JP2009531134A - 乗客用補助酸素マスク - Google Patents
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Abstract
単一体として成形された顔面覆い貯槽複合体である。顔面覆いと貯蔵袋を単一体に統合することによって、このマスクはスペースを確保し、部品の数を減じ、しかも、十分な貯蔵容量を維持している。このマスクは顔面カップに縁を有し、この縁が使用者の顔面に対して既存のマスクよりもより広いシール領域と、より快適な装着感を与える。このマスクは、単純な定流量マスクとして作ることができるし、また、弁を備えてフェーズダイリューションマスクとして機能させることもできる。このマスクはまた、呼気再利用/フェーズダイリューションマスクとして機能するために、呼気再利用袋と弁を備えることもできる。
Description
[優先権の主張]
この出願は、本願と一体とされる2006年3月23日付け米国仮特許出願第60/785,038号の優先権を主張する。
この出願は、本願と一体とされる2006年3月23日付け米国仮特許出願第60/785,038号の優先権を主張する。
この発明は、与圧客室を備えた航空機上で減圧非常事態中に酸素を補充するために乗客によって使用されるタイプの酸素放出ユニットに関するものである。
現代の与圧された旅客機は、18,000から40,000フィート(約5,500〜12,000メートル)の高度を飛行する。これらの高度では、大気圧は海上レベルよりも遙かに低いから、空気の密度は減少する。したがって、空気中の酸素の分圧は正常な呼吸を維持するのに十分ではない。したがって、航空機の客室が減圧した非常事態では、乗客の生存のために酸素を付加供給するシステムが必要である。
従来技術、特に、米国特許第4,098,271号および同第4,832,017号では、弁を有する顔面覆いを含む非常時酸素呼吸装置が開示されている。この顔面覆いは使用者の鼻と口を覆うように設計されて、酸素供給チューブに接続されている。貯槽として機能する袋が顔面覆いと供給チューブの間に接続され、貯槽は制限された供給酸素の効率的使用を可能ならしめる。マスクは普通減圧時に自動的に供給される。ある種のマスクでは、酸素の流れを発生させるために、顔面覆いおよび袋の集合体は乗客によって引き下ろされるのが普通である。
必要とされるのは、スペースを確保し、部品数が少なく、しかも、十分な貯蔵容量を維持し、ぴったりと着用感のよい乗客用補助酸素マスクである。
この発明は、一体として成形された顔面覆い貯槽集合器を提供することによって、上記要求に応えるものである。顔面覆いおよび貯蔵袋を単一体に統合することによって、マスクは十分な貯蔵容量を維持しながら、スペースを確保し、部品数を減少させる。このマスクは顔面カップの縁によって現存のマスクよりも使用者の顔面に対してより大きなシール領域を提供し、よりよい装着感を与える。このマスクは簡単な定流量マスクとして作ることもできるし、また、弁を備えてフェーズダイリューション(phase dilution mask)として機能するように作ることもできる。このマスクは呼気再利用袋および弁を備えて呼気再利用/フェーズダイリューションマスクとして機能することができる。
この発明を、図面を参照して説明するが、図中同一の参照記号は全図面にわたって同一または類似の部材を示す。
図1〜5を参照して、まず図1において、乗客用補助酸素マスク10は貯蔵部40とカップ状マスク部分16とを含む単一の部材によって作られている。貯蔵部40は流量表示器41と酸素源に到るチューブ49を接続する入口42とを有する。酸素源は酸素ボンベや、化学的酸素発生器などで構成できる。酸素流の発生は、当業者に周知の多くの方法で達成できる。カップ状マスク部分16は折り曲げによって形成された縁28を有する。この縁28は使用者の顔面に接合して使用時のシールを形成する。カップ状マスク部分16の側面に吐出弁31と周辺気吸入弁37を備えている。また、弁室38は頭部装着具51をマスク10に接続するための取付部材50を備えている。
図2に示すように、マスク10は比較的平坦な端部20を有し、この端部20に流量表示器とガス入口が配置される。使用時、貯蔵部40の壁25は端部20から外向きにカーブし、それからマスク部分16に向かって内向きにカーブしている。壁25はマスク部分16にまで延長し、そこで、外向きに傾斜して折り曲げ部によって形成された縁28で終わっている。縁28は使用者の顔面に接合してシールを形成する。頭部装着帯51が取付部材50に連結されている。頭部装着帯51は可撓弾力性材料で作ることができる。使用中、マスク部分16は使用者の口と鼻を覆っておかれ、頭部装着帯51を使用者の頭に巡らせてマスク10を使用者の顔面に当て所定位置に保持する。
図3に示すように、本体13の反転端部がカップ状マスク部分16を形成する。このカップ状部分16は端壁22を含む。端壁22は吸入逆止弁34を支持している。カップ状部分16の側壁19は本体13の壁25に隣接配置され、二重壁域を形成する。図示実施例では、側壁19は弁室38によって側壁25に接合されている。カップ状部分16の端部において壁19から壁25への折り返し移行部が縁28を形成し、この縁が使用者の顔面に接触する。リップを形成する縁28は材料の選定によって、比較的硬いプラスチック材料で作られた別々の貯蔵袋とカップ形状呼吸マスクとを有する従来のマスクに比べて、より快適な装着適合感を得ることができる。
マスク10は図示のように、3個の弁を備えている。これらの弁は吐出弁31、吸入逆止弁34および周辺気吸入弁37を含む。弁室38は弁フラッパおよびスプリング(図示せず)を含んでいる。機械式の流量表示器41は、貯蔵袋40の基部に取り付けられ、マスク10への酸素の流れを表示する。この構成の代わりに、膨張型流量表示器を使用することもできる。当業者に明らかなように、マスク10が使用者の顔面まで引き下ろされたときに、流れを開始させる引き紐方式の構成を使用することもできる。
図4、5に示すように、本発明のマスク10は可撓性材料の単一体で形成することができる。たとえば、マスク10はニューヨーク州ウォーターフォードのGEシリコ−ンズから入手できるベイシロン LSR 2050(Baysilone LSR 2050商標名)のような透明な射出成形可能なシリコーン材料から成形できる。他の適当な材料も使用可能であることは、この発明の開示により当業者に明らかであろう。マスク本体13は、最初は偏平楕円中空体の形状に形成される。ここに、偏平とは両極11、12において平坦にまたは押圧されていることである。楕円体とは球体に類似の形態である。球体とは長い周囲が円形に近い立体である。本体13は、肉厚部分14と可撓性を増大させるための肉薄部分15とを有する。あるいはまた、本体13は全体を等しい厚さに形成してもよい。他の細長い形状の中空体も好適に使用できることは、本発明の開示に基づいて当業者に自明であろう。本体13をまず形成した後、本体13の一端17(すなわち短径の端部)を内側に押し込んで壁19、22(図3)を形成し、反転部の内方への折り曲げ壁19を本体13の壁25に付着させる。マスク本体13は弁31、37を収納する孔26、27と頭部取付具50とを有する単一体として形成される。本体13を反転させて、カップ形状部分16を形成するとき、孔26、27を合致させることができる。弁室38は合致させた孔の中に設置される。弁室38は壁19、25を貫通して壁19、25を一体に固定し、カップ形状部分16と本体13の残り部分で形成された貯蔵部40とを規定する。
図6において、呼気再利用呼吸器/フェーズダイリューションマスク100は、図1、3に示すマスク10と同様の本体103を有する。本体103は同一の厚みの材料で作ってもいいし、薄壁部分104と厚壁部分105とから作ってもよい。呼気の一部を再利用するためにマスク100は下記のように呼気再利用袋と付加弁とを含む。マスク100はまた、カップ状マスク部分106と貯蔵部分109とを含む。貯蔵部分109は流量表示器115と酸素源に至るチューブ118とを有する入口112を備えている。
マスク部分106は縁128で終わっている。周辺吐出弁129が弁室131内に配備されている。弁室131はマスク100を頭部装着具137に接続する取付部材134を含んでいる。マスク100は貯蔵部吸入弁140を含んでいる。
図7において、この乗客用呼気再利用マスクは、現在の乗客用貯蔵袋マスクのハイブリッド形式として機能する。計量された酸素がチューブ118を通って貯蔵部109に流入する。酸素流は貯蔵部109の基部に配備された流量表示器115によって表示される。吸入中に酸素は貯蔵部吸入弁140を介して貯蔵部109から導出される。貯蔵部109内の酸素が減ったとき、呼気再利用吸入弁149中のスプリングで負荷されたフラッパか開いて、別の呼気再利用袋143から吐出された空気が吸入されるようにしている。呼気再利用袋143もその内容が減少すると、周辺気吸入弁146が開いて、周囲の空気(すなわち、客室の空気)をマスク部分106に導入する。周辺気吸入弁146および貯蔵部吸入弁140は、特定の強さのスプリングを用いて、これらの弁が誤った順番で開かないようにしてある。使用者が息を吐くと、吸入弁140、149および周辺気吸入弁146が閉じ、呼気再利用吐出弁149が開いて、はき出された空気が呼気再利用袋143に導入される。袋143がいっぱいになると、周辺吐出弁152が開いて、呼気の残りの部分を周辺空気中に排出する。この弁152も特別な強さのスプリングを使用して、この弁が呼吸サイクル中の適当な時点で開くようにする。呼気再利用袋の目的は、酸素量に富み、炭酸ガスが比較的少ない呼気の最初の部分を捕捉することである。この呼気の最初の部分は使用者の気管の上部に残っていて肺のガス交換域に達していない空気である。
本発明を実施に関連して記述したが、それは本発明の範囲を開示された特定の形態に限定するものではなく、反対に、添付の請求の範囲に規定された本発明の精神および範囲に含まれる変形、修正、等価例を含むものである。
Claims (22)
- 第1の端壁と、第2の端壁と、少なくとも1つの側壁とからなり、第1の端壁は内面と外面を有し、反転されて外面が前記少なくとも1つの側壁の縁によって限られたカップ状マスク部分を形成し、反転された第1端壁がマスク部分を、第2端壁、前記少なくとも1つの側壁および第1の端壁の内面によって限られた空所から分離し、この空所が貯蔵部を形成してなる単一空洞部材と、
貯蔵部上に配置された入口と、
貯蔵部とマスク部分との間に流体流通可能に配置された少なくとも1つの入口と、
マスク部分に配置された少なくとも1つの出口と
からなる呼吸マスク貯槽複合器。 - マスク部分が第1の端壁と前記縁との間に延長する側壁部分を有する請求項1の複合器。
- 側壁部分が孔を有する請求項2の複合器。
- 側壁部分の孔が前記少なくとも1つの側壁部分の孔と合致する請求項3の複合器。
- 少なくとも1つの弁集合体が前記合致した孔内に配置され、この弁集合体がマスク部分を前記少なくとも1つの側壁に接合させて前記空所を形成する請求項4の複合器。
- マスク部分に配置された窒息防止弁をさらに含む請求項1の複合器。
- 貯蔵部の入口が第2端壁に配置された請求項1の複合器。
- マスク部分と貯蔵部との間に流体流通状態で配置された入口が第1端壁上に配置されている請求項1の複合器。
- マスク部分に取り付けられた頭部装着帯をさらに含む請求項1の複合器。
- 吐出弁および窒息防止弁がマスク部分の側壁と前記少なくとも1つの側壁に設けた合致した孔内に配置されている請求項1の複合器。
- 貯蔵部内において、マスク部分と流体流通状態に配置された少なくとも1つの呼気再利用袋をさらに含む請求項1の複合器。
- 第1の端壁と、第2の端壁と、少なくとも1つの側壁とからなり、第1の端壁は内面と外面を有し、反転されて外面が前記少なくとも1つの側壁の縁によって限られたカップ状マスク部分を形成し、反転された第1端壁がマスク部分を、第2端壁、前記少なくとも1つの側壁および第1の端壁の内面によって限られた空所から分離し、この空所が貯蔵部を形成してなる単一空洞部材と、
貯蔵部上に配置された入口と、
貯蔵部とマスク部分との間に流体流通可能に配置された少なくとも1つの入口と、
マスク部分に配置された少なくとも1つの出口と、
マスク部分と流体流通状態に配置された呼気再利用袋と
からなる呼吸マスク貯槽複合器。 - 呼気再利用袋が貯蔵部内に配置されている請求項12の複合器。
- マスク部分が第1の端壁と前記縁との間に延長する側壁部分を有する請求項13の複合器。
- 側壁部分が孔を有する請求項14の複合器。
- 側壁部分の孔が前記少なくとも1つの側壁部分の孔と合致する請求項15の複合器。
- 少なくとも1つの弁集合体が前記合致した孔内に配置され、この弁集合体がマスク部分を前記少なくとも1つの側壁に接合させて前記空所を形成する請求項16の複合器。
- マスク部分に配置された窒息防止弁をさらに含む請求項12の複合器。
- 貯蔵部の入口が第2端壁に配置された請求項12の複合器。
- マスク部分と貯蔵部との間に流体流通状態で配置された入口が第1端壁上に配置されている請求項12の複合器。
- マスク部分に取り付けられた頭部装着帯をさらに含む請求項12の複合器。
- 第1の端壁と、第1の端壁の反対側に配置された第2の端壁と、第1と第2の端壁間に配置された少なくとも1つの側壁とを有し、第1の端壁が内面と外面を有する単一の空洞部材を形成し、
第1の端壁を反転させ、前記少なくとも1つの側壁の縁によって限られたカップ状マスク部分を形成し、
マスク部分を前記少なくとも1つの側壁に付着させて空所を形成し、その空所が前記第1の端壁の内面と前記少なくとも1つの側壁と、第2の端壁によって規定された貯蔵部を形成し、
貯蔵部に入口を形成し、
マスク部分と貯蔵部との間に流体流通状態に配置された入口を形成し、
マスク部分に出口を形成すること
からなる呼吸マスク貯槽複合器の製造方法。
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