JP2009527376A - クリーニングピストンにおける連行防止手段を備えたミキシングヘッド - Google Patents
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Abstract
本発明は、反応し合う少なくとも2つのプラスチック成分から成る反応性材料混合物を処理するためのミキシングヘッドであって、ミキシングチャンバを備えたミキシング装置(12)が設けられており、該ミキシングチャンバ内で、クリーニングピストン(18)が、可逆式で往復運動式に配置されている形式のものに関する。クリーニングピストン(18’’’)に沿ってプラスチック材料成長するのを防止するために、クリーニングピストンまたはクリーニングピストンと結合されたシャフトが、クリーニングピストンまたはシャフトを周方向で包囲する厚み部(22)または直径拡張部を備えており、厚み部(22)または拡張部が、プラスチック成分または材料混合物の連行防止手段として作用する。
Description
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式のミキシングヘッドに関する。
反応し合う少なくとも2つのプラスチック成分から成る反応性材料混合物を処理するためのミキシングヘッドは、多くの形式で公知である。プラスチック成分は、ミキシングチャンバに導入され、ミキシングチャンバ内で互いに完全に混合され、ミキシングチャンバの1端部で少なくとも出口管を介して導出される。導出は、多くの場合成形型もしくは成形型のキャビティに行われる。
混合チャンバ内でプラスチック材料が完全に反応して、混合チャンバが閉塞しないよう保証するために、多くの場合クリーニングピストンが設けられており、クリーニングピストンは、ミキシングチャンバから材料を導出する間、引っ込められている。送出サイクルのあとで混合チャンバから導出が行われない場合、クリーニングピストンは、ミキシングチャンバに進入して、ミキシングチャンバを浄化する。次いで再び材料導出を行おうとすると、クリーニングピストンは、再び引っ込められ、そのようにして解放された混合チャンバは、再び規定の形式で使用される。このようにしてクリーニングピストンは可逆式で往復運動式に作動される。運動は、駆動装置によって形成され、駆動装置は、クリーニングピストンの端部に作用する。駆動装置とクリーニングピストンとの間の結合は、シャフトを介して形成される。
クリーニングピストンとミキシングチャンバもしくはミキシングチャンバに向かってクリーニングピストンを包囲するハウジングとの間で、少なくとも1つのトレランスギャップが維持されており、トレランスギャップは、クリーニングピストンの往復運動を許容する。そのような最小トレランスギャップは、使用される材料混合物に応じて、多くの場合プラスチック成分または既に混合された材料混合物がクリーニングピストンに沿って運動すれば十分である。ここで述べておくと、このような材料はクリーニングピストンまたはこれに続くシャフトに沿って連行される、つまり成長する。連行過程が中断されないと、プラスチック成分または材料混合物は、クリーニングピストンのシャフトに固着するか、またはクリーニングピストンに沿って駆動装置まで到達する。この場合ミキシングヘッドの領域で汚れが生じるだけでなく、プラスチック成分は、駆動装置の領域で硬化して、クリーニングピストンが固着する。この場合ミキシングヘッドは、作用不能で、再び修理する必要がある。これとは無関係に、クリーニングピストンまたはそのシャフトに堆積する材料は、ほぼ毎日手間を掛けて除去する必要がある。とりわけ問題なのは、希薄で、長い反応時間を有する軟質フォーム材料である。材料フォームが駆動装置に到達すると、材料フォームは作動油を汚染し、作動油は、コストを掛けて再びクリーニングする必要がある。
クリーニングピストンまたはクリーニングピストンのシャフトの固着を防止するために、クリーニングピストンまたはシャフトのガイドされたハウジングに凹所を配置することが公知であり、その結果、不可避に連行される材料により、硬化に基づいて装置全体の機能停止がもたらされることはない。多くの場合少なくとも2面で開いた、鐘形容器とも記載される凹所は、上方への成長を防止するのではなく、むしろ手作業のクリーニングならびに直接的な固着の防止を実現する。
また装置を用いてクリーニングピストンのシャフトひいては鐘形容器を洗浄することも公知である。しかしながらこのことは一方では面倒であり、また他方ではフォーム材料の連行および硬化は多くの場合完全には防止されない。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3522618号明細書には、流動性プラスチックを製造するためのミキシングヘッドが記載されており、ここでは押出ピストンが、ミキシングチャンバ内で往復摺動式にガイドされている。押出ピストンは、端部で、駆動装置の、面取りされたシャフトと結合されており、この場合押出ピストンからシャフトへの移行部に段部が設けられている。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3618395号明細書から、内実な、またはフォーム化されたプラスチックを形成する反応混合物を製造するための装置が公知であり、ここでも同様に押出ピストンが、ミキシングチャンバ内で往復運動式にガイドされている。ここでも押出ピストンに、ハイドロリック式駆動装置の太いシャフトが接続されている。
欧州特許出願公開第391152号明細書には、反応成分のためのミキシングヘッドが開示されており、ミキシングヘッドは、ピストン状のクリーニングエレメントを備えており、クリーニングエレメントは、ミキシングチャンバ内で往復運動される。クリーニングエレメントの上位端部に、ストッパとして作用する拡張部が設けられている。別のリング状の拡張部は、ピストンの中央に配置されている。リング状の拡張部は、クリーニングエレメントの位置を検出するためのセンサと協働する。
前述の3つの文献では、クリーニングエレメントを介して反応材料が連行される問題については説明されていないか、または言及されていない。またこの問題を解決する手段も挙げられていない。
したがってシャフト(ピストンロッドとも呼ばれる)を介してハイドロリック領域(クリーニングピストンのための駆動装置)までフォーム材料が連行される問題が存在しており、これによって油汚染リスクが生じる。
本発明の課題は、ミキシングチャンバ内に存在する材料混合物または材料混合物に導入されたプラスチック成分の、クリーニングピストンまたはクリーニングピストンのシャフトに沿った駆動装置に向かう成長を中断して、簡単なクリーニングを実現する手段を提供することである。
この課題は、請求項1の特徴部に記載した構成手段によって解決される。
本発明によれば、反応し合う少なくとも2つのプラスチック成分から成る反応性材料混合物を処理するためのミキシングヘッドであって、ミキシングチャンバを備えたミキシング装置が設けられており、ミキシングチャンバ内で、クリーニングピストンが、可逆式で往復運動式に配置されている形式のものにおいて、クリーニングピストンまたはクリーニングピストンと結合されたシャフトが、クリーニングピストンまたはシャフトを周方向で包囲する厚み部または直径拡張部を備えており、厚み部または直径拡張部が、材料混合物を半径方向外側へ押し込むためにハウジング壁部と協働するようになっており、厚み部または直径拡張部が、ハウジングの凹所内で、クリーニングピストンまたはシャフトと共に、往復運動可能になっており、厚み部が、斜面を備えており、斜面が、ハウジングの壁部よりも急になっており、余剰材料が、半径方向外向きに押し出されるようになっている。
有利には、ミキシングチャンバにクリーニングピストンが進入する際に、厚み部または直径拡張部が、クリーニングピストンまたはシャフトを収容するハウジングのハウジング壁部の傍まで移動できるようになっている。
有利には、厚み部が、大体においてリング状に形成されている。
有利には、リング状の厚み部が、大体において半円形、三角形または台形の横断面を有している。
有利には、リング状の厚み部が、クリーニングピストンと一体的に形成されている。
有利には、リングが、リングピストンに被せ嵌められていて、特に収縮嵌めされている。
本発明によれば、公知のミキシングチャンバにおいて、クリーニングピストンまたはクリーニングピストンのシャフトに、クリーニングピストンまたはシャフトを周方向で包囲する厚み部、ローゼット状の隆起部、または直径拡張部が設けられており、これらはプラスチック成分または材料混合物の連行防止手段として役立つ。
特にハウジング壁と協働して、自由空間または鐘形容器に連行されるフォームは、半径方向外側へ押し込まれるので、シャフト(ピストンロッドとも呼ばれる)のための自由空間が形成され、これによってシャフトの隆起部または厚み部の上方における汚染が効果的に防止される。
実験によって、本発明による装置の極めて良好な結果が得られた。フォームが厚み部または隆起部を超えて連行されることはなく、ハイドロリック油は、もはやクリーニングする必要がない。
厚み部または直径拡張部は、たとえばリング状に形成することができ、それもクリーニングピストンと一体的に製作することも、後付けで製作することもでき、クリーニングピストンに適当なエレメントが被せ嵌め、特に収縮嵌めされる。これに関して重要な点によれば、厚み部または拡張部、要するにたとえばリングが、クリーニングピストンまたはクリーニングピストンのシャフトに堅固に設けられ、クリーニングピストンの運動によって摺動することはない。
厚み部または直径拡張部は、ハウジングの凹所内で往復運動される。凹所は、鐘形容器とも記載される。凹所は、ミキシングチャンバ側で壁によって制限されていて、厚み部または拡張部の斜面と協働する。この場合厚み部は、横断面で半円形、三角形または台形の横断面を有してよい。
有利には、厚み部の下位壁部または拡張部が、下方に配置された、厚み部または拡張部と協働するハウジング壁部よりも大きな斜度を有しているので、半径方向外向きの押出が実現される。これについては実施例の説明に関して後述する。
次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
図1および図2に示したミキシングヘッド10は、ミキシング装置12を備えており、ミキシング装置12に、ミキシングチャンバ(図示していない)が形成されている。さらにミキシング装置12に4つの射出ノズル14が配置されており、射出ノズル14によって、プラスチック材料または添加剤は、ミキシングチャンバに導入することができる。
ミキシングチャンバの下位端部に出口管16が配置されており、出口管16を介して、ミキシングチャンバ内で形成された材料混合物は、ミキシングヘッド10から導出することができる。ミキシングチャンバは、図1において下方に移動されたクリーニングピストン18’’’によってクリーニングすることができるので、クリーニングピストンは、ミキシングチャンバに収容されていて、ミキシングチャンバを洗浄する。図1には、クリーニングピストン18’’’のシャフトの上位端部18’しか看取されない。クリーニングピストン18’’’は、ここではハイドロリック式に形成された駆動装置20によって往復運動式に負荷される。
図2に示した状態は、図1に示した状態とは異なっており、クリーニングピストン18が引き戻されているので、ミキシングチャンバは解放される。この状態で、原料は、射出ノズル14を介してミキシングチャンバに導入され、そこで混合され、出口管16を介して導出される。図2には、シャフトの下位端部18’’が看取される。下位端部18’’の直ぐ下にクリーニングピストン18’’’が続いており、クリーニングピストン18’’’の一部が図2から看取される。
シャフトの上位部分18’および下位部分18’’は、視覚的にリング状の隆起部(厚み部または直径拡張部)22によって分離されている。隆起部22は、あとで詳しく説明するが、連行防止手段として役立つ。図1には、隆起部22は、下位の位置でみられる。なぜならばクリーニングピストン18が前進されているからである。図2では、隆起部22は、後退位置で示している。なぜならばクリーニングピストン18’’’は後退されているからである。
リング状の隆起部22は、ミキシングヘッドのハウジング25の凹所24内で往復運動式に収容されている。鐘形容器とも記載される凹所24は、フォーム材料を収容するのに役立ち、隆起部に、十分な運動スペースを実現する。凹所24の下位端部は、ハウジング25の、円錐形に延びる壁部26によって規定されている。選択的に、この部分は別の形式で形成してもよい。たとえば円錐部分をヘッド部材の一部として形成してもよく、完全に省略して壁部を偏平に形成してもよい。
リング状の隆起部22の作用を、以下に図3のaおよびbにつき説明する。
クリーニングピストン18’’’は、必然的にミキシングチャンバとクリーニングピストン18’’’との間のリングギャップに進入する軟質フォーム材料によって包囲される。クリーニングピストン18’’’が上方移動する際に、軟質フォーム材料は上方に連行される。摩擦作用に基づいて、ならびに絶えずあとから材料が押し込まれることに基づいて、フォーム材料は、クリーニングピストンの周期運動を介して、クリーニングピストンに沿って上方に向かって連行され、成長する。クリーニングピストン18’’’が下方移動すると、フォーム材料は、シャフト18’’のためのハウジング入口で掻き落とされ、隆起部22は、フォーム材料を、円錐形に形成された壁部26と協働して、半径方向外側(符合32)に押し込む。次のサイクルで、新たに材料が半径方向外側に押し込まれるので、先行サイクルで押し込まれた材料は、上方に移動される。これによって円筒形のフォーム材料層(チューブ)30が形成され、フォーム材料層は、図3のaにおいて符合30で示した。
チューブ30は、下向きの運動ステップごとに僅かに上方に成長する。厚み部に基づいて、チューブ30は、半径方向でシャフトの上部18’から間隔を有しており、これについては特にクリーニングピストン18’’’が再び上方移動された図3のbから看取される。これによってシャフトの上部18’は接触されず、したがって汚染されない。このようにしてシャフトの上部18’は清潔に維持され、材料がシャフト18‘を介して上方に連行されることはない。
フォーム材料チューブは、適当な長さ形成に応じて、たとえば日に1度除去される。フォーム材料チューブがシャフト18‘に付着しておらず、むしろ「自由」に位置するので、極めて簡単に除去することができる。
図4に示したように、隆起部22の下位端壁に傾斜(矢印38)が形成されると有利であり、傾斜38は、隆起部22と協働するハウジング壁部36の傾斜(矢印37)よりも大きい。これによって半径方向の押込が助成される。
図5に示したように、クリーニングピストンのシャフトは、単純に細い部分42から太い部分40に半径方向で拡張(符合44)していてもよい。この円錐拡張によっても押込作用がもたらされる。もちろんこの場合、上部40は、そのように形成された材料チューブと接触しないようには保証されない。この場合有利には、この部分は、半径方向で幾分か凹んで形成されている。
本発明によって効果的に反応性プラスチック成分の駆動装置への進入を防止することができ、総じてこれによりミキシングヘッドの運転確実性および長期使用が助成される。
10 ミキシングヘッド、 12 ミキシングユニット、 14 射出ノズル、 16 出口管、 18’ シャフトの上部、 18’’ シャフトの下部、 18’’’ クリーニングピストン、 20 クリーニングピストンのための駆動装置、 22 隆起部、 24 凹所/鐘形容器、 25 ハウジング、 26 円錐形に形成されたハウジング壁部、 30 軟質フォーム材料チューブ、 32 半径方向の押込領域、 34 隆起部の端面側の下位壁部、 36 円錐形のハウジング壁部、 37 ハウジング壁部に対する角度、 38 端面側の隆起部に対する角度、 40 太いシャフト部分、 42 細いシャフト部分、 44 シャフト拡張部
Claims (6)
- 反応し合う少なくとも2つのプラスチック成分から成る反応性材料混合物を処理するためのミキシングヘッドであって、
ミキシングチャンバを備えたミキシング装置(12)が設けられており、該ミキシングチャンバ内で、クリーニングピストン(18)が、可逆式で往復運動式に配置されている形式のものにおいて、
クリーニングピストン(18’’’)または該クリーニングピストン(18’’’)と結合されたシャフト(18’’)が、クリーニングピストン(18’’’)またはシャフト(18’’)を周方向で包囲する厚み部(22)または直径拡張部を備えており、該厚み部(22)または直径拡張部が、材料混合物を半径方向外側へ押し込むためにハウジング壁部(26)と協働するようになっており、
厚み部(22)または直径拡張部が、ハウジング(25)の凹所(24)内で、クリーニングピストンまたはシャフトと共に、往復運動可能になっており、
厚み部(22)が、斜面(34)を備えており、該斜面(34)が、ハウジング(25)の壁部(36)よりも急になっており、余剰材料が、半径方向外向きに押し出されるようになっていることを特徴とする、ミキシングヘッド。 - ミキシングチャンバにクリーニングピストン(18’’’)が進入する際に、厚み部(22)または直径拡張部が、クリーニングピストンまたはシャフトを収容するハウジングのハウジング壁部(26)の傍まで移動できるようになっている、請求項1記載のミキシングヘッド。
- 厚み部(22)が、大体においてリング状に形成されている、請求項1または2記載のミキシングヘッド。
- リング状の厚み部が、大体において半円形、三角形または台形の横断面を有している、請求項3記載のミキシングヘッド。
- リング状の厚み部(22)が、クリーニングピストン(18’’’)と一体的に形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のミキシングヘッド。
- リングが、リングピストン(18’’’)に被せ嵌められていて、特に収縮嵌めされている、請求項1から4までのいずれか1項記載のミキシングヘッド。
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