光を観察や撮像、検査等の対象となる基板等(ワークと呼ぶ)向けて観察や撮像等に必要な照明光を照射する形態として、光源となるランプが収められた筐体(いわゆる、ランプボックス)から放射された光を、ライトガイドと呼ばれる光ファイバを束ねた導光部材で導光する形態が周知である。
そして、ライトガイドの出射部にレンズを配置し、出射光を平行光化する方式が知られている(例えば、特許文献1)。
また、ライトガイドを構成する光ファイバの出射端を扁平に並べて配置し、光透過板および拡散板を通過した光等により平面照明を得る方式が知られている(例えば、特許文献2)。
なお、特許文献1,2のどちらの方式の照明を用いるかは、観察等するワークの表面状態やワーキングディスタンス、観察倍率や発見すべき傷や汚れ等に応じて、適宜選択して採用されていた。
レンズ効果を有する光透過性ワークを観察や撮像、検査等しようとすると、特許文献1の方式(つまり、平行光)では、レンズ効果により光透過性ワークを通過した観察光が偏ってしまい、均一な光量分布が得られなくなる。そのため、従来技術では、傷や汚れ等の発見や検出をするために適切な光量分布を得られず、所望の観察や検査等が行えないという課題が生じていた。
また、特許文献2の方式(つまり、単なる拡散光)では、十分な光量が得られず、所望の観察や検査等が行えないという課題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、レンズ効果を有する光透過性ワークの観察や撮像、検査等に十分な光量と均一性を兼ね備えた照明光を照射することができる照明装置を提供することを目的としている。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、レンズ効果を有する光透過性ワークの観察や撮像、検査等に十分な光量と均一性を兼ね備えた照明光を照射することができる照明装置を提供することを目的としている。
以上の課題を解決するために、本発明に係る一態様は、
レンズ効果を有する光透過性ワークに照明光を照射する照明装置であって、
光源と、
光源から放射した光を導光して所定の拡がり角の光束を出射させる光出射部と、
所定の拡がり角の光束を平行な光束に変換する集光レンズ部と、
平行な光束を通過させることで、進行方向がランダムな照明光に変換する拡散板と
を備えたことを特徴としている。
レンズ効果を有する光透過性ワークに照明光を照射する照明装置であって、
光源と、
光源から放射した光を導光して所定の拡がり角の光束を出射させる光出射部と、
所定の拡がり角の光束を平行な光束に変換する集光レンズ部と、
平行な光束を通過させることで、進行方向がランダムな照明光に変換する拡散板と
を備えたことを特徴としている。
上記の照明装置によれば、拡散板を通過した光は、進行方向がランダムに拡散されるので、レンズ効果を有する光透過性ワークを観察等する際に、観察光の偏りを軽減することができる。また、拡散板を通過する直前まで平行な光束で導光されるので、十分な光量で均一に視野全体を照らすことができる。
レンズ効果を有する光透過性ワークの観察や撮像、検査等に十分な光量と均一性を兼ね備えた照明光を照射することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について、図を用いながら説明する。
なお、以下の説明では、直交座標系の3軸をX、Y、Zとし、水平方向をX方向、Y方向と表現し、XY平面に垂直な方向(つまり、重力方向)をZ方向と表現する。また、Z方向は、重力に逆らう方向を上、重力がはたらく方向を下と表現する。また、Z方向を中心軸として回転する方向をθ方向とする。
図1は、本発明を具現化する形態の一例の全体構成を示す概略図である。図1には、本発明に係る照明装置1ならびに、それを組み込んだ検査装置Kの概略図が示されている。
検査装置Kは、レンズ効果を有する光透過性ワーク(単にワークWと呼ぶ)の表面や裏面、内部等に、傷、異物、汚れ、気泡等がないかどうかを検査するものである。ワークWは、薄板状のシリコンやガラス、樹脂等で構成され、表面に所定のパターンで成膜やエッチング加工等したり、所定の表面形状に加工したり、機能性を有する材料を積層したりされている。具体的には、検査装置Kは、照明装置1、撮像部C、ワーク保持部H、相対移動部M、コンピュータCN等を備えている。
照明装置1は、ワークWに照明光を照射するものである。具体的には、照明装置1は、光源2、光出射部3、集光レンズ部4、拡散板5、筐体10等を備えている。
光源2は、観察や撮像、検査等に必要な光を放出するものである。
具体的には、光源2として、外部から電流・電圧を印加させると、人の目や撮像部Cの感度波長である可視光領域の光を発するものが例示できる。より具体的には、光源2として、キセノンランプやメタルハライドランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、LED照明のほか、所定波長の光を発するレーザダイオードなどが例示できる。
具体的には、光源2として、外部から電流・電圧を印加させると、人の目や撮像部Cの感度波長である可視光領域の光を発するものが例示できる。より具体的には、光源2として、キセノンランプやメタルハライドランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、LED照明のほか、所定波長の光を発するレーザダイオードなどが例示できる。
光出射部3は、光源から放射した光を導光して所定の拡がり角の光束L1を出射させるものである。具体的には、光出射部3は、多数の光ファイバを束ねたライトガイド部30、反射ミラー32等を備えている。ライトガイド部30は、入射端に光を入射させると、ファイバ内部で多重反射を繰り返し、出射端31から所定の拡がり角の光束L1が出射される。
集光レンズ部4は、所定の拡がり角の光束L1を平行な光束L2に変換するものである。具体的には、集光レンズ部4は、平凸レンズや非球面凸レンズ、組合せレンズ等で構成されている。
反射ミラー32は、平行な光束L2の方向を変えるものである。具体的には、反射ミラー32は、45度斜め方向に配置されており、X方向から照射された平行な光束L2を、Z方向に照射される平行な光束L3に変換する構成をしている。
拡散板5は、平行な光束L3を通過させることで、進行方向がランダムな照明光4に変換するものである。さらに、拡散板5は、ワークWと所定距離dを隔てて配置されている。より具体的には、拡散板5は、透明なガラス板や白色半透明のプラスチック樹脂の表面および/または裏面にすりガラス状の凹凸処理が施されており、入射した光の進行方向がランダムに拡散して出射される特性(いわゆる、拡散性)を有している。
そのため、ワークWに照射される光L5には、様々な方向からの光が含まれることとなり、ワークWにレンズ効果を有する部位が含まれていても、強弱に偏りの無い(つまり、均一性がある)観察光Lが得られる。
筐体10は、光出射部3、集光レンズ部4、拡散板5の各部を所定の位置関係で固定するものである。具体的には、筐体10は、ワークWの下方に配置されている。より具体的には、筐体10は、上面および側面の一部が開放した箱体で構成されている。筐体10の側面の開口部には、光出射部3が取り付けられており、筐体10の上面の開口部には拡散板5が取り付けられている。また、筐体10の内部には、集光レンズ部4と反射ミラー32が取り付けられている。
撮像部Cは、ワークWを撮像するものである。具体的には、撮像部Cは、ワークWに設定した検査エリアRを含む画像を撮像し、外部機器に画像を出力するものである。より具体的には、撮像部Cは、撮像カメラC1、レンズC2等を備えている。
撮像カメラC1は、CCDやCMOS等の撮像素子(いわゆる、イメージセンサ)C3を備えており、観察光LがレンズC2等を介して撮像素子に結像された視野F内の像を、映像信号や画像データとして外部機器へ出力することができる。具体的には、撮像カメラC1で撮像された画像は、コンピュータCNへ出力される。より具体的には、撮像部Cは、ワークWを上方から見下ろす様に配置されており、ワークWとレンズC2とが所定の作動距離WDを隔てて、照明装置1の拡散板5と対向する位置に配置されている。
ワーク保持部Hは、ワークWを所定の姿勢で保持するものである。具体的には、ワーク保持部Hは、ワーク載置台H1、吸引機構(不図示)を備えている。
ワーク載置台H1は、ワークWの外周部の下面や側面と接しつつ、当該外周部に摩擦力や吸引力等をはたらかせることで、ワークWを所定の姿勢で保持するものである。具体的には、ワーク載置台H1は、上面が水平となるように配置された板状部材の上面に吸引用の溝や孔が設けられて、切換バルブ等を介して吸引機構に接続されている構成(いわゆる負圧吸着プレート)や静電吸着プレート、開閉機構を備えた把持チャック機構などが例示できる。
相対移動部Mは、撮像部Cとワーク保持部Hとを相対移動させ、撮像部Cで撮像するワークWの場所を変更するものである。具体的には、相対移動部Mは、照明部2と撮像部Cとを対向配置させた状態で、これらとワークWを保持したワーク載置台H1とを相対移動させる構成をしている。より具体的には、相対移動部Mは、不図示のX軸ステージ,Y軸ステージ,θ軸ステージを備えている。
X軸ステージは、ワーク載置台H1をX方向に移動させたり、所定位置で静止させたりするものであり、装置フレーム(不図示)の上に取り付けられている。
Y軸ステージは、ワーク載置台H1をY方向に移動させたり、所定位置で静止させたりするものであり、X軸ステージに取り付けられている。
θ軸ステージは、ワーク載置台H1を回転させたり、所定角度で静止させたりするものであり、Y軸ステージに取り付けられている。
そして、X軸ステージ,Y軸ステージ,θ軸ステージは、制御部(不図示)と接続されており、制御部から出力される制御信号に基づいて、所定の速度で移動・回転したり、所定の位置・角度で静止したりする。
コンピュータ部CNは、照明装置1の点灯/消灯を制御したり、照明光の強度を調節したり、撮像部Cやワーク保持部H、相対移動部M等を制御したりするものである。具体的には、コンピュータ部CNは、接続された外部機器から信号やデータが入力されると、予め登録されたプログラムに従って処理を行い、処理結果を外部機器へ出力するものである。より具体的には、コンピュータ部CNは、入出力装置、記憶装置、画像処理装置、演算処理装置などのハードウェアと、実行プログラム等(ソフトウェア)を備えている。
そして、コンピュータ部CNは、撮像部Cの撮像カメラC1から出力された画像に対応した映像信号(アナログ信号)や画像データ(デジタル信号)が入力されると、当該画像に対して所定の画像処理等を行い、所定の検査を行うようにプログラミングされている。
図2は、本発明を具現化する形態の一例の要部を示す断面図である。図2には、ワークWを通過する照明光および観察光Lの軌跡が示されている。
観察光Lは、撮像部Cの撮像カメラC1で撮像される光束であり、ワークWのレンズ効果を有する部位Sdを通過した光束Ldと、レンズ効果を有さない部位Sfを通過した光束Lfとが含まれる。
本発明を適用しなかった場合、ワークWの下方から垂直上方に向けて照射された光束(つまり、平行光のみ)のうち、レンズ効果を有さない部位Sfを通過した光束Lfは、撮像部Cへ到達する。一方、レンズ効果を有する部位Sdを通過する光束は、破線で示す様な焦点位置Fpを通過する光束となり、撮像部Cへ到達しなかったり偏った光となってしまったりする。そのため、撮像部Cでは、均一な光量分布が得られなくなる。そして、傷や汚れ等の発見や検出をするために適切な光量分布を得られず、所望の観察や検査等が行えなかった。
本発明に係る照明装置1によれば、上述の様な構成をしているため、ワークWの下方から上方に向けて照射される照明光L5は、進行方向がランダムな光束である。そのため、実線で示す光束が、レンズ効果を有する部位Sdやレンズ効果を有さない部位Sfを通過し、撮像部Cへ到達する。そして、ワークWを観察等する際に、観察光Lの偏りを軽減することができる。また、光源から導光された照明光は、拡散板5を通過する直前まで平行な光束L2,L3として導光されるので、十分な光量で均一に視野F全体を照らすことができる。
なお、上述ではワークWの上面が凸レンズの様な形状をした構成を例示したが、下面または上下面とも凸レンズの様な形状であっても、本発明を適用することができる。また、上面および/または下面が凹レンズの様な形状であっても良い。
[他の形態]
なお上述では、本発明に係る照明装置1が検査装置Kに組み込まれた形態を例示した。この様な形態であれば、観察光Lの偏りを軽減して自動検査を行うことができるため好ましい。しかし、本発明を具現化する上で、検査装置Kに組み込むことは必須ではなく、ワークWをワーク保持台Hにて保持し、人が目視で観察や検査をする(撮像部Cがない)形態あっても良い。或いは、ワークWを人が手で保持し、目視で観察や検査をする(撮像部C、ワーク保持台H、相対移動部M等がない)形態あっても良い。
なお上述では、本発明に係る照明装置1が検査装置Kに組み込まれた形態を例示した。この様な形態であれば、観察光Lの偏りを軽減して自動検査を行うことができるため好ましい。しかし、本発明を具現化する上で、検査装置Kに組み込むことは必須ではなく、ワークWをワーク保持台Hにて保持し、人が目視で観察や検査をする(撮像部Cがない)形態あっても良い。或いは、ワークWを人が手で保持し、目視で観察や検査をする(撮像部C、ワーク保持台H、相対移動部M等がない)形態あっても良い。
[別の形態]
なお上述では、照明装置1の筐体10の上面の開口部に拡散板5が取り付けられている形態を例示した。しかし、拡散板5は、筐体10に固定された形態に限定されず、上下方向に移動可能に取り付けられた形態であっても良い。
なお上述では、照明装置1の筐体10の上面の開口部に拡散板5が取り付けられている形態を例示した。しかし、拡散板5は、筐体10に固定された形態に限定されず、上下方向に移動可能に取り付けられた形態であっても良い。
具体的には、照明装置1の筐体10に、拡散板距離調節部7を備えた構成とする。
拡散板距離調節部7は、ワークWと拡散板5との距離dを調整するものである。
具体的には、拡散板距離調節部7は、上下方向に位置変更する可動部を有するアクチュエータを備えた構成とする。そして、可動部に取付金具等を介して拡散板5を取り付けた構成とする。
拡散板距離調節部7は、ワークWと拡散板5との距離dを調整するものである。
具体的には、拡散板距離調節部7は、上下方向に位置変更する可動部を有するアクチュエータを備えた構成とする。そして、可動部に取付金具等を介して拡散板5を取り付けた構成とする。
アクチュエータは、外部からの制御信号に基づいて、上下方向の位置を変更し、所定の位置で静止させるものである。具体的には、アクチュエータは、ボールネジとステッピングモータを備えたステージ機構や、空気圧シリンダ等が例示でき、コンピュータCNからの制御信号や、切替SWやポテンショメータ等による電気信号の変化等に基づいて、可動部の上下方向の位置が制御される構成が例示できる。
この様な形態であれば、光出射部3と集光レンズ部4を固定したまま、ワークWと拡散板5との距離dを変更できるので、ワークWの曲率に適した距離dに設定することができ、好ましい。
[変形例]
なお上述では、光出射部3が、多数の光ファイバを束ねたライトガイド部30を備えた構成を例示した。この様な構成であれば、筐体10を適宜移動したり、検査装置K等に取り付けたりするのが容易であるため好ましい。
なお上述では、光出射部3が、多数の光ファイバを束ねたライトガイド部30を備えた構成を例示した。この様な構成であれば、筐体10を適宜移動したり、検査装置K等に取り付けたりするのが容易であるため好ましい。
しかし、本発明を具現化する上で、光出射部3がライトガイド部30を備えた構成には限定されず、光源2が収納されたランプボックスから光が出射される部位(つまり、光出射部3に相当)に集光レンズ部4を取り付けた構成であっても良い。
1 照明装置
2 光源
3 光出射部
4 集光レンズ部
5 拡散板
7 拡散板距離調節部
10 筐体
30 ライトガイド
31 出射端
32 反射ミラー
L 観察光
L1 所定の拡がり角の光束
L2 平行な光束
L3 平行な光束
L4 進行方向がランダムな照明光
L5 照明光の一部の光束(ある成分の光束)
W 光透過性ワーク
K 検査装置
C 撮像部
H ワーク保持部
d 距離
M 相対移動部
CN 制御部
F 視野
R 検査エリア
C1 撮像カメラ
C2 レンズ
C3 撮像素子
H1 ワーク載置台
2 光源
3 光出射部
4 集光レンズ部
5 拡散板
7 拡散板距離調節部
10 筐体
30 ライトガイド
31 出射端
32 反射ミラー
L 観察光
L1 所定の拡がり角の光束
L2 平行な光束
L3 平行な光束
L4 進行方向がランダムな照明光
L5 照明光の一部の光束(ある成分の光束)
W 光透過性ワーク
K 検査装置
C 撮像部
H ワーク保持部
d 距離
M 相対移動部
CN 制御部
F 視野
R 検査エリア
C1 撮像カメラ
C2 レンズ
C3 撮像素子
H1 ワーク載置台
Claims (4)
- レンズ効果を有する光透過性ワークに照明光を照射する照明装置であって、
光源と、
前記光源から放射した光を導光して所定の拡がり角の光束を出射させる光出射部と、
前記所定の拡がり角の光束を平行な光束に変換する集光レンズ部と、
前記平行な光束を通過させることで、進行方向がランダムな照明光に変換する拡散板と
を備えた、照明装置。 - 前記光透過性ワークを保持するワーク保持部を備え、
前記光透過性ワークと前記拡散板とが所定距離を隔てて配置されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。 - 前記光透過性ワークと前記拡散板との前記距離を調整する、拡散板距離調節部を備えた
ことを特徴とする、請求項2に記載の照明装置。 - 光出射部が、多数の光ファイバを束ねたライトガイド部を備えた
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の照明装置。
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