JP2009529864A - 核酸の分析方法 - Google Patents

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Abstract

核酸を分画し、アダプターを結合し、核酸を増幅する段階、およびイン・ビトロ転写段階を含んでなる、核酸の分析方法。上記発明は、DNAマイクロマトリックスの使用による生物のゲノム分析の分野に適用される。

Description

発明の分野
本発明は、分子生物学の分野に関する。詳細には、本発明の目的は、遺伝子の配列およびコピー数の両方に関する生物のゲノムにおける変動の存在を決定することに用いることができる核酸の分析方法である。
発明の背景
ゲノム中の遺伝子のコピー数の変化の分析に現在用いられている手法の一つは、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)として知られている方法であり、これにより、DNAの喪失、複製および一つの細胞から別の細胞へのトランスロケーションなど細胞で起こる大きな染色体変化を検出することができる。
DNAマイクロアレイ(DNAチップとも呼ばれる)の開発により、これらは急速にゲノムマッピング研究に統合されてゆき、その結果、ゲノムDNAの比較分析における一層良好な分解能および感度レベル、およびより大きな再生能が得られ、個々の遺伝子レベルでの変化を確実に検出することができる。
DNAマイクロアレイ技術は用途が広いため、トランスクリプトミクス(transcriptomics)、遺伝学およびエピゲネティクス(epigenetics)の分野で応用されている。従って、バルクの平行分析を行うことができるようにするためRNAおよびDNA試料を標識する様々な方法が開発された。
理論的には、シグナル強度分布の差は、ハイブリダイズした試料がRNAであるかまたはDNAであるかによってDNAマイクロアレイにハイブリダイズするときに観察されるものである。細胞では、遺伝子は特異的に発現するので、総RNAの試料に見出される様々な種類のRNAは4の次数の大きさまでの発現レベルの差を示すことができる。結果として、標識RNAまたはRNA試料のハイブリダイゼーションシグナルは、マイクロアレイ表面上のプローブについて同様な範囲のシグナル強度(すなわち、4の次数の大きさ)をカバーする。
一方、個々の試料における反復DNAまたはDNAの複製または欠失断片は除いて、ゲノムDNA試料における様々なDNA断片の普及率は同一であり、従ってマイクロアレイ表面上の様々なプローブ間のシグナル強度の変動は実質的に小さくなり且つ様々なDNA断片の標識効率における小さな変動または様々な標識断片とマイクロアレイ上のプローブとの間のハイブリダイゼーション効率の変動に限定されることが期待される。
しかしながら、全ゲノムおよびサブゲノムのハイブリダイゼーションの様々な公表された方法から得られるシグナル分布の分析は、マイクロアレイ表面のプローブについてのシグナル強度分布が、プローブ選択手続きに万全の注意を払ったとしても遺伝子発現分析で得られるのと同様であることを示している。
ゲノム研究に用いられている標識法としては、
DNアーゼIを用いるゲルの断片化、および標識UTPを用いる末端トランスフェラーゼによる末端標識(Borevitz et al., 2003.「ゲノム複合体におけるシングル・フィーチャー多形(single-feature polymorphisms)の大量同定」Genome Research 13:513-523; Winzeler et al., 1998.「酵母ゲノムの直接対立変動走査」Science 281 :1194-97)、
標識dNTPを用いる(場合によっては制限酵素により消化してより小さな断片を生成した後)プライマーによるランダム標識(Pollack et al., 1999.「cDNAマイクロアレイを用いるDNAコピー数変化のゲノム広域分析」Nature Genetics 23: 41-46)、
1種類以上の制限酵素による消化、アダプター結合およびアダプターを主体とするプライマーを用いる増幅の後、標識UTPを用いる末端トランスフェラーゼによる末端標識によるサブゲノムの増幅(Maitra et al., 2005.「培養したヒト胚幹細胞におけるゲノム変化」Nature Genetics 37(10): 1099-1103)、
1種類以上の制限酵素による消化、アダプター結合および一方の末端で標識したアダプターを主体とするプライマーを用いる増幅によるサブゲノムの増幅
が挙げられる。
これらの方法はいずれも3-4の次数の大きさにわたって分布した、すなわち現在使用されているスキャナーの全検出範囲内のシグナルを生成する。この変動は標識法、表面上のプローブの熱力学的特性の差、または走査工程の変動によって完全に説明することはできず、従って標識法で見られる変動によって引き起こされるものでなければならないが、このシグナル強度分布が起こる理由は未だ不明である。
この理由により、シグナル強度範囲の振幅の減少を目指して標識法を改良する試みが行われてきた(Lieu et al., 2005.「アレイを機材とする相対ゲノムハイブリダイゼーションのためのDNA標識系の開発」J. Biom. Tech. 16:104-111)。
広範囲にわたるシグナル強度の分布は、
シグナル対ノイズ比が最低シグナル範囲に減少すると、小部分のシグナルは分析には不十分な性質のものである。スペクトルの下端のシグナル強度は更に標識DNAを(一定限界まで)加えることによって改良することができるが、これにより高い方のシグナルは飽和に向かって移動し、定量能はこれらの点について失われ、
DNAマッピングなどの幾つかの応用では、DNA試料のバルク分析を行うことができることが望ましいので、単一試料をコントロールと比較して分析する代わりに、幾つかの試料の混合物を分析して、正の参照試料と負の参照試料と比較して混合物におけるハイブリダイゼーションのレベルが混合物に含まれる試料にシグナルが存在する頻度を反映するようにする。典型的には、正の参照試料のシグナルの百倍希釈物を反映するシグナルを検出できるのが望ましい。例えば、検出可能なシグナルが60〜60000の範囲にあれば、正の参照シグナルは少なくとも6000の値に到達し、負の参照シグナルは60をかなり下回る残留値となる。これらの応用では、総てのシグナル強度は、最低の明らかに検出可能なシグナルの100倍とスキャナーの線形範囲内の最高の検出可能なシグナルとの間で構成される。現行のDNA標識法を用いれば、この基準により大半のプローブが除去されるのであり、バックグラウンドノイズの100倍より大きな強度のプローブは比較的少ないからであり、
遺伝子(例えば、CGH)のコピー数の変動の分析などの他の応用では、スペクトルの中央で最高信頼性で複製および欠失を同定することができるため、最も頻繁に観察されるコピー数に対応するシグナルを得ることが望ましい
という幾つかの実際的結果を有する。
しかしながら、現行の方法によれば、ほとんどの点は低シグナル強度であると思われ、シグナル強度で観察された変化の解釈が困難である。このことは、例えばBarrett et al.によって公表された研究などの文献に公表されたデーターを分析するときに見ることができる(Barrett MT et al.「オリゴヌクレオチドマイクロアレイと総ゲノムDNAを用いる相対ゲノムハイブリダイゼーション」Proc Natl Acad Sci USA. 2004 Dec 21; 101(51):17765-70)。
この研究グループは、フェノール/クロロホルム精製に加えて抽出試薬として Trizol(Invitrogen,米国)を用いてヒト試料からゲノムDNAを抽出した。このDNA 10ngを、ポリメラーゼφ29を用いるPCRによって増幅した。その後、この増幅したDNAを2種類の制限酵素AluIおよびRsaIで37℃で2時間のインキュベーション時間で消化した。試料を消化したDNA 6μgで標識し、Bioprime Labeling Kit(Invitrogen,米国)で精製し、上記会社が推奨する段階に従って蛍光発色団Cy3またはCy5で標識したヌクレオチドを加えた。
ハイブリダイゼーションの前に、標識試料を100℃で1.5分間変性し、37℃で30分間インキュベーションした。試料をAgilent Technologiesの推奨に従ってハイブリダイズし、マイクロアレイ上の参照試料と試験試料を65℃で一晩インキュベーションした。次に、マイクロアレイをAgilentの方法に従って洗浄し、Agilent 2565AA DNAマイクロアレイスキャナーを用いて走査した。
この公表文献のDataset 14に対応するDNAをグラフに表したものは図5Aおよび5Bに示されており、後に記載される方法で行ったデーター分析は表1に示されている。プラットホームの技術実験散乱(すなわち、様々なプローブから得られた全データーセットの散乱ではなく、反復点のシグナルレベルの散乱)を評価できるようにするため、オリゴヌクレオチドはコントロールとして働くこの文書で用いたマイクロアレイで数回反復した。特に、コントロールとして用いるプローブは、ITGB3BP、EXO1、FLJ22116、IF2、CPS1、ST3GALVI、FLJ20432、HPS3、ARHH、SPP1、DKFZp762K2015、CENPE、CCNA2、ESM1、NLN、KIAA0372、LOX、RAD50、RAB6KIFL、FLJ20364、FLJ20624、SERPINE1、FLJ11785、FLJ11785、LOXL2、WRN、RAD54B、CML66、HAS2、MGC5254、MLANA、COL13A1、AD24、LMO2、CD69、LOC51290、FLJ21908、MGC5585、KNTC1、TNFRSF11B、MGC5302、BAZ1A、AND−1、HIF1A、IFI27、FANCA、BRCA1、PMAIP1、HMCS、STCH、SERPIND1、およびNSBP1である。これら総てのプローブは、10回反復した。
Figure 2009529864
表1のデーターから分かるように、プローブシグナルはコントロールが示した散乱の5倍を上回る散乱を示し、実験の技術的実行にはよらない真の散乱があることを示している。更に、プローブに対応するシグナルは、グラフ(図5A、緑色チャンネルおよび赤色チャンネルで得られたシグナル散乱のグラフ)の対角線に沿って、より大きな頻度で低シグナル強度で(図5B、シグナル分布を反映するヒストグラム)分布していることが線図により観察される。これらの結果は、標識方法とこの公表文献で用いられた表面上のプローブの集合体に対するハイブリダイゼーションの特定の組合せは、望ましくない変動性を誘導して、用いる結果の一部の信頼性に影響を及ぼす可能性があることを示している。
本発明では、DNA分画化、アダプター結合、およびRNAポリメラーゼを用いる試料のイン・ビトロ転写を伴う工程を含んでなるゲノムDNAの分析方法を記載する。この工程では、RNA断片のセットを生成し、これらのRNA断片は分析を行うDNA断片と同等であり且つ分析を行うためにDNAマイクロアレイのオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたものである。試料の標識は、場合によってはこの段階で行うことができる。本発明による方法は、分析試料のシグナル強度における変動性を有意に減少させることができる。
本発明の目的は、
a) ゲノムDNA試料を断片化し、
b) 得られたDNA断片の両端に、生成した両端と適合する特異的アダプター(結合したアダプターの少なくとも1個が機能性プロモーター配列を含む)を結合し、
c) 特異的アダプターを主体とするプライマーを用いて、得られた断片を増幅し、
d) ヌクレオチドの混合物(rNTPs)を用いてアダプターに含まれるプロモーター配列から転写を開始することができるRNAポリメラーゼを用いて、増幅したDNA断片をイン・ビトロ転写し、
e) DNAマイクロアレイのオリゴヌクレオチドへハイブリダイズさせ、ハイブリダイズした断片を検出し、および
f) 分析を行った様々な試料からのシグナルを定量的に比較する
工程を含んでなる核酸の分析方法を提供することである。
発明の具体的説明
図1は、本発明の方法を構成する段階の一例を図解表示したものである。
ゲノムDNA試料の断片化は、例えば塩酸、水酸化ナトリウム、ヒドラジンなどによる処理のような化学的方法、イオン化放射線による処理、超音波処理などの物理的方法、または例えば制限酵素などのエンドヌクレアーゼによる消化のような酵素的方法によって行うことができる。本発明の一態様では、断片化は少なくとも1種類の制限酵素を用いる消化によって行われる。本発明のもう一つの態様では、断片化は2種類の制限酵素を用いる消化によって行われる。
本発明の方法は、任意の生物から単離したゲノムDNAの任意の試料の分析であって、ゲノム変異の存在の研究が望まれる場合に用いることができる。上記方法は、取り分けシングル・フィーチャー多形(single-feature polymorphisms)の大量同定(SFP)、相対ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)であって、遺伝子または遺伝子またはその断片の欠失または遺伝子またはその断片の2以上のコピーの存在を判断することができるもの、個体の分析または大量分離分析(bulked segregant analysis)による遺伝子マッピング、一塩基多型(SNP)の同定、トランスポゾンの局在化、クロマチン免疫沈降法(ChiP-on-chip)などに応用することができる。
マイクロアレイまたはDNAマイクロアレイという用語は、固形基質上に固定された多数のオリゴヌクレオチドの集合体であって、それぞれのオリゴヌクレオチドが既知の位置に固定されており、多数のオリゴヌクレオチドを別々に検出することができるものを表す。基質は固形または多孔質、平面または非平面、一体または分散型でよい。本発明の方法によってハイブリダイゼーションおよび検出を行うDNAマイクロアレイは、任意の方法によって寄託されたオリゴヌクレオチドまたはイン・シテュー(in situ)フォトリソグラフィーまたは任意の他の方法によって合成されたオリゴヌクレオチドを用いて製造することができる。
プローブという用語は、固形基質上に固定されたオリゴヌクレオチドであって、分析を行う核酸のハイブリダイゼーションを行うものを表す。
本発明の一態様では、ハイブリダイズした断片の検出は、DNAマイクロアレイに含まれるDNAプローブ上のハイブリダイズした試料の量を直接定量することによって行う。上記の直接定量は、原子間力顕微鏡法(AFM)、走査型透過顕微鏡法(STM)または走査型電子顕微鏡法(SEM)、インピーダンス、電圧または電流の測定などの電気化学的方法、または共焦点および非共焦点顕微鏡法、赤外顕微鏡法、蛍光、ルミネッセンス、化学ルミネッセンスの検出、または吸光度、反射率または透過率の検出、および一般的には任意の表面分析法などの手法を用いて行うことができるが、これらに限定されない。
本発明のもう一つの態様では、ハイブリダイズした断片の検出は、分析を行う断片に組込まれた標識要素の検出によって行われる。特に、標識は、蛍光発色団のような直接検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体、ビオチンまたはハプテンのような後の反応によって間接的に可視化することができる標識を組込んでいるヌクレオチド類似体、または当業者に知られている任意の他の種類の直接または間接核酸標識の組込みによってイン・ビトロ転写中に起こる。詳細には、標識は、直接標識のためのCy3−UTP、Cy5−UTP、またはフルオレセイン−UTPまたは間接標識のためのビオチン−UTPを用いて行うことができる。
機能性プロモーター配列という表現は、RNAポリメラーゼによって認識されることができ且つそこから転写を開始することができるヌクレオチド配列を表す。一般的には、それぞれのRNAポリメラーゼは特異配列を認識し、そのためアダプターに包含される機能性プロモーター配列は、用いられているRNAポリメラーゼによって選択される。RNAポリメラーゼの例としては、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼおよびSP6 RNAポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の目的は、本発明の核酸の分析方法を行うのに必要な試薬、酵素、および添加剤を含んでなる、キットを提供することでもある。
本発明のもう一つの目的は、本発明の核酸の分析方法を行うのに必要な試薬、酵素、添加剤、およびプローブを有するDNAマイクロアレイを含んでなる、キットを提供することである。
本発明は、現在用いられている生物のゲノムにおける変動を検討する目的でDNAマイクロアレイを用いることによる核酸の分析方法の改良に基づいている。DNAの調製がRNAポリメラーゼを用いるPCRによって増幅されたDNA断片のイン・ビトロ転写を含んでなる段階と関連しているとき、DNAマイクロアレイに含まれるプローブにハイブリダイズするためのシグナルは、他の手段によって得られまたは標識されたDNA断片が直接ハイブリダイズするときより強く且つ均質性が高いことが観察された。ランダムと思われる他の標識法により様々な標識断片の標識および/またはハイブリダイゼーション効率が著しく歪められることを考えれば、この結果は予想されなかったものであり、更に本発明がこの歪みを減少させまたは除去する理由は現在知られていない。
本発明の方法における改良点を現在一般に用いられている他の方法と比較して判断するために、参照パラメーターとして分析試料のシグナル強度散乱対ハイブリダイゼーションコントロールのシグナル強度散乱を用いた。
例えば、(所定の標識に対応する)スキャナーのそれぞれの読み取りチャンネルについて、シグナル強度の相対散乱率を値の組の標準偏差と上記値の平均との比として計算した。本発明の実施例では、Cy3による標識(緑色チャンネル)とCy5による標識(赤色チャンネル)に対応するデーターが示されている。この計算は実験に含まれるプローブとコントロールの両方について行い、プローブシグナルの相対散乱率(relative percentage scatter)とコントロールシグナルの相対散乱率との比を計算することもできた。この方法では、コントロールの散乱度がハイブリダイゼーションの固有変動性の指標であることを考えれば、コントロールの散乱度に対するプローブの散乱度を反映している値が求められる。更に、それぞれの点のシグナル強度とそれ自身のバックグラウンドノイズの平均比を、もう一つの参照値として処理した。これら総ての計算において、標準化の任意の近似は総ての値に同様に影響するので、この比は事実上一定のままとなることが期待される。
2つの試料のシグナル強度の比較分析を行うには、マイクロアレイのそれぞれのプローブに対するハイブリダイゼーションから得られた強度値を、通常は第一の試料からの値を表す値をx軸上におよび第二の試料についての対応する値をy軸上に表す対数散乱プロットで表す。プロット対角線は、所定のプローブが両方の試料に対して同じ値を示す点によって表される。2つの同一試料を比較するときには、点は対角線上に理想的に配置されるはずである。しかしながら、実験的には、対角線に対して点のある程度の散乱(すなわち、対角線に対して直角の散乱)、またはその結果、2つの同一試料の強度値の比の散乱が起こることが観察される。この散乱は、それぞれのプローブについて1つの試料からのデーターの再現性の程度を示しており、表面上の様々なプローブについての2つの試料からのシグナルの比に基づいて計算した所定の標準偏差と関連している。
更に、上記散乱プロットにおいて、それぞれのプローブに対するハイブリダイゼーションシグナルは対角線に沿って(または対角線に平行に)分布しており、上記分布は試料のシグナル強度に対して固有のものである。この散乱は試料中の様々な断片の検出効率の変動を反映しており、これは表面上の様々な核酸断片のハイブリダイゼーション効率の変動と組み合わせたハイブリダイゼーション(適用可能ならば、標識を包含する)のための様々な核酸断片の調製のための方法の効率の変動によって与えられる。全シグナル強度範囲にわたるこの分布は、試料のプローブの強度の標準偏差をこの試料についての総てのプローブの強度の平均値で割った比として定義される相対標準偏差と関連している。これらの強度の相対標準偏差は、試料の総てのプローブの組またはコントロールとして作用する反復プローブの組について計算することができる。従って、試料の強度の標準偏差をコントロールの強度の標準偏差によって割った比は、ハイブリダイゼーション(適用可能ならば、標識を包含する)のための様々な核酸断片の調製のための方法の効率の変動および表面上の様々な核酸断片のハイブリダイゼーション効率の変動の試料の総シグナル強度散乱に対する寄与を反映する。
本発明は、DNAマイクロアレイに対するハイブリダイゼーションによって得られる試料からのシグナル強度の散乱を減少させる核酸断片の調製方法を記載する。
本発明の一態様では、DNAマイクロアレイへのハイブリダイゼーションおよび検出は、元の核酸における総ての分析断片が同数のコピーに存在するときには、試料のプローブのシグナル強度の相対散乱とコントロールのシグナル強度の相対散乱の比は4未満であり、好ましくは3未満であり、更に好ましくは2未満であり、更に一層好ましくは1.5未満であるという要件を満たしている。
対角線に沿ったハイブリダイゼーションシグナルの強度を制御する方法の一つは、ハイブリダイズした試料の量を変化させることにより、ハイブリダイズした試料の量が増加すれば、シグナルも増加するようにすることである。この方法では、最大および最小シグナルを調整して、それらがスキャナーの検出範囲内に収まるようにすることができる。しかしながら、適用される試料の量の変化はシグナル分布プロフィールに影響を及ぼさず、試料量を増加して低強度シグナルまたは分析のノイズレベルによって画定された検出閾値を下回るシグナルの強度を上げることは、高強度シグナルが飽和領域に入る結果となる。本発明の分析方法を適用すると、試料のプローブのシグナル強度が均質になるだけでなく、平均的シグナル強度も増加するので、分析におけるシグナル/ノイズ比が改善される。
本発明の方法では、DNAマイクロアレイにハイブリダイズした試料はRNAからなり、他の方法と比較して相当の利点を有する。第一に、RNA−DNA相互作用はDNA−DNA相互作用より強く、これが平均シグナル強度の増加が見られた1つの理由である可能性がある。第二に、一本鎖RNAはマイクロアレイ表面上のプローブへのハイブリダイゼーション用の溶液に存在する相補性分子と全く競合せず、DNAマイクロアレイ表面に含まれるプローブへのハイブリダイゼーションの程度が大きくなる。
従って、本発明は、現在用いられている方法よりも感度、シグナル/ノイズ比および再現性が良好な複雑なゲノムにおける変動の同定のための核酸の新規な分析方法を提供する。
以下に、本発明の方法の幾つかの非制限的実施例を説明する。
実施例1:イン・ビトロ転写段階なしにCy3およびCy5蛍光発色団で標識したプライマーを用いる増幅による標識による酵母ゲノムDNAの分析
DNA調製
ゲノムDNAは、酵母の1種類であるSaccharomyces cerevisiaeから抽出した。酵母培養物の菌体を、遠心分離により沈澱させ、DNA抽出溶液(100mM Tris−HCl;50mM EDTA pH8)600μlに再懸濁させた後、20%SDS 40μlを加え、全体を十分混合し、65℃で10分間インキュベーションし、次いで、冷酢酸カリウム200μlを加え、インキュベーションを氷上で15分間継続した。次に、混合物を遠心分離機で4℃にて16000rpmで15分間遠心分離し、イソプロパノール600μlを上清400μlに加えた。DNAを16000rpmにて15分間遠心分離することによって沈澱させた後、沈殿物を70%エタノール200μlで洗浄し、乾燥させた。沈殿物をTE 100μlに溶解した。
DNA精製
RNアーゼ(10mg/ml)2μlを試料に加え、これを37℃の水槽で15分間インキュベーションした。臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)溶液100μlを加え(2%(重量/容量)CTAB;200mM Tris;50mM EDTA pH 7.5,2M NaCl)、65℃で15分間インキュベーションした後、CHCl:イソアミルアルコール(24:1)200μlを加えた。混合物を微量遠心分離機で15000rpmにて5分間遠心分離し、上清200μlをイソプロパノール180μlで沈澱させた。これを微量遠心分離機で15000rpmにて10分間遠心分離し、沈殿物を70%エタノール100μlで洗浄し、風乾した。最後に、沈殿物を水50μlに溶解した。
DNA消化およびアダプター結合
全ゲノムDNA(2μg)を、SacI(Fermentas,リトアニア)およびMseI(New England Biolabs,米国)を用いて37℃で3時間インキュベーションして消化した。消化によって生成したDNA断片に対して、SacI酵素の付着末端と適合性のSacIアダプターとMseIの付着末端と適合性のMseIアダプターを、T4リガーゼ緩衝液(Fermentas,リトアニア)中でT4 DNAリガーゼ(Fermentas,リトアニア)と周囲温度にて4時間インキュベーションして結合させた。
DNA増幅
SacI/MseI断片を、72℃で2分間;94℃で2分間;94℃で30秒間、56℃で30秒間、72℃で90秒間および72℃で10分間の34サイクルのサイクルプログラムを用いる1xTaq緩衝液、1.5nM MgCl、200nM dNTP、Taqポリメラーゼ(Fermentas,リトアニア)1Uとの反応においてアダプターの配列に基づいて2種類の特異的プライマーをそれぞれ200nMの濃度で用いるPCRによって増幅した。この場合に、プライマーの一つでSacIアダプターに特異的なものを標識した。この方法では、標識の組込みはPCRで進行したDNA増幅として行った。PCRは2回平行して行い、一方ではプライマーが5’末端上の蛍光色素Cy3 1分子を含み、他方ではプライマーが蛍光色素Cy5を含むようにした。
マイクロアレイのハイブリダイゼーション
Cy3で標識した試料からのDNA 0.75μgをCy5で標識した試料からのDNA 0.75μgと組合せ、98℃で5分間変性した後、ハイブリダイゼーションした。このDNA混合物に、2xハイブリダイゼーション溶液(Agilent,米国)100μlを加え、マイクロアレイのハイブリダイゼーションをAgilent Technologies, USAの推奨に従って行った。このハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションオーブンで60℃での一晩インキュベーションの後、周囲温度で6xSSCおよび0.005% Triton(Agilent,米国)、および4℃で0.1xSSCおよび0.005% Triton(Agilent,米国)の溶液により洗浄し、過剰のハイブリダイゼーションしていない転写物をマイクロアレイのオリゴヌクレオチドで除去する。次いで、マイクロアレイを2000rpmにて7分間遠心分離して乾燥し、最後にマイクロアレイにおけるそれぞれのオリゴヌクレオチドのシグナル強度をAxon 4000Bスキャナーで検出した。
それぞれの蛍光発色団についてのシグナル強度の読み取りから得られるデーターのグラフを図2に示す。シグナル強度は、微分表現分析実験で得られ、試料の標識に変動性があることを示しているものと同様に、グラフ対角線に沿って分布していることが観察された。
更に、これらのデーターを、定量分析を行う目的で処理した。シグナルの相対散乱率を、実験に含まれるプローブおよびコントロールの両方についてそれぞれの群の値の標準偏差と上記値の平均値の比として計算した。また、プローブからのシグナルの相対散乱率とコントロールからのシグナルの相対散乱率の比も計算した。この値はコントロールの散乱と比較してプローブの散乱の程度を反映している。それぞれの点におけるシグナル強度とそれ自身のバックグラウンドの強度の平均比も、同様に計算した。結果を、表2にまとめている。
Figure 2009529864
これらの結果は、試料の標識における変動性により、プローブのシグナルは実験に含まれるコントロールのほぼ5倍の散乱を示すことを示している。
実施例2:イン・ビトロ転写段階による標識による酵母ゲノムDNAの分析
DNA調製
ゲノムDNAは、酵母の1種類であるSaccharomyces cerevisiaeから抽出した。酵母培養物の菌体を、遠心分離により沈澱させ、DNA抽出溶液(100mM Tris−HCl;50mM EDTA pH8)600μlに再懸濁させた後、20% SDS 40μlを加え、全体を十分混合し、65℃で10分間インキュベーションし、次いで、冷酢酸カリウム200μlを加え、インキュベーションを氷上で15分間継続した。次に、混合物を遠心分離機で4℃にて16000rpmで15分間遠心分離し、イソプロパノール600μlを上清400μlに加えた。DNAを16000rpmにて15分間遠心分離することによって沈澱させた後、沈殿物を70%エタノール200μlで洗浄し、乾燥させた。沈殿物をTE 100μlに溶解した。
DNA精製
RNアーゼ(10mg/ml)2μlを試料に加え、これを37℃の水槽で15分間インキュベーションした。臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)溶液100μlを加え(2%(重量/容量)CTAB;200mM Tris;50mM EDTA pH7.5,2M NaCl)、65℃で15分間インキュベーションした後、CHCl:イソアミルアルコール(24:1)200μlを加えた。混合物を微量遠心分離機で15000rpmにて5分間遠心分離し、上清200μlをイソプロパノール180μlで沈澱させた。これを微量遠心分離機で15000rpmにて10分間遠心分離し、沈殿物を70%エタノール100μlで洗浄し、風乾した。最後に、沈殿物を水50μlに溶解した。
DNA消化およびアダプター結合
全ゲノムDNA(2μg)を、SacI(Fermentas,リトアニア)およびMseI(New England Biolabs,米国)を用いて37℃で3時間インキュベーションして消化した。消化によって生成したDNA断片に対して、SacI酵素の付着末端と適合性のSacIアダプターとMseIの付着末端と適合性のMseIアダプターを、T4リガーゼ緩衝液(Fermentas,リトアニア)中でT4 DNAリガーゼ(Fermentas,リトアニア)と周囲温度にて4時間インキュベーションして結合させた。
DNA増幅
SacI/MseI断片を、72℃で2分間;94℃で2分間;94℃で30秒間、56℃で30秒間、72℃で90秒間および72℃で10分間の34サイクルのサイクルプログラムを用いる1xTaq緩衝液、1.5nM MgCl、200nM dNTP、Taqポリメラーゼ(Fermentas,リトアニア)1Uとの反応においてアダプターの配列に基づいて2種類の特異的プライマーをそれぞれ200nMの濃度で用いるPCRによって増幅した。
イン・ビトロ転写
PCRにより増幅したDNA 2.5μgを用いて、T7 RNAポリメラーゼ(Ambion,米国)40UおよびrNTP 7.5mMを加えることによってSacIアダプターに含まれるプロモーター配列からRNAへのイン・ビトロ転写を行い、試料を37℃で一晩インキュベーションした。この反応は、Cy3−dUTPまたはCy5−dUTP (Perkin-Elmer,米国)を標識したヌクレオチドとして用いて、平行して2回行った。転写の後、DNAをDNアーゼI (Ambion,米国)2Uを用いて37℃にて30分間処理することによって除去した。標識生成物は、MEGAclear(商品名)カラム(Ambion,米国)を用いて精製した。
マイクロアレイのハイブリダイゼーション
Cy3で標識した試料RNA 0.75μgをCy5で標識した試料RNA 0.75μgと組合せ、マイクロアレイオリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションした。このRNA混合物に、2xハイブリダイゼーション溶液(Agilent,米国)100μlを加え、Agilent Technologiesによって推奨されているチップに装填した。ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションオーブンで60℃で一晩行った。次いで、マイクロアレイを周囲温度で6xSSCおよび0.005% Triton(Agilent,米国)、および4℃で0.1xSSCおよび0.005% Triton(Agilent,米国)の溶液により洗浄し、過剰のハイブリダイゼーションしていない転写物を除去した。次に、チップを2000rpmにて7分間遠心分離して乾燥し、最後にマイクロアレイにおけるそれぞれのオリゴヌクレオチドのシグナル強度をAxon 4000Bスキャナーで検出した。
それぞれの蛍光発色団についてのシグナル強度の読み取りから得られるデーターのグラフを図3に示す。シグナル強度はプロット対角線の上の部分に集まっており、これは、シグナルが対角線の長さに沿って分布している実施例1で観察されたものより標識が均質であることを示している。
更に、これらのデーターを、実施例1に記載したように、定量分析を行う目的で処理した。結果を、表3にまとめている。
Figure 2009529864
これらの結果は、標識段階を本発明によるイン・ビトロ転写によって行うときには、プローブに対応するシグナルは、実験1に記載したようにこの段階を行わないときに起こるものとは対照的な同じ実験におけるコントロールと同様の散乱を示すことを示している。シグナル散乱におけるこの改良により、ゲノムレベルで幾らかの変化を示す可能性がある試料の検出が一層容易になる。
実施例3:イン・ビトロ転写段階による標識によるコメゲノムDNAの分析
DNA調製
ゲノムDNAは、コメの種類であるOryza sativa sp. japonica Nipponbareから抽出した。液体窒素で凍結した植物の葉組織を、Mixer Mill(Retsch GmbH,ドイツ)でホモジナイズした。均質化によって生じる溶解物をDNA抽出溶液(100mM Tris−HCl;50mM EDTA pH8)600μlに再懸濁した後、20% SDS 40μlを加え、全体を十分に混合し、65℃で10分間インキュベーションし、次いで、冷酢酸カリウム200μlを加え、インキュベーションを氷上で15分間継続した。次に、混合物を遠心分離機で4℃にて16000rpmで15分間遠心分離し、イソプロパノール600μlを上清400μlに加えた。DNAを16000rpmにて15分間遠心分離することによって沈澱させた後、沈殿物を70%エタノール200μlで洗浄し、乾燥させた。沈殿物をTE 100μlに溶解した。
DNA精製
RNアーゼ(10mg/ml)2μlを試料に加え、これを37℃の水槽で15分間インキュベーションした。臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)溶液100μlを加え(2%(重量/容量)CTAB;200mM Tris;50mM EDTA pH7.5,2M NaCl)、65℃で15分間インキュベーションした後、CHCl:イソアミルアルコール(24:1)200μlを加えた。混合物を微量遠心分離機で15000rpmにて5分間遠心分離し、上清200μlをイソプロパノール180μlで沈澱させた。これを微量遠心分離機で15000rpmにて10分間遠心分離し、沈殿物を70%エタノール100μlで洗浄し、風乾した。最後に、沈殿物を水50μlに溶解した。
DNA消化およびアダプター結合
全ゲノムDNA(2μg)を、SacI(Fermentas,リトアニア)およびMseI(New England Biolabs,米国)を用いて37℃で3時間インキュベーションして消化した。消化によって生成したDNA断片に対して、SacI酵素の付着末端と適合性のSacIアダプターとMseIの付着末端と適合性のMseIアダプターを、T4リガーゼ緩衝液(Fermentas,リトアニア)中でT4 DNAリガーゼ(Fermentas,リトアニア)と周囲温度にて4時間インキュベーションして結合させた。
DNA増幅
SacI/MseI断片を、72℃で2分間;94℃で2分間;94℃で30秒間、56℃で30秒間、72℃で90秒間および72℃で10分間の34サイクルのサイクルプログラムを用いる1xTaq緩衝液、1.5nM MgCl、200nM dNTP、Taqポリメラーゼ(Fermentas,リトアニア)1Uとの反応においてアダプターの配列に基づいて2種類の特異的プライマーをそれぞれ200nMの濃度で用いるPCRによって増幅した。
イン・ビトロ転写
PCRにより増幅したDNA 2.5μgを用いて、T7 RNAポリメラーゼ(Ambion,米国)40UおよびrNTP 7.5mMを加えることによってSacIアダプターに含まれるプロモーター配列からRNAへのイン・ビトロ転写を行い、試料を37℃で一晩インキュベーションした。この反応は、Cy3−dUTPまたはCy5−dUTP(Perkin-Elmer,米国)を標識したヌクレオチドとして用いて、平行して2回行った。転写の後、DNAをDNアーゼI(Ambion,米国)2Uを用いて37℃にて30分間処理することによって除去した。標識生成物は、MEGAclear(商品名)カラム(Ambion,米国)を用いて精製した。
マイクロアレイのハイブリダイゼーション
マイクロアレイオリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションさせるために、Cy3で標識した試料RNA 0.75μgをCy5で標識した試料RNA 0.75μgと組合せた。このRNA混合物に、2xハイブリダイゼーション溶液(Agilent,米国)100μlを加え、Agilent Technologiesによって推奨されているチップに装填した。ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションオーブンで60℃で一晩行った。次いで、マイクロアレイを周囲温度で6xSSCおよび0.005% Triton(Agilent,米国)、および4℃で0.1xSSCおよび0.005% Triton(Agilent,米国)の溶液により洗浄し、過剰のハイブリダイゼーションしていない転写物を除去した。次に、チップを2000rpmにて7分間遠心分離して乾燥し、最後にマイクロアレイにおけるそれぞれのオリゴヌクレオチドのシグナル強度をAxon 4000Bスキャナーで検出した。
それぞれの蛍光発色団についてのシグナル強度の読み取りから得られるデーターのグラフを図4Aに示す。実施例2に見られるように、シグナルはこの場合にもプロット対角線の上の部分に集まっており、シグナルの散乱の程度が小さいことを示している。更に、図4Bは(Cy3に対応する)緑色チャンネルでのシグナル強度分布のヒトスグラムを示しており、正規分布が見られ、ほとんどの点は強度範囲内の中央位置(約18000〜19000強度単位)にあり、残りの点はこの中央位置より上および下に対称的に配置されている。
この場合にも、これらのデーターを、実施例1に記載したように、定量分析を行う目的で処理した。結果を、表4にまとめている。
Figure 2009529864
この場合には、マイクロアレイ表面上で223回反復したオリゴヌクレオチドORY_C1_X80、ORY_C2_X70、ORY_C3_Z80およびORY_C4_Z70を内部コントロールとして用いた。
これらの結果により、実施例2で分析した酵母ゲノムより遙かに複雑なコメなどのゲノムを分析ときに、本発明の方法を適用した後にイン・ビトロ転写を伴う標識段階を含まない標識方法を用いると、一層良好な結果が得られることが確かめられる。
DNA試料の消化に2種類の制限酵素を用いる場合の、本発明の方法に関する段階の一例を詳細に示した図である。 実施例1に記載の方法によって、すなわちPCR−増幅段階中の試料の標識によりおよびイン・ビトロ転写段階を行うことなく酵母ゲノムDNAの分析後に得られた結果を対数スケールによるグラフで表現した図である。シグナル強度値はプロット対角線に沿って分布していることが観察される。 実施例2に記載されているようにイン・ビトロ転写段階を含む本発明の方法によって酵母ゲノムDNAの分析後に得られた結果を対数スケールによるグラフで表現した図である。標識段階を本発明の方法に準じて行うときには、シグナル強度値の分布範囲が小さくなることが観察される。 実施例3に記載されているように本発明の方法によってコメゲノムDNAの分析後に得られた結果を対数スケールによるグラフで表現した図である。また、本発明の方法を適用するときには、シグナル強度値の分布範囲が小さくなることが観察される。 Cy3による標識に対応する緑色チャンネルについて実施例3で得られたシグナル強度の頻度に対応するヒストグラムを示した図である。試料は正規分布を示すことが観察される。 上記のBarrett et al.による研究から得たDataSet14に対応するDNAの対数スケールによるグラフで表現した図である。シグナル強度値はプロット対角線に沿って分布していることが観察される。 Cy3による標識に対応する同じ緑色チャンネルについてのシグナル強度の頻度に対応するヒストグラムを示した図である。シグナル強度散乱は大きくなっており、低シグナル強度での頻度が一層大きいことが観察される。

Claims (12)

  1. a)ゲノムDNAの試料を断片化し、
    b)得られたDNA断片の両端に、生成した両端と適合する特異的アダプター(結合したアダプターの少なくとも1個が機能性プロモーター配列を含む)を結合し、
    c)特異的アダプターを主体とするプライマーを用いて、得られた断片を増幅し、
    d)ヌクレオチドの混合物(rNTP)を用いてアダプターに含まれるプロモーター配列から転写を開始することができるRNAポリメラーゼを用いて、増幅したDNA断片をイン・ビトロ転写し、
    e)DNAマイクロアレイオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせ、ハイブリダイズした断片を検出し、
    f)分析した様々な試料からのシグナルを定量的に比較する
    ことを含んでなる、ゲノム変異を研究するための核酸の分析方法。
  2. 分析したDNA試料がゲノム変異の存在の研究が望まれている任意の生物から単離されたゲノムDNA試料である、請求項1に記載の核酸の分析方法。
  3. ゲノムDNA試料の断片化を、化学的方法、物理的方法または酵素的方法によって行う、請求項1に記載の核酸の分析方法。
  4. ゲノムDNA試料の断片化を少なくとも1種類の制限酵素による消化、好ましくは2種類の制限酵素による消化によって行う、請求項3に記載の核酸の分析方法。
  5. ハイブリダイゼーションおよび検出を行うDNAマイクロアレイが固形基質上の複数の固定されたオリゴヌクレオチドの集合体を含んでなり、それぞれのオリゴヌクレオチドが既知の位置に固定されて多くのオリゴヌクレオチドのそれぞれに対するするハイブリダイゼーションが別々に検出されるようになっており、基質は固形または多孔質、平面または非平面、一体または分散型であることができ、DNAマイクロアレイは、任意の方法により寄託されたオリゴヌクレオチドまたはフォトリソグラフィーまたは任意の他の方法によってイン・シテューで合成されたオリゴヌクレオチドを用いて製造することができる、請求項1に記載の核酸の分析方法。
  6. ハイブリダイズした断片の検出を、蛍光発色団のような直接検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体、ビオチンまたはハプテンのような後の反応によって間接的に可視化することができる標識を組込んでいるヌクレオチド類似体、または任意の他の種類の核酸標識の組込みによってイン・ビトロ転写中に分析される断片に組込まれた標識を検出することによって行う、請求項1に記載の核酸の分析方法。
  7. 標識を含むヌクレオチド類似体が、直接標識のためのCy3−UTP、Cy5−UTP、またはフルオレセイン−UTPまたは間接標識のためのビオチン−UTPである、請求項6に記載の核酸の分析方法。
  8. ハイブリダイズした断片の検出を、DNAマイクロアレイに含まれるDNAプローブ上のハイブリダイズした試料の量を直接定量することによって行い、上記直接定量は、原子間力顕微鏡法(AFM)、走査型透過顕微鏡法(STM)または走査型電子顕微鏡法(SEM)、インピーダンス、電圧または電流の測定などの電気化学的方法、または共焦点および非共焦点顕微鏡法、赤外顕微鏡法、蛍光、ルミネッセンス、化学ルミネッセンス、吸光度、反射率または透過率の検出などの光学的方法が挙げられるがこれらに限定されない手法によって行うことができる、請求項1に記載の核酸の分析方法。
  9. イン・ビトロ転写工程で用いられるRNAポリメラーゼが、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼおよびSP6 RNAポリメラーゼなど、これらに限定されない群から選択される、請求項1に記載の核酸の分析方法。
  10. 試料プローブのシグナル強度の相対散乱とコントロールのシグナル強度の相対散乱の比が4未満であり、好ましくは3未満であり、更に好ましくは2未満であり、更に一層好ましくは1.5未満である条件を満たす、請求項1に記載の核酸の分析方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸の分析方法を行うのに必要な試薬、酵素、および添加剤を含んでなる、キット。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸の分析方法を行うのに必要な試薬、酵素、添加剤、およびDNAマイクロアレイを含んでなる、キット。
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