JP2009536340A - 濃度測定用のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス - Google Patents
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Abstract
本発明は試料流体中の標的粒子(2)の濃度を決定する方法及び磁気センサデバイスに関する。感受性領域(14)での標的粒子の量は、付属するセンサユニット(10a-10d)によるサンプリング測定信号によって観測される。標的粒子(2)は感受性領域内の結合位置と任意で結合して良い。たとえばラングミュア等温線のようなパラメータにより表される結合曲線は、サンプリングされた測定信号に対してフィッティングされることで、試料中での所望の粒子濃度を決定することができる。しかもサンプリングレートや感受性領域(14)の大きさといったパラメータは、信号対雑音比を向上させるため、現在進行中のサンプリングプロセス中に動的にフィッティングされて良い。本発明の他の実施例では、感受性領域へ入り込む標的粒子の運動、感受性領域を飛び出す標的粒子の運動、又は感受性領域内での標的粒子の運動に対応する単一の事象が検出され、かつ数えられる。
Description
本発明は、試料中での標的粒子の量を決定する方法及びマイクロエレクトロニクスセンサに関する。ここでは感受性領域での標的粒子の量が測定される。しかも本発明は、磁化粒子を検出する磁気センサデバイスに関する。
特許文献1及び特許文献2から、磁性ビーズによってラベルされたたとえば生体分子のような分子を検出するためのマイクロ流体バイオセンサに利用可能なマイクロエレクトロニクス磁気センサが知られている。その磁気センサはたとえば、磁気ビーズによるラベルが付された、たとえば生体分子のような分子を検出するためのマイクロ流体バイオセンサに用いられて良い。当該マイクロセンサデバイスにはセンサユニットのアレイが供される。そのセンサユニットは、磁場を発生させるワイヤと磁化したビーズによって発生する漂遊磁場を検出する巨大磁気抵抗(GMR)を有する。よってGMRの信号はセンサユニット付近でのビーズの数を示唆する。これらバイオセンサ及び同様のバイオセンサの問題は、標的物質の濃度は一般に非常に低いこと、及びそのため測定信号は様々な雑音源によって深刻な妨害を受けることである。しかも測定信号は、たとえばセンサユニットの感度のような読み取り電子機器のパラメータの変化に非常に敏感である。
国際公開第2005/010543号パンフレット
国際公開第2005/010542号パンフレット
ワインシュタイン(L.A.Wainstein)及びズバコフ(V.D.Zubakov)、「雑音からの信号抽出(Extraction of signals from noise)」、プレンティスホール(Prentice-Hall)、イーグルウッドクリフス(Eaglewood Cliffs)、英国、1962年
このような状況に基づいて、本発明は、上述の種類のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス-具体的には磁気バイオセンサ-の精度、堅固さ、及び/又は信号対雑音比を改善する手段を供することを目的とする。好適にはこれらの手段は様々な濃度の標的物質に対して機能すべきである。
上記目的は、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサ、請求項2に記載の方法、及び請求項20に記載の磁気センサによって実現される。好適実施例は従属請求項に記載されている。
本発明によるマイクロエレクトロニクスセンサデバイスは試料中での標的粒子の量を決定することを目的とする。標的粒子はたとえば、タンパク質やヌクレオチドのような生体分子であって良い。生体分子は一般的には、磁気ビーズや蛍光分子のようにすぐに検出できるラベルと結合する。標的粒子の「量」は試料中での濃度で表される。試料は典型的には流体-つまり液体又は気体-である。当該マイクロエレクトロニクスセンサデバイスは以下の部品を有する。
a) 試料を供する試料チャンバ。当該試料チャンバは一般的には空の空間であるか、又は試料吸収できるゲルのような物質で満たされた空間であって良い。当該試料チャンバは、開放された空間、閉じられた空間、又は流体接続チャネルによって他の空間と接続した空間であって良い。
b) 前記試料チャンバに隣接する、又はその内部に存在する感受性を有する(1次元、2次元、又は3次元の)領域。当該感受性領域はたとえば前記試料チャンバの壁の一部であって良い。例外的な場合では、当該感受性領域は試料チャンバ全体を有して良い。
c) 前記感受性領域内での標的粒子の量に関連する測定信号を繰り返しサンプリングする少なくとも1つのセンサユニット。当該センサユニットはたとえば、標的粒子と関連する光学特性、磁気特性、及び/又は電気特性の測定に適合されて良い。サンプリングは時間上の離散的な点での所与のサンプリングレートで行われて良いし、又は測定信号は(擬)連続的に得られても良い。
d) 前記センサユニットによってサンプリングされた測定信号から試料中での標的粒子の量を決定する評価ユニット。当該評価ユニットは、専用ソフトウエアによって前記センサユニットと同一基板上で実現されて良いし、かつ/又は適切なソフトウエアが備えられた外部データ処理装置(マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ等)によって実現されても良い。
本発明はさらに試料チャンバ中に供される試料中での標的粒子の量を決定する方法に関する。当該方法は以下の手順を有する。
a) 前記試料と感受性領域を接触させる手順。
b) 前記感受性領域内での標的粒子の量を示唆する測定信号を、少なくとも1つのセンサユニットによって繰り返しサンプリングする手順。
c) 前記のサンプリングされた測定信号から、前記試料中での標的粒子の量を、評価ユニットによって決定する手順。
上述したマイクロエレクトロニクスセンサデバイス及び方法は、試料中での標的粒子の量が、観察期間中に連続的にサンプリングされた複数の測定信号に基づいて決定される、という利点を有する。よってその決定は冗長性を利用して、従来技術では一般的である信号測定よりも高い精度を実現することができる。しかも測定誤差の推定は、サンプリングされた測定の統計的解析によって供されて良い。
以降では、上述したマイクロエレクトロニクスセンサデバイスと方法の両方に適用される好適実施例について説明する。
本発明の第1好適実施例では、感受性領域は標的粒子にとっての特定結合位置を有する。当該感受性領域はたとえば、相補的生体標的分子と選択的に結合できるハイブリダイゼーションプローブでコーティングされた試料チャンバの壁の一部であって良い。よって関心標的粒子は当該感受性領域内で選択的に増やすことができる。それにより、測定は、その標的粒子に固有でかつ測定信号の振幅を増大させるものとなる。
上述の方法の他の発展型では、前記少なくとも1つのセンサユニットによって供される測定信号は結合位置に結合する標的粒子の量を示唆する。このようにするにはたとえば、前記感受性領域を十分小さくして、前記感受性領域の体積を、標的粒子が1つの結合位置に付着する場合にのみ存在できる程度にすることによって実現されて良い。最終的に、洗浄手順(たとえば流体の交換、又は自由標的粒子の磁気斥力)によって前記感受性領域から未結合の標的粒子を除去することで、測定信号が結合した標的粒子にのみ依存するようにすることが可能である。
上述の実施例の他の変化型では、パラメータで規定される結合曲線はサンプリングされた測定信号にフィッティングされる。前記のフィッティングされたパラメータのうちの少なくとも1つは試料中での標的分子の量を直接示唆することが好ましい。その結合曲線はたとえば結合過程の理論的モデルによって供されて良いし、又は単純に曲線フィッティングのための多目的関数(たとえば多項式、正弦曲線、ウエーブレット、スプライン等)から得られても良い。試料中での標的粒子の量は明らかに結合キネティックスに重要な影響を及ぼすので、結合曲線は決定されるこの値を特に反映する。
上述した方法を実現する上で特に重要なことには、結合曲線としてラングミュア等温曲線を適用することが含まれる。ラングミュア等温曲線は広範にわたる様々な結合過程を表す。
パラメータによって規定される結合曲線のフィッティング-つまり結合曲線のパラメータの調節-は一般的に、この目的にとって数学上既知である任意の方法によって実現されて良い。フィッティングは、線形又は重み付けされた最小自乗回帰分析によって実現されることが好ましい。重み付けされた最小自乗回帰分析では、重みはたとえば、粒子数の2乗根と通常一致する予想された又は理論的な雑音レベルによって決定されて良い。
上述した方法の中心的態様では、試料中での標的粒子の量は一連の測定信号から決定され、これらの測定の冗長性は最終結果の精度の改善及び誤差推定の提供に用いられる。本発明の他の発展型によると、一連の測定信号はさらに、測定装置の設定及びパラメータの値を動的(つまり進行中のサンプリング過程中)に調節して、最終結果の信号対雑音比を改善するのに利用される。動的に調節可能なパラメータの特に重要な一例は、サンプリングレート、つまり結合標的粒子の量を示唆する測定信号がセンサユニットによって生成される周波数、である。特に重要である他のパラメータは感受性領域のサイズである。このサイズは様々な種類の雑音に対して反対の効果を有するので、発生する雑音が最小となる最適値が存在する。
本発明の好適実施例では、サンプリングレートは、感受性領域内での標的粒子の結合位置への結合率以上のオーダー(つまり結合率の約5%以上)となるように調節される。前記結合率は、単位時間に感受性領域へ結合する標的粒子の正味の数を表す。サンプリングレートを平均として結合率以上にすることで、各結合事象は測定信号によって捕獲される。よって結合過程に関する完全な情報が供される。
上述の実施例では、サンプリングレートはサンプリング過程の最初に一度調節することができる。しかし結合率がサンプリング過程中の一時的に取得可能な測定信号から推定され、かつサンプリングレートが結合率の上記推定に従って動的に調節される場合には、決定結果を改善することができる。よって、試料及びその中に存在する標的物質の量についてのこれまでの知識がなくてもサンプリング過程を開始し、かつ1つ以上の手順で、最も新しい利用可能な情報に基づく、その過程に係る1つの重要なパラメータとしてのサンプリングレートを改善することが可能である。
感受性領域のサイズは、サンプリングレートの所与の値に基づいて任意に調節されて良い。前記調節は典型的には、理論的又は実験的に決定された信号対雑音比が最適化されるように行われる。上述の原理に従って、サンプリングレートの所与の値はたとえば、サンプリング過程の開始前、又は現在進行中のサンプリング過程の最中に決定されて良い。よって感受性領域のサイズは、サンプリング過程の開始時に一度、又はサンプリングレートの最も新しい値に基づいた上でこの過程中に動的に、調節されて良い。
感受性領域のサイズを調節する好適方法は、様々な数のセンサユニットを1つの「スーパーユニット」へ機能的に結合させることである。
すでに述べたように、当該センサユニットは磁場を測定するのに特に適合させることができる。この変化型の好適実施例では、当該センサユニットは磁場を測定する少なくとも1つの磁気センサ素子を有する。前記センサ素子は具体的には、コイル、ホールセンサ、平面型ホールセンサ、フラックスゲートセンサ、SQUID(超伝導量子干渉装置)、磁気共鳴センサ、磁気抵抗センサ、又は磁気抵抗素子を有して良い。磁気抵抗素子とはたとえば、GMR(巨大磁気抵抗)、TMR(トンネル磁気抵抗)、又はAMR(異方性磁気抵抗)素子である。
当該センサユニットは、感受性領域内で磁気励起場を発生させる少なくとも1つの磁場発生装置をさらに有して良い。よって磁気部分(たとえば磁気ビーズを有する標的粒子)は、励起された反応場によって磁気部分の存在を検出するために磁化されて良い。
本発明のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス及び/又は方法に係る他の発展型では、センサユニットによって供される測定信号は、(少なくとも)限られた数の標的粒子の感受性領域へ入り込む運動、感受性領域から飛び出す運動、及び/又は感受性領域内での運動に明確に関連する「事象」を示唆する。限られた数は「1」であることが好ましい。つまり測定信号が個々の標的粒子の運動に関連する事象を分解できることが好ましい。1つ又は数個の標的粒子によって引き起こされる事象の検出によって、検査中の系の微視的振る舞いに関する知見が与えられる。その知見は試料中での標的粒子の量を決定するのに有利に利用されて良い。この方法の具体的実施例は以降でより詳細に説明される。
評価ユニットはたとえば、測定信号によって示唆される事象の検出及び計数に対して適合されて良い。(擬)連続的な測定信号中での1つの事象の検出はたとえば、その事象の特定の信号形状に敏感な適合フィルタを介して実現されて良い。たとえばデジタルマイクロプロセッサによってすぐに実現可能な、検出された事象の計数により、感受性領域内での標的粒子の量に直接関連するデータが供される。計数された事象はたとえば、感受性領域へ個々の標的粒子が入り込むこと、又は感受性領域から個々の標的粒子が飛び出すことに対応する場合、感受性領域内部の標的粒子の合計数は、感受性領域に標的粒子が存在しない状態を起点として、最初からその過程を観察することによって決定することができる。この計数法の重大な利点は、特定の形状が広範囲に変化する場合、事象は高い信頼性で認識可能であるため、事象の検出はたとえばセンサ電子機器の変化に対して非常に安定していることである。これは、アナログ過程に対するデジタルデータの符号化及び処理の高い安定性に匹敵する。
好適には評価ユニットは、ある事象に関連する測定信号の変化率及び/又は振幅ステップの決定に対して適合されて良い。振幅ステップは明らかに感受性領域へ入り込む、又は感受性領域を飛び出す標的粒子数についての情報を含む。振幅ステップが起こる変化率もまた奇矯な情報を供することができる。その理由は、振幅ステップが起こる変化率は、標的粒子の運動速度に関連するからである。よって変化率を決定することでたとえば、試料中での標的粒子の平均速度を決定することが可能となる。
他の実施例によると、評価ユニットは、個々の標的粒子の運動に対応する事象と塊を構成する複数の標的粒子の運動に対応する事象とを区別するように適合されて良い。標的粒子-具体的には磁気ビーズによってラベルが付された粒子-が塊を構成することは通常望ましくないが、試料中で生じる不可避な過程である。塊を構成する標的粒子は大抵の場合測定結果に支配的な影響を及ぼす。たとえば1つの結合位置に4つの標的粒子が結合して構成される1つの塊はたとえば、4つ結合位置を4個の各独立した標的粒子が占めていると間違って解釈される恐れがある。従って塊によって引き起こされる効果が個々の粒子の効果と区別できる場合、測定結果の精度を改善することができる。記載された実施例では、個々の標的粒子と塊を構成する標的粒子との係る区別はたとえば、運動速度の違いに基づいて実現されて良い。運動速度は一般的には、個々の粒子の方が塊よりも速い。
評価ユニットはさらに、標的粒子が感受性領域へ入り込むことに対応する事象及び/又は標的粒子が感受性領域から飛び出すことに対応する事象から、感受性領域内での未結合標的粒子の量を決定するように適合されて良い。自由に運動する標的粒子、つまり感受性領域内の結合位置に固定されていない標的粒子は、通常はその熱運動のため、酔歩に従う。係る標的粒子が感受性領域と他の残りの試料チャンバとの間の界面を交差する率は、前記界面の両面での標的粒子の量(色具体的には粒子の濃度)に依存する。よって界面を交差する事象を検出することで、前記量の推定が可能となる。
本発明は、関連する(1次元、2次元、又は3次元)感受性領域内での磁化した粒子を検出するための電気駆動する磁気センサ部品を有する磁気センサデバイスをさらに有する。前記感受性領域のサイズは動的に調節されて良い。本明細書において、「動的調節」とは、外部コマンドすなわち入力によって、任意の回数だけ起こすことが可能な感受性領域の変化と解される。その語は特に、本明細書で意味するところの修正と、磁気センサデバイスの製造時での設計変更又はそのデバイスの物理的再構築とを区別すべきである。その設計変更もデバイスの物理的再構築も当然のことながら常に可能である。しかも磁気センサ部品は明らかに、検出される磁化された粒子を示唆する測定信号を供するため、駆動に用いられる電気エネルギーを必要とする。
感受性領域を動的に調節することで、磁化した粒子の検出に重大な影響を及ぼすことが分かっているパラメータの調節が可能となる。この手法の肯定的効果は、磁気センサデバイスに関する特定の実施例について以降で詳述される。
一般的には、上述した種類の磁気センサデバイスでは、感受性領域のサイズを変化させる多くの可能性が存在する。好適な実現形態では、磁気センサ部品は、並列又は直列に選択的結合が可能な複数の磁気センサ素子を有する。様々な数の各独立した磁気センサ素子、及び/又は様々な各独立した磁気センサ素子の配置を1つの「スーパーユニット」に結合させることにより、全ての結合した磁気センサ素子の個々の感受性領域からなる感受性領域は、所望のように階段状に適合させることができる。よって感受性領域の変化はたとえば、適切なスイッチを開閉することによる結合した磁気センサ素子のネットワークの再構成によって実現されて良い。
上記実施例の他の発展型によると、磁気センサ素子は、結合した磁気センサ素子の所定の分布が所与の検査領域内で実現されるように選択的に結合して良い。ここで前記分布は均一であることが好ましい。よって全検査領域が実効的に各異なる感受性領域で覆われて良い。
本発明の他の発展型では、磁気センサデバイスは関連する励起領域内で(励起)磁場を発生させる電気駆動する磁場発生装置を有する。ここで前記励起領域のサイズは動的に調節されて良い。磁場発生装置は供給された電気エネルギーを用いて磁気励起場を発生させる。その磁気励起場は、以降で磁気センサ部品によって検出される粒子を磁化するのに用いられることが好ましい。
繰り返しになるが動的に調節可能な励起領域を実現させるには多くの可能性が存在するが、磁場発生装置は、並列又は直列に選択的結合が可能な複数の磁気励起素子を有する。さらにこれらの磁気励起素子は、結合した磁気励起素子の所定の(好適には均一の)分布が所与の検査領域内で実現されるように結合できることが好ましい。
一般には、磁気センサ部品に関連する感受性領域及び磁場発生装置に関連する励起領域は分離して良い。しかしこれらの領域は部分的又は全体的に重なっていることが好ましい。
感受性領域又は励起領域の調節は、様々な目的のために利用されて良い。感受性領域のサイズ及び/又は励起領域のサイズは、磁気センサデバイスの信号対雑音比が最適化されるように調節されることが好ましい。その理由は、解析結果は信号対雑音比が前記領域のサイズによる影響を受けることを示しているからである。
しかも感受性領域のサイズ及び/又は励起領域のサイズは、熱(つまり温度依存する)雑音と統計的雑音(つまり磁化した粒子によって引き起こされる雑音)との比が磁気センサ部品の全信号内において所定の値に実現されるように調節されて良い。前記比は任意で公称値の80%から120%の間で変化して良い。図を参照しながらより詳細に説明されるように、雑音の比は典型的には信号対雑音比の重要な影響を及ぼす。
センサ素子は具体的には、コイル、ホールセンサ、平面型ホールセンサ、フラックスゲートセンサ、SQUID(超伝導量子干渉装置)、磁気共鳴センサ、磁気抵抗センサ、又は磁気抵抗素子を有して良い。磁気抵抗素子とはたとえば、GMR(巨大磁気抵抗)、TMR(トンネル磁気抵抗)、又はAMR(異方性磁気抵抗)素子である。
本発明の具体的実施例では、磁気センサデバイスは互い違いに配置された抵抗を有する。その互い違いに配置された抵抗は、磁気励起素子及び磁気センサ部品として機能する。磁気センサデバイスはたとえば「ワイヤ-GMR-ワイヤ-GMR-…」の配置で構成されて良い。ワイヤは個別的にアドレス指定可能な磁場発生装置である。GMRは個別的にアドレス指定可能なセンサである。
本発明のこれら及び他の態様は以降で説明される(複数の)実施例を参照することによって明らかとなる。
同一の参照番号又は100だけ異なる参照番号は、同一又は同様の部品を表す。
図1は、本発明によるマイクロエレクトロニクスバイオセンサを図示している。当該バイオセンサは、(たとえば100個の)センサユニット10a,10b,10c,10dなどのアレイで構成される。当該バイオセンサはたとえば、試料溶液(たとえば血液又は唾液)中での標的粒子2(たとえばタンパク質、DNA、アミノ酸、薬物)の濃度を測定するのに用いられて良い。結合方法の1つの可能な例では、標的粒子2の濃度の測定は、その標的粒子2に結合することのできる第1抗体3を感受性表面14に供することによって実現される。簡明を期すために、ここでは分析される標的粒子は、追跡可能なようにすでにラベルが付されている(つまり磁性粒子すなわちビーズが付着している)ものと仮定する。この仮定が実際に当てはまるか否かは用いられている生化学アッセイ法に依存する。センサユニット10aのワイヤ11及び13を流れる励起電流は、標的粒子2の磁気ビーズを磁化する磁場Bを発生させる。これらの磁気ビーズからの漂遊磁場B’はセンサユニット10aの巨大磁気抵抗(GMR)12の面内磁化成分を導入する。その結果測定可能な抵抗変化が生じる。
図1はさらに、評価及び制御ユニット15を図示している。その評価及び制御ユニット15は、励起ワイヤ11,13及びGMR素子12と結合する。励起ワイヤ11,13は、その評価及び制御ユニット15に適切な励起電流を供する。GMR素子12は、その評価及び制御ユニット15へ適切なセンサ電流を供し、かつGMR素子の測定信号(つまりGMR素子12にわたる電圧降下)をサンプリングする。先述したように、複数の同じように指定されたセンサユニット10a,10b,10c及び10dはこのようにして評価及び制御ユニット15と結合する。従ってこれらのセンサユニットは、1つの「スーパーユニット」として協働する。この1つの「スーパーユニット」は、これらのセンサユニット10a-dの上の領域で定義される感受性領域14内に結合した標的粒子2の量を決定することができる。よって1つの「スーパーユニット」へ様々な個数のセンサユニットを機能的に結合することにより、前記感受性領域14の実効サイズは必要に応じて調節されて良い。
図2は、図1の磁気センサデバイスの変化型を図示している。当該デバイスでは、励起ワイヤ11とGMR素子12は互い違いに配置されている。この実施例では、各磁場発生装置は、図1に図示されているように2つのワイヤ11,13ではなく1つのワイヤ11のみからなる。従って各励起ワイヤ11の効果は隣接するGMR素子12間で共有され、かつ図示されたセンサユニット10a,10b,10c,10dなどへの分割は任意となる。
測定される標的粒子2の濃度は、生化学用途にもよるが非常に低いと考えられる。検出限界を可能な限り低くするには、電子機器及び検出アルゴリズムは最適化されなければならない。さらに当該デバイスは好適には、様々な種類の標的粒子の検出が可能でなければならない。様々な種類の標的粒子を検出するには、1つのダイの上に複数のセンサを必要とする。
以降では、最初に磁気バイオセンサの信号対雑音比(SNR)が、その磁気バイオセンサの感受性領域-つまり「センサ領域」-のサイズを、センサ領域によって異なる様々な雑音源に対して最適化することによって最適化可能であることを示唆する。示された解析では、SNRは最適化が実行される際の性能を示唆する指標であり、かつ典型的には全許容損失は温度及びバッテリー寿命によって制限されるため、最適化過程中では一定の許容損失が推定される。しかもセンサ領域のスケーリングは、複数のセンサユニット(たとえばセンサユニット10a〜10d)を結合する効果について述べることによって論じられる。
図3は、各々がRsenseの抵抗を有するn個の直列に接続するGMR抵抗器及びこれらの直列に接続するGMR抵抗器を並列に接続したもの、を含む「スーパーユニット」の概略的接続図を図示している。付属する磁場発生装置について、その接続法が「スーパーユニット」内で実現される。ここで留意すべきことは、各磁場発生装置は複数の独立した励起ワイヤ(たとえば図1の場合であれば2本のワイヤ11,13で、図3の場合であれば1本のワイヤ11)で構成されて良いこと、及び記号Rexcは各磁場発生装置の全抵抗(たとえば図1の場合であれば2本の独立したワイヤ11,13の並列抵抗に相当する)を表すことである。以降の検討は図1の実施例に基づき、かつ図1の実施例で定義されたRexcを用いる。
如何にしてSNRがセンサ領域と共に変化するのかを決定するため、センサ信号及び主な雑音源へのスケーリング効果について最初に論じる。
図3の完全な回路には、全電流I’senseが供され、励起ワイヤの場合であれば全電流I’excが供される。直列/並列接続ネットワークについては、スーパーユニットセンサ全体の全抵抗R’sense及びスーパーユニット磁場発生装置全体の全抵抗R’excは図4の式(1)で与えられる。同一の許容損失を維持するため、直列/並列接続ネットワークを流れる全検知電流I’sense及び全励起電流I’excは式(2)のように変化しなければならない。ここでI’senseは抵抗R’senseを流れる検知電流で、I’excは抵抗R’excを流れる励起電流である。抵抗R’senseと抵抗R’excは同一の許容損失を有する。
個々のセンサ素子によって供されるセンサ信号Sは式(3)のように表されて良い。ここでIsenseはセンサ素子を流れる電流、Ssenseはセンサ素子の感度(dR/dH)H=0/R、Rsenseはセンサ素子の抵抗、Iexcは関連する励起素子を流れる電流、nbeadはセンサ素子の関連する領域上でのビーズの数で、χbeadは1つのビーズの磁気感受率である。
同様に、直列/並列接続ネットワークの信号変化S’は式(4)で表されて良い。因子1/mは、直列/並列接続ネットワークを流れる電流分布に起因する励起電流の減少を表す。式(1)と(2)を代入することによって、信号S’が信号Sで表されて良い。
個々のセンサ素子の熱雑音出力Nth 2は式(5)のように表されて良い。ここでkはボルツマン定数、Tは絶対温度で、Bは帯域である。熱雑音出力は磁気センサ部品の全抵抗に対して直接的に変化する。従って直列及び並列に接続したユニットで構成されるネットワークについては、熱雑音出力は式(6)のように表されて良い。
センサ信号にばらつきを生じさせる雑音源は他にもいくつか存在する。
1.ビーズへのセンサの応答はセンサ表面上のビーズ位置の関数である。
2.ビーズの感受率は変化する。このことはビーズが異なれば与えられる信号も異なり得ることを意味する。
3.(ポアソン)分布したビーズの到達率。
これらの雑音源はセンサ領域に対して同じように変化するので、これらの雑音源はここでは一度に処理される。1つのセンサ素子の統計的雑音出力Nstat 2は、式(7)で表されるような直列/並列接続ネットワークの統計的雑音の寄与に変換される。従ってネットワーク全体におけるm×n個のセンサユニットの相関しないばらつきは式(8)のようになる。
これらの統計的雑音源は、ネットワーク素子あたりのセンサ信号と共に変化する。従って雑音の寄与は、素子あたりに変換された電流Isense及びIexcを乗じる必要がある。式(9)を参照のこと。
よって全体としての信号対雑音比SNR’は式(10)のように表すことができる。この表式から、2つの非常に重要な結論を得ることができる。
熱雑音に対するSNRは(nm)1/2と共に変化し、かつ統計的雑音に対するSNRは(nm)-1/2と共に変化する。従ってセンサ領域を変化させることによって、両雑音源の寄与間でのバランスを移動させて良い。
全雑音は熱雑音源及び統計的雑音源の結合した寄与で構成される。式(10)がnmについて最大化されるとき、最適値が見いだされる。このとき熱雑音源及び統計的雑音源の全寄与は一定の比αである。図1の構成では、αは1に等しい。たとえば隣接する磁気センサ素子間で共通の励起ワイヤが存在するような他の構成(図2)では、αは1から外れた値を有する。nmについての値はセンサ領域を最適にするスケーリング因子である。センサ領域についての最適スケーリング因子は式(11)によって表されて良い。
式(10)は、SNRにとっては、複数の素子が直列接続しているか並列接続しているかは問題ではないことを示している。よって直列か並列かの選択は読み取り電子機器に従って行われて良い。
統計的雑音はセンサ信号の関数であるので、その値はセンサ表面上のビーズ濃度と共に変化する。熱雑音は時間に対して一定である。従って最適なセンサ領域は結合標的濃度の関数である。つまり濃度が大きければ、信号は熱雑音よりもはるかに大きくなる。領域を増加させることにより(n×mを増加させることにより)、信号は、良好な統計となるように減少する。
まとめると、センサ表面上のビーズ濃度について最適なセンサ領域を最適化できることが分かった。しかしこのビーズ濃度が常に同一ではない状況が存在する。よって標的濃度が異なればセンサ表面の結合したビーズ濃度も異なる。各濃度について最適なセンサ領域が存在する。最適な性能を得るため、各標的濃度につき各異なるサイズのセンサを用いなければならない。これは全く実用的ではない。各標的濃度につき各異なるサイズのセンサを用いることが非常に困難である理由は、一般的に標的濃度が事前に分からないためである。
後述するように、ビーズの結合過程中にセンサ信号を連続的に測定することは有利である。このことは、センサ表面上のビーズ濃度が時間経過に伴って連続的に増加することを意味する。実験中での最適SNRを維持するため、センサ領域は時間共に変化する必要がある。
これらの状況下で磁気バイオセンサによる最適測定を実行するためには、(活性な)センサ領域を動的に適合できるセンサが必要である。これは、センサ領域全体を複数のブロックに分割することによって実現されて良い。表面上のビーズの濃度に依存して、1つ以上のセンサブロックが読み取られて良い。センサ表面上の標的濃度が時間経過と共に増加するとき、最適なSNRは、さらに多くのセンサブロックにわたって全出力を分配させることによって維持されて良い。図5は、この状況を、2次元の検査領域、すなわち個々のセンサ素子に相当する5×5のタイルで構成されるセンサ領域について図示している。センサ素子を個別的にアドレス指定することによって、活性センサ領域(暗いタイル)は適合されて良い。図5の左から右へ、ますます高くなる濃度を測定するため、より多くのセンサ素子がオン状態に切り換えられる。センサ領域にわたる温度分布を可能な限り均一に保つためには、センサ領域にわたる活性センサブロックの分布を可能な限り均一にするのが有利である。
上述の観察に基づき、以降では信号解析法について説明する。信号解析法は、低濃度の標的粒子を検出できるようにセンサ装置の信号対雑音比を増大させ、センサ装置の必要な領域を減少させて、1つのダイ上に多くのセンサを設けることを可能にすることでより多種類の物質の同時測定を可能にし、かつセンサ素子の設計を標的粒子の濃度に対して独立させる。
図1に図示されたような磁気センサデバイスのセンサユニット10a,10b,…では、センサ抵抗器12や電子機器からの熱雑音、及びビーズ位置やビーズ径のゆらぎのような様々な因子によって引き起こされる統計的雑音は、信号の精度に影響を及ぼす。バイオセンサの感受性領域を増大させる(これはたとえばN個のセンサユニット10a-10dを並列及び/又は直列に接続することによって実行されて良い)ことによって、信号の統計的ばらつきを減少させることができる。完全な回路中で失われる出力が温度制限により一定となるので、領域を増大させることで励起ワイヤ11,13及びセンサ素子12を流れる電流が減少し、熱雑音に対する信号が減少する。従って感受性領域14内での最適値又はN個のセンサユニットでの最適値が存在する。上で明らかになったように、上述のシナリオの信号対雑音比SNRは、図7に表されている式(1)の一般式を有する。ここでa,b及びcは定数で、b・Nは熱雑音に対応する分散で、かつc/Nは統計的雑音に対応する分散である。Nに対するSN比を最大にすることによって、最適値√(c/b)が得られる。この場合、熱雑音の項は統計的雑音の項に等しくなる。以降で示されるように、信号対雑音比の一般式は、動的信号解析手段によって望ましいように変更されて良い。
1つの特別な種類の標的粒子を検出するため-以降では一般性を失わないようにタンパク質2としておく-、センサ装置の表面は種(抗体)によって調製される。それにより、1つの特別な種類のタンパク質だけが付着する。つまり結合すなわち吸着位置3は関心タンパク質2に固有である。使用されていないセンサ装置では、タンパク質は未だに存在していないため、センサユニットによって磁気ビーズは検出されない。一旦分析される試料溶液が試料チャンバへ運ばれ、かつセンサ表面と接すると、磁気ラベルを有するタンパク質2は調製された感受性領域14との反応を開始する。時間が経つにつれてより多くのタンパク質2が表面14に結合し、かつ時間が経つことでセンサ信号が増大する。時間経過と共に信号が増大する割合は試料溶液中でのタンパク質2の濃度に依存する。その濃度は決定される必要のある実際のパラメータである。ある程度の時間が経過した後、平衡状態に到達する。平衡状態では、タンパク質2が感受性領域14に結合する割合は、タンパク質が再度解放される割合に等しい。この時間依存する吸着機構は「ラングミュア吸着」と呼ばれ、図6はラングミュア吸着に対応する結合曲線の例を図示している。図の横軸は時間tを表し、縦軸はセンサ信号Sを表す。センサ信号Sは感受性領域14に結合するタンパク質の数に対して1次関数的に依存する。
センサ表面の時間依存する占有を記述するには、たとえば溶液中でのタンパク質2の濃度(たとえば単位体積あたりmolで測定される標的濃度[T])、表面上の可能な吸着位置の数(たとえば単位面積あたりの位置数で測定される抗体濃度[Ab])、抗体3へのタンパク質2の付着可能性を表すパラメータ(「前進」反応定数kon)、及び抗体3からのタンパク質2の解放を表すパラメータ(「後退」反応定数koff)のようないくつかのパラメータが重要である。図7の式(2)は対応する反応式を表す。これらのパラメータが与えられると、時間依存する表面被覆は一般に、式(3)によるラングミュア等温曲線によって表される。ここでθ(t)は時刻tにおいてタンパク質によって覆われる表面の割合(より良いのは、タンパク質と反応した抗体の割合)で、τは系の時定数である。濃度及び反応定数の典型的な値(kon=105M-1s-1, koff=10-5s-1,[T]=1pM)では、時定数τは典型的な測定時間tm(たとえば1分)よりもはるかに長いので、t<tmでは表面被覆率は時間に対して1次関数的に増加する。よって単位時間あたりに表面に吸着するタンパク質2の正味の数は式(4)の吸着率rads(すなわち「結合率」)に等しくなる。ここでAunitは1つのセンサユニットの面積で、Nは機能的に結合したセンサユニット10a-10dの数である。
典型的には多数の既知手法で用いられる端点測定では、試料チャンバ1へ試料溶液を注入し、ある期間tmだけ待ち、そしてセンサ信号の読み取りを行う。その信号から、表面上のタンパク質2の数が決定できるので、溶液中での濃度を決定することができる。しかしその信号から、理論的に予測される誤差以外の誤差をその信号中で推定できないことも考えられる。以降では、記載された磁気バイオセンサ装置が結合曲線の傾きを動的に測定できることが示される。結合曲線の傾きを動的に測定できることで、a)単一の端点測定よりもより正確な傾きの決定が可能になり、かつb)同様に傾き中での誤差も推定される。
t=0でのラングミュア等温曲線の傾きは標的濃度[T]に対して1次関数的に依存する。従ってこの傾きを決定することによって、濃度を計算することができる。ラングミュア等温曲線が離散的な数であるn個の測定地点で構成される場合、傾きは線形(又は重み付けされた線形)回帰法を用いて決定されて良い。各測定は、サンプリング時間Δt=tm/nまで続けられ、かつ信号がサンプリングされるサンプリングレートは1/Δtに等しい。センサ信号は結合したタンパク質の数に対して1次関数的に依存するので、時間内での個別の測定からの信号Siは比例定数a’を加えて式(5)で表されて良い。
i・Δtに対する信号の傾きはa’・[T]に等しい。すでに述べたように、信号中の雑音は2つの異なる種類の雑音からなる。その2つの異なる種類の雑音とは、a)センサユニット及び電子機器の熱雑音とb)統計的雑音である。a)は粒子数に依存し、かつサンプリング時間Δtを長くとることで平均的な値に落ち着く。b)は√[T]と共に変化する。個々のデータ点でのばらつきは式(6)によって表される。
n個のデータ点で線形回帰法を用いることによって、傾きa’・[T]の信号対雑音比SNRは式(7)のように書かれて良い。データ点が比較的多い場合(つまりn→∞)では、このSNRは式(8)に還元される。
最大の許容された測定時間tmが与えられると、バイオセンサのSNRは、データ点の数n(つまりサンプリングレート)及びセンサユニットの数Nに対して最適化されなければならない。しかし標的濃度[T]が式(8)中に依然として存在しているので、センサは1つの特定濃度についてしか最適化できない。これは不利である。
この制限を克服するため、データ点の個数nを濃度[T]に適合させることを提案する。より具体的には、サンプリングレートn/tmは、式(9)より、タンパク質の吸着率以上となるように選ばれる。換言すると、このことは、どの吸着事象も情報を有するので、サンプリングレートは全吸着事象を捕獲するのに十分な速さでなければならないことを意味する。吸着率よりも(数桁)遅いサンプリングレートをとると情報を逃してしまうが、サンプリングを速くしても余計な情報は加えられないばかりか、SN比を悪化させることもない。式(9)から得られたnを式(8)に代入することによって、Nに対して信号対雑音比が最大となる最適値Noptは標的濃度[T]に対して独立する。これについては式(10)を参照のこと。
測定開始時での吸着率radsは未知であるため、測定を2つ以上に分割することをさらに提案する。
a) 第1測定期間t1に、吸着率radsがN1個のセンサユニットを有するセンサ構成によって測定されることで、完成したセンサは比較的短期間で吸着率の測定を行うように十分に最適化される。
b) 第2測定期間tm-t1に、サンプリングレートは予想される吸着率rads(式(9)参照)に対して適合し、かつセンサ構成は式(10)に従ってN2個のセンサユニットに変化して、そのSN比を最適化する。
c) 吸着率radsをより良好に推定し、かつより良好なSN比を得るため、必要であれば、同じようにして、第2測定もまた複数に分割されて良い。
d) 分割数の上限では、サンプリングレート及びセンサ構成(センサユニットの数)は、吸着率radsに対して連続的に適合される。
時刻t=tmで1つのデータ点しかとらない端点測定に対する、最適化されたサンプリングレートによって回帰法を用いる方法の利点は4つある。
a) 1つのセンサ設計で全標的濃度についての測定が可能である。
b) 完成したセンサ装置のセンサユニットの数をより少なくすることで、1つのダイ上に多数のセンサを設けることが可能となる。
c) SN比がかなり高くなる。
d) 測定によって誤差に関する推定が与えられる。
図8の表は、提案された動的解析法(右の列B)によって得ることのできるSNRのゲインの結果及びセンササイズ(Nで表される)を、従来技術(左の列A)と比較して与えている。
まとめると、提案した方法の中心的態様は以下の通りである。
1. 端点測定ではなく、t=0からt=tmの間でのラングミュア等温曲線の傾きの直線又は重み付けされた最小自乗回帰直線によって標的粒子の濃度を決定する。
2. サンプリングレートを少なくとも標的の吸着率radsに対して調節する。
3. センサユニットの数Nを増減することによってセンササイズを調節して信号対雑音比を最適化する。
4. 第1センサ構成/設定によって吸着率radsを測定し、かつより最適化された構成/設定での測定を継続することで測定される特定濃度についてSN比を最適化する。
5. 連続的にサンプリングレートを吸着率へ適合させる。
バイオセンサによる端点測定-その測定では、最初に関心標的分子センサ表面上で収集され、それに続いて標的濃度が実際に測定される-を実行する代わりに、本願では、収集過程を動的に測定することを提案した。この提案は、濃度測定をより正確に主なうことができると同時に統計的誤差の推定をも得ることができるという利点を有する。
以降では、本発明の他の実施例について説明する。
その実施例は、個々の標的粒子(又は少なくとも少数の標的粒子)の運動に関連する事象の検出に基づく。この点では、図9は、結合位置3でコーティングされた底面4を有する試料チャンバを有する磁気センサデバイスの1つのセンサユニット110を概略的に図示している。磁気励起ワイヤ111,113及びGMRセンサ112は試料チャンバの底面4の下である基板内に埋め込まれている。励起ワイヤ及びGMRセンサは評価ユニット115と結合している。評価ユニット115は、GMRセンサによって供される測定信号Sを読み取り、かつその測定信号Sを評価する。このセンサユニット110の設計は図1のセンサ素子10a-10dに対応するので、さらなる詳細は図1の記載中に見いだすことができる。
センサ装置は、これまで紹介した図に記載された特徴部位の如何なる組合せをも有して良いことに留意して欲しい(逆もまた真なり)。しかも以降で磁気センサユニット110について記載される検出原理はまた他の種類のセンサにも適用可能であることに留意して欲しい。他の種類のセンサとはたとえば、底面4への入射光ビームの屈折した全内部反射の原理を利用する光センサである。
図9は、「感受性領域」114の界面を破線で示している。感受性領域114は明らかに、標的粒子2がGMRセンサ112内で(測定可能な)反応を引き起こす試料チャンバ1の副体積である。試料チャンバ1内の標的粒子2は、その熱エネルギーのため連続的に運動する。この運動及び感受性領域については、様々な事象が区別されて良い。
感受性領域114へ標的粒子2aが入り込むこと(前記粒子2aは結合位置3に結合しても良いし、又は結合しなくても良い)。
感受性領域114から標的粒子2bが飛び出すこと(その前に前記粒子2bは結合位置3に結合しても良いし、又は結合しなくても良い)。
N>1(図示されている場合ではN=2)個の標的粒子を含む塊2cが感受性領域114へ入り込むこと。
係る塊が感受性領域114から飛び出すこと。
従来バイオセンサは線形領域で動作する。つまりセンサ応答は標的粒子(たとえば感受性領域内の標的分子と結合する超常磁性ビーズ)の密度に比例する。試料体積中の標的粒子の厳密な濃度にセンサ応答を関連づけるため、センサ感度は校正されなければならない。測定中、センサ感度すなわち読み取り装置の特性はわずかに変化して良い。他の制御系にはこれらの変化のチェック及び補正が必要とされる。
これらの問題を解決するため、上述した標的粒子の運動に基づくマイクロエレクトロニクスセンサデバイス用の非線形読み取り法を提案する。この方法は、信号の事象-つまり感受性領域内での標的粒子の運動から生じる短時間の発生又は永続的な信号変化-を検出する従来の線形読み取りとは異なる。
標的粒子の感受性領域への入り込み-具体的には標的粒子の結合-に対応するセンサ信号中の事象を検出及び計数することによって、(再)校正することなく、センサ表面上で固定された標的粒子の数を決定することができる。当該方法はさらに、個々の標的粒子の結合又は塊である粒子の結合に相当する個々の事象の区別を可能にする。それにより、当該検出方法は塊の形成に対して影響を受けにくくなる。
標的粒子が熱運動によって感受性領域へ入り込むような運動、及び感受性領域を飛び出すような運動をするため、センサの上の自由な標的粒子の数は、感受性体積へ入り込む標的粒子及び感受性体積から飛び出す標的粒子に対応するセンサ信号中での事象を検出及び計数することによって決定されて良い。
以降では感受性領域内での特定の事象に対応する信号の数が解析される。しかし提案した方法はこれらの特定の事象又は解析に限定されない。それに加えて、提案した信号解析法は、線形検出法に代わって又はそれを補う形で動作して良い。
ラベルの結合に対応するセンサ信号S中での事象を検出及び計数することによって、センサ表面上での固定された標的粒子の数が決定されて良い。その目的のため、センサ応答がサンプリングされる割合は、個々の結合事象が区別できる程度に十分高くなくてはならない。
図10の曲線”S”は、感受性領域114へ入り込み、かつセンサ表面4と結合する標的粒子2a(図9)から生じる磁気バイオセンサ信号S中での典型的事象を図示している。結合事象は、センサの出力信号Sに小さなステップΔを生じさせる。結合後では標的粒子2aが感受性領域114を離れないので、信号変化は持続的である。多くの標的粒子がセンサ表面に結合する場合、全信号は蓄積されたステップに等しく、かつ最終的な信号強度は標的粒子密度に関連する(線形検出法)。結合事象の数を計測することによって、標的粒子密度をも決定することができる。
結合事象信号の厳密な振幅Δは2番目に重要なので、この非線形法は、粒子ラベル不均一性だけではなく、センサの校正若しくはばらつき、又はセンサ感度とは独立する。
図10の曲線”S_aa”は、2つの独立した標的粒子2aが偶然厳密に同時にセンサ表面4に結合する場合に生じる信号を図示している。対応する信号事象の振幅Δ’は1つの事象(曲線S_a)の場合での応答の2倍である。よって校正されていないセンサでも、これらの複合的又は単一の事象は、振幅の差異に基づいて容易に区別することができる。
実際には、センサ信号Sは雑音によって攪乱される。結合事象に対応する信号形状に係る過去の知識に基づいて、これらの信号に一致するフィルタが構築されて良い(非特許文献1参照)。一致したフィルタは、信号対雑音比を増大させて結合事象を検出する能力を向上させることを目的として信号の後処理システムに用いられて良い。本発明は、結合事象の検出への一致するフィルタの適用を含むが、この方法に限定されるわけではない。センサ信号中での結合事象を検出する他の方法も含まれる。
すでに説明してきたように、標的粒子2は互いに付着してある程度の大きさの塊2cを形成することができる。係る塊2c(N=2の粒子を有する)が感受性領域114へ入り込み、そしてセンサ表面4と結合することに対応するセンサ信号が、図10の曲線”S_c”に図示されている。曲線”S_c”は大きくて深いステップを有する。その大きくて深いステップは、信号の立ち上がり時間-つまり変化率dS/dt-に基づいて、個々の結合事象(曲線S_a)又は複合的結合事象(曲線S_aa)から明確に区別することができる。塊に関連する事象を検出した後、前記塊についてのセンサ出力は補正されて良い。
上述の状況に係るより詳細な解析は、標的粒子の速度が信号ステップの立ち上がり時間を決定するという観察結果から開始される。ここで立ち上がり時間とは、信号が初期値から永続的な値にまで増大するのに必要な時間と定義される。感受性領域114では、標的粒子速度νは、励起ワイヤ111,113によって及ぼされた磁力によって支配的に制御される。図11の式から明らかなように、速度νは標的粒子の粒径dの2乗と共に増大する。ここでχは標的粒子の感受率、V=π/6d3は標的粒子の体積で、かつ3πηdは粘度ηの流体が及ぼす摩擦係数に等しい。標的粒子位置での磁場はBで表される。
大雑把に述べると、N個の標的粒子からなる塊は、N倍の体積すなわちN1/3の粒径を有する1つの標的粒子と見なされて良い。よって前記塊の速度はN2/3と共に増大する。その結果信号の立ち上がり時間は、図10の曲線S_cに図示されているように、この因子と共に増大する。
センサ応答は、ビーズの磁気モーメントに比例するので、標的粒子の感受率及び体積に比例する。その結果、センサ表面に結合する塊からの永続的信号は、1つのビーズの永続的信号よりもかなり大きい。第1近似では、N個の粒子からなる1つの塊によって誘起される信号ステップの振幅は、1つの粒子によって誘起されるステップのN倍である。
ステップ信号の立ち上がり時間と振幅を同時に解析することによって、塊が結合する事象は、1つの標的粒子が結合する事象と区別され得る。しかも、N=2の場合について曲線S_aaと曲線S_cに表されているように、立ち上がり時間を検討することは、N個の粒子からなる塊の結合と、N個の粒子の各々が偶然起こす同時結合とを区別する上で助けになる。
塊が結合する事象に対応する信号形状の過去の知識に基づき、これらの信号に一致するようにフィルタが構築されて良い。本発明は、1つの粒子の結合事象の検出と塊の結合事象の検出の両方に一致したフィルタを適用することを含むが、この方法に限定されるわけではない。
記載された方法の他の態様によると、センサの上の自由標的粒子2の数は、感受性領域114へ入り込む標的粒子2と感受性領域114を飛び出す標的粒子2に対応するセンサ信号S中でのパルスを検出及び計数することによって決定されて良い。熱運動のため、標的粒子2は絶えず感受性領域114に対して出入りするように運動している。感受性領域内での粒子数は空間ポアソン過程として特徴付けられる。空間ポアソン過程では、平均と分散は、体積中での粒子の平均数に等しい。感受性領域114に対して出入りするように運動する標的粒子2に対してセンサが応答する結果、1つのパルスが発生する。明らかに、係るパルスは永続的な値を有していない。その理由は、標的粒子はセンサ感受性領域を飛び出すので、結合事象とは区別されうるからである。拡散時間中でのパルス事象を計数することによって、体積中での標的粒子の数を推定することができる。
感受性領域114内での自由標的粒子2の平均数は、試料体積中の標的粒子の合計数に対して1次関数で規定される関係を有する。特に抑制アッセイ法が小さな分子の検出に用いられる場合、試料体積中での標的粒子数の知識は重要である。
信号事象の立ち上がり時間が標的粒子の速度に比例することはすでに述べた。これまでに説明してきた実施例に含まれる様々な信号の種類の立ち上がり時間の分布を検討することによって、標的粒子2の平均速度が決定されて良い。感受率や体積といった標的粒子(又はそのラベル)の平均特性が既知である場合、その標的粒子に作用する平均磁力を決定することができる。この情報と平均速度の測定から、図11の式に従って流体の粘度ηを得ることができる。
図9から11に図示された実施例の主な利点は、
- センサ感度の校正が不要であること、
- センサ/読み取り電子機器の変化に対して安定していること、
- 超常磁性粒子の不均一性-つまり感受率及び体積-に対して安定していること、
- 塊を構成する粒子ラベルに対して安定していること、
- 連続観察できること、
- 追加のハードウエアを必要としないこと、
である。
- センサ感度の校正が不要であること、
- センサ/読み取り電子機器の変化に対して安定していること、
- 超常磁性粒子の不均一性-つまり感受率及び体積-に対して安定していること、
- 塊を構成する粒子ラベルに対して安定していること、
- 連続観察できること、
- 追加のハードウエアを必要としないこと、
である。
Claims (31)
- 試料中の標的粒子の量を決定するマイクロエレクトロニクスセンサデバイスであって:
前記試料を供する試料チャンバ;
前記試料チャンバに隣接する又は該試料チャンバの内部に存在する、感受性領域;
該感受性領域内での標的粒子の量に関連する測定信号を繰り返しサンプリングする少なくとも1つのセンサユニット;
前記のサンプリングされた測定信号から前記試料中での標的粒子の量を決定する評価ユニット;
を有するマイクロエレクトロニクスセンサデバイス。 - 試料チャンバ中に供される試料中での標的粒子の量を決定する方法であって:
前記試料と感受性領域を接触させる手順;
前記感受性領域内での標的粒子の量を示唆する測定信号を、少なくとも1つのセンサユニットによって繰り返しサンプリングする手順;
前記のサンプリングされた測定信号から、前記試料中での標的粒子の量を、評価ユニットによって決定する手順;
を有する方法。 - 前記感受性領域が前記標的粒子のための特定結合位置を有することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。
- 前記測定信号が前記測定位置に結合する標的粒子の量を示唆することを特徴とする、請求項3に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は方法。
- パラメータで規定される結合曲線が前記サンプリングされた測定信号に対してフィッティングされ、かつ
好適には前記のフィッティングされるパラメータは前記試料中での標的粒子の量を示唆する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。 - 前記結合曲線がラングミュア等温曲線又は該等温曲線を線形化したものであることを特徴とする、請求項5に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は方法。
- 前記フィッティングが、線形又は重み付けされた最小自乗回帰法によって実現されることを特徴とする、請求項5に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は方法。
- 前記感受性領域のサンプリングレート及び/又はサイズが、信号対雑音比を向上させるために動的に調節されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。
- 前記サンプリングレートが、前記感受性領域内での結合位置に対する標的粒子の結合率以上のオーダーに調節されることを特徴とする、請求項3に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は方法。
- 前記結合率が現在取得可能な測定信号から推定されることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は方法。
- 前記感受性領域のサイズが、前記サンプリングレートの所与の値に基づいて調節されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。
- 前記感受性領域のサイズが、様々な数のセンサユニットを結合させることによって調節されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。
- 前記センサユニットが磁場を測定する少なくとも1つの磁気センサ素子を有し、かつ
該少なくとも1つの磁気センサ素子とは特に、コイル、ホールセンサ、平面型ホールセンサ、フラックスゲートセンサ、SQUID、磁気共鳴センサ、磁気抵抗センサ、又は、GMR(巨大磁気抵抗)、TMR(トンネル磁気抵抗)、若しくはAMR(異方性磁気抵抗)素子磁気抵抗素子を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。 - 前記磁気センサ素子は、前記感受性領域内に磁気励起場を発生させる少なくとも1つの磁場発生装置を有することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。
- 前記測定信号は、限られた数の標的粒子が前記感受性領域へ入り込む運動、前記感受性領域を飛び出す運動、及び/又は前記感受性領域内部でする運動、に関連する事象を示唆することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。
- 前記評価ユニットが、前記測定信号によって示唆された前記事象を検出及び計数するように備えられていることを特徴とする、請求項15に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は方法。
- 前記評価ユニットが、事象に関連する前記測定信号の変化率及び/又は振幅ステップを決定するように備えられていることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は請求項2に記載の方法。
- 前記評価ユニットが、1つの標的粒子の運動に対応する事象と塊を構成する標的粒子の運動に対応する事象とを区別するように備えられていることを特徴とする、請求項15に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は方法。
- 前記評価ユニットは、前記感受性領域への標的粒子が入り込み及び/又は前記感受性領域からの標的粒子の飛び出しに対応する事象から、前記感受性領域内の未結合標的粒子の量を決定するように備えられていることを特徴とする、請求項15に記載のマイクロエレクトロニクスセンサデバイス又は方法。
- 関連する感受性領域内で磁化された粒子を検出するための電気駆動磁気センサ部品を有する磁気センサデバイスであって、前記感受性領域のサイズが動的に調節可能な磁気センサデバイス。
- 前記磁気センサ部品が複数の磁気センサ素子を有し、
該複数の磁気センサ素子は、並列及び/又は直列に選択的結合が可能である、
ことを特徴とする、請求項20に記載の磁気センサデバイス。 - 前記磁気センサ素子は選択的結合が可能であり、
それにより結合した前記磁気センサ素子の所与の配置が所与の検査領域内で実現される、
ことを特徴とする、請求項21に記載の磁気センサデバイス。 - 関連する励起領域内で磁場を発生させるための電気駆動磁場発生装置を有する磁気センサデバイスであって、前記励起領域のサイズが動的に調節可能である、
ことを特徴とする、請求項20に記載の磁気センサデバイス。 - 前記磁場発生装置が複数の磁気励起素子を有し、
該複数の磁気励起素子は、並列及び/又は直列に選択的結合が可能である、
ことを特徴とする、請求項23に記載の磁気センサデバイス。 - 前記磁気励起素子は選択的結合が可能であり、
それにより結合した前記磁気励起素子の所与の配置が所与の検査領域内で実現される、
ことを特徴とする、請求項24に記載の磁気センサデバイス。 - 前記検査領域と前記励起領域とが重なることを特徴とする、請求項23に記載の磁気センサデバイス。
- 前記感受性領域のサイズ及び/又は前記励起領域のサイズは、当該磁気センサデバイスの信号対雑音比が最適化されるように調節されることを特徴とする、請求項20又は23に記載の磁気センサデバイス。
- 前記磁気センサ部品の全体の信号において、前記感受性領域のサイズ及び/又は前記励起領域のサイズは、磁化粒子によって引き起こされる、熱雑音と統計的雑音との所定の比が実現されることを特徴とする、請求項20又は23に記載の磁気センサデバイス。
- 前記所定の比が公称値の80%から120%まで変化可能な、請求項28に記載の磁気センサデバイス。
- 前記磁気センサ部品が、コイル、ホールセンサ、平面型ホールセンサ、フラックスゲートセンサ、SQUID、磁気共鳴センサ、磁気抵抗センサ、又は、GMR(巨大磁気抵抗)、TMR(トンネル磁気抵抗)、若しくはAMR(異方性磁気抵抗)素子磁気抵抗素子を有することを特徴とする、請求項20に記載の磁気センサデバイス。
- 磁気励起素子及び磁気センサ部品として機能する互い違いに配置された抵抗器を有することを特徴とする、請求項23に記載の磁気センサデバイス。
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