JP2009538697A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2009538697A5
JP2009538697A5 JP2009513250A JP2009513250A JP2009538697A5 JP 2009538697 A5 JP2009538697 A5 JP 2009538697A5 JP 2009513250 A JP2009513250 A JP 2009513250A JP 2009513250 A JP2009513250 A JP 2009513250A JP 2009538697 A5 JP2009538697 A5 JP 2009538697A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
image
target
imaging device
retinal imaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009513250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009538697A (ja
JP5735211B2 (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority claimed from PCT/US2007/012726 external-priority patent/WO2007142960A2/en
Publication of JP2009538697A publication Critical patent/JP2009538697A/ja
Publication of JP2009538697A5 publication Critical patent/JP2009538697A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5735211B2 publication Critical patent/JP5735211B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

簡単な光学系と多重散乱光結像機能とを備えたレーザー走査デジタルカメラ
本発明は、簡単な光学系と多重散乱光結像機能とを備えたレーザー走査デジタルカメラに関する。
(連邦政府委託研究に関する説明)
本発明につながる研究は、合衆国国立衛生研究所助成金第EB002346号による連邦政府からの支援を受けている。連邦政府は、本発明にある種の権利を有し得る。
人間の網膜は、種々の環境要素から、レーザー光衝撃及びその他の障害のみならず疾患を含む損傷を受け易い。光エネルギを捕らえ且つ当該光エネルギを神経信号に変換するために応答可能な細胞すなわち光受容体は、ひとたび損傷を受けると再生しない。実際のところ、網膜の神経細胞のどの細胞も成人の人間の体内で容易に再生させることは未だできない。損傷が十分深いものである場合には、一つの領域で永久的な視力喪失が存在する。健康な光受容体は、損傷した領域に向かって長い距離を移動して損傷した領域に置き換わることはない。
影響を受けた領域が眼窩として知られている中央斑点内にある場合には、細かい細部を見る能力、速い速度で読む能力又は極めて遠い距離から対象物を認識する能力が失われるかも知れない。視覚の周辺領域は、これらの機能を同じ程度まで果たすための十分なサンプリング密度を備えていない。従って、起こり得る視覚喪失障害の早期の検知及び治療は、中心視力を維持する点において極めて重要である。
障害の早期検知における主要な問題点のうちの一つは、網膜の小さな領域に結像させることが困難なことである。斑紋は小さな目標(6000ミクロン)に現れる。細かい細部の観察及び読み取りを妨げる損傷を認識するのに必要とされる部分は、更に小さく、約600ミクロンである。この細かい細部を適正に検査するためには、斑紋の中心20度を十分な拡大率で結像させ且つ目立たせて、ある人が永久的な視力の喪失の恐れを有しているか否かを判定することが望ましい。
伝統的には、網膜を調べ且つ結像させるためには検眼鏡又は眼底カメラが使用されて来た。本来、これらの器具は白色光によって網膜を照らしていた。その後の装置は、特別な構造又は構造間の対比を調べ又は結像させるのに適することが判明している選択的な波長を使用して来た。使用される光の波長に拘わらず、過去の器具の多くは、長範囲の散乱のためにより低いコントラストを受ける場合が多い網膜の像を形成する照射照明を使用していた。長範囲の散乱という問題は、平らな組織によって生じるばかりでなく、本来散乱性のある生物学的組織、特に網膜内及び近くの組織から発生すると認識されていた。
長い散乱範囲問題を減じる一つの公知の方法は、照射光源を散乱照射源に置き換えることである。幾つかの研究によって、水平の散乱部材を使用している入射光及び反射光の両方によって走査する二重の走査光学装置の使用が望ましいかも知れないことを示唆して来た。このような部材による走査は、回転複合多面反射器及び反照検流計のような垂直走査要素によって行うことができる。このような装置は、眼底の反射特性を表す二次元出力を提供することができる(米国特許第4,768,873号及び第4,764,005号のみならず米国特許第4,768,874号(各々がラインビームが眼を横切って走査されるレーザー走査検眼鏡を開示している)を参照のこと)。このような改良は、形成される像のコントラストを著しく増大させたが、典型的には、専門家が操作しなければならない高価で重い装置を必要とする。
走査照射源技術に対する改良は、発明者Ann Elsnerらによって開発された走査レーザー検眼鏡(“SLO”)による進歩した反射光測定技術の使用において実施化された(例えば、Elsner A.E.らによる“走査レーザー検眼鏡による反射光測定”(Applied Optics第31号、No.19(1992年7月)第3697〜3710頁(本明細書に参考として組み入れられている))。SLOは、スポット照明が眼底に亘ってラスターパターンで走査され、それによって像のコントラストを照射照明に亘って著しく改良する点において量的な結像にとって有利である。当該発明者によるSLO技術は、更に、所望のモードに応じて直径が可変の円形又は環状開口のような共焦点開口を使用することによって不所望な散乱光を更に排除することができる。光がひとたび共焦点開口部を通って戻されると、次いで、所望の光が検知器に伝えられる。しかしながら、共焦点開口部内で使用される光学系は、装置の複雑さを増し、高精度の光学系は余分な費用がかかる。従って、費用効率がより高い方法で不所望な散乱光を減じ又は排除するための方法が極めて望ましい。
網膜結像系におけるコントラストを増大させるための更に別の改良としては、照明源として他の波長又はカラーの像の代わりに近赤外光を広範囲に使用することが挙げられる(本発明者らによって開発され且つ“Infrared Imaging of 網膜下 Structure in the Human Ocular Fundus(人間の眼底内の網膜下構造の赤外線結像)”(“Vision Res.”1996年、第36巻、第1号、第191−205頁、Elsner, A.E.,ら);“Multiply Scattered Light Tomography(多重散乱光断層撮影)”(Elsner, A.E.,ら);“Vertical Cavity Surface Emitting Laser Array Used for Imaging 網膜下 Structures(網膜下構造を結像させるため使用される垂直共振器面射出レーザーアレイ)”(“Lasers and Light in Ophthalmology”,1998年、(Elsner, A.E.,ら);“Characteristics of Exudative Age-related Macular Degeneration Determined In Vivo with Confocal and Indirect Infrared Imaging(共焦点及び間接赤外線結像による生体内において判定される滲出性老化関連黄斑変性の特徴)”(“Ophthalmology”第103巻、第1号(1996年1月)、第58−71頁、Hartnett, M.E.及びElsner, A.E.)、“Deep Retinal Vascular Anomalous Complexes in Advanced Age-related Macular Degeneration(進行した老化関連黄斑変性における深網膜血管異常QRS群)”(“Ophthalmology” 第103巻、第12号(1996年12月)、第2042−2053頁、Hartnett, M.E.ら)に記載されており、これらは全て本明細書に参考として組み入れられている。赤外線は可視光及び長い距離に亘る散乱よりも吸収が少ないので、赤外線結像をSLOと組み合わせることによって、眼を迅速且つ非侵襲的に検査する反射光測定技術の使用が可能になる。更に、走査レーザー装置を備えているときに、眼底内の網膜大組織の赤外及び近赤外結像は、網膜沈着物、視神経円板、網膜血管、脈絡膜血管、液体蓄積、色素沈着過剰、萎縮及びブルック膜の破壊(投光照明装置によって観察することが困難であるか又は不可能であることが判明している)を露呈させることができる。更に、赤外線照射は組織による吸収が他の波長よりも少ないので、コントラストの高い像を形成するために必要とされる光源による照射が遙かに少ない。
上記の改良と小さな網膜構造を首尾良く結像させるための方法とは、米国特許出願第60/329,731号、第10/493,044号、第60/350,836号及びPCT出願PCT/US02/32787号(これらは本明細書に参考として組み入れられている)において組み合わせられている。更に、このような構造を検知し且つ場所を突き止める技術の使用についての論文は、本発明者らによる文献、“Infrared Imaging of 網膜下 Structure in the Human Ocular Fundus(人間の眼底内の網膜下構造の赤外線結像)”(“Vision Res.”1996年、第36巻、第1号、第191−205頁、Elsner, A.E.ら);“Multiply Scattered Light Tomography(多重散乱光断層撮影)”(Elsner, A.E.ら);“Vertical Cavity Surface Emitting Laser Array Used for Imaging 網膜下 Structures(網膜下構造を結像させるため使用される垂直共振器面射出レーザーアレイ)”(“Lasers and Light in Ophthalmology”,1998年、Elsner, A.E.ら);“Foveal Cone Photopigment Distribution: Small Alterations Associated with Macular Pigment Distribution(中心眼窩円錐感光色素分布:黄斑色素分布に伴う小さな変質)”(“Investigative Ophthalmology & Visual Science”、1998年11月、第39巻、第12号、第2394−2404頁、Elsner, A.E.ら)、“Characteristics of Exudative Age-related Macular Degeneration Determined In Vivo with Confocal and Indirect Infrared Imaging(共焦点及び間接赤外線結像による生体内において判定される滲出性老化関連黄斑変性の特徴)”(“Ophthalmology”第103巻、第1号(1996年1月)、
第58−71頁、Hartnett, M.E.及びElsner, A.E.)、“Deep Retinal Vascular Anomal
ous Complexes in Advanced Age-related Macular Degeneration(進行した老化関連黄斑
変性における深網膜血管異常QRS群)”(“Ophthalmology” 第103巻、第12号(
1996年12月)、第2042−2053頁、Hartnett, M.E.ら)に記載されており、
これらは全て本明細書に参考として組み入れられている。本発明者の以前の特許出願に記
載されている装置及び技術は、当該分野における医療補助者又はその他の人のような非専
門家が使用することができる眼の高コントラストなデジタル画像を提供する適度な価格の
持ち運び可能な装置を導入した。しかしながら、更に低価格で、標準的なデジタル画像技
術を使用し、高コントラストな画像を得るために比較的少ない高精度の光学系を含んでいる装置を形成することが当該技術において著しく所望されている。
更に、網膜のより深い構造を露呈するために使用される多重散乱光像は付加的な診断用途を提供するより詳細な像を提供することが研究によって示されて来た。更に、赤外スペクトルの使用は、患者の瞳孔を開くことなく網膜を結像させるために使用することができ特に関心のある目標物が高反射層の下にある場合には、多重散乱光のための付加機能は、見ることが困難である構造の視認化を可能にする。しかしながら、当該発明者らによって提出された特許出願において実施化されたものを含む以前の走査装置は、目標物を照射する光だけではなく、かなりの注意を要する目標物から検知器へ戻る光を走査することなく像を形成するためにこの方法を容易に使用することができない。従って、適度な価格で多重散乱光の像を形成することができる持ち運び可能なデジタルの網膜結像装置が当該技術において強く望まれている。
特により短波長の明るい光による投光照射を使用し且つ典型的には遅い速度で単一の像を得ることができる網膜疾患のスクリーニング用に設計された現存の装置は、最近では、訓練の期間に拘わらず技術者の手中に許容可能なパーセントの段階的な像を提供することができることが示されている(“Results of implementation of the DigiScope for diabetic retinopathy assessment in the primary care environment(初期治療環境における糖尿病患者の網膜疾患評価のためのデジスコープ手段の結果)”(“Telemed J E Health”(Zimmer-Galler I. Zeimer R.、2006年4月12(2)89−98、Ahmed J. Ward TP.、Bursell SE.、Aiello LM.、Cavallerano JD.、Vigersky RA.)、“The sensitivity and specificity of nonmydriatic digital stereoscopic retinal imaging in detecting diabetic retinopathy(糖尿病性網膜症における非散瞳性デジタル立体網膜像の感度及び特定性)”(Diabetes Care.、2006年10月29(10):2205-9))。上記したように、本願の実施形態は、眼野内での一貫しない使用という問題点に対処している。本願の実施形態によって対処される他の問題点としては、品質保証及び使用容易性のための像及び器具のパラメータデータのオンボード前処理、目標物(例えば、小さな瞳孔並びに眼の前部に関する他の問題点)に対する器具の整合性の問題の処理がある。本願は更に、最良の現存の品質の像を捕らえることができず且つ最適なパラメータによって器具を作動させることができないという従来技術の問題点に対処する。
従って、近赤外照射によって作動する走査レーザー装置の使用を提供し且つ多重散乱光を許容することができる適度な価格で持ち運び可能な網膜結像装置が当該技術において望まれている。更に、20度ちょうどの視野角よりも広い視野角、間隔分解能を犠牲にすることなくより広い視野角を可能にすること、のみならずデジタル像を形成し且つ保存するための固有の装置を使用することによって、高い使用容易性を可能にする装置が強く所望されている。
本願は、改良されたデジタル網膜結像装置として設計された装置に関する。特に、本願は、非専門家が、容易に記憶でき、伝達でき又は印刷できる高品質のデジタルの網膜像を得ることを可能にするユーザーが使用し易い形態を維持しつつ、以前の装置より小さく且つ/又はコストが低いように意図されたレーザー走査デジタルカメラ(“LSDC”)に関する。更に、本発明の別の実施形態によれば、改良されたデジタルの網膜結像装置は、一般的な結像装置として又は鏡検における像のコントラストを改良するために使用することができる。更に、本願の別の実施形態によれば、付加的な開口形状及び像処理能力は、反射率の高い組織の下に隠れされた組織(例えば、硝子体と網膜との境界及び神経線維層の下にある深い網膜疾患又は脈絡膜疾患)を検査するのに有用である多重散乱光の像を提供するための手段を提供する。更に、本発明のある種の実施形態によれば、装置が視野端縁における高い照明及び/又は光の戻りを可能にし、それによって、より一貫性のある高コントラストの像が形成されるのを可能にする。最後に、本願のある種の実施形態によれば、装置が以前の実施形態を超える照射野サイズの増大を可能にし、それによって、ユーザーが結像装置を眼に正確に整合させることに熟練していない場合でさえ高品質の像を捕らえることができるようにする。
従って、本願の一つの特徴によれば、当該装置は、眼の疾患のためのスクリーニング又は外傷の分類を提供するのに適しており且つ遠隔用途又は遠隔医療用途のための最新のコンピュータ技術と容易に調和させることができる。当該装置は、極めて高温又は低温で作動することができ、濡れているときにも作動することができ、移動面上にあるときにも作動することができ、コードレスのバッテリ電源モードでも作動することができる。当該装置は、従来の走査レーザー検眼鏡よりも著しく低コストで比較的低廉に製造することができる。
本願の一つの実施形態によれば、当該装置は、照射源、走査装置、検知装置、ビーム分離機構及び制御装置を備えている。走査機構は、前記照射源から目標物までの照射経路上に配置され且つ所望の焦点面例えば瞳孔よりも狭い入口を介して目標物の所望の焦点面例えば網膜面を横切る照射経路内のスリット内を通過せしめられた光を走査するように機能する。検知装置は、目標物から送られた光を受け取るように配置され且つ像を形成するように機能する。ビーム分離機構は、照射経路から分離された目標物からの戻り経路上に配置され且つ目標物から送られた光を受け取り且つ検知経路上で受け取った光を検知装置へと導くように機能する。当該ビーム分離機構は、照射経路と戻り経路とを発生源からの反射を減じるように所望の焦点面から十分に隔離し且つ十分な所望の分解能の像を得るために十分に近接させる構造とされている。一つの実施形態によれば、制御装置は、照射源、走査装置及び検知装置と連絡されている。
一つの実施形態においては、当該装置は、1以上の光源による走査を特徴としており、当該1以上の光源のうちの一つは、極めて低コストで且つ近赤外線であるのが好ましい。当該装置は、デジタルカメラにおいて使用されているようなオンボードメモリ又は別の記憶装置を任意に含んでいる。当該装置は、一つの実施形態においては自立型であり、当該装置を作動させるためにパーソナルコンピュータが必要とされない。更に任意的に、データは、コンピュータ、記憶装置又は無線通信を含むその他の装置に送られる。コンピュータが使用される場合には、像にアクセスするために、ラップトップ及び消費者クラスのソフトウエアを使用しても良い。更に、イメージデータを使用することができる電子医療記録装置のような現存の又は大きな記録装置もまた、データの分配又は記憶の可能な手段である。
一つの実施形態においては、当該装置は、特定の眼科診療室及び研究所外で使用するのに適するように、重量又は質量が最少化され且つ持ち運び可能とされている。ある種の実施形態によれば、当該装置はバッテリによって単独で作動することができる。本願の装置は、任意に、遠隔アクセスのために、電源が可能とする直流電源による運転か交流電源による運転を使用して電動式とされる。当該装置は、コンピュータによるような単一ケーブルを介してその電源を取り込むようにすることができる。当該コンピュータは、持ち運び可能な装置として使用することと両立するラップトップ又はパーソナル・データ・アシスタントとすることができる。
本願の一つの実施形態によれば、デジタル結像装置は、入力経路又は検知経路又はその両方において目標物の面内又は目標物との共役面内に電子アパーチャを使用することによって高コントラストな像を提供するように作動可能である。デジタル結像装置は更に、任意的に、目標物の面内に又は目標物の近くであるが相互にずらして入力開口部及び検知開口部を配置することによって多重散乱光の像を提供することができる。別の方法として、多重散乱光の像は、以下に更に詳細に説明するように、目標物に共役であるが相対的にずらして入力開口部及び検知開口部を配置することによって得ることができる。多重散乱光の像は、反射像内に容易に見ることができず且つ像のラインを線によってサンプリングするために(以下により詳細に説明する)CMOS結像アレイのローリングシャッタ特性を使用することによって達成することができる診断情報を提供する。この方法は、以下に更に詳細に説明するように、本発明のある種の実施形態に従って、高コントラスト像又は多重散乱光の像の形成へと導く。
本発明の方法及び/又は装置によって得られた像のコントラストは、スクリーニング又は診断データとして使用することができる網膜血管のような構造についての詳細を提供することができる。近赤外線照射は、網膜血管を結像させるために使用し、それによって、医薬が瞳孔を開くために使用されない限り、より高い電圧を必要とし且つ瞳孔の収縮につながる短波長光源の必要性を排除することができる。従って、本願の方法及び装置は、患者にとってより心地良い経験を提供するばかりでなく、糖尿病性網膜症及び老人関連黄斑変性のような疾患にとってより有用であることが判明するかも知れない比較的高精度の像を提供する。本願の装置において1以上の波長による照射が使用される場合には、各波長は、種々の血液吸収量に対応し、これによって、出血及びその他の血管構造を比較像によって視覚化することができる。
図1は、反射率が高く且つより前方の光学的な面から区別され目標物焦点面として選択された組織及び網膜面を示している眼の概略図である。 図2は、本願が改良する従来の光学結像装置の概略図である。 図3は、1つの走査要素を組み込んでいる本発明による光学結像装置の一実施形態を示している概略図である。 図4Aは、照射経路内で使用されるスリット開口の一実施形態を示しており、更に、共役光学面内の目標物の焦点面で主として照明するように、検知器に先行するサンプリングを制限するために検知経路内の開口部として動作するようにローリングシャッタ機能を使用しているCMOS検知器アレイの使用を示している概略図である。 図4Bは、照射経路内で使用されるスリット開口の一実施形態を示しており、更に、共役光学面内の目標物の焦点面で主として照明するように、検知器に先行するサンプリングを制限するために検知経路内の開口部として動作するようにローリングシャッタ機能を使用しているCMOS検知器アレイの使用を示している概略図である。 図5Aは、照射光の強度を制御するために照射経路内のスリット開口の一実施形態を示しており且つ共役光学面内の目標物の焦点面で主として照明するように、検知器に先行するサンプリングを制限するために検知経路内の開口部として動作するようにローリングシャッタ機能を使用しているCMOS検知器アレイをも示している概略図である。 図5Bは、照射光の強度を制御するために照射経路内のスリット開口の一実施形態を示しており且つ共役光学面内の目標物の焦点面で主として照明するように、検知器に先行するサンプリングを制限するために検知経路内の開口部として動作するようにローリングシャッタ機能を使用しているCMOS検知器アレイをも示している概略図である。 図6は、1つの走査要素とスリット開口としての電子入口アパーチャとを組み込んでいる本願の光学結像装置の一実施形態を示し且つサンプリングを変えるために検知経路内で電子手段によって提供される開口としてのローリングシャッタ機能をも示している概略図である。 図7は、2以上の軸線外検知部品を使用することによる2以上の軸線外検知によって多重散乱光結像によって共焦点像を提供するための入力及び検知経路開口の概略図である。 図8は、共焦点結像、像の鮮鋭化及び多重散乱結像を提供するための処理による入力及び検知経路開口の組み合わせの概略図である。 図9は、ほぼ40度の視野のデジタル結像装置の1つの構造を示している詳細図である。
本願は、眼10(図1参照)の網膜層及び網膜下層の異常を検査するのに特に適した低コストで小さい持ち運び可能な軽量装置に関する。当該装置は、非接触であり且つ網膜又は網膜下の画像を得るために、眼の瞳孔を開くために降ろすことを必要としない。図1を参照すると、当該装置の焦点面12は、網膜14の幾つかの下層の最も多量の光の戻りを有する硝子体網膜界面及び網膜神経線維層を含んでいる。光の戻りが最も多いこの領域は、焦点面を見つける際に役立つが、網膜14の領域を介して結像することを試みるときには問題を生じる。人間の網膜14が結像されるときに眼の入射ひとみ16を通った後に照射光源からの光がスリット開口を通過せしめられて線光源を形成し且つ眼の中の所望の焦点面を横切って走査される。光は、瞳孔の1以上の部分(例示的には、照射経路18を参照のこと)を通り且つ他の部分(例示的には、検知経路20を参照のこと)によって集光され、これは、照射経路と検知経路とが合致している場合にはレンズ24及び角膜26のような他の面22から反射される不所望な光の集光を最少化する。照射経路と検知経路とが合致している場合には、レンズ24及び角膜26は同じ光軸上にある。更に以下に説明される目標物上の照射をスリット走査することによって、一時に照射される目標物の量が少なくされ、それによって、近くの及び遠くの構造(スリットによって照射される光によって同時に照射されない)からの不所望な散乱光の量が減じられ、これによって比較的高いコントラストの像が提供される。
一つの実施形態によれば、所望の焦点面からの光が集光され且つ電子的又は磁気的形態でデジタル的に記憶され且つ/又は必要ならば遠隔部位に伝達される。光学的要素のフットプリントは最小にされ、当該装置は任意的にDCバッテリ電力によって駆動可能である。任意的には、主要制御装置は、2〜3の且つ簡単な主電源スイッチ、合焦機構、照射源の光のレベルを増大させるか又は減少させる機構(オペレータ制御とするか又は自動とすることができる)、画像の取得を開始させる機構及び画像の記憶又は転送を制御する機構である。
図2は本願による光学的結像装置を示している。投光照明によって生じる不所望な散乱光を減じるために、1以上の走査要素30が、目標物32へ光を導き且つ幾つかの実施形態においては目標物32からの光を導く。この装置は、照明光源と、符号34によって集合的に示されているビーム整形光学系とを備えており、当該ビーム整形光学系は、走査要素30における入射光源を導き、次いで、走査要素30は、光をビーム分離要素36内へ導き、次いで目標物32へと導く。当該装置は他の目標物に対して使用することができるけれども、当該装置が意図している目標物は眼の内部にある。目標物32上の照射された部分はビーム分離要素36を通る光を符号38によって示されている検知経路に沿った構成要素へと送り、当該構成要素において目標物の像が形成され、この像を取り込むか又は記憶する目的で光エネルギが電気エネルギ又は磁気エネルギに変換される。集光像は、次いでディスプレイ40上に表示され且つ/又は検知経路38上の構成要素と連絡している記憶装置42に記憶される。当該像は、付加的に又は代替的に、目標物32を検査する目的で、記憶媒体、ケーブル又は無線通信によって、データベース48又はディスプレイ、コンピュータ、携帯情報端末若しくはその他のデジタル若しくはアナログ装置44に送られる。
エンドユーザー又は自動処理装置は、符号46によって示されている電子制御系又は機械的調整装置よって、照射源34,走査要素30、検知経路構成要素38、ディスプレイ40及びデータベース48並びに整合若しくは合焦モニター、同調回路、有線若しくは無線方法を使用する伝送系、付加的な画像モニター、像取り込み若しくは記録装置及びこれらと連結された画像記憶装置を制御することができる。これらの最終画像は、画像データのデータベース48へ送るか又はデータベースに関係なく使用することができる。この装置のユーザーは、意志決定者から離れていても良く又はこのタイプの画像の画像取り込み又は画像解釈の技術に熟練していなくても良いので、画像のデータベース48は、遠隔医療、訓練及び目標物の状態又は健康に関する遠隔教育のための構成要素44を介して使用しても良い。当該データベースはまた、標準のデータ、分類データ又は定量データ及びデータの結果に関する意志決定手続きを含むこともできる。
ビーム分離要素36は、透過部分の大部分が光を図2に図示されている検知経路38に向けて通過させる一方で、光ビームと交差し且つビームを目標物32へと導く反射部分を備えたビームスプリッタのような如何なるタイプの分離要素とすることもできる。ビームスプリッタはまた、前記透過部分が目標物に向けて導かれた光ビームと交差するが目標物から戻る光を反射するように作動することもできる。目標物32へと導かれた光と目標物から戻された光とのほんの最少量の空間的な重なりを許容するビームセパレータは、目標物への入射ひとみと同様に、目標物面内に無い反射面からの光の集光を最少にするという利点を提供する。人間の眼が目標物32である場合には、光は眼の瞳孔の1以上の部分へ入り且つ図1に関して上記したように主として瞳孔の他の部分から戻され且つ集光される。ビームセパレータ36は、1以上の反射部分又は透過部分を有することができる。これらの反射部分及び透過部分は、比較的永久的な特性の反射器によって作ることができ又は目標物に向けて導かれ或いは目標物から離れる方向に導かれる光の偏光性によってビームを分ける部材によって作ることができる。ミラー型のビームスプリッタによれば、眼に入射する光は、眼から戻る光のより多くを担保するために、ビームスプリッタを介する伝送をより多く損失することができる。ビームセパレータは、液晶ディスプレイ(“LCD”)、空間光変調器又は偏光要素のような公知の光電素子によって制御することができる。偏光ビームスプリッタにおいては、前方区分からの不所望な反射を減じるために、付加的な偏光要素を使用することができる。ビームセパレータは、機械的に配置された部材を使用することができ、それによって、目標物に向かう光又は目標物からの光の位置及び量を制御することができる。ビームセパレータは、90/10ビームスプリッタのような部分的にのみ反射することができる反射又は透過要素を備えることができる。目標物が人間の眼である場合には、好ましい実施形態は、眼からの反射が比較的少ない状態で小さく且つ強い照射源34を使用することができる分離要素を備えている。
図3は、単一の走査要素50が光源及び整形光学系54からの光を目標物52へと導くが目標物52から戻された光を光源及び整形光学系へと導かない一連の構造を記載している実施形態を示している。照射光源54からの光は、ビーム整形を受け且つスリット開口56において目標物52と共役な面内の焦点へと導かれる。一つの構造によれば、照射光源54からの照射は、擬ガウス分布の照射をスリット出力に変換する当該技術において公知のビーム整形光学系を利用している。この照射変換は、スリット56に先立って照射経路内に円柱レンズを使用することによって達成することができる。しかしながら、端縁発光照射装置又はその他の線形装置が使用される場合には、円柱レンズは不必要であることが判明するかも知れない。スリット開口56は図5〜6に更に詳細に図示され且つ以下に更に説明する。図3及び図9に見ることができるように、スリット56は、図面の面に直角な長手軸線を有している。
図3において、スリット開口56を通った光は、合焦要素58によって走査要素50上へと導かれる。走査要素50は、光を、スリット開口56の長手軸線に直角な方向へ目標物を横切るように連続的に反射させるために回転し又は振動する。図中で、走査要素50を出て行く実線は照射のための走査経路を示し、破線又は点線は検知経路を示している。走査要素50からの光は、次いで、1以上の合焦要素60によって狭い入射角(例えば、瞳孔)62によって目標物52における焦点(例えば、網膜面)へと導かれる。図3は、入射面及び焦点面を概略的にのみ示している(更なる詳細は図1を参照のこと)。スリット開口56における光は、目標物52に共役な光学面内にある。走査要素50における光は、狭い入射角62の面と共役な光学面内にある。合焦要素64は、目標物52上に光を合焦させるために軸線方向に可動に取り付けられるのが好ましい。目標物をレンズ無しで結像させるとき(例えば、機能的レンズによって人間の眼以外の目標物を結像させるとき)には、合焦要素64は、任意に目標物52上への合焦に適した一組のレンズとされる。
上記したように、光をスリット開口を介して目標物を横切るように走査させる(且つ以下に説明するように、好ましい場合には、検知経路内で再び走査させる)ことによって、最終的な像内の不所望な散乱光を減じる助けとなる。走査は、当該技術において公知の種々の方法で行うことができる。例えば、1つのミラー構成要素を、回転若しくは振動部材、磁気装置、ばね、トーションロッド若しくはソレノイドのようなその他の機械的に制御される装置又は重力制御装置に取り付けても良い。走査要素は、オペレータによるボタン若しくはレバーの押し込み、スライドスイッチ、トグルスイッチ又はノブの回転によるようなあらゆる適切な方法で作動させることができる。一つの実施形態においては、走査要素は、低廉な構造であり且つ装置を持ち運び可能にさせるバッテリ駆動DCモーターによって駆動させるのが好ましい。一つの実施形態においては、DCモーターのような一方向に回転する回転部材を使用しても良い。このようなモーターは、動作が静かであり且つ周囲の振動から殆ど妨害されない状態で作動するように選択することができる。
目標物52から戻された光は、ビーム分離要素66において目標物に当たる光から分離される。図3に示されている実施形態においては、分離要素66は、照射経路上で目標物52に向けられた光と交差しないミラーとして示されている。このミラーは、検知器アレイ68への検知経路上で目標物52から戻される光と交差し且つ反射するように配置されている。分離要素66はまた、目標物52において導かれる光ビームと交差する反射部分と、目標物から戻される光を導く透過部分又は照射経路からの光を目標物52から戻される光から分離し且つ戻された光を検知経路へと導くために上記の図2に関して説明した部材とのあらゆるその他の組み合わせを備えたビームスプリッタをも備えている。分離要素66は、光を、他の構成要素の構造に関して便利な方向へ導き、それによって、目標物52の近くの構成部品の密集が減じられるようにするために、付加的なミラー面を任意に含んでいる。更に、付加的なミラー面を使用し且つ合焦要素60及び64の取り付け面近くの部品の密集を減じるか又は目標物から戻る光から目標52へと導かれる光を空間的に分離することによって部品が合焦要素64又は走査要素50の動きと干渉するのを避け、ビームセパレータ66における空間的な重なりを最少化することによって目標物の面内に無い焦点面からの不所望な直接的な反射を排除することができる。目標物に関して、照射は、戻された光からの検知経路とは若干異なる位置から目標物へ導かれ、その結果、検知経路と照射経路との間の空間的な重なりが最少にされ、それによって、網膜が目標物である場合における人間の眼の角膜及びレンズのような目標物に伴って見出されるものを含む光学部品の不所望な反射が最少化される。
分離要素66は、目標物52に向けて導かれる光と交差しない部分的な又は完全な反射面を備えていても良い。当該反射面は、図示されているように、目標物において導かれた光ビームと交差しない反射部分を備えたミラー又はビームスプリッタを備えていても良い。分離要素はまた、目標物に向けて導かれた光ビームと交差する反射部分及び目標物に向けて100%以下の光を反射するミラー又は目標物に向けて導かれた光ビームと交差する透過部分及び目標物からの光を通過させる反射部分を含んでいる透過部分を備えているビームスプリッタのような他の如何なる数の分離要素とすることもできる。
本願の一つの実施形態によれば、不所望な面からの光の更なる低減は、検知経路上の光を、目標物52から相補形の金属酸化物半導体チップ(“CMOS”)(“CMOS検知器アレイ”と称される)を含んでいる二次元検知器アレイ68へ導くことによって得ることができる。CMOS検知器アレイは、像は繰り返しの走査線毎の形態でデジタル化することによって形成されるので、“ローリングシャッタ”として機能するような方法で作動する。従って、光ビームはCMOS検知器アレイ上へと導かれるときに、像のほんの1つの小さな線又は領域があらゆる所定時に読み込まれるか又は露呈される。従って、CMOS検知器アレイによって読み取られるか又は露呈される特別な線と位相が合っている光のみがCMOSによって集光され、それによって、目標物のデジタル像が一時に“形成”される1つの線とされる。任意に、より進歩したCMOS検知器を使用することができる場合には、1以上の線が同時に形成されることができ、以下により十分に説明される付加的な利点及び機能が提供される。上記の実施形態において使用されている電荷結合デバイス素子(“CCDチップ”)の代わりにCMOSを使用することによって多くの予期せぬ利点が生じる。CMOS検知器アレイのローリングシャッタを走査スリット開口と同調させることは難しく、それによって装置の製造コストが増大することは既に考えられていたけれども、CMOS検知器アレイ自体の使用は、そのローリングシャッタの機能により共焦点の開口として作用し、それによって幾つかの費用のかかる焦点合わせ及び上記の実施形態においては検知経路において必要であった他の要素の必要性が排除されることが判明した。更に、ローリングシャッタ機構を備えたCMOS検知器の使用によって像の焦点ぼけが著しく低減されるか又は排除され、更に、以前の実施形態には存在しなかった幾つかの付加的な機能が提供されることを可能にすることが判明した。本願の別の実施形態によると、光学的な電子入力開口が代用されるか又は付加され、走査されるスリットの幅のみならず検知経路を介して検知されるスリットの幅の調整が可能になる。
更に、CMOS検知器アレイの使用によって、ビームセパレータ66と検知器アレイ68との間の部品を排除することができる。これによって、装置の完全な変更が可能になる。なぜならば、ローリングシャッタ機構は、各画像の取得中に必要とされる第三の走査面及び小面の必要性が減じられるからである。これらの構成部品の排除によって、最終的な画像に影響を及ぼす光学収差の低減が可能になり、更に、当該装置によって結像される大きな視野サイズが可能になる。例えば、当該実施形態は、装置の設計を大きく変えることなく、以前の実施形態の20度(20°)の視野サイズよりも1.5〜2倍広い視野を可能にする。当該装置は、このより広い視野によって、より多くのユーザーが使い易い結像装置へと移行される。なぜならば、オペレータは、視野サイズによってより大きく制限されていた装置において必要とされていた程度まで装置を眼と正確に整合させる必要がないからである。
ローリングシャッタ機構を備えたCMOS検知器アレイの使用によって達成される更に別の機能は、信号及び画像の先鋭化が低い場合に、散乱光結像の増大されたサンプリングを使用できる機能である。例えば、CMOSアレイが走査線毎に読み取られる場合に、照射ビームの光軸と正確に整合している読み取りライン又は遅滞ラインを選択することができる。照射ビームがデジタル的に結像される場合には、先導ライン又は遅滞ライン又はそれらの両方を使用して散乱光の像がもたらされる。一つの実施形態においては、2以上のラインがデジタル的に1つずつ近接して連続的に得られるか又は同時にさえ得ることができる。これらの2以上のラインを結像させることによって、眼のような移動目標物のより正確な像を有する全体像が可能になり且つ非対称な検知からの陰影妨害の排除が可能になる。動かない目標物においては、2つの像が連続して得られ、次いで、結像されて多重散乱光の像が進化したCMOSハードウエアを使用することなく提供される。更に、入力開口及び検知開口によって、相互に調整して高い照明制御、事実上の散乱光及び視野端縁における不十分な照明又は光の戻りの補正が提供される。電子シャッタは、以下に説明するように、必要なときに像の各ライン内の照射経路を変えるのに十分なスピードで作動することができる。任意的には、CMOS検知器内の1以上のラインを起動させて、付加的な開口によって又は付加的な開口無しでより多くの光の検知を可能にすることができる。
上記の結像方法を使用して、本願の1以上の実施形態は、CMOS出力上の軸上ラインに隣接した2以上のラインが軸上ラインから除去されると像の先鋭化が可能になる。任意的には、2つのラインを加重方法で除去しても良い。このような像の先鋭化を形成するために高コントラストなレーザー像による画像処理を使用することが知られているけれども、当該画像処理は像が形成された後に常に行われて来た。当該装置の現在の実施形態は、目標物が結像され、それによって、オペレータが目標物が前方にあるときに先鋭化された像を見ることができる間に、先鋭化及び画像処理がなされるようにする。従って、先鋭化された像は、像を取り込んでいる間にオペレータが見ることができるので、オペレータは、上質の像が生じることを確保するために付加的な像を取得する必要があるか否かを判断することができる。
本願の更に別の実施形態によれば、双方向走査が使用され、多数のラインが検知され且つこれに続いて(又はこれとは別に)種々の方向で結像される。例えば、第一の走査は、開始位置の左側に向かってラインを連続的に検知し且つ結像させ、一方、第二の走査は、開始位置の右側に向かってラインを連続的に検知し且つ結像させる。任意的には、第一の走査と第二の走査との両方が同時になされ、タイミングソフトウエアが使用されてこれらの走査から多重散乱光の像が形成される。
画像を検知し且つ形成するためにCMOS検知器アレイ68を使用することは、本願による装置によって得られた像は最終消費者市場においてさえ一般的である記憶媒体に任意に記憶されるという点において、以前の実施形態より優れた付加的な利点を有する。例えば、本願のある種の実施形態を使用した実験は、典型的なパーソナルコンピュータプロセッサ又はデジタルカメラにおいて、フラッシュメモリカード及びデジタルカプチャカードを使用した。CMOS検知器アレイによって検知された像を取得するために、当該技術において良く知られている幾つかの他の一般的な又は特殊な媒体を使用しても良い。CCDチップの代わりにCMOS検知器を使用する更に別の利点は、各視野内で2の係数で減じられることである。なぜならば、CMOS検知器アレイは、CCDチップによる場合のように交錯せしめられないからである。連続的な走査チップは、垂直方向の分解能を低減せず、CMOSチップと同様に眼の動きのような目標物の動きが重要な関心事であるときに好ましい。なぜならば、連続的な走査及び類似した機構が、奇数ラインを取得し、次いで偶数ラインを取得する組み合わせられた機構と比較して適時により多くの類似した箇所においてサンプル採取された隣接の構造によって像が形成されるのを可能にするからである。付加的には、組み合わせられたCCDチップは、30Hzのフレーム速度を必要とし、一方、CMOSチップはより遅いサンプリング速度で作動し、それによって、信号対雑音比の改良を可能にする。更に、CCDチップの代わりにCMOS検知器アレイを使用することによって、CCDによる実施形態(結像に寄与する期間の前後における集光を可能にするものを含み、これによって、目標物に関する光のより高い検知比率を増大させ且つサンプル及び保持装置の画像の品質を改良する)において必要とされる幾つかの反射面からの迷光が減じられる。
再び図3を参照すると、ローリングシャッタを備えたCMOSは、二次元(“2D”)検知器アレイ68として機能し、連続的な方法での走査線毎のデータの読み取りは、不所望な迷光を制限する絞り72として機能する。読み取られているラインに当たる光のみが、目標物に到達するスリット開口を通過する光に類似した方法で像に寄与する。CMOSチップは網膜面に共役な面内にあるので、その本質的なサンプリング機構の使用によって共焦点開口が構成され、それによって空間的な光学的クロストークが減じられ且つ像のコントラストが増大される。
2D検知器アレイ68が、所定時にサンプリングされる面積を制限するためにタイミングがとられた走査線毎のサンプリングを含んでいないサンプルホールド又はその他の方法を有している場合には、次いで、別個の電子シャッタが図4に示されている検知経路の開口72として機能するために導入することができる。画素毎又は走査線毎にアドレスで呼び出し可能であり且つ透明から不透明まで変化するLCDアレイを近接させて配置して、検知経路内の光が空間的に制限され且つ透明である領域が2Dアレイ68を横切る走査によって照射されているものに対応するようにすることができる。しかしながら、この方法は、CMOSローリングシャッタ方法とは異なり、透明領域の掃引作用のタイミングを制御するために別の要素を必要とする。一つの実施形態によれば、瞳孔面又は非共役面の反射を著しく低減させるために分離要素66を使用しても良い。固定の目標物又はより多くの光を容認することができ且つ高強度及び高速度で走査することができる目標物に対しては、この対象物を取り外しても良い。
眼の内部を顕微鏡測定又は蛍光測定するためには、電子検知経路72は、任意に、光学的な分割を可能にするほど狭く又は出来るだけ多くの信号を取り込むように十分に広く作り且つ蛍光バリアフィルタを含むか又は排除するような構造とすることができる。
図3に示されている走査要素50の回転は、走査されるときに照射ビームの走査線毎の対比を可能にするために十分に同期せしめられる。従って、開口72の位置は、走査要素50と適度に同期せしめられる。このことは、当該技術において公知の開ループ校正方法によるか閉ループ方法によって行うことができる。
図4A及び4Bは更に、照射経路内の網膜面に共役なスリット開口56と、検知経路内の網膜面に共役な電子シャッタとのある種の実施形態を実証している。図4Aに示されているように、最初に、光は、スリット56を通り、装置内を移動し、光の直線ビーム71が電子シャッタ72を横切って掃引される。図4Bに示されているように、前記第一の時間と付加的な時間との和に等しい第二の時間の間には、光の直線ビーム71は電子シャッタ上の第二の位置へと移動している。目標領域外の面からの不所望な光のみならず目標物を横切って散乱された光は、開口72の使用によって減じられる。上記したように、CMOSチップのローリングシャッタ機能は、その動作に本質的であるこの特性を有している。別の方法として、本願の別の実施形態によれば、可動の透明領域を備えている機械的シャッタ、電子シャッタ又はその他のシャッタを2D検知器アレイに近接して使用して、CCD、ビデオカメラ又はその他の検知器アレイのような別の2D検知器アレイを使用できるようにしても良い。透明領域は、LCDディスプレイのような装置内で容易に動かすことができる。
図5A及び5Bは、スリット56の幅が容易に調整でき且つ機械的である場合より電子的である場合の方がより迅速に調節できることを示している。図5Bに示されているように、より幅の広いスリットによってより多くの光が結像装置内へ入り、それによって画像強度を高めることを可能にする。スリット56及び検知経路72の相対的な幅は、サンプル採取される領域を決定し且つ視野の深さを深くするか浅くする。スリット56及び検知器経路の開口72内の極めて狭い部材は、検知器においてサンプル採取される光の量の少なさを生じさせ、従って、図5Aに示されているように焦点面内の光学的分割及び高いコントラストを生じさせる。図5Bに図示されているもののような幅の広い要素は、多量の光がサンプル採取され且つ動いている眼内で有用なより深い視野をより容易に可能にする。図5Bに示されている構造においては、より多くの散乱光が集光され、この散乱光の情報は、この構造以外によっては見ることができない構造を露呈するのに有用であり得る。
図6は、光を透過させるあらゆる手段によって作られた照射経路内に比較的広いスリット56によって散乱光結像を形成するための方法を示しており、当該方法は、目標物のより広い領域が照射され、戻された光が、検知経路の開口72の下方に点線によって示されている主要照射軸線からずらされている検知経路72内の共焦点開口によって取得されるようになされている。検知経路の開口72は、CMOSシャッタ内で本質的である電子シャッタとして機能する。特に、検知経路の開口72は、目標物上の主要照射位置から進められているか遅らされている画像データを能動的に得るためにチップ上のコラムに割り当てることによって電子シャッタとして機能する。位置及び幅は、補助電子シャッタによって容易に修正されるが、CMOSチップ上のローリングシャッタ(走査線毎に読み込まれる)においては、同期による像の取得の遅れ又は進み以外のあらゆる機能を組み込むためにオンボード処理又は後処理が存在しなければならない。この方法は、多重散乱光の像を形成するが、非対称な照射及び検知を生じ、これは、吸収性構造と区別するのが難しい像内の陰影妨害を生じさせ得る。対称照射は、各々が照射軸線から互いに反対方向に照射軸線から変位せしめられた読み込みを有する2つの像を結合させることによって得ることができる。このことは、比較的高いレベルの光が使用される場合及び2つの像が近接して連続的に取得することができるときには、動かない目標物にとっては不利ではない。しかしながら、動いている目標物が結像されるときには、代替的な実施形態は、独立したシャッタ、光源につながることを許容されている1つの検知器アレイ及びその他の遅れを備えた(CMOS検知器のような)2つの検知器アレイを同時に使用している。
図7に参照すると、本願の更に別の実施形態に従って、散乱光の像を形成するための別の方法は、照射経路内のスリット56に2以上の透明領域を導入し且つ共焦点開口として検知経路の開口72を使用することによるパターン化された入力照射を利用している。この例においては、スリット56の中心又は軸上部分は不透明であり、2つの透明なバーがスリットの中心部分の側面に位置している。軸線から発せられた光は、当該装置を通って目標物へと導かれ、軸線上へ戻る部分は軸上にある検知経路の開口72内を通過する。目標物から戻る軸上の光は、目標物構造から多数回に亘って大きく散乱せしめられ、照射経路のスリット56から1回散乱せしめられた光は、前記開口によって遮断される。電子シャッタにおいては、この光は、誤った時間に到達して開口を通り又はCMOSチップ68のローリングシャッタ作用によってサンプル採取される。
図8は、スリット56と開口72との組み合わせを示しており、後処理によって、共焦点結像、多重散乱光結像及び/又は像の先鋭化を達成している。処理は、オンボード処理による検知器アレイ68か像の記憶及び比較のためのデジタル若しくはアナログ装置42を使用することによって行うことができ、それによって、像の比較又は評価を可能にしている。例えば、図8に示されているように、多重散乱光の像は、時間A(“ラインA”と称される)において取得された光の直線ビーム71と時間B(“ラインB”と称される)において取得された光の直線ビーム71とによって取得される。時間A及びBは、同じ時間であっても良く、連続的であっても良く、又は相互に隔てられた有意な時間間隔であっても良い。一つの例として、走査は、サンプル採取されたラインA及びBにおいて連続的になされ、例示的には、ラインBがラインAとラインCとの間にあるように付加的なラインC(図示せず)が存在しても良い。ラインCは、簡単な式aB−b(A+C)(式中、a及びbは可変符号及び振幅による加重ファクタである)を使用することによって求められる。自由度の高い共焦点結像を行うためには、0から1の間で、aは正であり、bは負であり、A及びCによって受け取られる光の部分がBからの光に付加されて像が形成され、A,B,C及びこれらを合わせた別のラインか調整可能な幅の共焦点開口として機能し、Bを通過しない散乱光の可変部分を取得する可能性は結像機能に従って最適化される。aが正でbが正であるが0〜1の間である場合に、像の先鋭化を達成するためには、この式は、A+Cにおける光量の0〜100%に亘る部分を除去するために使用され、これによって、スリット56の更なる調整の必要なく、Bに基づいて像から散乱光を除去し、像の先鋭化が達成される。この方法は、任意に、A〜Cよりも多くのライン及び付加的な加重ファクタに一般化して各結像機能に必要とされる十分な自由度を可能にしても良い。多重散乱光の結像のためには、加重ファクタaは負か又は1よりも小さいファクタであり、bは負であって、より多くの全体の重みがラインA及びCによるデータに割り当てられる。Bから更に除去されたこれらのラインを含み且つ対応する加重ファクタを含んでいる付加的なラインが、目標物及び結像機能に従って自由度のある結像を提供するため使用することができる。弱い多重散乱光信号に対しては、像を形成するためには、比例的により多くの重みが付与される必要があるかも知れない。
結像におけるビームの特性及びスリットは、要素54のビーム整形部分内に円柱レンズみを使用することにより且つ図3内のスリット56により形成することができるが、両方の要素を使用することによって要素54を介するエネルギ効率が改良され、スリット56は、要素54のみを使用する場合よりも正確なサンプリングを可能にする。任意的には、スリット56における光は、目標物52の面と共役な光学面内にある。更に、任意に、スリットは、透過性の又は反射性の空間フィルタのみならず上記した空間変調器又はLCDのような電子的なものによってもたらすことができる。更に、ビームの特性及びスリットは特別な結像機能にために最適化することができる。
目標物面の位置は、可動のレンズ又はその他の合焦部材例えば図3に示されているレンズ64によって操縦される。一つの例示的な実施形態においては、目標物52への入射ひとみの大きさは小さく、直径が2.5mm以下である。これによって、明るく照射された環境内での装置の使用又は遠隔設定器による老人による使用を可能にする。人間の眼が目標部である場合には、結像されるべき目標物の大きさは、大きな倍率の実験装置とは異なり約6mm乃至約12mmであるが、一般的な検眼カメラにおけるように約20°〜約40°の視野角の視野を提供する。
入射ひとみ及び射出ひとみが全体で約2mm〜約2.5mmに制限されているので、光効率は、特に瞳孔が開かれていない場合には問題である。本願の一つの実施形態においては、走査が二次元で行われる大部分の市販の装置と異なり一次元において行われる。信号対騒音比の改良は、走査速度を遅くすることによって達成することができる。走査しない従来の市販の装置と異なり、光効率の改良を得ることができ、走査によって改良された品質が得られる。
本願による装置の設計基準は、実質的な光量を確保し、それによって最大量の光が眼から検知器へ到達することを可能にすることである。特に、本願による網膜結像は、瞳孔が開かれていない状態で行われることが多く、これによって、他の装置においては“光不足”であると考えられる状態を形成するので、このような設計基準によって、著しく良好な結像が可能になる。更に、当該走査装置は、約25Hz〜約60Hzにおいて作動する連続的に動くガルバノメータ又は回転装置のような網膜結像に対して使用される典型的な装置よりもむしろ約1Hz〜約30Hzの範囲近くでゆっくりと作動することができる。より低い周波数範囲によるとまた、電力消費が比較的少なく且つ機械的な精密さがより低い装置を走査のために使用することも可能になる。当該ゆっくりとした走査は、走査装置がオペレータによって起動されたときに、走査が目標物を横切る単一の又は限られた数の掃引によって行うことができるようにして行うことができる。
上記は本願による装置の幾つかの実施形態を説明しているけれども、当該装置の用途を変えるために又は当該装置の構造を変えるために幾つかの他の考慮を払うことができることが理解されるのであろう。例えば、限られた数の走査を使用している別の実施形態においては、1以上のフレーム中に低い分解能が使用されて、光のレベル、目標物の位置決め及びより速いデータ収集を使用する合焦によって補助され、次いで、1以上の良好な品質静止フレームのより高い分解能が使用される。家電製品において使用される多くの二次元アレイは、1以上のモードでの作動を可能にする。同様に、検知器アレイは、1以上の分解能を提供する。従って、当業者が理解するであろうように、走査及び収集の速度、光のレベル及び利得を分解能と交換することができる。
小さな瞳孔サイズ及び装置の小ささは、視野に対して制約を課し、視野は、約512画素×512画素又は640画素×480画素〜1メガ画素の検知器のデジタル分解能を支援する光学的分解能において最も可能性が高い約20°〜約40°である。人間の患者に対しては大きな視野深さが使用されるのが好ましく、当該装置は、意図的に限られた共焦点の分割機能を有していても良い。深い視野深さは、瞳孔におけるより良い軸線方向の分解能を可能にする大きな入力ビームの必要性を最少にする。焦点光外の光の低減は、前方分における光学系による加工物を最少にする。本願の一つの特徴に従って、網膜面に対する共焦点の面における開口が任意に使用される。更に、偏光光学系が任意に使用される。十分な長さの経路長、深い視野及び良好な画像の質を提供するための別の方法は、伸縮式フレーム又は更に折り畳みミラーを使用することである。経路の長さは、動かされるフレーム部分の外部上若しくは近くのミラー又は別の可動部品上のミラーによって伸長させることができる。従って、本願による当該装置は、多くの従来技術による設計(瞳孔面の反射が網膜面内でサンプル採取されるような位置に高いfナンバーの最終的なレンズを有している)における欠点を避ける。従って、当該装置は、網膜の像内に明るい不所望な反射をもたらす像を形成しない。
本願による装置においては、合焦機構は、使用方法、大きさ及び重量の複雑さを最少にするために任意に簡単なものに維持される。合焦は、図3に示されているような1以上の可動ミラー及び/又はレンズの使用によって網膜面と瞳孔面との関係(所望の焦点面と入射面との関係)を増すか又は減じることによって行うことができる。これらの構成要素は、機械的制御か電気的制御によって作動させることができる。一つの実施形態においては、当該技術において公知である可動のレンズ又はレンズアレイが設けられる。可動ミラー又はレンズは、例えば、一本の指すなわち親指によって作動せしめられる回転ノブによって、又はカメラに似た方法で回転レンズハウジングを把持することによって、又は当該技術において知られているその他の機械的位置決め装置によって、手動によって作動させることができる。任意には、可動ミラー又はレンズは、好ましくは、バッテリ駆動DCモーターを使用して電動化することができる。任意には、外部AC電源に対する接続部がある場合には、ACモーターを使用することができる。
本願の一つの特徴によれば、(データの視認化を提供する必要なく)目標物から戻る最も明るい反射を突き止めるために指示器を使用することによって、又はより低い分解能の像若しくはより迅速に(ビデオレート以下の速度で)得られる少数の像を使用することによってディスプレイ上に視覚的な検査像によって適正な焦点を見つけて、迅速に焦点を見つけることができ、その後はより良い分解能を有する像が提供される。合焦部材は、当該技術において公知の手動機構又はオートフォーカス機構とすることができる。最後に、合焦は、像の全て又は一部分に基づいて判断することができる。
本願の一つの特徴に従って、当該装置は、液晶ディスプレイ(LCD)のようなユーザーが見ることができるディスプレイを含んでいても良い。しかしながら、オンボードLCDは、重量を付加し、脆いかも知れず且つ電流を引き出すので、幾つかの実施形態においては、ディスプレイを排除し且つ合焦指示器のみを提供することが望ましいかも知れない。上記したように、網膜に焦点が合っているときに、この層は可視スペクトル及び近赤外域に亘って最も大きな光の戻りを提供する。従って、本願の一つの特徴に従って、像は、前方部分上に像を位置決めし且つ焦点面を最大輝度に調整された網膜をサンプリングできるように焦点面を位置決めすることによって合焦させることができる。従って、深い視野を有する像は合焦のためには有用であるけれども、任意に指示器を使用しても良い。指示器は、ディスプレイであっても良く、基準に達したときの光、受け取った光の量に対応するより明るくなるか又はより暗くなる光でも良く、ダイアル、デジタル読み取りパネル、音、針によるディスプレイ又は合焦が得られた信号をユーザーに提供することができるその他のあらゆる要素であっても良い。
当該装置は、任意に、取得された後の像を見るためのディスプレイを備えていても良い。ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)又はその値の適当なディスプレイ装置とすることができる。画像データは、当該技術において良く知られているように、USB、IEEE 1394、無線プロトコル又はその他の接続によって装置若しくはコンピュータへ送ることができる。当該装置は更に、任意に、集積回路又は着脱式メモリ・ディバイス又は図2において符号44で示されているような外部観察装置へ送ることができるフィルム内に、1以上のオンボード・メモリ・デバイスを含んでいても良い。データは、有線方法か無線方法によって、コンピュータ、携帯デスク端末、携帯電話又はその他の装置のような受信装置へ送ることができる。
本願の更に別の実施形態に従って、眼の網膜に共役でない面内の構造を見るために、図3においてレンズ60及び64によって示されている合焦アセンブリによって任意に変調を行うことがでる。当業者によって理解されるであろうように、現存するレンズ又はミラーを取り外して更に別のレンズ又はミラーアセンブリを付加しても良く又は合焦アセンブリを他のレンズ又はミラーと置換しても良い。これらの構造には眼の前方部分が含まれ、隔膜構造に限定されず、皮膚又はその他のあらゆる生物学的構造若しくは非生物学的構造が含まれ得る。図3〜8に示されている実施形態は、何らかの光学的分割機能すなわち平坦な送られた光からの適度な分割及び排除のための顕微鏡的な又は一般的な目的のための結像装置として使用することができるけれども、この設計は、狭い入射ひとみ及び照射経路と検知経路との分離によって、最も高い軸線方向の分解能による光学的分割が意図された光学的共焦点装置から区別される。図示されている合焦部材は、任意に、目標物の視野を広げる像を提供するために使用でき、視検のための像の更なる拡大は大部分は電子的にもたらされ、従って、潜在的な用途が全体として人間の網膜又は眼のためのものよりも広い。本願の一つの特徴に従って、目標物に対して照射源を走査することによって、昼光のような現存の外部光源からの典型的な投光照射又は照射よりも高いコントラストの像が提供され、従って、人間の網膜又は眼の範囲を超える当該装置の潜在的な用途が広がる。
本願の一つの特徴に従って、人間の眼の前方部分内には、本願のデジタルの網膜結像装置の合焦範囲内に無い補助的な又は代用される合焦部材を使用することによって結像させることができる幾つかの構造が存在する。例えば、本願による装置は、角膜の障害又は疾患を結像させるために使用することができる。角膜の障害又は疾患は、角膜手術又はレーザー屈折手術、眼の内部若しくは眼の上の異物、薬害又は火傷、虹彩血管形成、外部眼球外傷、熱傷、コンタクトレンズ装着、外部炎症、感染症、涙腺の問題、瞼の障害、翼状片(pterigeum)、強膜若しくは虹彩血管の問題又は患者の緊急時又は健康状態を実証するのに必要とされるその他のデータによって生じる。
更に、ここに記載されている装置は、任意に、ケース内に収納されても良いことは注目されるべきことである。更に任意に、オン−オフスイッチ及び合焦制御のような制御は、ケースを介してアクセス可能にすることができる。当該ケースは、頑丈で且つ軽量とされ、上記した光学及び電子構成要素の全てを包囲することができる。更に、ヘッドレスト又はあごレストを任意に設けることができ且つ患者が眼を当該装置と整合した安定した形態で保持することを可能にする構造としても良い。ヘッドレスト又はあごレストは、入れ子式に短縮するように作動して容易に包装され且つ搬送される持ち運び可能な装置を形成することができる。別の実施形態においては、ヘッドレスト又はあごレストは、折り畳んでコンパクトなフットプリントを形成することができる。更に別の実施形態は、個人向けデジタルカメラ又はビデオゲームに似た方法でユーザーによって保持されるケースを備えている。眼を見つけ出すためにビューファインダを設けても良い。ケース上の制御装置は、オン−オフさせ且つ画像取得の種々のモード又は分解能のためのトグルスイッチとして機能することができる。
遠隔電源に像を送る機能を備えたバッテリ電源によって受け入れ可能な眼の像を安全に取得する実現可能性の検討を判断するために、当該装置の多くの実施形態が作られ且つ試験されて来た。当該技術において知られている標準型の人間の眼を使用して多数の実施形態が試験された。当該装置が眼の安全性と首尾一貫した許容可能な光量を使用して作動し且つ像を取得することができることを判断するために、標準的な眼が使用された。標準的な眼内の相対的な光量は、人間の眼に対して校正され且つ知られている。
図2及び3において上記したものに似た実施形態を、必要とされる規制承認を得た後に、人間の眼に対して形成し且つ試験した。良好なコントラストを有し且つ角膜面からの強い反射がない人間の眼の網膜面の適切な像が適当な分解能で得られた。試験された特定の人間の眼に独特であることが知られている構造が認識できた。
本願は、特に、眼科、視力測定、救急サービス、軍用眼球スクリーニング、あらゆる大規模な状況での眼球スクリーニング、眼科専門医、遠隔医療及び小児科医のような特別な眼の保険技術を持たない人間による眼の検査、ER技術又は家庭医分野に適用可能である。当該装置の主要な用途は、例えば、眼に外傷の懸念がある際の救急隊員による使用である。このような状況においては、眼に傷を有する疑いがある人が単に所定期間に亘って休息せしめられるべきか否か又はその代わりに患者が更なる緊急治療を必要としているか否かを知ることは有益であり得る。更に別の用途は、小児科医又は家庭医のような眼科における主要な専門家ではない人であって医療経験が最少であり且つ器具又はコンピュータの経験が欠如している作業者もが含まれる人による潜在性の眼疾患のための遠隔又は大量スクリーニングである。当該装置は、含まれる制御系が最少であり、作動の簡単さを提供して装置を作動させるのに高度な熟練が必要とされないようにされている。
本発明と対照的に、現在市販によって入手可能な走査レーザ検眼鏡は、野外での持ち運び可能な装置として使用するには大きすぎ且つ高価すぎる。更に、これらの装置は、複雑で且つユーザーが装置を使用する際及び最終的な検眼鏡像の読み込みの際の両方においてユーザーが極めて熟練することを必要とする。大きなSLOの際立つ像の質及び信号対騒音比を損なう断層撮影装置の分割機能は、当該装置には必要とされない。
本願の他の実施形態においては、装置は、ある種の構造の視認性を高める種々の波長によって目標物を照射するために3個以上の光源を使用することができる。結像は、このような光源を1,2,3又はそれ以上備えている装置によって任意に行うことができ、各光源は、異なる波長、高い出力又は種々の偏光特性のような独特で且つ有益な特性を提供するように相互に異なっている。光源は、例えば、オン或いはオフに切り換えるために、定常モード若しくはフラッシュモードで作動するために、又は以下に説明するように光強度を制御するために、電子制御系(図2参照)によって任意に制御することができる。各照射源からの光は、任意に、光学結像装置内の付加的な部材に向けて導かれる前にビーム整形を受けさせることができる。
本願の更に別の実施形態によれば、照射源からの光を回転ミラーによって導き、次いで、本発明者によって公にされた当該技術において知られている方法でビーム結合部材によって結合して単一のビームとすることができる(例えば、1992年Elsnerらを参照のこと)。このような結合要素は、反射性及び透過性の要素とすることができ、照射源の波長の違いを利用するための二色ミラーとすることができ、又は、これらは照射源の偏光特性に従って反射し又は透過させることができる。一つの実施形態に従って、照射源の各々は、一対のビーム結合要素によって次のものと結合される。例えば、ミラーのような第一の要素はビームを導き、第二の要素は2つのビームを結合させ且つ更に一つの又は他のビームを導く。結合要素の位置は、光学的整合を容易にするような構造とされるのではなく、むしろ装置又は光効率が占める空間を最小にする構造とすることができる。
本願の一つの特徴によれば、照射源からの光の強度は、所望ならば例えば連続的な視検のためのFDA承認レベルよりレベルを低くするために、如何なる方法で制御しても良い。光の強度もまた、電子的に又はNDフィルタ若しくはカラーフィルタによって機械的に制御することもできる。この場合には、図3のスリット56は、機械的に制御することができる調整可能なスリット又は虹彩を示している。従って、照射制御装置は、例えば指で作動させるねじによって機械的又は電子的に作用させても良い。光の強度はまた、偏光要素によって増大させるか減少させることができる。別の方法として、照射光の強度の調整は、図2に示されているもののような電子制御系、補助検知器又は光源と連絡されている検知器又は光源と連絡されている検知器アレイ68からの出力又は電力、電圧若しくは電流を制御するために使用することができる強度制御要素を使用してなされている。検知器の利得制御もまた電流を増大させ又は減少させるために使用することができる。
先行するパテントファミリの図3に示されているような3つの照射源を使用している例示的な実施形態においては、照射源は、543nmにヘリウム−ネオン(“HeNe”)レーザーを含み、830nmにダイオードレーザーを含み、850nmに垂直共振器表面発光ダイオードレーザー(“VCSEL”)を含んでいた。ダイオードレーザー及びVCSELのような照射源は、直流を使用して容易に作動させ且つ1以上のバッテリによって作動させることができる。バッテリ駆動によって、光学結像装置は、持ち運び可能とされ且つ遠隔位置で使用することができる。出血における血液のような関心のある構造の吸収量が異なる2以上の発生源を使用することによって、このような構造の検知を高めるために、図8におけるような像の比較を使用することができる。
VCSELは、典型的には通信及び光学的演算において使用されるが結像装置においては使用されないので、この実施形態においては、VCSELは、光学的結像装置における照射源としては異常に小さいサイズである。この照射源を使用している装置のフットポイントはよりコンパクトであり、重量は一般的な結像装置と比較すると軽い。VCSELの異常に高いエネルギ効率のみならずバッテリからの電流のような直流を使用できることは、当該結像装置の重量及びフットポイントを減じる補助となる。VCSELのレーザー部材の直径は50ミクロン程度に小さくすることができ、関連するハウジング部材及びビーム整形部材はより大きく、電源以外の全体の包装はほぼ金属容器取り付け台内の小さな集積回路又はトランジスタのサイズである。この点において、VCSELは単に回路内のもう一つ別の電子部品である。高エネルギ効率によって、例えば9Vのバッテリのような単一のバッテリと電流制御回路とを備えているときに出力が低いmW範囲内にあることを許容する。
ダイオードレーザー照射源は、中間サイズであり且つ中間のフットポイント及び重量を提供し、更に、バッテリ駆動及び遠隔使用の可能性の支援もする。適当なサイズ、エネルギ効率、出力密度、ビーム特性及び重量を有する如何なる赤外又は近赤外の光源も、上記の光源と置換するための照射源として使用することができる。高い干渉性を有する光源は走査されるスリット内の人為構造との干渉につながるので、これらは、不所望な人為構造が走査されたスリットに沿った照明の差が存在しないように減じることができない場合にはそれほど望ましくない。超放射発光ダイオードは、低い干渉性を提供するために使用することができる1つのタイプの光源である。
目標物が人間の眼か又は近赤外若しくは赤外光を戻す他の物質である場合には、目標物は、レーザーダイオード又はVCSELのような照射源を使用する安全且つ(適用時には)心地の良い量の照射によって見ることができる。近赤外光源は、薄い血液層及び白内障的な変化を有するレンズを貫通するのに重要である。近赤外光源は、網膜を結像させるために使用されたときに、人間の瞳孔の収縮を生じさせず、それによって、フラッシュ状態の照射又は定常状態の照射によって、非散瞳方法で結像装置を使用するための十分な照射を提供する。許容可能な品質を有する近赤外波長の照射源は、図2及び3に示されているもののような走査装置において使用されるときに許容可能な特性の像を形成する。当該結像装置は、可視波長光を遮断するフィルタを、光が図3における目標物52と合焦レンズ64との間のような図3の目標物52の面と光学的に共役な面内にあるあらゆる適切な位置を使用して位置決めすることによって、昼光、室内光又はその他の可視波長光の環境内で使用するための近赤外光源と共に使用方法に限定されない。
一つの実施形態に従って、図3に示されている照射光源54は、近赤外範囲内の光源より短い波長とすることができる。例としては、限定的ではないが、当業者によって知られているHeNeレーザー、ランプのような波長の光源並びに目標物を横切って均一な強度のスリットの走査を可能にする十分な出力密度及びビーム特性を有する発光ダイオードがある。眼及びその他の生物学的組織においては、より短い波長特に514〜594nmの波長範囲を使用することによって、血液を含む組織のコントラストを増大させることができるが、これは人間の瞳孔の収縮を起こし得る。しかしながら、十分なコントラストによれば、近赤外光内でこれらの構造が恐らく疾患のためのスクリーニングに必要される程度以上まで見え得る。検知器経路が適度なコストの検知器アレイを使用できるためには、十分明るい光源を使用してこの瞳孔の収縮にかかわらず像を提供することが必要である。しかしながら、短波長の光源をフラッシュモードで使用することができ、それに続いて、目標物と近赤外照射源を使用している結像装置とが整合される。人間の眼の中の一例としては、糖尿病性網膜症の検知又は管理がある。同様に、反射又は蛍光結像に対しては、過剰な光の露出、温度変化又は光退色を防止するために、一つの波長範囲の光源を結像に先行する整合のために使用することができる。眼における3つの例としては、蛍光眼底血管撮影、網膜及び硝子体内の蛍光測定、並びに前方部分のための涙液膜の特性検査のための蛍光染がある。
一つの実施形態において、レーザー走査デジタルカメラ装置は、1以上の光源を走査する機能を特徴としている。更に、各光源は、波長、ビーム整形、照射開口、空間若しくは一時的なビームの変調、偏光成分又は構造化された照射に従って目標物を検知できるように設計されている。非限定的な例においてスリットによる走査がなされる場合には、矩形開口による照射が任意に使用されて像を横切る照射さえも提供される。照射もが提供されている場合には、視野内の如何なる場所における目標物の検知も可能である。
本願の一つの実施形態に従って、電子シャッタは、検知器の能動的な期間と閉ループ形態で同期せしめられる。このループは、先行してなされる校正によって又は現場における校正によって又は装置を作動させている間に閉じることができる。当該同期は、マスター信号、走査要素又は検知器によって判定することができる。一つの実施形態においては、マスター信号は、走査要素の位置を読み取ることによって発生させることができる。位置信号は、動いている目標物からの光が検知器に達したときに発生させることができ、この信号は、照射の目標物上の位置に対して同期せしめられた目標物から戻る光の検知によって、結像の始まり又は更に正確な制御のための像内の位置を指示することができる。これによって、装置は、走査要素内でミラーとして機能する特別に低いコストの光学要素を使用しながら像を取得することができる。走査スリットは走査方向に直角な方向の目標物経路を充満させ、走査方向のタイミングは迅速且つ正確な方法で変更可能であるからである。像の一部において行われる目標物に対する走査要素の同期は、開口位置の迅速な順応性を提供する。
本願の別の実施形態によれば、デジタル結像装置は、目標物及び器具の位置の相対的な調整を可能するのに十分な迅速さで連続的に取得される一連の像を使用することによって質の高い像を提供するように作動することができる。更に、ある種の実施形態によれば、像の質が評価され、像の取得において使用されるパラメータを調整することによって像が改良される。この調整は、一連の像が迅速に連続して取得されるときには比較的容易になされる。この調整は、ソフトウエア、電子回路又はオペレータ、又はこれらの組み合わせによってなされる。デジタル結像装置は更に、任意に、パラメータのオンボードの制御又は埋め込まれた制御を提供することができる。同じ制御機構が、任意に、電子回路又は画像の記憶を可能にするための十分なメモリを備えたコンピュータと連絡されて、像の取得後すぐに最も質の高い像の選択を行うことができるようにすることができる。このことにより、眼のような動く目標物又は時間と共に変化する目標物においては、受け入れ可能な質の像が得られる可能性がより高くなる。熟練していないユーザーによる実施形態においては、像の取得は、ユーザーの一部分に作用することをほとんど必要としない十分な時間と像の数とを取り込むように調整して、適切な像を取得する機会を改良することができる。制御機構は、像の質の制御を確保するために像の特性を処理する機能を有することができる。当該制御機構は、任意に、像の処理を行い、次いで表示し、これらの像を記憶することができる。
本願の一実施形態に従って、デジタル結像装置は、目標物又は目標物の一部を特定するために使用することができる高コントラストの構造を提供するように作動することができ、これによって、目標物自体特に動くか若しくは変化する目標物の場合には目標物内の関心ある領域の改良された検知が可能になる。当該実施形態においては、網膜を結像させるためのより広い視野が可能であり、網膜内の領域のより正確な位置の特定が可能になる。なぜならば、眼窩及び黄斑及び視神経頭のような2つの主要な構造が、現在の高速の網膜追跡装置において偏光によって或いは偏光なしで使用される単一の構造の特定において、位置の特定が改良された十分な間隔で視野内に潜在的に存在するからである。偏光された光照射を有する実施形態においては、網膜の構造を突き止めるために、網膜像内の十分な間隔の2つの箇所を特定するために黄斑及び視神経頭複屈折を使用できる可能性がある。電子シャッタを使用することによって、偏光された光の情報を含まないが強い信号を提供する十分な光が検知されるようにする不所望な散乱光を拒否することによって、黄斑及び視神経頭複屈折の検知が更に改良される。
反射光照射による実施形態においては、網膜の構造を突き止めるために網膜像内の十分な間隔の2つの箇所を特定するために黄斑を使用する可能性が存在する。電子シャッタの使用によって、偏光された光情報を含まないが強い信号を提供するために十分な光が検知されるのを可能にする不所望な散乱光を拒否することによって、黄斑及び視神経頭複屈折の検知が更に改良される。
偏光された光の照射を備えた実施形態においては、網膜の構造を突き止めるために、網膜像内の十分な間隔の2つの箇所を特定するために黄斑及び視神経頭複屈折を使用できる可能性がある。電子シャッタを使用することによって、偏光された光の情報を含まないが強い信号を提供する十分な光が検知されるようにする不所望な散乱光を拒否することによって、黄斑及び視神経頭複屈折の検知が更に改良される。
本願の別の実施形態によれば、当該デジタル装置に1以上の光学経路が付加されて、波長、ビーム整形、照射開口、空間的若しくは一時的なビームの変調、偏光成分又は構造化された照射の違いを使用した像を提供することができる。この付加的な光学経路は、比較的広い視野を有する視検及び自由度のある電子シャッタを備え且つこれと同時に種々の情報要素を有する像を提供するか又は視覚的な刺激又は整合ビームを提供する低コストのデジタル装置の可能性を提供する。一つの実施形態においては、網膜の位置を示すために視覚的刺激が使用される。更に、当該刺激は、人間又は生物学的標本における使用の診断又は実験的な使用に対する応答を引き出すために光学的に使用される。一つの実施形態においては、走査されたスリットによる照射による広い視野は、十分に長い近赤外波長、低出力及び人間の眼にほとんど見えない短い動作周期のものである。このような状態は、視覚的刺激と干渉せず又は網膜若しくは生物学的標本内の加熱につながらないが、刺激又は標本に対する照射の当たる位置の特定を提供する。
図9は、単一の走査要素50が1以上の光源及び整形光学系からの光を目標物へと導くが、目標物14から戻された光は導かないようになされた一群の構造が記載されている実施形態を示している。照射源154からの光によって、レンズ155によるビーム整形を受け且つ矩形開口156を通過して、円柱レンズ157及び目標物14と共役なスリット開口56を通過する際の一次元における照射さえも確保される。これらの要素154、155、156及び157は全体として図2内の要素54に対応する。一つの構造によれば、照射源54からの照射は、照射を擬ガウス分布からスリット出力まで変化させる当該技術において公知のビーム整形光学系を使用している。照射の変化は、スリット56に先行して照射経路内に円柱レンズを使用することによって達成することができる。しかしながら、端面発光照射装置又はその他の線形装置が使用される場合には、円柱レンズは不必要であることがわかる。スリット開口56は、図5〜8に更に詳細に図示され且つ上記されている。これらの図からわかるように、スリット56は、図面の面に直角な長手軸線を有している。
図9において、スリット開口56を通過する光は、合焦部材58によって走査要素50へと導かれる。走査要素50は、回転し又は振動して、光をスリット開口56の長手軸線に直角な方向において目標物を横切るように連続的に反射させる。図面を通して、走査要素50を出て行く線は照射経路を示している。光は、走査要素50から、次いで、ここでは可動レンズ164として示されている1以上の合焦部材60によって導かれて図3における狭い入射角(例えば瞳孔)62によって合焦される。当該光は更に、図3における符号64に対応する合焦部材161及び162によって合焦され、目標物14(例えば網膜面)を照らす。図9は、入射及び焦点面を概略的にのみ示している(更なる詳細は図1参照)。スリット開口56における光は、目標物14に共役な光学面内にある。走査要素50における光は、狭い入射角62として図3に示されているレンズ24の直前で狭い入射角面と共役な光学面内にある。合焦部材164は、光が目標物14上に合焦するのを可能にするために軸線方向に移動できるように取り付けられるのが好ましい。レンズを有さない目標物(例えば、機能的なレンズを備えた人間の眼以外の目標物)を結像させる場合には、合焦部材164は、任意的には、付加的なレンズ161及び162によって目標物14上に合焦させるのに適した一組のレンズである。図9に示されている広い視野は、ここでは眼の近くに取り付けられたケプラー型の接眼レンズとして示されている広い視野に対して特定された光学的設計を使用することによって又は非球面の眼のレンズを使用することによって改良される。更に、広い視野は、人間の眼特に合焦部材164から戻される弱い信号を通過させる自由な領域を可能にする十分に大きな直径のレンズ又はミラーを必要とする。
上記したように、スリット開口を介して目標物14を横切って光を走査すること(及び以下に説明するようにこの走査がなされる場合に検知経路内で再び走査すること)によって、最終的な像内の不所望な散乱光を減少させる補助とされる。この走査は、図9における方法に加えて当該技術において公知の種々の方法で行うことができる。
走査要素50間の光学的経路内には、付加的な光学的経路を主要経路内へ又は主要経路から導くために、1以上の分離要素66,266及び366が含まれている。図9における分離要素66は、図3における分離要素66に対応しており且つ種々の反射又は透過構造によって構成することができる。分離要素266は、照射のための第二の光学的チャネルを導入している。照射源254及びそのビーム整形光学系255は、波長、出力、空間的若しくは一時的特性、ビーム形状、焦点、偏光特性又はその他のあらゆる数の特性が異なっていても良い。照射源254からの光は、合焦部材255によって合焦され且つ合焦部材164,162,161を通過する分離要素266によって目標物へと導かれる。
照射源354からの光は、ここでは眼の前方部分へ向かって導かれており目標物14に向かって導かれていない主要光学経路外の位置から始まって目標物へと導かれている。 目標物14から戻される光は、分離要素66において目標物に当たる光から分離されている。図9に示されている実施形態においては、分離要素66は、照射経路上を目標物14に向かって導かれる光の道筋を変えないが目標物14から戻る光を実線及びより暗い線として示されている検知経路内へと導くミラーとして示されている。検知経路内で目標物14から戻される光は、合焦部材74によって合焦され且つ検知器アレイ68へと導かれる。ここに示されている合焦部材は、大量生産され且つ低廉なカメラレンズ、二重ガウスであるが、単色の像のためには、複雑さの程度が低いレンズもまた適切である。検知器アレイ68は目標物14の面と共役である。図3におけるように、分離要素66の広範囲の組み合わせはまた、目標物14において導かれる光ビームと交差する反射部分と、目標物から戻される光を導く透過部分又は照射経路からの光を目標物14から戻された光から分離し且つ戻された光を検知経路へと導く図2に関して記載された要素のあらゆるその他の組み合わせを備えたビームスプリッタを含んでいても良い。分離要素66は、任意に、他の構成要素の構造に関して便宜な方向へ光を導くために付加的なミラー面を備えており、それによって、目標物14の近くに構成要素が密集するのを少なくすることができる。更に、合焦部材160,161,164の取り付け面近くの要素の密集を減じ又は目標物4に向かって導かれる光を目標物から戻る光から空間的に分離することによって、構成要素が合焦部材164が走査要素50の動作と干渉するのを避けるために、付加的なミラー面を使用し且つ形成しても良く、目標物の面内にない焦点面からの不所望な直接的な反射は、ビームセパレータ66における空間的な重なりを最少化することによって排除することができる。目標物に関して、照射は、戻された光からの検知経路とは若干異なる位置から目標物に向けられ、その結果、検知経路と照射経路との間の空間的な重なりが最少となり、それによって、網膜が目標物であるときに人間の眼の角膜及びレンズのような目標物に関連してしばしば見られるものを含む光学要素の不所望な反射を最少化することができる(図1参照)。
分離要素66は、目標物14に向かって導かれる光と交差しない部分的な又は完全な反射面を含んでいても良い。当該反射面は、図示されているように、目標物に向けられた光のビームと交差しない反射部分を備えたミラー又はビームスプリッタを備えていても良い。当該分離要素はまた、目標物に向けて導かれた光のビームと交差しない反射部分及び目標物に向けて導かれた光の100%未満を反射するミラーを含む透過部分又は目標物に向けて導かれた光のビームと交差しない透過部分及び目標からの光を透過させる反射部分を備えたビームスプリッタのような他の如何なる数の分離要素とすることもできる。
本願の一つの実施形態によれば、検知経路上の光を目標物14から相補形の金属酸化物半導体チップ(“CMOS”又は“CMOS検知器アレイ”)を含む1以上の二次元検知器アレイ68へと導くことによって、不所望な面からの光の更なる減少を得ることができる。目標物から戻る光の検知を可能にするために、当該検知器アレイ68は、目標物から戻る光の波長で照射タイミングと同期せしめられ且つ適切な感度を有する。検知器アレイ68は、目標物から照射源154又は254へと戻る光を検知することができる。同様の検知器アレイ368は、角膜レンズ24又は瞳孔16のような目標物から戻され且つ分離要素366によって導かれ且つ合焦部材374によって検知器368上へ集光された光を検知する。
図9に示されている照射源とビーム整形光学系との組み合わせは、反射され且つ多重散乱された光のみならず目標物及び立体写真、偏光測定、蛍光結像及び立体画結像の優れた検知のための構造化された照射のための結像装置を形成するために、偏光発生装置、一時的若しくは空間フィルタ及び走査駆動源及び自由度のある電子シャッタを使用する位置操縦装置と組み合わせても良い。
目標物の像は種々の構造を提供し、これらの構造を、単一箇所を中心とする回転又は並進を使用する方法よりも更に十分に突き止めるために2つの基準を使用しても良い。黄斑及び視神経頭は、黄斑から生じる複屈折信号及び視神経頭から生じる神経線維束からの複屈折信号に対して、網膜内の構造を突き止めるか又は安定化させるために使用することができる2つのこのような主要な構造である。
目標物に当たる照射はパターン化することができ、ストライプのようなパターンは、パターンを発生するための一般的な方法を提供する。図9において符号154又は254として示されているもののような照射源は、これらが目標物14を横切って掃引されるときにストライプを形成するために一時的に変調させることができる。照射源として垂直共振器表面発光ダイオードレーザーを使用することによって、発光ダイオード及びチョッパ又はシャッタのような一時的な変調装置と適合された発光ダイオード及びその他の変調可能な発生源のように、更に摩耗したり亀裂を生じることなく迅速な変調のための機能を提供する。
LSDCを閉ループモードで作動させるときに、図2及び9における走査要素50は、マスター装置を従属装置のように作動させることができる。同期の一つの方法は、図2及び9の走査要素50上にモーターエンコーダを使用することである。エンコーダは、同期のためのマスター信号を提供するための信号として又は改良された走査要素50の位置決め及び速度を提供するための信号として使用することができる。
検知器アレイ68によって取得された像を走査要素50に同期させる一つの実施形態においては、走査要素50は、固定点補助検知器による“走査の開始”によって同期せしめられたマスター及び検知器アレイ68として機能する。一点走査装置においては、典型的には、一つの方向における同期のために“走査の開始”が使用されているが、直角方向において走査要素と更に同期せしめられなければならず且つ単一の走査要素50内の構成要素の位置及びタイミングにおける許容公差を小さくする可能性を容易に提供しない。図2及び9に示されているもののようなスリット走査装置においては、これは、明らかな形態で低コストを可能にする。“走査の開始”はまた、安全性及び出力効率のために照射源154のタイミングをずらすことをも可能にする。一つの実施形態においては、“走査の開始”は、一連の構成要素及び信号を有しており、前記走査要素は、同期のためのマスターとして機能するDCモーター上の多角形ミラーからなる。当該検知器は、網膜面の端縁に配置されているピンダイオード又はその他の検知器とすることができる。デジタルトリガー信号を任意に形成しても良い。ダイオードの位置に達する照射の可変のオフセットを可能にするために、ポテンショメータのような手段によって調整可能とすることができる遅延を付加しても良い。これによって、像の取得の調整が、照射スリットと同期せしめられ又は多重散乱光の像を提供するためにずらされることが可能になる。TTLとすることができる“走査の開始”信号が形成され、当該走査開始信号がセンサーに送られる。
図2及び9における走査要素50のマスターとしての同期の代替的な方法においては、単一点検知器ではなく二次元CMOS検知器のような検知器を使用することができる。CMOS検知器の位置は網膜面に隣接しており、結像において使用される検知器アレイに対する整合は直接的であり且つ潜在的には付加的な回路を付加する場合よりも低いコストであるという利点を有する。この同期方法のフレーム速度は極めて速く、同期をより正確にすることができるという利点を有する。例えばCMOS検知器を使用する場合の検知器の利得は、固定点検知器による典型的な“走査の開始”とは異なり、容易に制御可能である。照射スリットの到達は、像の先端縁において検知され、次いで点検されて、関心のある適当な領域内に像が維持され、電子シャッタによって取得されるべき位置を指令される。“走査の開始”信号は、像の先端縁における照射の予測される到着によって判定され、次いで、検知器アレイ上の各ライン又はラインの群に対して適当な時間における像の取得のためにライントリガーが発生される。
上の記載は、本発明の幾つかの例示的な実施形態に関する。本発明の多くの変形例は当業者によって想到され得る。従って、このような変形例及び改良例は、当該開示範囲に含まれるように意図されている。本発明は、特許請求の範囲によって示されている限り、ここに特別に示され且つ説明されたものに限られない。例外的に、低コスト、低出力条件、小さなサイズ及び使用の容易性という目的は、眼の分野での使用を超えて適用することができる。例えば、本願の実施形態は、一般的な結像装置、顕微鏡又は内視鏡として使用することができることが理解されるであろう。眼に対する用途の実施形態としては、糖尿病性網膜症、老化性黄斑変性症、感染症、眼外傷及びその他の症状がある。容易に見ることができ、記憶でき又は伝送される眼の前方部分及び後方部分の両方の同時結像又はほぼ同時の結像を可能にする高い使用容易性を有するオールインワン装置が極めて重要である。
更に、本願の実施形態はまた、目標物の像の検知を改良し且つ像の形成に必要とされる光のレベルを潜在的に低下させるために、一般的な結像装置として又は顕微鏡のために使用することもできる。走査要素と共に使用されるときには、上記の実施形態のうちのあるものは、光を効率良く使用し且つ不所望な散乱光を減らす。結像用途を開発する目的のためには、目標物から集光される光の量及びこの光の特性を正確に知ることができないことが多い。目標物面に共役な光学面内での電子シャッタの機能は、光のサンプリングの制御を補助する。このシャッタは、反射されるか又は多重散乱された光の検知を迅速な方法で且つ機械的な部品無しで様々な度合いで検知することを可能にする。同様に、電子シャッタは、例えば、主として反射された光を検知し又は信号対雑音比を増大させるために開口サイズを減じることにより、又は例えばより多くの全体的な光を得るために開口サイズを大きくすることによってコントラストを強調するために迅速に調整することができる。このように、電子シャッタは光をサンプリングする際により大きな自由度を提供し、これは、各用途に対して訓練を受けていないユーザーのために最適な設定が決定されることが可能になる。ユーザー又は装置の開発者は、各用途の必要性に応じて、異常に自由で且つ迅速な方法で設定を選択することができる。このような使用方法のうちの一つは、濾過されていない血液の検査を可能にするので、暗視野像がマラリアの検査にとって有利であることが既に示されている(Jamjoom GA“Dark-field microscopy for detection of malaria in unstrained blood films(未濾過血液フィルム内のマラリア検査のための暗視野顕微鏡)”、J Chin Microbiol、1983年5月;17(5):717〜21)。暗視野像に対して最適化された本願の一つの実施形態の使用は、付加的な健康及び安全性を提示するかも知れない血液又はその他の物質の処理がより少ないという利点及びスライドの調製において必要とされるノウハウ及び設備がより少ないという利点を有する。ノウハウ及びコストがより少ない血液由来の疾患のような重要な目標物を検知する装置は極めて重要である。
更に、付加的な実施形態は、電子シャッタと共に使用するための目標物を検知するための照射光を最適化することを含んでいる。この最適化は、波長、ビーム整形、照射開口、ビームの空間的又は一時的変調、偏光成分又は構造化された照射の選択によってなされる。これによって、広範囲の用途及び適用のための迅速で且つ低廉なプロトタイプが可能になる。自由度があり且つ使い易く且つ一連の機械的開口を形成し且つ整合させるよりも遙かにコストが低く、用途及び照射源に応じて容易に最適化することができ、目標物の等価な又は改良された検知が可能なこのような低コストの装置は極めて重要である。
本願の更に別の実施形態は、1以上の光の検知経路を有し、これらの経路の各々は電子シャッタを使用することができる。付加的な検知経路は、焦点面、入射角又は関連角、検知又は濾波波長、感度若しくは利得、一時的若しくは空間的特性、分解能又は偏光特性が相互に異なっている。付加的な検知経路は、眼の前方及び後方部分のためのオールインワン装置のような装置において低コストでの最適化、同時の共焦点の蛍光及び反射結像、共焦点マルチスペクトル結像、選択面内の立体像、反射及び多重散乱光の同時検知、偏光結像及び目標物の励起又は2以上の検知チャネルとの同期を必要とする結像技術を可能にする。このような装置は、US特許第6,236,877号及びこれに関連する著作物に記載されているものよりも比較的自由度のある直接的に後方散乱され且つ多重後方散乱された光のほぼ同時の観察を提供するための手段を可能にする。従って、自由度があり且つ使用が容易な又は本願に従って容易に最適化でき、2以上の検知経路の使用によって目標物の等価な若しくは改良された検知が可能な低コストの装置は極めて重要である。

Claims (12)

  1. デジタルの網膜結像装置であり、
    a.照射源と、
    b.当該照射源によって形成された照射経路の一部分を目標物に対して移動させるように作動することができる走査要素と、
    c.前記照射源の照射経路内に設けられた少なくとも1つのスリットと、
    d.ローリングシャッタ機能を有している二次元の相補型の金属酸化物半導体(“CMOS”)検知チップと、を含み、
    前記ローリングシャッタ機能を用いて前記検知チップのライン領域を連続的に露呈することによってデジタル像が形成される、デジタルの網膜結像装置。
  2. 請求項1に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    レンズアレイ及び機械的開口を備えていないことを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  3. 請求項1に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    第一の画像データの組のラインを第二の画像データの組の対応するラインと比較することによって形成された画像の分解能を先鋭化するように作動可能な処理器を更に備えることを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  4. 請求項3に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記処理器が更に、前記第一の画像データの組の各ラインと前記第二の画像データの組内の対応するラインとを結合することによって信号対雑音比を向上させるように動作可能であり、前記信号対雑音比は当該結像装置によって結像されるサンプル採取領域を増すことによって得られることを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  5. 請求項1に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記CMOS検知チップは、照射源からのビームの整合された光軸に関して1以上の先導ライン又は遅滞ラインを選択するように作動可能であることを特徴とするデジタルの網
    膜結像装置。
  6. 請求項5に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記網膜結像装置は、多重散乱像を形成するため前記1以上の先導ラインと遅滞ラインとを結合するように作動可能であることを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  7. 請求項3に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記網膜結像装置は、共焦点像を形成するため前記1以上の先導ラインと遅滞ラインとを結合するように作動可能であることを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  8. 請求項3に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記1以上の先導ラインと遅滞ラインとを結合することによって更に変調された最終的な像の像特性変数を最大化するように動作可能である処理器を更に備え、該像特性変数は、信号対雑音比及び像のコントラストのうち少なくとも1つを含むことを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  9. 請求項1に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記照射経路を整形するように作動可能な電子シャッタ又は機械的開口を照射経路内に更に備えていることを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  10. 請求項9に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記照射経路が、スリット開口の幅を広くし又は狭くすることによって整形され、それによって、最終的な共焦点像、多重散乱光像又は先鋭化された像のための改良された像特性がもたらされるようになされたことを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  11. 請求項1に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記照射源が赤外照射源であることを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
  12. 請求項1に記載のデジタルの網膜結像装置であり、
    前記照射経路内で目標物から反射された照射エネルギの波長を検知するように作動可能な検知経路内に設けられた第一の検知器アレイと、
    立体像、偏光測定及び先導電子シャッタ及び遅滞電子シャッタによる同時の間接的光結像が行われるように、前記第一の検知器アレイに同期するように作動可能な第二の検知器アレイと、
    選択された波長のみが前記第二の検知器アレイに到達するように、選択された波長を排除するように作動可能なバリアーフィルタと、を含むことを特徴とするデジタルの網膜結像装置。
JP2009513250A 2006-05-31 2007-05-30 簡単な光学系と多重散乱光結像機能とを備えたレーザー走査デジタルカメラ Active JP5735211B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US80955106P 2006-05-31 2006-05-31
US60/809,551 2006-05-31
PCT/US2007/012726 WO2007142960A2 (en) 2006-05-31 2007-05-30 Laser scanning digital camera with simplified optics and potential for multiply scattered light imaging

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009538697A JP2009538697A (ja) 2009-11-12
JP2009538697A5 true JP2009538697A5 (ja) 2013-11-21
JP5735211B2 JP5735211B2 (ja) 2015-06-17

Family

ID=38802009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009513250A Active JP5735211B2 (ja) 2006-05-31 2007-05-30 簡単な光学系と多重散乱光結像機能とを備えたレーザー走査デジタルカメラ

Country Status (10)

Country Link
US (1) US7831106B2 (ja)
EP (1) EP2030151B1 (ja)
JP (1) JP5735211B2 (ja)
AU (1) AU2007254999B2 (ja)
BR (2) BRPI0711977B8 (ja)
CA (1) CA2653842C (ja)
DK (1) DK2030151T3 (ja)
ES (1) ES2459019T3 (ja)
MX (1) MX2008015363A (ja)
WO (1) WO2007142960A2 (ja)

Families Citing this family (81)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4843344B2 (ja) * 2005-03-18 2011-12-21 株式会社リコー 照明装置及び画像読取装置
US10842675B2 (en) 2006-01-20 2020-11-24 Lensar, Inc. System and method for treating the structure of the human lens with a laser
US9545338B2 (en) 2006-01-20 2017-01-17 Lensar, Llc. System and method for improving the accommodative amplitude and increasing the refractive power of the human lens with a laser
US8262646B2 (en) 2006-01-20 2012-09-11 Lensar, Inc. System and method for providing the shaped structural weakening of the human lens with a laser
US9889043B2 (en) 2006-01-20 2018-02-13 Lensar, Inc. System and apparatus for delivering a laser beam to the lens of an eye
US8488895B2 (en) * 2006-05-31 2013-07-16 Indiana University Research And Technology Corp. Laser scanning digital camera with pupil periphery illumination and potential for multiply scattered light imaging
ATE447879T1 (de) 2006-07-07 2009-11-15 Od Os Gmbh Ophthalmoskop
US9262697B2 (en) * 2006-09-25 2016-02-16 Cambridge Research & Instrumentation, Inc. Sample imaging and classification
DE102007055530A1 (de) * 2007-11-21 2009-05-28 Carl Zeiss Ag Laserstrahlbearbeitung
US20090161203A1 (en) * 2007-11-26 2009-06-25 Michael Kempe Method and Configuration for the Optical Detection of an Illuminated Specimen
US8467842B2 (en) * 2010-02-10 2013-06-18 Tokitae Llc Systems, devices, and methods including multi-harmonic optical detection of hemozoin nanoparticles
US8385997B2 (en) 2007-12-11 2013-02-26 Tokitae Llc Spectroscopic detection of malaria via the eye
US8348429B2 (en) 2008-03-27 2013-01-08 Doheny Eye Institute Optical coherence tomography device, method, and system
US11839430B2 (en) 2008-03-27 2023-12-12 Doheny Eye Institute Optical coherence tomography-based ophthalmic testing methods, devices and systems
JP5546112B2 (ja) * 2008-07-07 2014-07-09 キヤノン株式会社 眼科撮像装置および眼科撮像方法
EP3884844A1 (en) 2008-07-18 2021-09-29 Doheny Eye Institute Optical coherence tomography-based ophthalmic testing methods, devices and systems
US8500723B2 (en) 2008-07-25 2013-08-06 Lensar, Inc. Liquid filled index matching device for ophthalmic laser procedures
US8480659B2 (en) 2008-07-25 2013-07-09 Lensar, Inc. Method and system for removal and replacement of lens material from the lens of an eye
KR101061004B1 (ko) * 2008-12-10 2011-09-01 한국전기연구원 광역학 치료 및 광 검출을 위한 장치
US8970707B2 (en) * 2008-12-17 2015-03-03 Sony Computer Entertainment Inc. Compensating for blooming of a shape in an image
US20100325801A1 (en) * 2009-06-29 2010-12-30 Tucker Holly S Free standing pillow that mimics a headboard
US8758332B2 (en) 2009-07-24 2014-06-24 Lensar, Inc. Laser system and method for performing and sealing corneal incisions in the eye
US8617146B2 (en) 2009-07-24 2013-12-31 Lensar, Inc. Laser system and method for correction of induced astigmatism
EP2456384B1 (en) 2009-07-24 2023-09-20 LENSAR, Inc. System for providing laser shot patterns to the lens of an eye
US8382745B2 (en) 2009-07-24 2013-02-26 Lensar, Inc. Laser system and method for astigmatic corrections in association with cataract treatment
CN102639078B (zh) 2009-07-24 2015-10-21 能斯雅有限公司 一种为眼睛晶状体实施激光雷达辅助手术的系统和方法
EP2301425B1 (de) 2009-09-29 2019-11-20 OD-OS GmbH Ophthalmoskop zum Beobachten eines Auges
EP2301424B1 (de) 2009-09-29 2015-07-08 OD-OS GmbH Ophthalmoskop mit einer Laservorrichtung
EP2531089B1 (en) 2010-02-01 2023-04-05 LENSAR, Inc. Purkinjie image-based alignment of suction ring in ophthalmic applications
US8781184B2 (en) 2010-02-10 2014-07-15 Tokitae Llc Systems, devices, and methods for detection of malaria
US9044141B2 (en) 2010-02-10 2015-06-02 Tokitae Llc Systems, devices, and methods including a dark-field reflected-illumination apparatus
USD694890S1 (en) 2010-10-15 2013-12-03 Lensar, Inc. Laser system for treatment of the eye
USD695408S1 (en) 2010-10-15 2013-12-10 Lensar, Inc. Laser system for treatment of the eye
ES2937241T3 (es) 2010-10-15 2023-03-27 Lensar Inc Sistema y método de iluminación controlada por barrido de estructuras dentro de un ojo
DE102010050693A1 (de) 2010-11-06 2012-05-10 Carl Zeiss Meditec Ag Funduskamera mit streifenförmiger Pupillenteilung und Verfahren zur Aufzeichnung von Fundusaufnahmen
DE102010063965A1 (de) * 2010-12-22 2012-06-28 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Vorrichtung und Verfahren zur Bestimmung von Objekten einer Farbaufnahme
US10463541B2 (en) 2011-03-25 2019-11-05 Lensar, Inc. System and method for correcting astigmatism using multiple paired arcuate laser generated corneal incisions
US8237835B1 (en) 2011-05-19 2012-08-07 Aeon Imaging, LLC Confocal imaging device using spatially modulated illumination with electronic rolling shutter detection
DE102011053880B4 (de) * 2011-09-23 2023-11-09 Carl Zeiss Ag Vorrichtung und Verfahren zum Abbilden eines Augenhintergrunds
US20130229620A1 (en) * 2012-03-05 2013-09-05 Daniel X. Hammer Enhanced Sensitivity Line Field Detection
US9628676B2 (en) 2012-06-07 2017-04-18 Complete Genomics, Inc. Imaging systems with movable scan mirrors
US9488823B2 (en) * 2012-06-07 2016-11-08 Complete Genomics, Inc. Techniques for scanned illumination
US20150272438A1 (en) * 2012-10-24 2015-10-01 The Uab Research Foundation Imaging retinal intrinsic optical signals
JP5639670B2 (ja) 2013-02-01 2014-12-10 浜松ホトニクス株式会社 画像取得装置及び撮像装置
JP6128902B2 (ja) * 2013-03-08 2017-05-17 株式会社ミツトヨ 形状測定装置
US10772497B2 (en) 2014-09-12 2020-09-15 Envision Diagnostics, Inc. Medical interfaces and other medical devices, systems, and methods for performing eye exams
US9226856B2 (en) 2013-03-14 2016-01-05 Envision Diagnostics, Inc. Inflatable medical interfaces and other medical devices, systems, and methods
US9456746B2 (en) 2013-03-15 2016-10-04 Carl Zeiss Meditec, Inc. Systems and methods for broad line fundus imaging
JP6141140B2 (ja) * 2013-08-08 2017-06-07 株式会社トプコン 眼科撮影装置
JP5632060B1 (ja) * 2013-10-07 2014-11-26 佐鳥 新 ハイパースペクトルカメラおよびハイパースペクトルカメラ用プログラム
EP2899583A3 (en) 2014-01-26 2015-08-12 Matthew Stefan Muller Periodic fringe imaging with structured pattern illumination and electronic rolling shutter detection
CN103767675A (zh) * 2014-02-24 2014-05-07 南开大学 成像角膜曲率计光学系统
US20170019575A1 (en) * 2014-07-24 2017-01-19 Omnitek Partners Llc Optical Methods and Devices For Enhancing Image Contrast In the Presence of Bright Background
JP6463047B2 (ja) * 2014-09-05 2019-01-30 キヤノン株式会社 眼科装置及び眼科装置の作動方法
US10070785B2 (en) 2014-09-12 2018-09-11 Centervue S.P.A. Eye examination apparatus
US10105049B2 (en) 2015-01-16 2018-10-23 Massachusetts Institute Of Technology Methods and apparatus for anterior segment ocular imaging
EP3349642B1 (en) 2015-09-17 2020-10-21 Envision Diagnostics, Inc. Medical interfaces and other medical devices, systems, and methods for performing eye exams
US10101154B2 (en) * 2015-12-21 2018-10-16 Intel Corporation System and method for enhanced signal to noise ratio performance of a depth camera system
EP3448234A4 (en) 2016-04-30 2019-05-01 Envision Diagnostics, Inc. MEDICAL DEVICES, SYSTEMS AND METHODS FOR OPERATING OCULAR EXAMINATIONS AND OCULOMETRY
JP2020508719A (ja) * 2017-02-15 2020-03-26 コンティンユーズ バイオメトリクス リミテッドContinUse Biometrics Ltd. リモートセンシングにおいて使用するためのシステムおよび方法
EP3585247A4 (en) * 2017-02-27 2020-10-07 ZeaVision, LLC REFLECTOMETER AND METHOD OF MEASURING MACULAPIGMENT
US10761602B1 (en) * 2017-03-14 2020-09-01 Facebook Technologies, Llc Full field retinal imaging system for characterization of eye trackers
US10416430B2 (en) * 2017-05-10 2019-09-17 Applejack 199 L.P. Focusing of optical devices
IT201700071789A1 (it) 2017-06-27 2018-12-27 Centervue S P A Apparato d’ispezione del fondo oculare
US11885946B2 (en) 2018-01-26 2024-01-30 University Of Washington Apparatuses and methods for multi-direction digital scanned light sheet microscopy
JP7441588B2 (ja) * 2018-09-25 2024-03-01 カール ツアイス メディテック アクチエンゲゼルシャフト スリット走査型眼底撮像装置の改良
CN109302599A (zh) * 2018-11-26 2019-02-01 体验科技股份有限公司 一种立体成像的方法
CN109691977B (zh) * 2018-12-29 2023-11-28 佛山科学技术学院 非共聚焦自适应光学成像系统
JP7430999B2 (ja) * 2019-09-10 2024-02-14 株式会社トプコン 眼科装置、及びその制御方法
CN114364304A (zh) 2019-09-11 2022-04-15 株式会社拓普康 眼科装置、其控制方法以及程序
JP7216218B2 (ja) 2019-09-11 2023-01-31 株式会社トプコン 眼科装置
CN114401663A (zh) 2019-09-11 2022-04-26 株式会社拓普康 用于立体彩色眼睛成像的方法和设备
JP7430193B2 (ja) * 2019-09-11 2024-02-09 株式会社トプコン 眼科装置、及び眼科システム
EP4094675A1 (en) 2020-01-23 2022-11-30 Topcon Corporation Ophthalmic device and method for controlling same
JP2021142172A (ja) 2020-03-13 2021-09-24 株式会社トプコン 眼科装置、その制御方法、及びプログラム
JP2021142173A (ja) * 2020-03-13 2021-09-24 株式会社トプコン 眼科装置、その制御方法、及びプログラム
JP7460406B2 (ja) 2020-03-19 2024-04-02 株式会社トプコン 眼科装置、その制御方法、及びプログラム
JP7469090B2 (ja) 2020-03-19 2024-04-16 株式会社トプコン 眼科装置、その制御方法、及びプログラム
EP4133993A4 (en) 2020-04-06 2024-05-08 Topcon Corporation OPHTHALMOLOGICAL DEVICE
CN116568202A (zh) 2020-12-09 2023-08-08 株式会社拓普康 眼底观察装置
JP2023060421A (ja) 2021-10-18 2023-04-28 株式会社トプコン 眼科装置

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6820897B2 (en) * 1992-05-05 2004-11-23 Automotive Technologies International, Inc. Vehicle object detection system and method
DE3422144A1 (de) 1984-06-14 1985-12-19 Josef Prof. Dr. 6900 Heidelberg Bille Geraet zur darstellung flaechenhafter bereiche des menschlichen auges
US5583795A (en) 1995-03-17 1996-12-10 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Apparatus for measuring eye gaze and fixation duration, and method therefor
US5895415A (en) * 1995-06-06 1999-04-20 Optobionics Corporation Multi-phasic microphotodiode retinal implant and adaptive imaging retinal stimulation system
US6061092A (en) * 1997-12-05 2000-05-09 Intel Corporation Method and apparatus for dark frame cancellation for CMOS sensor-based tethered video peripherals
US7073129B1 (en) * 1998-12-18 2006-07-04 Tangis Corporation Automated selection of appropriate information based on a computer user's context
US6120461A (en) * 1999-08-09 2000-09-19 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Apparatus for tracking the human eye with a retinal scanning display, and method thereof
JP2005507727A (ja) * 2001-10-16 2005-03-24 ザ スキーペンズ アイ リサーチ インスティテュート インコーポレイテッド 網膜造影デジタル処理デバイス
JP3637907B2 (ja) * 2002-03-14 2005-04-13 セイコーエプソン株式会社 色合成光学系の製造方法、色合成光学系の製造装置、およびプロジェクタの製造方法
JP2004266597A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Shoji Kawahito 全画素同時電子シャッタ機能つきイメージセンサ
JP2005030774A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 Art Denshi Kk クリーム半田バンプの形状測定方法および形状測定装置
NL1024082C1 (nl) * 2003-08-11 2005-02-14 Michiel Herman Mensink Confocale multi-kleuren scanning laser ophthalmoscoop.
US7145661B2 (en) * 2003-12-31 2006-12-05 Carl Zeiss Meditec, Inc. Efficient optical coherence tomography (OCT) system and method for rapid imaging in three dimensions
JP2006121151A (ja) * 2004-10-19 2006-05-11 Sony Corp 信号処理方法および信号処理装置並びに物理情報取得装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5735211B2 (ja) 簡単な光学系と多重散乱光結像機能とを備えたレーザー走査デジタルカメラ
JP2009538697A5 (ja)
US8488895B2 (en) Laser scanning digital camera with pupil periphery illumination and potential for multiply scattered light imaging
EP1441640B1 (en) Imaging device for imaging a focal plane of a target within the eye through the pupil of the eye
JP4621496B2 (ja) ラインスキャン検眼鏡
CN102438505B (zh) 一种眼科oct系统和眼科oct成像方法
AU2002363421A1 (en) Device for digital retinal imaging
JP6045895B2 (ja) 眼科観察装置
US8192025B2 (en) Non-contact optical coherence tomography imaging of the central and peripheral retina
JP6775302B2 (ja) 眼科撮影装置
JP6776076B2 (ja) Oct装置
JP6915968B2 (ja) 眼科用手術顕微鏡
JP6279682B2 (ja) 眼科観察装置
US20110096294A1 (en) Non-contact optical coherence tomography imaging of the central and peripheral retina
JP7029324B2 (ja) 光源制御装置、眼科装置、及び光源制御方法
JP2022071191A (ja) 眼科装置、及びその制御方法