JP2009527535A - 自己免疫疾患又は脱髄疾患を処置するための可溶性受容体及び方法 - Google Patents

自己免疫疾患又は脱髄疾患を処置するための可溶性受容体及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、特にヒト患者における、疾患の治療に有用な新規な治療用タンパク質に関する。本発明者の結果は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特に多発性硬化症(MS)等の疾患の処置における、可溶性IL−18Rαの使用を強く支持する。したがって、本発明は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの処置における使用のための可溶性IL−18Rαを提供する。本発明は、患者、好ましくはヒト患者における自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの症状を、治療的有効量の上述の可溶性IL−18Rαを患者に対して投与することによって処置する、予防する、又は寛解させる方法をさらに提供する。

Description

本発明は、特にヒト患者における疾患の処置に有用な新規な治療用タンパク質に関する。
本明細書に説明されるように、本発明者の結果は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特に多発性硬化症(MS)等の疾患の処置における、可溶性IL−18Rαの使用を強く支持する。したがって、本発明は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの処置における使用のための可溶性IL−18Rαを提供する。本発明は、ヒト患者における自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの症状を、治療的有効量の上述の可溶性IL−18Rαを患者に対して投与することによって処置する、予防する、又は寛解させる方法をさらに提供する。
脱髄疾患は、神経系の髄鞘における異常を伴う病状のグループである。多くの先天性代謝障害は、主にCNSにおける発達中の髄鞘を冒し、脱髄は、多くの神経障害の特徴となる。
ヒトにおける中枢神経系の最も知られている慢性炎症性脱髄疾患は、多発性硬化症である。多発性硬化症(MS)の発症は、20歳〜40歳の間に典型的に起こる。女性は、男性よりも約2倍の頻度で冒される。長い間にわたって、MSは、様々な神経障害の蓄積をもたらす可能性がある。MSにおける臨床的障害は、ミエリン及び軸索の続く損失を伴い、組織萎縮につながる、度重なる炎症性損傷の結果であると推定される。
MSは、身体症状(再発及び障害進行)、中枢神経系(CNS)炎症、脳萎縮、及び認知機能障害において顕在化される。主症状は、限局性の感覚消失、限局性の脱力、視覚的問題、平衡失調、及び疲労を含む。性機能障害及び括約筋機能不全が起こる可能性がある。MSを有する患者の約半分は、認知機能障害又はうつ病を経験する可能性がある。
MSは、現在、多面的な疾患であると考えられており、臨床的な静止状態(寛解)の期間は、増悪の間に起こる。寛解は、長さが変動し、数年間続く可能性があるが、まれに永久的となる。
疾患の4つの経過は、個別に扱われる:再発寛解型(RR)多発性硬化症、二次進行型(SP)多発性硬化症、一次進行型(PP)多発性硬化症、及び進行再発型(PR)多発性硬化症。MSを有する80%を超える患者は、最初は、神経症状の臨床的増悪と共にRR経過を呈し、完全である可能性のある又は完全でない可能性のある回復が後に続く(Lublin及びReingold,Neurology,1996,46:907−911)。
RRMSの間、障害の蓄積は、再発からの不完全な回復に起因する。RRMSを有する患者の約半分は、病気の発症の10年後に、SPMSと呼ばれる進行型経過に移る。SP期の間、障害の悪化は、増悪の後の残存症状の蓄積に起因するが、増悪の間の潜行性の進行にも起因する(上記のLublin及びReingold)。MS患者の10%は、疾患発症からの、症状の潜行性の進行によって特徴づけられるPPMSを有する。患者の5%未満は、PRMSを有し、PPMSと同じ予後を有すると考えられることが多い。別の病原性機構が、異なる患者サブグループに関与する可能性があり、疾患分類に対して広範な影響を有することが示唆されている(Lassmannら,2001,Trends Mol.Med.,7,115−121;Lucchinettiら,Curr.Opin.Neurol.,2001,14,259−269)。
MS発症は、CNS機能不全といった第1の神経症状の出現によって定義される。脳脊髄液(CSF)分析及び磁気共鳴画像法(MRI)における進歩は、診断プロセスを単純化し、早期診断を容易にした(Noseworthyら,The New England Journal of Medicine,2000,343,13,938−952)。MSの診断に関する国際パネルは、MSの診断を容易にし、且つ臨床診断法及び臨床外診断法と共にMRIを含む改訂基準を発行した(Mc Donaldら,2001,Ann.Neurol.,50:121−127)。
多発性硬化症の処置のための今のところ利用可能な処置は、疾患の症状に対して実際のところ作用するものである。その結果として、患者への、改善された臨床的利点を提供する代替治療に対する強い要望がある。
本発明は、ヒト患者における新規な治療処置又は予防処置に関する。本明細書に開示される結果は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特に多発性硬化症(MS)等の疾患の処置における、可溶性IL−18Rαの使用を強く支持する。したがって、本発明は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの処置における使用のための可溶性IL−18Rαを提供する。本発明は、ヒト患者における自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの症状を、治療的有効量の上述の可溶性IL−18Rαを患者に対して投与することによって処置する、予防する、又は寛解させる方法をさらに提供する。
特定の態様では、本発明は、IL−18Rαの細胞外ドメインのすべて又は一部を含む、特にヒトIL−18Rα又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部を含む可溶性受容体に関する。
他の態様では、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基19〜132及び/又は配列番号2のアミノ酸残基122〜219及び/又は配列番号2のアミノ酸残基213〜329及び/又は上述のアミノ酸残基の変異体を含む、上記に定義される可溶性受容体に関する。
他の態様では、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基19〜219並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基122〜329並びに/又はペプチド結合によって連結された配列番号2のアミノ酸残基19〜132及び213〜329並びに/又は上述のアミノ酸残基の変異体を含む、上記に定義される可溶性受容体に関する。
他の態様では、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基19〜329及び/又は上述のアミノ酸残基の変異体を含む、上記に定義される可溶性受容体に関する。
他の態様では、本発明は、上記に定義される可溶性受容体に関し、上述のアミノ酸残基の上述の変異体は、上述のアミノ酸残基と少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドである。
本発明は、配列番号2のアミノ酸残基19〜132並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基122〜219並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基213〜329並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基19〜219並びに/又は配列番号2の122〜329並びに/又はペプチド結合によって連結された配列番号2のアミノ酸残基19〜132及び213〜329並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基19〜329並びに/又は上述のアミノ酸残基の変異体からなる少なくとも2つのサブユニットを融合タンパク質として同じタンパク質骨格上に含む、上記に定義される可溶性受容体にさらに関する。特定の実施形態では、上述のアミノ酸残基の上述の変異体は、上述のアミノ酸残基と少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドである。他の特定の実施形態では、少なくとも2つのサブユニットは同じである。
本発明は、さらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結された、上記に定義される可溶性受容体にさらに関する。
他の態様では、本発明は、上記に定義される可溶性受容体の多量体、特に二量体に関する。
他の態様では、本発明は、IL−18Rβの細胞外ドメインのすべて若しくは一部を含む少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット又はIL−1RacPの細胞外ドメインのすべて若しくは一部を含む少なくとも1つのIL−1RacPサブユニット又はIL−1R−rp2の細胞外ドメインのすべて若しくは一部を含む少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット又はT1/ST2の細胞外ドメインのすべて若しくは一部を含む少なくとも1つのT1/ST2サブユニット又はIL−1R−1の細胞外ドメインのすべて若しくは一部を含む少なくとも1つのIL−1R−1サブユニットをさらに含む、上記に定義される可溶性受容体に関する。
他の態様では、本発明は、医薬としての使用のための上記に定義される可溶性受容体に関する。
本発明は、自己免疫疾患又は脱髄疾患の処置のための医薬の製造における、上記に定義される可溶性受容体の使用にさらに関する。特定の実施形態では、上述の脱髄疾患は、多発性硬化症である。
他の態様では、本発明は、患者における、特にヒト患者における自己免疫疾患又は脱髄疾患の症状を処置する、予防する、又は寛解させる方法であって、患者に、治療的有効量の上記に定義される可溶性受容体を投与することを含む方法に関する。特定の実施形態では、上述の脱髄疾患は、多発性硬化症である。
本発明は、上記に定義される方法又は使用にさらに関し、患者は、再発寛解型(RR)多発性硬化症、二次進行型(SP)多発性硬化症、一次進行型(PP)多発性硬化症、又は進行再発型(PR)多発性硬化症に冒されている。
本発明は、上記に定義される方法又は使用にさらに関し、可溶性受容体は、MSを処置する又は予防するための第2の治療薬と共に投与される。特定の実施形態では、可溶性受容体は、コルチコステロイド、免疫抑制剤、神経保護薬、免疫調節剤、又はインターフェロンと共に投与される。他の特定の実施形態では、可溶性受容体は、インターフェロン−ベータ、好ましくはインターフェロンベータ−1a、さらに好ましくはRebif(登録商標)(Serono社)と共に投与される。
本発明は、哺乳動物患者、好ましくはヒト患者のMSの治療における同時の、別個の、又は順次の使用のための、上記に定義される可溶性受容体及び併用調製物としてのコルチコステロイド、免疫抑制剤、神経保護薬、免疫調節剤、又はインターフェロンを含む産物にさらに関する。特定の実施形態では、インターフェロンは、インターフェロン−ベータ、好ましくはインターフェロンベータ−1a、さらに好ましくはRebif(登録商標)(Serono社)である。
本明細書に説明されるように、本発明者の結果は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特に多発性硬化症(MS)等の疾患の処置における、可溶性IL−18Rαの使用を強く支持する。したがって、本発明は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの処置における使用のための可溶性IL−18Rαを提供する。本発明は、ヒト患者における自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの症状を、治療的有効量の上述の可溶性IL−18Rαを患者に対して投与することによって処置する、予防する、又は寛解させる方法をさらに提供する。
IL−18受容体は、リガンド結合IL−18Rαサブユニット(文献中ではIL−1Rrp又はIL−1 R5とも命名されている)及びシグナル伝達IL−18Rβサブユニットからなるヘテロ二量体として記載されてきた。IL−18Rの下流シグナル伝達は、TLR経路の下流シグナル伝達と同様に、IRAK4及びMyD88を活性化する。IL−18Rαは、リンパ球上に発現し、より最近では、アクセサリー細胞上に発現することが発見された(Kaser,A.ら Blood 103,648−655(2004),Tomura,M.ら Immunol.160,3759−3765(1998),Xu,D.ら J.Exp.Med.188,1485−1492(1998),Yoshimoto,T.ら J.Immunol.161,3400−3407(1998))。
IL−18がIL−18R複合体に結合することができることが確証されているが、IL−18Rαのみへのその親和性は、弱い親和性にすぎない(Boraschi,D.ら Eur.Cytokine Netw.9,205−212(1998),Torigoe,K.ら J.Biol.Chem.272,25737−25742(1997))。IL−18は、T細胞によるIFN−γの産生を刺激するようIL−12と共に共同して働き、またNK細胞の細胞傷害性活性を単独で刺激することができる。IL−18及びIL−12は、T1サイトカイン応答に向けてT細胞を極性化するために相乗的に作用し、これは、脳炎誘発に対する必要条件であると考えられた。
IL−18−/−マウスは、EAE抵抗性であるとして記載されてきた、またIL−18−/−マウスにおける不十分なNK細胞活性化は、脳炎誘発性の免疫応答を生成することができない原因であると考えられた(Shi,F.D.,ら,J.Immunol.165,3099−3104(2000))。それにもかかわらず、IL−12の明らかな防御活性を考慮すれば、EAEにおけるIL−18の提唱された役割は、ジレンマを引き起こす(Cua,D.J.ら Nature 421,744−748(2003),Becher,B.ら,J.Clin.Invest 110,493−497(2002))。
本発明者は、EAEに対するIL−18−/−マウスの感受性によって推定されるように、以前に公表されたデータとは対照的に、IL−18が、EAEにおいて明白な病原性の影響を及ぼさないことをこれから実証する。しかしながら、その提唱される受容体(IL−18Rα)の欠失は、EAE誘発に対する完全な抵抗性をもたらし、これは、脳炎誘発性の特性を有する代替リガンド(IL−18RL)の存在を示唆する。IL−18Rαに対するIL−18の親和性は、かなり乏しく、親和性の増加のためにIL−18Rβとのヘテロ三量体化を必要とするので、IL−18Rαに対するより高い親和性を有する他のリガンドがある可能性は非常に強い。IL−1Rスーパーファミリー内には多くのオーファン受容体があり、これらの受容体サブユニットが互いにヘテロ二量体を形成する事実を考慮すれば、おそらく、IL−18Rαは、異なる結合パートナーを有するだけではなく、異なるリガンドもまた有していそうである。
本発明者は、抗IL−18Rα抗体を使用して、IL−18−/−マウスにおける疾患発生を著しく減衰させることにより、本明細書でこの推定上のリガンドの性能を実証する。承認されているIL−18RαリガンドであるIL−18は、これらのマウス中に存在せず、それらの細胞構成要素は、抗体の注射の結果として冒されなかったことを考慮すれば、これらの結果は、上記代替IL−18Rαリガンドの実在についての実質的証拠を提供する。
EAEの間のT細胞の重要性にもかかわらず、本発明者は、IL−18Rαの欠失が、増大に関するT細胞プライミング及びTh1極性化に影響を及ぼさないことを本明細書で示す。その代わりに、マイトジェンConAを用いて刺激した場合、IL−18及びIL−18Rαは、共に、効率的なT細胞活性化に必要であり、これは、様々な細菌及びウイルス感染モデルにおいて観察されるように、IL−18−/−マウスがIFNγ分泌の刺激に欠陥を有するという発見に一致する。T細胞活性化のレベルでの障害の欠如に一致して、本発明者は、wt(野生型)樹状細胞、IL−18−/−樹状細胞、又はIL−18Rα−/−樹状細胞(DC)と共に培養された場合にTcR Tg T細胞が同じ程度まで増殖したように、IL−18Rα破壊が、抗原提示細胞(APC)の活性化機能に影響を及ぼさないことを本明細書で示す。
EAEの終点でのCNS中の炎症細胞の不在とは対照的に、本発明者は、疾患の発症の前に、IL−18Rα−/−CNS中で、比較に値するCD4T細胞浸潤を検出することができた。他の炎症細胞もまた、wtマウス及びIL−18−/−マウスと同じ程度までCNSを浸潤した。したがって、IL−18Rα欠損は、CNS中への免疫細胞の侵入に影響を及ぼさないが、存続するためのそれらの能力に影響を及ぼすにちがいない。興味深いことには、随伴性EAE感受性を伴わない、IL−18Rα−/−CNS中の炎症性浸潤物の存在は、IL−23−/−マウスにおいて起こる応答に似ている。
本発明者は、IL−18Rα−/−KLHリコールリンパ球によるIL−17産生を分析し、RNA及びタンパク質の両レベルでIL−17の産生における著しい減少が実際にあることを実証する。したがって、IL−18Rα−/−マウスのEAEに対する抵抗性は、TIL−17発生が不十分である結果として説明することができるかもしれない。
IL−17細胞の欠如は、T細胞のこの亜集団上のIL−18Rα発現の不在に起因したように思われた。しかしながら、BM−キメラの生成により、RAG−/−BM細胞の存在下でのみ、IL−18Rα−/−マウス(RAG−/−+IL−18Rα−/−>wt)のEAEに対する感受性をよみがえらせることができたことを実証したように、これは事実ではなかった。IL−18Rα−/−>wtマウスは、他方、疾患誘発に対して抵抗性であった。したがって、IL−18Rαの存在は、非リンパ球白血球上で必要とされ、前TIL−17細胞上に直接位置しない。さらに、アクセサリー細胞上のIL−18Rαの重要性は、脳炎誘発性wt T細胞が、IL−18Rα−/−マウスにおいてEAEを誘発することができなかった養子移入実験において強められた。
要約すると、本発明者は、EAEにおけるIL−18の非病原性の役割を実証することにより、MS及びEAEのT1仮説を反駁する証拠を示す。しかしながら、対照的に、いわゆるIL−18Rαは、EAEの発生にとって決定的であり、したがって代替IL−18Rα結合リガンドの存在を暗示するものであり、これを、本発明者は、抗IL−18Rα抗体を用いてIL−18−/−マウスを処置し、それによってEAE重症度を減じることにより、確認することができた。あるいは、本発明者は、IL−18Rαシグナル伝達が脳炎誘発性TIL−17細胞の発生にとって決定的なことを示し、それによって、MOG35−55に誘発されるEAEに対するIL−18Rα−/−マウスの抵抗性を説明する。
本明細書に説明されるように、本発明の発明者は、IL−18Rαのアンタゴニストが疾患を処置するためにin vivoで有効であることを発見した。さらに、IL−18Rαアンタゴニストはまた、MSのマウスモデルにおいて既に確立された疾患の進行をも阻害した。
上記本明細書及び本出願の実施例で開示される結果は、本発明にとって、部分的に基礎となる。これらの結果は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの処置における可溶性IL−18Rαの使用を強く支持する。したがって、本発明は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの処置における使用のための可溶性IL−18Rαを提供する。本発明は、ヒト患者における自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの症状を、治療的有効量の上述の可溶性IL−18Rαを患者に対して投与することによって処置する、予防する、又は寛解させる方法をさらに提供する。
本明細書に使用されるように、化合物の「治療的有効量」は、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMS又はその症状を処置する、寛解させる、又は予防するのに有効な、化合物の最小限の量を意味する。本発明は、さらに、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの処置のための医薬の製造における、上述の可溶性IL−18Rαの使用に関する。
本発明のいくつかの実施形態では、処置するための疾患は、再発寛解型(RR)MS、二次進行型(SP)MS、一次進行型(PP)MS、又は進行再発型(PR)MSである。
本明細書に説明されるように、本発明の発明者は、IL−18Rαのアンタゴニストが疾患を処置するためにin vivoで有効であることを発見した。本発明者によって得られたデータは、IL−18Rαの阻害が、IL−18に無関係の様式で、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSを処置するのに有効であることを強く支持する。したがって、本発明の実施形態では、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSを処置するために使用される本発明の可溶性IL−18Rαは、単にIL−18活性を阻害するものではない。IL−18結合タンパク質(IL−18BP、PCT国際公開第99/09063号に記載される)は、本発明による可溶性IL−18Rαと考えられない。
本発明は、さらに、医薬としての使用のための上記又は下記の可溶性IL−18Rαのいずれかに関する。
本発明の特定の実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rαは、抗原提示細胞中の、より具体的には単核食細胞、多核食細胞、樹状細胞、及びナチュラルキラー細胞からなる群から選択される抗原提示細胞中のIL−18Rαの活性を阻害することができる。
本発明の実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rαは、IL−17産生TH細胞の発生を阻害することができる。
ヒトIL−18RαをコードするcDNAは、配列番号1に示される。このcDNAは、541個のアミノ酸長のタンパク質(配列番号2)をコードし、このタンパク質は、18個のアミノ酸のシグナルペプチド(配列番号2の残基1〜18)を含む、329個のアミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号2の残基1〜329)、21個のアミノ酸の膜貫通領域(配列番号2の残基330〜350)、及び配列番号2のアミノ酸351〜541からの細胞質ドメインを含む。
1)可溶性IL−18Rα:
本発明の可溶性IL−18Rαは、IL−18Rαの細胞外ドメインのすべて又は一部を含む可溶性受容体である。特に、本発明の可溶性受容体は、ヒトIL−18Rα又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部を含む可溶性受容体である。上記可溶性受容体は、患者、好ましくはヒト患者における自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの症状を処置する、予防する、又は寛解させるために使用される。
「可溶性受容体」は、細胞膜に結合しない受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は、膜貫通ドメインの一部又はすべてを欠き、また細胞表面でのポリペプチドの保持を引き起こすであろう、たとえばグリコホスホイノシトール(gpi)を介した細胞膜に対する他の結合を欠く、最も共通した受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は、ポリペプチドが、ポリペプチドを産生する細胞から分泌される限り、膜貫通ドメインの一部及び/又は細胞質ドメインのすべて若しくは一部を含むものであってもよい。可溶性受容体は、後に本明細書で記載されるように、ポリペプチドの精製を提供する若しくは基質に対するポリペプチドの付着のための部位を提供する、親和性タグ等のさらなるアミノ酸残基、又は免疫グロブリン定常領域配列を含むことができる。可溶性IL−18Rα受容体は、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
IL−18Rαは、いわゆるIL−1Rファミリーのメンバーであり、3つの免疫グロブリン様ドメイン(Igドメイン)を含む細胞外ドメインを所有する。
IL−18Rαサブユニット及びその変異体(後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)」と命名される):
一態様では、本発明の可溶性受容体(Sol(IL−18Rα))は、配列番号2のアミノ酸残基19〜329又は上述のポリペプチドの変異体を含む又はそれからなる可溶性IL−18Rαである。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも275個のアミノ酸長であり、少なくとも300個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも311個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜329)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜329)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜329)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。参考のポリペプチド配列に関しての「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、いかなる保存的置換をも配列同一性の一部として考えないで、配列を整列させ、必要ならば、最大の配列同一性パーセントを達成するために、ギャップを導入した後、参考の配列のアミノ酸残基と同一である、配列候補中のアミノ酸残基の百分率として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアラインメントは、当分野の技術の範囲内にある様々な方法で、たとえば、BLAST等の公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成することができる(Altschul SF,Gish W,Miller W,Myers EW,Lipman DJ.J Mot Biol.(1990).215(3):403−410)。当業者は、比較されている配列の完全長に対する最大のアラインメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを判断するための適切なパラメータを決定することができる。
他の実施形態では、Sol(IL−18Rα)は、配列番号2のアミノ酸残基19〜219若しくは122〜329若しくはペプチド結合によって連結された19〜132及び213〜329を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも180個のアミノ酸長であり、少なくとも201個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも208個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも231個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜219又は122〜329又はペプチド結合によって連結された19〜132及び213〜329)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜219又は122〜329又はペプチド結合によって連結された19〜132及び213〜329)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜219又は122〜329又はペプチド結合によって連結された19〜132及び213〜329)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−18Rα)は、配列番号2のアミノ酸残基19〜132若しくは122〜219若しくは213〜329を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも90個のアミノ酸長であり、少なくとも98個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも114個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも117個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜132又は122〜219又は213〜329)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜132又は122〜219又は213〜329)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号2の残基19〜132又は122〜219又は213〜329)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
同じタンパク質骨格上に少なくとも2つのIL−18Rαサブユニット又はその変異体を含む可溶性IL−18Rα(「Sol(IL−18Rα)」と後に本明細書で命名される):
本発明の特定の態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、少なくとも2つのIL−18Rαサブユニット又はその変異体(つまり、本明細書で上記に定義される少なくとも2つのSol(IL−18Rα)サブユニット)を融合タンパク質として同じタンパク質骨格上に含む可溶性受容体である。特定の実施形態では、融合タンパク質は、2つのSol(IL−18Rα)サブユニットを含む。他の特定の実施形態では、少なくとも2つのSol(IL−18Rα)サブユニットは、同じであり(つまり、融合タンパク質はSol(IL−18Rα)のホモ多量体であり)、特定の実施形態では、融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)のホモ二量体である。
少なくとも2つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα))は、互いに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。
融合タンパク質としての可溶性IL−18Rα(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)):
本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、融合タンパク質を含む。したがって、本発明は、さらに、さらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結された、本明細書で上記に記載される少なくとも1つのIL−18Rαサブユニットまたその変異体を含むタンパク質(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))に関する。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)の配列の上流に(N末端)又は下流に(C末端)位置させてもよい。さらなるドメインは、たとえば融合タンパク質の安定性、ターゲティング、若しくは生物学的利用能の増加を提供する、精製若しくは産生を容易にする、又は分子にさらなる生物活性を付与する任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列、Hisタグ配列、多量体化ドメイン、免疫グロブリン分子の定常領域、又は米国特許第6,193,972号に記載されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)等のヘテロ二量体タンパク質ホルモンを含む。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びさらなるアミノ酸ドメインが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。また、必要な場合、融合タンパク質中に含まれるさらなるアミノ酸配列は、産生/精製プロセスの終了時に又はin vivoで、たとえば適切なエンド/エキソペプチダーゼによって取り除かれてもよい。たとえば、融合タンパク質に含まれるスペーサー配列は、in vivo又はin vitroで、酵素の開裂によって、さらなるアミノ酸ドメインから所望のポリペプチド変異体を分離するために使用することができる、エンドペプチダーゼ(カスパーゼ等)のための認識部位を含んでいてもよい。
Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)の多量体:
本発明の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)(本明細書で上記に定義される)は、多量体として産生される。多量体の各サブユニットは、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)を含む又はそれからなる。これらの多量体は、ホモ二量体可溶性受容体、ヘテロ二量体可溶性受容体、又は多量体可溶性受容体であってもよく、多量体受容体は、一般に、9個を超えるサブユニットを含まない、好ましくは6個を超えるサブユニットを含まない、さらに好ましくは3個を超えるサブユニットを含まない、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらの多量体可溶性受容体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)のホモ二量体である。一実施形態では、多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬又はポリペプチドリンカーを介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含む)。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びさらなるアミノ酸ドメインが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)の配列の上流に(N末端)又は下流に(C末端)位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、Sol(IL−18Rα)成分及び/又はSol(IL−18Rα)成分並びに二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分を含有する融合タンパク質の多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)配列及び/又はSol(IL−18Rα)配列(上記に定義される)を、二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、多量体は、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)の二量体であり、サブユニット(Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))は、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)並びに免疫グロブリンが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、サブユニット(Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))は、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)のC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα):Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又はSol(IL−18Rα):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)のホモ二量体である)。さらに詳細には、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)のサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα):Fc融合タンパク質をコードするDNA又はSol(IL−18Rα):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)並びに免疫グロブリンが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。たとえば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、別の又は同じSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)サブユニット及び/又はSol(IL−18Rα)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)のホモ二量体である)。
本発明の他の特定の態様では、多量体Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)のサブユニット(本明細書で上記に定義される)は、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらの多量体は、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)の二量体であり、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)のうちの一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、別の又は同じサブユニットSol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)の一方のサブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの一方のサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のSol(IL−18Rα)サブユニット及び/又はSol(IL−18Rα)サブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国特許第6,193,972号に開示されるように)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)サブユニット及び/又はSol(IL−18Rα)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)のホモ二量体である)。
Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
本発明の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)の多量体は、組換え抗体である。組換え抗体の技術は、たとえば米国特許第6,018,026号に記載される。その場合、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)の多量体は、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖並びに第2のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖及び/又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖を含む多量体ポリペプチド融合物であり、第1のポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα)並びに免疫グロブリン重鎖又は軽鎖定常領域が、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメイン及び免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、ヒト免疫グロブリン定常領域である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメインは、α、γ、μ、δ、又はεヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域からなる群から選択される。好ましくは、上述の定常領域は、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。好ましい実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域からなる群から選択される。免疫グロブリンからのアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)サブユニット及び/又はSol(IL−18Rα)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、抗体の構造を有する融合タンパク質:Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)に作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域からなるタンパク質を発現する。抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。したがって、結果として生じる分子は、2つのヘテロ二量体から構成されるホモ二量体であり、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
−第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
第2のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)は、軽鎖及び重鎖上で同じである(つまり組換え抗体は、同じである4つのSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットから構成される)。
一実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ1である。定常重鎖は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。
1.一実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
2.他の実施形態では、本発明は、上記第1項に定義される組換え抗体に関し、重鎖の定常領域は、γ1ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。
3.他の実施形態では、本発明は、上記第1又は2項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖の定常領域は、κヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である。
4.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、又は3項に定義される組換え抗体に関し、重鎖に作動可能に連結されたヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号2のアミノ酸残基19〜329又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
5.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、又は4項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖に作動可能に連結されたヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号2のアミノ酸残基19〜329又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
6.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、又は5項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
7.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4,5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
8.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、又は5項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
9.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、又は8項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
10.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、又は9項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。
11.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、又は9項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ1であり、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異される。
12.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
13.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
14.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、重鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
15.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、軽鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
2)少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18Rβ)及び/又はSol(IL−18Rβ))を含む可溶性IL−18Rα:
本発明の特定の態様では、自己免疫疾患又は脱髄疾患の症状、特にMSを処置する、予防する、又は寛解させるために使用される可溶性IL−18Rα受容体は、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに後に本明細書で定義される少なくとも1つのIL−18Rβサブユニットを含む可溶性受容体である。用語「可溶性受容体」は、上記に定義される。
IL−18Rβ(文献中でAcPL、IL−18RαcP、IL−1RacPL、又はIL−1R7とも命名される)は、IL−1受容体ファミリーのメンバーであり、3つの免疫グロブリン様ドメイン(Igドメイン)を含む細胞外ドメインを所有する。ヒトIL−18RβをコードするcDNAは、配列番号3に示される。このcDNAは、599個のアミノ酸長のタンパク質(配列番号4)をコードし、このタンパク質は、19個のアミノ酸のシグナルペプチド(配列番号4の残基1〜19)を含む、356個のアミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号4のN末端からC末端までの残基1〜356)、21個のアミノ酸の膜貫通領域(残基357〜377)、及び222個のアミノ酸の細胞質ドメイン(残基378〜599)を含む。
2.1 IL−18Rβサブユニット及びその変異体(「Sol(IL−18Rβ)」と後に本明細書で命名される):
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のIL−18Rβサブユニットは、IL−18Rβの細胞外ドメインのすべて又は一部、特にヒトIL−18Rβ又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部を含むポリペプチドである。
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18Rβ))は、配列番号4のアミノ酸残基20〜356を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも300個のアミノ酸長であり、少なくとも325個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも337個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜356)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜356)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜356)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−18Rβ)は、配列番号4のアミノ酸残基20〜250若しくは140〜356若しくはペプチド結合によって連結された20〜148及び236〜356を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも200個のアミノ酸長であり、少なくとも217個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも231個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも250個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜250又は140〜356又はペプチド結合によって連結された20〜148及び236〜356)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜250又は140〜356又はペプチド結合によって連結された20〜148及び236〜356)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜250又は140〜356又はペプチド結合によって連結された20〜148及び236〜356)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−18Rβ)は、配列番号4のアミノ酸残基20〜148若しくは140〜250若しくは236〜356を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも100個のアミノ酸長であり、少なくとも111個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも121個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも129個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜148又は140〜250又は236〜356)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜148又は140〜250又は236〜356)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号4の残基20〜148又は140〜250又は236〜356)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
2.2 同じタンパク質骨格上に少なくとも2つのIL−18Rβサブユニット又はその変異体を含む可溶性IL−18Rβ(後に本明細書で「Sol(IL−18Rβ)」と命名される):
後に本明細書で記載されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも2つのIL−18Rβサブユニット(少なくとも2つのSol(IL−18Rβ))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。少なくとも2つのIL−18Rβサブユニット(つまり本明細書で上記に定義される少なくとも2つのSol(IL−18Rβ)サブユニット)を含むこれらの可溶性IL−18Rβは、融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にあり、後に本明細書で「Sol(IL−18Rβ)」と命名される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、2つのSol(IL−18Rβ)サブユニットを含む。他の特定の実施形態では、少なくとも2つのSol(IL−18Rβ)サブユニットは、同じであり(つまり融合タンパク質は、Sol(IL−18Rβ)のホモ多量体であり)、特定の実施形態では、融合タンパク質は、Sol(IL−18Rβ)のホモ二量体である。
少なくとも2つのIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18Rβ))は、互いに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。
2.3 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ))を含む可溶性IL−18Rα:
本明細書で上記に開示されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。
2.3.1 同じタンパク質骨格上に少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ))を含む可溶性IL−18Rα(後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)」と命名される):
本発明の一態様では、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ)は、融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にある(これらの可溶性受容体は、後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)」と命名されることとなる)。この実施形態によれば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(IL−18Rβ)サブユニット又はSol(IL−18Rβ)サブユニットに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド連結を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(IL−18Rβ)サブユニット又はSol(IL−18Rβ)サブユニットに対して、上流に(タンパク質のN末端に対してより近くに)又は下流に(タンパク質のC末端に対してより近くに)位置させることができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、本明細書に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−18Rβ)サブユニットを含む。
2.3.2 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18β)又はSol(IL−18Rβ))を融合タンパク質として同じタンパク質骨格上に含む可溶性IL−18Rα(Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)):
他の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(IL−18Rβ)サブユニット又はSol(IL−18Rβ)サブユニットを含む融合タンパク質(Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ))は、それ自体、さらなるアミノ酸ドメインに「作動可能に連結される」。用語「作動可能に連結された」は、さらなるアミノ酸ドメインが、ペプチド結合を通して、直接又は本明細書で上記に定義される「ペプチドリンカー」を介して結びつけられることを示す。この様式では、この融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。さらなるアミノ酸ドメインは、(Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ))に対して、上流(N末端)又は下流(C末端)に位置させてもよい。この実施形態では、さらなるアミノ酸ドメインは、たとえば融合タンパク質の安定性、ターゲティング、若しくは生物学的利用能の増加を提供する、精製若しくは産生を容易にする、又は分子にさらなる生物活性を付与する任意の機能領域を含む。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列、Hisタグ配列、免疫グロブリン分子の定常領域、又は米国特許第6,193,972号に記載されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)等のヘテロ二量体タンパク質ホルモンを含む。また、必要な場合、融合タンパク質中に含まれるさらなるアミノ酸配列は、産生/精製プロセスの終了時に又はin vivoで、たとえば適切なエンド/エキソペプチダーゼによって取り除かれてもよい。たとえば、融合タンパク質に含まれるスペーサー配列は、in vivo又はin vitroで、酵素の開裂によって、さらなるアミノ酸ドメインから所望のポリペプチド変異体を分離するために使用することができる、エンドペプチダーゼ(カスパーゼ等)のための認識部位を含んでいてもよい。この実施形態の特定の態様では、(Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ))は、本明細書で上記に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−18Rβ)サブユニットを含む。
2.3.3 Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)の多量体:
特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)可溶性受容体は、多量体として産生される。多量体の各サブユニットは、1つのSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)を含む。これらの多量体は、ホモ二量体可溶性受容体、ヘテロ二量体可溶性受容体、又は多量体可溶性受容体であってもよく、多量体受容体は、一般に、9個を超えるサブユニットを含まない、好ましくは6個を超えるサブユニットを含まない、さらに好ましくは3個を超えるサブユニットを含まない、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらの多量体可溶性受容体は、本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)のホモ二量体である。一実施形態では、多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬又はポリペプチドリンカーを介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、各Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含む)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットの配列の上流に(N末端)又は下流に(C末端)位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットを含有する融合タンパク質の多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニット配列を二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、多量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)の二量体であり、サブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。この実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)のC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ):Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他方のSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)のホモ二量体である)。さらに詳細には、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)のサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)及び免疫グロブリンが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。たとえば、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、別の又は同じSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)のホモ二量体である)。
本発明の他の特定の態様では、多量体Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)(本明細書で上記に定義される)は、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらの多量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)の二量体であり、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)のうちの一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、別の又は同じサブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)の一方のサブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国特許第6,193,972号に開示されるように)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)のホモ二量体である)。
Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
2.3.4 ヘテロ多量体として、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ))を含む可溶性IL−18Rα:
特定の態様では、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ))を含む本発明の可溶性受容体は、ヘテロ多量体である。ヘテロ多量体の各サブユニットは、
− 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα))又は
− 少なくとも1つのIL−18Rβサブユニット(Sol(IL−18Rβ)若しくはSol(IL−18Rβ))を含む。
これらのヘテロ多量体は、一般に、9個を超えるサブユニット、好ましくは6個を超えるサブユニット、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらのヘテロ多量体可溶性受容体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)(上記に定義される)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ)(上記に定義される)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。一実施形態では、ヘテロ多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬を介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、ヘテロ多量体の各サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含んでいてもよい)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)又はSol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))及びSol(IL−18Rβ)サブユニット(複数可)又はSol(IL−18Rβ)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))に位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rβ)若しくはSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニットを含有する融合タンパク質のヘテロ多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)サブユニット配列又はSol(IL−18Rα)サブユニット配列及びSol(IL−18Rβ)サブユニット配列又はSol(IL−18Rβ)サブユニット配列を、二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、ヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。他の特定の態様では、ヘテロ二量体の2つのサブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。これらの実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、2つのサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、第1のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他方のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)」又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。たとえば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(IL−18Rβ)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができ(逆もまた同様)、又はSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(IL−18Rβ)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる(逆もまた同様)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
本発明の他の特定の態様では、ヘテロ多量体のサブユニットは、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらのヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−18Rβ)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体であり、一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、他方は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。これらのヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、1つのサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のサブユニット(Sol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国6,193,972に開示される)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
Sol(IL−18Rα)−(IL−18Rβ)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
一実施形態では、本発明の少なくとも1つのSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及び少なくとも1つのSol(IL−18Rβ)サブユニット又はSol(IL−18Rβ)サブユニットを含むヘテロ多量体は、組換え抗体である。組換え抗体の技術は、たとえば米国特許第6,018,026号に記載される。その場合、1つのSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ)の多量体は、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖及び第2のSol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖を含む多量体ポリペプチド融合物であり、一方のポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、他方のポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。一実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。他の実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−18Rβ)又はSol(IL−18Rβ)並びに免疫グロブリン重鎖又は軽鎖定常領域が、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメイン及び免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、ヒト免疫グロブリン定常領域である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメインは、α、γ、μ、δ、又はεヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域からなる群から選択される。好ましくは、上述の定常領域は、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。好ましい実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域からなる群から選択される。免疫グロブリンからのアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(IL−18Rβ)サブユニット又はSol(IL−18Rβ)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に対して連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、抗体の構造を有する融合タンパク質を発現する。得られた、結果として生じるタンパク質は、
− Sol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−18Rβ)サブユニット若しくはSol(IL−18Rβ)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域又は
− Sol(IL−18Rβ)サブユニット若しくはSol(IL−18Rβ)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域からなる。
抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
したがって、結果として生じる分子は、2つのヘテロ二量体から構成されるホモ二量体であり、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。又はホモ二量体は、2つのヘテロ二量体から構成され、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rβ)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。一実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ1である。定常重鎖は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。
1.一実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−18Rβの細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
2.他の特定の実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−18Rβの細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
3.他の実施形態では、本発明は、上記第1又は2項に定義される組換え抗体に関し、重鎖の定常領域は、γ1ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。
4.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、又は3項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖の定常領域は、κヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である。
5.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、又は4項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号2のアミノ酸残基19〜329又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
6.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、又は5項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rβの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号4のアミノ酸残基20〜356又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
7.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−18Rβの細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
8.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は7項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−18Rβの細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
9.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−18Rβの細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
10.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は9項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−18Rβの細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
11.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。
12.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ1であり、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させる。
13.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−18Rβの細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
14.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−18Rβの細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
15.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−18Rβの細胞外ドメインは、重鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
16.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−18Rβの細胞外ドメインは、軽鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
3)少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニット(Sol(IL−1RAcP)及び/又はSol(IL−1RAcP))を含む可溶性IL−18Rα:
本発明の特定の態様では、自己免疫疾患又は脱髄疾患の症状、特にMSを処置する、予防する、又は寛解させるために使用される可溶性IL−18Rα受容体は、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに後に本明細書で定義される少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニットを含む可溶性受容体である。用語「可溶性受容体」は、上記に定義される。
IL−1RAcP(文献中でIL1RAP、FLJ37788、又はIL1R3とも命名される)は、IL−1受容体ファミリーのメンバーであり、3つの免疫グロブリン様ドメイン(Igドメイン)を含む細胞外ドメインを所有する。ヒトIL−1RAcPをコードするcDNAは、配列番号5に示される。このcDNAは、570個のアミノ酸長のタンパク質(配列番号6)をコードし、このタンパク質は、20個のアミノ酸のシグナルペプチド(配列番号6の残基1〜20)を含む、367個のアミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号6のN末端からC末端までの残基1〜367)、21個のアミノ酸の膜貫通領域(残基368〜388)、及び182個のアミノ酸の細胞質ドメイン(残基389〜570)を含む。
3.1 IL−1RAcPサブユニット及びその変異体(「Sol(IL−1RAcP)」と後に本明細書で命名される):
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のIL−1RAcPサブユニットは、IL−1RAcPの細胞外ドメインのすべて又は一部、特にヒトIL−1RAcP又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部を含むポリペプチドである。
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のIL−1RAcPサブユニット(Sol(IL−1RAcP))は、配列番号6のアミノ酸残基21〜367を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも300個のアミノ酸長であり、少なくとも325個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも347個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜367)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜367)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜367)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−1RAcP)は、配列番号6のアミノ酸残基21〜241若しくは129〜367若しくはペプチド結合によって連結された21〜140及び231〜367を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも200個のアミノ酸長であり、少なくとも221個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも239個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも257個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜241又は129〜367又はペプチド結合によって連結された21〜140及び231〜367)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜241又は129〜367又はペプチド結合によって連結された21〜140及び231〜367)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜241又は129〜367又はペプチド結合によって連結された21〜140及び231〜367)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−1RAcP)は、配列番号6のアミノ酸残基21〜140若しくは129〜241若しくは231〜367を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも100個のアミノ酸長であり、少なくとも113個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも120個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも137個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜140又は129〜241又は231〜367)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜140又は129〜241又は231〜367)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号6の残基21〜140又は129〜241又は231〜367)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
3.2 同じタンパク質骨格上に少なくとも2つのIL−1RAcPサブユニット又はその変異体を含む可溶性IL−1RAcP(後に本明細書で「Sol(IL−1RAcP)」と命名される):
後に本明細書で記載されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも2つのIL−1RAcPサブユニット(少なくとも2つのSol(IL−1RAcP))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。少なくとも2つのIL−1RAcPサブユニット(つまり本明細書で上記に定義される少なくとも2つのSol(IL−1RAcP)サブユニット)を含むこれらの可溶性IL−1RAcPは、融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にあり、後に本明細書で「Sol(IL−1RAcP)」と命名される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、2つのSol(IL−1RAcP)サブユニットを含む。他の特定の実施形態では、少なくとも2つのSol(IL−1RAcP)サブユニットは、同じであり(つまり、融合タンパク質はSol(IL−1RAcP)のホモ多量体であり)、特定の実施形態では、融合タンパク質は、Sol(IL−1RAcP)のホモ二量体である。
少なくとも2つのIL−1RAcPサブユニットは、互いに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。
3.3 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニット(Sol(IL−1RAcP)又はSoI(IL−1RAcP))を含む可溶性IL−18Rα:
本明細書で上記に開示されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。
3.3.1 同じタンパク質骨格上に少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニット(Sol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP))を含む可溶性IL−18Rα(後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)」と命名される):
本発明の一態様では、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP)は、融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にある(これらの可溶性受容体は、後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)」と命名されることとなる)。この実施形態によれば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSo1(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(IL−1RAcP)サブユニット又はSol(IL−1RAcP)サブユニットに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド連結を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(IL−1RAcP)サブユニット又はSol(IL−1RAcP)サブユニットに対して、上流に(タンパク質のN末端に対してより近くに)又は下流に(タンパク質のC末端に対してより近くに)位置させることができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、本明細書に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−1RAcP)サブユニットを含む。
3.3.2 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニット(Sol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP))を融合タンパク質として同じタンパク質骨格上に含む可溶性IL−18Rα(Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)):
他の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(IL−1RAcP)サブユニット又はSol(IL−1RAcP)サブユニット(Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP))を含む融合タンパク質は、それ自体、さらなるアミノ酸ドメインに「作動可能に連結され」ている。用語「作動可能に連結された」は、さらなるアミノ酸ドメインが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、この融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)に対して、上流(N末端)又は下流(C末端)に位置させてもよい。この実施形態では、さらなるアミノ酸ドメインは、たとえば融合タンパク質の安定性、ターゲティング、若しくは生物学的利用能の増加を提供する、精製若しくは産生を容易にする、又は分子にさらなる生物活性を付与する任意の機能領域を含む。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列、Hisタグ配列、免疫グロブリン分子の定常領域、又は米国特許第6,193,972号に記載されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)等のヘテロ二量体タンパク質ホルモンを含む。また、必要な場合、融合タンパク質中に含まれるさらなるアミノ酸配列は、産生/精製プロセスの終了時に又はin vivoで、たとえば、適切な、エンド/エキソペプチダーゼによって取り除かれてもよい。たとえば、融合タンパク質に含まれるスペーサー配列は、in vivo又はin vitroで、酵素の開裂によって、さらなるアミノ酸ドメインから所望のポリペプチド変異体を分離するために使用することができる、エンドペプチダーゼ(カスパーゼ等)のための認識部位を含んでいてもよい。この実施形態の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)は、本明細書で上記に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−1RAcP)サブユニットを含む。
3.3.3 Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)の多量体:
特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)可溶性受容体は、多量体として産生される。多量体の各サブユニットは、1つのSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)を含む。これらの多量体は、ホモ二量体可溶性受容体、ヘテロ二量体可溶性受容体、又は多量体可溶性受容体であってもよく、多量体受容体は、一般に、9個を超えるサブユニットを含まない、好ましくは6個を超えるサブユニットを含まない、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらの多量体可溶性受容体は、本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)のホモ二量体である。一実施形態では、多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬又はポリペプチドリンカーを介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、各Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含む)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットの配列の上流に(N末端)又は下流に(C末端)位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットを含有する融合タンパク質の多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニット配列を、二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、多量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)の二量体であり、サブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。この実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)並びに1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)のC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP):Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他方のSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)のホモ二量体である)。さらに詳細には、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)のサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)及び免疫グロブリンが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。たとえば、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、別の又は同じSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)のホモ二量体である)。
本発明の他の特定の態様では、多量体Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)(本明細書で上記に定義される)のサブユニットは、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらの多量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)の二量体であり、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)のうちの一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、別の又は同じサブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)の一方のサブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国特許第6,193,972号に開示されるように)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)のホモ二量体である)。
Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
3.3.4 ヘテロ多量体として、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニット(Sol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP))を含む可溶性IL−18Rα:
特定の態様では、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニット(Sol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP))を含む本発明の可溶性受容体は、ヘテロ多量体である。ヘテロ多量体の各サブユニットは、
− 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα))又は
− 少なくとも1つのIL−1RAcPサブユニット(Sol(IL−1RAcP)若しくはSol(IL−1RAcP))を含む。
これらのヘテロ多量体は、一般に、9個を超えるサブユニット、好ましくは6個を超えるサブユニット、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらのヘテロ多量体可溶性受容体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)(上記に定義される)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP)(上記に定義される)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。一実施形態では、ヘテロ多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬を介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、ヘテロ多量体の各サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含んでいてもよい)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)又はSol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))及びSol(IL−1RAcP)サブユニット(複数可)又はSol(IL−1RAcP)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))に位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα)又はSol(IL−1RAcP)若しくはSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニットを含有する融合タンパク質のヘテロ多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット配列及びSol(IL−1RAcP)サブユニット又はSol(IL−1RAcP)サブユニット配列を二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、ヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。他の特定の態様では、ヘテロ二量体の2つのサブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。これらの実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、2つのサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、第1のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNA及び他方のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。たとえば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(IL−1RAcP)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができ(逆もまた同様)、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(IL−1RAcP)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる(又は逆もまた同様)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
本発明の他の特定の態様では、ヘテロ多量体のサブユニットは、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらのヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1RAcP)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体であり、一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、他方は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。これらのヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、1つのサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のサブユニット(Sol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国6,193,972に開示される)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
Sol(IL−18Rα)−(IL−1RAcP)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
一実施形態では、本発明の少なくとも1つのSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP)サブユニットを含むヘテロ多量体は、組換え抗体である。組換え抗体の技術は、たとえば米国特許第6,018,026号に記載される。その場合、1つのSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP)の多量体は、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖及び第2のSol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖を含む多量体ポリペプチド融合物であり、ポリペプチド鎖の一方は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、他方のポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。一実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。他の実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−1RAcP)又はSol(IL−1RAcP)並びに免疫グロブリン重鎖又は軽鎖定常領域が、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメイン及び免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、ヒト免疫グロブリン定常領域である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメインは、α、γ、μ、δ、又はεヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域からなる群から選択される。好ましくは、上述の定常領域は、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。好ましい実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域からなる群から選択される。免疫グロブリンからのアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(IL−1RAcP)サブユニット又はSol(IL−1RAcP)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に対して連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、抗体の構造を有する融合タンパク質を発現する。得られた、結果として生じるタンパク質は、
− Sol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−1RAcP)サブユニット若しくはSol(IL−1RAcP)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域又は
− Sol(IL−1RAcP)サブユニット若しくはSol(IL−1RAcP)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域からなる。
抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
したがって、結果として生じる分子は、2つのヘテロ二量体から構成されるホモ二量体であり、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
又はホモ二量体は、2つのヘテロ二量体から構成され、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1RAcP)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。一実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ1である。定常重鎖は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。
1.一実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
2.他の特定の実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
3.他の実施形態では、本発明は、上記第1又は2項に定義される組換え抗体に関し、重鎖の定常領域は、γ1ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。
4.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、又は3項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖の定常領域は、κヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である。
5.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、又は4項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号2のアミノ酸残基19〜329又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
6.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、又は5項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号6のアミノ酸残基21〜367又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
7.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
8.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は7項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
9.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
10.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は9項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
11.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。
12.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ1であり、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異される。
13.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
14.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
15.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインは、重鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
16.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1RAcPの細胞外ドメインは、軽鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
4)少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット(Sol(IL−1R−rp2)及び/又はSol(IL−1R−rp2))を含む可溶性IL−18Rα:
本発明の特定の態様では、自己免疫疾患又は脱髄疾患の症状、特にMSを処置する、予防する、又は寛解させるために使用される可溶性IL−18Rα受容体は、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに後に本明細書で定義される少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニットを含む可溶性受容体である。用語「可溶性受容体」は、上記に定義されている。
IL−1R−rp2(文献中でIL1RRP2とも命名される)は、IL−1受容体ファミリーのメンバーであり、3つの免疫グロブリン様ドメイン(Igドメイン)を含む細胞外ドメインを所有する。ヒトIL−1R−rp2をコードするcDNAは、配列番号7に示される。このcDNAは、575個のアミノ酸長のタンパク質(配列番号8)をコードし、このタンパク質は、19個のアミノ酸のシグナルペプチド(配列番号8の残基1〜19)を含む、335個のアミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号8のN末端からC末端までの残基1〜335)、21個のアミノ酸の膜貫通領域(残基336〜356)、及び219個のアミノ酸の細胞質ドメイン(残基357〜575)を含む。
4.1 IL−1R−rp2サブユニット及びその変異体(「Sol(IL−1R−rp2)」と後に本明細書で命名される):
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のIL−1R−rp2サブユニットは、IL−1R−rp2の細胞外ドメインのすべて又は一部、特にヒトIL−1R−rp2又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部を含むポリペプチドである。
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のIL−1R−rp2サブユニット(Sol(IL−1R−rp2))は、配列番号8のアミノ酸残基20〜335を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも280個のアミノ酸長であり、少なくとも300個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも316個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号8の残基20〜335)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(配列番号8の残基20〜335)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(配列番号8の残基20〜335)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−1R−rp2)は、配列番号8のアミノ酸残基20〜221若しくは112〜335若しくはペプチド結合によって連結された20〜125及び212〜335を含む若しくはからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも180個のアミノ酸長であり、少なくとも202個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも224個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも230個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号8の残基20〜221又は112〜335又はペプチド結合によって連結された20〜125及び212〜335)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号8の残基20〜221又は112〜335又はペプチド結合によって連結された20〜125及び212〜335)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号8の残基20〜221又は112〜335又はペプチド結合によって連結された20〜125及び212〜335)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−1R−rp2)は、配列番号8のアミノ酸残基20〜125若しくは112〜221若しくは212〜335を含む若しくはからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも95個のアミノ酸長であり、少なくとも106個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも110個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも124個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号8の残基20〜125又は112〜221又は212〜335)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号8の残基20〜125又は112〜221又は212〜335)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号8の残基20〜125又は112〜221又は212〜335)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
4.2 同じタンパク質骨格上に少なくとも2つのIL−1R−rp2サブユニット又はその変異体を含む可溶性IL−1R−rp2(「Sol(IL−1R−rp2)」と後に本明細書で命名される):
後に本明細書で記載されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも2つのIL−1R−rp2サブユニット(少なくとも2つのSol(IL−1R−rp2))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。少なくとも2つのIL−1R−rp2サブユニット(つまり本明細書で上記に定義される少なくとも2つのSol(IL−1R−rp2)サブユニット)を含むこれらの可溶性IL−1R−rp2は、融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にあり、後に本明細書で「Sol(IL−1R−rp2)」と命名される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、2つのSol(IL−1R−rp2)サブユニットを含む。他の特定の実施形態では、少なくとも2つのSol(IL−1R−rp2)サブユニットは、同じであり(つまり、融合タンパク質はSol(IL−1R−rp2)のホモ多量体であり)、特定の実施形態では、融合タンパク質は、Sol(IL−1R−rp2)のホモ二量体である。
少なくとも2つのIL−1R−rp2サブユニットは、互いに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。
4.3少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット(Sol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2))を含む可溶性IL−18Rα:
本明細書で上記に開示されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。
4.3.1 同じタンパク質骨格上に少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット(Sol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2))を含む可溶性IL−18Rα(後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)」と命名される):
本発明の一態様では、Sol(IL−18Rα)又はSo1(IL−18Rα)及びSol(IL−1R−rp2)又はSo1(IL−1R−rp2)は融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にある(これらの可溶性受容体は、後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)」と命名されることとなる)。この実施形態によれば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSo1(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(IL−1R−rp2)サブユニット又はSol(IL−1R−rp2)サブユニットに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド連結を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(IL−1R−rp2)サブユニット又はSol(IL−1R−rp2)サブユニットに対して、上流に(タンパク質のN末端に対してより近くに)又は下流に(タンパク質のC末端に対してより近くに)位置させることができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、本明細書に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−1R−rp2)サブユニットを含む。
4.3.2 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット(Sol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2))を融合タンパク質として同じタンパク質骨格上に含む可溶性IL−18Rα(Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)):
他の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(IL−1R−rp2)サブユニット又はSol(IL−1R−rp2)サブユニット(Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2))を含む融合タンパク質は、それ自体、さらなるアミノ酸ドメインに「作動可能に連結され」ている。用語「作動可能に連結された」は、さらなるアミノ酸ドメインが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、この融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)に対して、上流(N末端)又は下流(C末端)に位置させてもよい。この実施形態では、さらなるアミノ酸ドメインは、たとえば融合タンパク質の安定性、ターゲティング、若しくは生物学的利用能の増加を提供する、精製若しくは産生を容易にする、又は分子にさらなる生物活性を付与する任意の機能領域を含む。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列、Hisタグ配列、免疫グロブリン分子の定常領域、又は米国特許第6,193,972号に記載されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)等のヘテロ二量体タンパク質ホルモンを含む。また、必要な場合、融合タンパク質中に含まれるさらなるアミノ酸配列は、産生/精製プロセスの終了時に又はin vivoで、たとえば適切なエンド/エキソペプチダーゼによって取り除かれてもよい。たとえば、融合タンパク質に含まれるスペーサー配列は、in vivo又はin vitroで、酵素の開裂によって、さらなるアミノ酸ドメインから所望のポリペプチド変異体を分離するために使用することができる、エンドペプチダーゼ(カスパーゼ等)のための認識部位を含んでいてもよい。この実施形態の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)は、本明細書で上記に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−1R−rp2)サブユニットを含む。
4.3.3 Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)の多量体:
特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)可溶性受容体は、多量体として産生される。多量体の各サブユニットは、1つのSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)を含む。これらの多量体は、ホモ二量体可溶性受容体、ヘテロ二量体可溶性受容体、又は多量体可溶性受容体であってもよく、多量体受容体は、一般に、9個を超えるサブユニットを含まない、好ましくは6個を超えるサブユニットを含まない、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらの多量体可溶性受容体は、本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)のホモ二量体である。一実施形態では、多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬又はポリペプチドリンカーを介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、各Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含む)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットの配列の上流に(N末端)又は下流に(C末端)位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットを含有する融合タンパク質の多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2P)サブユニット配列を二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、多量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)の二量体であり、サブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。この実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)のC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2):Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他方のSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)のホモ二量体である)。さらに詳細には、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)のサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)及び免疫グロブリンが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。たとえば、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、別の又は同じSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)のホモ二量体である)。
本発明の他の特定の態様では、多量体Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)のサブユニット(本明細書で上記に定義される)は、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらの多量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)の二量体であり、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)のうちの一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、別の又は同じサブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)の一方のサブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国特許第6,193,972号に開示されるように)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)のホモ二量体である)。
Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
4.3.4 ヘテロ多量体として、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット(Sol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2))を含む可溶性IL−18Rα:
特定の態様では、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット(Sol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2))を含む本発明の可溶性受容体は、ヘテロ多量体である。ヘテロ多量体の各サブユニットは、
− 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα))又は
− 少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニット(Sol(IL−1R−rp2)若しくはSol(IL−1R−rp2))を含む。
これらのヘテロ多量体は、一般に、9個を超えるサブユニット、好ましくは6個を超えるサブユニット、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらのヘテロ多量体可溶性受容体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)(上記に定義される)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2)(上記に定義される)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。一実施形態では、ヘテロ多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬を介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、ヘテロ多量体の各サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含んでいてもよい)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)又はSol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))及びSol(IL−1R−rp2)サブユニット(複数可)又はSol(IL−1R−rp2)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))に位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα)又はSol(IL−1R−rp2)若しくはSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニットを含有する融合タンパク質のヘテロ多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)サブユニット配列又はSol(IL−18Rα)サブユニット配列及びSol(IL−1R−rp2)サブユニット配列又はSol(IL−1R−rp2)サブユニット配列を二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、ヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。他の特定の態様では、ヘテロ二量体の2つのサブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。これらの実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、2つのサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、第1のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他方のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット、及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。たとえば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(IL−1R−rp2)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができ(逆もまた同様)、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(IL−1R−rp2)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる(又は逆もまた同様)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
本発明の他の特定の態様では、ヘテロ多量体のサブユニットは、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらのヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−rp2)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体であり、一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、他方は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。これらのヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、1つのサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のサブユニット(Sol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国特許第6,193,972号に開示される)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−rp2)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
一実施形態では、本発明の少なくとも1つのSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−1R−rp2)サブユニット又はSol(IL−1R−rp2)サブユニットを含むヘテロ多量体は、組換え抗体である。組換え抗体の技術は、たとえば米国特許第6,018,026号に記載される。その場合、1つのSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2)の多量体は、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖及び第2のSol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖を含む多量体ポリペプチド融合物であり、ポリペプチド鎖の一方は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、他方のポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。一実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。他の実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−1R−rp2)又はSol(IL−1R−rp2)並びに免疫グロブリン重鎖又は軽鎖定常領域が、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメイン及び免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、ヒト免疫グロブリン定常領域である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメインは、α、γ、μ、δ、又はεヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域からなる群から選択される。好ましくは、上述の定常領域は、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。好ましい実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域からなる群から選択される。免疫グロブリンからのアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(IL−1R−rp2)サブユニット又はSol(IL−1R−rp2)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に対して連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、抗体の構造を有する融合タンパク質を発現する。得られた、結果として生じるタンパク質は、
− Sol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−1R−rp2)サブユニット若しくはSol(IL−1R−rp2)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域又は
− Sol(IL−1R−rp2)サブユニット若しくはSol(IL−1R−rp2)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域からなる。
抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
したがって、結果として生じる分子は、2つのヘテロ二量体から構成されるホモ二量体であり、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
又はホモ二量体は、2つのヘテロ二量体から構成され、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−rp2)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。一実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ1である。定常重鎖は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。
1.一実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
2.他の特定の実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
3.他の実施形態では、本発明は、上記第1又は2項に定義される組換え抗体に関し、重鎖の定常領域は、γ1ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。
4.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、又は3項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖の定常領域は、κヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である。
5.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、又は4項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号2のアミノ酸残基19〜329又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
6.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、又は5項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号8のアミノ酸残基20〜335又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
7.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4,5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
8.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は7項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
9.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4,5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
10.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は9項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
11.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。
12.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ1であり、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異される。
13.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
14.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
15.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインは、重鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
16.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−rp2の細胞外ドメインは、軽鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
5)少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに少なくとも1つのT1/ST2サブユニット(Sol(T1/ST2)及び/又はSol(T1/ST2))を含む可溶性IL−18Rα:
本発明の特定の態様では、自己免疫疾患又は脱髄疾患の症状、特にMSを処置する、予防する、又は寛解させるために使用される可溶性IL−18Rα受容体は、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに後に本明細書で定義される少なくとも1つのT1/ST2サブユニットを含む可溶性受容体である。用語「可溶性受容体」は、上記に定義されている。
T1/ST2(文献中でDER4、FIT−1、MGC32623、ST2L、又はST2Vとも命名される)は、IL−1受容体ファミリーのメンバーであり、3つの免疫グロブリン様ドメイン(Igドメイン)を含む細胞外ドメインを所有する。ヒトT1/ST2をコードするcDNAは、配列番号9に示される。このcDNAは、556個のアミノ酸長のタンパク質(配列番号10)をコードし、このタンパク質は、18個のアミノ酸のシグナルペプチド(配列番号10の残基1〜18)を含む、328個のアミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号10のN末端からC末端までの残基1〜328);21個のアミノ酸の膜貫通領域(残基329〜349)、及び207個のアミノ酸の細胞質ドメイン(残基350〜556)を含む。
5.1 T1/ST2サブユニット及びその変異体(「Sol(T1/ST2)」と後に本明細書で命名される):
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のT1/ST2サブユニットは、T1/ST2の細胞外ドメインのすべて又は一部、特にヒトT1/ST2又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部を含むポリペプチドである。
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のT1/ST2サブユニット(Sol(T1/ST2))は、配列番号10のアミノ酸残基19〜328を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも280個のアミノ酸長であり、少なくとも300個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも310個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜328)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜328)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜328)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(T1/ST2)は、配列番号10のアミノ酸残基19〜211又は104〜328又はペプチド結合によって連結された19〜113及び198〜328を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも180個のアミノ酸長であり、少なくとも193個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも225個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも226個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜211又は104〜328又はペプチド結合によって連結された19〜113及び198〜328)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜211又は104〜328又はペプチド結合によって連結された19〜113及び198〜328)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜211又は104〜328又はペプチド結合によって連結された19〜113及び198〜328)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(T1/ST2)は、配列番号10のアミノ酸残基19〜113若しくは104〜211若しくは198〜328を含む若しくはそれからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも85個のアミノ酸長であり、少なくとも95個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも108個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも131個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜113又は104〜211又は198〜328)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜113又は104〜211又は198〜328)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号10の残基19〜113又は104〜211又は198〜328)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
5.2 同じタンパク質骨格上に少なくとも2つのT1/ST2サブユニット又はその変異体を含む可溶性T1/ST2(「Sol(T1/ST2)」と後に本明細書で命名される):
後に本明細書で記載されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも2つのT1/ST2サブユニット(少なくとも2つのSol(T1/ST2))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。少なくとも2つのT1/ST2サブユニット(つまり本明細書で上記に定義される少なくとも2つのSol(T1/ST2)サブユニット)を含むこれらの可溶性T1/ST2は、融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にあり、後に本明細書で「Sol(T1/ST2)」と命名される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、2つのSol(T1/ST2)サブユニットを含む。他の特定の実施形態では、少なくとも2つのSol(T1/ST2)サブユニットは同じであり(つまり融合タンパク質は、Sol(T1/ST2)のホモ多量体であり)、特定の実施形態では、融合タンパク質は、Sol(T1/ST2)のホモ二量体である。
少なくとも2つのT1/ST2サブユニットは、互いに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。
5.3 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのT1/ST2サブユニット(Sol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2))を含む可溶性IL−18Rα:
本明細書で上記に開示されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのT1/ST2サブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。
5.3.1 同じタンパク質骨格上に少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのT1/ST2サブユニット(Sol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2))を含む可溶性IL−18Rα(「Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)」と後に本明細書で命名される):
本発明の一態様では、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2)は、融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にある(これらの可溶性受容体は、後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)」と命名されることとなる)。この実施形態によれば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(T1/ST2)サブユニット又はSol(T1/ST2)サブユニットに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド連結を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(T1/ST2)サブユニット又はSol(T1/ST2)サブユニットに対して、上流に(タンパク質のN末端に対してより近くに)又は下流に(タンパク質のC末端に対してより近くに)位置させることができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、本明細書に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(T1/ST2)サブユニットを含む。
5.3.2 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのT1/ST2サブユニット(Sol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2))を融合タンパク質として同じタンパク質骨格上に含む可溶性IL−18Rα(Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)):
他の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(T1/ST2)サブユニット又はSol(T1/ST2)サブユニット(Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2))を含む融合タンパク質は、それ自体、さらなるアミノ酸ドメインに「作動可能に連結され」ている。用語「作動可能に連結された」は、さらなるアミノ酸ドメインが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、この融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)に対して、上流(N末端)又は下流(C末端)に位置させてもよい。この実施形態では、さらなるアミノ酸ドメインは、たとえば融合タンパク質の安定性、ターゲティング、若しくは生物学的利用能の増加を提供する、精製若しくは産生を容易にする、又は分子にさらなる生物活性を付与する任意の機能領域を含む。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列、Hisタグ配列、免疫グロブリン分子の定常領域、又は米国特許第6,193,972号に記載されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)等のヘテロ二量体タンパク質ホルモンを含む。また、必要な場合、融合タンパク質中に含まれるさらなるアミノ酸配列は、産生/精製プロセスの終了時に又はin vivoで、たとえば適切なエンド/エキソペプチダーゼによって取り除かれてもよい。たとえば、融合タンパク質に含まれるスペーサー配列は、in vivo又はin vitroで、酵素の開裂によって、さらなるアミノ酸ドメインから所望のポリペプチド変異体を分離するために使用することができる、エンドペプチダーゼ(カスパーゼ等)のための認識部位を含んでいてもよい。この実施形態の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)は、本明細書で上記に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(T1/ST2)サブユニットを含む。
5.3.3 Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)の多量体:
特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)可溶性受容体は、多量体として産生される。多量体の各サブユニットは、1つのSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)を含む。これらの多量体は、ホモ二量体可溶性受容体、ヘテロ二量体可溶性受容体、又は多量体可溶性受容体であってもよく、多量体受容体は、一般に、9個を超えるサブユニットを含まない、好ましくは6個を超えるサブユニットを含まない、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらの多量体可溶性受容体は、本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)のホモ二量体である。一実施形態では、多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬又はポリペプチドリンカーを介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、各Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含む)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットの配列の上流に(N末端)又は下流に(C末端)位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットを含有する融合タンパク質の多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニット配列を二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、多量体は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)の二量体であり、サブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。この実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)のC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2):Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他方のSol(IL−18Rα)−(T1/ST2):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)のホモ二量体である)。さらに詳細には、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)のサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)及び免疫グロブリンが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。たとえば、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、別の又は同じSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)のホモ二量体である)。
本発明の他の特定の態様では、多量体Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)のサブユニット(本明細書で上記に定義される)は、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらの多量体は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)の二量体であり、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)のうちの一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、別の又は同じサブユニットSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)の一方のサブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国特許第6,193,972号に開示されるように)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(T1/ST2)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)のホモ二量体である)。
Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
5.3.4 ヘテロ多量体として、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのT1/ST2サブユニット(Sol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2))を含む可溶性IL−18Rα:
特定の態様では、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのT1/ST2サブユニット(Sol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2))を含む本発明の可溶性受容体は、ヘテロ多量体である。ヘテロ多量体の各サブユニットは、
− 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα))又は
− 少なくとも1つのT1/ST2サブユニット(Sol(T1/ST2)若しくはSol(T1/ST2))を含む。
これらのヘテロ多量体は、一般に、9個を超えるサブユニット、好ましくは6個を超えるサブユニット、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらのヘテロ多量体可溶性受容体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)(上記に定義される)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2)(上記に定義される)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。一実施形態では、ヘテロ多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬を介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、ヘテロ多量体の各サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含んでいてもよい)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)又はSol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))及びSol(T1/ST2)サブユニット(複数可)又はSol(T1/ST2)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))に位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα)又はSol(T1/ST2)若しくはSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニットを含有する融合タンパク質のヘテロ多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)サブユニット配列又はSol(IL−18Rα)サブユニット配列及びSol(T1/ST2)サブユニット配列又はSol(T1/ST2)サブユニット配列を二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、ヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。他の特定の態様では、ヘテロ二量体の2つのサブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。これらの実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、2つのサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、第1のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他方のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。たとえば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(T1/ST2)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができ(逆もまた同様)、又はSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(T1/ST2)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる(逆もまた同様)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
本発明の他の特定の態様では、ヘテロ多量体のサブユニットは、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらのヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(T1/ST2)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体であり、一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、他方は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。これらのヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、一方のサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のサブユニット(Sol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国6,193,972に開示される)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
Sol(IL−18Rα)−(T1/ST2)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
一実施形態では、本発明の少なくとも1つのSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及び少なくとも1つのSol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2)サブユニットを含むヘテロ多量体は、組換え抗体である。組換え抗体の技術は、たとえば米国特許第6,018,026号に記載される。その場合、1つのSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2)の多量体は、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖及び第2のSol(T1/ST2)ポリペプチド鎖又はSol(T1/ST2)ポリペプチド鎖を含む多量体ポリペプチド融合物であり、ポリペプチド鎖の一方は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、他方のポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。一実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(T1/ST2)ポリペプチド鎖又はSol(T1/ST2)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。他の実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(T1/ST2)ポリペプチド鎖又はSol(T1/ST2)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(T1/ST2)又はSol(T1/ST2)並びに免疫グロブリン重鎖又は軽鎖定常領域が、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメイン及び免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、ヒト免疫グロブリン定常領域である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメインは、α、γ、μ、δ、又はεヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域からなる群から選択される。好ましくは、上述の定常領域は、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。好ましい実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域からなる群から選択される。免疫グロブリンからのアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(T1/ST2)サブユニット又はSol(T1/ST2)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に対して連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、抗体の構造を有する融合タンパク質を発現する。得られた、結果として生じるタンパク質は、
− Sol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(T1/ST2)サブユニット若しくはSol(T1/ST2)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域又は
− Sol(T1/ST2)サブユニット若しくはSol(T1/ST2)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域からなる。
抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
したがって、結果として生じる分子は、2つのヘテロ二量体から構成されるホモ二量体であり、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(T1/ST2)ポリペプチド鎖又はSol(T1/ST2)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
又はホモ二量体は、2つのヘテロ二量体から構成され、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(T1/ST2)ポリペプチド鎖又はSol(T1/ST2)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。一実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ1である。定常重鎖は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。
1.一実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトT1/ST2の細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
2.他の特定の実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトT1/ST2の細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
3.他の実施形態では、本発明は、上記第1又は2項に定義される組換え抗体に関し、重鎖の定常領域は、γ1ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。
4.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、又は3項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖の定常領域は、κヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である。
5.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、又は4項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号2のアミノ酸残基19〜329又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
6.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、又は5項に定義される組換え抗体に関し、ヒトT1/ST2の細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号10のアミノ酸残基19〜328又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
7.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトT1/ST2の細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
8.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は7項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトT1/ST2の細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
9.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトT1/ST2の細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
10.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は9項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトT1/ST2の細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
11.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。
12.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ1であり、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異される。
13.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトT1/ST2の細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
14.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトT1/ST2の細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
15.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトT1/ST2の細胞外ドメインは、重鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
16.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトT1/ST2の細胞外ドメインは、軽鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
6)少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに少なくとも1つのIL−1R−1サブユニット(Sol(IL−1R−1)及び/又はSol(IL−1R−1))を含む可溶性IL−18Rα:
本発明の特定の態様では、自己免疫疾患又は脱髄疾患の症状、特にMSを処置する、予防する、又は寛解させるために使用される可溶性IL−18Rα受容体は、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)及び/又はSol(IL−18Rα))並びに後に本明細書で定義される少なくとも1つのIL−1R−1サブユニットを含む可溶性受容体である。用語「可溶性受容体」は、上記に定義されている。
IL−1R−1(文献中でインターロイキン−1受容体I型、IL−1RT1、IL−1R−アルファ、p80、又はCD121a抗原とも命名される)は、IL−1受容体ファミリーのメンバーであり、3つの免疫グロブリン様ドメイン(Igドメイン)を含む細胞外ドメインを所有する。ヒトIL−1R−1をコードするcDNAは、配列番号17に示される。このcDNAは、569個のアミノ酸長のタンパク質(配列番号18)をコードし、このタンパク質は、17個のアミノ酸のシグナルペプチド(配列番号18の残基1〜17)を含む、336個のアミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号18のN末端からC末端までの残基1〜336)、20個のアミノ酸の膜貫通領域(残基337〜356)、及び213個のアミノ酸の細胞質ドメイン(残基357〜569)を含む。
6.1 IL−1R−1サブユニット及びその変異体(「Sol」(IL−1R−1)と後に本明細書で命名される):
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のIL−1R−1サブユニットは、IL−1R−1の細胞外ドメインのすべて又は一部、特にヒトIL−1R−1又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部を含むポリペプチドである。
一態様では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体のIL−1R−1サブユニット(Sol(IL−1R−1))は、配列番号18のアミノ酸残基18〜336を含む若しくはからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも290個のアミノ酸長であり、少なくとも310個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも319個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号18の残基18〜336)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号18の残基18〜336)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号18の残基18〜336)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−1R−1)は、配列番号18のアミノ酸残基18〜225若しくは111〜336若しくはペプチド結合によって連結された18〜117及び211〜336を含む若しくはからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも100個のアミノ酸長であり、少なくとも126個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも208個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも226個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で、配列番号18のアミノ酸残基18〜225若しくは111〜336若しくはペプチド結合によって連結された18〜117及び211〜336)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(配列番号18のアミノ酸残基18〜225若しくは111〜336若しくはペプチド結合によって連結された18〜117及び211〜336)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(配列番号18のアミノ酸残基18〜225若しくは111〜336若しくはペプチド結合によって連結された18〜117及び211〜336)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
他の実施形態では、Sol(IL−1R−1)は、配列番号18のアミノ酸残基18〜117若しくは111〜225若しくは211〜336を含む若しくはからなるポリペプチド又は上述のポリペプチドの変異体である。通常、変異体ポリペプチドは、少なくとも90個のアミノ酸長であり、少なくとも100個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも115個のアミノ酸長であることが多く、少なくとも126個のアミノ酸長であることがより多い。変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号18の残基18〜117又は111〜225又は211〜336)と、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドとして定義される。より好ましくは、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号18の残基18〜117又は111〜225又は211〜336)と、5個だけ、より好ましくは4個だけ、さらに好ましくは3個だけ、さらに好ましくは2個だけ、最も好ましくは1個だけアミノ酸が異なっている。本発明のいくつかの特定の態様では、変異体は、参考の配列(本明細書で配列番号18の残基18〜117又は111〜225又は211〜336)と、N末端及び/又はC末端で、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸の欠如分だけ異なっている。遺伝子コードを使用する当業者は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、本明細書で上記のように定義される。
6.2 同じタンパク質骨格上に少なくとも2つのIL−1R−1サブユニット又はその変異体を含む可溶性IL−1R−1(「Sol(IL−1R−1)」と後に本明細書で命名される):
後に本明細書で記載されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも2つのIL−1R−1サブユニット(少なくとも2つのSol(IL−1R−1))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。少なくとも2つのIL−1R−1サブユニット(つまり本明細書で上記に定義される少なくとも2つのSol(IL−1R−1)サブユニット)を含むこれらの可溶性IL−1R−1は、融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にあり、「Sol(IL−1R−1)」と後に本明細書で命名される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、2つのSol(IL−1R−1)サブユニットを含む。他の特定の実施形態では、少なくとも2つのSol(IL−1R−1)サブユニットは、同じであり(つまり融合タンパク質は、Sol(IL−1R−1)のホモ多量体であり)、特定の実施形態では、融合タンパク質は、Sol(IL−1R−1)のホモ二量体である。
少なくとも2つのIL−1R−1サブユニットは、互いに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。
6.3 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−1サブユニット(Sol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1))を含む可溶性IL−18Rα:
本明細書で上記に開示されるように、本発明は、他の態様の中で、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び1つのIL−1R−1サブユニット(本明細書で上記に定義されるSol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1))を含む可溶性IL−18Rα受容体に関する。
6.3.1 同じタンパク質骨格上に少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−1サブユニット(Sol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1))を含む可溶性IL−18Rα(「Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)」と後に本明細書で命名される):
本発明の一態様では、Sol(IL−18Rα)又はSo1(IL−18Rα)、及びSol(IL−1R−1)又はSo1(IL−1R−1)は融合タンパク質として同じタンパク質骨格上にある(これらの可溶性受容体は、後に本明細書で「Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)」と命名されることとなる)。この実施形態によれば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSo1(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(IL−1R−1)サブユニット又はSol(IL−1R−1)サブユニットに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、サブユニットがペプチド連結を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、Sol(IL−1R−1)サブユニット又はSol(IL−1R−1)サブユニットに対して、上流に(タンパク質のN末端に対してより近くに)又は下流に(タンパク質のC末端に対してより近くに)位置させることができる。サブユニットは、直接又は「ペプチドリンカー」を介して連結される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、本明細書に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−1R−1)サブユニットを含む。
6.3.2 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−1サブユニット(Sol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1))を融合タンパク質として同じタンパク質骨格上に含む可溶性IL−18Rα(Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)):
他の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(IL−1R−1)サブユニット又はSol(IL−1R−1)サブユニット(Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1))を含む融合タンパク質は、それ自体、さらなるアミノ酸ドメインに「作動可能に連結され」ている。用語「作動可能に連結された」は、さらなるアミノ酸ドメインが、ペプチド結合を通して、直接又は本明細書で上記に定義される「ペプチドリンカー」を介して結びつけられることを示す。この様式では、この融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)に対して、上流(N末端)又は下流(C末端)に位置させてもよい。この実施形態では、さらなるアミノ酸ドメインは、たとえば融合タンパク質の安定性、ターゲティング、若しくは生物学的利用能の増加を提供する、精製若しくは産生を容易にする、又は分子にさらなる生物活性を付与する任意の機能領域を含む。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列、Hisタグ配列、免疫グロブリン分子の定常領域、又は米国特許第6,193,972号に記載されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)等のヘテロ二量体タンパク質ホルモンを含む。また、必要な場合、融合タンパク質中に含まれるさらなるアミノ酸配列は、産生/精製プロセスの終了時に又はin vivoで、たとえば適切なエンド/エキソペプチダーゼによって取り除かれてもよい。たとえば、融合タンパク質に含まれるスペーサー配列は、in vivo又はin vitroで、酵素の開裂によって、さらなるアミノ酸ドメインから所望のポリペプチド変異体を分離するために使用することができる、エンドペプチダーゼ(カスパーゼ等)のための認識部位を含んでいてもよい。この実施形態の特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)は、本明細書で上記に定義される1つのSol(IL−18Rα)サブユニット及び1つのSol(IL−1R−1)サブユニットを含む。
6.3.3 Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)の多量体:
特定の態様では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)可溶性受容体は、多量体として産生される。多量体の各サブユニットは、1つのSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)を含む。これらの多量体は、ホモ二量体可溶性受容体、ヘテロ二量体可溶性受容体、又は多量体可溶性受容体であってもよく、多量体受容体は、一般に、9個を超えるサブユニットを含まない、好ましくは6個を超えるサブユニットを含まない、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらの多量体可溶性受容体は、本明細書で上記に定義されるSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)のホモ二量体である。一実施形態では、多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬又はポリペプチドリンカーを介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、各Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含む)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットの配列の上流に(N末端)又は下流に(C末端)位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットを含有する融合タンパク質の多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニット配列を二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、多量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)の二量体であり、サブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。この実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)のC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1):Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他のSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)のホモ二量体である)。さらに詳細には、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)のサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。上記融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1):Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)及び免疫グロブリンが、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。たとえば、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、別の又は同じSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)のホモ二量体である)。
本発明の他の特定の態様では、多量体Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)のサブユニット(本明細書で上記に定義される)は、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらの多量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)の二量体であり、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)のうちの一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、別の又は同じサブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)の二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)の一方のサブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットをコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国特許第6,193,972号に開示されるように)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。特定の実施形態では、サブユニットSol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)は、各単量体に関して同じである(つまり二量体は、Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)のホモ二量体である)。
Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
6.3.4 ヘテロ多量体として、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−1サブユニット(Sol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1))を含む可溶性IL−18Rα:
特定の態様では、少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))及び少なくとも1つのIL−1R−1サブユニット(Sol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1))を含む本発明の可溶性受容体は、ヘテロ多量体である。ヘテロ多量体の各サブユニットは、
− 少なくとも1つのIL−18Rαサブユニット(Sol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα))又は
− 少なくとも1つのIL−1R−1サブユニット(Sol(IL−1R−1)若しくはSol(IL−1R−1))を含む。
これらのヘテロ多量体は、一般に、9個を超えるサブユニット、好ましくは6個を超えるサブユニット、さらに好ましくは3個を超えるサブユニット、最も好ましくは2個を超えるサブユニットを含まない。好ましくは、これらのヘテロ多量体可溶性受容体は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)(上記に定義される)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1)(上記に定義される)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。一実施形態では、ヘテロ多量体のサブユニットは、共有結合を介して連結される。サブユニットは、架橋試薬を介する等での任意の適した手段によって共有結合で連結されてもよい。他の実施形態では、サブユニットは、非共有結合を介して連結される。
一実施形態では、ヘテロ多量体の各サブユニットは、サブユニットの多量体化を提供するさらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結される(特に、さらなるドメインは、サブユニットの二量体化を提供する任意の機能領域を含んでいてもよい)。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。さらなるアミノ酸ドメインは、Sol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)又はSol(IL−18Rα)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))及びSol(IL−1R−1)サブユニット(複数可)又はSol(IL−1R−1)サブユニット(複数可)の配列の上流(N末端)又は下流(C末端)(好ましくは下流(C末端))に位置させてもよい。この様式では、融合タンパク質は、同じ物をコードする核酸分子の宿主細胞中での直接的な発現によって、組換えで産生することができる。これらの実施形態では、本発明の可溶性IL−18Rα受容体は、二量体等の高次構造を形成するために他の融合タンパク質中に存在する多量体形成成分と相互作用することができる多量体形成成分に作動可能に連結されたSol(IL−18Rα)若しくはSol(IL−18Rα)又はSol(IL−1R−1)若しくはSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニットを含有する融合タンパク質のヘテロ多量体である。この種類の融合タンパク質は、Sol(IL−18Rα)サブユニット配列又はSol(IL−18Rα)サブユニット配列及びSol(IL−1R−1)サブユニット配列又はSol(IL−1R−1)サブユニット配列を二量体、三量体等の形成を可能にする、他のタンパク質から単離されたドメインに作動可能に連結することにより調製されてもよい。本発明のIL−18Rα可溶性受容体の多量体化を可能にするタンパク質配列についての例は、免疫グロブリン、hCG(国際公開第97/30161号)、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
特定の態様では、ヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体である。他の特定の態様では、ヘテロ二量体の2つのサブユニットは、免疫グロブリンに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。これらの実施形態では、サブユニットは、免疫グロブリン、詳細にはヒト免疫グロブリン、さらに詳細にはヒト免疫グロブリンのFc部分のすべて又は一部に作動可能に連結される。典型的に、ヒト免疫グロブリンのFc部分は、2つの定常領域ドメイン(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)及び1つのヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠く(たとえば米国特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照されたい)。免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM並びに任意のサブクラス又はアイソタイプ、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4;IgA−1及びIgA−2を含む免疫グロブリンの主要なクラスのいずれかから選択されてもよい。一実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG4であり、ヒトIgG4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1である。Fc部は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。普通、2つのサブユニットは、同じ免疫グロブリンに作動可能に連結される(詳細にはヒト免疫グロブリン、たとえばヒトIgG4又はヒトIgG1のFc部分に対して)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。上記融合タンパク質は、第1のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNA及び/又は他方のサブユニット:Fc融合タンパク質をコードするDNAを用いて細胞を形質移入し、同じ細胞中で二量体を発現させることにより調製することができる。サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。たとえばCurrent Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992中のHollenbaugh及びAruffo「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」(Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins)又は国際公開第01/03737号に記載されている方法等の、免疫グロブリン融合タンパク質を作製するための方法は、当技術分野でよく知られている。
あるいは、本発明のSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方を免疫グロブリン重鎖の定常領域に作動可能に連結し、他方の受容体サブユニットを免疫グロブリン軽鎖の定常領域に作動可能に連結することによって調製することができる。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。たとえば、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(IL−1R−1)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができ(逆もまた同様)、又はSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニットは、ヒトIgG1のCH−ヒンジ−CH2−CH3領域に作動可能に連結することができ、Sol(IL−1R−1)サブユニットは、Igカッパ軽鎖のCカッパ領域に作動可能に連結することができる(逆もまた同様)。免疫グロブリンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、サブユニットをそれぞれ含有する重鎖/軽鎖ヘテロ二量体を発現する。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
本発明の他の特定の態様では、ヘテロ多量体のサブユニットは、非共有結合を介して連結される。サブユニットの非共有結合は、その生物活性(つまりMSの症状を低下させるためのその能力)を妨害しない任意の適した手段によって達成されてもよい。特定の態様では、これらのヘテロ多量体は、Sol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニット又はSol(IL−18Rα)からなる1つのサブユニット及びSol(IL−1R−1)からなる1つのサブユニットを含むヘテロ二量体であり、一方のサブユニットは、第1の化合物に作動可能に連結され、他方は、第1の化合物に非共有結合するであろう第2の化合物に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、本明細書で上記に定義されるとおりである。上記化合物の例は、ビオチン及びアビジンである。これらのヘテロ二量体は、受容体サブユニットのうちの一方をビオチンに作動可能に連結し、他方のサブユニットをアビジンに作動可能に連結することにより調製することができる。したがって、受容体は、アビジンとのビオチンの非共有相互作用を通して形成される。他の例は、ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットを含む。これらの実施形態では、一方のサブユニット(Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンのサブユニットをコードするDNA構築物に対して融合され、他方のサブユニット(Sol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1))をコードするDNA構築物は、hCG等のヘテロ二量体タンパク質性ホルモンの他方のサブユニットをコードするDNAに対して融合される(米国特許第6,193,972号に開示される)。これらのDNA構築物は、同じ細胞中で同時発現され、各同時発現する配列が、発現に際してヘテロ二量体を形成するように、対応するホルモンサブユニットを含有するので、ヘテロ二量体受容体融合タンパク質の発現につながる。ヘテロ二量体タンパク質性ホルモンに由来するアミノ酸配列は、サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に連結されてもよい。両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。
Sol(IL−18Rα)−(IL−1R−1)サブユニットの二量体化を可能にするタンパク質配列についての他の例は、コラーゲンX(国際公開第04/33486号)、C4BP(国際公開第04/20639号)、Erbタンパク質(国際公開第98/02540号)、又はコイルドコイルペプチド(国際公開第01/00814号)等のタンパク質から単離されたドメインである。
一実施形態では、本発明の少なくとも1つのSol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及び少なくとも1つのSol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1)サブユニットを含むヘテロ多量体は、組換え抗体である。組換え抗体の技術は、たとえば米国特許第6,018,026号に記載される。その場合、1つのSol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1)の多量体は、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖及び第2のSol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖を含む多量体ポリペプチド融合物であり、ポリペプチド鎖の一方は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、他方のポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。一実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結される。他の実施形態では、第1のSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン軽鎖定常領域に作動可能に連結され、第2のSol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖定常領域に作動可能に連結される。用語「作動可能に連結された」は、Sol(IL−18Rα)又はSol(IL−18Rα)及びSol(IL−1R−1)又はSol(IL−1R−1)並びに免疫グロブリン重鎖又は軽鎖定常領域が、ペプチド結合を通して、直接又は「ペプチドリンカー」(本明細書で上記に定義される)を介して結びつけられることを示す。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメイン及び免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、ヒト免疫グロブリン定常領域である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域ドメインは、α、γ、μ、δ、又はεヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域からなる群から選択される。好ましくは、上述の定常領域は、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。好ましい実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域ドメインは、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域からなる群から選択される。免疫グロブリンからのアミノ酸配列は、Sol(IL−18Rα)サブユニット又はSol(IL−18Rα)サブユニット及びSol(IL−1R−1)サブユニット又はSol(IL−1R−1)サブユニットのC末端又はN末端に、好ましくはC末端に対して連結されてもよい。免疫グロブリン軽鎖融合タンパク質及び免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAを用いて形質移入された細胞は、抗体の構造を有する融合タンパク質を発現する。得られた、結果として生じるタンパク質は、
− Sol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−1R−1)サブユニット若しくはSol(IL−1R−1)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域又は
− Sol(IL−1R−1)サブユニット若しくはSol(IL−1R−1)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の重鎖定常領域及びSol(IL−18Rα)サブユニット若しくはSol(IL−18Rα)サブユニットに作動可能に連結された2つの同一の軽鎖定常領域からなる。
抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
したがって、結果として生じる分子は、2つのヘテロ二量体から構成されるホモ二量体であり、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
又はホモ二量体は、2つのヘテロ二量体から構成され、これらのヘテロ二量体のそれぞれは、
− Sol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖又はSol(IL−1R−1)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン重鎖定常領域及び
Sol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖又はSol(IL−18Rα)ポリペプチド鎖に作動可能に連結された免疫グロブリン軽鎖定常領域から構成される。
両サブユニットは、細胞からの分泌を促進するために、最初に合成された時に本来の又は異種のシグナルペプチドを有利には含むが、シグナル配列は、分泌に際して開裂される。一実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。他の実施形態では、定常重鎖は、ヒトγ1である。定常重鎖は、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異させてもよい。
1.一実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−1R−1の細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
2.他の特定の実施形態では、本発明の組換え抗体は、
− ヒトIL−1R−1の細胞外ドメインに作動可能に連結された、γ1、γ2、γ3、又はγ4ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である2つの同一の重鎖定常領域及び
− ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインに作動可能に連結された、κ又はλヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である2つの同一の軽鎖定常領域を含む又はそれらからなる。一実施形態では、天然抗体に関しては、重鎖及び軽鎖は、ジスルフィドで連結され(鎖間ジスルフィド結合)、重鎖どうしは、ジスルフィドで連結される(鎖間ジスルフィド結合)。
3.他の実施形態では、本発明は、上記第1又は2項に定義される組換え抗体に関し、重鎖の定常領域は、γ1ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域である。
4.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、又は3項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖の定常領域は、κヒト免疫グロブリン軽鎖の定常領域である。
5.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、又は4項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rαの細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号2のアミノ酸残基19〜329又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
6.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、又は5項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−1R−1の細胞外ドメインは、本明細書で上記に定義される配列番号18のアミノ酸残基18〜336又は上述のポリペプチドの変異体からなる。
7.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4,5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−1の細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
8.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は7項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−1の細胞外ドメインに対して、ペプチド結合を通して直接結びつけられる。
9.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4,5、又は6項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−1の細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
10.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、又は9項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−1の細胞外ドメインに対して、ペプチドリンカーを介して、ペプチド結合を通して結びつけられる。ペプチドリンカーは、サブユニット間に導入された1〜3個のアミノ酸残基長ほどの短いものとすることができる(好ましくは、グリシン、セリン、トレオニン、又はアラニン等の小さなアミノ酸からなる)又はより長く、たとえば13、15、若しくは16個のアミノ酸残基長とすることができる。好ましくは、ペプチドリンカーは、免疫学的に非活性であるペプチドである。上述のリンカーは、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド(配列番号13)、たとえば、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13個のアミノ酸リンカー配列(配列番号14)、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)、GGSGG SGGGG SGGGG Sからなる16個のアミノ酸リンカー配列(配列番号16)、又はヒトIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のヒンジ領域であってもよい。一実施形態では、上述のペプチドリンカーは、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列である(配列番号15)。
11.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ4であり、ヒトγ4は、溶液中で安定しており、補体活性化活性をほとんど又はまったく有していない。
12.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10項に定義される組換え抗体に関し、定常重鎖は、ヒトγ1であり、補体結合、Fc受容体に対する結合等のような不要な活性を予防するために突然変異される。
13.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12項に定義される組換え抗体に関し、重鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−1の細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
14.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13項に定義される組換え抗体に関し、軽鎖定常領域は、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−1の細胞外ドメインのC末端又はN末端、好ましくはC末端に対して作動可能に連結される。
15.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−1の細胞外ドメインは、重鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
16.他の実施形態では、本発明は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15項に定義される組換え抗体に関し、ヒトIL−18Rα又はヒトIL−1R−1の細胞外ドメインは、軽鎖定常領域のC末端又はN末端、好ましくはN末端に対して作動可能に連結される。
また、必要な場合、本明細書に記載される融合タンパク質は、精製又は産生を容易にする任意の機能領域を含んでいてもよい。上記のさらなるアミノ酸配列の特定の例は、GST配列又はHisタグ配列を含む。
7)本発明の可溶性受容体の調製:
本明細書に開示される可溶性IL−18Rα受容体は、組換え技術、化学合成、クローニング、ライゲーション、又はその組み合わせによって等の当技術分野でそれ自体知られている任意の技術によって産生されてもよい。特定の実施形態では、本発明の可溶性受容体は、組換え技術によって、たとえば適した宿主細胞中での対応する核酸の発現によって産生される。産生されたポリペプチドは、グリコシル化されていてもよく若しくはされていなくてもよく又は使用される宿主細胞型に依存して他の翻訳後修飾を含有していてもよい。Oxford University Pressによって出版されたシリーズ「実践的なアプローチ(A Practical Approach)」中のいくつかのタイトル(「DNAクローニング2:発現系(DNA Cloning 2:Expression Systems)」、1995;「DNAクローニング4:哺乳動物系(DNA Cloning 4:Mammalian Systems)」、1996;「タンパク質発現(Protein Expression)」、1999;「タンパク質精製技術(Protein Purification Techniques)」、2001)等の、多くの書籍及び検討が、ベクター及び原核生物又は真核生物の宿主細胞を使用して、組換えタンパク質をクローニングし、産生する方法についての教示を提供する。
したがって、本発明のさらなる対象は、本明細書で上記若しくは下記に記載される可溶性受容体のいずれかをコードする単離された核酸分子又はその相補鎖若しくは縮重配列である。この点に関して、用語「核酸分子」は、すべての異なる種類の核酸を包含し、限定を伴うことなくデオキシリボ核酸(たとえばDNA、cDNA、gDNA、合成DNA等)、リボ核酸(たとえばRNA、mRNA等)、及びペプチド核酸(PNA)を含む。好ましい実施形態では、核酸分子は、二本鎖DNA分子又はcDNA分子等のDNA分子である。用語「単離された」は、同定され、核酸分子が天然源において通常関連している少なくとも1つの混在核酸分子から分離された核酸分子を意味する。単離された核酸分子は、核酸分子が自然界において発見される形態又は環境以外のものである。したがって、特定の核酸分子が天然の細胞中に存在すると、単離された核酸分子は、特定の核酸分子と区別される。縮重配列は、参考のヌクレオチド配列と同じアミノ酸配列をコードする任意のヌクレオチド配列を示すが、遺伝子コード縮重の結果として、別のヌクレオチド配列を含む。
本発明のさらなる対象は、上記又は下記に記載される可溶性受容体のいずれかをコードするDNAを含むベクターである。ベクターは、任意の原核細胞又は真核細胞において機能的な、組込み又は自己複製の任意のクローニングベクター又は発現ベクターであってもよい。特に、ベクターは、プラスミド、コスミド、ウイルス、ファージ、エピソーム、人工染色体等であってもよい。ベクターは、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、選択マーカー、複製起点等のような調節エレメントを含んでいてもよい。上記ベクターの特定の例は、下記に論じられるように、pBRプラスミド、pUCプラスミド、又はpcDNAプラスミド等の原核生物のプラスミド;レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、又はAAVベクターを含むウイルスベクター;バクテリオファージ;バキュロウイルス;BAC又はYAC等を含む。適切な核酸配列は、種々の手順によってベクターに挿入されてもよい。一般に、DNAは、当技術分野で知られている技術を使用して、適切な制限酵素部位(複数可)に挿入される。1つ又は複数のこれらの成分を含有する適したベクターの構築は、当業者に知られている標準のライゲーション技術を用いる。
本発明の他の態様は、組換え宿主細胞であり、上述の細胞は、上記に定義される核酸分子又はベクターを含む。宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞であってもよい。原核細胞の例は、大腸菌等の細菌を含む。真核細胞の例は、酵母菌、植物細胞、哺乳動物細胞、及び昆虫細胞であり、任意の初代細胞培養系又は樹立細胞系を含む(たとえば3T3、Vero、HEK293、TN5等)。グリコシル化タンパク質の発現に適した宿主細胞は、多細胞生物に由来する。無脊椎動物細胞の例は、ショウジョウバエS2及びヨトウガSf9等の昆虫細胞並びに植物細胞を含む。有用な哺乳動物宿主細胞系の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞及びCOS細胞を含む。より特定の例は、SV40によって形質転換したサル腎臓CV1系(COS−7、ATCC CRL 1651)、ヒト胎児腎臓系(293又は浮遊培養での成長のためにサブクローニングした293細胞、Grahamら,J.Gen Virol.,36:59(1977))、チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、Urlaub及びChasin,Proc.Natl,Acad.Sci.USA,77:4216(1980))、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.,23:243−251(1980))、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、並びにマウス乳癌(MMT 060562、ATCC CCL51)を含む。詳細には、本発明の好ましい哺乳動物細胞は、CHO細胞である。
本明細書で上記に開示されるように、本発明の可溶性受容体は、組換え技術、化学合成、クローニング、ライゲーション、又はその組み合わせによって等の、当技術分野でそれ自体知られている任意の技術によって産生されてもよい。特定の実施形態では、可溶性受容体は、組換え技術によって、たとえば適した宿主細胞中での対応する核酸の発現によって産生される。したがって、本発明の他の対象は、本発明の可溶性受容体を産生する方法であって、方法は、核酸分子の発現を可能にする条件下で、本発明の組換え宿主細胞を培養すること及び産生されたポリペプチドを回収することを含む。産生されたポリペプチドは、グリコシル化されていてもよく若しくはされていなくてもよく又は使用される宿主細胞型に依存して他の翻訳後修飾を含有していてもよい。Oxford University Pressによって出版されたシリーズ「A Practical Approach」中のいくつかのタイトル(「DNA Cloning 2:Expression Systems」、1995;「DNA Cloning 4:Mammalian Systems」、1996;「Protein Expression」、1999;「Protein Purification Techniques」、2001)等の、多くの書籍及び検討が、ベクター及び原核生物又は真核生物の宿主細胞を使用して、組換えタンパク質をクローニングし産生する方法についての教示を提供する。
本発明による可溶性受容体を産生する方法で使用されることになるベクターは、エピソームベクター又は非/相同組込みベクターとすることができ、ベクターは、任意の適した手段によって適切な宿主細胞中に導入することができる(形質転換、形質移入、接合、プロトプラスト融合、電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、直接的な微量注射等)。特定のプラスミドベクター、ウイルスベクター、又はレトロウイルスベクターを選択する重要な因子は、次のものを含む:ベクターを含有するレシピエント細胞を、認識し、且つベクターを含有しないそれらのレシピエント細胞から選択する容易性;特定の宿主における所望の、ベクターのコピーの数;及び異なる種の宿主細胞間をベクターが「シャトル」し得ることが望ましいかどうか。ベクターは、原核生物又は真核生物の宿主細胞中での本発明のポリペプチド又は融合タンパク質の発現を、適切な転写開始/終了調節配列の制御の下で可能にするはずであり、ベクターは、上述の細胞中で恒常的に活性又は誘発性であるよう選ばれる。次いで、上記細胞中で実質的に豊富な細胞系は、安定した細胞系を準備するために単離することができる。
宿主細胞は、タンパク質産生のための、本明細書に記載される発現ベクター又はクローニングベクターを用いて形質移入又は形質転換し、プロモーターを誘発する、形質転換体を選択する、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するのに適切なように修飾した従来の培養液中で培養する。培地、温度、pH等のような培養条件は、不必要な実験作業を伴うことなく当業者によって選択することができる。一般に、細胞培養物の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実践的技術は、Mammalian Cell Biotechnology:a Practical Approach,M.Butler編(IRL Press,1991)及びSambrookら、前掲に見い出すことができる。
真核生物の宿主細胞(たとえば酵母、昆虫、又は哺乳動物細胞)については、異なる転写調節配列及び翻訳調節配列が宿主の性質に依存して用いられてもよい。それらは、アデノウイルス、パピローマウイルス、シミアンウイルス等のようなウイルス源に由来していてもよく、調節シグナルは、高度なレベルの発現を有する特定の遺伝子に関連する。例としては、ヘルペスウイルスのTKプロモーター、SV40初期プロモーター、酵母ga14遺伝子プロモーター等である。遺伝子の発現を調整することができるように、抑制及び活性化を考慮に入れる転写開始調節シグナルが選択されてもよい。導入されたDNAによって安定して形質転換された細胞は、発現ベクターを含有する宿主細胞の選択を考慮に入れる1つ又は複数のマーカーをさらに導入することにより選択することができる。マーカーにより、栄養要求性宿主に対する光合成栄養、たとえば抗生物質又は銅等の重金属の殺生物剤に対する抵抗性等を提供してもよい。選択マーカー遺伝子は、発現されることになるDNA配列に直接連結する(たとえば同じベクター上)又は同時形質移入によって同じ細胞中に導入することができる。さらなる要素もまた、本発明のタンパク質の最適な合成のために必要とされてもよい。
詳細には、適した原核細胞は、組換えのバクテリオファージ、プラスミド、又はコスミドDNA発現ベクターを用いて形質転換した細菌(枯草菌又は大腸菌等)を含む。上記細胞は、N末端メチオニン残基を含むタンパク質を典型的に産生する。本発明で使用されることになる好ましい細胞は、真核生物の宿主細胞、たとえばヒト細胞、サル細胞、マウス細胞、及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞等の哺乳動物細胞であり、何故なら、それらは、正確なフォールディング又は正確な部位でのグリコシル化を含む、タンパク質分子に対する翻訳後修飾を提供するからである。適した哺乳動物宿主細胞の例は、アフリカミドリザル腎臓細胞(Vero;ATCC CRL 1587)、ヒト胎児腎臓細胞(293−HEK;ATCC CRL 1573)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK−21、BHK−570;ATCC CRL 8544、ATCC CRL 10314)、イヌ腎臓細胞(MDCK;ATCC CCL 34)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO−K1;ATCC CCL61;CHO DG44(Chasinら,Som.Cell.Molec.Genet.12:555,1986))、ラット下垂体細胞(GH1;ATCC CCL82)、HeLaS3細胞(ATCC CCL2.2)、ラット肝癌細胞(H−4−II−E;ATCC CRL 1548)、SV40で形質転換したサル腎臓細胞(COS−1;ATCC CRL 1650)、Bowesメラノーマ及びヒト肝細胞癌(たとえばHep G2)、ネズミ胚細胞(NIH−3T3;ATCC CRL 1658)、及び多くの他の細胞系を含む。代替の真核生物の宿主細胞は、酵母発現ベクターを用いて形質転換された酵母菌(たとえばサッカロミセス、クルイベロミセス等)である。さらに、酵母菌は、グリコシル化を含む翻訳後ペプチド修飾を実行することができる。強いプロモーター配列及び酵母中での所望のタンパク質の産生のために利用することができる、高コピー数のプラスミドを利用する多くの組換えDNA戦略が存在する。酵母菌は、クローニングされた哺乳動物遺伝子産物中のリーダー配列を認識し、リーダー配列を持つポリペプチド(つまりプレペプチド)を分泌する。
組換えポリペプチドの長期的高収率産生については、安定した発現が好まれる。たとえば、興味のあるポリペプチドを安定して発現する細胞系は、同じ又は別個のベクター上にウイルス複製起点及び/又は内在性発現要素並びに選択マーカー遺伝子を含有していてもよい発現ベクターを使用して形質転換されてもよい。ベクターの導入の後で、細胞は、選択培地に移す前に、強化培地中で1〜2日間成長させてもよい。選択マーカーの目的は、選択に対する抵抗性を付与することであり、その存在が、導入された配列をうまく発現する細胞の成長及び回収を可能にする。安定して形質転換された細胞の抵抗性クローンは、細胞型に適切な組織培養技術を使用して増殖させてもよい。次いで、上記細胞中で実質的に豊富な細胞系は、安定した細胞系を準備するために単離することができる。
本発明の組換えポリペプチドの高収率産生の特に好ましい方法は、米国特許第4,889,803号に記載されるDHFR欠損CHO細胞中でのジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)増幅の使用を通しての、レベルが連続的に増加するメトトレキセートの使用によるものである。得られたポリペプチドは、グリコシル化形態であってもよい。
本明細書に開示される可溶性受容体はまた、トリ細胞、菌類細胞、昆虫細胞、酵母細胞、又は植物細胞等の他の真核細胞中で発現させることもできる。バキュロウイルス系は、クローニングされた遺伝子を昆虫細胞中に導入するための効率的な手段を提供する。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料は、とりわけInvitrogen社からのキット形態で市販で入手可能である。
組換えDNA技術に加えて、本発明の可溶性受容体は、化学合成技術によって調製されてもよい。化学合成技術の例は、固相合成及び液相合成である。固相合成として、たとえば、合成されることになるポリペプチドのカルボキシ末端に対応するアミノ酸は、有機溶媒中で不溶性の担体に結合され、反応の交互の繰り返しによって(たとえば適切な保護基を用いて保護されたそれらのアミノ基及び側鎖官能基を有するアミノ酸の順次の縮合によって)、ポリペプチド鎖が伸長する。固相合成法は、使用される保護基の種類に依存して、tBoc法及びFmoc法に大きく分類される。完全合成タンパク質が、文献中で開示されている(Brown Aら,1996)。
本発明の可溶性受容体は、使用及び/又は産生の所望の方法に従って好まれ得る他の代替形態で、産生する、製剤する、投与する、又は一般的に使用することができる。本発明のタンパク質は、たとえばグリコシル化によって、翻訳後に修飾することができる。本発明のポリペプチド又はタンパク質は、単離された(又は精製された)生物学的活性形態で又はその前駆体、誘導体、及び/若しくは塩として提供することができる。用語「生物学的活性」は、上記ポリペプチドが、MSの症状を低下させる能力を有することを意味する。
有用な抱合体又は複合体もまた、薬剤送達効果の点から作用物質を改善するために生成することができる。この目的のために、本明細書に記載される可溶性受容体は、ポリエチレングリコール及び他の天然ポリマー又は合成ポリマー等の分子を有する活性抱合体又は活性複合体の形態とすることができる(Harris JM及びChess RB,2003;Greenwald RBら,2003;Pillai O及びPanchagnula R,2001)この点に関して、本発明は、本明細書に開示される化学的に修飾されたポリペプチド及びタンパク質を企図し、ポリペプチド又はタンパク質は、ポリマーと連結される。典型的に、ポリマーは、抱合体が生理学的環境等の水性環境において沈殿しないように、水溶性である。適したポリマーの例は、アシル化のための活性エステル又はアルキル化のためのアルデヒド等の単一の反応基を有するよう修飾されたポリマーである。このようにして、重合度をコントロールすることができる。反応性アルデヒドの例は、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、そのモノ(C1〜C10)アルコキシ誘導体、又はアリールオキシ誘導体である(たとえばHarrisら,米国特許第5,252,714号を参照されたい)。ポリマーは、分枝又は非分枝であってもよい。さらに、ポリマーの混合物は、抱合体を産生するために使用することができる。治療に使用される抱合体は、薬学的に許容し得る水溶性ポリマー部分を含むことができる。適した水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、モノメトキシPEG、モノ(C1〜C10)アルコキシPEG、アリールオキシPEG、ポリ(N−ビニルピロリドン)PEG、トレシルモノメトキシPEG、PEGプロピオンアルデヒド、ビス−スクシンイミジルカーボネートPEG、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(たとえばグリセロール)、ポリビニルアルコール、デキストラン、セルロース、又は他の炭水化物ベースのポリマーを含む。適したPEGは、たとえば、5,000、12,000、20,000、及び25,000を含む約600〜約60,000までの分子量を有していてもよい。抱合体はまた、上記水溶性ポリマーの混合物を含むこともできる。
抱合体の例は、本明細書で上記に開示される可溶性受容体のいずれか及び上述の可溶性受容体のN末端に対して付着されたポリアルキルオキシド部分を含む。PEGは、1つの適したポリアルキルオキシドである。説明として、本明細書で上記に開示される可溶性受容体のいずれかは、「ペグ化」として知られているプロセスで、PEGを用いて修飾することができる。ペグ化は、当技術分野で知られているペグ化反応のいずれかによって実行することができる(たとえば、欧州特許第0154316号、Delgadoら,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 9:249(1992)、Duncan及びSpreafico,Clin.Pharmacokinet.27:290(1994)、並びにFrancisら,Int J Hematol 68:1(1998)を参照されたい)。たとえば、ペグ化は、反応性ポリエチレングリコール分子を用いたアシル化反応又はアルキル化反応によって行うことができる。代替アプローチでは、抱合体は、活性化PEGを縮合することにより形成され、PEGの末端の水酸基又はアミノ基は、活性化リンカーと交換される(たとえばKarasiewiczら,米国特許第5,382,657号を参照されたい)。好ましくは、これらのすべての修飾が、MSの症状を低下させる可溶性受容体の能力に著しく影響を及ぼすわけではない。
本明細書で上記に記載される可溶性受容体は、さらなるN末端アミノ酸残基、好ましくはメチオニンを含んでいてもよい。実際に、発現系及び条件に依存して、ポリペプチドは、開始メチオニンを用いて組換え宿主細胞中で発現させてもよい。次いで、このさらなるアミノ酸は、結果として生じる組換えタンパク質中で維持される又は文献に開示される方法に従ってメチオニンアミノペプチダーゼ等のエキソペプチダーゼによって取り除かれてもよい(Van Valkenburgh HA及びKahn RA,Methods Enzymol.(2002)344:186−93;Ben−Bassat A,Bioprocess Technol.(1991)12:147−59)。
8)本発明の可溶性IL−18Rαの薬学的使用:
特定の態様では、本発明は、医薬としての使用のための、上記又は下記に記載される可溶性IL−18Rαのいずれかに関する。好ましくは、上記又は下記に記載される可溶性IL−18Rαのいずれかは、自己免疫疾患又は脱髄疾患、特にMSの症状を低下させるための能力を有する。したがって、好ましくは、本明細書に記載される可溶性IL−18Rαに対するすべての修飾が、MSの症状を低下させるそれらの能力に著しく影響を及ぼすわけではない。さらに好ましくは、本明細書に記載される可溶性IL−18Rαに対する修飾は、MSの症状を低下させるそれらの能力を増強する(たとえばそれらの半減期を増強することによって等)。
本発明は、ヒト患者におけるMSの症状を、有効量の可溶性IL−18Rαを患者に対して投与することによって処置する、予防する、又は寛解させる方法にさらに関する。本発明の方法は、本明細書に記載される可溶性IL−18Rαを、MSに罹患した個人に対して、患者の状態における持続性の改善を誘発するのに十分な期間投与することを含む。本発明は、部分的に、MSの処置のための医薬の製造における、可溶性IL−18Rαの使用をさらに提供する。いくつかの実施形態では、可溶性IL−18Rαは、本明細書で上記に開示される可溶性IL−18Rαである。いくつかの実施形態では、処置するための疾患は、再発寛解型(RR)MS、二次進行型(SP)MS、一次進行型(PP)MS、又は進行再発型(PR)MSである。
上記本明細書及び本出願の実施例で開示される結果は、本発明にとって、部分的に基礎となる。これらの結果は、MSの処置における、可溶性IL−18Rαの使用を強く支持する。対象となる方法は、その生物活性を予防することによる等で、有効量の内在性生物学的活性IL−18Rαを低下させることができる可溶性IL−18Rαを患者に対して投与することを含む。上記可溶性IL−18Rαは、本明細書で上記に開示される可溶性IL−18Rαを含む。
本発明の好ましい一実施形態では、本明細書で上記に記載される可溶性IL−18Rαの徐放性形態が使用される。開示される方法での使用に適した徐放性形態は、上記ポリマーと混合された、徐々に溶解する生体適合性ポリマー中にカプセル化された及び/又は生体適合性半浸透性インプラント中に包まれた可溶性IL−18Rαを含むが、これらに限定されない。分解性ポリマーマイクロスフェアは、治療用タンパク質の高度な全身性のレベルを維持するよう設計されてきた。マイクロスフェアは、ポリ(ラクチドコグリコリド)(PLG)、ポリ無水物、ポリ(オルトエステル)、非生物分解性酢酸エチルビニルポリマー等の分解性ポリマーから調製され、タンパク質は、ポリマー中に閉じ込められる(Gombotz及びPettit,Bioconjugate Chem.6:332(1995);Drug Delivery Systems,Ranade及びHollinger(編),pages 51−93(CRC Press 1995)中のRanade,「薬物送達におけるポリマーの役割(Role of Polymers in Drug Delivery)」;Protein Delivery:Physical Systems,Sanders及びHendren(編),pages 45−92(Plenum Press 1997)中のRoskos及びMaskiewicz,「タンパク質送達に有用な分解性放出制御系(Degradable Controlled Release Systems Useful for Protein Delivery)」;Bartusら,Science 281:1161(1998);Putney及びBurke,Nature Biotechnology 16:153(1998);Putney,Curr.Opin.Chem.Biol.2:548(1998))。ポリエチレングリコール(PEG)にコーティングされたナノスフェアもまた、治療用タンパク質の静脈内投与のためのキャリアを提供することができる。(たとえばGrefら,Pharm.Biotechnol.10:167(1997)を参照されたい)。さらに、可溶性IL−18Rαは、その血清半減期を延長する又はタンパク質送達を増強するために、ポリエチレングリコールと抱合することができる(ペグ化)。
MSを処置するために、可溶性IL−18Rα、特に本明細書で上記に開示される可溶性IL−18Rαは、疾患の重症度を反映する少なくとも1つの指標において持続性の改善を誘発するのに十分な量及び時間で、患者に対して投与される。改善度は、徴候又は症状に基づいて決定され、クオリティオブライフ質問表等の、患者に対して行われる質問表を用いてもよい。可溶性IL−18Rαの治療的有効量は、上記持続性の改善を達成するのに十分な量である。
改善は、患者が、選ばれた1つ又は複数の指標についてのベースラインに対する改善を顕在化させるまで、ある用量の可溶性IL−18Rαを繰り返し投与することにより誘発されるかもしれない。処置の後の、患者の病気の程度は、1つ又は複数の指標に従って改善されたように思われる可能性があるが、処置は、同じレベルで又は用量若しくは頻度を低下させて、無期限に継続してもよい。一度処置が減らされ又は中止され、症状が再発すれば、処置は、後に、最初のレベルで再開されてもよい。
本発明の方法で使用される医薬組成物は、活性成分としての可溶性IL−18Rαと組み合わせて、動物に対する投与に適した、適した薬学的に許容し得る希釈剤、キャリア、生物学的適合性媒体、及び添加剤(たとえば生理食塩水)を含有していてもよく、薬学的に使用することができる調製物中への活性化合物の処理を容易にする助剤(賦形剤、安定剤、又はアジュバントのような)を任意選択で含んでいてもよい。医薬組成物は、投与のモードの必要性を満たすために、任意の許容し得る方法で製剤されてもよい。たとえば、薬剤送達のための生体材料及び他のポリマーの使用、その上、投与の特定のモードを有効にするための異なる技術及びモデルが文献に開示されている(Luo B及びPrestwich GD,2001;Cleland JLら,Curr Opin Biotechnol.(2001),12(2):212−9)。「薬学的に許容し得る」は、活性成分の生物活性の有効性を妨害せず、且つ投与される宿主にとって有毒ではない任意のキャリアを包含することを意味する。たとえば非経口投与については、上記の活性成分は、食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミン、及びリンゲル液等の媒体中での注射のために、単位剤形で製剤されてもよい。キャリアはまた、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール、及び石油、動物、植物、又は合成起源の油を含む様々な油(落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油)から選択することができる。
医薬組成物は、液体形態又は凍結乾燥形態であってもよく、様々なpH価及びイオン強度を有する希釈剤(Tris、クエン酸塩、酢酸塩、又はリン酸緩衝液)、Tween又はポリソルベート等の可溶化剤、ヒト血清アルブミン又はゼラチン等のキャリア、チメロサール、パラベン、ベンジルアルコニウムクロリド、又はベンジルアルコール等の防腐剤、アスコルビン酸又はメタ重亜硫酸ナトリウム等の酸化防止剤、及びリシン又はグリシン等の他の成分を含む。特定の組成物の選択は、処置されている状態、投与の経路、及び所望される薬物動態パラメータを含む多くの因子に依存するであろう。医薬組成物に適した成分に関するより大規模な調査は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版 A.R.Gennaro編 Mack,Easton,PA(1980)に見い出される。
好ましい実施形態では、可溶性IL−18Rαは、精製された組換えタンパク質を含む生理学的に許容し得る組成物の形態で、生理学的に許容し得るキャリア、賦形剤、又は希釈剤と共に投与される。上記キャリアは、用いられる投与量及び濃度で、レシピエントにとって有毒でない。通常、上記組成物の調製は、緩衝液、アスコルビン酸等の酸化防止剤、低分子量ポリペプチド(10個未満のアミノ酸を有するポリペプチド等)、タンパク質、アミノ酸、グルコース、スクロース、又はデキストリン等の炭水化物、EDTA、グルタチオン、及び他の安定剤等のキレート剤、並びに賦形剤と可溶性IL−18Rαを組み合わせることを要する。中性緩衝食塩水又は同種の血清アルブミンと混合した食塩水は、例示的な適切な希釈剤である。可溶性IL−18Rαは、希釈剤としての適切な賦形剤溶液(たとえばスクロース)を使用して、凍結乾燥物として好ましくは製剤される。適切な投与量は、標準の投薬試験で決定することができ、投与の選ばれた経路に従って変動してもよい。適切な業界基準に従って、ベンジルアルコール等の防腐剤もまた追加されてもよい。もちろん、投与の量及び頻度は、処置されている徴候の重症度、所望の応答、患者の年齢及び状態等のような因子に依存するであろう。
投与の任意の承認されたモードは、活性成分の所望の血中濃度を確立するために当業者によって使用し、且つ決定することができる。たとえば、投与は、皮下経路、静脈内経路、皮内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、鼻腔内経路、経皮的経路、直腸経路、口腔経路、又は頬側経路等の様々な非経口経路によるものであってもよい。好ましくは、本発明の医薬組成物は、皮下又は静脈内に注射によって投与される。最終的に選ばれた投与の経路は、多くの因子に依存するであろう、そして当業者によって確認されてもよい。
本発明の方法で使用される医薬組成物はまた、蓄積注射、浸透圧ポンプ等を含む徐放性剤形態又は放出制御剤形態で、可溶性IL−18Rαの長期投与について、所定の速度で、好ましくは正確な投与量の単一の投与に適した単位剤形で投与することができる。
非経口投与は、大量注射又は長い間にわたっての緩やかな灌流によるものとすることができる。非経口投与のための調製物は、無菌の水性溶液又は非水性溶液、懸濁液、及び乳濁液を含み、これらは、当技術分野で知られている補助的作用物質又は賦形剤を含有していてもよく、ルーチン的な方法に従って調製することができる。さらに、適切な油性注射懸濁液としての活性化合物の懸濁液が投与されてもよい。適した親油性の溶媒又は媒体は、脂肪油、たとえばゴマ油又は合成脂肪酸エステル、たとえばゴマ油又は合成脂肪酸エステル、たとえばオレイン酸エチル又はトリグリセリドを含む。懸濁液の粘度を増加させる物質を含有していてもよい水性注射懸濁液は、たとえば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、及び/又はデキストランを含む。任意選択で、懸濁液はまた、安定剤を含有していてもよい。医薬組成物は、注射による投与に適した溶液を含み、約0.01〜99.99パーセント、好ましくは約20〜75パーセントの活性化合物を賦形剤と共に含有する。
投与される投与量は、レシピエントの年齢、性別、健康状態、及び体重、併用処置の種類、それがもしあれば処置の頻度、並びに所望される効果の性質に依存性であろうということが理解される。投与量は、当業者によって理解され、決定できるように、個々の患者に適合されるであろう。各処置に必要な全用量は、複数回用量によって又は単一用量で投与されてもよい。
本発明の一実施形態では、本明細書で上記に開示される可溶性IL−18Rαは、MSを処置するために1週間当たり1回投与され、他の実施形態では、1週間当たり少なくとも2回投与され、他の実施形態では、1日当たり少なくとも1回投与される。注射される場合、本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαの成人(18歳以上である人)用量当たりの有効量は、1〜200mg/m又は1〜40mg/m若しくは約5〜25mg/mの範囲である。あるいは、均一用量が投与されてもよく、その量は、2〜400mg/用量、2〜100mg/用量、又は約10〜80mg/用量の範囲であってもよい。用量が1週間当たり1回以上投与されることになる場合、例示的な用量範囲は、先に記載される用量範囲と同じ又はそれより低い。好ましくは、上記可溶性IL−18Rαは、1用量範囲当たり25〜100mg/用量で、1週間当たり2回以上投与される。本発明の一実施形態では、MSは、本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαを含有する又はその代わりに1用量当たり80mgを80〜100mg/用量で含有する、注射に対して許容し得る調製物を投与することにより処置される。
注射以外の可溶性IL−18Rαの投与の経路が使用される場合、用量は、標準の医療行為に合わせて適切に合わせられる。たとえば、投与の経路が吸入である場合、投薬は、10mg/用量〜1用量当たり50mgの用量範囲で、1週間当たり1〜7回であってもよい。
多くの場合、より長い期間の処置が、所望の改善度を誘発するのに必要である可能性があるが、患者の状態における改善は、少なくとも3週間の期間にわたり1週間当たり1〜3回、本明細書で上記に開示される可溶性IL−18Rαの約100mgまでの用量を注射することにより得られるであろう。レジメンは無期限に継続されてもよい。
9)併用治療:
いくつかの実施形態では、本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαは、MSを処置する又は予防するための第2の治療薬と共に投与される。たとえば、可溶性IL−18Rαは、たとえばコルチコステロイド、免疫抑制剤、神経保護薬、免疫調節剤、又はインターフェロンを含む、MSに対する標準の処置薬のいずれかと共にも投与されてもよい。
本発明の一実施形態では、本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαは、コルチコステロイドと共に投与される。「コルチコステロイド」は、コレステロールに由来し、水素化されたシクロペンタノペルヒドロフェナントレン環構造によって特徴づけられ得る任意の自然発生ステロイドホルモン又は合成ステロイドホルモンが意味される。自然発生コルチコステロイドは、副腎皮質によって一般に産生される。合成コルチコステロイドは、ハロゲン化されてもよい。コルチコステロイドは、グルココルチコイド活性及び/又は鉱質コルチコイド活性を有していてもよい。
例示的なコルチコステロイドは、たとえばデキサメタゾン、ベータメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンヘキサアセトニド、ベクロメタゾン、ジプロピオナート、ジプロピオン酸ベクロメタゾン一水化物、フルメタゾンピバレート、酢酸ジフロラゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオロメトロン、酢酸フルオロメトロン、プロピオン酸クロベタゾール、デソキシメタゾン、フルオキシメステロン、フルプレドニソロン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、ヒドロコルチゾンシピオネート、ヒドロコルチゾンプロブテート(hydrocortisone probutate)、吉草酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、酢酸パラメタゾン、メチルプレドニソロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンテブテート、ピバル酸クロコルトロン、フルオシノロン、酢酸デキサメタゾン21、吉草酸ベータメタゾン17、イソフルプレドン、9−フロオロコルチゾン、6−ヒドロキシデキサメタゾン、ジクロリゾン、メクロリゾン(meclorisone)、フルプレジデン、ドキシベタソール、ハロプレドン、ハロメタゾン、クロベタゾン、ジフルコルトロン、イソフルプレドンアセテート、フルオロヒドロキシアンドロステンジオン、ベクロメタゾン、フルメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、クロベタゾール、コルチゾン、パラメタゾン、クロコルトロン、プレドニゾロン21−ヘミスクシネート遊離酸、メタスルホ安息香酸プレドニゾロン、プレドニゾロンテルブテート(prednisolone terbutate)、及びトリアムシノロンアセトニド21−パルミテートを含む。
本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαと共に投与されるコルチコステロイドの好ましい例は、プレドニゾン及び/又はIVメチルプレドニソロンである。
本発明の一実施形態では、本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαは、免疫抑制剤と共に投与される。本発明の実施形態では、免疫抑制剤は、メトトレキセート、アザチオプリン、シクロホスファミド、及びクラドリビンからなる群から選ばれ、これらは、脱髄疾患の重篤な進行型形態に一般に使用される。
本発明の他の実施形態では、本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαは、神経保護薬と共に投与される。本発明の一実施形態では、神経保護薬は、経口ミエリン、コパクソン(Teva社製の酢酸グラチラマー)、タイサブリ(Biogen社/Elan社)、ノバントロン(Serono社)、テリフルノミド(Aventis社)、クラドリビン(Serono社/IVAX社)、GSK社/田辺製薬の683699(T−0047)、ダクリズマブ(Roche社)、ラキニモド(Active Biotech社)、及びZK−117137(Schering AG社)からなる群から選ばれる。これらの化合物はすべて、販売されている又はMSを処置するための臨床試験の最中である。
本発明の他の実施形態では、本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαは、免疫調節剤と共に投与される。この点で、本発明での使用のための特定の免疫調節剤は、FTY720(2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、フィンゴリモド)を含む。MSを処置するためのII期でのFTY720(Novartis社)は、以下の化学式を有する。
Figure 2009527535
FTY720は、ミリオシンの化学的修飾によって得られた、経口的に活性の免疫抑制剤(たとえば国際公開第94/08943号;国際公開第99/36065号を参照されたい)として同定された。本発明での使用のための他の免疫調節剤は、FTY720の誘導体を含む。FTY720の誘導体は、国際公開第94/08943号に記載される、以下の化学式を有する2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物及びその任意の薬学的に許容し得る塩を含み、
Figure 2009527535

Rは、二重結合、三重結合、酸素、硫黄、スルフィニル基、スルホニル基、−N(R6)−からなる群から選択される結合、ヘテロ原子、又は基を鎖中で有していてもよく、R6は、水素、アルキル、アラルキル、アシル、又はアルコキシカルボニル、カルボニル、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたシクロアルキルエン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、及びその脂環式化合物(alicycle)であり、且つ二重結合、三重結合、任意選択で置換されたアリル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリル、又はその脂環式化合物;任意選択で置換されたアリル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリル、又はその脂環式化合物によってその鎖端で置換されていてもよい任意選択で置換された直鎖状炭素鎖又は分枝炭素鎖であり、
R2、R3、R4、及びR5は、同じ又は異なり、それぞれは、水素、アルキル、アラルキル、アシル、又はアルコキシカルボニルを表し、又はR4及びR5は、アルキル、アリル、又はアラルキルによって置換されていてもよいアルキレン鎖を形成するよう結合していてもよい。
上記の任意選択で置換された直鎖状炭素鎖又は分枝炭素鎖は、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アルキルエンジオキシ、アシル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキルカルバモイル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、任意選択で置換されたアリル、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリル、及びその脂環式化合物からなる群から選択される置換基を有してもよく、前述の任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたシクロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、及びその脂環式化合物は、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アルキルエンジオキシ、アシル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキルカルバモイル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、及びカルボキシからなる群から選択される置換基を有してもよく、任意選択で置換されたアリル、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリル、及びその脂環式化合物は、アルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アルキルエンジオキシ、アシル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキルカルバモイル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、及びカルボキシからなる群から選択される置換基を有していてもよい。
上記2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物の特定の例は、2−アミノ−2−[2−(4−ヘプチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ノニルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−デシルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ウンデシルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ドデシルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−トリデシルフェニル)−エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−テトラデシルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ヘキシルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ヘプチルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ノニルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−デシルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ウンデシルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ドデシルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−トリデシルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−(8−フルオロオクチル)フェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−(12−フルオロドデシル)フェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−(7−フルオロヘプチルオキシ)フェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−(11−フルオロウンデシルオキシ)フェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−(7−オクテニルオキシ)フェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ヘプチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ノニルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−デシルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ウンデシルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ドデシルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ヘプチルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ノニルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−[2−(4−ウンデシルオキシフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、又は2−アミノ−2−[2−(4−(7−オクテニルオキシ)フェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール、及びその任意の薬学的に許容し得る塩を含む。
本発明の他の実施形態では、本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rαは、インターフェロンと共に投与される。この点で、本発明での使用のための特定のインターフェロンは、インターフェロン−ベータである。用語「インターフェロン(IFN)」及び「インターフェロン−ベータ(IFN−ベータ)」は、本明細書で使用されるように、体液からの単離によって得られた又は原核生物若しくは真核生物の宿主細胞からのDNA組換え技術によって得られた特にヒト起源の線維芽細胞インターフェロン並びにその塩、機能的誘導体、変異体、類似体、及び活性断片を含むことが意図される。特定の種類のインターフェロンベータは、インターフェロンベータ−1aである。
ヒト起源のインターフェロンの使用は、本発明で使用するのに好ましい。本発明で使用する適したIFN−ベータは、たとえばRebif(登録商標)(Serono社)、Avonex(登録商標)(Biogen社)、又はBertaseron/Betaferon(登録商標)(Schering社)として市販で入手可能である。Rebif(登録商標)(組換えヒトインターフェロン)は、多発性硬化症(MS)のためのインターフェロン治療において最近開発されたものであり、これは処置における著しい進歩を表す。Rebif(登録商標)は、哺乳動物細胞系から産生されたインターフェロン(IFN)−ベータ1aである。皮下に1週間当たり3回与えられたインターフェロンベータ−1aは、再発寛解型多発性硬化症(RRAMS)の処置において効果的であることが確立された。インターフェロンベータ−1aは、再発の数及び重症度を低下させ、且つMRIによって測定される疾患の負担及び疾患活性を低下させることによって、MSの長期的経過にプラスの効果を有し得る。したがって本発明の方法での使用のための可溶性IL−18Rαと共に投与されるインターフェロンの特定の例は、Rebif(登録商標)(Serono社)、Avonex(登録商標)(Biogen社)、又はBertaseron/Betaferon(登録商標)(Schering社)である。
本発明の特定の態様は、上記処置を必要とする患者におけるMS、特に再発寛解型(RR)MS、二次進行型(SP)MS、一次進行型(PP)MS、又は進行再発型(PR)MSを処置する方法に関し、患者に、本明細書で上記に開示される可溶性IL−18Rα及び本明細書で上記に開示されるコルチコステロイド、免疫抑制剤、神経保護薬、免疫調節剤、又はインターフェロンの組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ある実施形態では、コルチコステロイドは、プレドニゾン又はIVメチルプレドニソロンである。ある実施形態では、免疫抑制剤は、メトトレキセート、アザチオプリン、シクロホスファミド、又はクラドリビンである。ある実施形態では、神経保護薬は、経口ミエリン、コパクソン、タイサブリ、ノバントロン、テリフルノミド、クラドリビン、683699(T−0047)、ダクリズマブ、ラキニモド、又はZK−117137である。ある実施形態では、免疫調節剤は、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオール(FTY720)である。ある実施形態では、インターフェロンは、インターフェロンベータ−1a(特にRebif(登録商標)(Serono社))である。
本明細書で上記に定義される可溶性IL−18Rα及び本明細書で上記に開示される第2の治療薬は、同時に、別々に、又は連続して投与されてもよい。たとえば、可溶性IL−18Rαが最初に投与され、その後に第2の治療薬が投与されてもよい。その代わりに、第2の治療薬が最初に投与され、その後に可溶性IL−18Rαが投与されてもよい。いくつかの場合では、可溶性IL−18Rα及び第2の治療薬は、同じ製剤中で投与される。他の場合では、可溶性IL−18Rα及び第2の治療薬は、異なる製剤中で投与される。可溶性IL−18Rα及び第2の治療薬が異なる製剤中で投与される場合、それらの投与は、同時であってもよく又は順次であってもよい。
本発明は、哺乳動物患者、好ましくはヒト患者におけるMSの治療での同時の、別個の、又は順次の使用のための、上記又は下記に記載される可溶性IL−18Rαのいずれか及び併用調製物としての本明細書で上記に開示されるコルチコステロイド、免疫抑制剤、神経保護薬、免疫調節剤、又はインターフェロンを含む産物にさらに関する。
本明細書に引用されたすべての特許及び参考文献は、それらの全体が参照によって本明細書に含まれる。
本発明の他の態様及び利点は、以下の実施例に開示されることとなり、説明的なものとしてのみ考えられるべきであり、本出願の範囲を限定しない。
(実施例1)
p35−/−IL−18−/−二重ノックアウトマウスはEAEに対して感受性である
IL−12p35の欠失は、マウスにおいて、MOG(ミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質)ペプチド誘発性実験的自己免疫脳脊髄炎(EAE)に対してマウスを感受性過度にすることが以前に示された(Becher,B.ら J.Clin.Invest 110,493−497(2002))。IL−18は、Th1細胞(1型ヘルパーT細胞)を極性化するようIL−12と相乗作用で作用し、またShiらは、IL−18が欠損したマウスはEAEに対して抵抗性であることを実証する証拠を提示した(Shi,F.D.ら,J.Immunol.165,3099−3104(2000))。
IL−18がp35−/−マウスにおけるIL−12の損失を代償し、したがってそれらのEAE感受性につながり得るかどうかを評価するために、我々は、IL−12p35及びIL−18の両方が欠損したマウスを生成した(p35−/−×IL−18−/−)。
マウス(n=5マウス/グループ)を、CFA(DIFCO社、デトロイト、MI)中で乳化した、GenScript社から得たMOG35−55ペプチド(アミノ酸配列:MEVGWYRSPFSRVVHLYRNGK(配列番号11))の200μgを用いて皮下に免疫した。マウスは、免疫時に及び48時間後に、200ng百日咳毒素(Sigma−Aldrich社)を腹腔内に受けた。
マウスは、以下のように毎日スコア化した:0)検出可能なEAEの徴候なし;0.5)末端の尾部がぐったりしている;1)全尾部がぐったりしている;2)片側の部分的な後肢の麻痺;2.5)両側の部分的な肢の麻痺;3)両側の全後肢の麻痺;3.5)全後肢の麻痺及び片側の前肢の麻痺;4)前肢及び後肢の全麻痺(スコア>4は安楽死させる);5)死。各時点で、各グループの平均疾患スコアを示す。統計的有意差は、独立スチューデントt検定を使用して評価した。
CFA中で乳化したMOG35−55を用いた免疫は、p35−/−×IL−18−/−マウスがEAEに対して完全に感受性であり、wtで産生されるものに類似する疾患スコア及び疾患発生を有することを示した(図1aを参照されたい)。したがって、p35−/−マウスにおけるIL−18欠失によって生成された、保護の欠如は、IL−18が、p35−/−マウスにおけるEAE感受性を誘発する原因ではないことを示すが、IL−18自体が、EAE病因にほとんど又はまったく効果を有していないサイトカインであることをも示唆する。
(実施例2)
IL−18Rα−/−マウスではなくIL−18−/−マウスがEAEに対して感受性である
p35−/−×IL−18−/−マウスにおける我々の実験は、EAEにおけるIL−18の、以前に提唱された病原性の役割に矛盾するように思われたので、我々は、MOGペプチド(実施例1に記載される)を用いてwtマウス及びIL−18−/−マウスを能動免疫し、IL−18−/−マウスがEAEに対して完全に感受性であり、実際に、wtマウスに匹敵する臨床スコア及び疾患進行を有することを見い出した(図1b及び表1を参照されたい)。
IL−18Rαが欠損したマウスは、IFNγ産生が低下するという点で、IL−18−/−マウスに類似する表現型を有するとして記載された。興味深いことには、wtマウス及びIL−18−/−マウスの両方と著しい対照をなして、IL−18Rα−/−マウスは、EAE誘発に対して完全に抵抗性であった(図1b及び表1を参照されたい)。
EAE誘発後に得られたwtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL−18Rα−/−マウスからの脊髄の組織学的分析は、CNS中への白血球浸潤が、疾患の臨床的な重症度と十分に相互に関連することを実証した。
そうするために、マウスを、CO2を用いて安楽死させ、その後、PBSを用いて灌流し、続いてPBS中4%パラホルムアルデヒド(PFA)を用いて灌流した。脊柱を摘出し、PBS中4%PFA中で固定した。次いで、炎症細胞の浸潤を評価するためのヘマトキシリン&エオシン又はCD3抗体、B220抗体、及びMAC−3抗体(BD Pharmingen社)又は脱髄の程度を決定するためのルクソールファストブルーを用いて染色する前に、脊髄を解剖し、パラフィン包埋した。
EAE感受性のwtマウス及びIL−18−/−マウスは、T細胞(図2c)、マクロファージ(図2e)、及びB細胞(図2d)等の炎症細胞の浸潤(図2a)及び脱髄(図2b)によって特徴づけられる著しい炎症を有したが、EAE抵抗性のIL−18Rα−/−マウスの脊髄中に炎症性浸潤物又は脱髄は存在しなかった(図2a〜e)。
IL−18−/−マウスがIL−18を分泌することができないことを確認するために、我々は、ターゲティング戦略及びマウスの遺伝子型について広範囲に確認し、IL−18−/−マウスがIL−18mRNA又はIL−18タンパク質を含有しないことを明確に立証することができた。我々はまた、我々が、wtマウス及びIL−18−/−マウスに由来する活性化脾細胞から分泌されたIL−18を検出することができるかどうかを分析し、IL−18−/−マウスが、wtマウスとは対照的に、実際に、完全に、IL−18欠損であることを示した(図3を参照されたい)。
IL−18の欠失がIFNγ応答の不足を一貫してもたらすことが多くの実験系で観察されたので(Wei,X.Q.ら J.Immunol.163,2821−2828(1999),Kinjo,Y.ら J.Immunol.169,323−329(2002))、我々は、16時間、レクチンコンカナバリンA(ConA)を用いて、in vitroで、未処置wtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL−18Rα−/−マウスに由来するリンパ球を刺激し、IFN−γ産生を、ELISAによって続いて測定した。
そうするために、腋窩リンパ節及び鼠径リンパ節(LN)を未処置マウスから単離した。2×10細胞を三通り、96ウェルプレート中に配置した。5μg/ml ConAを16時間の刺激のために使用し、IFN−γ産生を、ELISA(Pharmingen社、ラホーヤ、CA)によって続いて測定した。
IL−18がIFNγ産生に影響を有するという原理と一致して、IL−18−/−マウス及びIL−18Rα−/−マウスの両方からのLN細胞は、wt LN細胞とは対照的にIFNγを分泌しなかった(図4a)。
(実施例3)
IL−18Rαのブロックは、IL−18−/−マウスにおけるEAEを予防する
EAEに関してのIL−18欠損マウス及びIL−18Rα欠損マウスの性質の不一致は、強力な脳炎誘発性特性を有するさらなるIL−18Rαリガンドを強く示すものである。IL−18Rα及びIL−18が、無関係の生物学的機能を有するかどうかを評価するために、我々は、EAE感受性のIL−18−/−マウスにおいてIL−18Rαをブロックした。
マウス(n=5マウス/グループ)を、CFA(DIFCO社、デトロイト、MI)中で乳化した、GenScript社から得たMOG35−55ペプチド(アミノ酸配列:MEVGWYRSPFSRVVHLYRNGK(配列番号11))の200μgを用いて皮下に免疫した。マウスは、免疫時に及び48時間後に、200ng百日咳毒素(Sigma−Aldrich社)を腹腔内に受けた。モノクローナル抗IL−18Rα抗体(クローン112624)(R&D Systems社)を、免疫の1日前に(450μg/マウス)及びその後3日ごと(300μg/マウス)若しくは疾患発症から始めて3日ごと(300μg/マウス)投与した又はしなかった。
マウスは、以下のように毎日スコア化した:0)検出可能なEAEの徴候なし;0.5)末端の尾部がぐったりしている;1)全尾部がぐったりしている;2)片側の部分的な後肢の麻痺;2.5)両側の部分的な肢の麻痺;3)両側の全後肢の麻痺;3.5)全後肢の麻痺及び片側の前肢の麻痺;4)前肢及び後肢の全麻痺(スコア>4は安楽死させる);5)死。
各時点で、各グループの平均疾患スコアを示す。統計的有意差は、独立スチューデントt検定を使用して評価した。
免疫の1日前及びその後、実験の終了まで3日ごとに与えた抗IL−18Rα mAbを用いたIL−18−/−マウスの処置は、疾患発生を著しく低下させた(図5a)。抗IL−18Rα mAbの投与は、IL−18Rα発現細胞の欠失につながりもせず、血液、LN、又は脾臓中の末梢白血球の組成を変えもしなかった(図11を参照されたい)。
IL−18Rαアンタゴニストは、そのリガンドが遺伝子ターゲティングによって完全に除去されたマウスにおいてでさえEAEを予防するという事実及びIL−18は、報告によれば、IL−18Rαに対するほんの低い親和性しか有していないという事実を組み合わせて、我々は、他のリガンドが、IL−18Rαによって媒介される結合、シグナル伝達、及び免疫発生の原因にちがいないと提唱する。
興味深いことには、免疫後(p.i.10日目)にアンタゴニストmAbを用いた、IL−18−/−マウスの処置もまた、EAE進行を抑止し(図5b)、これは、免疫前に投与されたAbと同じ程度まで起こり、IL−18Rα結合は、EAEのエフェクター期の間の重要なイベントであることを示唆する。
(実施例4)
Ag駆動性ではなくマイトジェン駆動性の活性化は、Th1極性化のためにIL−18を必要とする
EAE感受性に関する、IL−18−/−マウス及びIL−18Rα−/−マウス間の対立的な分裂を考慮すれば、我々は、エフェクター表現型に向けて、未処置T細胞を正しくプライムし、且つ極性化する両マウスの能力を決定することを望んだ。wtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL−18Rα−/−マウスを、KLHを用いて皮下で免疫し、7日後、リンパ球を、単離し、続いて、KLHを用いてin vitroで再刺激した。
そうするために、CFA中で乳化した100μg/側腹部のキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)(Sigma社)を7日前に注射によってプライムしたマウスから腋窩リンパ節及び鼠径リンパ節を単離した。2×10細胞を三通り、96ウェルプレート中に配置した。KLHリコール細胞を、50μg/ml KLH、5μg/ml ConA、又は培地を用いて48時間刺激し、0.5μCi/ml 3[H]−チミジンを、増殖応答を観察するために24時間後に追加した。チミジン取り込みは、Filtermate Harvester及びシンチレーション発光カウンターを使用して評価した。サイトカイン分析については、姉妹培養物の培養上清を、48時間後に採取し、ELISA(Pharmingen社、ラホーヤ、CA)によってIFNγ産生を及びサイトカインアレイ(Raybiotech社)によって全体的なサイトカイン/ケモカイン分泌を分析した。
驚いたことに、我々は、IL−18−/−マウス及びIL−18Rα−/−マウスのIFNγ産生能力においていかなる有意差をも観察しなかった、そして、IL−18−/−マウス又はIL−18Rα−/−マウスに由来するリンパ球によって産生されたIFNγのレベルは、wtマウスから得られた細胞と同一であった(図4b)。さらに、異なるマウス株間のAg駆動性リンパ球の増殖能は、同一であった(図4c)。IL−18は、多クローン性に活性化された直後のT細胞の早期IFNγ応答のための決定的な共同因子である(図4a)が、Ag駆動性Th1極性化は、IL−12に単独で、より依存性であり、したがってIL−18とは無関係であるという考えを我々のデータは支持する。
1発生は、IL−18Rα−/−マウスにおいて影響されないように思われたが、我々は、次に、IL−18Rα欠損抗原提示細胞(APC)が未処置T細胞をプライムする性能を評価することを望んだ。
そうするために、我々は、成熟SMARTAペプチド(p11)パルスwt、IL−18−/−、及びIL−18Rα−/−BM(骨髄)由来樹状細胞(DC)をSMARTA−TcRトランスジェニックCD4T細胞と同時培養し、チミジン取り込みによって増殖を測定した(図4d)。
使用したプロトコールは以下のとおりであった。
BM由来DCの生成:BMドナーマウスを、CO2を使用して安楽死させ、大腿骨及び脛骨を摘出した。BM細胞は、PBSを用いて骨を洗い流すことにより単離し、100μm細胞濾過器を通して濾過した。細胞(10ml中2〜2.5x10)を、10%GM−CSFを追加した完全RPMI中で培養した。少なくとも6日後に、BM由来DCを、10μg/mlリポ多糖(LPS)を用いて一晩成熟させたが、未成熟BM由来DCは、GM−CSF含有培地中に維持した。少なくとも7日目に、BM由来DCを実験的に使用した。
トランスジェニック(Tg)T細胞増殖:トランスジェニックT細胞のin vitro増殖については、脾臓を、未処置TcR Tgマウスから単離し、CD4T細胞を、BD Biomag磁気ビーズを使用して精製した。T細胞単離の純度をFACS分析によって確認した。1×10 Smarta T細胞を、300〜30,000の未成熟の又は成熟した骨髄由来の樹状細胞と共に96ウェルプレート中で培養した。同時培養前に、BM由来DCを、3時間、RPMI中で1μg/ml SMARTA p11ペプチド(GPDIYKGVYQFKSVEFD(配列番号12))(GenScript社)を用いてパルスし、その後洗浄し、2000ラドで照射した。非パルスDCは、単独で培養したT細胞と同様にコントロールとして使用した。細胞を4日間培養し、そして[H]−チミジンを培養の最後の18時間追加した。
未成熟DCがSMARTA T細胞を活性化するために使用された場合でさえ、T細胞プライミングにおける有意差は観察されなかった。
たとえIL−18Rα−/−DC及びT細胞が活性化される能力に欠損がないということを上記のデータが示唆しても、我々は、活性化マーカー発現のレベルで、両細胞型の活性化ステータスを確認することに決めた。我々は、FACSによって、LPS成熟DC及びKLH再刺激T細胞上の発現マーカーを調べ、IL−18Rα−/−DC上のCD80、CD86、及びCD40のアップレギュレーションに差異がないこと、さらにIL−18Rα−/−T細胞によるCD5、CD62L、及びCD44の発現に、wt細胞及びIL−18−/−細胞と比較して差異がないことを示した(図6)。したがって、IL−18Rα破壊は、T細胞又はDCの活性化に、少なくとも、適切な刺激に必要な表面マーカーのアップレギュレーションのレベルでは、影響を及ぼさない。
(実施例5)
IL−18Rα−/− CD4T細胞は、EAEの間、CNSに侵入する
EAEは、疾患のピークでの、CNS中への炎症細胞の大量の流入によって特徴づけられるが、免疫細胞はまた、臨床症状の発症前にもCNSに侵入する(Hickey,W.F.Brain Pathol.1,97−105(1991),Wekerle,H.ら,J.Exp.Biol.132,43−57(1987))。たとえば、CNS中へのCD4T細胞の動員は、EAEのエフェクター期の開始に決定的であるが、CNS中への多形核白血球の浸潤は、これらのイベントを組織化することにおける役割を有するように思われる(McColl,S.R.ら,J.Immunol.161,6421−6426(1998))。したがって、IL−18Rα−/−炎症細胞が、症状発現前の疾患の時点でのCNSに完全に不在であるかどうかを立証するために、我々は、マウスを免疫し、免疫後の5、7、及び9日目に炎症性浸潤物についてCNSを分析した。
IL−18Rα−/−マウスにおける疾患の終点での免疫細胞の欠如とは対照的に(図2a〜e)、IL−18Rα−/− CD4T細胞は、フローサイトメトリーによって分析されたように、免疫後の5、7、及び9日目に、wtマウス及びIL−18−/−マウスと同じ程度までCNS浸潤が可能であった(図7)。CNS中に存在する、匹敵する数の顆粒球、マクロファージ、及びB細胞もあった。しかしながら、図2に見られるように、臨床的な疾患の時点での、CNS中のIL−18Rα−/−炎症細胞の存在に有意差があり、したがって、それらが、EAEのエフェクター期中に存続することができないことを実証する。興味深いことには、これらの結果は、IL−23p19−/−マウスで得られたデータを反映し、このマウスは、MOG35−55誘発性EAEに対して抵抗性であり、このマウスにおいて、欠損は、免疫後7日目に観察されたように、CNS中への炎症細胞の浸潤を予防するものではない(Langrish,C.L.ら,J Exp.Med.201,233−240(2005))。
(実施例6)
IL−18Rαの欠如がIL−17産生を予防する
CNS中への随伴性炎症細胞侵入を伴う、EAE抵抗性に関するIL−18Rα−/−マウス及びIL−23−/−マウス間の類似性は、我々のマウスにおける、IL−17産生へのIL−18Rαの影響を評価するよう我々を駆り立てた。IL−17産生T細胞(TIL−17)は、自己免疫炎症の間の主な病原性集団であることが現在承認されている。サイトカイン分泌に関する、EAE感受性IL−18−/−マウス及びEAE抵抗性IL−18Rα−/−マウスの間の差異を定義するために、我々は、同系統のリコールAgに出会った際にリンパ球によって分泌された62種の異なるサイトカインの同時分析を可能にするサイトカインタンパク質アレイ(Raybiotech社)を使用した。
wtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL−18Rα−/−マウスをKLHを用いて免疫し、7日後に、リンパ球を単離し、50μg/ml KLHを用いて再刺激した(図8を参照されたい)。
IL−18−/−リンパ球と比較して、IL−18Rα−/−リンパ球は、IL−17の産生が非常に少なかった。この調査結果を確かめるために、我々は、RNAレベル及びタンパク質レベルの両方でこのサイトカインのレベルを分析した。KLHを用いた再刺激の際にリンパ球から得られたRNAのリアルタイムPCRは、両方のIL−17 mRNAの発現が、wt細胞及びIL−18−/−細胞と比較して、IL−18Rα−/−細胞中で著しく減少することを示した(図8a)。これらの調査結果は、同じKLH再刺激細胞の上清を使用したIL−17 ELISAによって確証を与えられた(図8b)。
(実施例7)
IL−18Rα破壊は、アクセサリー細胞免疫区画中の細胞に影響を及ぼす
IL−18Rαの欠如は、TIL−17発生の予防を介してEAEの発生を完全に予防するが、その推定上のリガンドIL−18は無関係のように思われる。
IL−18Rαがその主要な影響を及ぼす細胞型は知られていないままである。これは、主に、IL−18Rsが様々な細胞型及び組織によって発現されるという事実によるものである。しかしながら、CD4T細胞上のIL−18Rαの存在が、TIL−17細胞の続く極性化に対して絶対的に決定的であると推定されそうである。EAEにおける、IL−18Rα破壊の、細胞及び組織の位置を同定するために、我々は、照射骨髄(BM)キメラを使用して、白血球区画の細胞上にIL−18Rαを選択的に発現させた。
照射骨髄(BM)キメラマウス:
BMドナーマウスを、CO2を使用して安楽死させ、BM細胞を、リン酸塩緩衝液(PBS)を用いて、大腿骨、脛骨、とう骨、及び寛骨を洗い流すことにより単離した。次いで、BM細胞を100μm細胞濾過器に通過させ、細胞をPBSを用いて洗浄した。レシピエントマウスを、1100ラド(分割線量)で致死的に照射し、12〜25×10BM細胞をi.v.注射する。移植は、8週間の回復の間に起こる。
照射及び再形成の後で、レシピエントマウスの第2のリンパ組織中のAPC区画は、ドナーマウスに由来するBM細胞で全体的に構成される(Becher,B.ら,J.Exp.Med.193,967−974(2001))。
我々は、4:1の比のRAG−/−BM及びIL−18Rα−/−BMをwtレシピエント中に(RAG−/−+IL−18Rα−/−→wt)又はIL−18Rα−/−BMのみをwtレシピエント中に(IL−18Rα−/−→wt)移入することによりBMキメラを生成した。wt−BMは、コントロールとしてwtレシピエント中に移入した(wt→wt)(表2)。
RAG−/−マウスは、リンパ球を有さず、したがって、結果として生じるキメラ(RAG−/−+IL−18Rα−/−→wt)は、IL−18Rα欠損リンパ球区画を有するが、大多数の他のすべての白血球は、非破壊IL−18Rα対立遺伝子を有する。
予想どおり、IL−18Rα−/−→wtマウスは、MOGペプチドを用いた免疫の際にEAEに対して抵抗性であった。その代わりに、T細胞又はB細胞を有さず、したがってリンパ球上ではなくアクセサリー細胞上のみにIL−18Rαを発現させる、RAG−/−マウスからのBMの追加により、EAEに対するIL−18Rα−/−マウスの抵抗性を弱らせることができた(図9)。したがって、IL−18Rαは、アクセサリー細胞(単核食細胞及び多核食細胞、DC&NK細胞)区画中でその主要な影響を及ぼすにちがいない。さらに、IL−18がT細胞及びNK細胞にその影響を及ぼすと考えられていることを考慮すれば、この発見は、非常に予期せぬことであるが、これまでのところ我々の観察と完全に一致している。
(実施例8)
宿主細胞上のIL−18Rαの欠如は、MOG反応性T細胞の養子移入によって誘発されたEAE発生を予防する
上記のデータは、アクセサリー細胞上のIL−18Rαの欠如が、T細胞のプライミング及び増大に影響を及ぼさないことを示す。さらに、RAG−/−+IL−18Rα−/−→wt混合BMキメラは(図9)、IL−18Rαの欠損が、EAEの発生に不可欠なアクセサリー細胞機能に障害を生じさせることを明確に実証する。我々は、EAEの間のアクセサリー細胞のIL−18Rシグナル伝達の役割及び機能を明らかにするために養子移入実験を続いて行った。そうするために、我々は、wtレシピエントマウス及びIL−18Rα−/−レシピエントマウスの両方のグループ中にwtドナーマウスに由来する脳炎誘発性MOG反応性T細胞を養子移入した。予想どおり、wtマウスに由来する、十分にプライムされ、且つ活性化された脳炎誘発性T細胞は、wtレシピエントマウスにおいてEAEを誘発したが、それらは、IL−18Rα欠損宿主において臨床的なEAEを誘発することができなかった(図10)。この発見は、IL−18Rαの欠損が、EAEの発生に必須の、宿主の非リンパ球の白血球に、T細胞活性と無関係に障害を生じさせるということをさらに強調する。
(実施例9)
本発明の可溶性IL−18Rαのクローニング及び発現
hIgG1重鎖の可変領域は、マウスIL−18Rαの細胞外ドメインと交換され、ヒトカッパ軽鎖の可変領域は、マウスIL−18Rβ、マウスIL−1RacP、マウスIL−1Rrp2、マウスT1/ST2、又はマウスIL−1R1の細胞外ドメインと交換された組換え抗体の発現を可能にするDNA構築物を産生した。
hIgG1定常重鎖に融合されるマウスIL−18Rαの細胞外ドメインをコードする配列は、ベクターpCEP4(Invitrogen社、カタログ番号V044−50)中でクローニングした。このベクターは、hIgG1定常重鎖に融合したマウスIL−18Rαの細胞外ドメインの発現を可能にする。上述のベクターの配列は、配列番号19に与えられる。ヒトDEC205のシグナルペプチドを使用し、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)を、融合タンパク質の2つの部分の間にコードした。
ヒトカッパ軽鎖の定常領域に融合するマウスIL−18Rβ、マウスIL−1RacP、マウスIL−IRrp2、マウスT1/ST2、又はマウスIL−1R1の細胞外ドメインをコードする配列は、ベクターpCEP4中でクローニングした(Invitrogen社、カタログ番号V044−50)。ヒトカッパ軽鎖の定常領域に融合するマウスIL−18Rβ、マウスIL−1RacP、マウスIL−1Rrp2、マウスT1/ST2、又はマウスIL−1R1の細胞外ドメインの発現を可能にする上述のベクターの配列は、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、及び配列番号24にそれぞれ与えられる。ヒトDEC205のシグナルペプチドを使用し、(GS)からなる15個のアミノ酸リンカー配列(配列番号15)を、融合タンパク質の2つの部分の間にコードした。
下記の表に、マウスIL−18Rα、マウスIL−18Rβ、マウスIL−1RacP、マウスIL−IRrp2、マウスT1/ST2、及びマウスIL−1R1をコードする配列のGenBank受託番号並びにタンパク質レベルでの細胞外ドメインに対応するアミノ酸(AA)を示す。
Figure 2009527535
hIgG1重鎖の可変領域は、マウスIL−18Rα細胞外ドメインの細胞外ドメインと交換され、ヒトカッパ軽鎖の可変領域は、マウスIL−18Rβの細胞外ドメインと交換された組換え抗体を産生した(たとえばWardemann Hら(Science,2003,vol.301(5638):p1374−7)によりに記載される技術を使用して)。
この組換え抗体(「キャッチャーαβ」と命名)は、293細胞中で発現させ、akta primeを使用して、プロテインAカラムで精製した。
他のキャッチャー分子(本明細書に記載されるAcP、IL−1Rrp2、T1/ST2、又はIL−1R1と結びつけられたIL−18Rαの可溶性受容体)は、類似する技術を使用して産生することができる。
組換え抗体(キャッチャーαβ)の活性は、in vitroで、IL−18シグナル伝達を有するその干渉活性について試験した(図12を参照されたい)。この分析では、野生型マウス脾細胞は、示したサイトカイン及び抗体を加えたRPMI完全培地中で24時間培養した。IFNγ分泌は、ELISAによって検出した(メーカー指示に従って、BD Biosciences社)。市販で入手可能なモノクローナル抗IL−18Rα抗体(クローン112624)(R&D Systems社)を表すAB、アイソタイプのコントロール抗体であるラットIgG、及びキャッチャーαβ。この実験の結果は、キャッチャーαβの機能性についての非常に明らかな証拠を提供し、キャッチャーαβは、既に非常に低濃度でINFγの産生を著しく低下させ、これは、キャッチャーαβが、IL−18に対する高度な親和性を有することを示唆する。
(実施例10)
本発明の可溶性IL−18Rαの生物活性
本発明の可溶性受容体の生物活性は、実施例3に記載された分析を使用して確認することができる。
手短かに言えば、IL−18−/−マウスを、CFA中で乳化したMOG35−55ペプチドを用いて皮下に免疫する。マウスは、免疫時に及び48時間後に200ng百日咳毒素を腹腔内に受ける。試験されることになる可溶性IL−18Rαを、免疫の1日前及びその後3日ごと又は疾患発症から始めて3日ごとに投与した。
マウスは、以下のように毎日スコア化する:0)検出可能なEAEの徴候なし;0.5)末端の尾部がぐったりしている;1)全尾部がぐったりしている;2)片側の部分的な後肢の麻痺;2.5)両側の部分的な肢の麻痺;3)両側の全後肢の麻痺;3.5)全後肢の麻痺及び片側の前肢の麻痺;4)前肢及び後肢の全麻痺(スコア>4は安楽死させる);5)死。
各時点で、各グループの平均疾患スコアを示す。統計的有意差は、独立スチューデントt検定を使用して評価する。
Figure 2009527535

Figure 2009527535
IL−18Rシグナル伝達は、IL−18と無関係に、EAE誘発に必要である。マウスは、CFA中のMOG35−55を用いて能動免疫し、0日目及び2日目に百日咳毒素をi.p.注射した。(a)p35−/−×IL−18−/−二重ノックアウトマウス及びwtマウスにおけるEAE進行を示す図である。2回の実験のうちの一方の代表的実験を示す(n=5マウス/グループ)。(b)wtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL−18Rα−/−マウスにおけるEAE進行を示す図である。3回の実験のうちの1つの代表的実験を示す(n=5マウス/グループ)。 IL−18Rシグナル伝達は、IL−18と無関係に、EAE誘発に必要である。マウスは、CFA中のMOG35−55を用いて能動免疫し、0日目及び2日目に百日咳毒素をi.p.注射した。疾患に関する浸潤のスコアを示すwt(スコア2)EAEマウス、IL−18−/−(スコア2)EAEマウス、IL−18Rα−/−(スコア0)EAEマウス、及び未処置マウスからのPFA固定脊髄の(a)H&E染色、(b)LFB染色、(c)CD3染色、(d)MAC3染色、及び(e)B220染色を示す図である。 IL−18−/−LN細胞は、それらの提唱される遺伝子型に一致してIL−18を産生しない。1μg/ml LPS、100ユニット/ml IFNγ、5μg/mlコンカナバリンA(ConA)、及び2.5ng/ml IL−12の示す混合物を用いて16時間刺激した未処置wt LN細胞並びにIL−18−/−LN細胞によるIL−18分泌を評価するELISAを示す図である。 IL−18及びIL−18Rαは、マイトジェンに刺激されたT細胞活性化に必要であるが、Th1発生に必要でない。(a)5μg/mlコンカナバリンA(ConA)を用いて16時間刺激した未処置wt LN細胞、IL−18−/−LN細胞、及びIL−18Rα−/−LN細胞によるIFNγ分泌を評価するELISAを示す図である。(b、c)マウスを200μg KLHで免疫し、7日後、LNを単離して再刺激した。(b)48時間、50μg/ml KLH又は5μg/ml ConAを用いて二通り再刺激したKLH免疫マウスからの上清中のIFNγのELISAを示す図である。(c)48時間、50μg/ml KLH、5μg/ml ConA、又は培地を用いて三通り再刺激したKLH免疫マウスからのLN細胞の増殖アッセイを示す図である。H−チミジンを、カウント毎分(CPM)で増殖を測定する24時間前に培養物に追加した。(d)BM由来DCを、wtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL18R−/−マウスから生成し、LPSを用いて成熟させ、続いて1μg/ml SMARTAペプチド、p11を用いてパルスした。p11特異的CD4T細胞を、未処置SMARTA−Tgマウスから得、増殖が、カウント毎分(CPM)でチミジン取り込みによって評価された場合に、ペプチドパルスし、且つ照射(2000ラド)したDCと共に72時間同時培養した。 代替IL−18Rα結合リガンドは、IL−18−/−マウスにおいてEAEを誘発する。(a)IL−18−/−は、MOG35−55を用いる免疫の1日前に、450μg抗IL−18Rα抗体(白色の正方形)又はコントロールIgG(黒色の菱形)を用いて処置し、その後の3日ごとに300μg抗体を用いて処置した。2回の実験のうちの一方の代表的実験を示す(n=5マウス/グループ)。(b)IL−18−/−マウス(n=6マウス/グループ)は、MOG35−55を用いて免疫し、疾患の第1の徴候の時点で、300μg抗IL−18Rα抗体(白色の正方形)又はコントロールIgG(黒色の菱形)を用いて処置した。 IL−18R−/−CD4+T細胞は、wt CD4T細胞及びIL−18−/−CD4T細胞に類似して活性化される。50μg/ml KLH又は培地を用いて2日間、in vitroで再刺激したKLH免疫wtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL−18R−/−マウスに由来する脾細胞のFACSを示す図である。2日後に、脾臓細胞を、CD4−FITC及び(a)CD5−APC、(b)CD62L−bio−SA−PerCP−Cy5.5、又は(c)CD44−PEを用いて染色した。 IL−18Rα−/−CD4T細胞は、疾患発症前に、wt CD4T細胞及びIL−18−/−CD4T細胞と同じ程度までCNSを浸潤する。wtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL−18Rα−/−マウスを、MOG35−55を用いて能動免疫し、免疫7日後に、マウスをPBSを用いて灌流し、CNSを単離した。勾配により小膠細胞を単離し、この部分における炎症細胞の浸潤をフローサイトメトリーによって評価した。細胞は、CD45−PerCP及びCD4−APCを用いて染色した。IL−18Rα−/−CD4T細胞は、CNSに侵入し、免疫7日後に、wt CD4T細胞及びIL−18−/−CD4T細胞と同じように侵入する。 IL−18Rα破壊は、IL−17の産生及びTIL−17細胞の発生に影響を及ぼす。wtマウス、IL−18−/−マウス、及びIL−18Rα−/−マウスを、KLHを用いて免疫し、7日後に、脾細胞を単離し、50μg/ml KLHを用いて再刺激した。(a)KLHを用いたin vitro再刺激の2日後の、wtリンパ球、IL−18−/−リンパ球、及びIL−18Rα−/−リンパ球によるIL−17 mRNA発現のリアルタイムPCR比較を示す図である。結果は、β−アクチン発現を基準に合わせ、二通り分析した。(b)二通りin vitroでKLHを用いて2日間再刺激したリンパ球によるIL−17タンパク質発現のELISAを示す図である。データは、1グループ当たり少なくとも2匹のマウスを組み合わせたものである。 IL−18Rαの不在はT細胞又はB細胞に障害を生じさせない。BMキメラマウスは、致死的に照射したwtマウス中に12〜25x10BM細胞を移入することにより生成した。6週間後に、再形成したIL−18Rα−/−→wt(灰色の三角形)、IL−18Rα−/−+RAG−/−→wt(白色の正方形)、及びwt→wt(黒色の菱形)骨髄キメラマウスは、MOG35−55ペプチドを用いて能動免疫し、臨床スコアを評価した。RAG−/−骨髄に由来する非T細胞及び非B細胞上のIL−18Rαの存在は、EAEに対する、IL−18Rα−/−→wtマウスの感受性をよみがえらせた。 IL−18Rα−/−マウスは、EAEの受身移入に対して抵抗性である。MOG反応性リンパ球は、wtマウスを能動免疫することにより生成し、11日後に脾臓及びLN細胞を単離し、それらを、4日間、in vitroで、20μg/ml MOG35−55及び2.5ng/ml IL−12を用いて再刺激した。EAEは、IL−18Rα−/−(灰色の三角形)マウス及びwt(黒色の菱形)マウス中への20〜30×10MOG反応性リンパ球の養子移入によってレシピエントマウスにおいて誘発された。2回の実験のうちの一方の代表的実験を示す(n=5マウス/グループ)。 抗IL−18RαAb処置は、周辺の免疫細胞の組成を変えない。IL−18−/−マウスは、MOG35−55を用いる免疫の1日前に、300μg抗IL−18Rα抗体又はコントロールIgGを用いて処置し、7日後に、脾臓を単離し、均質化して、免疫細胞組成をフローサイトメトリーによって評価した。細胞は、CD8−FITC、CD4−APC、NK1.1−bio−SA−PerCP、及びB220−PE又はCD11b−FITC、CD11c−APC、及びGR1−bio−SA−PerCPについて染色した。抗IL−18RαAb処置IL−18−/−マウスにおいて免疫細胞組成に差異はない。2匹のマウス/グループの一方の代表的なFACSを示す。 in vitro IL−18シグナル伝達を有する組換え抗体(キャッチャーαβ)の干渉活性を示す図である。野生型マウス脾細胞を、示すサイトカイン及び抗体を用いた刺激の後にIFNγ分泌について試験した。市販で入手可能なモノクローナル抗IL−18Rα抗体(クローン 112624)(R&D Systems社)であるAB、アイソタイプのコントロール抗体であるラットIgG、及びキャッチャーαβ。

Claims (28)

  1. IL−18Rα又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部を含む可溶性受容体。
  2. 前記IL−18Rαの細胞外ドメインのすべて又は一部は、ヒトIL−18Rα又はその変異体の細胞外ドメインのすべて又は一部である請求項1に記載の可溶性受容体。
  3. 配列番号2のアミノ酸残基19〜132及び/又は配列番号2のアミノ酸残基122〜219及び/又は配列番号2のアミノ酸残基213〜329及び/又は前記アミノ酸残基の変異体を含む請求項1又は2に記載の可溶性受容体。
  4. 配列番号2のアミノ酸残基19〜219並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基122〜329並びに/又はペプチド結合によって連結された配列番号2のアミノ酸残基19〜132及び213〜329並びに/又は前記アミノ酸残基の変異体を含む請求項1から3までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  5. 配列番号2のアミノ酸残基19〜329及び/又は前記アミノ酸残基の変異体を含む請求項1から4までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  6. 前記アミノ酸残基の前記変異体は、前記アミノ酸残基と少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドである請求項3から5までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  7. 配列番号2のアミノ酸残基19〜132並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基122〜219並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基213〜329並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基19〜219並びに/又は配列番号2の122〜329並びに/又はペプチド結合によって連結された配列番号2のアミノ酸残基19〜132及び213〜329並びに/又は配列番号2のアミノ酸残基19〜329並びに/又は前記アミノ酸残基の変異体からなる少なくとも2つのサブユニットを融合タンパク質として同じタンパク質骨格上に含む請求項3から6までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  8. 前記アミノ酸残基の前記変異体は、前記アミノ酸残基と少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドである請求項7に記載の可溶性受容体。
  9. 少なくとも2つのサブユニットは同じである請求項8に記載の可溶性受容体。
  10. さらなるアミノ酸ドメインに作動可能に連結された、請求項1から9までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  11. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の可溶性受容体の多量体、特に二量体。
  12. IL−18Rβの細胞外ドメインのすべて又は一部を含む少なくとも1つのIL−18Rβサブユニットをさらに含む請求項1から10までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  13. IL−1RacPの細胞外ドメインのすべて又は一部を含む少なくとも1つのIL−1RacPサブユニットをさらに含む請求項1から10までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  14. IL−1R−rp2の細胞外ドメインのすべて又は一部を含む少なくとも1つのIL−1R−rp2サブユニットをさらに含む請求項1から10までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  15. T1/ST2の細胞外ドメインのすべて又は一部を含む少なくとも1つのT1/ST2サブユニットをさらに含む請求項1から10までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  16. IL−1R−1の細胞外ドメインのすべて又は一部を含む少なくとも1つのIL−1R−1サブユニットをさらに含む請求項1から10までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  17. 医薬としての使用のための請求項1から16までのいずれか一項に記載の可溶性受容体。
  18. 自己免疫疾患又は脱髄疾患の処置のための医薬の製造における請求項1から16までのいずれか一項に記載の可溶性受容体の使用。
  19. 前記脱髄疾患は多発性硬化症である請求項18に記載の使用。
  20. 患者における自己免疫疾患又は脱髄疾患の症状を処置する、予防する、又は寛解させる方法であって、前記患者に、治療的有効量の、請求項1から16までのいずれか一項に記載の可溶性受容体を投与することを含む方法。
  21. 前記患者はヒトである請求項20に記載の方法。
  22. 前記脱髄疾患は多発性硬化症である請求項20又は21に記載の方法。
  23. 前記患者は、再発寛解型(RR)多発性硬化症、二次進行型(SP)多発性硬化症、一次進行型(PP)多発性硬化症、又は進行再発型(PR)多発性硬化症に冒されている請求項18から22までのいずれか一項に記載の方法又は使用。
  24. 前記可溶性受容体は、MSを処置する又は予防するための第2の治療薬と共に投与される請求項18から23までのいずれか一項に記載の方法又は使用。
  25. 前記可溶性受容体は、コルチコステロイド、免疫抑制剤、神経保護薬、免疫調節剤、又はインターフェロンと共に投与される請求項24に記載の方法又は使用。
  26. 前記可溶性受容体は、インターフェロン−ベータと、好ましくはインターフェロンベータ−1aと、より好ましくはRebif(登録商標)(Serono社)と共に投与される請求項25に記載の方法又は使用。
  27. 哺乳動物患者、好ましくはヒト患者のMSの治療における同時の、別個の、又は順次の使用のための、請求項1から16までのいずれかに記載の可溶性受容体及び併用調製物としてコルチコステロイド、免疫抑制剤、神経保護薬、免疫調節剤、又はインターフェロンを含む製品。
  28. 前記インターフェロンは、インターフェロン−ベータ、好ましくはインターフェロンベータ−1a、より好ましくはRebif(登録商標)(Serono社)である請求項27に記載の製品。
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