JP2009533529A - 多官能化ポリマーを含有する組成物 - Google Patents

多官能化ポリマーを含有する組成物 Download PDF

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Abstract

官能化ポリマーと微粒子充填剤とを含む組成物を提供する。該組成物は少なくとも3つの成分を含む:(1)第一級または第二級アミン官能性を含む官能基等の第一タイプの官能性を有するポリマー、(2)アルコキシシランまたは他のシリカ相互作用官能性等の第二タイプの官能性を有するポリマー、および(3)少なくとも2種の微粒子充填剤。一方の官能化ポリマーは他方の官能化ポリマー存在下で作製することができる。

Description

タイヤトレッド等のゴム製品は、多くの場合、例えば微粒子状カーボンブラックやシリカ等の1種以上の補強材料を含むエラストマー組成物から製造される(例えば、「ヴァンダービルト ゴムハンドブック」13版、1990年、p603−04参照)。
一般に、充填剤、エラストマー材料、および添加剤は、トラクション、耐摩耗性、ヒステリシス等の挙動特性が容認可能に妥協乃至バランスされたゴム製品を製造できる組成物を提供するように、選択される。補強性充填剤がエラストマー材料中に良好に分散するのを確保することは、加工性を向上させるとともに物理的特性を向上させるように作用する。充填剤の分散は、エラストマーとの相互作用を増大させることにより向上させることができる。この種の試みの例としては、選択的反応性プロモーターの存在下における高温混合、配合材料の表面酸化、表面グラフト化、およびポリマー末端への化学修飾が挙げられる。
ポリマーと微粒子充填剤との間の相互作用を増大させるポリマーの化学修飾または官能化は、充填剤粒子が凝集する傾向を抑制することもできる。このような凝集の解離は、充填組成物から製造された製品の物理的特性に負の影響を及ぼし得るので、充填剤粒子が凝集する傾向を低減することも望ましい。
1種より多くの微粒子充填剤を採用した組成物を使用することが、増えつつある。官能化ポリマー、すなわち1つ以上の官能基を含むポリマー(一般に末端官能性)は、種々の充填剤と異なった相互作用をする。多くの場合、2つ以上の異なった官能化ポリマーを混合することにより適度な相互作用が模索され、その方法は、微粒子充填剤と相互作用する官能基が、混合された充填剤系で同一または類似の相互作用を示すことを前提としている。1つの反応スキームで多官能性を付与しようと試みる者もいる(例えば、米国特許出願公開第2006/0135701号参照。これは、多官能基が同一ポリマー鎖に結合することができる逐次官能化−停止反応プロセスを教示する。)。
エラストマーがアニオン重合技術によって製造される場合、リビングポリマーのようなカルバニオンが、例えば第一級および第二級アミン基に存在する活性水素原子によって終端処理される事実が原因で、特定の官能基の結合は困難を伴う。しかしながら、アミン官能基は微粒子充填剤、特にカーボンブラックとの好適な相互作用をもたらすので、リビングポリマーにアミン官能性を付与する工業的に有用な方法が依然として望ましい。充填剤との相互作用は、アミノ窒素へ結合する水素数が増すにつれて増大する傾向があるので、第二級および第一級アミン官能性ポリマーの提供が特に望ましい。
アニオン的に開始されたポリマーにアミン官能性を付与するための手順は、“アミノ末端基を有するポリマーの合成−3.アニオン性リビングポリマーと、保護されたアミノ官能性を有するα−ハロ−ω−アミノアルカンとの反応”、「高分子」、上田他著、1990年、23号、p939−45に記載されている。アニオン性リビングポリスチレンがα−ハロ−ω−アミノアルカンと反応し、次いでトリアルキルシリルで保護されたアミン官能性の脱保護によって、第一級アミノ官能性ポリスチレンがもたらされる。大学の研究室で採用された条件は、この手順の有用性に限界をもたらしたが、他大学の発表によってある事実が認められた(例えば、“有機リチウム重合体と3−ジメチルアミノプロピルクロライドとの官能化によるω−ジメチルアミノ−官能性ポリマーのアニオン合成”、「国際高分子」、1999年、48号、p99−108参照)。
米国特許出願公開第2006/0135701号明細書 「ヴァンダービルト ゴムハンドブック」13版、1990年、p603−04 "アミノ末端基を有するポリマーの合成−3.アニオン性リビングポリマーと、保護されたアミノ官能性を有するα−ハロ−ω−アミノアルカンとの反応"、「高分子」、上田他著、1990年、23号、p939−45 "有機リチウム重合体と3−ジメチルアミノプロピルクロライドとの官能化によるω−ジメチルアミノ−官能性ポリマーのアニオン合成"、「国際高分子」、1999年、48号、p99−108
添付の特許請求の範囲は、異なる官能基を含むポリマーの調製のためのプロセス、およびかかるポリマーを用いて、およびかかるプロセスを介して得られる組成物を説示する。
一態様では、第一および第二官能化ポリマー、カーボンブラック微粒子充填剤、およびシリカ微粒子充填剤を含む組成物が提供される。前記第一官能化ポリマーは、少なくとも1つの窒素原子を含む少なくとも1つの官能基を有し、前記第二官能化ポリマーは少なくとも1つのアルコキシシラン部分を含む少なくとも1つの官能基を有し、かつ第一および第二官能性ポリマーの一方が他方の存在下で生成される。第一種の官能基は、第一および第二種官能基の合計の約25〜約50%を構成する。
他の態様では、少なくとも2種の微粒子充填剤を含む組成物が提供される。該組成物は、リビングポリマー鎖を含有する組成物を形成する工程;第一官能化ポリマーを形成するために、前記鎖の一部を第一組成物と反応させる工程;および第二化合物を前記組成物に導入し、そして、第二官能化ポリマーを提供するために、第一官能化ポリマーの存在下で、前記鎖の他の一部を前記第二化合物と反応させる工程を含むプロセスによって製造される。前記第一官能化ポリマーは微粒子充填剤の1種と選択的に相互作用し、第二官能化ポリマーは他種の微粒子充填剤と選択的に相互作用する。
さらなる他の態様では、リビングポリマー鎖を含有する組成物を形成する工程;第一官能化ポリマーを形成するために、前記鎖の一部を第一化合物と反応させる工程;および第二化合物を前記組成物に導入し、そして、第二官能化ポリマーを提供するために、第一官能性ポリマーの存在下で、前記鎖の他の一部を第二化合物と反応させる工程を含むプロセスが提供される。前記第一官能化ポリマーは微粒子充填剤の1種と選択的に相互作用し、第二官能化ポリマーは他種の微粒子充填剤と選択的に相互作用する。
以下の詳細な説明は、前述の態様をさらに説明するものであり、他の態様を含み得る。この説明を理解する上で役立つよう、特定の定義を直ぐ下に示し、周辺の文章が明確に反対の意味を示さない限り、これらが終始適用されることを意図している。すなわち、
「ポリマー」は1種以上のモノマーの重合生成物を意味し、ホモ−、コ−、ター−、テトラ−ポリマー等を包含する;
「マー」または「マー単位」は、単一反応物分子から誘導されたポリマーの一部分(例えば、エチレンマーは一般式−CH2CH2−を有する)を意味する;
「コポリマー」は、2種の反応物から誘導されるマー単位を有するポリマーを意味し、ランダム、ブロック、セグメント、グラフト等のコポリマーを包含する;
「インターポリマー」は、少なくとも2種の反応物(通常はモノマー)から誘導されるマー単位を有し、コポリマー、ターポリマー、テトラポリマー等を包含する;
「ポリエン」は、最長部分またはその鎖に位置する少なくとも2つの二重結合を有する分子を意味し、特には、ジエン、トリエン等を包含する;
「末端」は、ポリマー鎖の終端を意味する;
形容詞として用いた場合、「末端」は分子またはポリマー鎖の末端に位置する基または部分を意味する(例えば、末端アミノ基は、末端に位置するアミノ基ということになる);
「落下温度」は、シートに加工するために、配合物を混合器(例えば、バンバリーミキサー)から圧延機に排出したときの規定上限温度を意味する;
「保護されたアミノ基」は、水素以外の原子に結合しているが第一級または第二級アミノ基に変換可能なアミノ窒素原子を有するアミノ基を意味し、だたし、該基は、リビングポリマーのようなカルバニオンを終端処理しない(すなわち、直接反応しない);および、
「ヒステリシス」は、エラストマー配合物から製造された製品を変形するのに要するエネルギーと、該製品がその初期の無変形状態に戻る際に放出されるエネルギーとの差を意味する。
前記組成物は、少なくとも2種の官能化ポリマーを含む。一方の官能化ポリマーは、少なくとも1つの窒素原子を含む末端官能基を有するポリマー鎖を含み、アミノ官能基は、窒素原子と結合する少なくとも1つの水素原子を含むことができ、すなわち第一級または第二級アミンである。他方の官能化ポリマーは他の官能基を有するポリマー鎖を含む。一実施態様では、第一官能化ポリマーは、官能化ポリマーの総量の約25〜約50%を構成する。他の態様では、一方の官能化ポリマーは他方の官能化ポリマーの存在下で調製される。
前記ポリマー鎖は、エラストマー系であってもよく、不飽和を含むマー単位を有していてもよい。このような単位はポリエン、特にはジエンおよびトリエン(例えば、ミルセン)から誘導することができる。具体的なポリエンとしては、C4〜C12のジエン、特には、限定されるものではないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、および1,3−ヘキサジエン等の共役ジエンが挙げられる。まさにポリエン誘導マー単位を有するホモ−およびインターポリマーは、エラストマーの具体的1種を構成する。
また、前記ポリマー鎖は、ビニル芳香族、特には、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、およびビニルナフタレン等のC8〜C20のビニル芳香族から誘導されるマー単位の結合を介してもたらされるような張り出した芳香族基を含んでいてもよい。1種以上のポリエンと同時に用いる場合、張り出した芳香族基を有するマー単位は、ポリマー鎖の約1質量%〜約50質量%、約10質量%〜約45質量%、または約20質量%〜約35質量%を構成してもよく、すなわち、このようなインターポリマーはポリマーの典型的な種類の1つを構成する。このようなインターポリマーのミクロ構造は、ランダムであってもよく、すなわち、各種類の構成モノマーから誘導されるマー単位が、好ましくはブロックを形成せず、代わりに非反復性で基本的に同時に起こる方法で組み込まれる。ランダムミクロ構造は、例えばタイヤトレッドの製造において使用されるゴム組成物等の特定の最終用途で、特有の利点をもたらし得る。
エラストマーの例としては、ポリ(ブタジエン)、(ポリ)イソプレン(天然もしくは合成)、および、例えばSBRとしても知られているコポリ(スチレン/ブタジエン)等のブタジエンとスチレンとのインターポリマーが挙げられる。
ポリエンは複数の様式でポリマー鎖に結合することができる。特にタイヤトレッド用途としては、この結合様式を制御することが望ましい。ポリエンの総含有量を基準としたパーセント数で、全体として約10〜約80%、好ましくは約25〜65%の1,2−ミクロ構造を有するポリマー鎖が、特定の最終用途として望ましい可能性がある。ポリエンの総含有量を基準として、全体として約50%以下、好ましくは約45%以下、より好ましくは約40%以下、さらにより好ましくは約35%以下、最も好ましくは約30%以下の1,2−ミクロ構造を有するポリマーは、「実質的に直鎖状」だと考えられる。
ポリマーの数平均分子量(Mn)は一般に、失活した試料が約2から約150まで、好ましくは約2.5から約125まで、さらに好ましくは約5から約100まで、最も好ましくは約10から約75までのゴムムーニー粘度(ML4/100℃)を示すようなものである。Mn値の例は、約5000から約200,000まで、好ましくは約25,000から約150,000まで、および主として約50,000から約125,000までの範囲である。
前述のポリマーは、ランダム性、ミクロ構造等の特性に関して、後でより大きな調整が可能な乳化重合または溶液重合により製造することができる。溶液重合は約20世紀中ごろから行われており、その一般的態様は当業者によく知られているが、参照の便宜上、ある態様をここに提供する。
溶液重合は一般に開始剤を必要とする。開始剤の例としては、有機リチウム化合物、特には、アルキルリチウム化合物が挙げられる。有機リチウム開始剤の例としては、N−リチオ−ヘキサメチレンイミン;n−ブチルリチウム;トリブチルスズリチウム;ジメチルアミノリチウム、ジエチルアミノリチウム、ジプロピルアミノリチウム、ジブチルアミノリチウム等のジアルキルアミノリチウム化合物;ジエチルアミノプロピルリチウム等のジアルキルアミノアルキルリチウム化合物;およびC1〜C12、好ましくはC1〜C4のアルキル基を含むこれらのトリアルキルスタンニルリチウム化合物が挙げられる。
多官能性開始剤、すなわち1つより多くのリビング末端を有するポリマーの形成が可能な開始剤も用いることができるが、これらの開始剤の使用は、各末端で異なる官能性を有するポリマーをもたらす可能性があり、この場合、例えば配合物のムーニー粘度が不適当に高いといった加工上の課題を、ある条件下においてもたらす可能性がある。多官能性開始剤の例としては、特に制限されないが、1,4−ジリチオブタン、1,10−ジリチオデカン、1,20−ジリチオエイコサン、1,4−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオナフタレン、1,10−ジリチオアントラセン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,3,5−トリリチオペンタン、1,5,15−トリリチオエイコサン、1,3,5−トリリチオシクロヘキサン、1,3,5,8−テトラリチオデカン、1,5,10,20−テトラリチオエイコサン、1,2,4,6−テトラリチオシクロヘキサン、および4,4’−ジリチオビフェニルが挙げられる。
また、ポリマー鎖に取り込まれて、ポリマー鎖の開始末端に官能基をもたらす、いわゆる官能化開始剤も有用である。かかる物質の例としては、有機リチウム化合物と、例えば、ジイソプロペニルベンゼンのような化合物と任意に予備反応させたN−含有有機化合物(例えば、置換アルジミン、ケチミン、第二級アミン等)との反応生成物が挙げられる。これらの物質のより詳細な説明は、米国特許第5,153,159号または5,567,815号明細書に見出すことができる。
一般的な溶液重合溶媒としては、各種C5〜C12の環状および非環状アルカン、並びに、これらのアルキル化誘導体、ある種の液状芳香族化合物、およびこれらの混合物が挙げられる。活性水素原子を含む溶媒はアニオン重合を失活させる可能性があるので、(一般に)避けられる。
溶液重合において、マー単位のランダム性およびビニル含量(すなわち、1,2−ミクロ構造)の双方とも、重合原料中の調整剤、通常は極性化合物の封入を介して増大させることができる。開始剤1当量あたり最高90もしくはそれ以上の当量の調整剤を、例えば所望のビニル含量、採用した非ポリエンモノマーのレベル、反応温度、および採用した特定の調整剤の性質に応じた量で用いることができる。調整剤として有用な化合物としては、非結合電子対を伴うヘテロ原子(例えば、OまたはN)を有する有機化合物が挙げられる。例としては、モノ−およびオリゴ−アルキレングリコールのジアルキルエーテル;クラウンエーテル;テトラメチルエチレンジアミン等の第三級アミン;THF;THFオリゴマー;2,2’−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン、ジ−ピペリジルエタン、ヘキサメチルホスホールアミド、N,N’−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン、ジエチルエーテル、トリブチルアミン等の直鎖状および環状オリゴマー状オキソラニルアルカンが挙げられる。直鎖状および環状オリゴマーオキソール調整剤の詳細については、米国特許第4,429,091号明細書に見出すことができ、このような物質の製造および使用にかかわる教示を参照してここに取り込む。
溶液重合で採用される一般的な条件は知られているが、代表的な説明を読者の便宜のために提供する。以下はバッチプロセスに基づいているが、この説明をセミ−バッチプロセスや連続的プロセスのような他のプロセスへ拡張することは当業者の能力の範囲内である。
重合は、通常モノマーのブレンドと溶媒とを適当な反応容器に入れることによって開始し、続いて多くの場合、溶液または混合物の一部として添加される調整剤(用いる場合)および開始剤を添加し;あるいは、モノマーおよび調整剤を開始剤に添加してもよい。通常、無水の嫌気性条件が採用される。該反応物を約150℃の温度まで加熱して攪拌してもよい。所望の転化率に達した後、熱源(用いていた場合)を除いてもよい。反応容器を単に重合のために用意する場合、反応混合物を官能化および/または失活反応のために次の重合容器に移してもよい。
ここで、該反応混合物は比較的高濃度のポリマーであるために、通常「ポリマーセメント」と称され、一般に、上述した上田らにより採用された実験室規模の重合様式において少なくとも2倍の濃縮物となる。該ポリマーセメントを多くの生きた(カルバニオン)ポリマー鎖を含む比較的粘稠な組成物と見なすことができる。これらのカルバニオンを失活させる前に官能化が起こる。
後に続く逐次的な官能化の説明は、2つの官能化ポリマーをもたらすために2つの工程を活用し;この教示は当業者によって拡張されて、追加工程の使用、1つ以上の官能化反応における多官能化化合物の使用等を経た2つ以上官能化されたポリマーの形成にまで及ぶ。
さらに、次の説明は、まずカーボンブラックの相互作用的官能性の提供、続いてシリカの相互作用的官能性の提供、特にアミノ官能化をもたらす化合物との反応に続いて(アルコキシ)シラン官能化をもたらすシリケートとの反応を教示する。当業者はこの順番の変動を予測することができる。
官能化の順番を考慮する際に、実用上の影響または結果を多少有し得る1つの問題は、ある官能基が不所望のカップリング反応をもたらす傾向を有することであり、これは官能化ポリマーの処理を困難にする可能性がある。従って、次の説明において、一部のポリマー鎖と保護されたアミノ基を含む化合物との第一反応が好ましい可能性があり、なぜなら、この反応はカップリング反応に関与しない傾向にある官能基をもたらすからである。
第一官能化は、ポリマーセメントに少なくとも1つの保護されたアミノ基を含む化合物を導入することにより、もたらすことができる。当業者はかかる化合物を多数想定することができるが、説明のために2つの広義のカテゴリーを提供する。
1つのアミノ基を含む物質は、保護されたアミノ基に加え、少なくとも1つの求電子官能性を含み、これらの物質をここではカテゴリーA反応物と称する。便利な求電子性の基は、ハロゲン原子(好ましくはCl、Br、またはI)であり、これはリビング(カルバニオン)ポリマー、一般にLi+等のアルカリ金属イオンと直ちに中和反応することができる。これらの物質において、保護されたアミノ基の窒素原子は、一般にリビングポリマーに関して反応性がない上、ポリマーを分解することのない条件下で選択的にかつ完全に除去できる基と結合することができる。かかる物質の例としては、アザ−ジシラシクロアルカンとして知られる物質の部類、特には、5または6原子を含む環状構造である部類、および各Si原子が二置換されている部類が挙げられ;具体的な例としては、1−(3−ハロプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、1−(3−ハロプロピル)−2,2,5,5−テトラエチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、1−(3−ハロプロピル)−2,2,6,6−テトラメチル−1−アザ−2,6−ジシラシクロペンタン、1−(3−ハロプロピル)−2,2,6,6−テトラエチル−1−アザ−2,6−ジシラシクロヘキサン、1−(2−ハロエチル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン等が挙げられる。ハロゲン原子はC2〜C3のアルキル鎖によってアミノ窒素から離れて位置することができ、Si原子に結合するアルキル基は(独立して)C1〜C2のアルキル基であってもよい。コストおよび入手可能性の理由から、好適なカテゴリーA反応物としては、1−(3−ブロモプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタンが挙げられる。ハロゲン原子のような求電子性部分を有するリビングポリマーの反応性のために、カテゴリーA反応物のリビングポリマーとの反応は、比較的緩やかな条件(例えば、約25℃−75℃で大気中または若干の高圧下)を用いて速く(例えば、約15−60分)行うことができる。
保護されたアミノ官能基を有するリビングポリマーは、該リビングポリマーを、少なくとも1つの−NR’−C(Z)−部分を含む化合物、例えば環状構造内に1つ以上の−NR’−C(Z)−単位を有する複素環式化合物と反応させることにより調製することもでき、ここでZはSまたはOであってもよく、R’はアルキルまたはアリール基であり;これらの物質をここではカテゴリーB反応物と称する。環状構造のサイズは重要であるとは考えられないが、一般に5〜8員環を有する化合物がより容易に入手可能である。これらの化合物において、置換された窒素原子とカルボニル基との結合はリビングポリマーのようなカルバニオンの存在下で容易に開環する傾向にあり;これは、保護されたアミノ官能基をリビングポリマーに導入するための便利なメカニズムをもたらす。具体的なカテゴリーB反応物としては、N−メチル−β−プロピオラクタム、N−tert−ブチル−β−プロピオラクタム、N−フェニル−β−プロピオラクタム、N−ナフチル−β−プロピオラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−フェニル−ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ベンジル−ε−カプロラクタム、N−ナフチル−ε−カプロラクタム、N−メチル−ω−ラウリロラクタム、N−フェニル−ω−ラウリロラクタム、N−tert−ブチル−ω−ラウリロラクタム、N−ビニル−ω−ラウリロラクタム、N−ベンジル−ω−ラウリロラクタム、N−メチルオクタラクタム等のN−置換ラクタム、;N−メチル−2−ピロリドン、N−tert−ブチル−2−ピロリドン、N−フェニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N−ナフチル−2−ピロリドン、N−メチル−5−メチル−2−ピロリドン、N−tert−ブチル−5−メチル−2−ピロリドン、N−フェニル−5−メチル−2−ピロリドン等のピロリジノン(多くの場合ピロリドンと称される);例えば1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン;N−メチル−2−ピペリドン、N−tert−ブチル−2−ピペリドン、N−フェニル−2−ピペリドン、N−メトキシフェニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ベンジル−2−ピペリドン、N−ナフチル−2−ピペリドン等のピペリドン;および、例えば1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等のピリミジノンが挙げられる。(次の例ではZとしてOを採用しているが、ZがSである類似化合物も典型的な物質として挙げることができる。)
第一官能化は、ポリマーセメントに少なくとも1つの、例えばオキシム、イミン、アジンおよびヒドラゾンのようなC=N部分を含む化合物を導入することによりもたらすこともできる。これら化合物の一部、特にヒドラゾンは、副反応に関わる部位を含まないため、カテゴリーAまたはB反応物よりもより正確な化学量論的制御を可能とする。
前述のものをポリマーセメントに添加した場合、これらはカルバニオンのアニオン性部分の位置、一般に最長ポリマー鎖の末端で反応する。重合中に多官能性開始剤を用いた際、前述したタイプの化合物との反応をポリマーの各末端で発生させることができる。
工業プロセスにおいて通常採用されるタイプの混合は、リビングポリマーと保護されたアミノ官能基をもたらす化合物とのほぼ完全な反応を確実にする。
他のタイプの化合物との次反応(第二タイプの官能性を提供するために)が想定されることから、保護されたアミノ官能基を提供する化合物を化学量論量より少ない量用いる。これにより、さらに別の官能化に使用可能な若干のリビングポリマーが残る。より少ない化学量論量は0を超え1.0未満まで変動させることができ、共に有効な開始剤当量の量に基づいている(すなわち、用いられる官能化化合物の量は、反応器に添加される開始剤の当量に基づき、これは実際にポリマー鎖と結合する開始剤の量を反映していても、していなくてもよい)。前述の例としては、1モルの標準的な有機リチウム開始剤が、理論上は1モルのリビング(カルバニオン)ポリマー鎖につながり、これは、一般に各鎖の終端部に位置する有効な部分の1モルが官能化に使用可能であって、1当量未満の第一官能化剤が添加または提供されることを意味する。用いるまたは添加する第一官能化化合物の量(開始剤の当量に基づく)は、一般に約0.75当量以下であり、より一般には約0.6当量以下、最も一般には約0.5当量以下である。第一官能性化合物の量の有用な範囲の1つは、約0.2〜0.5当量であり;他は約0.25〜約0.4当量であり;さらにその他は約0.3〜0.35当量である(多くのカテゴリーAおよびB反応物は副反応に関わることのできる部分を含むので、これらのタイプの第一官能化化合物の特定当量数の添加は、同一数の官能性ポリマーをもたらさない。従って、カテゴリーA第一官能化化合物の0.32当量の添加は、例えば0.29〜0.31当量の官能性ポリマーをもたらすかもしれない。)
化学量論量より少ない量の第一官能化化合物の使用は、第二官能化化合物との反応に使用可能な生きた部位、すなわちリビング(カルバニオン)ポリマー鎖を多数残す。第一化合物がカーボンブラック等の微粒子充填剤と相互作用できる官能化をもたらす場合、第二官能化化合物は一般にシリカ等の他の微粒子充填剤と相互作用できる官能化をもたらす。
開始剤の当量に対する第一官能化化合物に関した上述の数字および範囲に基づき、リビングポリマー鎖の残存量を推定できる。明らかに、かなりの程度まで、これらの範囲は用いる充填剤材料の比に依存する可能性がある。とはいえ、ここでの数字および範囲は典型的であると考えられる。
完全な重合を確実にするため、すなわち、すべての利用可能なポリマー鎖を確実に官能化するために、通常第二官能化化合物を化学量論量以上用いる。言い換えれば、第一および第二官能化化合物の当量総数は、通常、用いる開始剤の当量よりもわずかに多い。(さらに、用いる官能化化合物の量は反応器に添加する開始剤の当量に基づき、必ずしも実際にポリマー鎖に結合する開示剤の量を反映はしない。)
A反応物質に関して上述したように、特定のタイプの第一官能化化合物は、例えばハロゲン原子のような少なくとも1つの求電子官能性を介してカルバニオンと中和反応する。このタイプの反応が起こるたびに、さらなる官能化または反応に使用可能なポリマー鎖が減る。米国特許出願公開第2006/0135701号明細書はポリマー鎖での多官能化が好適であることを教示しているとはいえ、本発明の特定の態様では、比較的少数のポリマー鎖が多官能性を含み得る。例えば、多官能性を有する鎖の割合は、約25%以下、25%未満、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下、および約0%(すなわち、実質的に多官能性を有するポリマー鎖がない)であり得る。
有用な第二官能化化合物としては、シリカ充填剤と相互作用性をもたらすものとして知られているものが挙げられる。これらとしては、テトラアルキルオルトシリケート、例えばテトラエチルオルトシリケート(TEOS)および一般式R1 pSi(OR24-p(式中、アルコキシ基は同一であっても異なっていてもよく、各R1は独立してC1〜C20の脂肪族基、C5〜C20の環状脂肪族基、または約C6〜C20の芳香族基であり、各R2は独立してC1〜C6であり、pは1〜3の整数である)のアルキルアルコキシシランが挙げられる。一実施態様では、少なくとも1つのR1基が6〜20の炭素原子を含み、残余のR1基があるとすれば、1〜3の炭素原子を含む。一実施態様では、R2は1〜4、好ましくは1〜2の炭素原子を含むことができ、アルキル基であるのが好ましい。少なくとも1つのR1基はいずれのR2基よりも大きくても(含まれる炭素原子の数に関して)よい。非限定的な例としては、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリブトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(MTES)、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、メチルオクチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、およびこれらの混合物が挙げられる。
官能化アルコキシシランは第二官能化化合物としても用いることができる。例としては、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−アリル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、N−(n−ブチル)−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン、および3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物が挙げられ、すべてGelest社(モリスヴィル、ペンシルベニア)のような商業供給者から入手できる。
かかる物質は、アルコキシシラン官能基をもたらし、または提供することができ、シリカ充填剤との優れた相互作用性を提供することが知られている。
第一官能化ポリマーが少なくとも1つの窒素原子を含む少なくとも1つの官能基を有し、かつ第二官能化ポリマーが少なくとも1つのアルコキシシラン部分を含む少なくとも1つの官能基を有する場合、第一タイプの官能基(すなわち、第一官能化ポリマーに含まれる官能基)が第一および第二タイプの官能基総数の約25〜50%を構成する組成物から、特定の望ましい特性がもたらされることがわかった。第一および第二官能基総数に対する第一官能基の割合の他の範囲は、約25〜約40%、約25〜約35%、約25〜約30%、約30〜約50%、約30〜約45%、約30〜約40%、約30〜約35%、約35〜約45%、約35〜約40%、約40〜約50%、および約40〜約45%である。
所望により、官能化ポリマーの合成は、さらに、例えば加水分解を介して反応または続行させることができる。例えば、保護されたアミノ官能基は、一般に酸の導入を介して生じる加水分解を介して脱保護することができる。カテゴリーA反応物に関しては、強無機プロトン酸を例えば極性有機溶媒に供給してもよい。比較的強いプロトン酸の使用が、一般に広範囲の脱保護を確実にし;言い換えれば、前述のカテゴリーA反応物からの二置換窒素原子(通常、ポリマー末端に位置する)は、酸性カチオン、即ち−NH3 +基を生じ、カルバニオンが第一級アミン官能性の酸性カチオンを含むポリマーとなる。カテゴリーB反応物に関しては、酸加水分解は、酸性カチオン、即ち−NRH2 +基を生じ、カルバニオンが第二級アミン官能性の酸性カチオンを含むポリマーとなる。
かかる加水分解は、アルコキシ基(アルコキシシランのSi原子に結合している)を、その後縮合して官能基間にSi−O−Si架橋を生成することのできるヒドロキシル基に変換することもできる。
アミン塩(すなわち、第一級または第二級アミン官能性の酸性カチオン)は、対応する第一級または第二級(遊離した)アミンよりも、微粒子充填剤との相互作用が低い可能性がある。従って、中和反応(すなわち、脱保護)が望ましい可能性がある。しかしながら、以下により詳細に述べるように、ポリマー組成物は中和反応より前に追加の処理を受けることができる。この追加の処理は、必要に応じて失活反応および/または脱溶媒とともに始まり得る。
失活反応は、一般に官能化ポリマーと活性水素を含む化合物(例えば、アルコール)とを約120分間内約30℃〜150℃の温度で攪拌することにより行う。溶媒はドラム乾燥、押し出し乾燥、真空乾燥等のような従来技術により除去することができ、水、アルコールまたは蒸気との凝固、熱的脱溶媒化と組み合わせてもよく;凝固を行う場合は、オーブン乾燥が望ましい。ドラム乾燥はアミン官能性の酸性カチオンを保護するのを助けることができまた、凝固を利用する場合は、中性または極めてわずかな酸性条件の保持が好適である。
脱溶媒後、得られたポリマーは多くの場合、ブロックまたはスラブ形状で保管する。一部のポリマーのアミノ官能性が前述の酸性カチオン形態のままであるのを可能とすることにより、酸化により引き起こされる不所望のカップリング、すなわち二量化に対してアミノ官能性が保護される。言い換えれば、酸性塩形態は、(窒素原子の)酸化、および大抵その後に生じるカップリングによる影響を受け難い。
官能化ポリマーはトレッド原料配合物において利用することができ、または、天然ゴムおよび/または、1つ以上のポリ(イソプレン)、SBR、ポリ(ブタジエン)、ブチルゴム、ネオプレン、EPR、EPDM、NBR、シリコーンゴム、フルオロエラストマー、エチレン/アクリルゴム、EVA、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴム、テトラフルオロエチレン/プロピレンゴム等の非官能性合成ゴムを含む、従来採用されていたトレッド原料ゴムと混合することができる。官能化ポリマーを従来のゴムと混合した場合、その量は、従来のゴムでゴム全量の調整を図るとともに、ゴム全量の約5質量%〜約99質量%まで変えることができる。最小量は、所望のヒステリシス低減の度合いにかなりの範囲で左右される。
非晶質シリカ(SiO2)を充填剤として利用することができる。シリカは、水中で化学反応により製造され、超微細な球状粒子として形成されることから、一般に湿式の水和シリカとして分類される。これら一次粒子は、強く会合して凝集体となっており、該凝集体は、次に、弱く組み合わさって集合体となっている。「高分散性シリカ」は、いずれも非常に充分な非凝集性とエラストマーマトリックスでの分散性を有するシリカであり、この特性は薄片顕微鏡により観察することができる。
表面積は、種々のシリカの補強特性を確実に測定することができ;Brunauer、EmmetおよびTeller(「BET」)法は表面積を測定するための既知の方法(J. Am. Chem. Soc., Vol, 60, p.309以下参照)である。シリカのBET表面積は一般に450m2/g未満であり、表面積の有用な範囲は約32〜約400m2/g、約100〜約250m2/g、および約150〜約220m2/gである。
シリカ充填剤のpHは、一般に約5〜約7もしくは若干超え、好ましくは約5.5〜約6.8である。
使用可能ないくつかの市販シリカとしては、Hi−SilTM215、Hi−SilTM233、およびHi−SilTM190(PPG工業社、ピッツバーグ、ペンシルベニア)が挙げられる。市販シリカの他の供給者としては、グレース・デービソン(バルチモア、マリーランド)、デグサ社(パルシパニー、ニュージャージー)、ロードス・シリカ・システムズ(クランベリー、ニュージャージー)、およびJ.M.ヒューバー社(エジソン、ニュージャージー)が挙げられる。
シリカは、ポリマー100質量部当たり(phr)約1〜約100質量部(pbw)の量で使用することができ、好ましくは約5〜約80phrである。有用な上限は、このタイプの充填剤によって与えられる高粘度により制限される。
他の有用な充填剤としては、すべての種類のカーボンブラックが挙げられ、特に制限されないがファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラックが挙げられる。具体的なカーボンブラックの例としては、超耐摩性ファーネスブラック、高耐摩性ファーネスブラック、高速押出性ファーネスブラック、微粒子ファーネスブラック、準超耐摩性ファーネスブラック、半補強性ファーネスブラック、中級作業性チャンネルブラック、強作用性チャンネルブラック、導電性チャンネルブラック、およびアセチレンブラックが挙げられ、これら2つ以上の混合物を用いることができる。少なくとも20m2/g、好ましくは少なくとも約35m2/gの表面積(EMSA)を有するカーボンブラックが好適であり;表面積の値は、セチルトリメチル−アンモニウムブロミド(CTAB)技術を用いたASTM D−1765によって測定することができる。カーボンブラックはペレット状の形状または非ペレット状の綿状塊であってもよいが、あるミキサーにおける使用では非ペレット状カーボンブラックが好適である可能性がある。
カーボンブラックの量は、約50phr以下、通常は約5〜約40phrである。カーボンブラックをシリカとともに用いる場合、シリカの量は約1phrまで減じることができ、シリカの量を減じるにつれて、もしあればシランを加えて、より少ない量の加工助剤を採用することができる。
エラストマー組成物は、一般に約25%の体積分率まで充填され、これはエラストマー原料の総体積から分離して添加される充填剤の総体積であり;従って、一般的な(混合された)補強性充填剤、すなわちシリカとカーボンブラックとの量は約30〜100phrである。
シランのようなカップリング剤の添加は、エラストマー中にあってエラストマーと相互作用するシリカ充填剤の混合を向上させるための慣例である。概して、添加されるシランの量は、エラストマー組成物中に存在するシリカ充填剤の重量に基づいて、約4〜20質量%の範囲である。
カップリング剤はQ−T−Xの一般式を有していてもよく、ここで、Qは、物理的および/または化学的にシリカ充填剤の表面上の基(例えば、表面シラノール基)と結合できる官能基を示し;Tは炭化水素基結合を示し;Xは、エラストマーと(例えば、硫黄を含む架橋を介して)結合可能な官能基を示す。かかるカップリング剤としては、オルガノシラン、特にポリ硫化アルコキシシラン(例えば、米国特許第3,873,489号、第3,978,103号、第3,997,581号、第4,002,594号、第5,580,919号、第5,583,245号、第5,663,396号、第5,684,171号、第5,684,172号、第5,696,197号明細書等参照)、または上述したXおよびQ官能性を有するポリオルガノシロキサンが挙げられる。好適なカップリング剤の1つは、ビス[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィドである。
加工助剤の添加は、採用するシランの量を減じるのに用いることができる。加工助剤として糖の脂肪酸エステルを用いた説明、例えば米国特許第6,525,118号明細書を参照のこと。加工助剤として有用な追加の充填剤としては、特に制限されないが、クレー(アルミニウムシリケート水和物)、タルク(マグネシウムシリケート水和物)、およびマイカ等の鉱物系充填剤のほか、尿素および硫酸ナトリウム等の非鉱物系充填剤が挙げられる。好適なマイカは、主にアルミナ、シリカおよび炭酸カリウムを含有するが、他の種類も有用である。追加の充填剤は約40phr以下、好ましくは約20phr以下の量で用いることができる。
他の従来のゴム添加剤も加えることができる。これらとしては、例えば、プロセスオイル、可塑剤、酸化防止剤やオゾン化防止剤のような抗分解剤、および硬化剤等が挙げられる。
すべての成分を、例えばバンバリーまたはブレンダーミキサー等の標準的な装置を用いて混合することができる。混合は一般に2段階以上で行われる。第一段階(すなわち、これは直ちに加硫に先行することを意味せず、多くの場合マスターバッチ段階と称する)の間、混合は一般に約120℃から約130℃までの温度で開始し、通常約165℃に到達する、いわゆる落下温度まで昇温し;この段階での混合のかなりの部分は、約140℃〜160℃、大抵約145℃〜155℃の間の温度で行う。ここでシリカを含む配合の場合、シラン成分を別に添加するために、大抵別のリミル段階を採用する。この段階は、大抵マスターバッチ段階で採用した温度と同様の、しかしながら多くの場合わずかに低い温度で行われ、すなわち約90℃から約150℃の落下温度まで傾斜させる。
有利なことに、特に(必ずしも制限されないが)特定の硬化剤および非分解剤を含む上述の一部の添加剤は、例えばNH−含有部分(例えば、アミンおよびアミド)を含む官能性の存在のために、実際には塩基性である。例えば、下記表1aおよび1bとともにより詳細に述べるように、代表的な酸化防止剤としては、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニルジアミン等のアミンが挙げられ、代表的な促進剤(すなわち、硬化剤)としては、ベンゾチアジル−2−シクロヘキシルスルフェンアミド、ジ(フェニルチオ)アセトアミド等のアミド、およびN,N’−ジフェニルグアニジン等のアミジンが挙げられる。
官能化ポリマーと混合した後、これらのタイプの塩基性添加剤は、存在するいずれのアミン塩とも接触し、実際には酸性アミノカチオンを中和して、これにより遊離したアミン官能性を生じる。この中和反応は、一般に追加的な行為や処理工程を必要とせず、すなわち、形態にかかわらず(例えば、スラブ、ウィグワグ等)混合および得られるゴムストックの保管の間に自然に起こり得る。
所望の場合、混合成分中の1つに強無機塩基、ピリジン/NaOH等の混合塩基系、またはテトラアルキルアンモニウム水酸化物(例えば、(CH34NOH)等の超強有機塩基を含むことができる。しかしながら、かかる付加的な塩基の使用は、ほとんどの環境下で必要ではない。
中和は、好ましくはポリマーの末端に位置する、第一級または第二級アミノ官能基を有するポリマーをもたらす。双方とも微粒子充填剤と顕著な相互作用を提供することがわかったが、第一級アミノ官能基の効果が特に高いと思われる。
強化ゴム配合物は、従来のように、例えば硫黄やペルオキシド系硬化システム等の既知の加硫剤の1種以上約0.2〜約5phrで硬化させる。好適な加硫剤の一般的な開示に関して、興味のある読者は、Kirk-Othmer著「化学技術百科事典」第3版(ウィリー インターサイエンス、ニューヨーク、1982年)、第20巻、p.365−468で提示されるような要旨を概観すべきである。加硫剤、促進剤等は最終混合段階で添加する。望ましくないスコーチおよび/または早期加硫の開始の可能性を低減するために、この段階の混合は、多くの場合より低い温度、例えば約60℃から約65℃までに開始して約105℃から約110℃よりも高くまで到達しない温度で行われる。
酸性カチオンの保護されたアミン官能性の存在は、混合に積極的に影響を与えることもできる。少なくとも一部の環境において、酸性カチオンの保護されたアミン官能性を有するポリマーの存在は、初期混合の間(すなわち、マスターバッチ段階)落下温度を下げ、かつ、遊離アミン官能性を有するポリマーを提供するために酸性カチオンの一部または全部の中和反応において最終混合間に落下温度を上昇させることがわかっている。これらの効果双方とも一般に望ましい。
充分に混ぜ合わせた混合物を、一般に種々の構成部材に成形し、次いで加硫する前に、シートに加工(例えば、圧延する)し、該加工は、一般に混合段階中に採用した最高温度よりも約5℃から約15℃高い温度、最も一般には約170℃で行う。
次の非限定的な説明用の実施例は、読者に本発明の実施における詳細な条件と有用であり得る物質とを提供する。
次の例においては、窒素雰囲気下で、抽出隔壁ライナー及び穴あきクラウンカップで予めシールされ、乾燥させたガラス容器をすべての調製で用いた。ブタジエンのヘキサン溶液、スチレンのヘキサン溶液(33質量%)、ヘキサン、n−ブチルリチウム、2,2−ビス(2’−テトラヒドロフリル)プロパン(1.6Mヘキサン溶液、CaH2上で保管)、およびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のヘキサン溶液を用いた。
すべてシグマ−アルドリッチ社(セントルイス、ミズーリ)から入手した次の市販の試薬および開始物質を、他の記載がない限りさらに精製することなく用いた;1−(3−ブロモプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン(純度97%)、MTES(純度99%)、およびTEOS(純度99%+)。
実施例におけるデータの検証は、表1aおよび1bに示した処方に従って作製した充填組成物に対して行った。これらの表では、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニルジアミンが酸化防止剤として作用する一方、ベンゾチアジル−2−シクロヘキシルスルフェンアミド、N,N’−ジフェニルグアニジン、およびジ(フェニルチオ)アセトアミドは促進剤として作用する。これら各物質はアミンであり、上述したように、作用してアミン官能性の酸性カチオンを中和できる。
Figure 2009533529
Figure 2009533529
「50℃ダイナスタットtanδ」に対応するデータは、次の条件を用いたダイナスタットTM機械的分光計(ダイナスタティック社;アルバニー、ニューヨーク)で実施した試験から入手した;1Hz、静止質量2kgおよび動荷重1.25kg、シリンダー状(直径9.5mm×高さ16mm)の加硫ゴム試料、および50℃。
「バウンドラバー」に対応するデータは、「ゴム化学および技術(Rubber Chem. and Tech.)」J.J.Brennanその外著、40巻、p817(1967年)により記載された手順を用いて測定した。
実施例1〜6
実施例1〜4
撹拌器を備えた窒素置換された反応器に、ヘキサン1.78kg、スチレン0.38kg、およびブタジエン(21.9質量%ヘキサン溶液)2.32kgを加えた。該反応器にn−ブチルリチウム(1.54Mヘキサン溶液)を3.67mL投入し、続いて2,2−ビス(2’−テトラヒドロフリル)プロパン溶液を1.05mL投入した。該反応器のジャケットを50℃まで加熱し、約30分後、バッチ温度が約56℃に達した。さらに15分後、ポリマーセメントを反応器から乾燥させたガラス容器に移した。
2つの部分を、各々1−(3−ブロモプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン(試料2)およびTEOS(試料3)と、50℃の湯浴中で30分間反応させた。これらと非官能化ポリマー(試料1)とをBHTを含むイソプロパノール中で凝固させ、ドラム乾燥させた。
試料2の一部を1%HClのTHF溶液で加水分解し(室温で約1時間)、続いて10%NaOH水溶液で数分間室温にて中和して、脱保護された第一級アミノ官能基末端ポリマーを得た(以下試料4として特定する)。これを凝固させ、上述のようにドラム乾燥させた。
実施例5〜6
n−ブチルリチウム溶液3.47mLを用いた以外、上述の重合手順を繰り返し、約24分後、バッチ温度のピークが約58℃に到達した。
さらに15分後、3.89Mの1−(3−ブロモプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタンのTHF溶液0.63mLを反応器に加え;これにより、第一官能化化合物の開始剤に対する比が約1:2になった。約5分後、4.55MのTEOSのヘキサン溶液1.1mLを加え;これにより、第二官能化化合物の開始剤に対する比が約1:1となった(すなわち、総官能化化合物の過剰分)。この混合物をさらに30分間、約50℃で撹拌した。
この多官能性ポリマー組成物の一部を上述のように加水分解及び中和し;これを試料6とし、一方非加水分解部分を試料5とした。これらの試料を上述のように凝固させ、ドラム乾燥させた。
配合物の調製
表1aおよび1bに示した処方を用い、補強性充填剤を含む加硫エラストマー組成物を試料1〜6から調製した。これら配合物での物理的試験の結果を下記表2に示す。これらの行は2つのデータを含むため、上行は表1aからの処方に関し、下行は表1bからの処方に関する。
Figure 2009533529
表2の50℃歪み掃引データは、多官能基を有するスチレン/ブタジエンインターポリマーの配合物(例5および6)が、カーボンブラックのみの処方において、保護されたアミノ基または第一級アミン官能基のみを有する対応するインターポリマー(各々、例2および4)よりも、tanδをわずかに減少させることを示している。しかしながら、多官能性化合物は混合充填剤系では、顕著に改良されたtanδ減少を示した。
同様に、例5および3に関する同じデータの比較によれば、カーボンブラックのみの処方においてはtanδ減少に関して顕著な改良が達成され、混合充填剤系では適度な改良が達成された。後者は特に、より少ない鎖がアルコキシシラン官能性を含むようであるという驚くべき事実を示す。
0℃でのより高いtanδ値は、一般により良好なウェットトラクション性能に対応する。表2におけるデータは、実施例5および6が少なくとも官能基の組み合わせを伴わないもの(実施例2〜4)と同程度に機能することを示唆している。
実施例7〜12
実施例1〜6に関して述べた重合手順を、多くの部分で繰り返した。コントロールの非官能化ポリマーを、実施例1〜6に関して述べたように処理した(試料7)。
比較として、ポリマーセメントの一部をイソプロパノールで凝固させる前に過剰のMTESと反応させ(試料8)、ドラム乾燥させた。
ポリマー部分を1−(3−ブロモプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタンと反応させた。1つを約0.5当量(使用したn−ブチル開始剤の量に基づく)と反応させ、もう1つを約0.3当量と反応させ、3つ目を約0.7当量と反応させた。これらを以下試料A、B、およびCとする。
官能化された試料Aをさらに1当量(n−BuLiの量に基づく)のMTESと反応させた。この一部(試料11)をイソプロパノール中で凝固させ、ドラム乾燥させた。この多官能性ポリマー組成物の他の部分を、凝固させる前に上述のように加水分解及び中和させ、ドラム乾燥させた(試料12)。
官能化された試料Bを、イソプロパノールで凝固させる前にさらに1当量のMTESと反応させ(試料10)、ドラム乾燥させた。
官能化された試料Cを、イソプロパノールで凝固させる前にさらに1当量のMTESと反応させ(試料9)、ドラム乾燥させた。
表1aおよび1bで示した処方を用い、補強性充填剤を含む加硫エラストマー組成物を試料7〜12から調製した。これら組成物における物理的試験の結果を以下の表3に示す。
Figure 2009533529
表3の50℃歪み掃引データは、多官能基を有するスチレン/ブタジエンインターポリマー化合物(例9〜12)が、カーボンブラックのみおよび混合充填剤(シリカ/カーボンブラック)処方の双方において、対応する非官能化またはMTESのみの官能化インターポリマー(各々、試料7および8)よりも、tanδの減少をもたらすことを示している。
その同じデータが、実施例10(約0.3:1第一官能化、および約0.7:1第二官能化)が混合充填剤処方で最大のtanδの減少をもたらしたことを明示している。
0℃でのtanδに関して、表3のデータは実施例9〜12が実施例8と同程度であることを示唆している。
実施例13〜17
実施例1〜6に関して述べた重合手順を、多くの部分で繰り返した。しかしながら、形成されたリビングポリマー(カルバニオン)の大部分が1つではなく2つの生きたサイトを有するように、sec−ブチルリチウムと1,3−ジイソプロペニルベンゼンとを反応させることにより作製した二官能性開始剤を用いた。
コントロールの非官能化ポリマーを、試料1に関して述べたように処理した(試料13)。
リビングセメントの一部を、上記試料5〜6に関して述べたように、1−(3−ブロモプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタンおよびTEOSと連続して反応させた。この連続して官能化されたポリマーの一部を、上記試料6に関して述べたように加水分解した。これらを各々、試料14および15とした。
リビングセメントの他の部分を、上記試料2に関して述べたように、1−(3−ブロモプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタンと反応させた。この官能化ポリマーの一部を、上記試料4に関して述べたように加水分解した。これらを各々、試料16および17とした。
すべての試料を前記実施例におけるように凝固させ、ドラム乾燥させた。
表1aおよび1bで示した処方を用い、補強性充填剤を含む加硫エラストマー組成物を試料13〜17から調製した。これら組成物における物理的試験の結果を以下の表4に示す。(実施例14は混合充填剤系では加工できなかったので、次の表中で第2データ一式を含まない。)
Figure 2009533529
表4からのデータは、多官能性開始剤の使用は同一鎖上で多官能基を有するポリマーをもたらすことができるが、これらポリマーは充填組成物に加えた際にいくつかの加工上の課題をもたらし得ることを示している。にもかかわらず、かかる官能化ポリマーは、カーボンブラックのみ、および混合シリカ/カーボンブラック処方の双方において、対応する非官能性のインターポリマーと比較して、tanδの顕著な減少をもたらすことができる。

Claims (10)

  1. a)カルバニオンポリマー鎖を含有する組成物を形成する工程、
    b)第一官能化ポリマーを形成するために、前記鎖の一部を第一化合物と反応させる工程、および
    c)第二化合物を前記組成物に導入し、そして、第二官能化ポリマーを形成するために、前記第一官能性ポリマーの存在下で、前記鎖の他の一部を前記第二化合物と反応させる工程
    を含み、
    前記第一官能化ポリマーが1種の微粒子充填剤と選択的に相互作用し、前記第二官能化ポリマーが他種の微粒子充填剤と選択的に相互作用する
    ことを特徴とする充填組成物の製造方法。
  2. 前記第一化合物が保護されたアミノ基を有し、かつ前記第一官能化ポリマーが少なくとも1つの窒素原子を含む少なくとも1つの官能基を有し、該少なくとも1つの官能基が前記保護されたアミノ基から誘導されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. さらに、前記第一化合物が、求電子官能性、または少なくとも1つの−NR’−C(Z)−部分[ここで、ZはSまたはOであって、R’はアルキルまたはアリール基である]を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記第一化合物が、少なくとも1つのC=N部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記第二化合物が、テトラアルキルオルトシリケートまたはアルキルアルコキシシランであり、前記第二官能化ポリマーが、アルコキシシラン部分を含む少なくとも1つの官能基を有し、該少なくとも1つの官能基が、前記テトラアルキルオルトシリケートまたはアルキルアリコキシシランから誘導されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの窒素原子を含む少なくとも1つの官能基が、少なくとも1つの窒素原子を含む官能基とアルコキシシラン部分を含む官能基との合計の約25〜約35%を構成する、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. さらに、前記組成物が溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. さらに、実質的に前記溶媒の全てを前記組成物から除去する工程と、該組成物を、少なくとも2種の微粒子充填剤と少なくとも1種の加硫促進剤および酸化防止剤とを含む材料と混合する工程とを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. さらに、加硫物を形成するために、加硫剤を添加する工程と、任意選択的に該加硫物を加硫する工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. a)少なくとも1つの窒素原子を含む少なくとも1つの官能基を有する第一官能化ポリマー、
    b)少なくとも1つのアルコキシシラン部分を含む少なくとも1つの官能基を有する第二官能化ポリマー、
    c)カーボンブラック微粒子充填剤、および
    d)シリカ微粒子充填剤
    を含有し、
    前記少なくとも1つの窒素原子を含む官能基が、少なくとも1つの窒素原子を含む官能基と少なくとも1つのアルコキシシラン部分を含む官能基との合計の約25〜約50%を構成し、前記第一および第二官能化ポリマーの一方が、前記第一および第二官能化ポリマーの他方の存在下で生成される
    ことを特徴とする組成物。
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