JP2009533063A - インフルエンザa型ウイルスの検出法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、リアルタイムPCRを用いて生物学的試料においてインフルエンザA型を検出する方法を提供する。インフルエンザA型の検出のためのプライマーおよびプローブが本発明により提供される。そのようなプライマーおよびプローブを含むインフルエンザA型を検出するための製品が本発明によりさらに提供される。

Description

技術分野
本発明はウイルスの診断、より詳しくはインフルエンザA型ウイルスの検出に関する。
背景
インフルエンザウイルスは米国において毎年人口の5〜20%に感染し、30,000〜50,000人の死をもたらす。インフルエンザワクチンが感染予防の主たる方法であるが、4種類の抗ウイルス薬:アマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、およびザナミビルもまた米国において利用可能である。2005年12月現在、ウイルスのM2タンパク質におけるアミノ酸置換に由来するアマンタジンおよびリマンタジンへのウイルスの増加する抵抗性のために、オセルタミビル(TAMIFLU(登録商標))のみがインフルエンザA型の処置に推奨されている。
インフルエンザの迅速かつ正確な検査室診断は、病院および共同体内での初期の検出、成功裡の発生制御のため、および処置を指示するために非常に重要である。重要なことには、薬物の早期の投与と抗インフルエンザウイルス処置への患者の臨床応答との間には直接的な関係が存在する。オセルタミビルは、発熱の開始後最初の12時間以内に与えられると、約72時間までに症状を減少させることが示されている。症状の開始後48時間未満に与えられると、疾患は1〜2日までに減少することが報告されている。重要なことには、インフルエンザの症状は他のウイルス性および細菌性呼吸器疾患から識別することが難しい。そのため、インフルエンザウイルス感染の迅速な同定が、指示された早期の抗ウイルス処置を開始する機会を提供し、緊急報告が抗生物質の保証されていない使用を防止することができる。さらに、薬物の有効性の正確な評価は、インフルエンザウイルス感染を検出するための検査室における正確、迅速、高感度、かつ特異的な試験方法の利用可能性に依存する。
概要
本発明は、生物学的試料においてリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりインフルエンザA型ウイルス核酸を同定する方法を提供する。インフルエンザA型を検出するためのプライマーおよびプローブ、ならびにそのようなプライマーおよびプローブを含むキットが本発明により提供される。本発明の方法は、インフルエンザA型感染の診断のために被検物からインフルエンザA型核酸を迅速に同定するために使用され得る。本方法は、特異的なプライマーおよびプローブを使用して増幅することと、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を用いて特異的な増幅産物の発生をモニターすることとを含む。
本発明の一つの局面において、個体由来の生物学的試料においてインフルエンザA型の有無を検出するための方法が提供される。インフルエンザA型ウイルス核酸を検出する方法は、増幅段階およびハイブリダイズ段階を含む少なくとも1回のサイクル段階を行う工程を含む。増幅段階は、インフルエンザA型核酸分子が試料に存在する場合はインフルエンザA型増幅産物を生成するように試料をインフルエンザA型プライマーのペアと接触させることを含む。ハイブリダイズ段階は、試料をインフルエンザA型プローブのペアと接触させることを含む。一般に、インフルエンザA型プローブのペアのメンバーは、互いに5ヌクレオチド以下の範囲内にハイブリダイズする。インフルエンザA型プローブのペアの第一のインフルエンザA型プローブは、典型的には供与体蛍光部分で標識され、かつインフルエンザA型プローブのペアの第二のインフルエンザA型プローブは、対応する受容体蛍光部分で標識される。本方法は、第一のインフルエンザA型プローブの供与体蛍光部分と第二のインフルエンザA型プローブの受容体蛍光部分との間のFRETの有無を検出する工程をさらに含む。FRETの存在は通常、試料におけるインフルエンザA型の存在を示し、一方FRETの不在は通常、試料におけるインフルエンザA型の不在を示す。
インフルエンザA型プライマーのペアは、一般に第一のインフルエンザA型プライマーおよび第二のインフルエンザA型プライマーを含む。第一のインフルエンザA型プライマーは配列
Figure 2009533063
を含み得、および/または第二のインフルエンザA型プライマーは配列
Figure 2009533063
を含み得る。第一のインフルエンザA型プローブは配列
Figure 2009533063
を含み得、および/または第二のインフルエンザA型プローブは配列
Figure 2009533063
を含み得る。
いくつかの局面において、インフルエンザA型プライマーの一つは蛍光部分(適宜、供与体または受容体のいずれか)で標識することができ、インフルエンザA型プローブの一つの代わりをし得る。
インフルエンザA型プローブのペアのメンバーは、互いに2ヌクレオチド以下の範囲内にハイブリダイズし得るか、または互いに1ヌクレオチド以下の範囲内にハイブリダイズし得る。代表的な供与体蛍光部分はフルオレセインであり、対応する受容体蛍光部分は、LC-Red 640、LC-Red 705、Cy5、およびCy5.5を含む。追加的な対応する供与体および受容体蛍光部分が当技術分野において公知である。
一つの局面において、検出する工程は、供与体蛍光部分によって吸収される波長で試料を励起することと、受容体蛍光部分によって放出される波長を視覚化および/または測定すること(すなわち、FRETを視覚化および/または測定すること)とを含む。別の局面において、検出する工程は、FRETを定量化することを含む。さらに別の局面において、検出する工程は、各サイクル段階後に(例えば、リアルタイムで)行われ得る。
一般に、45サイクル以内(例えば、40、35、30、25、または20サイクル)でのFRETの存在は、個体におけるインフルエンザA型感染の存在を示す。さらに、インフルエンザA型プローブの一方または両方とインフルエンザA型増幅産物との間の融解温度を決定する工程は、インフルエンザA型の有無を確認し得る。
気道由来の代表的な生物学的試料は、咽喉スワブ、咽喉洗浄液、鼻スワブ、および下気道由来の被検物を含む。米国特許第6,811,971号に記載されたように、生物学的試料はまた唾液も含み得る。
上述の方法は、混入核酸の増幅を防止する工程をさらに含み得る。増幅を防止する工程は、ウラシルの存在下で増幅段階を行うことと、増幅段階に先立って試料をウラシル-DNAグリコシラーゼで処置することとを含み得る。
さらに、サイクル段階は対照試料に対して行われ得る。対照試料はインフルエンザA型核酸分子の同じ部分を含み得る。または、対照試料はインフルエンザA型核酸分子以外の核酸分子を含み得る。サイクル段階は、そのような対照試料に対して対照プライマーのペアおよび対照プローブのペアを用いて行われ得る。対照プライマーおよびプローブはインフルエンザA型プライマーおよびプローブ以外である。一つまたは複数の増幅段階が対照増幅産物を生成する。対照プローブの各々は対照増幅産物にハイブリダイズする。
本明細書において開示される方法を用いて生物学的試料においてインフルエンザA型が検出された際、生物学的試料が取得された患者には直ちに処置が提供され得る。処置は、例えば、非限定的に、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、Tamiflu(登録商標))の投与、隔離、または両方を含み得る。
本発明の別の局面において、製品またはキットが提供される。本発明のキットは、インフルエンザA型プライマーのペア、およびインフルエンザA型プローブのペア、ならびに供与体および対応する受容体蛍光部分を含み得る。例えば、本発明のキットにおいて提供される第一のインフルエンザA型プライマーは配列
Figure 2009533063
を有し得、および/またはキットにおける第二のインフルエンザA型プライマーは配列
Figure 2009533063
を有し得る。本発明のキットにおいて提供される第一のインフルエンザA型プローブは配列
Figure 2009533063
を有し得、および/またはキットにおける第二のインフルエンザA型プローブは配列
Figure 2009533063
を有し得る。
製品またはキットは、プローブを標識するための蛍光性(fluorophoric)部分、または供与体および対応する受容体蛍光部分で既に標識されたプローブを含み得る。キットはまた、試料においてインフルエンザA型の有無を検出するために、プライマー、プローブ、および蛍光性部分を用いるための使用説明を文書上に有する添付文書を含み得る。
さらに別の局面において、個体由来の生物学的試料においてインフルエンザA型の有無を検出するための方法が提供される。そのような方法は、少なくとも1回のサイクル段階を行う工程を含む。サイクル段階は、増幅段階およびハイブリダイズ段階を含み得る。一般に、増幅段階は、インフルエンザA型核酸分子が試料に存在する場合はインフルエンザA型増幅産物を生成するように試料をインフルエンザA型プライマーのペアと接触させることを含む。一般に、ハイブリダイズ段階は、試料をインフルエンザA型プローブと接触させることを含む。そのようなインフルエンザA型プローブは、通常、供与体蛍光部分および対応する受容体蛍光部分で標識されている。本方法は、インフルエンザA型プローブの供与体蛍光部分と受容体蛍光部分との間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の有無を検出する工程をさらに含む。蛍光の有無は、該試料におけるインフルエンザA型の有無を示す。
一つの局面において、増幅には、5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を使用することができる。したがって、第一および第二の蛍光部分は、プローブの長さに沿って互いに5ヌクレオチド以下(例えば、4、3、2、または1ヌクレオチド)の範囲内であると考えられる。別の局面において、インフルエンザA型プローブは、二次構造形成を許容する核酸配列を含む。そのような二次構造形成は、一般に、第一と第二の蛍光部分の間に空間的接近をもたらす。本方法によると、プローブ上の第二の蛍光部分は消光剤であり得る。
本発明の別の局面において、個体由来の生物学的試料においてインフルエンザA型の有無を検出するための方法が提供される。そのような方法は、少なくとも1回のサイクル段階を行う工程を含む。サイクル段階は、増幅段階および色素結合段階を含み得る。増幅段階は、一般に、インフルエンザA型核酸分子が試料に存在する場合はインフルエンザA型増幅産物を生成するように試料をインフルエンザA型プライマーのペアと接触させることを含む。色素結合段階は、一般に、インフルエンザA型増幅産物を二本鎖DNA結合色素と接触させることを含む。本方法は、二本鎖DNA結合色素の増幅産物中への結合の有無を検出する工程をさらに含む。本発明によると、結合の存在は典型的に試料におけるインフルエンザA型の存在を示し、かつ結合の不在は典型的に試料におけるインフルエンザA型の不在を示す。そのような方法は、インフルエンザA型増幅産物と二本鎖DNA結合色素との間の融解温度を決定する工程をさらに含み得る。一般に、融解温度はインフルエンザA型の有無を確認する。代表的な二本鎖DNA結合色素は、SYBRGREEN I(登録商標)、SYBRGOLD(登録商標)、および臭化エチジウムを含む。
別の局面において、本発明は、個体がインフルエンザA型に対する処置が必要であるか否かを判定するための、本明細書において説明される方法の使用を可能にする。インフルエンザA型に対する処置は、例えば、個体へのノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、Tamiflu(登録商標))の投与を含み得る。本発明はまた、個体がインフルエンザA型に対する処置が必要であるか否かを判定するための、本明細書において説明される製品の使用を提供する。さらに、本明細書において説明される方法および/または製品は、インフルエンザA型に対する処置の有効性について個体をモニターするため、ならびに疫学において集団(例えば、村、市、または国)における個体から個体へ、および/または集団から集団へのインフルエンザA型の伝染および進行をモニターするために使用され得る。
本明細書において開示される方法および/または製品(例えば、キット)は、患者がインフルエンザA型に対する処置が必要であるか否かを判定するために使用され得る。
別の方法で定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において説明されるものと類似したまたは同等の方法および材料が本発明の実施または試験において使用され得るが、適当な方法および材料が下記に説明される。さらに、材料、方法、および実施例は実例となるだけであって、限定されることを意図していない。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参照文献は、全体として参照により組み入れられる。矛盾する場合は、定義を含んで本明細書が支配する。
本発明の一つまたは複数の態様の詳細が、添付の図面および下記の説明において示される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、添付の図面および詳細な説明、ならびに添付の特許請求の範囲より明らかになるであろう。
詳細な説明
既存のアッセイよりも高感度かつ特異的である、生物学的試料においてインフルエンザA型を検出するためのリアルタイムアッセイが、本明細書において説明される。インフルエンザA型感染を検出するためのプライマーおよびプローブ、ならびにそのようなプライマーおよびプローブを含む製品が、本発明により提供される。インフルエンザA型の検出のためのリアルタイムPCRの他の方法と比較して増加した感度、ならびに試料封じ込めおよび増幅された産物のリアルタイム検出を含むリアルタイムPCRの改善された特徴により、臨床検査室におけるインフルエンザA型感染の日常的な診断のための本技術の実施が可能になる。
インフルエンザA型核酸およびオリゴヌクレオチド
本発明は、例えばインフルエンザA型核酸の一部を増幅することによってインフルエンザA型を検出する方法を提供する。インフルエンザA型由来の核酸配列は入手可能である。例えば、インフルエンザ配列データベース(Influenza Sequence Database:ISD)(World Wide Web上のflu.lanl.gov 、Macken et al., 2001, “The value of a database in surveillance and vaccine selection”in Options for the Control of Influenza IV. A.D.M.E., Osterhaus & Hampson (Eds.), Elsevier Science, Amsterdam, pp. 103-106に記載されている)およびゲノム研究所(The Institute for Genomic Research:TIGR)の微生物配列センター(Microbial Sequencing Center:MSC)(World Wide Web上のtigr.org/msc/infl_a_virus.shtml)を参照されたい。
具体的には、インフルエンザA型核酸分子を増幅し、かつ検出するためのプライマーおよびプローブが本発明により提供される。本明細書において例示されるもの以外のインフルエンザA型核酸もまた、試料においてインフルエンザA型を検出するために使用され得る。本明細書において例示されるもの以外のインフルエンザA型核酸(例えば、機能性変異体)は、本明細書において例示される方法のような、しかしそれらに限定されない日常的な方法を用いて当業者によって評価(例えば、特異性および/または感度について)され得る。代表的な機能性変異体は、例えば、本明細書において開示される核酸における欠失、挿入、および/または置換を含む。
インフルエンザA型核酸分子を増幅するプライマー、例えばインフルエンザA型は、例えば、OLIGO(Molecular Biology Insights, Inc., Cascade, CO)などのコンピュータープログラムを用いて設計され得る。増幅プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドを設計する際の重要な特徴は、検出(例えば、電気泳動による)を促進するために適切なサイズの増幅産物、プライマーのペアのメンバーと類似した融解温度、および各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異性を有してアニールし、かつ合成を開始するのに十分長い必要があるが、オリゴヌクレオチド合成の間に忠実度が低減されるほど長い必要は無い)を含むが、それらに限定されない。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーは、長さが15〜30(例えば、16、18、20、21、22、23、24、または25)ヌクレオチドである。
ハイブリダイゼーションプローブとして使用されるオリゴヌクレオチドの設計は、プライマーの設計と類似した方法で行われ得るが、プローブのペアのメンバーは、好ましくは、FRETが起こり得るように同じ鎖上で互いに5ヌクレオチド以下の範囲内で増幅産物にアニールする(例えば、互いに1、2、3、または4ヌクレオチド以下の範囲内で)。この分離の最小度が、典型的に、FRETが起こるような十分な近距離にそれぞれの蛍光部分をもたらす。しかしながら、FRETが起こり得るように蛍光部分が互いに対して適切に配置される(例えば、リンカーアームを用いて)との条件で、他の分離距離(例えば、6またはそれ以上のヌクレオチド)が可能であることが理解されるべきである。さらに、プローブは、多型または変異を含む標的にハイブリダイズするように設計することができ、それによって、識別される特定のインフルエンザA型株に対応する異なるプローブのペアの絶対的なハイブリダイゼーション、または、例えば、識別されるインフルエンザA型株に対応するプローブのペアのメンバーと各増幅産物との間の差次的な融解温度のいずれかに基づいてインフルエンザA型株の差次的な検出が可能になる。オリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドプライマーと同様に、通常類似した融解温度を有し、各プローブの長さは、配列特異的ハイブリダイゼーションが起こるのに十分である必要があるが、合成の間に忠実度が低減されるほど長い必要は無い。オリゴヌクレオチドプローブは、一般に、長さが15〜30(例えば、16、18、20、21、22、23、24、または25)ヌクレオチドである。
本発明の構築物は、インフルエンザA型核酸分子(例えば、SEQ ID NO:1、2、3、または4)を含むベクターを含む。本発明の構築物は、例えば、対照鋳型核酸分子として使用され得る。本発明における使用に適するベクターは市販されており、および/または当技術分野において日常的である組換え核酸技術法によって生成される。インフルエンザA型核酸分子は、例えば、化学合成、インフルエンザA型からの直接クローニング、またはPCR増幅によって取得され得る。インフルエンザA型核酸分子またはその断片は、プロモーター、またはインフルエンザA型核酸分子の発現を調節するエンハンサー配列、応答要素、もしくは誘導要素などの他の制御要素に機能的に連結され得る。本明細書において使用される時、機能的に連結するとは、インフルエンザA型核酸分子の発現を可能にするおよび/または制御するような方法で、プロモーターおよび/または他の制御要素をインフルエンザA型核酸分子に接続することを指す。インフルエンザA型の発現を通常は導かないプロモーターが、例えば、ウイルスポリメラーゼ、細菌ポリメラーゼ、または真核生物RNAポリメラーゼIIを用いてインフルエンザA型核酸の転写を導くために使用され得る。または、インフルエンザA型の天然のプロモーターが、インフルエンザA型核酸の転写を導くために使用され得る。さらに、機能的に連結されるとは、異種のコード配列の発現を可能にするような方法での、インフルエンザA型プロモーターまたは制御要素と異種のコード配列(すなわち、インフルエンザA型でないコード配列、例えば、レポーター遺伝子)との間の適切な接続を指し得る。
本発明の方法における使用に適する構築物は、典型的に、インフルエンザA型核酸分子(例えば、SEQ ID NO:1、2、3、または4の一つまたは複数の配列を含む核酸分子)に加えて、所望の構築物および/または形質転換体を選択するための選択可能なマーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)をコードする配列、ならびに複製開始点を含む。ベクター系の選択は、通常、宿主細胞の選択、複製効率、選択性、誘導性、および回収の容易さを含むがそれらに限定されないいくつかの因子に依存する。
インフルエンザA型核酸分子を含む本発明の構築物は、宿主細胞において伝播され得る。本明細書において使用される時、宿主細胞という用語は、原核生物、ならびに、酵母、植物、および動物細胞などの真核生物を含むように意図される。原核生物宿主は、大腸菌(E. coli)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、霊菌(Serratia marcescens)、および枯草菌(Bacillus subtilis)を含んでもよい。真核生物宿主は、S.セレビシエ(S. cerevisiae)、S.ポンベ(S. pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などの酵母、COS細胞またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞、昆虫細胞、ならびに、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)およびタバコ(Nicotiana tabacum)などの植物細胞を含む。本発明の構築物は、当業者に一般に公知である技術の任意を用いて宿主細胞に導入され得る。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルス媒介核酸導入が、核酸を宿主細胞に導入するための一般的な方法である。さらに、裸のDNAを細胞に直接送達することができる(例えば、米国特許第5,580,859号および5,589,466号を参照されたい)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許第4,683,202号、第4,683,195号、第4,800,159号、および第4,965,188号は従来のPCR技術を開示する。PCRは典型的に、選択された核酸鋳型(例えば、DNAまたはRNA)に結合する2種類のオリゴヌクレオチドプライマーを使用する。本発明において有用であるプライマーは、インフルエンザA型核酸配列(例えば、SEQ ID NO:1、2、3、または4)内で核酸合成の開始点として作用することが可能であるオリゴヌクレオチドを含む。プライマーは、従来の方法により制限酵素消化から精製してもよく、または合成で生成してもよい。プライマーは増幅における最大効率のために好ましくは一本鎖であるが、二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは最初に変性され、すなわち、鎖を分離するように処置される。二本鎖核酸を変性させる一つの方法は加熱による。
「耐熱性ポリメラーゼ」という用語は、熱に安定であるポリメラーゼ酵素を指し、すなわち、酵素は、鋳型に相補的なプライマー伸長産物の形成を触媒し、かつ、二本鎖鋳型核酸の変性をもたらすのに必要な時間上昇した温度に供される際に、不可逆的に変性しない。一般に、合成は各プライマーの3'末端で開始され、鋳型鎖に沿って5'→3'方向に進行する。耐熱性ポリメラーゼは、サーマス・フラバス(Thermus flavus)、T.ルーバー(T. ruber)、T.サーモフィラス(T. thermophilus)、T.アクアティクス(T. aquaticus)、T.ラクテウス(T. lacteus)、T.ルーベンス(T. rubens)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、およびメタノサーマス・フェルビダス(Methanothermus fervidus)から単離されている。それにもかかわらず、酵素が補充されるとの条件で、耐熱性でないポリメラーゼもまたPCRアッセイにおいて使用され得る。
鋳型核酸が二本鎖である場合、PCRにおける鋳型として使用され得る前に二本の鎖に分離する必要がある。鎖の分離は、物理的、化学的、または酵素的手段を含む任意の適当な変性法によって達成され得る。核酸鎖を分離する一つの方法は、核酸が大部分変性される(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、または95%より多くが変性される)まで加熱することを含む。鋳型核酸を変性させるために必要な加熱条件は、例えば、緩衝液の塩濃度ならびに変性される核酸の長さおよびヌクレオチド組成に依存すると考えられるが、典型的には、温度および核酸の長さなどの反応の特徴に依存した時間、約90℃〜約105℃の範囲である。変性は、典型的には約30秒〜4分間(例えば、1分〜2分30秒、または1.5分)行われる。
二本鎖鋳型核酸が熱によって変性される場合、反応混合物はインフルエンザA型核酸上の標的配列への各プライマーのアニーリングを促進する温度に下がることが許容される。アニーリングのための温度は、通常約35℃〜約65℃(例えば、約40℃〜約60℃;約45℃〜約50℃)である。アニーリング時間は、約10秒〜約1分(例えば、約20秒〜約50秒;約30秒〜約40秒)であり得る。その後、反応混合物は、ポリメラーゼの活性が促進されるかまたは最適化される温度、すなわち、鋳型核酸に相補的な産物を生成するために伸長がアニールしたプライマーから起きるのに十分な温度に調整される。温度は、核酸鋳型にアニールする各プライマーから伸長産物を合成するのに十分な温度であるべきであるが、伸長産物を相補的鋳型から変性させるほど高い温度とすべきではない(例えば、伸長のための温度は一般に約40℃〜80℃(例えば、約50℃〜約70℃;約60℃)の範囲である)。伸長時間は、約10秒〜約5分(例えば、約30秒〜約4分;約1分〜約3分;約1分30秒〜約2分)であり得る。
PCRアッセイは、RNAまたはDNA(cDNA)などのインフルエンザA型核酸を使用し得る。鋳型核酸は精製される必要はなく;ヒト細胞に含まれるインフルエンザA型核酸などの複合混合物の小画分であってもよい。インフルエンザA型核酸は、Diagnostic Molecular Microbiology: Principles and Applications(Persing et al. (eds), 1993, American Society for Microbiology, Washington D.C)または米国特許第6,811,971号に記載されたものなどの日常的な技術によって生物学的試料から抽出されてもよい。核酸は、プラスミド、または、細菌、酵母、ウイルス、細胞小器官、または植物もしくは動物などの高等生物を含む天然起源などの任意の数の起源から取得され得る。
オリゴヌクレオチドプライマー(例えば、SEQ ID NO:1または2)は、プライマー伸長を誘導する反応条件の下でPCR試薬と組み合わせられる。例えば、鎖伸長反応は、一般に、50 mM KCl、10 mM Tris-HCl(pH 8.3)、15 mM MgCl2、0.001%(w/v)ゼラチン、0.5〜1.0μg変性鋳型DNA、50ピコモルの各オリゴヌクレオチドプライマー、2.5 UのTaqポリメラーゼ、および10% DMSOを含む。反応は通常、各々150〜320μMのdATP、dCTP、dTTP、dGTP、または一つもしくは複数のその類似体を含む。
新たに合成された鎖は、反応の次の段階において使用され得る二本鎖分子を形成する。鎖分離、アニーリング、および伸長の段階は、標的インフルエンザA型核酸分子に対応する増幅産物の所望の量を生成するのに必要とされる頻度で反復され得る。反応における制限因子は、反応に存在するプライマー、耐熱性酵素、およびヌクレオシド三リン酸の量である。サイクル段階(すなわち、変性、アニーリング、および伸長)は好ましくは少なくとも1回反復される。検出における使用のために、サイクル段階の数は、例えば試料の性質に依存すると考えられる。試料が核酸の複合混合物である場合、検出に十分な標的配列を増幅するためにより多くのサイクル段階が必要とされると考えられる。一般に、サイクル段階は少なくとも約20回反復されるが、40、60、または100回もの回数、反復されてもよい。
蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号、第5,565,322号、第5,849,489号、および第6,162,603号を参照されたい)は、供与体および対応する受容体蛍光部分が互いにある特定の距離内に配置される際に、視覚化され得るか、またはさもなければ検出および/もしくは定量化され得るエネルギー転移が二つの蛍光部分の間に起こるという概念に基づく。各々が蛍光部分を含む二つのオリゴヌクレオチドプローブ(例えば、SEQ ID NO:3または4)は、インフルエンザA型標的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドプローブの相補性によって決定される特定の位置で増幅産物にハイブリダイズし得る。オリゴヌクレオチドプローブの適切な位置での増幅産物核酸へのハイブリダイゼーションと同時に、FRETシグナルが生成される。ハイブリダイゼーション温度は約35℃〜約65℃(例えば、約40℃〜約60℃;約45℃〜約55℃;約50℃)、約10秒〜約1分間(例えば、約20秒〜約50秒;約30秒〜約40秒)の範囲であり得る。
蛍光解析は、例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(特定の範囲で蛍光放出をモニターするための適切な二色性ミラーおよびフィルターを含む)、光子計数光電子増倍管システム、または蛍光光度計を用いて実施され得る。エネルギー転移を開始するための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アーク灯、光ファイバー光源、または所望の範囲における励起のために適切にフィルター処理された他の高強度光源を用いて実施され得る。
供与体および対応する受容体蛍光部分に関して本明細書において使用される時、「対応する」とは、供与体蛍光部分の励起スペクトルと部分的に重複する放出スペクトルを有する受容体蛍光部分を指す。受容体蛍光部分の放出スペクトルの極大波長は、供与体蛍光部分の励起スペクトルの極大波長よりも少なくとも100 nm長いべきである。結果的に、それらの間に有効な非放射性エネルギー転移が生成され得る。
蛍光供与体および対応する受容体部分は、一般に、(a)高効率のフォスター(Forster)エネルギー転移;(b)大きな最終ストークス(Stokes)シフト(>100 nm);(c)可視スペクトルの赤色部分中へのできる限り遠い放出のシフト(>600 nm);および(d)供与体励起波長での励起により生成されたラマン(Raman)水蛍光放出より高波長への放出のシフトにより選択される。例えば、レーザー線(例えば、ヘリウム‐カドミウム442 nmまたはアルゴン488 nm)近くの極大励起、高消光係数、高量子収率、および、蛍光放出の対応する受容体蛍光部分の励起スペクトルとの良好な部分的重複を有する供与体蛍光部分が選択され得る。高消光係数、高量子収率、励起の供与体蛍光部分の放出との良好な部分的重複、および可視スペクトルの赤色部分における放出(>600 nm)を有する対応する受容体蛍光部分が選択され得る。
FRET技術において種々の受容体蛍光部分と共に使用され得る代表的な供与体蛍光部分は、フルオレセイン、ルシファーイエロー、B-フィコエリトリン、9-アクリジンイソチオシアネート、ルシファーイエローVS、4-アセトアミド-4'-イソチオ-シアネートスチルベン-2,2'-ジスルホン酸、7-ジエチルアミノ-3-(4'-イソチオシアネートフェニル)-4-メチルクマリン、サクシニミジル1-ピレンブチレート、および4-アセトアミド-4'-イソチオシアネートスチルベン-2,2'-ジスルホン酸誘導体を含む。代表的な受容体蛍光部分は、使用される供与体蛍光部分に依存して、LC(商標)-Red 640、LC(商標)-Red 705、Cy5、Cy5.5、リサミンローダミンBスルホニルクロライド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンxイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、ジエチレントリアミンペンタアセテート、または他のランタニドイオン(例えば、ユーロピウム、またはテルビウム)のキレートを含む。供与体および受容体蛍光部分は、例えば、Molecular Probes(Junction City, OR)またはSigma Chemical Co.(St.Louis, MO)から取得され得る。
供与体および受容体蛍光部分は、リンカーアームを介して適切なプローブオリゴヌクレオチドに付着され得る。リンカーアームは供与体と受容体蛍光部分の間の距離に影響を及ぼすと考えられるため、各リンカーアームの長さは重要である。本発明の目的のためのリンカーアームの長さは、ヌクレオチド塩基から蛍光部分までオングストローム(Å)の距離である。一般に、リンカーアームは約10〜約25Å(例えば、約15Å〜約20Å)である。リンカーアームは、国際公開公報第84/03285号に記載された種類であってもよい。国際公開公報第84/03285号はまた、リンカーアームを特定のヌクレオチド塩基に付着させるため、およびまた蛍光部分をリンカーアームに付着させるための方法も開示する。
LC(商標)-Red 640-NHS-エステルなどの受容体蛍光部分は、例えばLC(商標)-Red 640-ホスホラミダイトを生成するために、C6-ホスホラミダイト(ABI(Foster City, CA)またはGlen Research(Sterling, VA)から入手可能)と組み合わせてもよい。フルオレセインなどの供与体蛍光部分をオリゴヌクレオチドにカップルさせるために頻繁に使用されるリンカーは、チオ尿素リンカー(FITC派生物、例えば、Glen ResearchまたはChemGene(Ashland, MA)由来のフルオレセイン-CPG)、アミドリンカー(BioGenex(San Ramon, CA)由来のフルオレセイン-CPGなどの、フルオレセイン-NHS-エステル派生物)、または、オリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン-NHS-エステルのカップリングを必要とする3'-アミノ-CPGを含む。
インフルエンザA型の検出
従来、検査室法がインフルエンザA型ウイルス感染の診断のために使用されてきた。一つのアッセイは、直接免疫蛍光法(DFA)による気道由来のウイルス感染細胞の検出である。しかしながら、この大きな労働力を要するDFA手順の感度は、細胞培養と比較して67%と低い可能性がある。さらに、結果の品質および解釈が難しく、主観的であり、かつ被検物および顕微鏡装置の品質に依存する可能性がある。日常的なウイルス学の実施において、DFAはインフルエンザA型ウイルス感染の診断にとって単独型の診断技術ではない。
インフルエンザウイルスを検出するためにCPEおよび/または赤血球吸着の認識に依存する従来のチューブ細胞培養の代替物として、インフルエンザウイルスの検出を被検物の検査室への受領数日後から1または2日後に短縮させるR-Mixシェルバイアル細胞培養が開発されてきた。しかしながら、表明された報告は、気道由来の被検物が接種された二つのR-Mixシェルバイアル細胞培養のうちの一つが呼吸器系ウイルスについてプールされた染色(免疫蛍光)で陽性染色だった場合、後に検査された第二のR-Mixバイアルが必ずしも同定可能なウイルスを生じなかったことを懸念している。これは、第二のR-Mixシェルバイアル由来の細胞を染色することによって同定できなかったウイルスの低いタイターのために起きたと考えられ、結果を報告する際に遅延を引き起こす。
しかしながら、市販されているリアルタイムPCR機器(例えば、LIGHTCYCLER(商標), Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, IN)を用いることによって、増幅産物のPCR増幅と検出とを、単一の密閉されたキュベットにおいて劇的に短縮されたサイクル時間で組み合わせることができる。検出は増幅と同時に起きるため、リアルタイムPCR法は増幅産物の操作の必要性を無くし、かつ増幅産物間の相互混入の危険を減少させる。リアルタイムPCRは所要時間を大幅に短縮し、かつ臨床検査室において従来のPCR技術の魅力的な代替物である。
本発明は、個体由来の生物学的試料においてインフルエンザA型の有無を検出するための方法を提供する。本発明により提供される方法は、試料の混入、偽陰性、および偽陽性の問題を回避する。本方法は、患者がインフルエンザA型に対する処置が必要であるか否かを判定するために使用され得る。陽性である場合、患者は時宜に即して適切な薬物(例えば、TAMIFLU(登録商標)などのノイラミニダーゼ阻害剤)を投与され得る。迅速な投与は、感染の量および症状の量を減少させ得る。インフルエンザA型について個体を迅速にまたは前もってさえもスクリーニングすることは、ウイルスの保有者を同定するために使用され得、次に、保有者から非保有者へのウイルスの伝染を減少させるかまたは排除するために使用され得る。
本方法は、インフルエンザA型プライマーのペアを用いて試料からインフルエンザA型核酸分子の一部を増幅することを含む、少なくとも1回のサイクル段階を行う工程を含む。インフルエンザA型プライマーの各々は、各増幅産物の少なくとも一部がインフルエンザA型に対応する核酸配列を含むような、インフルエンザA型核酸分子内の標的または隣接した標的にアニールする。より重要なことには、増幅産物はインフルエンザA型プローブに相補的である核酸配列を含むべきである。インフルエンザA型増幅産物は、インフルエンザA型核酸が存在するとの条件で生成される。各サイクル段階は、試料をインフルエンザA型プローブのペアと接触させることをさらに含む。本発明によると、インフルエンザA型プローブの各ペアの一方のメンバーは供与体蛍光部分で標識され、かつもう一方は対応する受容体蛍光部分で標識される。第一のインフルエンザA型プローブの供与体蛍光部分と第二のインフルエンザA型プローブの対応する受容体蛍光部分との間のFRETの有無が、インフルエンザA型プローブのインフルエンザA型増幅産物へのハイブリダイゼーションと同時に検出される。
各サイクル段階は、増幅段階およびハイブリダイゼーション段階を含み、かつ通常、FRETを検出する工程が後に続く。多数のサイクル段階は、好ましくはサーモサイクラーにおいて行われる。本発明の方法は、インフルエンザA型の存在を検出するためにインフルエンザA型プライマーおよびプローブセットを用いて行われ得る。インフルエンザA型反応におけるFRETの検出は、インフルエンザA型の存在を示す。
本明細書において使用される時、「増幅する」とは、鋳型核酸分子(例えば、インフルエンザA型核酸分子)の一方または両方の鎖に相補的である核酸分子を合成する過程を指す。核酸分子の増幅では、典型的に、鋳型核酸を変性させること、プライマーの融解温度より低い温度でプライマーを鋳型核酸にアニールさせること、および増幅産物を生成するためにプライマーから酵素的に伸長させることを含む。増幅は、典型的に、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例えば、PLATINUM(登録商標)Taq)、ならびにポリメラーゼ酵素の最適活性のための適切な緩衝液および/または補因子(例えば、MgCl2および/またはKCl)の存在を必要とする。
インフルエンザA型核酸の増幅が起きて増幅産物が生成される場合、ハイブリダイズ段階は、プローブのペアのメンバー間のFRETに基づいて検出可能なシグナルをもたらす。本明細書において使用される時、「ハイブリダイズする」とは、プローブの増幅産物へのアニーリングを指す。ハイブリダイゼーション条件は、典型的に、プローブの融解温度より低いがプローブの非特異的ハイブリダイゼーションを回避する温度を含む。
一般に、FRETの存在は試料におけるインフルエンザA型の存在を示し、かつFRETの不在は試料におけるインフルエンザA型の不在を示す。しかしながら、不適当な被検物の収集、輸送の遅延、不適切な輸送条件、またはある特定の収集スワブ(例えば、アルギン酸カルシウムスワブまたはアルミニウムシャフトスワブ)の使用はすべて、試験結果の成功および/または正確さに影響を及ぼし得る条件である。本明細書において開示される方法を用いると、45回以内のサイクル段階でのFRETの検出がインフルエンザA型感染を示す。
本発明の方法はまた、インフルエンザA型ワクチンの有効性研究または疫学研究のために使用され得る。例えば、インフルエンザA型ワクチンは、ウイルスがまだ個体に存在している間に本発明の方法を用いて検出され得る。そのようなワクチンの有効性研究のため、本発明の方法は、例えば、ワクチンにおいて使用されるインフルエンザA型の弱毒化株の残存率を決定するために使用してもよく、または、そのようなワクチンに対する個体の免疫応答をモニターするために血清学アッセイなどの追加的アッセイと共に行ってもよい。さらに、本発明の方法は、例えば、インフルエンザA型の発生の起源または重大度の疫学研究のために一つのインフルエンザA型株を別の株と識別するために使用され得る。さらに、インフルエンザが感染した患者に存続する期間をモニターすることによって、病院の感染制御チームが院内伝染を制限し、かつ、ことによると減少させることが可能になる。
本発明の方法を実施する際に使用され得る代表的な生物学的試料は、非限定的に、咽喉スワブ、咽喉洗浄液、鼻洗浄液、および下気道由来の被検物を含む。米国特許第6,811,971号は、インフルエンザA型またはインフルエンザB型の有無を検出するための唾液の使用を記載している。生物学的試料の収集方法および保存方法は当業者に公知である。生物学的試料はインフルエンザA型核酸を放出するように加工することができ(例えば、当技術分野において公知である核酸抽出法および/またはキットによって)、またはいくつかの場合において、生物学的試料をPCR反応成分および適切なオリゴヌクレオチドと直接接触させることができる。
融解曲線解析は、サイクルプロファイルに含まれ得る追加的な段階である。融解曲線解析は、DNA二本鎖の半分が分離して一本鎖になる温度として定義される融解温度(Tm)と呼ばれる特徴的な温度でDNAが融解するという事実に基づく。DNAの融解温度は主にそのヌクレオチド組成に依存する。したがって、GおよびCヌクレオチドが豊富であるDNA分子は、豊富なAおよびTヌクレオチドを有するDNA分子よりも高いTmを有する。シグナルが失われる温度を検出することによって、プローブの融解温度が決定され得る。同様に、シグナルが生じる温度を検出することによって、プローブのアニーリング温度が決定され得る。インフルエンザA型増幅産物からのインフルエンザA型プローブの融解温度は、試料におけるインフルエンザA型の有無を確認し得る。
各サーモサイクラーの稼働内で、対照試料が同様にサイクルに供される。陽性対照試料は、例えば対照プライマーおよび対照プローブを用いて、インフルエンザA型核酸対照鋳型(例えば、インフルエンザA型以外の)を増幅し得る。陽性対照試料はまた、例えば、インフルエンザA型核酸分子を含むプラスミド構築物を増幅し得る。そのようなプラスミド対照は、内部的に(例えば、試料内で)、または患者の試料と並行した別の試料の稼働において増幅され得る。各サーモサイクラー稼働はまた、例えば、インフルエンザA型鋳型DNAを欠いた陰性対照を含むべきである。そのような対照は、増幅、ハイブリダイゼーション、および/またはFRET反応の成功または失敗の指標である。そのため、対照反応は、例えば、配列特異性を有してアニールし、かつ伸長を開始するプライマーの能力、および、配列特異性を有してハイブリダイズし、かつFRETを起こすプローブの能力を容易に判定し得る。
一つの態様において、本発明の方法は、混入を回避するための工程を含む。例えば、1回のサーモサイクラーの稼働と次の稼働との間の混入を減少させるかまたは排除するために、ウラシル-DNAグリコシラーゼを利用する酵素的方法が、米国特許第5,035,996号、第5,683,896号、および第5,945,313号に記載されている。さらに、本発明の方法を行う際には、標準的な実験室封じ込めの実施および手順が望ましい。封じ込めの実施および手順は、方法の様々な段階に対して分離した作業領域、封じ込めフード、バリアフィルターピペットチップ、および専用の空気置換ピペットを含むが、それらに限定されない。臨床試料を扱う診断検査室における正確さのためには全職員による首尾一貫した封じ込めの実施および手順が必要である。
本発明の方法を実施するために、従来のPCR法がFRET技術と共に使用され得る。一つの態様において、LIGHTCYCLER(商標)機器が使用される。LIGHTCYCLER(商標)システム、およびPCRのリアルタイムかつオンラインのモニタリングの詳細な説明は、World Wide Web上のbiochem.roche.com/lightcyclerで見出され得る。以下の特許出願は、LIGHTCYCLER(商標)技術において使用されるようなリアルタイムPCRを記載している:国際公開公報第97/46707号、国際公開公報第97/46714号、および国際公開公報第97/46712号。LIGHTCYCLER(商標)機器は、高品質光学を利用する微量蛍光光度計と組み合わされた迅速サーマルサイクラーである。本迅速サーモサイクル技術は、反応容器として薄いガラスキュベットを使用する。反応チャンバーの加熱および冷却は、加熱された空気と周囲の空気とを順に交代させることによって制御される。キュベットの体積に対して低い質量の空気および高い割合の表面積のために、LIGHTCYCLER(商標)サーマルチャンバー内では非常に迅速な温度変換率が達成され得る。選択された蛍光色素の反応成分への添加により、PCRをリアルタイムかつオンラインでモニターすることが可能になる。さらに、キュベットは、キュベットの先端にシグナルを集中させるシグナル収集のための光学素子(ガラス繊維光学と類似した)として働く。その効果は、微量試料の効率的な照明および蛍光モニタリングである。
キュベットを収容するLIGHTCYCLER(商標)カルーセルは、機器から除去され得る。そのため、試料は機器の外で(例えば、PCRクリーンルームにおいて)装填され得る。さらに、この特徴により試料カルーセルを容易に掃除しかつ滅菌することが可能である。蛍光光度計は、LIGHTCYCLER(商標)装置の一部として光源を収容する。放出された光はフィルター処理され、落射照明レンズによってキュベットの頂部上へ集束される。その後、試料から放出された蛍光は同じレンズによって集束され、二色性ミラーを通過し、適切にフィルター処理され、かつデータ収集フォトハイブリッド(photohybrid)上に集束される。LIGHTCYCLER(商標)機器(Roche Molecular Biochemicals、カタログ番号2 011 468)において現在利用可能な光学単位は、三帯域通過フィルター(530 nm、640 nm、および710 nm)を含み、三色検出およびいくつかの蛍光捕捉オプションを提供する。データ収集オプションは、1サイクル段階あたり1回のモニタリング、融解曲線解析のための完全に連続的な単一試料捕捉、連続的な試料採取(試料採取頻度は試料数に依存する)、および/または規定された温度間隔後のすべての試料の段階的測定を含む。
LIGHTCYCLER(商標)は、PCワークステーションを用いて操作することができ、Windows NT操作システムを利用することができる。試料由来のシグナルは、機械が光学単位上に連続的にキャピラリーを配置する時に取得される。ソフトウェアは各測定の直後にリアルタイムで蛍光シグナルを提示し得る。蛍光捕捉時間は10〜100ミリ秒(msec)である。各サイクル段階の後、サイクル数に対する蛍光の定量的提示は、すべての試料について継続的にアップデートされ得る。生じたデータはさらなる解析のために保存され得る。
FRETの代替物として、増幅産物は蛍光DNA結合色素(例えば、SYBRGREEN I(登録商標)またはSYBRGOLD(登録商標)(Molecular Probes))などの二本鎖DNA結合色素を用いて検出され得る。そのような蛍光DNA結合色素は、二本鎖核酸と相互作用すると、適当な波長の光での励起後に蛍光シグナルを放出する。核酸介入性色素などの二本鎖DNA結合色素もまた使用され得る。二本鎖DNA結合色素が使用される際、融解曲線解析は通常、増幅産物の存在の確認のために行われる。
本明細書において説明される時、増幅産物はまた、FRET技術を利用する標識ハイブリダイゼーションプローブを用いて検出され得る。FRET技術の共通の形式は2種類のハイブリダイゼーションプローブを利用する。各プローブは異なる蛍光部分で標識することができ、標的DNA分子(例えば、増幅産物)において互いに極めて接近してハイブリダイズするように一般に設計される。供与体蛍光部分、例えばフルオレセインは、LIGHTCYCLER(商標)機器の光源によって470 nmで励起される。FRETの間、フルオレセインはLIGHTCYCLER(商標)-Red 640(LC(商標)-Red 640)またはLIGHTCYCLER(商標)-Red 705(LC(商標)-Red 705)などの受容体蛍光部分にエネルギーを転移する。その後、受容体蛍光部分はより長い波長の光を放出し、それがLIGHTCYCLER(商標)機器の光学検出システムによって検出される。効率的なFRETは、蛍光部分が直接局所的に接近している場合かつ供与体蛍光部分の放出スペクトルが受容体蛍光部分の吸収スペクトルと部分的に重複している場合にのみ起こり得る。放出されたシグナルの強度は、最初の標的核酸分子の数(例えば、インフルエンザA型ゲノムの数)と相関し得る。
別のFRET形式は、増幅産物の有無、したがってインフルエンザA型の有無を検出するためにTAQMAN(登録商標)技術を利用する。TAQMAN(登録商標)技術は、2種類の蛍光部分で標識された1種類の一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを利用する。第一の蛍光部分が適当な波長の光で励起されると、FRETの原理にしたがって吸収されたエネルギーが第二の蛍光部分に転移される。第二の蛍光部分は一般的に消光分子である。PCR反応のアニーリング段階の間に、標識ハイブリダイゼーションプローブは標的核酸(すなわち、増幅産物)に結合し、続く伸長相の間にTaqポリメラーゼの5'→3'エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。結果として、励起された蛍光部分および消光部分は空間的に相互に分離されるようになる。その結果、消光剤の非存在下における第一の蛍光部分の励起時に、第一の蛍光部分由来の蛍光放出が検出され得る。例として、ABI PRISM(登録商標) 7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems, Foster City, CA)はTAQMAN(登録商標)技術を使用し、インフルエンザA型を検出するための本明細書において説明される方法を行うのに適する。ABI PRISM(登録商標) 770システムを用いたPCR増幅および検出についての情報は、World Wide Web上のappliedbiosystems.com/productsで見出され得る。
本発明のリアルタイムPCR法を用いて増幅産物の存在を検出するために、FRETと共に分子ビーコンもまた使用され得る。分子ビーコン技術は、第一の蛍光部分および第二の蛍光部分で標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用する。第二の蛍光部分は一般的に消光剤であり、蛍光標識は典型的にプローブの各末端に配置される。分子ビーコン技術は、二次構造形成(例えば、ヘアピン)を許容する配列を有するプローブオリゴヌクレオチドを使用する。プローブ内での二次構造形成の結果として、プローブが溶液中にある際に両方の蛍光部分は空間的に接近する。標的核酸(すなわち、増幅産物)へのハイブリダイゼーションの後、プローブの二次構造は破壊されて、適切な波長の光での励起後に第一の蛍光部分の放出が検出され得るように、蛍光部分が相互に分離されるようになる。
本発明は一つまたは複数の市販されている機器の形態によって限定されないことが理解される。
製品/キット
本発明は、インフルエンザA型を検出するための製品をさらに提供する。本発明による製品は、適当な包装材料と共に、インフルエンザA型を検出するために使用されるプライマーおよびプローブを含み得る。インフルエンザA型の検出のための代表的なプライマーおよびプローブは、インフルエンザA型核酸分子にハイブリダイズすることができる。プライマーおよびプローブを設計する方法が本明細書において開示されており、インフルエンザA型核酸分子を増幅し、かつそれにハイブリダイズするプライマーおよびプローブの代表的な例が提供される。
本発明の製品はまた、プローブ、または代替的に、標識され得るキットに同梱のプローブを標識するための一つもしくは複数の蛍光部分を含み得る。例えば、製品は、インフルエンザA型プローブの一方を標識するための供与体蛍光部分、およびもう一方のインフルエンザA型プローブを標識するための受容体蛍光部分をそれぞれ含んでもよい。適当なFRET供与体蛍光部分および対応する受容体蛍光部分の例は上記に提供されている。
本発明の製品はまた、試料においてインフルエンザA型を検出するために、インフルエンザA型プライマーおよびプローブを用いるための使用説明をその上に有する添付文書およびパッケージラベルを含み得る。製品は追加的に、本明細書において開示される方法を実施するための試薬(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、補因子、または混入を防止する薬剤)を含んでもよい。そのような試薬は、本明細書において説明される市販されている機器の一つに対して専用であってもよい。
添付の特許請求の範囲において説明される本発明の範囲を限定しない以下の実施例において、本発明はさらに説明される。当業者は、上記で説明された種々の追加的な特徴が、一緒にまたは別々に、方法および/または製品/キット中に統合されてもよいことを理解するであろう。
実施例
実施例1―患者におけるインフルエンザA型ウイルスの残存率
本研究は、2004年12月から2005年2月に本発明者らの研究所にインフルエンザウイルス感染の臨床症状を有して入院した18歳およびそれ以上の年齢の患者を含む。インフルエンザ様の疾患(発熱、咳、および/または咽喉炎によって定義されるような、ILI)を有した病院の患者由来の被検物を、最初にインフルエンザA型ウイルス感染についてリアルタイムPCRにより試験した。最初のリアルタイムPCRアッセイが陽性であった場合は、その後の咽喉スワブを当初の検査室診断後4回の時期(病院滞在の長さに依存して):48時間、72時間、5日、および7日に取得した。最初の被検物に続くすべての試験について、インフォームドコンセントを取得した。連続的な咽喉スワブを提供できなかった患者は研究から除外した。
実施例2―RT-PCRのための核酸抽出
自動抽出または手動抽出のいずれかを用いて咽喉スワブよりウイルス核酸を抽出した。MagNA Pure自動機器(Roche Applied Science, Indianapolis, IN)およびMagNA Pure血液/血清/血漿抽出プログラムを用いて、200μlの患者の被検物からRNAを抽出した。さらに、陽性対照としての使用のためにインフルエンザA型培養物から、陰性対照としての使用のために1×103個の大腸菌を含む緩衝液から核酸を抽出した。試料は100μlに溶出した。自動核酸抽出の代替として、HighPure(Roche)を用いて200μlの患者の被検物からRNAを抽出し、100μlの溶出緩衝液で溶出した。
5μlの被検物抽出物を15μlのマスターミックス中に置き、RNAからcDNAに転写した。表1は、リアルタイムPCRに使用されたマスターミックスを示す。
(表1)リアルタイムPCRマスターミックス
Figure 2009533063
a 酢酸マンガン;b MagNA Pure緩衝液またはHighPure緩衝液
使用したプライマー配列は、プライマー1
Figure 2009533063
;プライマー2
Figure 2009533063
であり;使用したプローブ配列は、プローブ-FL
Figure 2009533063
;プローブ-Red
Figure 2009533063
であった。
その後、産物を増幅し、蛍光共鳴エネルギー転移技術(FRET)を用いてリアルタイムPCR(LIGHTCYCLER(登録商標)、Roche)サイクルの間のアニーリング段階後に標的核酸配列の発生についてモニターした。リアルタイムPCR増幅およびプローブ融解曲線の解析はLIGHTCYCLER(登録商標)ソフトウェアによった。インフルエンザA型ウイルスRNAの検出のために使用したプライマーおよびプローブの性能特性は、本明細書において説明されるPCR法を標準的な細胞培養(R-mix細胞、Diagnostic Hybrids;下記の実施例3参照)と比較することによって判定した。表2は、インフルエンザA型核酸を増幅し、かつ検出するために使用したリアルタイムPCR条件を示す。
(表2)リアルタイムPCR条件
Figure 2009533063
557個の気道被検物のうち、49試料がPCRおよびR-mix細胞培養の両方によって陽性であった。43個および2個の被検物は、それぞれPCRおよびR-mix法によって排他的に陽性であった。463個の被検物は両方の方法によって陰性であった。この比較は、標準的な細胞培養と比較してPCR試験法の以下の特性をもたらした:感度、96%;特異性、92%;陽性適中率、53%;および陰性適中率、100%。
実施例3―細胞培養
咽喉被検物を2 mLのM5培地中へ抽出した。アリコート(0.2 mL)を、R-Mix(12 mmの円形カバーガラス上のヒト腺癌細胞(A549)およびミンク肺細胞(Mv1Lu)の混合単層(Diagnostic Hybrids, Athens, OH))の細胞単層を含む2個のシェルバイアル細胞培養の各々へ接種した。接種後、40分間の低速度遠心分離[700×g(2000 RPM)]によって細胞の感染を増強させた。35〜37℃で48時間のインキュベーションの後に、インフルエンザウイルスA型ウイルスに対するモノクローナル抗体(Chemicon International, Inc., Temecula, CA)をカバーガラスに添加した。直接免疫蛍光法を用いてインフルエンザA型抗血清で染色した後、ウイルス特異的病巣を顕微鏡(100×倍率)で検出した。
研究患者由来の各被検物の抽出物をまた、初代アカゲザル腎臓(PRMK)チューブ細胞培養中に0.2 mlの体積を接種し、35〜37℃で14日までの間インキュベーションした(Diagnostic Hybrids, Athens, OH;およびViromed Laboratories, Minneapolis, MN)。培養を通して培地中に浮遊する細胞破片と共に不規則に起きる、大きな、幾分不揃いの形状の顆粒細胞の形成によって、細胞変性効果(CPE)が観察された。従来のチューブ培養におけるインフルエンザA型ウイルスの存在は、モルモット赤血球を用いた赤血球吸着によって最初に検出し、Binax NOW Influenza A/Bキット(Binax Inc., Portland, ME)によって特異的に同定した。
実施例4―結果
所要時間は、被検物が検査室に受領された時間から、リアルタイムPCRおよびシェルバイアルアッセイについて結果が報告された、またはチューブ細胞培養が終了した時間までで計算した。リアルタイムPCRアッセイについての平均所要時間は、シェルバイアル(49.3時間;p<0.001)およびチューブ細胞培養(199.2時間;p<0.001)両方よりも有意に短かった(14.8時間)。
PCR陽性検査室試験は、患者の研究への参加に必要であった。PCRにより最初に陽性であった50人の患者の中で、50人のうち43人(86%)がシェルバイアルおよび細胞培養両方により陽性であった。インフルエンザA型ウイルス核酸はPCRにより、当初の陽性試験の後48時間で患者50人のうち34人(68%)において、72時間で患者41人のうち13人(31.7%)において検出された。シェルバイアルおよびチューブ細胞培養検出は、48時間(それぞれ22/50、44%および18/50、36%;p<0.001)および72時間(それぞれ6/41、14.6%および4/41、9.8%;p<0.05)時点で有意により低かった。5日でのインフルエンザの検出はPCRに限定されており、(2/8)25%の患者において見出された。7日までには、(2/10)20%の患者がPCRにより陽性であり;(1/10)10%の患者がシェルバイアルアッセイによっても検出された。5日後はいずれの試料もチューブ細胞培養により陽性ではなかった。
インフルエンザA型ウイルス感染は、入院の7日後に研究患者50人のうち10人(20%)において高感度リアルタイムPCR技術により検出された(表3)。対照的に、患者50人のうち5人(10%)のみが7日後にシェルバイアルアッセイにより陽性であり、従来のチューブ細胞培養法を用いてはいずれも陽性でなかった(表3)。これらのデータは、CDCが推奨する5日の飛沫隔離期間を超えて患者がインフルエンザA型ウイルスを発し得ることを示唆する。重要なことには、PCRの結果は活性ウイルスには匹敵しない可能性がある;しかしながら、細胞培養技術はPCRと比較して減少した感度を有するため、陽性分子の結果は感染性または活性ウイルスを実は間接的に示す可能性がある。
(表3)7日に渡るインフルエンザA型の検出
Figure 2009533063
他の態様
本発明を詳細な説明と共に説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例証することを企図し、限定することは企図していないことが理解されるべきである。他の局面、利点、および改変は添付の特許請求の範囲内である。

Claims (36)

  1. サイクル段階が増幅段階およびハイブリダイズ段階を含み、該増幅段階が、インフルエンザA型核酸分子が試料に存在する場合はインフルエンザA型増幅産物を生成するように試料をインフルエンザA型プライマーのペアと接触させることを含み、該ハイブリダイズ段階が、試料をインフルエンザA型プローブのペアと接触させることを含み、インフルエンザA型プローブの該ペアのメンバーが、互いに5ヌクレオチド以下の範囲内にハイブリダイズし、インフルエンザA型プローブの該ペアの第一のインフルエンザA型プローブが、供与体蛍光部分で標識され、かつインフルエンザA型プローブの該ペアの第二のインフルエンザA型プローブが、対応する受容体蛍光部分で標識されている、少なくとも1回のサイクル段階を行う工程;および
    該第一のインフルエンザA型プローブの該供与体蛍光部分と該第二のインフルエンザA型プローブの該受容体蛍光部分との間のFRETの有無を検出する工程
    を含む、個体由来の生物学的試料においてインフルエンザA型の有無を検出するための方法であって、
    蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の存在が該試料におけるインフルエンザA型の存在を示し、かつFRETの不在が該試料におけるインフルエンザA型の不在を示す、方法。
  2. インフルエンザA型プライマーのペアが、第一のインフルエンザA型プライマーおよび第二のインフルエンザA型プライマーを含み、
    該第一のインフルエンザA型プライマーが、配列
    Figure 2009533063
    を含み、かつ該第二のインフルエンザA型プライマーが、配列
    Figure 2009533063
    を含む、請求項1記載の方法。
  3. 第一のインフルエンザA型プローブが、配列
    Figure 2009533063
    を含み、かつ第二のインフルエンザA型プローブが、配列
    Figure 2009533063
    を含む、請求項1記載の方法。
  4. インフルエンザA型プローブのペアのメンバーが、互いに2ヌクレオチド以下の範囲内にハイブリダイズする、請求項1記載の方法。
  5. インフルエンザA型プローブのペアのメンバーが、互いに1ヌクレオチド以下の範囲内にハイブリダイズする、請求項1記載の方法。
  6. 供与体蛍光部分がフルオレセインである、請求項1記載の方法。
  7. 対応する受容体蛍光部分が、LC-Red 640、LC-Red 705、Cy5、およびCy5.5からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  8. 検出する工程が、供与体蛍光部分によって吸収される波長で試料を励起することと、対応する受容体蛍光部分によって放出される波長を視覚化および/または測定することとを含む、請求項1記載の方法。
  9. 検出する工程がFRETを定量化することを含む、請求項1記載の方法。
  10. 検出する工程が各サイクル段階後に行われる、請求項1記載の方法。
  11. 検出する工程がリアルタイムで行われる、請求項1記載の方法。
  12. インフルエンザA型プローブの一方または両方とインフルエンザA型増幅産物との間の融解温度を決定する工程をさらに含む方法であって、該融解温度が該インフルエンザA型の有無を確認する、請求項1記載の方法。
  13. 45回以内のサイクル段階でのFRETの存在が、個体におけるインフルエンザA型感染の存在を示す、請求項1記載の方法。
  14. 40回以内のサイクル段階でのFRETの存在が、個体におけるインフルエンザA型感染の存在を示す、請求項1記載の方法。
  15. 35回以内のサイクル段階でのFRETの存在が、個体におけるインフルエンザA型感染の存在を示す、請求項1記載の方法。
  16. 混入核酸の増幅を防止する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  17. 防止する工程が、ウラシルの存在下で増幅段階を行うことを含む、請求項16記載の方法。
  18. 防止する工程が、第一の増幅段階に先立って試料をウラシル-DNAグリコシラーゼで処置することをさらに含む、請求項17記載の方法。
  19. 生物学的試料が、咽喉スワブ、咽喉洗浄液、鼻スワブ、および下気道由来の被検物からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  20. サイクル段階が対照試料に対して行われる、請求項1記載の方法。
  21. 対照試料がインフルエンザA型核酸分子の一部を含む、請求項20記載の方法。
  22. サイクル段階において対照プライマーのペアおよび対照プローブのペアを使用し、該対照プライマーおよび該対照プローブがインフルエンザA型プライマーおよびインフルエンザA型プローブ以外であり、増幅段階において対照増幅産物を生成し、該対照プローブが該対照増幅産物にハイブリダイズする、請求項1記載の方法。
  23. インフルエンザA型プライマーのペア;
    インフルエンザA型プローブのペア;ならびに
    供与体蛍光部分および対応する受容体蛍光部分
    を含む、製品。
  24. インフルエンザA型プライマーのペアが、第一のインフルエンザA型プライマーおよび第二のインフルエンザA型プライマーを含み、
    該第一のインフルエンザA型プライマーが、配列
    Figure 2009533063
    を含み、かつ該第二のインフルエンザA型プライマーが、配列
    Figure 2009533063
    を含む、請求項23記載の製品。
  25. インフルエンザA型プローブのペアが、第一のインフルエンザA型プローブおよび第二のインフルエンザA型プローブを含み、
    該第一のインフルエンザA型プローブが、配列
    Figure 2009533063
    を含み、かつ該第二のインフルエンザA型プローブが、配列
    Figure 2009533063
    を含む、請求項23記載の製品。
  26. 第一のインフルエンザA型プローブが、供与体蛍光部分で標識され、かつ第二のインフルエンザA型プローブが、対応する受容体蛍光部分で標識されている、請求項25記載の製品。
  27. 試料においてインフルエンザA型の有無を検出するために、インフルエンザA型プライマーのペアおよびインフルエンザA型プローブのペアを用いるための使用説明を文書上に有する添付文書をさらに含む、請求項23記載の製品。
  28. サイクル段階が増幅段階およびハイブリダイズ段階を含み、該増幅段階が、インフルエンザA型核酸分子が試料に存在する場合はインフルエンザA型増幅産物を生成するように試料をインフルエンザA型プライマーのペアと接触させることを含み、該ハイブリダイズ段階が、試料をインフルエンザA型プローブと接触させることを含み、該インフルエンザA型プローブが、供与体蛍光部分および対応する受容体蛍光部分で標識されている、少なくとも1回のサイクル段階を行う工程;および
    該インフルエンザA型プローブの該供与体蛍光部分と該受容体蛍光部分との間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の有無を検出する工程
    を含む、個体由来の生物学的試料においてインフルエンザA型の有無を検出するための方法であって、
    蛍光の有無が該試料におけるインフルエンザA型の有無を示す、方法。
  29. 増幅に、5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を使用する、請求項28記載の方法。
  30. 第一および第二の蛍光部分が、プローブ上の互いに5ヌクレオチド以下の範囲内に在る、請求項29記載の方法。
  31. 第二の蛍光部分が消光剤である、請求項30記載の方法。
  32. インフルエンザA型プローブが、二次構造形成を許容する核酸配列を含み、該二次構造形成が、第一と第二の蛍光部分の間に空間的接近をもたらす、請求項28記載の方法。
  33. 第二の蛍光部分が消光剤である、請求項32記載の方法。
  34. サイクル段階が増幅段階および色素結合段階を含み、該増幅段階が、インフルエンザA型核酸分子が試料に存在する場合はインフルエンザA型増幅産物を生成するように試料をインフルエンザA型プライマーのペアと接触させることを含み、該色素結合段階が、該インフルエンザA型増幅産物を二本鎖DNA結合色素と接触させることを含む、少なくとも1回のサイクル段階を行う工程;および
    該二本鎖DNA結合色素の該増幅産物中への結合の有無を検出する工程
    を含む、個体由来の生物学的試料においてインフルエンザA型の有無を検出するための方法であって、
    結合の存在が該試料におけるインフルエンザA型の存在を示し、かつ結合の不在が該試料におけるインフルエンザA型の不在を示す、方法。
  35. 二本鎖DNA結合色素が臭化エチジウムである、請求項34記載の方法。
  36. インフルエンザA型増幅産物と二本鎖DNA結合色素との間の融解温度を決定する工程をさらに含む方法であって、該融解温度が該インフルエンザA型の有無を確認する、請求項34記載の方法。
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