JP2009528011A - オーディオ電力変換システム - Google Patents

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Abstract

【課題】線形電力供給技術を使用するオーディオ電力変換システムを提供する。
【解決手段】シングルエンドD級アンプ(2)に電力供給するための正の供給レール(100)及び負の供給レール(200)有する電力供給装置(1)を含むオーディオ電力変換システム(3)。システムは、更に、より高電圧を有するレールからより低電圧を有するレールに電流の流れを強制することによって電力供給装置からのポンピング電荷を再分配するようになった、供給レール(100、200)に接続された供給ポンプ低減回路(6)を含む。本発明により、再分配回路は、より高電圧を有するレールから電荷を常時分配するように構成される。これは、実際的な回路に対しては、ポンプ相殺が連続的に発生し、従来技術のように1サイクル置きに制限されないことを意味する。
【選択図】図7

Description

本発明は、インバータ段(DC−AC)がシングルエンドD級段(スイッチングアンプ)であるオーディオのためのAC−AC及びDC−AC変換に関する。
AC−DC段は、スイッチモード電源であることが好ましいが、本発明はまた、線形電力供給技術を使用するオーディオ電力変換システムに関する。
D級アンプに使用される2つの主なトポロジーは、フルブリッジトポロジー及びハーフブリッジトポロジーである。電力供給装置を含むこれらの2つのトポロジーの従来技術の設定は、図2及び図3に示している。
低価格の民生品に対して、ハーフブリッジトポロジーは、電源スイッチ、ドライバ、及び出力誘導子の数が半分しか必要でないので、フルブリッジを超える顕著な利点を有する。電源スイッチの定格電圧は、ハーフブリッジトポロジーにおいては2倍であるにも関わらず、その低減による製造及びコストメリットがある。スピーカ出力端子は接地されているので、過負荷保護及び出力検知は、フルブリッジトポロジーと比較して容易になる。
ハーフブリッジD級トポロジーの欠点は、二重レール供給が必要であること、及びこのトポロジーでは、電力が流出するレールの反対側の供給レールに電流をポンピングして戻すことになるという事実である。図4に示すように、負のレールコンデンサC2は、インターバルt∈[DT;T]の間に出力誘導子電流によって充電されることになる。
レールへ再供給される電荷は、負荷インピーダンス、オーディオ周波数、電力レベル、及びレール電圧に依存する。これらの依存性は、次式で表現することができる。
Figure 2009528011
Figure 2009528011
最悪ケースのポンピングは、式(2)のdQ/dVAudio=0を解くことにより得ることができる。
Figure 2009528011
次に、最悪ケースの電荷は、式(2)へ式(3)を代入することにより得ることができる。
Figure 2009528011
次に、所定のレール電圧上昇(定格レール電圧の僅かな部分)に対するコンデンサの最小サイズは、次式で得ることができる。
Figure 2009528011
図5は、最小レールキャパシタンスが許容可能レール摂動の関数として判断される20Hzオーディオ信号及び4オーム負荷インピーダンスを有する例を示している。レール電圧の20%増を考慮する場合、最小キャパシタンス/チャンネル/レールは、約3000uFである。シングルエンドD級アンプを有するステレオ設定の場合、20%以内のレール電圧を維持するための要件は、4pcs3300uFコンデンサであることになる。上記の例に対して得られたレール変動を図5に示している。定格レール電圧は、40VDCであり、摂動レールは、約8Vで増加している(20%)。オーディオ信号は、定格レール電圧の2/πに等しく、これは、最悪ケースの状況である。
また、アンプの性能は、レールポンピングに影響されることになり、特に、非対称レール摂動がオーディオ信号上に直接変調され、歪を極端に増加することになる非フィードバックD級アンプの場合はそうである。非対称摂動を有する二重供給により、実施されるいかなるフィードフォワードシステムも、僅かか又は全く影響を与えないことになる。
フルブリッジD級アンプと比較してシングルエンドD級アンプを使用する部品数及び複雑性という意味での利益は、上述のレールポンピング現象によってもたらされる問題を考慮した場合に急速に消滅する。これらの欠点は、次のように要約することができる。
−レールコンデンサの過度の使用⇒高いコスト及び物理的サイズの増大
−レールコンデンサ及び増幅MOSFETによる高定格電圧素子⇒高コスト及び物理的サイズ増大
−非フィードバックD級アンプに対する許容不能オーディオ性能及びフィードバックD級アンプに対するオーディオ性能の低下⇒製品価値の減少
シングルエンドD級アンプに対する電圧等化方式は、WO2005/091497で提案されている。この回路は、本発明にはないいくつかの短所がある。一部の短所は、以下の通りである。
1)回路は、2段階作動でポンピングエネルギを再分配する。第1段階では、エネルギは、第2段階で解放されるように誘導子に格納される。
2)回路は、2つの別々の制御システムを使用する。
3)回路は、レールポンピングを単に制限することになり、これを相殺することはない。
4)回路は、両レール上でレールキャパシタンスの利用を助けないことになる。
5)回路は、貧弱な変換効率で有名な「バック−ブースト」トポロジーに基づいている。
レールポンピングが実質的に相殺されることになる場合、僅かとはいえない量の電力が、レール間で再利用されるべきである。式(4)から、一方のレールから他方のレールへ変換されるべき最悪ケースの平均電力を以下のように計算することができる。
Figure 2009528011
レール電圧に対する最大出力電圧の比として最大変調指数MMaxを導入すると、平均ポンピング電力と最大出力電力の間の関係は、次式で得ることができる。
Figure 2009528011
レール電圧±40V及び最大変調指数0.85を有する4オームで2×125Wのステレオ設定において、最悪ケースの状況で再分配されることになる平均電力は、約81Wであり、これは、負荷に対して供給される電力の32%を説明するものである。
シングルエンドD級アンプを使用する利点から利益を得るために、レールポンピング問題は、オーディオ電力変換システムへの複雑性及びコストの追加を最小にする賢い方法で対処する必要がある。
本発明の目的
本発明の目的は、以下を有するオーディオ電力変換システムを提供することである。
1)供給ポンピングを除去又は低減し、従って、より良好なオーディオ性能を引き出す供給品質を改善することによる改善されたシステム性能。
2)本発明が、レールポンピング現象と共に生じる古典的な問題をもたらすことなく、シングルエンド構造の全ての利益を可能にすることによる複雑性の低減。
更に、一部の実施形態では、本発明は、以下も提供することになる。
3)レールポンピングを低減し、従って、電力供給装置のピーク対平均電力比を低減することと、D級アンプのシングルエンド構造(電力経路に1つの半導体のみ)との組合せによるシステム効率の改善。
4)本発明が、発生する高周波ノイズに有益な影響を与えるソフトスイッチング技術(ZVS、ZVC)の使用を可能にすることによるEMI性能の改善。
WO2005/091497
本発明の目的は、シングルエンドD級アンプに電力を供給するための正の供給レール及び負の供給レールを有する電力供給装置を含むオーディオ電力変換システムによって達成される。システムは、更に、高電圧レールから低電圧レールに電流の流れを強制することによって電力供給装置からポンピング電荷を再分配するようになった、供給レールに接続された供給ポンプ低減回路を含む。
本発明の中核となるエンジンは、供給ポンプ低減回路である。この回路は、基本的に、あらゆる所定の時点で他のレールに対して数値的に最小値の電圧を反映する「供給レールミラー(SRM)」として機能する。レールポンピングの場合には、SRM回路は、供給レールが数値的に本質的に等しくなるような方法でポンピング電荷を再分配することにより供給レールを反映することになる。
従来技術では、レールポンピングは、2つのサイクル中に達成され、第1のサイクルは、正のレールから負のレールに電荷を再分配することができるだけであり、第2のサイクルは、負のレールから正のレールに電荷を再分配することができるだけである。実際的な回路では、これは、第1又は第2のサイクルのみが電荷の再分配に有効であることを意味する。
本発明によれば、再分配回路は、常に、高電圧を有するレールから電荷を分配するように構成される。これは、実際的な回路では、ポンプ相殺が連続的に発生し、従来技術のように1サイクル置きに制限されないことを意味する。
これはまた、ポンプ相殺回路がいかに効率的であるかに関連し、すなわち、本発明及び従来技術によって同量の電荷が再分配されることになる場合、従来技術は、第2サイクル毎にアクティブであるのみであるから、各サイクルにおいて2度ポンピング電荷を移動させなければならないことになる。これは、本発明と比較して、結果として効率の損失を有する従来技術の有意に高いrms電流に対応する。
本発明の別の利点は、回路及び制御の簡潔性である。SRMトポロジー及び本手法の自己調節特性により、制御回路は必要ではなく、かつレール電圧変化がもたらす全てのポンピングは、自律的な方法で訂正される。
供給ポンプ低減回路は、好ましくは、第1及び第2のサイクル中に正及び負の供給レールに対して交互に接続可能な第1及び第2の巻き線を有する高周波変圧器を含み、それによって変圧器の平衡を取りながら最高電圧を有するレールから最低電圧を有するレールに電流を移動させる。変圧器は、本発明による自己調節再分配回路を達成するための便利な方法である。変圧器巻き線は、変圧器の平衡を取るように2つのサイクル中に別々に接続されることになる。
更に、供給ポンプ低減回路は、第1のサイクル中に、第1の巻き線を正の供給レールと接地の間、及び第2の巻き線を負の供給レールと接地の間、かつ第2のサイクル中に、第2の巻き線を正の供給レールと接地の間、及び第1の巻き線を負の供給レールと接地の間に接続するためのスイッチング手段を含むことができる。
このようなスイッチングは、2つの供給レールを互いの上に実質的に映すことになる。これは、2つの明確な利点を有する。第1に、2つのレール電圧内の全ての変動が等化される(ポンプ相殺)。第2に、この回路は、実質的に両レールの容量を利用し、これは、レールコンデンサから供給される動的電力が、同量の容量を有する単一のレール供給において利用されるものに等しくなることを意味する。
スイッチング手段は、MOSFETのような制御型スイッチを含むことができる。MOSFETの簡潔な駆動パターンはまた、トランジスタのソフトスイッチング技術を実施する簡潔な方法を可能にする。次に、回路は、制御型スイッチを制御するために、同一の長さの等間隔の非重複パルスを有する2つのパルス列を提供するためのスイッチ制御システムを含むことができる。
更に、回路は、ソフトスイッチング特性を維持しながらSRMユニットがあらゆる二重レール供給に結合することを可能にする分離フィルタを含む場合がある。
スイッチング手段はまた、複雑性を低減するためにダイオードのような非制御型スイッチを含むことができる。このバージョンもソフトスイッチング技術を可能にする。
供給ポンプ低減回路は、シングルエンドD級アンプのための主電力供給装置に統合させることができる。このような集積回路は、アンプへ電力を供給すると共にポンピングエネルギを再分配することになる。ソフトスイッチング特性は、基本的SRM変換器の簡単な制御方式を適応させることによってこの回路内で維持することができる。
添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を以下に更に説明する。
オーディオ電力変換システムのブロック図を図1に示している。電力供給装置(1)は、スイッチモード電力供給装置又は線形タイプとすることができる。電力供給装置が供給するアンプの形式に応じて、出力は、単一レール又は二重レール供給のいずれかであることになる。D級アンプ(2)は、一般的にハーフブリッジ(シングルエンド)又はフルブリッジトポロジーであることになる。D級アンプ(2)のチャンネル数は、1から複数のチャンネルまで変化させることができる。負荷(3)は、典型的には、電子ダイナミックスピーカであるが、アンプからの電気信号を音響信号に変換するあらゆる種類の変換器とすることができる。電源(4)は、公共網のAC電源とすることができ、又はバッテリ(例えば、自動車用可搬型機器)とすることもできると考えられる。電源(4)の出力は、DC電圧(又は、ほぼDC)であり、これは、AC電源入力の場合、電圧を整流して安定化させる手段が(4)に含まれることを意味する。オーディオ電力変換システムの電気的部分は(3)として定められる。
D級アンプ(2)がシングルエンド型である場合、このトポロジーをサポートするための電力供給装置(1)は、二重レール供給であることになる。本発明の主要な目的は、上述のレールポンピング問題をシングルエンドD級アンプ構造がより魅力的になるような賢い方法で克服することである。本発明の好ましい実施形態では、SRM(6)(供給レールミラー)変換器は、電力供給装置(2)と並列に作動する。
本発明の好ましい実施を図8に示している。正の供給レールは、第1のコンデンサ(15)とMOSFET(8)及び(9)の第1の対のドレーン端子との間の接点に接続されている。(8)の電源端子は、第1の変圧器巻き線(12)上の第1の端子に接続され、(9)の電源端子は、第2の変圧器巻き線(13)上の第1の端子に接続されている。2つの変圧器巻き線(12)及び(13)の第2の端子は、共通点(0)に接続される。2つの巻き線は、磁性体(14)の変圧器磁心を通じて相互に結合される。負の供給レールは、第2のコンデンサ(15)とMOSFET(10)及び(11)の第2の対の電源端子との間の接点に接続されている。(10)のドレーン端子は、変圧器巻き線(12)と(8)の電源端子との間の接点に接続されている。(11)のドレーン端子は、変圧器巻き線(13)と(9)の電源端子との間の接点に接続されている。2つのコンデンサは、共通点(0)において2つの変圧器巻き線に接続されている。
作動状態かつトランジスタ8〜11が図15に従ってON/OFFになる場合、回路は、2つの供給レールを互いの上に映すことにより供給ポンピングを相殺することになる。第1のサイクルにおいて、トランジスタ8及び11がONになることになる。次に、コンデンサ15にわたる正の供給レールは、変圧器巻き線12にわたって置かれることになる。同様に、コンデンサ16上の負の供給電圧は、変圧器巻き線13にわたって掛かることになる。2つの巻き線は、互いに1:1の比率で結合されているので、正及び負のレール電圧のマグニチュードのいかなる差も、最大マグニチュードを有するレールから他のレールに負荷電流を移動させることになる。次のサイクルにおいて、同一の作動は、今回はトランジスタ9及び10をONにすることで実行される。この作用は、変圧器14の平衡化を確実にする。
本発明の好ましい実施形態では、トランジスタ8〜11は、「ゼロ電圧スイッチング(ZVS)」条件の下でON又はOFFになる。この条件下でトランジスタを切り換えることにより、ON及びOFF移行に伴う損失を除くことができる。トランジスタにわたる電圧が、次の移行が発生する前に完全に反転されるような方法で変圧器構成(14)の磁化インダクタンスを調節することにより、トランジスタの「ゼロ電圧スイッチング」を達成することが可能である。ZVSを完了させるためには、図15に示すように、トランジスタON信号間に小さな不感時間を有することが必要である。
不感時間枠内でトランジスタにわたる電圧を完全に反転するために必要な磁化電流は、次式で与えられる。
Figure 2009528011
ここで、CNodeは、回路ノードの累積された容量性負荷であり、VDSは、不感時間内に反転されるべきこの特定ノード内の電圧のマグニチュードである。式(8)は、近似式であり、不感時間がスイッチオン時間よりも十分に小さい間だけ有効である。また、CNodeキャパシタンスは、極めて電圧依存である可能性があることを念頭に置くべきである(例えば、MOSFETの出力キャパシタンス及びダイオードのアノード−カソードキャパシタンス)。
磁化電流は、次式の磁化インダクタンスに変形される。
Figure 2009528011
式(8)を式(9)に代入すると、以下の通りである。
Figure 2009528011
次に、ZVS移行を容易にするために、非理想的変圧器(14)の磁化インダクタンスを使用することができる。実用的変圧器も巻き線間の非理想的結合を示すので、この非結合変圧器の磁束は、変圧器巻き線と直列の寄生インダクタンスと見なすことができる。このインダクタンスは、通常、漏れインダクタンスと呼ばれる。
本発明によれば、「ゼロ電流スイッチング(ZCS)」が可能になるようにSRM内の電流を整形することも可能である(変圧器磁化電流を無視する)。ZCSは、変圧器漏れインダクタンス、並びにコンデンサ15及び16を使用して共振タンクを作成することにより可能である。電流共振は、全波発振を通らなければならず、これは、理想的電流波形が自乗正弦波の波形になることを意味する。共振タンクは、次式に従わねばならない。
Figure 2009528011
一部の用途では、共振電流移行に適合するようにコンデンサ15及び16の値を制御することができない。このような場合、本発明によってコンデンサ15及び16を高周波の影響に関して電力供給装置レールから分離するフィルタを適用することができる(図9)。この分離は、誘導子17をコンデンサ15と正の供給レールの間に加え、誘導子18をコンデンサ16と負の供給レールの間に加えることにより行われる。このようにして、回路のHF挙動及び従ってコンデンサ15と16の間の共振周波数、及び漏れインダクタンスを制御することができる。
本発明の別の好ましい実施形態を図10に示している。トランジスタ30及び31は、コンデンサ28及び29を有するハーフブリッジ構成を形成する。変圧器巻き線23は、トランジスタ30及び31とコンデンサ28及び29の接点の間に接続される。変圧器巻き線21の第1の端子は、ダイオード26のアノード及びダイオード25のカソードに接続される。変圧器巻き線22の第2の端子は、ダイオード27のアノード及びダイオード24のカソードに接続される。変圧器巻き線21の第2の端子及び変圧器巻き線22の第1の端子は、相互にかつ共通点0に接続される。ダイオード26及び27のカソードは、ここでもまた正の供給レールに接続された、コンデンサ28、トランジスタ31、及びコンデンサ33の接点に接続される。ダイオード24及び25のアノードは、ここでもまた負の供給レールに接続された、コンデンサ29、トランジスタ30、及びコンデンサ32の接点に接続される。コンデンサ33及び32の接点は、共通点0に接続される。
トランジスタは、図15により、非重複のほぼ50%の負荷サイクルで作動する。供給ポンピングの場合には、コンデンサ33及び32にわたるいずれかの電圧が上昇することになる。この電圧上昇はまた、コンデンサ28及び29上で見られることになるが、この回路構成により、電圧上昇は、これらの2つの間で分割されることになる。トランジスタ30をONにすることにより、変圧器巻き線23にわたってコンデンサ29電圧が掛かることになる。コンデンサ33がポンピングされている場合、コンデンサ29からの電流は、巻き線23を通じて巻き線22に変圧され、ダイオード24を通じてコンデンサ32を充電することになる。次のサイクルで、トランジスタ31は、変圧器巻き線23にわたってコンデンサ28電圧を掛けることになる。コンデンサ33がポンピングされていると仮定すると、コンデンサ28からの電流は、巻き線23を通じて巻き線21に変圧され、ダイオード25を通じてコンデンサ32を充電する。コンデンサ32のポンピングは、上述のように同様の作動をもたらすことになるが、ダイオード26及び27が、ダイオード24及び25の代わりにアクティブになる。
本発明の以前の実施例と同様に、この回路も同様の方法でトランジスタのZVSを容易にする。
図10に示す回路のZCS作動も可能である。この回路内の共振タンクは、変圧器14の漏れインダクタンスと共にコンデンサ28及び29によって形成される。共振電流は、半波正弦波であり、次式の場合では、「ゼロ電流スイッチング(ZCS)」移行を生じることになる。
Figure 2009528011
本発明の別の好ましい実施形態を図11に示している。この実施例では、SRM及び電力供給装置は、1つの段に統合されている。ここまでに説明した本発明の全ての実施例は、統合されたSRMを有する電力供給装置に変更することができる。この変換は、かなり単純であり、巻き線(又は複数の巻き線)を変圧器構成(14)に加えることにより行われる。
電力供給装置及びSRMが統合されている本発明の好ましい実施形態を図12に見ることができる。図9に示す独立型SRMと比較した時の付加的な回路は、2つの付加的な変圧器巻き線34及び35、並びにトランジスタ36及び36により実施されたプッシュプル構成として容易に特定することができる。本発明は、プッシュプル1次回路を使用することに限定されず、図13に示すハーフブリッジ構成及び図14に示すフルブリッジ構成のようなあらゆる1次側基準回路として実施することができる。
上述のように、図6は、4オームで2×125Wを有するステレオ設定に対するレール電圧変動を示している。この例でのレールキャパシタンスは、各レール上で2×3300uFであった(合計4×3300uF)。図9に示すポンプ相殺回路を加えること及びレールコンデンサ(2×22uF残り)を除去することにより、電圧変動は、図16に示すように実質的に消滅している。見ることができる僅かな変動は、非理想スイッチ、誘導子、及び変圧器巻き線における抵抗性電圧低下によって生じたものである。
シングルエンドD級アンプを使用した従来技術のオーディオ電力変換システムを示す図である。 単一レール電力供給装置及びブリッジ型D級アンプの従来技術の組合せを示す図である。 二重レール電力供給装置及びシングルエンドD級アンプの従来技術の組合せを示す図である。 供給ポンピング効果の背後にある機構を示す図である。 4オーム負荷20Hzの最悪ケースのオーディオ信号に対する電圧レール偏位の関数としてのレールキャパシタンスのグラフである。 各レール上に3300uFを有する4オーム負荷での20Hzの最悪ケースオーディオ信号の場合のレールポンピングのシミュレーションを示す図である。 供給レール(SRM)に装着された供給ポンプ相殺回路を有するオーディオ電力変換システムを示す図である。 本発明の好ましい実施形態を示す図である。 図8と同じであるがレール分離フィルタが追加されている図である。 本発明の別の好ましい実施形態を示す図である。 主電力供給装置に統合されたポンプ相殺変換器のブロック図である。 図11に示す本発明の好ましい実施形態を示す図である。 図11に示す本発明の好ましい実施形態を示す図である。 図11に示す本発明の好ましい実施形態を示す図である。 好ましい実施形態におけるスイッチに対する制御信号のタイミングを示す図である。 出力コンデンサなし(又は僅か)で4オームにおいて2×125Wを有するシステムにポンプ相殺回路を加える効果を示す図である。
符号の説明
1 電力供給装置
2 シングルエンドD級アンプ
3 オーディオ電力変換システム
6 供給ポンプ低減回路

Claims (16)

  1. シングルエンドD級アンプ(2)に電力供給するための正の供給レール(100)及び負の供給レール(200)を有する電力供給装置(1)、
    を含むオーディオ電力変換システム(3)であって、
    供給ポンプ低減回路(6)が、供給レール(100、200)に接続され、かつより高電圧を有するレールからより低電圧を有するレールに電流の流れを強制することによって電力供給装置からのポンピング電荷を再分配するようになっている、
    ことを特徴とするシステム。
  2. 前記供給ポンプ低減回路は、第1及び第2のサイクル中に前記正又は負の供給レール(100、200)に交互に接続可能な第1及び第2の巻き線を有する高周波変圧器を含み、それによって該変圧器の平衡を取りながら最高電圧を有するレールから最低電圧を有するレールに電流を移動させることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記供給ポンプ低減回路は、前記第1のサイクル中に、前記第1の巻き線を前記正の供給レールと接地の間、及び前記第2の巻き線を前記負の供給レールと接地の間に、かつ前記第2のサイクル中に、該第2の巻き線を該正の供給レールと接地の間、及び該第1の巻き線を該負の供給レールと接地の間に接続するためのスイッチング手段を更に含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  4. 前記第1及び第2の変圧器巻き線に並列に接続されたコンデンサ(15、16)を更に含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシステム。
  5. 前記スイッチング手段は、制御型スイッチ(8、9、10、11)を含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
  6. 前記制御型スイッチを制御するために等間隔で重複のない等しい長さのパルスを有する2つのパルス列を供給するためのスイッチ制御システムを更に含むことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
  7. 制御パルスが、PWM変調されていることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
  8. 前記スイッチング手段は、非制御型スイッチ(24、25、26、27)を更に含むことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 前記供給ポンプ低減回路(6)は、
    第1及び第2の変圧器巻き線(12、13)を有する変圧器と、
    第1の共通点(0)と第2の共通点(100)の間に接続された第1のコンデンサ(15)と、
    前記第2の共通点(100)と前記第1の変圧器巻き線(12)の第1の端子との間に接続された第1のスイッチと、
    前記第2の共通点(100)と前記第2の変圧器巻き線(13)の第2の端子との間に接続された第2のスイッチと、
    前記第1の共通点(0)と第3の共通点(200)の間に接続された第2のコンデンサ(16)と、
    前記第3の共通点(200)と前記第1の変圧器巻き線(12)上の前記第1の端子との間に接続された第3のスイッチ(10)と、
    前記第3の共通点(200)と前記第2の変圧器巻き線(13)上の前記第2の端子との間に接続された第4のスイッチ(11)と、
    を含み、
    前記第1の変圧器巻き線(12)の第2の端子及び前記第2の変圧器巻き線(13)の第1の端子が、前記第1の共通点(0)に接続されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  10. 前記供給ポンプ低減回路(6)は、
    第1の共通点(100)と前記正の供給レールの間に接続された第1の分離フィルタ誘導子(17)と、
    第2の共通点(200)と前記負の供給レールの間に接続された第2の分離フィルタ誘導子(18)と、
    を更に含む、
    ことを特徴とする請求項9に記載のシステム(図9)。
  11. 前記供給ポンプ低減回路(6)は、
    第1、第2、及び第3の変圧器巻き線(21、22、23)を有する変圧器と、
    第1の共通点(0)と第2の共通点(100)の間に接続された第1のコンデンサと、
    前記第2の共通点(100)に接続されたカソードと前記第1の変圧器巻き線(21)の第1の端子に接続されたアノードとを有する第1のダイオード(26)と、
    前記第2の共通点(100)に接続されたカソードと第2の変圧器巻き線(22)の第2の端子に接続されたアノードとを有する第2のダイオード(27)と、
    前記第1の共通点(0)と第3の共通点(200)の間に接続された第2のコンデンサと、
    前記第3の共通点(200)に接続されたアノードと前記第2の変圧器巻き線(22)の前記第2の端子に接続されたカソードとを有する第3のダイオード(24)と、
    前記第3の共通点(200)に接続されたアノードと前記第1の変圧器巻き線(21)の前記第1の端子に接続されたカソードとを有する第4のダイオード(25)と、
    を含み、
    前記第1の変圧器巻き線(21)の第2の端子及び前記第2の変圧器巻き線(22)の第1の端子が、前記第1の共通点(0)に接続されており、
    前記供給ポンプ低減回路(6)は、更に
    前記第2の共通点(100)と前記第3の変圧器巻き線(23)の第1の端子との間に接続された第3のコンデンサ(28)と、
    前記第3の変圧器巻き線の前記第1の端子と前記第3の共通点(200)の間に接続された第4のコンデンサ(29)と、
    前記第2の共通点(100)と前記第3の変圧器巻き線(23)の第2の端子との間に接続された第1のスイッチ(31)と、
    前記第3の変圧器巻き線の前記第2の端子と前記第3の共通点(200)の間に接続された第2のスイッチ(30)と、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(図10)。
  12. 前記供給ポンプ低減回路(6)は、電力供給装置(7)に統合されていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のシステム。
  13. 前記変圧器は、第3及び第4の変圧器巻き線(34、35)を有し、
    前記供給ポンプ低減回路(6)は、
    前記第3の変圧器巻き線(34)に接続された第1の端子と電源(4)に接続された第2の端子とを有する第5のスイッチ(36)と、
    前記第4の変圧器巻き線(35)に接続された第1の端子と前記電源(4)に接続された第2の端子とを有する第6のスイッチ(37)と、
    を更に含む、
    ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
  14. 前記変圧器は、第3の変圧器巻き線(38)を有し、
    前記供給ポンプ低減回路(6)は、
    前記第3の巻き線(38)の第1の端子と電力供給装置(4)の間に接続された第3のコンデンサ(39)と、
    前記第3の巻き線(38)の第2の端子と前記電力供給装置(4)の間に接続された第5のスイッチ(41)と、
    前記第3の巻き線(38)の前記第1の端子と前記電力供給装置(4)の間に接続された第4のコンデンサ(40)と、
    前記第3の巻き線(38)の前記第2の端子と前記電力供給装置(4)の間に接続された第6のスイッチ(42)と、
    を更に含む、
    ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
  15. 前記変圧器は、第3の変圧器巻き線(43)を有し、
    前記供給ポンプ低減回路(6)は、
    前記第3の巻き線(38)の第1の端子と電力供給装置(4)の間に接続された第5のスイッチ(44)と、
    前記第3の巻き線(38)の第2の端子と前記電力供給装置(4)の間に接続された第6のスイッチ(46)と、
    前記第3の巻き線(38)の前記第1の端子と前記電力供給装置(4)の間に接続された第7のスイッチ(45)と、
    前記第3の巻き線(38)の前記第2の端子と前記電力供給装置(4)の間に接続された第8のスイッチ(47)と、
    を更に含む、
    ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
  16. 前記変圧器巻き線は、磁性体の変圧器コア(14)において磁気的に互いに結合していることを特徴とする請求項2から請求項15のいずれか1項に記載のシステム。
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