JP2009529755A - 不揮発性メモリアレイ用のビット線電流発生器及び不揮発性メモリアレイ - Google Patents

不揮発性メモリアレイ用のビット線電流発生器及び不揮発性メモリアレイ Download PDF

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Abstract

複数のメモリビットセル及びビット線を備える不揮発性メモリアレイ用のビット線電流発生器207は、ビット線がプログラミング用に選択されるときに、そのビット線をプログラム電圧源に結合するビット線ごとのスイッチング手段216、217と、上記選択されたビット線にプログラミング電流を提供する可変電流源206、215、240、250とを備える。この可変電流源206、215、240、250は、選択されたメモリビットセルのプログラミングが、選択されていないビット線上の選択されていないメモリビットセルのプログラミングされた状態をディスターブしないように、上記プログラミング電流のレベルを選択するようになっている。
【選択図】図9

Description

本発明は、不揮発性メモリアレイ用のビット線電流発生器に関し、より詳細には、プログラマブル不揮発性メモリデバイス用の改良されたプログラム設定ポイント(program setpoint)技法に関する。
不揮発性メモリ(NVM)は、電源がオフにされているときであっても、そのデータを保持するメモリのタイプを説明するのに使用される一般用語であり、この種のメモリは、通常、このメモリを組み込んだデバイスが電力を解放するときに失われてはならないデータを記憶するのに使用される。このようなデバイスには、コンピュータ、CD−ROM、携帯電話、デジタルカメラ、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、MP3プレーヤ、並びに、自動車産業、航空機産業、及びそれ以外の産業からのマイクロコントローラユニット(MCU)が含まれる。
不揮発性メモリのタイプには、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュEEPROM、不揮発性スタティックランダムアクセスメモリ(NVSRAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeRAM)等が含まれる。
いくつかの不揮発性メモリは、「プログラミング」が、メモリ製造プロセスの期間中にデータをハードコード化することによって行われる純粋に「読み出し専用」であるのに対して、他のタイプは、製造後に電気的にプログラミングされる。
本発明が関係するプログラマブル不揮発性メモリの1つのタイプは、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)である。しかしながら、本発明は、上記に列挙した他の不揮発性メモリのタイプにも同様に適用することができる。電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)は、バイト消去可能EEPROMとフラッシュEEPROMとの2つのサブタイプに分割することができる。バイト消去可能タイプは、その名称が示唆するように、バイトサイズのチャンクで消去及び書き込みを行うことができるのに対して、フラッシュメモリは、バイト(又はそれよりも大きな)サイズのチャンクで書き込まれるが、セクション(サイズが複数バイトである)で消去される。フラッシュメモリで消去されるセクションのサイズは、部品固有(part specific)であり、サイズが、デバイスのメモリアレイ全体を意味するものから、少数の個々のバイトを備える小部分、すなわちセクタのみに至るまでのいずれにもすることができる。
EEPROMは、フローティングゲートとして既知である半導体材料の絶縁ピースに電荷を蓄積することによって情報を記憶する。通常、絶縁材は二酸化シリコンの層である。当該技術分野で既知であるように、この電荷は、ホットキャリア注入(HCI)又はファウラーノルドハイムトンネリング(FNT)のいずれかによってメモリセルを形成する絶縁された材料上に移動される。個々の各メモリセルは、単一ビットの情報を記憶することができ、したがって、それらのメモリセルはビットセルと称されることが多い。
簡潔に言えば、(ホットホール、すなわち正電荷、又は、ホットエレクトロン、すなわち負電荷のいずれかを介する)ホットキャリア注入は、ビットセルのチャネルの両端に大きな電圧バイアスを印加することによって機能し、その結果、チャネル内のキャリアの「加熱」、すなわちエネルギー注入が行われ、それによって、キャリアのいくつかに、二酸化シリコンエネルギー障壁を乗り越えるのに十分なエネルギーが提供され、したがって、それらの電荷は、絶縁された材料内に「注入」される。
一方、ファウラーノルドハイムトンネリングは、ビットセルのゲートとソース又はドレインのいずれかとの間に高い電界を印加することによって機能する。電界が十分高いと仮定すると、この高い電界によって、二酸化シリコン層のエネルギーバリアの高さが低くなり、したがって、電子は、絶縁された材料を越えて、ビットセルを形成するフローティングゲート上に「トンネル」することが可能になる。
ホットキャリア注入又はファウラーノルドハイムトンネリングのいずれも、ビットセルの絶縁フローティングゲート上へ電荷を移動させるのに使用することができるが、絶縁フローティングゲートから電荷を除去することができるのは、ファウラーノルドハイムトンネリングのみである。ファウラーノルドハイムトンネリングを使用してフローティングゲートから電荷を除去する場合、逆バイアス条件を適用する必要がある。
フローティングゲート上への電荷の移動又はフローティングゲートからの電荷の移動は、(ビットセルの)「プログラミング」として既知である。しかしながら、コアメモリアレイからの出力及び/又はデータバスへの出力における可能な論理反転によって、プログラミングされた状態は、論理1又は論理0のいずれにも対応するため、「プログラミング」は、それ自体では、ビットセルの特定のデータ状態(1又は0)を指すものではない。この理由から、以下の説明では、「プログラミングされた」とは、電荷がフローティングゲートに蓄積されていることを意味するのに対して、「プログラミングされていない」とは、フローティングゲートに電荷がほとんど蓄積されていないか又は全く蓄積されていないことを意味するものと仮定する。
当該技術分野で既知であるように、ビットセルをプログラミングするのに使用される上述した物理的方法は、プログラミングされる(又は、読み出されるか若しくは消去される)ビットセルの端子を正しい電圧でバイアスすることによって実行される。
一般的なメモリアレイでは、同じビット線、ワード線、及びソース線に接続されている複数のビットセルが存在するため、印加電圧及び印加電流が、プログラミングされているビットセルの要件に完全に整合されていない場合に問題が生じる可能性がある。換言すれば、誤った電圧及び電流をアレイに印加すると、その結果、現在プログラミングされていない他のビットセルの意図しない消去又はプログラミングが行われる可能性がある。これらの問題は、プログラミング及び消去の期間中に生じ、一般に、ディスターブと称される。
フラッシュメモリの場合、アレイは、消去セクタの粒度で消去される(消去セクタは、所定の個数のビットセルである)。しかしながら、ビットセルは、ビット単位でプログラミングされる場合がある。したがって、同じ高電圧セクタの別のビットセルの意図されるプログラミング中に、消去されるビットセルに起こり得る意図しないディスターブとして2つのタイプのディスターブがある。
1.行ディスターブ(row disturb)。同じワード線を共有するビットセルであるが、意図される目的のビットセルへの異なるビット線上にあるビットセルに起こる。それらのビットセルのVgs(すなわち、ビットセルを形成するトランジスタのゲート及びソースにわたる電圧)は、(Vpwl−(選択されていないビット線電圧))として特徴付けられる。ここで、Vpwlは、プログラミング中に選択されたワード線に印加される電圧である。行ディスターブを回避するには、Vgsは、選択されていないビットセルのチャネルでのホットエレクトロンの生成を回避するのに足りるだけ十分負であるべきである。これは、行ディスターブマージンの維持(maintaining a row disturb margin)と称される。
2.ビット線ディスターブ。同じビット線を共有するビットセルであるが、意図される目的のビットセルへの異なるワード線上にある(ただし、同じ高電圧セクタにある)ビットセルに起こる。このディスターブメカニズムは、高電圧セクタが単一のワード線よりも大きい場合にのみ適用可能である。それらのセルのVgsは、(0V−(選択されたビット線電圧))である。ビット線ディスターブを回避するには、同様に、このVgsは、チャネルでのホットエレクトロンの生成を回避するのに足りるだけ十分負でなければならない。また、選択されたビット線が、このようなディスターブを生み出すにはあまりにも低すぎる電位に決して到達しないことを保証しなければならないが、それらのビット線は、プログラミングが意図されるビットセルの適切なプログラミングを可能にするのに足りるだけ十分低く駆動する必要がある。
不揮発性メモリアレイをプログラミングする改良された手段を提供することが望ましい。
本発明は、添付の特許請求の範囲に提示されるような不揮発性メモリアレイ用のビット線電流発生器を提供する。
次に、添付図面を参照して、本発明による不揮発性メモリアレイ用のビット線電流発生器を例示としてのみ説明する。
図1は、一例の1.5トランジスタスプリットゲート不揮発性メモリのビットセル10の構成の細部を示す側面回路図を示しており、これはこのような不揮発性メモリデバイスに使用されるビットセル10のタイプに特有のものである。しかしながら、本発明は、他の形態のビットセル、たとえば、1トランジスタビットセル及び2トランジスタビットセルにも同様に適用される。使用されるビットセルの実際のタイプは、必要とされる正確なバイアス条件のみを達成する。
不揮発性メモリビットセル10は、ソース2と、ドレイン3と、制御ゲート4と、フローティングゲート5と、絶縁材6とを備える。これらはすべて、シリコン基板7上に形成されている。ビットセル10は、リソグラフィ技法、イオン注入等を含む、半導体を構成するための、当該技術分野で既知である一般的な技法を使用して構成される。絶縁材6は、たとえば、二酸化シリコンである。
図2は、図1の1.5トランジスタビットセル10の一般的な電気回路図記号である。この記号が、これ以降の図に使用される。
不揮発性メモリ(NVM)は、図3に示すように、通常、N列及びM行のビットセル10を有するN×Mアレイ100の形態で構成される。
この図から分かるように、同じ列内のビットセル10は、それらのそれぞれのドレイン3が共通のビット線30に接続されている。一方、同じ行内のビットセル10は、それらのソース2が共通のソース線20に接続され、それらの制御ゲート4が共通のワード線40に接続されている。
このようにして、各列は単一のビット線30によってアドレス指定され、各行はワード線40及びソース線20の双方によってアドレス指定される。したがって、所望のビットセル(複数可)10のそれぞれのビット線30、ワード線40、及びソース線20に正しい電圧レベルを印加することによって、ビットセル10の読み出し、消去、又はプログラミングが行われる。
スタンバイモードでは、すべてのビット線30、ワード線40、及びソース線20は、それらのスタンバイ電圧、たとえば0Vに保持される。
不揮発性メモリアレイ100の消去操作、プログラミング操作、及び読み出し操作の以下の説明では、不揮発性メモリアレイ100の例示的な一部が示される。(フラッシュデバイスの場合)消去操作をワード線よりも小さな部分に分割することができないため、最上行の双方のビットセル10が選択され、したがって、消去される。一方、プログラミング操作及び読み出し操作の場合、選択されるビットセル10(すなわち、対象となる操作が適用されているビットセル10)は、左上のビットセル10である。残りのビットセルはすべて選択されない。また、この所与の例では、1つのビットセル10しか操作されていないが、メモリアレイ100のビットセル10をアドレス指定するのに使用される回路の能力に従って、複数のロケーション、すなわち、1バイト又はそれ以上を同時に操作することができることが、当業者には理解されよう。
消去操作
図4は、正しい電圧レベルがビットセル10の最上行を消去するのに印加されている不揮発性メモリアレイ100の一部を示している。しかしながら、特にフラッシュEEPROMメモリでは、これらの消去電圧は、消去セクタを形成する複数のグループのビットセル10に印加されるか、又は、場合によってはアレイ全体に等しく印加される。
消去中、すべてのビット線30及びソース線20は接地されている。すなわち、0Vに保持されている。選択されていないワード線44も接地されている。一方、選択されたすべてのワード線42は消去に必要な高電圧に駆動され、この例では、消去電圧Veraseは約13.5Vである。
上記バイアス条件が設定されると、制御ゲート4とフローティングゲート5との間のファウラーノルドハイムトンネリングによって、フローティングゲート5の電子の個数が削減され、したがって、フローティングゲート5の電位が増加する。消去操作の後、フローティングゲート5の上方のチャネルは、導通状態のままとされる。
これらの実施例に示す例示のスプリットゲート1.5トランジスタメモリセルの場合、実際には、チャネルの2つの部分が存在する。第1の部分はフローティングゲート5の下方であるのに対して、第2の部分は制御ゲート4の下方の隣接している部分である。これらの部分は共に合わせると、完全なチャネルを形成する。
制御ゲート4の下方の部分は、制御ゲート4に印加される電位によって導通又は非導通にすることができる(したがって、読み出し又はプログラミングが行われる所望のビットセルを「指し示す」のにこのチャネルを使用する)が、フローティングゲート5の下方のチャネルは、フローティングゲート5に残された電荷の量によって導通又は非導通になる。これは、ビットセルのメモリ部分である。その構造は、直列接続されている2つのトランジスタと等価である。制御ゲート4は、当該制御ゲート4の高い電位でフローティングゲート5を消去することができるようにするために、フローティングゲート5の上方に広がっている。
プログラミング操作
図5は、不揮発性メモリアレイ100の同じ部分を示しているが、代わりに、正しい電圧バイアスレベルが、左上のビットセル10をプログラミングするために印加されている同じ部分を示している。
プログラミング中、すべてのソース線20はプログラミングに必要な高電圧Vprogramに駆動される。この高電圧Vprogramは、この例では、10Vである。このようにして、ソース線30はビットセルトランジスタのドレインとして機能する。選択されていないワード線44は接地(0V)に駆動され、選択されていないビット線34は論理電源(logic supply)Vlogicに駆動される。この論理電源Vlogicは、この例では、2.7Vである。
一方、選択されたワード線42はワード線プログラミング電圧Vpwlに駆動される。このワード線プログラミング電圧Vpwlは、この例では、2.1Vに設定される。選択されたビット線32は、プログラミング終了電圧Veopに向けてプルされる。このプログラミング終了電圧Veopは、この例では、0.7Vに設定される。
上記バイアス条件を設定することによって、電流がビットセル10を通電され、したがって、ホットキャリアが生成され、その後、これらのホットキャリアをフローティングゲートゲート5上に移動させることができ、それによって、ビットセル10はプログラミングされる。これによって、フローティングゲート5の上方のチャネルは、非導通状態のまま残されることになる。
読み出し操作
図6は、左上のビットセル10に対する読み出し操作中の同じ不揮発性メモリアレイ100に適用されるバイアス条件を示している。
読み出し操作中、すべてのソース線20は、接地され(すなわち、0Vに保持され)、選択されていないあらゆるワード線44及びビット線34も接地されている。一方、選択されたワード線42はVlogicに駆動され、選択されたビット線32はその読み出し電圧に駆動される。この読み出し電圧は、この所与の例では、0.96Vである。
ビットセル10のフローティングゲート5に蓄積された電荷の量は、ビットセル10を形成するトランジスタのターンオン電圧を達成する。したがって、設定電圧がビットセルに印加されるときに、どれだけの量の電流がビットセル10内を流れるかを検出することによって、ビットセルは「読み出される」。電流は、センスアンプ(図示せず)を使用して検出される。この電流は、ビットセル10がプログラミングされた(非導通)状態にあるか、又は消去された(導通)状態にあるかを判断するためのしきい値に対して弁別される。プログラミング操作中に適用されるバイアス条件は、慎重に選ばれ、プログラミングが意図されているビットセル10におけるフローティングゲート5の電位のみが実際に変更されるように維持される。(プログラミング高電圧が印加される)同じメモリセクタ内の同じワード線40上に位置するか又は同じビット線30上に位置するビットセル10のいずれの電位消去も、メモリ全体の性能又は耐久性を制限することになる。
図7は、選択されたビットセルに供給されるプログラミング電流を生成する、従来技術によるプログラミング電流生成方式を示している。この従来技術の方式では、シード電流(Iseed)が、定シード電流源105によって生成され、第1の単一入力多出力電流ミラー115によってミラーリングされる。多出力のそれぞれは、第1の電流ミラー115の入力トランジスタ113と同一サイズの出力トランジスタ(114〜117)によって形成される。このミラーを形成するトランジスタはサイズが同一であるため、このミラーに接続されているそれぞれのビット線30に供給される電流は等しい。
トランジスタ114から引き出される複数の電流ミラー出力のうちの第1のものは、接地(0V)を基準とした第2の単一入力単一出力電流ミラー130によって再びミラーリングされる。第2の電流ミラー130の出力トランジスタ125は、入力トランジスタ128のn倍のサイズであり、入力トランジスタ128は、第1の電流ミラー115を形成するトランジスタ(113〜117)と同じサイズである。これは、第2の電流ミラー130の出力トランジスタ125が、第1の電流ミラー115から引き出される最大電流のn倍と同等の電流をシンクすることを可能にするためである。
図4に示す例においてトランジスタ116及び117を介して引き出される第1の多出力電流ミラー115の残りの出力は各ビット線30にそれぞれ接続される。これは、プログラミングを必要とする各ビット線30に接続されているビットセル10内へプログラミング電流をソースするためである。
一方、各ビット線30の最下部からの出力は、半導体スイッチ118、119を介して共通シンク電流ミラートランジスタ125に接続されている。いずれの時刻においても、すべてのビット線から1つのビット線のみが選択されるべきであるため、アレイのすべてのビット線30に必要な複数の半導体スイッチは、好ましくは、マルチプレクサの形態である。
トランジスタ120はイネーブルトランジスタであり、このトランジスタ120がオフであるとき、ビットセルアレイは電流ミラー215から接続解除される。
上記で説明したように、プログラミングは、プログラミングされているビットセル10のフローティングゲート上へ電荷を移動させるメカニズムを介して行われる。電荷が移動されているとき電流が伴う。このプログラミング電流はIprogと称し、Iprogは、プログラミングされるビットセルが存在するビット線の最上部内へソースされている電流Itopと、現在使用中のビット線の最下部からシンクされている電流Ibotとの間の差として定められる。さらに、各ビット線の最上部にそれぞれ接続されている最上部トランジスタ(116、117)は、ディスターブを回避するために、選択されていないビット線が電源レベル電圧にどのように効率的に保持されるかを定める。
図8は、Iprog、Itop、及びIbotの間の関係をビット線電圧の関数として示している。
図8に示すように、ビットセル10のプログラミングは、利用可能なIprog電流が0に達すると停止する。
上述した従来技術に関する問題は、Iprogは、電流ミラー(115及び130)を形成するトランジスタの正確な相対寸法を変更することによって、メモリデバイスの製造中にしか設定することができないということである。これは、製造後にこれらのパラメータを変更する可能性も、回路における誤差、又はたとえばより高い動作温度範囲といった変更された動作パラメータを補償する可能性もないことを意味する。
さらに、Iprogは、ItopとIbotとの間の差であり、これらの2つの電流は同じ大きさを有するため、これらの各トランジスタのサイズの誤差が小さくても、Iprogのサイズの誤差は大きくなる可能性があり、その結果、上記で説明したようなディスターブが起こる可能性がより高くなるか、又は、十分なIprogが生成されない。これによって、選択されたビットセルのプログラミングが不十分なものとなる。また、このような誤差は、双方の電流ミラーにも生じる可能性があり、したがって、それらの誤差は互いに合計及び合成される。
さらに、ビット線に印加される電圧の正確な値を選択して、列ディスターブ(column disturb)が確実に発生しないようにする方法もない。
次に、図9〜図11を参照して本発明の動作の原理を説明する。図7のコンポーネントと同様のコンポーネントは、同じ参照符号に100を加えたものによって参照される。
図9は、本発明の一実施形態によるビット線電流発生器207を示している。このビット線電流発生器207では、飽和モードで動作する、すなわち、完全オン/完全オフスイッチ(fully on/fully off switch)として効果的に動作するPMOS選択トランジスタ(216及び217)等のスイッチング手段を介して、ビット線のそれぞれがプログラム電圧源に接続される。ゲート入力電圧が印加されて、これらの選択トランジスタのうちの1つがオンにされると、それぞれのビット線30は、強く強制的に電源電位にされる。すなわち、電源に完全に接続される。これによって、行ディスターブマージンは動作全体を通じて確実に維持されるようになる。
ビット線電流発生器207は、可変電流源をさらに備える。この可変電流源は、一実施形態では、プログラマブル電流源206に結合されている単一の電流ミラー215を備える。
選択されたいずれのビット線も、飽和モードで動作するPMOS選択トランジスタ216、217を介して、電源レールに直接接続されるため、最上部電流源についての要件はない。したがって、従来技術の多出力電流ミラーは必要なく、したがって、ビット線電流発生器207では、2つの電流ミラーは単一の電流ミラー215に置き換えられる。本発明では、1つの電流ミラーしか必要としないことによって、従来技術の多出力電流ミラー115の構成で使用されるトランジスタの不整合に関連付けられる誤差が取り除かれる。
単一の電流ミラー215への入力は、この場合も、シード電流源206である。しかしながら、今回、このシード電流源206はプログラマブルである。したがって、電流ミラー215内へソースされる電流は、回路のニーズに従って設定することができ、電流ミラーを形成するデバイスの物理的な寸法とは無関係であり得る。これによって、デバイスを製造し直す必要なく電流を変更することが可能になり、デバイス製造公差の影響を回避することができる。
また、プログラマブル電流源206の使用によって、単一の電流ミラーによってソース/シンクされる電流のレベルを、使用中のメモリデバイスの動作パラメータに従って変更することが可能になる。たとえば、温度変化によって持ち込まれる変動を補償することが可能になる。
図12は、本発明のさらなる態様によるプログラマブル電流源800の一実施形態を示している。このプログラマブル電流源800は、図9に示すような不揮発性メモリデバイス用のビット線電流発生器においてプログラマブル電流源206として使用することができる。他のプログラマブル電流源も使用することができる。プログラマブル電流源800は一定した電流源を提供する定電流源802を備える。このような定電流源は、当該技術分野で既知であり、たとえば、バンドギャップ電圧発生器によってバイアスされた抵抗器を含むことができる。プログラマブル電流源800は、定電流源802からの一定した電流信号を受信するように結合される入力と、出力電流信号Iseedを提供する出力804とを有する電流ミラー806をさらに備える。この電流ミラー806は、入力トランジスタ808と複数の出力トランジスタ810とを備える。出力トランジスタ810のそれぞれは、必要とされる出力電流信号Iseedに応じて、スイッチ812を介して出力804に選択的に結合される。スイッチ812の状態は、不揮発性メモリデバイスを制御する処理ユニット(専用又はメイン)によって制御することができる。出力トランジスタ810の寸法は、一定した電流信号の値の倍数が、出力電流信号Iseedとして提供されるように選択される。図14に示す寸法によると、ステップサイズは0.25であり、出力電流信号は、いずれの出力トランジスタ810が出力804に接続されているかに応じて、一定した電流信号の0.25倍から2倍にまで及ぶ場合がある。
異なるウエハラン(wafer run)によって製作されたメモリセルは、最適な性能を得るために、異なる電流レベルを必要とする場合がある。選択されたメモリセルを適切にプログラミングするには或る電流レベルが必要とされる。電流レベルがあまりにも高すぎる場合、メモリセルに対するダメージ(酸化膜ダメージ)が増大し、最適なプログラム消去サイクリング性能が達成されない。
図12を参照して図示及び説明される実施形態では、不揮発性メモリ用のプログラマブル電流源800によって提供される出力電流信号Iseedの最適レベルは、デバイスの設計/製造プロセス中に(たとえば、シミュレーション及び/又は製作前の試験を通じて)求めることができる。この最適レベルは、その後、たとえば、不揮発性メモリを制御する処理ユニット(メイン又は専用)に関連付けられるメモリといったレジスタ又はメモリ(図示せず)に記憶することができ、次いで、その後、プログラマブル電流源800の出力で提供される出力電流信号Iseedのレベルをトリミングするのに使用することができる。このトリミングは、メイン処理ユニット又は専用処理ユニット上で実行されるソフトウェアプログラムの制御下にすることができる。たとえば、メモリデバイスのスタートアップ時において、メモリから読み出されると共に、処理ユニットが適切な制御信号をスイッチ812に提供することによってプログラマブル電流源800に適用される、最適な電流信号レベルをサブルーチンが提供することができる。さらに、たとえば、異なる動作温度といった不揮発性メモリの異なる動作条件に関して出力電流信号Iseedの最適レベルを提供するルックアップテーブルを生成してメモリに記憶することができる。動作条件が変化すると、ルックアップテーブルを使用して、処理ユニットが、(動作中に)不揮発性メモリの最適動作を保証する出力電流信号Iseedのレベルを変更することができる。これは、一定の電流基準を使用する従来技術の配置では可能ではない。
図9に示す回路は、単位利得増幅器回路、すなわちバッファ240を介して電流ミラー215の最下部電源レールに接続されているプログラマブル基準電圧源250をさらに含む。これによって、基準電圧源250は、単一の電流ミラー215の最下部レールの電圧を設定することが可能になり、したがって、選択されたビット線30の最下部に印加される電圧、すなわちVeopを設定することが可能になる。
回路の残りの部分、特に、必要とされるビット線10を選択するためのマルチプレクサの使用は、前述したものと同じである。
次に、本発明によるビット線電流発生器では、プログラミング電流Iprogは、電流ミラー出力トランジスタ225を介して複製されるように、単一のプログラマブルシード電流源206によって直接定められる。
プログラマブル基準電圧源250によって生成される電圧信号(複数可)はプログラマブルであるため、プログラミング終了電圧Veopのより正確な制御を達成することができる。さらに、プログラミング終了電圧Veopは、プログラマブル基準電圧源250を介して、使用されるデバイスの物理的な寸法とは無関係に設定することもできる。その上、プログラミング終了電圧Veopは、プログラマブル基準電圧源250によって生成されるため、デバイスの再設計を必要とすることなく、したがって、新しいマスクを必要とすることなく、製造公差及び/又はデバイス動作条件の変化を考慮するように、たとえば、温度の変化を考慮するようにVeopのレベルをトリミングすることができる。
図10は、本発明の一実施形態によるビット線電流発生器207のIprogとビット線電圧との間の等価な関係を示している。ビットセル10のプログラミングは、図10に示すように、利用可能なIprog電流が0に達すると停止し、このポイントはVeopの値によって定められ、その値はプログラマブル基準電圧源250によって設定される。これは、設定ポイントとしても既知である。これによって、ビット線ディスターブマージンが確実に維持されるようになる。
本発明では、任意のプログラマブル電圧源250を使用することができるが、好ましいタイプは、デジタル/アナログ変換器(DAC)である。特に、抵抗ネットワークDAC(RDAC)である。図11は、このようなRDAC250の一実施形態を示している。
好ましい実施形態では、RDAC250は、論理電源(すなわち、2.7V)の両端に直列接続されている多数の抵抗器251から構成され、デジタル制御されたマルチプレクサ255が、これらの抵抗器251間のタップのそれぞれから入力を得る(feeding off)。このようにして、設定電圧に対応する、抵抗ネットワークからの特定のタップをマルチプレクサ255によって自由に選択することができる。論理電源レベルを使用して達成することができる電圧よりも高い電圧が必要とされる場合、代わりに、代替的な消去電圧源(すなわち、13.5V)を使用してRDAC250にフィードすることができることに留意すべきである。
マルチプレクサ255の制御入力700に適用される制御信号は、抵抗ネットワークからのタップの選択を制御し、したがって、マルチプレクサ255の出力における電圧信号レベルを決定する。制御信号は、不揮発性メモリがその一部であるデバイスのメイン処理ユニット(図示せず)(たとえば、組み込み型マイクロコントローラのメインCPU)によって生成することもできるし、不揮発性メモリの制御用に専用化された処理ユニット(図示せず)によって生成することもできる。
抵抗器の正確な個数及びそれらの抵抗器の互いに対する相対的なサイズは、RDAC250から達成可能な異なる電圧レベルの個数及びそれらの電圧レベル間の間隔を決定する。さらに、マルチプレクサのビット深度も、RDAC250から利用可能な出力を制限する。したがって、RDAC250の正確な構成は、使用されているビットセルの要件に固有のものとなる。
好ましい実施形態では、RDACは、27個の単位サイズの抵抗器から構成され、2個の単位抵抗器、4個の単位抵抗器、6個の単位抵抗器、7個の単位抵抗器、8個の単位抵抗器、10個の単位抵抗器、及び12個の単位抵抗器のそれぞれに続くタップが3ビットマルチプレクサに結合されており、上記で特定した7つのタップ間から選択が行われる。
上記内容は、一例としてのみ特定の電圧レベルを利用して説明されている。不揮発性メモリの他の特定のタイプは、他の電圧を利用し、本発明はこれらの他の電圧にも同様に適用することができることが当業者には明らかであろう。
本発明と共に使用するのに適したタイプの例示の一般的な1.5トランジスタスプリットゲートメモリビットセルの側面回路図である。 図1の1.5トランジスタメモリビットセルの電気回路図である。 本発明と共に使用するのに適した、一般的なアレイ構成で配置される図1の4つのビットセルを示す回路図である。 最上行のビットセルの消去中に、図3のアレイに適用される電圧バイアス条件の一例を示す回路図である。 アレイの左上のビットセルのプログラミング中に、図3のアレイに適用される電圧バイアス条件の一例を示す回路図である。 アレイの左上のビットセルの読み出し中に、図3のアレイに適用される電圧バイアス条件の一例を示す回路図である。 従来技術による電流発生器方式を示す回路図である。 従来技術による図7の回路の利用可能なプログラミング電流Iprogとビット線電圧Vbitlineとの間の関係を示す概略図である。 本発明のビット線電流発生器の一実施形態を示す回路図である。 本発明の一実施形態による図9のビット線電流発生器の利用可能なプログラミング電流Iprogとビット線電圧Vbitlineとの間の関係を示す概略図である。 本発明のさらなる態様による図9のプログラマブル基準電圧源の一実施形態を示す回路図である。 本発明のさらなる態様による図9のプログラマブル電流源の一実施形態を示す回路図である。

Claims (14)

  1. フローティングゲート不揮発性メモリアレイ用のビット線電流発生器であって、該フローティングゲート不揮発性メモリアレイは、複数のメモリビットセル及びビット線を備え、該ビット線電流発生器は、
    ビット線がプログラミング用に選択されるときに、該ビット線をプログラム電圧源に結合する、ビット線ごとのスイッチング手段(216、217)と、
    前記選択されたビット線にプログラミング電流を提供する可変電流源(206、215、240、250)であって、該可変電流源は、選択されたメモリビットセルのプログラミングが、選択されていないビット線上の選択されていないメモリビットセルのプログラミングされた状態をディスターブしないように、前記プログラミング電流のレベルを選択するようになっている、可変電流源と、
    によって特徴付けられる、フローティングゲート不揮発性メモリアレイ用のビット線電流発生器。
  2. 前記可変電流源は、
    プログラマブル電流源(206)と、
    前記プログラマブル電流源に結合される入力と前記プログラミング電流を提供する出力とを有する電流ミラー(215)と、
    を含む、請求項1に記載のビット線電流発生器。
  3. 前記可変電流源は、前記電流ミラー(215)に可変基準電圧を提供するようになっているプログラマブル基準電圧源(250)をさらに含む、請求項2に記載のビット線電流発生器。
  4. 前記可変電流源は、バッファ(240)であって、前記プログラマブル基準電圧源(250)と前記電流ミラー(215)との間に接続されており、前記プログラマブル基準電圧源(250)の出力で提供される前記可変基準電圧をバッファリングする、バッファをさらに含む、請求項3に記載のビット線電流発生器。
  5. 前記プログラマブル基準電圧源(250)の前記出力は、前記プログラマブル電流源(206)の出力を制御する、請求項4に記載のビット線電流発生器。
  6. 前記プログラマブル基準電圧源(250)はデジタル/アナログ変換器である、請求項3〜5のいずれか一項に記載のビット線電流発生器。
  7. 前記バッファは、単位利得構成の演算増幅器(240)を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載のビット線電流発生器。
  8. 前記デジタル/アナログ変換器(250)は、抵抗器ネットワークデジタル/アナログ変換器である、請求項6又は7に記載のビット線電流発生器。
  9. 前記抵抗器ネットワークデジタル/アナログ変換器(250)は、
    電源装置の両端に直列接続されると共に複数の出力タップを有する複数の抵抗器(251、252)であって、該複数の抵抗器(251、252)のうちの2つの抵抗器の間の節点は、前記電源装置の部分電圧(fractional voltage)を提供する出力タップである、複数の抵抗器と、
    前記出力タップのうちの1つを出力用に選択するマルチプレクサ(255)と、
    を備える、請求項8に記載のビット線電流発生器。
  10. 前記複数の抵抗器(251、252)は所定の個数の抵抗器を含み、該所定の個数の抵抗器は、前記抵抗器ネットワークの前記出力タップが全体として最小の所望の出力電圧を保証するように、且つ、さらなる出力電圧の適切な範囲が提供されるように選択される、請求項9に記載のビット線電流発生器。
  11. 前記スイッチング手段は、動作中、飽和モードで動作するように構成されているトランジスタを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のビット線電流発生器。
  12. 前記プログラマブル電流源(206)は、
    定電流源(802)と、
    前記定電流源(802)に結合される入力トランジスタ(808)と、出力(804)と、前記入力トランジスタ(806)に結合されると共に前記出力(804)に選択的に結合されてプログラマブル出力電流信号を提供する、複数の出力トランジスタ(810)とを有するプログラマブル電流ミラー(806)であって、前記出力電流信号の電流レベルは、いずれのトランジスタが前記出力(804)に結合されるように選択されているかに応じる、プログラマブル電流ミラーと、
    を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のビット線電流発生器。
  13. 前記出力トランジスタ(810)は、前記出力電流信号の前記電流レベルが、前記定電流源(802)によって提供される電流信号の電流レベルの倍数であるような大きさにされる、請求項12に記載のビット線電流発生器。
  14. 複数のメモリビットセル及びビット線、並びに請求項1〜13のいずれか一項に記載のビット線電流発生器を備える、不揮発性メモリアレイ。
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