JP2009532035A - 微小管安定化剤に対する感受性を決定するためのバイオマーカーおよび方法 - Google Patents

微小管安定化剤に対する感受性を決定するためのバイオマーカーおよび方法 Download PDF

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Abstract

微小管安定化剤の投与を含む癌の治療法に治療的に応答するであろうまたは治療的に応答している哺乳動物を同定する方法に有用なバイオマーカー。一つの態様において、癌は乳癌であり、微小管安定化剤はエポチロンまたはそのアナログまたはその誘導体、またはイクサベピロンである。

Description

本発明は一般にファーマコゲノミクスの分野に関し、さらに詳細には、個性化された遺伝子プロファイルの同定を可能にすべく患者の薬剤感受性を決定する方法および手順に関し、このような個性化された遺伝子プロファイルは疾患および障害を治療するうえで役立つものである。
癌は組織臨床的な異質さの大きな疾患である。従来の組織学的および臨床的な特徴が予後と関連付けられているけれども、同じみかけの予後タイプの腫瘍が治療に対する応答性および患者のその後の生存において大きく異なっている。
各患者について治療の個性化を容易にする新たな予後および予測マーカーが、臨床において小分子や生物学的分子医薬などの治療に対する患者の応答を正確に予測するために必要である。この問題は、治療に対する患者の感受性をより良く予測できる新たなパラメーターの同定により解決することができる。患者試料の分類は癌の診断および治療の重要な側面である。治療に対する患者の応答と分子および遺伝マーカーとの関連付けは、非応答患者における治療の開発の新たな機会を開くことができ、あるいは有効性における一層高い確実さの故に他の治療選択のうちで治療の適応症を識別することができる。さらに、医薬、薬物、または組合せ療法に良く応答する傾向のある患者を前もって選択することは、臨床研究において必要な患者の数を減らし、臨床開発プログラムを完成するのに必要な時間を短縮することができる(M. Cockettら、Current Opinion in Biotechnology, 11:602-609 (2000))。
患者において薬物感受性を予測することができることは特に興味深いことである、なぜなら、薬物応答性は標的細胞にとって内生の特性のみならず、宿主の代謝特性をも反映するものだからである。遺伝情報を用いて薬物感受性を予測しようとする努力は、多剤耐性遺伝子mdr1およびmrp1などの広い作用を有する個々の遺伝子に主として向けられてきた(P. Sonneveld, J. Intern. Med., 247:521-534 (2000))。
遺伝子mRNA発現パターンの大スケールの特徴付けのためのマイクロアレイ法の開発は、分子マーカーを体系的に探索すること、および伝統的な組織病理学的方法では明らかではなかった別個のサブグループに癌を分類することを可能にした(J. Khanら、Cancer Res., 58:5009-5013 (1998); A.A. Alizadehら、Nature, 403:503-511 (2000); M. Bittnerら、Nature, 406:536-540 (2000); J. Khanら、Nature Medicine, 7(6):673-679 (2001); T.R. Golubら、Science, 286:531-537 (1999); U. Alonら、P. N. A. S. USA, 96:6745-6750 (1999))。そのような技術および分子ツールは、分子集団内での多数の転写物の発現レベルをいかなる所定の時点においてもモニターすることを可能にした(たとえば、Schenaら、Science, 270:467-470 (1995); Lockhartら、Nature Biotechnology, 14:1675-1680 (1996); Blanchardら、Nature Biotechnology, 14:1649 (1996);Ashbyらの米国特許第5,569,588号を参照)。
最近の研究は、ヒト腫瘍のマイクロアレイ分析によって生成した遺伝子発現情報が臨床結果を予測し得ることを示している(L.J. van't Veerら、Nature, 415:530-536 (2002); T. Sorlieら、P. N. A. S. USA, 98:10869-10874 (2001); M. Shippら、Nature Medicine, 8(1):68-74 (2002); G. Glinskyら、The Journal of Clin. Invest., 113(6):913-923 (2004))。これら知見は、治療に対する個々の腫瘍の応答をより良く予測することにより癌の治療が大きく改善されるであろうとの希望をもたらす。
個性化された遺伝子プロファイルの開発を可能にすべく患者の薬物感受性を決定する新たな別の方法および手順が必要とされており、このような個性化された遺伝子プロファイルは患者の分子レベルでの応答に基づいて疾患および障害を治療するのに必要である。
本発明は、1またはそれ以上の微小管安定化剤(microtubule-stabilizing agents)に対する患者の感受性を決定するための方法および手順を提供する。本発明はまた、癌などの疾患状態の治療を必要とする個体が、治療を投与する前に該治療に応答するか否かを決定または予測する方法であって、該治療が1またはそれ以上の微小管安定化剤を含むものである方法をも提供する。
微小管安定化剤の投与を含む癌の治療法に対して治療的に応答する哺乳動物を同定する方法であって、(a)該哺乳動物からの生物学的試料を該微小管安定化剤に暴露し、(b)工程(a)の暴露後、表2および表3のバイオマーカーから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを該生物学的試料において測定することを含み、その際、該微小管安定化剤に暴露していない哺乳動物での該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルと比較した工程(b)で測定した該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルの差違が、該哺乳動物が該癌の治療法に対して治療的に応答するであろうことを示すものである方法。
他の側面において、本発明は、哺乳動物が微小管安定化剤に対して治療的に応答するか否かを決定する方法であって、(a)該哺乳動物からの生物学的試料を該微小管安定化剤に暴露し、(b)工程(a)の暴露後、表2および表3のバイオマーカーから選択した少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを該生物学的試料において測定することを含み、その際、該微小管安定化剤に暴露していない哺乳動物での該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルと比較した工程(b)で測定した該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルの差違が、該哺乳動物が該癌の治療法に対して治療的に応答するであろうことを示すものである方法を提供する。
哺乳動物が微小管安定化剤の投与を含む癌の治療法に対して治療的に応答するか否かを予測する方法であって、(a)表2および表3のバイオマーカーから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを該哺乳動物において測定し、(b)該哺乳動物からの生物学的試料を該微小管安定化剤に暴露し、(c)工程(b)の暴露後、該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを該生物学的試料において測定することを含み、その際、工程(a)で測定した該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルと比較した工程(c)で測定した該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルの差違が、該哺乳動物が該癌の治療法に対して治療的に応答するであろうことを示すものである方法。
他の側面において、本発明は、ある薬剤が微小管を安定化するか否か、および哺乳動物において腫瘍細胞などの迅速に増殖する細胞または他の過増殖細胞性疾患(hyperproliferative cellular disease)に対して細胞障害活性を有するか否かを決定する方法であって、(a)該哺乳動物を該薬剤に暴露し、ついで(b)工程(a)の暴露後、表2および表3のバイオマーカーから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを該哺乳動物において測定することを含む方法を提供する。
本明細書において、治療的な応答とは、癌の緩和または廃棄をいう。このことは、癌を罹患した個体の平均余命が増すこと、または癌の1またはそれ以上の徴候が低減または改善されることを意味する。この語は、癌様の細胞増殖または腫瘍容積の低減を包含する。哺乳動物が治療的に応答するか否かは、PET造影などの当該技術分野でよく知られた多くの方法によって測定することができる。
本発明の実施において測定した少なくとも一つのバイオマーカーのレベルの上昇の量は、当業者により容易に決定することができる。一つの側面において、バイオマーカーのレベルの上昇は、バイオマーカーのレベルにおける少なくとも2倍の差違、少なくとも3倍の差違、または少なくとも4倍の差違である。
哺乳動物は、たとえば、ヒト、ラット、マウス、イヌ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ネコ、霊長類、またはサルであってよい。
本発明の方法は、たとえば、インビトロの方法であってよく、その際、哺乳動物において少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを測定する工程は、該哺乳動物から生物学的試料を採取し、ついで該生物学的試料中のバイオマーカーのレベルを測定することを含む。生物学的試料は、たとえば、新鮮な全血、末梢血単核細胞、凍結した全血、新鮮な血漿、凍結した血漿、尿、唾液、皮膚、毛包、または腫瘍組織の少なくとも1つであってよい。
少なくとも一つのバイオマーカーのレベルは、たとえば、バイオマーカーのタンパク質および/またはmRNA転写物のレベルであってよい。
本発明はまた、表2および表3のバイオマーカーから選択される単離されたバイオマーカーをも提供する。本発明のバイオマーカーは、表2および表3および配列表にて提供されるヌクレオチド配列およびアミノ酸配列から選択される配列、並びにその断片および変異体を含む。
本発明はまた、表2および表3のバイオマーカーから選択される2またはそれ以上のバイオマーカーを含むバイオマーカーセットをも提供する。
本発明はまた、1またはそれ以上の微小管安定化剤を含む治療に対してある患者が感受性であるかまたは耐性であるかを決定または予測するキットをも提供する。患者は、たとえば、乳癌または腫瘍などの癌または腫瘍を罹患していてよい。
一つの側面において、本発明のキットは、本発明の1またはそれ以上の特別のマイクロアレイを入れた適当な容器、患者の組織生検または患者の試料からの細胞を試験するのに用いる1またはそれ以上の微小管安定化剤、および使用の指示書を含む。キットはさらに、バイオマーカーセットの発現をmRNAまたはタンパク質レベルでモニターするための試薬または材料を含んでいてよい。
他の側面において、本発明は、表2および表3のバイオマーカーから選択される2またはそれ以上のバイオマーカーを含むキットを提供する。
さらに他の側面において、本発明は、表2および表3のバイオマーカーから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの存在を検出するための抗体および核酸の少なくとも一つを含むキットを提供する。一つの側面において、該キットはさらに、微小管安定化剤の投与を含む癌の治療法に対して哺乳動物が治療的に応答するか否かを決定するための指示書を含む。
本発明はまた、1またはそれ以上の微小管安定化剤による治療に対して患者が感受性または耐性であるか否かを決定するためのスクリーニングアッセイをも提供する。
本発明はまた、疾患を罹患した患者の治療をモニターする方法であって、該疾患が1またはそれ以上の微小管安定化剤の投与を含む方法により治療されるものをも提供する。
本発明はまた、分子レベルでの患者の応答に基づいて疾患および障害を治療するのに必要な個性化された遺伝子プロファイルをも提供する。
本発明はまた、1またはそれ以上の微小管安定化剤に対する感受性かまたは耐性のいずれかと相関関係のある発現プロファイルを有する1またはそれ以上のバイオマーカーを含む、特別なマイクロアレイ、たとえば、オリゴヌクレオチドマイクロアレイまたはcDNAマイクロアレイをも提供する。
本発明はまた、本発明の1またはそれ以上のバイオマーカーに対して向けられたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含む抗体をも提供する。
本発明は、添付の図面と関連して考察しながら発明の詳細な説明を読むとより理解されるであろう。
本発明は、微小管安定化剤感受性または耐性と相関関係を有するバイオマーカーを提供する。これらバイオマーカーは、1またはそれ以上の微小管安定化剤に対する応答を予測するのに用いることができる。一つの側面において、本発明のバイオマーカーは、表2、表3および配列表(ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの両配列を含む)にて提供するバイオマーカーである。
表2および3にて提供するバイオマーカーは、配列番号1〜12および23〜29のヌクレオチド配列および配列番号13〜22および30〜35のアミノ酸配列を含む。
微小管安定化剤
微小管安定化剤として作用する薬剤は当該技術分野においてよく知られている。これら薬剤は、腫瘍細胞などの迅速に増殖する細胞または他の過増殖細胞性疾患に対して細胞障害活性を有する。
一つの態様において、微小管安定化剤は、エポチロン、またはそのアナログまたは誘導体である。エポチロンは、そのアナログおよび誘導体も含めて、パクリタキセル(TaxolR)と同様の微小管安定化作用を奏すること、それゆえ腫瘍細胞などの迅速に増殖する細胞または他の過増殖細胞性疾患に対して細胞障害活性を奏することがわかっている。
適当な微小管安定化剤は、たとえば、以下のPCT公報(参照のため本明細書に引用する)に開示されている:WO93/10121; WO98/22461; WO99/02514; WO99/58534; WO00/39276; WO02/14323; WO02/72085; WO02/98868; WO03/070170; WO03/77903; WO03/78411; WO04/80458; WO04/56832; WO04/14919; WO03/92683; WO03/74053; WO03/57217; WO03/22844; WO03/103712; WO03/07924; WO02/74042; WO02/67941; WO01/81342; WO00/66589; WO00/58254; WO99/43320; WO99/42602; WO99/39694; WO99/16416; WO 99/07692; WO99/03848; WO99/01124;およびWO 98/25929。
他の側面において、微小管安定化剤はイクサベピロンである。イクサベピロンは、微小管にパクリタキセルと同じ部位に結合するが微小管との異なった相互作用をする天然産物エポチロンBの半合成アナログである(P. Giannakakouら、P. N. A. S. USA, 97, 2904-2909 (2000))。
他の側面において、微小管安定化剤はタキサンである。タキサンは当該技術分野でよく知られており、たとえば、パクリタキセル(TaxolR)やドセタキセル(TaxotereR)を含む。
バイオマーカーおよびバイオマーカーセット
本発明は、微小管安定化および/または腫瘍細胞などの迅速に増殖する細胞または他の過増殖細胞性疾患に対して細胞障害活性が重要である疾患領域において、たとえば、癌または腫瘍において、診断および予後の両者で価値を有する個々のバイオマーカーおよびバイオマーカーセットを含む。バイオマーカーセットは、複数のバイオマーカー、たとえば、表2および表3に示す、1またはそれ以上の微小管安定化剤に対する耐性または感受性
と高度の相関関係を有する複数のバイオマーカーを含む。
本発明のバイオマーカーセットは、種々の生物学的系においてまたは細胞応答について1またはそれ以上の微小管安定化剤の起こりそうな効果を予測または妥当に予告することを可能にする。バイオマーカーセットは、被験細胞による微小管安定化剤応答のインビトロアッセイに用いてインビボでの結果を予測することができる。本発明によれば、本明細書に記載する種々のバイオマーカーセット、またはこれらバイオマーカーセットと他のバイオマーカーまたはマーカーとの組合せを、たとえば、癌患者が1またはそれ以上の微小管安定化剤による治療的介入に対してどのように応答するかを予測するのに用いることができる。
細胞が1またはそれ以上の微小管安定化剤に暴露された後の細胞の感受性または耐性と相関関係を有する細胞の遺伝子発現パターンのバイオマーカーセットは、該微小管安定化剤で治療する前に1またはそれ以上の腫瘍試料をスクリーニングするための有用なツールを提供する。このスクリーニングは、バイオマーカーセットの発現結果に基づき、腫瘍、それゆえ腫瘍を罹患した患者が微小管安定化剤を用いた治療に応答するか否かについて、1またはそれ以上の微小管安定化剤に暴露された腫瘍試料の細胞の予測を可能にする。
バイオマーカーまたはバイオマーカーセットはまた、本明細書に記載するように、微小管安定化剤が関与する疾患の治療を受けている患者において疾患の治療または療法の進行をモニターするのに用いることができる。
バイオマーカーはまた、疾患の治療のための療法の開発のための標的とすることができる。そのような標的は、乳癌や乳腫瘍の治療に特に応用することができる。実際、これらバイオマーカーは感受性細胞および耐性細胞において異なって発現されるので、その発現パターンは微小管安定化剤を用いた治療に対する細胞の相対的な内生の感受性と相関関係がある。従って、耐性の細胞において高度に発現されるバイオマーカーは、微小管安定化剤に対して耐性の腫瘍の新たな療法の開発のための標的となり得る。
バイオマーカータンパク質および/またはmRNAのレベルは、当業者によく知られた方法を用いて決定することができる。たとえば、タンパク質の定量は、ELISA、二次元SDS PAGE、ウエスタンブロット、免疫沈降、免疫組織化学、蛍光活性化セルソーティング(FACS)、またはフローサイトメトリーなどの方法を用いて行うことができる。mRNAの定量は、PCR、アレイハイブリダイゼーション、ノーザンブロット、インシトゥハイブリダイゼーション、ドットブロット、Taqman、またはRNアーゼ保護アッセイなどの方法を用いて行うことができる。
マイクロアレイ
本発明はまた、1またはそれ以上の微小管安定化剤に対する感受性かまたは耐性のいずれかと相関関係のある発現パターンを示す1またはそれ以上のバイオマーカーを含む、特別のマイクロアレイ、たとえば、オリゴヌクレオチドマイクロアレイまたはcDNAマイクロアレイをも包含する。そのようなマイクロアレイは、腫瘍生検からの被験細胞においてバイオマーカーの発現レベルを評価し、これら被験細胞が微小管安定化剤に対して耐性または感受性でありそうか否かを決定するためのインビトロアッセイに用いることができる。たとえば、特別のマイクロアレイは、本明細書に記載し表2および表3に示すバイオマーカーの全てまたはそのサブセットを用いて調製することができる。組織または器官生検からの細胞を単離し、1またはそれ以上の微小管安定化剤に暴露することができる。未処理細胞および処理細胞の両者から単離した核酸を1またはそれ以上の特別のマイクロアレイに適用した後、被験細胞の遺伝子発現パターンを決定し、マイクロアレイ上でバイオマーカーセットを作成するのに用いた細胞のコントロールパネルからのバイオマーカーパターンのものと比較することができる。試験に供した細胞からの遺伝子発現パターンの結果に基づき、該細胞が遺伝子発現の耐性または感受性プロファイルのいずれを示すかを決定することができる。ついで、組織または器官生検からの被験細胞が1またはそれ以上の微小管安定化剤に応答するか否か、および治療または療法の方針を、特別のマイクロアレイ分析の結果から収集した情報に基づいて決定または評価することができる。
抗体
本発明はまた、1またはそれ以上のポリペプチドバイオマーカーに対して向けられたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含む抗体をも包含する。そのような抗体は様々な仕方で用いることができ、たとえばインビトロおよびインビボ両者での診断、検出、スクリーニング、および/または治療法を含めて、本発明のバイオマーカーを精製、検出、およびターゲティングするのに用いることができる。
キット
本発明はまた、1またはそれ以上の微小管安定化剤を含む治療に対して患者が感受性であるかまたは耐性であるかを決定または予測するためのキットをも包含する。患者は、癌または腫瘍、たとえば乳癌または乳腫瘍を罹患していてよい。そのようなキットは、患者の生検腫瘍もしくは癌試料を試験するのに使用するため、たとえば患者の腫瘍または癌が微小管安定化剤を用いた所定の治療または療法に対して耐性であるかまたは感受性であるかを決定または予測するために臨床場面において有用であろう。そのようなキットは、以下のものを入れた適当な容器を含む:微小管安定化剤に対する耐性および感受性と相関関係のあるバイオマーカーを含む1またはそれ以上のマイクロアレイ、たとえば、オリゴヌクレオチドマイクロアレイまたはcDNAマイクロアレイ;患者の組織生検または患者の試料からの細胞を試験するのに使用する1またはそれ以上の微小管安定化剤;および使用の指示書。さらに、本発明によって包含されるキットは、本明細書においてさらに記載するように、当該技術分野で実施されている他の技術および系、たとえば、RT−PCRアッセイ(本明細書に記載する1またはそれ以上のバイオマーカーに基づいてデザインしたプライマーを使用する)、酵素結合抗体免疫吸着アッセイ(ELISA)などのイムノアッセイ、イムノブロッティング、たとえば、ウエスタンブロッティング、またはインシトゥハイブリダイゼーションなどを用い、たとえば、本発明のバイオマーカーの発現をmRNAまたはタンパク質のレベルでモニターするための試薬または材料をさらに含んでいてよい。
バイオマーカーおよびバイオマーカーセットの応用
バイオマーカーおよびバイオマーカーセットは種々の応用に用いることができる。バイオマーカーセットは、種々の生物学的系においていかなる微小管安定化剤の起こりそうな効果についての予測をも可能とすべく、表2および表3に列記したバイオマーカーのいかなる組合せからも構築することができる。本明細書に記載する様々なバイオマーカーおよびバイオマーカーセットは、たとえば、疾患管理における診断または予後の指標として、微小管安定化剤を用いた治療的介入に対して癌患者がどのように応答するかを予測するため、および微小管安定化および/または腫瘍細胞などの迅速に増殖する細胞または他の過増殖細胞性疾患に対する細胞障害活性に影響を及ぼす治療的介入に対して患者がどのように応答するかを予測するために用いることができる。
本発明のバイオマーカーは、微小管安定化および/または腫瘍細胞などの迅速に増殖する細胞または他の過増殖細胞性疾患に対する細胞障害活性が重要である疾患領域において、診断および予後の両者において価値を有する。
本発明によれば、患者の組織試料からの細胞、たとえば腫瘍または癌生検をアッセイして、1またはそれ以上の微小管安定化剤で治療する前に1またはそれ以上のバイオマーカーの発現パターンを決定することができる。一つの側面において、腫瘍または癌は乳癌である。治療の成功または失敗は、被験組織からの細胞(被験細胞)、たとえば腫瘍または癌生検のバイオマーカーの発現パターンに基づき、1またはそれ以上のバイオマーカーのコントロールセットの発現パターンと比べて同様であるか異なるかで決定することができる。それゆえ、もしも被験細胞が、微小管安定化剤に対して感受性の細胞のコントロールパネルでのバイオマーカーのものに対応するバイオマーカー発現プロファイルを示すなら、該患者の癌または腫瘍は該微小管安定化剤を用いた治療に良好に応答するであろうことの蓋然性が非常に高いあるいは予測される。対照的に、もしも被験細胞が、微小管安定化剤に対して耐性の細胞のコントロールパネルのバイオマーカーのものに対応するバイオマーカー発現パターンを示すなら、該患者の癌または腫瘍は該微小管安定化剤を用いた治療には応答しないであろうことの蓋然性が非常に高いあるいは予測される。
本発明はまた、1またはそれ以上の微小管安定化剤によって治療できる疾患を罹患した患者の治療をモニターする方法をも提供する。患者の組織試料、たとえば、腫瘍生検または腫瘍試料からの単離被験細胞を微小管安定化剤に暴露する前および暴露後にアッセイして1またはそれ以上のバイオマーカーの発現パターンを決定することができる。その結果得られた治療の前および治療後の被験細胞のバイオマーカー発現プロファイルを、微小管安定化剤に対して耐性または感受性のいずれかである細胞のコントロールパネルで高度に発現されるべき本明細書に記載し示した1またはそれ以上のバイオマーカーのものと比較する。それゆえ、もしも患者の応答が1またはそれ以上のバイオマーカーの発現プロファイルの相関関係に基づいて微小管安定化剤による治療に対して感受性であるなら、該患者の治療予後は良好であると認定され、治療を続行することができる。また、もしも微小管安定化剤を用いた治療の後に被験細胞が該微小管安定化剤に感受性の細胞のコントロールパネルに対応するバイオマーカー発現プロファイルに変化を示さないなら、このことは現在行っている治療を修正、変更、あるいは中止さえすべきであるとの指標となり得る。このモニタリングプロセスは微小管安定化剤を用いた患者の治療の成功または失敗を指摘することができ、必要に応じてまたは所望により、そのようなモニタリングプロセスを繰り返すことができる。
本発明のバイオマーカーは、生物学的系について何らかの知見を得る前に結果を予測するのに用いることができる。本質的に、バイオマーカーは統計的なツールであると考えることができる。バイオマーカーは主として生物学的系を分類するのに用いる表現型を予測するうえで有用である。
現在のところバイオマーカーの全ての完全な機能が知られているわけではないが、バイオマーカーのあるものは直接または間接に微小管安定化および/または迅速に増殖する細胞に対する細胞障害活性に関与しているようである。さらに、バイオマーカーのあるものは試験した微小管安定化剤に特異的な代謝的または他の耐性経路で機能しているかもしれない。それにも拘わらず、バイオマーカーの機能についての知見は本発明の実施に従ってバイオマーカーの正確さを決定するための要件ではない。
実施例
実施例1:バイオマーカーの同定
CA163-080トライアル(Trial)
CA163-080(080トライアル)は、診査ゲノムフェーズII研究であり、これをネオアジュバント処置としてイクサベピロンを投与された乳癌患者において行った。この研究の主たる目的は、処置前乳癌生検の遺伝子発現プロファイリングによりイクサベピロンに対する応答の予測マーカーを同定することであった。侵襲段階IIA-IIIBの乳腺癌(腫瘍サイズ≧3cm直径)を罹患する患者に40mg/m2のイクサベピロンを第1日目の3時間の点滴としての投与の21日サイクルを4回まで行い、ついで化学療法の完了の3-4週間内に外科手術した。合計164人の患者がこの研究に登録されていた。遺伝子発現分析のための生検を処置前および処置後の両方で得た。患者から生検を単離後、試料を液体窒素中でかちかちに凍結させるか(snap frozen)あるいはRNAlater溶液中に一夜入れ、ついでRNAlater溶液から取り出した。試料はすべて使用のときまで-70℃に保持した。
病理学的応答の評価
病理学的応答をSataloff分類系(D. Sataloffら、J. Am. Coll. Surg., 180(3):297-306 (1995))を用いて評価し、ファーマコゲノミクス分析の終点として用いた。以下のようにしてベースラインと比較して組織変化を評価することにより、病理学的応答を一次腫瘍部位において処置の終わりでかつ外科手術の前に評価した:一次腫瘍部位において、細胞の修飾を浸潤腫瘍成分および可能な管成分(ductal component)の両者で評価し、生きた残留浸潤成分(全腫瘍質量の%)、残留管成分(全腫瘍質量の%)、有糸分裂指数を決定した。乳癌のみにおける病理学的完全応答(Pathologic Complete Response (pCR))は、T-A、すなわち、一次部位における完全またはほぼ完全な治療効果として定義した。この基準に基づき、レスポンダーにはpCRを有する患者が含まれ、一方、非レスポンダーにはpCRを示すことのできなかった患者が含まれた。応答率は、処置患者の数で除したレスポンダーの数として定義した。
遺伝子発現プロファイリング
RNeasy Miniキット(Qiagen)を用い、Karolinska Institute(ストックホルム、スウェーデン)による製造業者の指示に従って全RNAを単離した。品質の良好な1μgを超える全RNAを有する合計134人の患者が最終ゲノム分析のためのデータセットに含まれていた。試料を無作為化した順序でバッチによりプロファイリングして実験的偏りを最小にした。各バッチは、約15の被験者試料、およびHeLa細胞から抽出したRNAを用いた2の実験対照からなっていた。各バッチにおける2つの組織回収法(RNAlaterおよび液体窒素)、2つのmRNA調製法(標準およびDNA上清)、組織回収部位、およびRNA試料調製の時間からの試料の数のバランスをとる努力をしつつ、完全な無作為化後に発現プロファイリングを行った。各被験者からのmRNA試料をAffymetrixプラットホーム上のHG-U133A 2.0 GeneChipRアレイで処理し(processed)、GeneChipR Operating Software (GCOS) V1.0 (Affymetrix)で定量した。HG-U133A 2.0 GeneChipRアレイは約22,276のプローブセットからなり、それぞれ、特定の遺伝子配列からの約15の完全マッチングおよび対応のミスマッチ25merオリゴヌクレオチドプローブを含んでいた。
遺伝子発現データプロセシング
遺伝子発現データを、2を底とする対数を用いて変換した。Robust Multichip Average (RMA)法(C. Clopperら、Biometrika, 26:404-13 (1934))を用いて実験生データを正規化した。各遺伝子の遺伝子発現測定値を0を中心として揃え(centered at zero)、1-単位標準偏差を有するようにリスケールした(rescaled)。
病理学的完全応答(pCR)の定義に基づき、080トライアルには23人のレスポンダーと111人の非レスポンダーが存在する。PCT公開第 号(PCT出願第PCT/US2005/043261号)に記載されているように、エストロゲンレセプター1(ER)は、陰性的中率(negative predictive value)(NPV)が92%で陽性的中率(positive predictive value) (PPV)が37%の最良の単一遺伝子プレディクターであることがわかっている。
一つの考慮すべき事柄は、ER自体はレスポンダーのケースの約40%を予測するにすぎないということである。このことは、イクサベピロン処置に対する耐性または感受性に寄与する未知のメカニズムによって説明することができる。さらに、ERとともに、約90%のNPVを維持しながら50%またはそれ以上のPPVを達成するさらなるマーカーが存在するかもしれない。
本研究では、遺伝子セットエンリッチメント解析(GSEA)(A. Subramanianら、P.N.A.S. USA., 102(43):15545-50 (2005))と称するパスウエイエンリッチメント解析(pathway enrichment analysis)を080トライアルデータ解析に適用した。pCRの定義に基づき、134の患者試料を2つのカテゴリー:レスポンダー(23のケース)および非レスポンダー(111のケース)、に分けることができた。2つの遺伝子セットエンリッチメントデータベース(代謝およびシグナルパスウエイコレクション(metabolic and signal pathway collection)および転写調節シスエレメントコレクション(transcription regulation cis-element collection))をこれら2つのカテゴリーに対して試験した。GSEAからの結果を、インジェニュイティーパスウエイシステム(Ingenuity Pathway System)およびMetaCore GeneGoメットワークシステム(MetaCore GeneGo network system)によってさらに洗練させ、確認した。ERと組み合わせてPPVを促進するのを助けるさらなるバイオマーカーを探索すべく、統計的方法および経路解析の両者を本研究に用いた。最後に、レスポンダーと非レスポンダーとの間のPR発現プロファイルの差違を調べた。
遺伝子セットエンリッチメント解析(GSEA)を適用して、レスポンダーと非レスポンダーとの間の差違を解析した。図1は、これら2つのカテゴリーの間で異なる上位100の遺伝子を示す。以前の観察と一致して、ERおよび多くのER共調節遺伝子はレスポンダー群においてダウンレギュレーションされる。興味深いことに、BUB1, cdc6, cdc45L, およびGTSE1などの多くの細胞周期関連遺伝子は、非レスポンダー群のものと比べて転写レベルにおいてすべて高い。GSEAによって同定される最も有意の経路は、p = 0でFDR q = 0.177の細胞周期経路である(図2)。
上位100の遺伝子をIngenuityシステムにアップロードしたときに、最も有意の遺伝子ネットワークを示した(図3)。少なくとも4つの明白な経路:ER; EGFR-ERBB2/Her2シグナル伝達経路; p53;およびE2F転写制御経路が存在する。ERによって制御されていると報告されている多くの遺伝子は、イクサベピロン応答群におけるERレベルとして低かったが、p53 and E2F回路内の多くの遺伝子は高かった。
ERおよびHer2経路が乳癌の発癌において中枢の役割を果たすことはよく知られている。一つの仮説は、ERおよび/またはHer2がこれら細胞周期関連遺伝子の発現に直接または間接に影響を及ぼすというものである。この仮説に取り組むべく、これら細胞周期関連遺伝子の発現とERまたはHer2レベルとの関連を調べた。図4は、Her2とE2F1またはE2F3との関係を転写レベルで示す2つのscatterプロットを示す。080トライアルデータセット内でこれらの間に発現の相関関係がないことが明らかであり、Her2レベルがE2F1またはE2F3遺伝子の発現に影響を及ぼさないことが示唆された。図5は、134の試料で増大したレベルのHer2とともにこれら細胞周期遺伝子の発現を示すヒートマップである。明らかに、これら細胞周期遺伝子の高発現または低発現は、癌細胞においてHer2のレベルと関係を有しない。
ERは乳癌細胞において多くの遺伝子を制御していることが知られている。ERがこれら細胞周期遺伝子をも制御しているか否かは、取り組むべき明白な疑問である。Her2のアプローチと同様、試料でのERのレベルを区分けして個々の試料の中でのこれら細胞周期遺伝子の発現レベルを比較した(図6)。ERの発現レベルとこれら細胞周期遺伝子の発現レベルとの間に相関関係がないのは明らかである。
上記結果を踏まえて、上記の仮説は誤りである、なぜならERまたはHer2のいずれもこれら細胞周期遺伝子の発現に影響を及ぼさないからである。取り組むべき次の疑問は、イクサベピロン応答細胞と非応答細胞とで何が高発現を惹き起こすかということである。これら遺伝子が共通の制御機構を備えていることが考えられそうである。
これら疑問に答えるため、インジェニュイティーシステム(Ingenuity System)の助けを借りて細胞周期関連遺伝子をさらに調べた。これがE2F中枢ネットワークであることが明らかである。E2Fに直接または間接に関連したすべての遺伝子が、イクサベピロン応答のケースでアップレギュレーションされていた。この結果は、GeneGoシステムと称する同様の遺伝子ネットワーク解析によってさらに確認された。
E2Fを含むこれら細胞周期遺伝子のプロモーターをGSEAにより調べたところ、これら遺伝子はすべて共通するシスエレメントTTTSSCGCS(または反対鎖ではSGCGSSAAA)を有することがわかった。図7は、計算したp値がゼロに近く、FDR qのスコアが約0.02であることを示す。これらシスエレメントを共通に有する遺伝子は以下のとおりである:E2F1およE2F3; GATA結合タンパク質1;インターロイキンエンハンサー結合因子(interleukin enhancer binding factor);および多くの他の細胞周期関連遺伝子。
どの転写因子がシスエレメントに結合するのかを知ること、およびイクサベピロン応答のケースで遺伝子の全セットの発現を増幅することは興味深いことである。転写因子データベースの探索は、シスエレメントがE2F転写因子のシスエレメントであることを見出した。
この知見は驚くべきことであった、なぜならE2F1およびE2F3の両者はまたイクサベピロン応答群から見出された細胞周期関連遺伝子のリストにも挙がっているからである。事実、E2F転写因子は自己増幅機構の特徴を有することが報告されている。このことは、各E2F遺伝子のプロモーターがそれ自身の結合エレメントを有し、E2Fタンパク質がそれ自身のプロモーターに結合しそれ自身の転写を増幅できることを意味する。乳癌患者において何がE2Fとその遺伝子ネットワークの脱制御(dis-regulation)を惹き起こすかは、取り組むべき肝要の疑問である。この疑問の意義は2点ある:(i)乳癌患者のための新規な医薬標的を探索すること;および(ii) E2Fネットワーク内での遺伝子の独自の発現は、イクサベピロン処置に対する患者の感受性を予測するための薬動力学的バイオマーカーとなり得る。
図8は、080トライアルデータセット内でのE2Fネットワークからの2つの遺伝子の予測値を示す。CDC45LおよびGTSE1 (G-2 and S-phase expressed 1)の両者は、細胞周期において重要な役割を果たし、E2Fによって制御されることが報告されている。以下の結果が得られた:
ER_205225_at
CDC45L_204126_s_at
領域間の差違(Difference between areas) = 0.067
標準誤差 = 0.062
95%信頼区間 = -0.053〜0.188
有意水準 P = 0.274
ER_205225_at
GTSE1_204318_s_at
領域間の差違 = 0.087
標準誤差 = 0.060
95%信頼区間 = -0.032〜0.205
有意水準 P = 0.152
CDC45L_204126_s_at
GTSE1_204318_s_at
領域間の差違 = 0.019
標準誤差 = 0.049
95%信頼区間 = -0.077〜0.115
有意水準 P = 0.695
Receiver Operating Characteristic (ROC)曲線分析から、CDC45LおよびGTSE1はそれぞれ、080トライアルにおいてイクサベピロン処置に対する患者の応答を予測する際にERと同じくらいの予測力のあることがわかった。
調べた次の疑問は、陽性的中率(PPV)、陰性的中率(NPV)、感度、および特異性を改善すべく、イクサベピロンへの病理学的な完全な応答を予測するためにERと組み合わせて用いることのできるさらなるマーカーが存在しないかということである。
ツリーベース解析(Tree-based Analysis)
イクサベピロンへのpCR応答を予測すべくERと組み合わせるさらなるマーカーを同定するため、ツリーベースモデリング法(Tree package in R)を適用した。予後において実際的な使用ができるように良好な動的範囲(good dynamic ranges)の遺伝子を保持するため、解析において広い発現範囲を有する遺伝子のみに焦点を当てた。もしも134のすべての患者試料でその最大発現と最小発現との差違が6未満であれば、当該遺伝子は解析から排除した。また、もしもすべてのER陰性患者でその最大発現と最小発現との差違が6未満であれば、当該遺伝子は解析から排除した。このフィルタリング後、得られたリストは361の遺伝子のみからなっていた。
ツリーベース法は以下のようにして行った:根(root)において、ツリー(tree)はER発現に基づいて2つの枝に分かれた。最初の枝分かれ後、2つの子供節(child nodes)は361の遺伝子の一つに基づいて一度に一つずつさらに分かれた(図9)。それゆえ、361のツリーモデルを予測目的のために構築した。5倍クロス確認(Five-fold cross-validation)を用いて各ツリーベースモデルを評価した。すなわち、134人の患者を5つのサブセットに無作為に分割した。第一のサブセットは試験セットとして取っておき、残りの4つのサブセットは上記のようにツリーベースモデルを構築するのに用いた。この手順は、異なるサブセットを試験セットとして採用することにより、5回繰り返すことができる。クロス確認の予測誤差、PPV、NPV、感度、および特異性は、それぞれ試験セットで得られた5つの予測誤差、PPV、NPV、感度、および特異性を平均することによって評価した。
表1は、ツリーベースモデリング法において陽性的中率(PPV)の順に上位12の遺伝子を示す。これら遺伝子のうちで、プローブセット204773_atは、最高の感度および最小の予測誤差であった。このKLK6としても知られる遺伝子はまた、卵巣癌腫の診断および予後の潜在的バイオマーカーであることが報告されている(E. Diamandisら、Journal of Clinical Oncology, Vol. 21, Issue 6: 1035-1043 (2003))。カリクレインファミリーの他の成員であるKLK10もまたリストの中に認められた。
表1:ツリーベース分析における上位12の遺伝子のPPV、NPV、感度、特異性、および予測誤差
Figure 2009532035
12の遺伝子の名称およびおよびそのaffymetrixの表記を表2に示す。
表2:ツリーベース分析における上位12の遺伝子
Figure 2009532035
Figure 2009532035
Figure 2009532035
図10は、KLK6発現およびER発現のscatterプロットである。「+」は非レスポンダーを表し、点はレスポンダーである。この図は、殆どのレスポンダーのER発現レベルが低かったことを示している。また、ER発現は低いがKLK6発現が高いなら、患者はレスポンダーでありそうもないことも観察された。グラフ中の垂直および水平の線は、ツリーベースモデルにおける分類則カットオフ点(classification rule cutoff points)として用いた。
k近傍法(K-nearest neighbor;KNN)およびGSEA法
マーカー遺伝子選択プロセスを、標的クラスとのより高い相関関係を有する遺伝子のみを提供するKNNアルゴリズムにより行った。KNNアルゴリズムは、データポイントのクラスをk最近傍トレーニングセットサンプルに現れる主要クラスに設定する。クラス1および2それぞれにおけるサンプルについて重心アルゴリズム(centroids algorithm)(R. Tibshiraniら、PNAS, 99(10):6567-72 (2002))を縮めることによって、マーカーのフィルタリングを行う。ユークリッド距離行列(euclidean distance matrix)を用いて相関関係の強さを決定した。相関関係値の大きさは、遺伝子発現とクラス識別との相関関係の強度を示す。
ER-群には、PCRの定義に基づいて18のレスポンダーおよび37の非レスポンダーが存在した。k近傍法(KNN)(k=3)と称する教師あり学習アルゴリズム(supervised learning algorithm)を適用して、これら2つのカテゴリーについて潜在的なプレディクターを同定した。表3は、幾つかのカリクレイン(KLK)成員がリスト上に存在したことを示す。
表3:KNNにより最も高い選択頻度を有する上位10の遺伝子はER-の亜集団でレスポンダー群と非レスポンダー群とを識別することがわかった
Figure 2009532035
Figure 2009532035
Figure 2009532035
これら結果は、GSEA分析によりさらに確認された(図11)。
ツリーベース法、KNN法、およびGSEA法からの上位10の遺伝子を総合すると、これら3つの異なる方法によって一致すると同定された3の遺伝子が存在した:(i) KLK6:カリクレイン6 (neurosin, zyme) (LOC5653); (ii) SERPINB5: セリン(またはシステイン)プロテイナーゼインヒビター, クラスB (卵アルブミン), 成員5 (LOC5268); および(iii) LY6D: リンパ球抗原6複合体, 遺伝子座D (LOC8581)。
探索すべき他の疑問は、レスポンダーと非レスポンダーとの間でのプロゲステロンレセプター(PR)遺伝子発現の差違であった。それは、ERおよびPR発現に関連してpCRを調べるうえで興味がもたれた。図12は、ERおよびPR発現の間に若干の相関関係(=0.57)が存在したことを示している。患者のER発現が低いときは、そのPR発現も低かった。この図において、PR発現は高いがER発現は低い患者は存在しないことが観察された。しかしながら、ER発現は高いがPR発現は低い何人かの患者が存在する。
表4は、ERおよびPRの状態により異なる群についてのpCR応答率を示す。データは080トライアルに基づいた。患者のERおよびPRの状態は、IHCアッセイにより決定した。これは、ER陽性群において、PR発現レベルが高いなら患者はイクサベピロンに対して応答する機会が高いことを示唆している。
表4:ERおよびPRの状態による応答率
Figure 2009532035
何故ある患者はイクサベピロン処置に対して感受性であるのに何故他の患者は感受性でないのかを理解するため、パスウエイエンリッチメント解析を適用した。多くの細胞周期遺伝子、とりわけその発現がE2F転写因子によって制御されている遺伝子のアップレギュレーションが有意であることがわかった。これら遺伝子の高発現は、ERまたはHer2によって直接または間接に引き起こされるのではなく、E2Fタンパク質によって制御されていると考えられる。AUC値に基づき、080トライアルにおいて2つの遺伝子が、イクサベピロン処置に対する乳癌患者の応答を予測する際にERと同様の予測値を有することがわかった。
pCR応答率を予測するERを用いたさらなるマーカーを同定する努力において、一覧の遺伝子が、高PPV (>=0.5)、NPV、感度、および特異性に関してある種の予測可能性を示すことがわかった、とりわけ、KLK6, SERPINB5およびLY6Dが、3つの方法で一貫してイクサベピロン感受性の良好なプレディクターとして同定された。
ER陽性患者において、PRの状態をイクサベピロンに対するレスポンダーを予測するのに用いることができることが示唆された。
実施例3:バイオマーカーに対する抗体の製造
バイオマーカーに対する抗体は種々の方法により調製することができる。たとえば、バイオマーカーポリペプチドを発現している細胞を動物に投与して、該発現されたポリペプチドに対して向けられたポリクローナル抗体を含む血清の産生を動物に誘発することができる。一つの側面において、当該技術分野で一般に行われている技術を用い、バイオマーカータンパク質を調製および単離し、あるいは精製して天然の混入物を実質的に含まないようにする。ついで、発現され単離されたポリペプチドに対してより高い比活性を有するポリクローナル抗血清を製造するため、そのような調製物を動物に導入する。
一つの側面において、本発明の抗体はモノクローナル抗体(またはそのタンパク質結合フラグメント)である。バイオマーカーポリペプチドを発現する細胞はいずれかの適当な組織培養培地にて培養できるが、10%ウシ胎仔血清(約56℃で不活化したもの)を含むように補充し、約10g/lの非必須アミノ酸、約1,00U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプトマイシンを含むように補充したEarle改変Eagle培地で細胞を培養するのが好ましい。
免疫した(およびブースター投与した)マウスの脾細胞を抽出し、適当なミエローマ細胞株と融合することができる。いずれの適当なミエローマ細胞株をも本発明に従って用いることができるが、ATCC(マナサス、バージニア)から入手可能な親ミエローマ細胞株(SP2/0)を用いるのが好ましい。融合後、Wandsら(1981, Gastroenterology, 80:225-232)によって記載されているように、得られたハイブリドーマ細胞をHAT培地で選択的に維持し、ついで限界希釈によりクローニングする。ついで、そのような選択により得られたハイブリドーマ細胞をアッセイして、ポリペプチド免疫原またはその部分に結合することのできる抗体を分泌する細胞クローンを同定する。
別法として、抗イディオタイプ抗体を用いる2工程法においてバイオマーカーポリペプチドに結合することのできるさらなる抗体を製造することができる。そのような方法は、抗体自身が抗原であるとの事実を用いるものであり、それゆえ第二の抗体に結合する抗体を得ることができる。この方法によれば、タンパク質特異的抗体を用いて動物、好ましくはマウスを免疫することができる。ついで、そのような免疫した動物の脾細胞を用いてハイブリドーマ細胞を製造し、ハイブリドーマ細胞をスクリーニングしてタンパク質特異的抗体に結合する能力が該ポリペプチドによって阻止され得る抗体を産生するクローンを同定する。そのような抗体はタンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、動物を免疫してさらなるタンパク質特異的抗体の生成を誘発するのに用いることができる。
実施例4:免疫蛍光アッセイ
以下の免疫蛍光プロトコールを、たとえば、細胞上のバイオマーカータンパク質発現を確認するため、または、たとえば、細胞の表面に発現されたバイオマーカーに結合する1またはそれ以上の抗体の存在についてチェックするために用いることができる。簡単に説明すると、カルシウムおよびマグネシウムを含むDPBS(DPBS++)中の10μg/mlのウシコラーゲンII型でLab-Tek IIチャンバスライドを4℃にて一夜コーティングする。ついで、スライドを冷DPBS++で2回洗浄し、全容量125μlの8000 CHO-CCR5または CHO pC4トランスフェクション細胞を播種し、95%酸素/5%二酸化炭素の存在下、37℃でインキュベートする。
培地を吸引により穏やかに除去し、吸着した細胞をDPBS++で周囲温度にて2回洗浄する。スライドを0.2%BSA(ブロッキング剤)を含有するDPBS++で0-4℃にて1時間ブロッキングする。ブロッキング溶液を吸引により穏やかに除去し、125μlの抗体含有溶液(抗体含有溶液は、たとえば、ハイブリドーマ培養上澄み液(通常、希釈せずに用いる)、または血清/血漿(通常、希釈する、たとえば約1/100の希釈)であってよい)を加える。スライドを0-4℃にて1時間インキュベートする。ついで、抗体溶液を吸引により穏やかに除去し、細胞を400μlの氷冷ブロッキング溶液で5回洗浄する。つぎに、ブロッキング溶液中のローダミン標識二次抗体(たとえば、抗ヒトIgG)(125μl、1μg/ml)を細胞に加える。再び、細胞を0-4℃にて1時間インキュベートする。
ついで、二次抗体を吸引により穏やかに除去し、細胞を400μlの氷冷ブロッキング溶液で3回、ついで冷DPBS++で5回、洗浄する。ついで、細胞をDPBS++中の3.7%ホルムアルデヒド(125μl)で周囲温度にて15分間固定化する。その後、細胞を400μlのDPBS++で周囲温度にて5回洗浄する。最後に、細胞を50%水性グリセリンに入れ、ローダミンフィルターを用いて蛍光顕微鏡で観察する。
図1は、イクサベピロンレスポンダー集団対非レスポンダー集団のGSEA分析を示す。青いボックスはダウンレギュレーションされた遺伝子、赤いボックスはアップレギュレーションされた遺伝子である。パスウエイエンリッチメント解析において、すべてのよく知られている経路(>400)を調べた;この解析は、遺伝子中心(gene centric)ではなく、経路中心(pathway centric)である(異なって(differentially)発現された遺伝子の大きなリストを、異なって発現された経路の遙かに小さなリストにマッピングして、さらなる解析を容易にすることができる);そして、signal to noiseをt検定の代わりに用いて遺伝子発現の不均質(heterogeneity)を最小にした。
図2は、パスウエイエンリッチメント解析および対応のp値を示す。細胞周期経路内の遺伝子セットが、非レスポンダーの場合に比べてイクサベピロンレスポンダーの場合において最も有意にエンリッチされた(enriched)ネットワークであった。
図3は、IngenuityシステムにアップロードしたGSEAで同定された上位100の遺伝子を示す。最も有意のネットワークをここに示す。円で強調した遺伝子は、制御ネットワークの中枢であると考えられた。矢印で強調した遺伝子は、イクサベピロン感受性の潜在的なプレディクターである。赤:イクサベピロンレスポンダーにおいてアップレギュレーションされた。緑:イクサベピロンレスポンダーにおいてダウンレギュレーションされた。少なくとも4つの重要な経路:エストロゲン (ESR1); ERBB2-EGFRファミリー; p53腫瘍サプレッサー; およびE2F転写因子、が存在する。
図4は、134の乳癌試料の中でのERとE2F1またはE2F3との発現レベルの関係を示すscatterプロットを示す。
図5は、134の乳癌試料で増大した発現レベルのHer2とともに細胞周期遺伝子の発現レベルを示すヒートマップを示す。ヒートマップ上で黒塗りの四角は高発現を、白抜きの四角は低発現を示す。
図6は、134の乳癌試料で増大した発現レベルのERとともに細胞周期遺伝子の発現レベルを示すヒートマップを示す。ヒートマップ上で黒塗りの四角は高発現を、白抜きの四角は低発現を示す。
図7は、GSEAの結果を示しており、共通するシスエレメントが、ある種の細胞周期関連遺伝子によって共有されていることがわかった。
図8は、080トライアルデータセットでのE2Fネットワークからの2つの遺伝子の予測値を示す。
図9は、イクサベピロンへのpCR応答を予測するERと組み合わせたさらなるマーカーの同定に適用したツリーベース法を示す。
図10は、KLK6発現とER発現とを対比したscatterプロットを示す。
図11は、ER陰性亜集団のGSEA分析を示す。矢印は若干のカリクレイン成員およびSERPINB5およびLY6D遺伝子を強調している。
図12は、PR発現およびER発現を対比したscatterプロットを示す。

Claims (8)

  1. 微小管安定化剤の投与を含む癌の治療法に哺乳動物が治療的に応答するか否かを予測する方法であって、
    (a)表2および表3のバイオマーカーから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを該哺乳動物において測定し、
    (b)該哺乳動物からの生物学的試料を該微小管安定化剤に暴露し、
    (c)工程(b)の暴露後、該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを該生物学的試料において測定することを含み、
    その際、工程(a)で測定した該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルと比較した工程(c)で測定した該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルの差違が、該哺乳動物が該癌の治療法に対して治療的に応答するであろうことを示すものである
    ことを特徴とする方法。
  2. 該微小管安定化剤がエポチロンまたはそのアナログまたはその誘導体である、請求項1に記載の方法。
  3. 該微小管安定化剤がイクサベピロンである、請求項1に記載の方法。
  4. 該微小管安定化剤がタキサンである、請求項1に記載の方法。
  5. 微小管安定化剤の投与を含む癌の治療法に治療的に応答する哺乳動物を同定する方法であって、
    (a)該哺乳動物からの生物学的試料を該微小管安定化剤に暴露し、
    (b)工程(a)の暴露後、表2および表3のバイオマーカーから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのレベルを該生物学的試料において測定することを含み、
    その際、該微小管安定化剤に暴露していない哺乳動物における該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルと比較した工程(b)で測定した該少なくとも一つのバイオマーカーのレベルの差違が、該哺乳動物が該癌の治療法に対して治療的に応答するであろうことを示すものである
    ことを特徴とする方法。
  6. 該微小管安定化剤がエポチロンまたはそのアナログまたはその誘導体である、請求項5に記載の方法。
  7. 該微小管安定化剤がイクサベピロンである、請求項5に記載の方法。
  8. 該微小管安定化剤がタキサンである、請求項5に記載の方法。
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