JP2009522675A - 遠隔に記憶されたテンプレートを使用する自動化された処理（書式を処理する方法、該書式を処理する装置） - Google Patents

Abstract

【課題】コンピュータに実装された、書式を処理するための方法。
【解決手段】本方法は、ローカル・メモリを有するコンピュータ・システムにおいて、ローカル・メモリには記憶されていないテンプレートに適合する書式を受け付けるステップを含む。識別情報が、コンピュータ・システムを使用して書式から抽出される。識別情報は、コンピュータ・システム外部の、テンプレートが記憶される遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを示す。テンプレートは、識別情報に応じて、遠隔記憶場所との広域通信網（ＷＡＮ）を介した通信によって取り出される。書式は、取り出されたテンプレートに応じて処理される。
【選択図】図２

Description

本発明は、一般的には、書式処理システムに関し、特に、遠隔に記憶されたテンプレートを使用して未知の構成を有する書式を自動化処理するための方法およびシステムに関する。

数多くの種類の組織は、サービスを提供してそのビジネスを実行するために、クライアントからデータを取得するための書式を使用している。そのような組織は、典型的には、コンピュータ化されたデータベースと、書式で伝達された情報を記憶およびそうでなければ処理するための他のコンピュータ化されたシステムとを運用する。典型的には、そのようなシステムは、数多くの書式を処理し、それらをコンピュータ読み取り可能な情報に変換する。

アプリケーションの中には、クライアントによって記入されかつ提出される紙書式を使用するものがある。例えば、インターナショナル・ビジネス・マシーン社（ニューヨーク州アーモンク）は、インテリジェント・フォーム・プロセッシング（ＩＦＰ：Ｉｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔ Ｆｏｒｍｓ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ）システムを提供しており、これは、数多くの紙書式からのデータ取出しを自動化するものである。ＩＦＰシステムに関するさらなる詳細は、ｗｗｗ２．ｃｌｅａｒｌａｋｅ．ｉｂｍ．ｃｏｍ／ＧＯＶ／ｉｆｐ／で入手可能である。

したがって、本発明の一実施の形態によれば、紙書式を処理するためのコンピュータに実装された方法が提供される。本方法は、ローカル・メモリを有するコンピュータ・システムにおいて、ローカル・メモリには記憶されていないテンプレートに適合する記入された紙書式を受け付けるステップを含む。識別情報が、コンピュータ・システムを使用して、記入された紙書式から抽出される。識別情報は、コンピュータ・システム外であってテンプレートが記憶される遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを示す。テンプレートは、識別情報に応じて、遠隔記憶場所との広域通信網（ＷＡＮ：ｗｉｄｅ−ａｒｅａ ｎｅｔｗｏｒｋ）を介した通信によって取り出される。記入された紙書式は、取り出されたテンプレートに応じて処理される。

一実施の形態において、コンピュータ・システムは、第１の組織に関連付けられ、遠隔記憶場所は、第１の組織とは異なる第２の組織に関連付けられる。

他の実施の形態において、識別情報を抽出するステップは、記入された紙書式上に印刷された、グラフィカルにエンコードされた画像をデコードするステップと、光学式文字認識（ＯＣＲ：ｏｐｔｉｃａｌ ｃｈａｒａｃｔｅｒ ｒｅｃｏｇｎｉｔｉｏｎ）処理を使用してテキスト情報を認識するステップとのうちの少なくとも１つを含む。グラフィカルにエンコードされた画像は、識別情報をエンコードするバーコード画像を含んでもよい。

さらに他の実施の形態において、識別情報を抽出するステップは、ネットワーク・アドレスに加えて、テンプレートを識別する識別子を抽出するステップを含み、テンプレートを取り出すステップは、識別子を使用して、遠隔記憶場所に記憶された複数のテンプレートから遠隔記憶場所におけるテンプレートを選択するステップを含む。

さらに他の実施の形態において、テンプレートはテンプレート情報を含み、テンプレート情報の一部は記された書式に埋め込まれる。本実施の形態において、識別情報を抽出するステップは、テンプレートを遠隔記憶場所から取り出すのに加えて、記入された書式からテンプレート情報の一部を抽出するステップを含む。

一実施の形態において、識別情報を抽出するステップは、記入された書式内のテンプレートの作成者(オリジネーター)に関連した情報を識別することによって、遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを決定するステップを含む。

また、本発明の一実施の形態によれば、テンプレートに適合する紙書式を処理するための他のコンピュータに実装された方法が提供される。本方法は、テンプレート情報をエンコードするステップであって、テンプレート情報は、紙書式上に印刷されたコンピュータ読み取り可能なシンボル内にある、テンプレートのフィールドに関連する幾何情報と、テンプレートのフィールドの予想される内容に関連する内容関連情報とのうちの少なくとも１つを含む。テンプレートに適合する記入された紙書式が受け付られる。記入された紙書式から、コンピュータ読み取り可能なシンボルがデコードされて、テンプレートの情報を抽出する。記入された紙書式は、抽出されたテンプレートの情報に応じて処理される。

本発明の他の実施の形態によれば、コンピュータ読み取り可能な書式が提供される。本書式は、テンプレートが印刷されかつテンプレート情報をエンコードするコンピュータ読み取り可能なシンボルが印刷されるページを含み、テンプレート情報は、テンプレートのフィールドに関連する幾何情報と、テンプレートのフィールドの予想される内容に関連する内容関連情報とのうちの少なくとも１つを備え、コンピュータが紙書式の画像を受信すると、シンボルからテンプレート情報を抽出して、テンプレート情報を使用してテンプレートを再構築できるようにする。

また、本発明の一実施の形態によれば、紙書式を処理するための装置が提供される。本装置は、テンプレートに適合する記入された紙書式を受け付けるように構成される入力装置を含む。さらに、本装置は、広域通信網（ＷＡＮ）と通信するように構成されるネットワーク・インターフェースと、記入された紙書式から識別情報を抽出するように構成されるプロセッサとを含む。本識別情報は、テンプレートが記憶される、装置外部の遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを示し、ネットワーク・インターフェースを使用して遠隔記憶場所とＷＡＮを介して通信することによって識別情報に応じたテンプレートを取り出し、かつ、記入された紙書式を取り出されたテンプレートに応じて処理する。

本発明の他の実施の形態によれば、紙書式を処理するためのシステムが提供される。本システムは、書式テンプレートを記憶するように構成される１つ以上の遠隔サーバと、書式プロセッサとを含む。書式プロセッサは、書式プロセッサ内にローカルに記憶されていないテンプレートに適合する記入された紙書式を受け付け、識別情報を記入された紙書式から抽出するように構成される。識別情報は、テンプレートが記憶された１つ以上の遠隔サーバから選ばれたサーバのネットワーク・アドレスを示し、選択されたサーバと広域通信網（ＷＡＮ）を介して通信することによって識別情報に応じたテンプレートを取り出し、取り出されたテンプレートに応じた記入された紙書式を処理する。

本発明は、図面と共にその実施の形態の以下の詳細な説明からさらに完全に理解されるだろう。

概要
紙書式の自動化処理のための既知の方法およびシステムが典型的に前提としているのは、処理済の書式の構成またはテンプレートは書式が提出される際に書式処理システムにおいてローカルに入手可能であるということである。このような既知の方法およびシステムにおいて、テンプレートは、システムのローカル・メモリにアプリオリに記憶されているか、または各提出された形式と共に提供されるかのいずれかである。しかしながら、アプリケーションによっては、書式が提出される時点において、処理対象の書式のテンプレートがシステムにとってローカルに入手可能でない場合がある。

本発明の実施の形態は、テンプレートが書式処理システムの外部の遠隔記憶場所に記憶される紙書式を処理するための方法およびシステムを提供する。そのような遠隔場所は、例えば、書式作成者のウェブ・サイトを含んでもよい。テンプレートを識別する情報が書式に埋め込まれる。識別情報は、典型的には、対応するテンプレートを見つけることができる遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを示す。記入された紙書式が処理のために提出されると、システムは、識別情報を抽出した後に、遠隔に記憶されたテンプレートを記入された書式を処理するのに使用するために取り出す。

テンプレートがローカルに記憶される周知の方法およびシステムとは異なり、本明細書に記載の方法およびシステムは、異なる供給源から生じる紙書式の処理と、時間の経過と共に変化しうるものもある広範囲のテンプレートに対する適合とを可能にする。さらに、遠隔に記憶されたテンプレートを使用することによって、以下に示すように、書式作成者および受領者の両方に対して大幅な動作柔軟性が提供される。

システムの説明
図１は、本発明の一実施の形態に係る、紙書式処理のためのシステム２０を概略的に示すブロック図である。システム２０は、手書きまたはタイプあるいはその両方で記入されるような、異なるフォーマットの記入された紙書式２４を受け付ける。システムは、書式で伝達された情報を抽出する。情報は、その後、データベースに記憶されてもよいし、ユーザに表示されてもよいし、他のアプリケーションまたはシステムに提供されてもよいし、任意の他のやり方で使用されてもよい。

各紙書式は、それぞれ予め規定されたテンプレート２６に適合している。テンプレートは、テンプレート情報を備え、テンプレート情報は、書式のレイアウト関連特性と内容関連特性とを典型的には規定する。テンプレート情報は、例えば、書式のフィールドの名前と、フィールドの位置座標およびサイズとを備えてもよい。それに加えてまたはその代わりに、テンプレート情報は、各フィールドにおいて予想される文字種、フォーマット、または範囲を備えてもよく、それらには、例えば、数字または英数字、単数字、整数、または日付フォーマットなどがある。

ある実施の形態においては、テンプレート情報は、書式のフィールドに記入される情報に関連する妥当性規則を備える。例えば、インボイス書式において、妥当性規則は、合計（ＴＯＴＡＬ）フィールドに記入されるエントリが小計（ＳＵＢＴＯＴＡＬ）フィールドのエントリに８％の州税を加えたものと等しくなければならないことを示してもよい。以下に示すように、テンプレート情報は、書式の取得の効率性および正確性を向上するために、書式処理システムによって使用されることが多い。

あるアプリケーションにおいては、書式テンプレートは、ローカルに記憶されるのではなく、書式処理システムに直接関連付けられない遠隔場所に記憶および保持される場合がある。例えば、システム２０は、組織が複数の供給元から商品またはサービスを取得する場合に、インボイス処理アプリケーションを備えてもよい。供給元は紙のインボイスを組織に提出し、組織は支払いを清算するために当該インボイスを処理する。組織は、受領するインボイスを処理するための書式処理システム２０を使用する。

インボイス処理アプリケーションの例において、各供給元は、異なるインボイス・テンプレートを使用することがある。組織は、複数の供給元から様々なインボイス・フォーマットを受領することがある。ある供給元は、１つ以上のインボイス・テンプレートを使用することがある。ある供給元は初めての供給元で、以前そこからインボイスを受領したことがない場合もある。インボイス・テンプレートは、受領先組織となんら調整することもなく修正される場合もある。

そのようなアプリケーションにおいては、異なる供給源から生じる様々な動的なテンプレートの状況をローカルに常に把握することは困難であることが理解できる。さらに、いくつかの書式処理システムにおいて、特定の供給元のインボイス・テンプレートを使用することが望ましい場合もある。以下に示すように、このような難問は、遠隔に記憶されたテンプレートを使用することによって克服可能である。遠隔に記憶されたテンプレートを使用することに関連付けられるさらなる利点および動作の柔軟性については後述する。

上述のインボイス処理アプリケーションは、遠隔に記憶されたテンプレートを使用して紙書式を処理する必要性を示すために、アプリケーションの一例として選ばれたものである。本明細書に記載の方法およびシステムは、手書きで記入する宝くじの書式、クレジット・カード伝票、ホテルの受領書、および収入明細書などの処理といった、任意の他の適切な書式処理アプリケーションにおいて使用することができる。

書式処理システムに対して、変化する可能性のある数多くの書式テンプレートを認識および使用させるようにするのは現実的でない場合が多い。既知の方法の中には、テンプレートの支援なしで書式のフィールドを自動的に識別するようにするものもある。そのような方法は、例えば、米国特許第６８８６１３６号および第６６４０００９号ならびに米国特許出願公開第２００２／０１１１９６１号に記載されている。しかしながら、これらの方法は、低速で高くつき、誤りが生じやすいことが多い。以下に説明する方法およびシステムは、書式作成者または第三者のウェブ・サイト内などといった書式処理システム外部の遠隔記憶場所に記憶された書式テンプレートを取り出すという、異なる取り組みを使用するものである。

システム２０は、記入された紙書式を受け付けかつ処理することに関連付けられた機能を行う書式プロセッサ２８を備える。書式プロセッサ２８は、記入された紙書式を取り込んでそれらを適切なコンピュータ認識可能なグラフィカルなフォーマットを有する画像を形成する入力装置３２を備える。ある実施の形態においては、装置３２は、文書スキャナまたはファックス機を備える。他の実施の形態において、記入された紙書式は、既にシステム２０に対して、グラフィカルな電子フォーマットで既に提出されている。そのような実施の形態においては、装置３２は、グラフィカルな画像を受け付けるための適切な入力インターフェースを備える。システム２０は、異なるやり方で書式をシステムが受け付けることができるように、いくつかの異なる入力装置３２を備えてもよい。

入力装置３２によって作成された書式画像は、各書式に記入された情報を抽出してそれを認識されたテキストに変換する光学式文字認識（ＯＣＲ：ｏｐｔｉｃａｌ ｃｈａｒａｃｔｅｒ ｒｅｃｏｇｎｉｔｉｏｎ）モジュール３６によって処理される。ＯＣＲモジュール３６は、この目的のために、当該技術において周知の任意の適切なＯＣＲ処理を適用してもよい。ある実施の形態においては、ＯＣＲ処理は、認識処理中にテンプレート情報を使用する。多くの場合、テンプレート情報によって、ＯＣＲモジュールは、認識処理の正確性およびスピードを向上させることができる。例えば、テンプレート情報は、ＯＣＲモジュールに対して、書式のある領域のみにあるテキストを検索するようにさせることによって、変換処理を高速化してもよい。他の例として、テンプレート情報が予想される文字種、値の範囲または妥当性規則あるいはそれらすべてを規定している場合には、この情報によって変換誤りを検出することができ、認識の正確性を向上することができる。

ある実施の形態においては、特定の書式のテンプレート２６は、書式作成者のウェブ・サイト４４などの書式プロセッサ２８の外部の遠隔記憶場所に記憶される。ウェブ・サイト４４に記憶されたテンプレート情報は、例えば拡張可能なマーク付け言語（ＸＭＬ）を使用するといった、書式フィールドの説明(記述)などを備えてもよい。そのような説明は、典型的には、各フィールドのデータ型（例えば、数字、英数字、またはブール）および許容値の範囲を規定する。テンプレート情報は、書式上の各フィールドの位置座標を備えてもよい。テンプレート情報は、ＯＣＲモジュールによる認識を簡素化するために、書式に印刷された当該フォーマット内のすべてのフィールドの名前を備えてもよい。それに加えてまたはその代わりに、テンプレート情報は、サンプル書式の高品質のスキャンされた画像と、当該サンプル書式の電子的表現（例えば、ベクトル表現）とを備えてもよい。さらにそれに加えてまたはその代わりに、テンプレート情報は、上述のように妥当性規則のリストを備えてもよい。

書式プロセッサ２８は、ネットワーク・インターフェース４０を備える。記入された紙書式が処理のために提出されると、プロセッサ２８は、提出された書式に対応するテンプレート２６を取り出すために、インターフェース４０を介してウェブ・サイト４４と通信する。プロセッサ２８およびウェブ・サイト４４は、典型的には、インターネットなどの広域通信網（ＷＡＮ）５２上で通信する。

典型的には、プロセッサ２８は、本明細書に記載の機能を実行するためにソフトウェアにプログラムされた汎用コンピュータを備える。ソフトウェアは、例えばネットワーク上で電子形式でコンピュータにダウンロードされてもよく、またはその代わりに、コンピュータに対してＣＤ‐ＲＯＭなどの有形媒体上に供給されてもよい。さらにその代わりに、プロセッサ２８のいくつかの要素は、ハードウェアを使用してまたはハードウェアおよびソフトウェア要素の組み合わせを使用して実施されてもよい。

一般的に、システム２０が備える作成者ウェブ・サイト４４および他の遠隔記憶場所は、任意の数であってよい。各ウェブ・サイト４４は、数多くのテンプレート２６を保持してもよく、各テンプレートは、作成者によって発行された書式の特定の種類に対応している。

ある実施の形態においては、ウェブ・サイト４４は、第三者または標準化団体によって運営されていてもよい。そのようなウェブ・サイトは、数人の作成者のテンプレートおよび１人より多い数の作成者によって使用される標準テンプレートを保持してもよい。例えば、第三者組織は、異なる書式型のテンプレートが組織のウェブ・サイトに掲載されるサービスを提供してもよい。このサービスの利用者は、遠隔に記憶されたこれらのテンプレートに対するアクセス権が与えられることになる。

ローカルに記憶されたテンプレートを使用する方法およびシステムに比べて、遠隔に記憶された書式テンプレートを保持することによって、作成者および受領する組織とって大幅な動作柔軟性が可能となる。プロセッサ２８は、事前の仕込みをすることなく、時間の経過と共に変化しうるものも含む互いに異なる様々な書式型を処理することができる。

紙書式および関連テンプレートの修正は、受領する組織と事前に調整することなく、作成者によっていつでも行うことができる。その結果、テンプレートは容易に最新のものを維持することができる。書式作成者は、場合によっては、既に通用している紙書式を修正することなくテンプレート情報を修正してもよい。

さらに、遠隔に記憶されたテンプレートの使用は、テンプレート情報の一部のみを提供または使用およびその両方を行うことによるなどして、段階的に導入することができる。ある実施の形態においては、遠隔に記憶された特定のテンプレートを複数の処理システムによって取り出し及び使用することができる。

ある実施の形態においては、遠隔に記憶されたテンプレートの使用は、既に通用している紙書式に対する検証、認証、または制御およびそれらすべてを提供する。例えば、特定の書式型が古くなった場合には、対応するテンプレートが除去されるか、または、旧式である旨の表示がテンプレート情報に追加されてもよい。記入済みの旧書式がシステム２０に提出された場合には、プロセッサ２８は、そのテンプレートを取り出そうとする際に、当該書式は旧式である旨が通知されることになる。そのような検証方法は、例えば、偽造された小切手を識別および拒絶するために使用することができる。

書式処理方法の説明
図２は、本発明の一実施の形態に係る、紙書式処理のための方法を概略的に示すフロー・チャートである。本方法は、書式提出ステップ６０において、書式プロセッサ２８が記入された紙書式２４を受け付けることで開始される。入力装置３２は、紙書式を書式画像に変換して、当該画像をＯＣＲモジュール３６へ提供する。この段階において、プロセッサ２８は、書式作成者の身元または書式に関連付けられたテンプレートに関する事前の情報を有していない。

プロセッサ２８は、識別情報抽出ステップ６２において、記入された書式を分析して、書式から識別情報を抽出する。識別情報は、典型的には、書式テンプレートを見出すことができる遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを特定する。例えば、識別情報は、作成者のウェブ・サイト４４または該当するテンプレートが記憶される他のサーバのユニフォーム・リソース・ロケータ（ＵＲＬ：ｕｎｉｆｏｒｍ ｒｅｓｏｕｒｃｅ ｌｏｃａｔｏｒ）またはインターネット・プロトコル（ＩＰ：Ｉｎｔｅｒｎｅｔ ｐｒｏｔｏｃｏｌ）アドレスという形式、または当該技術において周知に任意の他の適切な形式でアドレスを指定してもよい。

代わりに、識別情報がそのようなアドレスを指定しない場合には、プロセッサ２８は、書式に印刷された会社名、ロゴ、電話またはファックス番号あるいはそれらすべてなどの書式作成者に関連する情報を認識することによって、遠隔記憶場所を判断することができてもよい。この身元に基づき、プロセッサは、テンプレートの遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを判断することができてもよい。加えて、識別情報は、典型的には、特定の書式テンプレートを識別するテンプレート識別子またはコードを備える。

ある実施の形態においては、識別情報は、バーコードなどの書式に印刷された相互に合意されたグラフィカルなエンコーディング・フォーマットでエンコードされる。（１次元および２次元バーコード画像の例を、以下の図３の（Ａ）および図３の（Ｂ）に示す。）バーコードは、書式上の都合のよい場所、場合によっては書式の裏面に印刷することができる。この目的のために、ハーフトーン・エンコーディングまたは磁気インク文字認識（ＭＩＣＲ：ｍａｇｎｅｔｉｃ ｉｎｋ ｃｈａｒａｃｔｅｒ ｒｅｃｏｇｎｉｔｉｏｎ）などの他の既知のエンコーディング方法を使用することもできる。

代わりに、識別情報は、テキスト情報として、ＯＣＲモジュールが当該情報を容易に識別できるようにするような、合意済みの一般的に使用される条件で印刷することもできる。例えば、ＵＲＬ．ｗｗｗ．ｏｒｉｇｉｎａｔｏｒｎａｍｅ．ｃｏｍ，ＦＯＲＭ＿ＩＤ：７６５４３などのテキストを含む行は、テキスト行から適切なＵＲＬおよびテンプレート識別子を抽出することができる。一般的に、識別情報は、ＯＣＲモジュール（バーコードまたはテキスト情報を使用する場合など）または入力装置（ＭＩＣＲを使用する場合など）のいずれかによって抽出することができる。

そして、プロセッサ２８は、テンプレート取り出しステップ６４において、抽出された識別情報を使用して、提出された書式に対応するテンプレートを取り出す。プロセッサ２８は、識別情報によって示されたアドレスに従って、適切なウェブ・サイト４４と通信する。プロセッサ２８は、このウェブ・サイトから、識別情報において指定されたテンプレート識別子によって識別されたテンプレートを取り出す。

その後、プロセッサ２８は、書式処理ステップ６６において、取り出されたテンプレートを使用して、提出された書式を処理する。典型的には、ＯＣＲモジュール３６がテンプレート情報を使用してフィールド座標を識別する。これらの座標において、ＯＣＲモジュールは、記入された書式のテキスト・エントリを認識して、それらを認識されたテキストに変換する。その後、認識されたテキストは、取り出されたテンプレートにおいて指定された文字種、値の範囲または妥当性規則あるいはそれらすべてに対して検証される。加えてまたはその代わりに、プロセッサ２８は、提出された書式に対して、任意の他の適切な処理機能を適用してもよい。

ある実施の形態においては、プロセッサ２８は、テンプレート情報の一部のみを使用するように選択してもよい。

場合によっては、テンプレート情報の一部のみをウェブ・サイト４４に遠隔記憶させてもよい。テンプレート情報の他の部分は、プロセッサ２８にとってアプリオリに既知であってもよく、または書式自体から識別されなくてはならないようにしてもよい。書式の部分的な使用または記憶あるいはその両方は、他の書式処理方法と並行して、遠隔に記憶されたテンプレートの段階的な導入を可能にするために望ましい場合がある。ある実施の形態においては、テンプレート情報の一部のみを遠隔場所に記憶する場合、テンプレート情報の他の部分は、バーコードを使用するなどして、書式上にエンコードおよび印刷することができる。

ある実施の形態においては、テンプレート情報全体が、書式に印刷されたコンピュータ読み取り可能なシンボルでエンコードされる。コンピュータ読み取り可能なシンボルは、例えば、２次元のバーコードを備えてもよい。これらの実施の形態において、プロセッサ２８は、テンプレート情報を抽出するために、何ら遠隔に記憶された情報を取り出すことなく、コンピュータ読み取り可能なシンボルをデコードする。シンボルは、書式の表面または裏面の任意の都合のよい場所に印刷されてもよい。テンプレート情報は、テンプレート識別子を備えてもよい。

図３の（Ａ）および図３の（Ｂ）は、本発明の一実施の形態に係る、書式処理のために使用されるバーコード画像である。図３の（Ａ）は、１次元バーコード画像の例７０を示す。そのような１次元エンコードは、約１５バイトの情報を伝達することができるので、数値インデックスをエンコードするために主に使用される。

図３の（Ｂ）は、周知のＰＤＦ４１７標準に従った２次元バーコード画像の例７４を示す。そのような２次元バーコードは、約１平方インチ（約２．５４ｃｍ^２）の大きさであって、２７１０個の文字またはバイトまでの情報をエンコードできる。２次元バーコードは、例えばテンプレート情報の一部のみを遠隔記憶させてテンプレートの他の部分は書式自体に埋め込むのが望ましい場合に、上述の図２の方法と共に使用することができる。

例えば、以下のテキストは、画像７４などの２次元バーコード画像にエンコードすることができるテンプレート定義を示す。
ＴａｘＹｅａｒ Ｎ １００，５０，３００，１００
ＢＢ Ｎ １０８，２４３，２１６，３３５
ＢＣ＿ＥＡＤＤＲＥＳＳ Ｃ ９６，４５９，３０５，５１３
ＢＣ＿ＥＣＩＴＹ Ａ １０８，６１６，３８３，６７８
ＢＣ＿ＥＮＡＭＥ Ａ ９６，７８４，２２８，８８２
ＢＣ＿ＥＳＴＡＴＥ Ａ １０２，９９７，３９８，１０５４
ＢＣ＿ＥＺＩＰ Ｎ ９６，１１５７，２９３，１２３８
ＢＤ Ｎ １０６，１３６１，２１０，１４４７
Ｗ２＿３ＲＤＰＡＲＴＹ＿ＦＬＡＧ Ｂ ９４，１５７９，２７３，１６４５
Ｗ２＿ＦＥＤ＿ＷＨ Ｎ １０５，１７９４，３８０，１８７８
Ｗ２＿ＭＥＤＩＣＡＲＥ＿ＷＡＧＥＳ Ｎ １０６，２０１３，４０４，２０９２
Ｗ２＿ＭＥＤＩＣＡＲＥ＿ＷＨ Ｎ １０３，２２３０，２５１，２３２４
Ｗ２＿ＰＥＮＳＩＯＮＰＬＡＮ＿ＦＬＡＧ Ｂ ９６，２４７０，２４３，２５３６
Ｗ２＿ＳＳ＿ＷＡＧＥＳ Ｎ ９０，２６７０，２０６，２７２８
Ｗ２＿ＳＳ＿ＷＨ Ｎ １０４，２８３５，２１１，２９２４
Ｗ２＿ＳＴＡＴＵＴＯＲＹ＿ＦＬＡＧ Ｂ １０２，３０２６，３００，３０９８
Ｗ２＿ＷＡＧＥＳ Ｎ ９８，３２００，３００，３２８９

上記のテキストにおいて、各行は、書式内の特定のフィールドを規定する。１番目の列は、フィールド名を指定する。各行の２番目のエントリは、フィールド型を指定し、Ｎは数値フィールド、Ａは英数字フィールド、Ｂはブール・フィールドまたはフラグを示す。残りの４つのエントリは、フィールドの２つの対角線上の角の座標（ミリメートル）を与えることによって書式内のフィールドの位置を指定する。例えば、ＴａｘＹｅａｒというフィールドは、紙書式上の角座標（１００，５０）および（３００，１００）によって規定される矩形内にある数値フィールドである。

本明細書において説明した実施形態は、遠隔に記憶されたテンプレートを取り出すことによって紙書式の処理に主に対処するものであるが、本明細書において説明した方法およびシステムは、テンプレートに適合する他の種類の紙書類およびオブジェクトを処理するために使用することもできる。

本明細書において説明した方法およびシステムは、電子的に表現された書式（Ｅ書式）をあるフォーマットから別のフォーマットへ変換するために使用することもできる。この変換は、遠隔に記憶された変換テンプレートを使用するか、または供給源または宛先Ｅ書式の遠隔に記憶されたテンプレートを使用して行われてもよい。

したがって、上述した実施形態は例として引用されたものであり、本発明は上記明細書において特に図示および説明したものに限定されないことが理解されるだろう。むしろ、本発明の範囲は、上記明細書において説明された様々な特徴の組み合わせおよび下位の組み合わせの両方を含むと共に、上記説明を読んで当業者が想起するような、従来技術には記載されていない変形および修正を含む。

本発明の一実施の形態に係る、紙書式処理のためのシステムを概略的に示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る、紙書式処理のための方法を概略的に示すフロー・チャートである。 本発明の一実施の形態に係る、紙書式処理のために使用されるバーコード画像である。

Claims (24)

1. コンピュータに実装された、書式を処理するための方法であって、
   ローカル・メモリを有するコンピュータ・システムにおいて、テンプレートに適合する書式を受け付けるステップと、
   前記コンピュータ・システムを使用して、前記コンピュータ・システムに対する前記テンプレートが記憶された遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを示す識別情報を前記書式から抽出するステップと、
   前記識別情報に応じて、前記遠隔記憶場所との通信によって前記テンプレートを取り出すステップと、
   前記取り出されたテンプレートに応じて前記書式を処理するステップと
   を含む、方法。
2. 前記コンピュータ・システムは、第１の組織に関連付けられ、前記遠隔記憶場所は、前記第１の組織とは異なる第２の組織に関連付けられる、請求項１に記載の方法。
3. 前記識別情報を抽出するステップは、
   グラフィカルにエンコードされた画像をデコードするステップと、
   光学式文字認識（ＯＣＲ）処理を使用してテキスト情報を認識するステップと
   のうちの少なくとも１つを含む、請求項１に記載の方法。
4. 前記グラフィカルにエンコードされた画像は、前記識別情報をエンコードするバーコード画像を備える、請求項３に記載の方法。
5. 前記識別情報を抽出するステップは、前記ネットワーク・アドレスに加えて、前記テンプレートを識別する識別子を抽出するステップを含み、前記テンプレートを取り出すステップは、前記識別子を使用して、前記遠隔記憶場所に記憶された複数のテンプレートから前記遠隔記憶場所における前記テンプレートを選択するステップを含む、請求項１に記載の方法。
6. 前記テンプレートはテンプレート情報を備え、前記テンプレート情報の一部は前記書式に埋め込まれ、前記識別情報を抽出するステップは前記テンプレートを前記遠隔記憶場所から取り出すのに加えて、前記書式から前記テンプレート情報の前記一部を抽出するステップを含む、請求項１に記載の方法。
7. 前記識別情報を抽出するステップは、前記書式内の前記テンプレートの作成者に関連した情報を識別することによって、前記遠隔記憶場所の前記ネットワーク・アドレスを決定するステップを含む、請求項１に記載の方法。
8. コンピュータに実装された、書式を処理するための方法であって、
   テンプレート情報をエンコードするステップであって、前記テンプレート情報は、前記書式に関連付けられたコンピュータ読み取り可能なシンボル内にある、前記テンプレートのフィールドに関連付けられた幾何情報と、前記テンプレートの前記フィールドの内容に関連付けられた情報とのうちの少なくとも１つを備える、ステップと、
   前記テンプレートに適合する書式を受け付けるステップと、
   前記書式から前記コンピュータ読み取り可能なシンボルをデコードして前記テンプレート情報を抽出するステップと、
   前記抽出されたテンプレート情報に応じて前記書式を処理するステップと
   を備える、方法。
9. 前記コンピュータ読み取り可能なシンボルは、バーコード画像を備える、請求項８に記載の方法。
10. 前記テンプレート情報は、前記テンプレートを識別する識別子をさらに備える、請求項８に記載の方法。
11. 前記テンプレート情報をエンコードするステップは、前記コンピュータ読み取り可能なシンボル内にある、前記テンプレートの少なくとも一部が記憶される遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを示す識別情報をエンコードするステップを含み、前記書式を処理するステップは、前記遠隔記憶場所との通信によって広域通信網（ＷＡＮ）を介して前記テンプレートの前記少なくとも一部を取り出すステップを含む、請求項８に記載の方法。
12. コンピュータ読み取り可能な書式であって、テンプレートが印刷されかつテンプレート情報をエンコードするコンピュータ読み取り可能なシンボルが印刷されるページを備え、前記テンプレート情報は、前記テンプレートのフィールドに関連付けられた幾何情報と、前記テンプレートの前記フィールドの内容に関連付けられた情報とのうちの少なくとも１つを備え、コンピュータが前記書式の画像を受信すると、前記シンボルから前記テンプレート情報を抽出して、前記テンプレート情報を使用して前記テンプレートを再構築できるようにする、書式。
13. 前記コンピュータ読み取り可能なシンボルは、バーコード画像を備える、請求項１２に記載の書式。
14. 前記コンピュータ読み取り可能なシンボルは、前記テンプレートを識別する識別子をさらにエンコードする、請求項１２に記載の書式。
15. 前記コンピュータ読み取り可能なシンボルは、前記テンプレートの少なくとも一部が記憶される遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを示す識別情報をさらにエンコードし、前記コンピュータが、前記シンボルから前記識別情報を抽出しかつ前記遠隔記憶場所との通信によって広域通信網（ＷＡＮ）を介して前記テンプレートの前記少なくとも一部を取り出すことができるようにする、請求項１２に記載の書式。
16. 入力装置と共に動作可能な書式を処理するための装置であって、書式とネットワーク・インターフェースとを受け付けるように構成されており、前記装置は、
    プロセッサを備え、前記プロセッサは、
    遠隔記憶場所のネットワーク・アドレスを示す識別情報を前記書式から抽出し、
    前記ネットワーク・インターフェースを使用して前記遠隔記憶場所と通信することによって前記識別情報に応じてテンプレートを取り出し、
    前記取り出されたテンプレートに応じて書式を処理するように構成される、装置。
17. 前記装置は、第１の組織に関連付けられ、前記遠隔記憶場所は、前記第１の組織とは異なる第２の組織に関連付けられる、請求項１６に記載の装置。
18. 前記プロセッサは、
    前記書式に関連付けられたグラフィカルにエンコードされた画像をデコードするステップと、
    光学式文字認識（ＯＣＲ）処理を使用してテキスト情報を認識するステップと
    のうちの少なくとも１つを行うことによって、前記識別情報を抽出するように構成される、請求項１６に記載の装置。
19. 前記グラフィカルにエンコードされた画像は、前記識別情報をエンコードするバーコード画像を備える、請求項１８に記載の装置。
20. 前記プロセッサは、前記ネットワーク・アドレスに加えて、前記テンプレートを識別する識別子を抽出し、
    前記識別子を使用して、前記遠隔記憶場所に記憶された複数のテンプレートから前記遠隔記憶場所における前記テンプレートを選択することによって前記テンプレートを取り出すように構成される、請求項１６に記載の装置。
21. 前記テンプレートはテンプレート情報を備え、前記テンプレート情報の一部は前記書式に埋め込まれ、前記プロセッサは前記テンプレートを前記遠隔記憶場所から取り出すのに加えて、前記書式から前記テンプレート情報の前記一部を抽出するように構成される、請求項１６に記載の装置。
22. 前記プロセッサは、前記書式内の前記テンプレートの作成者に関連した情報を識別することによって、前記遠隔記憶場所の前記ネットワーク・アドレスを決定するように構成される、請求項１６に記載の装置。
23. 書式を処理するためのシステムであって、
    書式テンプレートを記憶するように構成される１つ以上の遠隔サーバと、
    書式プロセッサとを備え、前記書式プロセッサは、
    テンプレートに適合する書式を受け付けるステップと、
    前記１つ以上の遠隔サーバのうちの選択されたサーバのネットワーク・アドレスを示す識別情報を前記書式から抽出するステップと、
    前記選択されたサーバと通信することによって前記識別情報に応じた前記テンプレートを取り出すステップと、
    前記取り出されたテンプレートに応じて前記書式を処理するステップと
    を行うように構成される、システム。
24. コンピュータ上で実行されると、請求項１から１１のいずれかのすべてのステップを行うように適合されたプログラム・コード手段を備える、コンピュータ・プログラム。

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