JP2009536329A - 回転式航空機搭載レーダーを用いて、船の探知と、汚染物質油膜のレーダーマッピングとを同時に行うための方法 - Google Patents

回転式航空機搭載レーダーを用いて、船の探知と、汚染物質油膜のレーダーマッピングとを同時に行うための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、海洋監視の分野に、および、汚染物質の漂流している油膜の探知に関する。本発明による方法は、次の2つの別個の処理モードを実装するために、回転アンテナパルスレーダーを使用する。−レーダーが、走査される空間の領域内に位置している物体(11)の探知、位置付け、および軌跡解析を実行する、1つの従来の動作モード。−レーダーが、航空機の前進方向に対して側方に伸びている、表面の2つのバンド(12)をマッピングし、一方、走査された領域の高分解能画像を生成する、マッピングタイプの動作モード。2つの動作モードは、アンテナの各回転における、異なる角度セクタに対して実装される。本発明は、特に、海洋および沿岸パトロール任務を担当する、レーダーシステムを装備した航空機に適用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、海洋監視の分野に関し、特に、汚染物質生成物油膜(pollutant product slicks)の存在を探知し、そのような油膜の精密なマッピングを実行することを可能にする、探知装置の分野に関する。
現在、既存の装置では、船の探知および追跡を目的とした、飛行中の海洋監視は、例えば回転アンテナを有する、従来の監視レーダーによって引き受けられ、一方、漂流している油膜の監視および探知は、SLARレーダー(「側視アンテナレーダー(Side Looking Antenna Radars)」)として知られている、固定側方アンテナレーダー(fixed lateral antenna radars)によって実行されている。公知の方法では、固定アンテナを有するそれらのレーダーは、1つまたは2つの固定アンテナを、飛行機の片側(または両側)に備える。
特定のレーダー製造業者は、動作の一定の汎用性を示し、かつ、動作モードを切り換えることによって、従来の監視作業、あるいは、油膜を、またはより一般的には、汚染物質油膜(pollutant agent slicks)を探知する作業の、いずれを実行することも可能にする、回転レーダーを提供している。2つの動作モードは、その場合、一般に相互排他的であり、そのため、任務の過程で、使用されるレーダーは、以下の動作を交互にまたは連続的に行う。
−船を探知および追跡する動作。レーダーは、その場合、回転アンテナを使用した監視モードで動作する。
−SAR(合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar))技術によって、海面をマッピングするための動作。アンテナは、その場合、アンテナローブが飛行機のコースに実質的に垂直な方向に向けられるように固定される。
それらのシステムは、汎用性はあるが、使用の柔軟性が明らかに欠如している。さらに、それらのシステムは、監視に充てられる第1の段階(その間は汚染物質油膜の探知を実行することはできない)と、探知に充てられる第2の段階(その間はレーダーによって監視タスクは実行されない)という、2つの段階で進行する監視任務を計画することを必要とする。任務の間、飛行機は、したがって、各監視ゾーンの上空を2回飛ぶ必要がある。この強制的な交代は、場合によっては、特に信頼性の理由により、空域および海域の監視専用の第2のシステムを飛行機が装備することをもたらす。この追加は、飛行機の中に装備される装置の価格の増加を、必然的にもたらす。
特定のレーダー製造業者は、さらに、飛行機の側面上に、または飛行機の下に背中合わせに搭載され、そして、飛行機の軸に垂直な、反対方向を指す、2つの固定アンテナを含む、監視専用のシステムを提供している。それらのシステムは、レーダービームによって走査された表面の合成画像を生成することを可能にする。一般に、使用されるイメージング技術は、特にSARタイプの、公知の技術である。表面が汚染されたゾーンの探知およびマッピング専用の、それらのシステムは、恒久的に固定されたアンテナを使用して動作するという利点を示し、それらは、有利には、したがって、先の段落に記載したシステムのように、明確に決められた固定位置に、回転アンテナを維持することを可能にする手段を装備する必要はない。他方、それらのアンテナは固定されているため、指す方向の修正を機械的に達成することはできない。さらに、そのようなシステムは、必然的に、従来の監視システムに関連付けられている。
本明細書に記載され、権利請求されている本発明は、監視作業とマッピング作業とを実行するための1つのレーダー統合手段に基づいて、考慮される空間の監視の機能と、油膜の探知の機能とを、1回の上空飛行で、同時に行うように履行することを可能にする方法を提案する。この目的のための、本発明の主題は、レーダービームによって走査される、周囲の空間の監視のための作業と、表面のマッピングのための作業とを、同時に実行することを可能にする、360°回転アンテナ、放射、受信、および処理手段を備える、航空機に搭載されたパルスレーダーを利用するための方法であって、この方法は、アンテナの回転において、少なくとも以下を含むことを特徴とする。
−監視モードでの動作フェーズ。その間、アンテナビームは、第1の角度セクタを走査して、空間の走査された領域内に位置している物体の探知と、位置決めと、軌道の解析とを実行する。
−マッピングモードでの動作フェーズ。その間、アンテナビームは、第2の角度セクタを走査し、表面に浮かんでいる生成物油膜の位置と、形状と、範囲とを明らかにする。
本発明による方法の有利な特徴によれば、マッピングモードでの動作フェーズは、2つの別個の時間間隔に対応し、その間に、アンテナビームは、飛行機の軸の両側に位置している、飛行機の移動の軸に実質的に垂直な、2つの別個の角度セクタを走査する。したがって、この方法は、有利には、監視と、2つの別個の側方ゾーン上のマッピングとを、同時に実行することを可能にする。
本発明の別の特徴によれば、マッピングフェーズの間、受信したエコーに対して実行されるイメージング処理を容易にするように、アンテナの回転速度は減少させられる。回転速度は、走査されるゾーンの幅と、飛行機の速度との関数として決定される。
別の特徴によれば、マッピングフェーズの間、所望の分解能を得るように、放射される信号の帯域幅は変更される。
別の特徴によれば、マッピングフェーズの間、アンテナは、マッピングされるゾーンの、飛行機を基準にした位置の関数としての、スワースの最小距離を適合させるために、スワースの最小距離を変化させるような、対応する角度セクタの仰角走査(elevational scan)を実行する。
本発明による方法は、有利には、船の追跡と、汚染の任意の形跡を図化することを目的とした、軌跡に隣接する側方ゾーンのマッピングとを、同時に行うための手段を、従来の回転アンテナパルスレーダーに備え付けることを可能にする。このマッピングは、さらに、有利には、1つのアンテナを使用して、飛行機の軌道を境界とする2つの側上で実行されてもよい。
本発明による方法は、港ゾーンの上空を飛行することによる、それらのゾーンの空中監視(aerial surveillance)、あるいは、従来のレーダー手段を使用して達成することは困難な、平均した分解能の地図の作成などの、さまざまな作業に適用されてもよい。
本発明による方法の特徴および利点は、添付の図面に関連付けられた、以下の説明の過程で明らかとなるであろう。
本明細書の以下の部分では、本発明の特定の態様を、特に、システムのマッピングモードの動作フェーズと、2つの動作フェーズのチェーニングとに関して提示する。
図1を参照されたい。この図は、本発明の動作態様を示す。
図からわかるように、本発明は、特に、ただし非限定的な方法で、海洋監視任務を遂行している航空機を扱う。一般に、このタイプの任務は、一方では、監視任務の対象であるゾーンのあたりを航行している大型および小型の船の監視、他方では、油タイプの汚染物質生成物油膜が漂流しているゾーンの探知およびマッピングという、2つの目的を有する。それらの油膜の存在は、特に、船によるその燃料油タンクの不注意による内容排出、あるいは、船によるコンテナの紛失、またはさらには、船の難破などの、さまざまな出所を有する場合がある。人間にとって、または植物および動物にとって、非常に危険な可能性がある、それらの漂流している生成物油膜のマッピングは、探知された汚染物質の出所と展開とを明らかにすることを可能にする、重要な作業である。海洋監視任務は、したがって、観察されているゾーン内で展開している船11を見つけることを特に可能にする、一般的な水面監視作業と、例えば、任務を課せられた航空機14の移動の順方向13を基準にして側方に位置している、特定のゾーン12を観察する、特殊作業との、2つの作業を含む。航空機14は、例えば、従来の飛行機またはヘリコプターである。しかし、航空機14は、無人飛行(drone)タイプの自動監視航空機であってもよい。
監視作業は、一般に、回転アンテナを装備したパルスレーダーを用いて、航空機の周囲から拡大する実質的に広いゾーンにわたって行われる。レーダー信号の処理は、監視レーダーの従来の処理であり、そして、主として、レーダーエコーの探知と、それらのエコーを反射した船の軌跡の監視とにある。
マッピング作業は、一方、任意の漂流している生成物油膜を探知することと、その範囲および輪郭を非常に正確に明らかにすることとにある。これらのマッピング機能を実行するために、航空機は、一般に、航空機の軸に対して実質的に垂直な方向にビームが向けられる、1つ以上の固定アンテナを装備した、レーダー装置の要素(item)を使用する。受信したエコーに対して実行される処理は、その場合、油膜の移動に関するパラメータを明らかにすることよりも、探知された油膜の輪郭の正確さに関与する、イメージングタイプの処理である。
実行される2つのタイプの作業は、別個の動作モードに従って動作することが可能な異なる装置、または最低限でも、別個の動作モードに従って動作することが可能な異なる要素の装置を必要とする。
一般に、モードスイッチングを有する、装置の1つの要素を備える航空機は、監視およびマッピング作業を、例えば2つの連続したフェーズにおいて、別々に実行する。監視モードにおける動作フェーズ(その間、レーダーアンテナは回転する)の後に、マッピングモードにおける動作フェーズ(その間、アンテナは所与の姿勢で固定される)が続く。これらの2つの連続したフェーズは、航空機が、一般的な監視任務のゾーンの上空を2回飛ぶことを必要とする。
2つの別個の要素がある装置を装備した航空機は、監視とマッピングとの2つの作業を、同時に実行することが可能である。しかし、この同時性は、航空機装置のコストのわずかではない増加という代償を払って得られる。
次に、本発明による方法の動作モードを示す、図2を参照されたい。
本発明による方法は、回転アンテナパルスレーダーを実装し、一方で、アンテナの回転中に、レーダーの動作モードを変更することにある。2つの角度ゾーンが、したがって、航空機の周囲に画定され、第1のゾーン21は、監視モードでのレーダー装置の動作に対応し、そして、第2のゾーン22は、マッピングモードでのレーダー装置の動作に対応する。本発明によれば、ゾーン21は、より広いゾーンであり、航空機の前方に向けられた角度セクタ21aと、航空機の後方に向けられた角度セクタ21bとを覆い、一方、より小さな範囲のゾーン22は、航空機の軸23を基準にして、例えば実質的に垂直に、側方に向けられた角度セクタを覆う。
図2によって示されている、本発明による方法の特定の実施態様によれば、ゾーン22は、軸23を基準にして対称的な、2つの別個の角度セクタ22aおよび22bからなることができる。このようにして、航空機は、有利には、2つの別個の側方ゾーン24および25のマッピングを同時に実行することが可能である。
本発明によれば、アンテナは常時回転しており、アンテナの回転速度は、対応する動作モードに適合するように、覆われるゾーン21または22に従って変化することが可能である。同様に、水平を基準にしたアンテナの軸の傾きは、覆われるゾーンに従って変化することが可能である。
本発明によれば、ゾーン21内で実施されるレーダーシステムの動作は、本質的に、従来の監視レーダーの動作である。この公知の動作モードについては、本明細書では詳述しない。これは、例えば、追跡機能を有するドップラ処理に関連する、動作の方法からなる。
他方、ゾーン22内での動作の特定の態様については、本明細書内で、続いて、詳しく説明する。
本発明によれば、ゾーン24および25から来る、受信されるレーダーエコーの処理は、例えばSARイメージングタイプ(合成開口レーダーイメージング(synthetic aperture radar imaging))の、高分解能イメージング処理である。他のところで周知の、このタイプの処理については、本明細書では詳述しない。
レーダーによって放射される波形は、次に、そのような処理を最適化するために適合させられる。側方ゾーン24および25の解析は、したがって、航空機の移動とテンポの合った、並置されたバンド26によって実行される。
同じ目的で、アンテナの回転速度は、ゾーン22のセクタ22aおよび22bを通過する際に変更される。レーダービームによるそれらのゾーンの走査に適切な速度は、以下の制約条件を特に考慮に入れた、最適化に基づいて決定される。
−照射時間は、飛行機のコースに対応する方向yにおける画像の分解能を得るのに十分でなければならない。
−アンテナの回転速度は、ゾーン22の所与のセクタ22aまたは22b、すなわち側方角度セクタを、アンテナが通過するにつれて生成される画像の、アンテナの回転と回転の間の連続性を確実にし、そして、1つの回転から別の回転までの関連性を可能にするのに十分でなければならない。
−アンテナの回転速度は、ゾーン21のセクタ21aおよび21b内で、監視モードで動作している間に実行される、船の探知のための、望ましいリフレッシュレートを確実にするのに十分でなければならない。
さらに、同じ目的で、アンテナの仰角は、側方セクタ22aおよび22bをアンテナが通過する際に、最適値に調節される。調節は、搬送機の高度と、考慮される側方ゾーン24または25についての、オペレータによって要求される画像バンドのスワース(swath)とを、考慮に入れるように計算される。スワースは、図3および図4によって示されているゾーン41を意味すると理解され、これは、航空機上に搭載されたレーダーによって放射されるビームと、水面または地面との共通部分に一致する。
したがって、本発明による方法を実装する場合、レーダーシステムは、動作フェーズを順に交代させ、波形が放射されるアンテナの回転速度と、放射されるビームの向きとを変化させる。
アンテナが、監視モードでの動作専用のゾーン21に対応する角度セクタに向けられている場合、レーダーシステムは、対応する波形を放射し、そして、アンテナの回転速度と放射されるビームの仰角とは、このモードに適した値を取る。レーダーは、船の探知および追跡のための処理動作を実行する。
同様に、ゾーン21のセクタから、マッピングモードでの動作専用のゾーン22のセクタに進む場合、アンテナの回転速度とレーダーシステムによって放射される波形とは、イメージングベースの処理モードに対応するように変更される。さらに、放射されるビームの仰角は、オペレータによって要求される画像バンドのスワースに対応する値を取るように変更される。
次に、図3および図4を参照されたい。
図3は、本発明による方法によって実装されるマッピングモードの動作原理の概略図を示す。この動作モードでは、前述のように、表面とアンテナビーム32との共通部分に対応する、表面のゾーンに含まれる、地理的バンド31にわたる、高分解能レーダー画像が生成される。このゾーンは、図4の垂直断面図内で、長さDのセグメント41によって表されている。セグメント41は、前述したスワースに対応する。このスワースは、したがって、最小距離xと長さDとによって特徴付けられてもよい。Y軸に沿った、その幅Δyが、従来の方法で、スワースの最小距離と、ラジアン単位で表されたビームの開口角との積x・θに等しいとして、さらに定義される。
高分解能イメージング技術を要求しない、従来の解析方法では、解析バンド31は、x軸に沿って、図中の実線によって表されている距離セル33に分解され、セルのサイズΔxは、x軸に沿ったレーダーシステムの分解能を定義し、その分解能は、公知の方法で、放射されるパルスの帯域幅に依存する。このようにして、水面を漂流している生成物油膜の寸法は、X軸に沿った、距離セルのサイズに等しい精度、および、Y軸に沿った、幅Δyによる精度で、知られることが可能である。
監視処理タイプの、従来のレーダー処理モードを使用して、このように定義された解析セルは、解析軸Yに関する分解能の問題を提起する。具体的には、所望の分解能は、X軸に沿っては、放射される波形を適合させることによって、比較的単純な方法で調節されることが可能であるが、Y軸に沿った分解能は、放射されるビームの幅に依存し、それほど単純に適合させられることはできない。一般に、Y軸に沿った距離セルのサイズは、X軸に沿ったこの同じセルのサイズよりもはるかに大きく、したがって、高分解能画像を形成することを不可能にしている。したがって、ビーム幅θが3.5°に等しく、そして、レンジDが100kmに等しいレーダーの場合、関係式rdt=D・θによって与えられる、距離Dにおける横方向分解能rdtは、約6000mに等しく、一方、放射されるパルス幅に依存する、X軸に沿った分解能は、0.1μsのパルスの場合、実質的に15mに等しいことが可能である。
この理由により、本発明による方法では、マッピング動作モードに関連付けられる処理は、ビームの幅ΔYの代わりに、得られる合成開口に関連する幅Δ’yを使用する、SARタイプのイメージング方法であると定めている。図中に点線で表されている、Y軸に沿った寸法δyが寸法Δxと実質的に等しい、解析セル34が、したがって、有利には、得られる。
Y軸に沿った分解能の、この増加は、コントラストの増加ももたらす。具体的には、高分解能解析セルのサイズを有する生成物油膜を考慮すると、その表面積は、したがって、s=Δx・Δ’yに実質的に等しく、この油膜を含む解析セルによって反射される信号レベルと、いかなる生成物油膜も含まない解析セルのレベルとの間のコントラストは、公知の方法で、以下の関係式によって定義される。
Figure 2009536329

解析セルが寸法(Δx,Δy)を有する、低分解能処理モードの場合。
Figure 2009536329

例えばSARタイプの、高分解能処理モードの場合。
関係式[1]および[2]において、Sseaは、海による信号の後方散乱の係数を表し、一方、Sproductは、漂流している生成物の、信号の後方散乱の係数を表し、Sproductは、一般に、Sseaよりも小さい。Nは、低分解能セル33内に含まれる高分解能セル34の数を表す。第1の場合は、2つの低分解能セル33および34が比較されており、そのうちの1つは、高分解能セル34のサイズの生成物油膜35を含む。もう一方の場合は、2つの高分解能セル34が比較されており、そのうちの1つは生成物油膜35を含み、他方は含まない。
次に、図5を参照されたい。
マッピングモードでの動作専用のセクタ22aまたは22bのうちの1つをアンテナが走査する時間間隔の間、レーダーは、周期的にパルスを放射し、そして、レーダー画像を生成するように、反射された信号を処理する。アンテナの回転速度は、高分解能画像51を得るための十分な照射時間を確実にするために適合させられる。
本発明によれば、完全な解析バンドを得るように、この画像51は、後続のアンテナの回転において形成される画像52と、公知の方法で関連付けられる。バンド51と52とは、航空機の速度が変動した場合でも、生成される全体的な画像の連続性を確実にすることを可能にする、オーバーラップゾーン53を示すことに留意されたい。航空機の速度と、アンテナの回転速度とに依存する、オーバーラップゾーンの幅dは、次の関係式によって定義される。
d=L−(Vaircraft・Tantenna) [3]
式中、Vaircraftは、航空機の移動の速度を表し、Tantennaは、アンテナの回転周期を表し、Lは、各アンテナ通過において処理される、y軸に沿った、画像バンド幅(51または52)を表す。
したがって、150m/秒で移動しており、10秒ごとに1回転しているアンテナを装備した、航空機の場合、画像バンド幅が3000mならば、オーバーラップは、例えば、1500mとなる。
次に、図6を参照されたい。
前述のように、本方法のより大きな有効性を確実にするために、すなわち、側方ゾーン12の高分解能画像を得るために、そして、同時に、2つの側方ゾーンの外部で探知される船の位置の適切なリフレッシュレートを確実にするために、本発明による方法では、有利には、アンテナの回転速度は、走査されるセクタの関数として変化してもよいということを定めている。図6は、走査される角度セクタの関数としての、アンテナの回転速度の変化の、可能な例示的法則を示す。航空機の移動の順方向を基準にしてそれぞれ90°および270°に位置している角度セクタに従って、側方画像を2つ同時に生成しているレーダーシステムの場合に関する、この非限定的な例では、アンテナの回転速度は、ゾーン21を構成する角度セクタをアンテナが走査する場合は、値Vを取り、ゾーン22を構成する角度セクタをアンテナが走査する場合は、より低い値Vを取る。
本発明による方法は、したがって、2つの別個の作業の、レーダーシステムによる、交互の、周期的な実行によって説明されてもよい。第1の作業は、考慮されているゾーン内を移動している船を探知し、それらの移動を追跡するための、航空機の周囲の水面の監視にあり、この作業は、言わば、システムのバックグラウンド作業を表す。第2の作業は、航空機が従う軌道の両側に位置している、水面の2つの好ましいゾーンの高分解能画像を生成することにある。本発明によれば、1つの作業から別の作業への切り換えには、レーダーシステムの動作モードの変化が伴う。
したがって、監視作業からイメージング作業に進むには、システムは、放射される波形、アンテナの回転速度、および、ビームの向きも変更する。
その後、イメージング作業の実行中に、システムは、高分解能レーダーイメージングタイプの処理を、受信した信号に適用する。
逆に、イメージング作業から監視作業に進むには、システムは、実行される探知と、対応する船の追跡とのためのリフレッシュレートを確実にするように、適合された波形を採用し、そして、アンテナの回転速度とビームの向きとを変更する。その後、監視作業の実行中に、システムは、従来のタイプのレーダー処理を、受信した信号に適用して、特に、存在する船を探知すること、および特徴付けること、そして、その追跡を実行することを可能にする。
本発明による方法は、明らかに、漂流している汚染物質生成物油膜を探すこと以外の適用例のために実装されてもよい。特に、本発明による方法は、沿岸調査、または、より広範には、地勢調査を、経済的な方法で実行するために使用されてもよい。したがって、例えば、図1を考慮する場合、海域と境を接する沿岸15の調査を実行するために、本発明による方法を実装することを想定することが可能である。したがって、航空機14を沿岸に平行に、かつ近接して移動させ、イメージングされるゾーンが沿岸バンドを覆うように、場合によっては、レーダービームのスワースが適合させられていれば、十分である。本発明による方法の、そのような実装は、例えば、沿岸のマッピングを実行するために、あるいは、港の内側に、または保護された入江16の中に停泊している船の数を明らかにするために、イメージングモードでのレーダーシステムの分解能を利用することを可能にする。
本発明の動作態様を示す図である。 本発明による方法の一般的な動作原理の図である。 側方セクタをマッピングするためのフェーズの間に放射されるビームの、上方からの図である。 側方セクタをマッピングするためのフェーズの間に放射されるビームの、垂直面内での断面である。 2つの連続した走査によって得られる画像を関連付けることによって解析バンドを構築する原理の図である。 考慮される方位角の関数としての、アンテナの回転速度における変化の、例示的グラフである。

Claims (8)

  1. レーダービームによって走査される表面の第1のゾーンの監視のための作業と、前記表面の第2のゾーンのマッピングのための作業とを実行することを可能にする、360°回転アンテナ、放射、受信、および処理手段を備える、航空機(14)に搭載されたパルスレーダーの、混合利用のための方法であって、
    前記方法は、アンテナの各1回転において、少なくとも、
    −監視モードでの動作フェーズであって、その間、アンテナビームは第1の角度セクタ(21a、21b)を走査し、前記レーダーは、空間の走査された領域内に位置している物体(11)の探知と、位置決めと、軌道の解析とを実行する、監視モードでの動作フェーズと、
    −マッピングモードでの動作フェーズであって、その間、前記アンテナビームは、第2の角度セクタ(22a、22b)を走査し、前記レーダーは、前記航空機の移動の順方向(13)を基準にして側方に伸びている、前記表面のバンド(12)の、高分解能画像を生成することによって、走査されたゾーンの前記マッピングを実行する、マッピングモードでの動作フェーズとを含み、
    アンテナの回転の後で構築される複数の前記画像は、前記航空機の移動の前記順方向(13)の両側に伸びている前記表面のゾーンの、全体的な高分解能画像を形成するように、関連付けられることを特徴とする、方法。
  2. 前記マッピングモードでの動作フェーズは、2つの別個の時間間隔に対応し、前記2つの別個の時間間隔の間、前記アンテナビームは、前記航空機(14)の軸の両側に位置している、かつ、前記航空機の移動の方向(13)に実質的に垂直な、2つの別個の角度セクタ(22a、22b)を走査する、請求項1に記載の方法。
  3. 高分解像イメージング処理を可能にするための十分な照射時間を確実にするように、前記第2のフェーズの間、前記アンテナの回転速度は減少させられる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第2のフェーズの間、前記回転速度は、放射される前記ビーム(32)の幅と、前記航空機(14)の速度との関数として決定される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記マッピングフェーズの間、前記アンテナは、スワースの最小距離(x)を変化させるような、対応する角度セクタの仰角走査を実行する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 汚染生成物の漂流している油膜の探知およびマッピングを行うことを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 沿岸バンドの探知およびマッピングを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 地勢バンドの空中マッピングを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
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