JP2009522207A - 爪疾患の治療のための医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【目的】 本発明は、治療的活性物質を爪、爪床、又は隣接組織若しくはヒト全身への全身的再分配のために血液に送達するための、改良された方法を提供する。先行技術の方法と比較して、爪を介した治療的活性物質の浸透がより高く、それ故より高い効力をもたらす本方法は:
a)治療的に活性な物質を含有する医薬組成物を爪に適用し、
b)該爪を保護層で覆い、
c)医薬組成物及び保護層を再適用する前に、治療的活性物質を含有する溶解剤(dissolvent)で保護層を再溶解することを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、爪疾患、及び爪疾患ではない疾患を、該疾病を治療する少なくとも一種の治療的に活性な物質を含有する医薬組成物を適用することにより、治癒、改善又は予防する方法に関する。
ヒトの爪板は厚く、硬く、緻密であり、治療的作用を生じ得る量の薬物を、爪床へ浸透させる障壁となっている。爪材料は、表皮由来の皮膚角質層と類似しており、主として、高度にジスルフィド結合した硬ケラチンから構成され、その厚さは角質層の厚さの約100倍である。治療的に有意な量の薬物を爪板内及び爪板全体に送達するために、爪板の使用する薬物に対する浸透性を、化学的又は機械的方法で高める必要がある。
米国特許第6,231,875号には、爪疾患及び皮膚疾患の局所治療のための方法が記載されている(特許文献1)。該特許は、酸性化組成物と、酸性化組成物を爪板に局所適用することにより爪板の浸透性を増大させる方法とに関する。米国特許第5,972,317号には、タンパク質分解酵素及び医薬を含有する爪浸透性組成物を爪板に局所適用して、疾患した爪を治療する方法が記載されている(特許文献2)。米国特許第5,181,914号には、粘弾性ゲルパッドを含む、ヒト疾患爪及び隣接組織のための投薬デバイスが記載されている(特許文献3)。
WO 2004084826には、爪の真菌感染症を改善又は予防する方法が記載されている(特許文献4)。毎日の殺真菌剤投薬計画に適した一液型及び二液型の形態の組成物の実施態様が開示されている。好ましい抗真菌性の爪被覆組成物は、有効な殺真菌量の抗真菌剤、浸透性を高める量の実質的に非揮発性の浸透促進剤、膜形成量の親水性ポリマー、及び薬学的に許容される揮発性担体を含有する。この組成物は、真菌に感染しやすいか又は感染した爪と接触する、実質的に水溶性の抗真菌性被膜を提供する。
WO 0211764によれば、爪真菌症のような爪疾患は、レーザーを用いて爪板内に一つ又は二つ以上の小さいオリフィスを形成し、抗真菌剤を含有する組成物を爪に適用して、爪のより深い層及び爪床への薬物の十分な浸透を確実にすることによって、首尾良く治療され得ることが見出されている(特許文献5)。該特許出願公開に記載されているオリフィスは、爪板を80〜100%貫入する任意の小さいオリフィス又は窪みを意味する。WO 03068197によれば、レーザーを用いて爪板内に一つ又は二つ以上の小さいオリフィスを形成し、この前処理した爪に、問題の疾病に対して治療的に活性な物質を含有し、爪を介して浸透して血流に入る組成物を適用することによって、爪疾患だけでなく、他の疾病、例えば関節炎を治療することができる(特許文献6)。
米国特許第6,231,875号 米国特許第5,972,317号 米国特許第5,181,914号 国際公開WO 2004084826 国際公開WO 0211764 国際公開WO 03068197
本発明は、治療的活性物質を爪、爪床、又は隣接組織若しくはヒト全身への全身的再分配のために血液に送達するための、改良された方法を提供する。先行技術の方法と比較して、爪を介した治療的活性物質の浸透がより高く、それ故より高い効力をもたらす本方法は:
a)治療的に活性な物質を含有する医薬組成物を爪に適用し、
b)該爪を保護層で覆い、
c)医薬組成物及び保護層を再適用する前に、治療的活性物質を含有する溶解剤(dissolvent)で保護層を再溶解することを含む。
医薬組成物は、液体、半固体、溶液、ジェル、クリーム又は乳液の形態であり得る。医薬組成物が、複数回、例えば1日1回若しくは2回、又は週に1回の適用を意図されることを考慮して、新たな適用前に、医薬組成物中のものと同一の治療的活性物質、又は他の治療的活性物質を含有する溶解剤を用いて、保護層を再溶解し、また部分的に清浄する。医薬組成物中の溶解剤は、保護層を溶解することができる。好ましい実施態様において、溶解剤と医薬組成物は同一である。
本方法は未処理の爪にも作用するが、例えばWO 0211764に記載されているような、近赤外パルスレーザーで穿孔された等間隔の部分孔の列を備えた前処理した爪に最も適している。孔の列は、医薬組成物の貯蔵場所として機能する一方、次に適用される保護層は、医薬組成物の揮発性溶媒の空気中への蒸発を防止する。この方法により、治療的活性物質のビヒクルとして作用する溶媒は、爪のケラチン組織内へ強制的に浸透される。加えて、保護層の適用によって、活性物質のオリフィス上への降下が最小となり、オリフィス外への医薬組成物の流出が防止され、また塵、及び例えば細菌のような病原菌のオリフィスへの進入が阻止される。
爪に医薬組成物を投与した後、任意の処理爪の外面上に、連続する保護層を配置する。保護層は、WO 0211764による、レーザーで前処理された爪の場合、オリフィスも覆う。保護層の形成に有用な材料の例は、爪ワニス、マニキュア液、爪ラッカー、膜形成溶液又はスプレーを含むが、これらに限定されるものではない。これらの組成物は、医薬組成物中と同一の治療的活性物質、若しくは他の治療的活性物質を含有してもよく、又は治療的活性物質を含有しなくてもよい。保護層内には、医薬組成物中と同一の活性物質が含まれることが好ましい。
本発明によれば、医薬組成物及び保護層を再適用する前に、溶解剤を用いて現存する保護層を除去する。そのような溶解剤は、爪板上で:
−以前に適用した医薬組成物及び保護層を溶解して、新たな投薬の適用を可能にする。
−医薬組成物又は保護被膜の適用前に、爪を清浄する。ここで、例えば機械的手段、光剥離、又は化学的エッチング方法による爪の前処理により、塵又は破片が生じ得る。清浄は、溶解剤以外に、例えばブラシ、綿棒、綿パッド又は他の手段等の清浄器具の使用を含み得る。
−爪板の消毒。
−次に適用する医薬組成物及びそれらの活性成分の爪床に対する浸透を向上させるための、爪板の化学製剤、を含む異なる機能を有し得る。
医薬組成物のための適切な溶媒は、脂肪族及び芳香族アルコール、スルホキシド、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール、アミド、界面活性剤、テルペン、アルカノン、有機酸、及びそれらの混合物であり得る。
適切なアルコールは、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、2-ブタノール、2-ペンタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、カプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、2-ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。2〜約5個の炭素原子を有する揮発性脂肪族アルコールは、揮発性担体及び浸透促進剤の両方として二重の機能を提供し得る。例えばベンジルアルコール、フェノキシエタノール、及び同様物等の芳香族アルコールは、実質的に非揮発性の浸透促進剤、及び補助的な抗感染薬の両方として二重の機能を提供し得る。好ましいアルコールは、エタノール及びベンジルアルコールである。
適切なスルホキシドは、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、及びそれらの混合物を含む。
適切な脂肪酸は、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、カプリル酸、イソ吉草酸、ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、トリメチルヘキサン酸、ネオデカン酸及びイソステアリン酸、並びにそれらの混合物を含む。
適切な脂肪酸エステルは、n-酪酸イソプロピル、n-ヘキサン酸イソプロピル、n-デカン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、吉草酸メチル、プロピオン酸メチル、セバシン酸ジエチル、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル及びそれらの混合物を含む。
適切なポリオールは、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、プロパンジオール、ソルビトール、デキストラン、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサントリオール、及びそれらの混合物を含む。
適切なアミドは、尿素、ジメチルアセトアミド、ジエチルトルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルオクタミド、ジメチルデカミド、ピロリドン誘導体、1-アルキル-4-イミダゾリン-2-オン、環状アミド、ヘキサメチレンラウラミド及びその誘導体、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン並びにそれらの混合物を含む。適切なピロリドン誘導体は、1-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、1-ラウリル-2-ピロリドン、1-ラウリル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-メチル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-ヘキシル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-デシルチオエチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-ピロリドン、1-メチル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン、1-ヘキシル-4-メトキシ-カルボニル-2-ピロリドン、1-ラウリル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン、N-ジメチルアミノ-プロピル-ピロリドン、N-ココイルピロリドン、N-タロウイル(tallowyl)ピロリドン、N-(2-ヒドロキシメチル)-2-ピロリドンの脂肪酸エステル、及びそれらの混合物を含む。適切な環状アミドは、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、1-ゲラニルアザシクロヘプタン-2-オン、1-ファルネシルアザシクロヘプタン-2-オン、1-ゲラニル-ゲラニル-アザシクロヘプタン-2-オン、1-(3,7-ジメチルオクチル)アザシクロヘプタン-2-オン、1-(3,7,11-トリメチル-オクチル)アザシクロヘプタン-2-オン、1-ゲラニルアザシクロヘキサン-2-オン、1-ゲラニル-アザシクロペンタン-2,5-ジオン、1-ファルネシルアザシクロペンタン-2-オン、並びにそれらの混合物を含む。
適切な界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びレシチンを含む。適切な陰イオン性界面活性剤は、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物を含む。
適切な陽イオン性界面活性剤は、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンズアルコニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、及びそれらの混合物を含む。適切な非イオン性界面活性剤は、α-ヒドロ-(D-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピル)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪アルコールのポリエチレングリコールエステル、及びそれらの混合物を含む。適切なα-ヒドロ-コ-ヒドロキシ-ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピル)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマーは、ポロキサマー(Poloxamer)182、184、231、及びそれらの混合物を含む。適切な脂肪酸のポリエチレングリコールエステルは、ポリオキシエチレン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン及びそれらの混合物を含む。
適切な両性界面活性剤は、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ココベタイン、コカミドプロピル-ヒドロキシ-スルタイン、アミノプロピルラウリルグルタミド、ナトリウムココアンフォアセテート、ナトリウムラウロ-アンフォアセテート、ジナトリウムラウロアンフォジアセテート、ジナトリウムココアンフォジアセテート、ナトリウム-ココアンフォプロピオネート、ジナトリウムラウロアンフォジプロピオネート、ジナトリウムココアンフォ-ジプロピオネート、ナトリウム-ラウリミノジプロピオネート、ジナトリウム-ココアンフォ-カルボキシ-メチルヒドロキシ-プロピルスルフェート、及び同様物を含むが、それらに限定されるものではない。
適切なテルペンは、D-リモネン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネオール、テルピネン-4-オール、カルボール、カルボン、プレゴン、ピペリトン、メントン、メントール、ゲラニオール、酸化シクロヘキセン、酸化リモネン、α-ピネン(pinne)オキシド、酸化シクロペンテン、1 ,8-シネオール、イランイラン油、アニス油、ケノポジ油、ユーカリ油、及びそれらの混合物を含む。適切なアルカノンは、N-ヘプタン、N-オクタン、N-ノナン、N-デカン、N-ウンデカン、N-ドデカン、N-トリデカン、N-テトラデカン、N-ヘキサデカン、及びそれらの混合物を含む。適切な有機酸は、クエン酸、コハク酸、サリチル酸、サリチレート(メチル、エチル及びプロピルグリコール誘導体を含む)、酒石酸、及びそれらの混合物を含む。
保護層のための好ましい組成物は、難水性又は水不溶性の膜形成ポリマーを含有して、医薬組成物が洗浄により除去されることを防止するであろう。組成物中に使用されるポリマーの量は、爪被覆組成物が爪に容易に適用でき、かつ良好な接着特性及び十分な摩耗抵抗を有して爪板の背面上に膜を形成する限り、制限されない。
保護層の可能な変更物は、ほぼ等量のポリ-メチル-ビニルエーテル-マレイン酸モノブチルエステル(例、Gantrez(登録商標)ES-435、ISP USA)、酢酸エチレン及びエタノールを含む。保護層の好ましい変更物は、33.3%のGantrez(登録商標)ES-435、33.3%の酢酸エチル及び33.3%のエタノールを含むと思われ、ここで百分率は、組成物の総重量に対する成分の重量、即ちw/wを意味する。治療的活性物質が抗真菌剤である好ましい実施態様において、保護層を形成する組成物は、等量の酢酸エチル、エタノール、及びGantrez(登録商標)ES-435、並びに保護層組成物の総質量の5〜15%w/wのテルビナフィンから構成される。
本発明の方法で使用される医薬組成物は、光増感剤、アンドロゲン、エストロゲン、非ステロイド性抗炎症剤、血圧降下剤、鎮痛剤、抗うつ薬、抗生物質、抗癌剤、麻酔薬、制吐薬、抗感染薬、避妊薬、抗糖尿病剤、ステロイド、抗アレルギー剤、抗偏頭痛剤、禁煙のための薬剤、抗肥満剤、抗真菌剤及び抗乾癬剤を含み得るが、これらに限定されない少なくとも一種の治療的活性物質を含有する。
疾病が爪真菌症の場合、医薬組成物中及び保護層内の好ましい治療的活性物質は、テルビナフィンである。テルビナフィンは、本発明の方法において、濃度1〜20%w/w、最も好ましくは濃度5〜15%w/wで適用される、証明された抗真菌剤(ラミシール(登録商標)の名称で販売されている)である。
疾病が爪乾癬の場合、医薬組成物中及び保護層内の治療的活性物質は、コルチコステロイド、病変内コルチコステロイド、フルオロウラシル、カルシポトリオール又はアントラリン、タザロテンを含み得るが、これらに限定されるものではない。例えばジプロピオン酸クロベタゾール(clobetasole)若しくはベクロメタゾン、又はハロベタゾール等の強力なコルチコステロイドが適切であり得る。例えばトライアムシナロン(Aureocort、若しくはtri-Adcortl)又はビタミンD3局所剤、カルシポトリエン等の中適度の効能の薬剤は、高頻度投与の治療においては、同等に有益であり得る。
治療的活性物質の例として、以下の物質が挙げられる:アセブトロール、アセチルシステイン、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、アシクロビル、アルプラゾラム、アルファカルシドール、アラントイン、アロプリノール、アロエベラ、アンブロキソール、アミカシン、アミロリド、アミノ酢酸、アミオダロン、アミトリプチリン、アムロジピン、アモキシシリン、アンピシリン、アントラリン、アスコルビン酸、アステミゾール、アテノロール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、蜂プロポリス、ベンセラジド、塩酸ベンザルコニウム、ベンゾカイン、ベタメタゾン、ベザフィブラート、ビオチン、ビペリデン、ビソプロロール、ブロマゼパム、ブロムヘキシン、ブロモクリプチン、ブデソニド、ブフェキサマク、ブフロメジル、ブピバカイン、ブスピロン、カフェイン、カルシポトリエン、カルシポトリオール、カンファー、カプトプリル、カルバマゼピン、カルビドパ、カルボプラチン、セファクロル、セファレキシン、セファトロキシル(cefatroxil)、セファゾリン、セフィキシム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリアキソン、セフロキシム、セレギリン、クロラムフェニコール、クロルヘキシジン、クロルフェニラミン、クロルタリドン、コリン、シクロスポリン、シラスタチン、シメチジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シスプラチン、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クロミジン(clomidine)、クロミプラミン、クロナゼパム、クロニジン、クロトリマゾール、コデイン、コレスチラミン、クロベタゾール、クロモグリク酸、シアノコバラミン、シクロスポリン、シプロテロン、デソゲストレル、デキサメタゾン、デクスパンテノール、デキサメタゾン、デキストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、ジアゼパム、ジクロフェナク、ジゴキシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシン、ジルチアゼム、ジフェンヒドラミン、ジピリダモール、ジピロン、ジソピラミド、ドンペリドン、ドーパミン、ドキシサイクリン、エナラプリル、エフェドリン、エピネフリン、エルゴカルシフェロール、エルゴタミン、エリスロマイシン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エトポシド、ユーカリグロブルス(Eucalyptus globulus)、ファモチジン、フェロジピン、フェノフィブラート、フェノテロール、フェンタニル、フラビンモノヌクレオチド、フルコナゾール、フルナリジン、フルオロウラシル、フルオキセチン、フルルビプロフェン、葉酸、フォリン酸、フロセミド、ガロパミル、ゲムフィブロジル、ゲンタマイシン、銀杏(Gingko biloba)、グリベンクラミド、グリピジド、クロザピン、カンゾウ(Glycyrrhiza glabra)、グリセオフルビン、ハロベタゾール、ハロペリドール、ヘパリン、ヒアルロン酸、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコドン、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルホン、水酸化イプラトロピウム、イブプロフェン、イミペネム、インドメタシン、インスリン、イオヘキソール、イオパミドール、硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、イソトレチノイン、ケトチフェン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラク、ラベタロール、ラクツロース、レボカルニチン、レボドパ、レボグルタミド、レボノルゲストレル、レボチロキシン、リドカイン、リパーゼ、イミプラミン、リシノプリル、ロペラミド、ロラゼパム、ロバスタチン、メドロキシプロゲステロン、メントール、メトトレキサート、メチルドパ、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、メトクロプラミド、メトプロロール、メトトレキサート、ミコナゾール、ミダゾラム、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミソプロストール、モルヒネ、マルチビタミン混合物及び組み合わせ、並びに無機塩類、N−メチルエフェドリン、ナフチドロフリル、ナプロキセン、ネオマイシン、ニカルジピン、ニセルゴリン、ニコチンアミド、ニコチン、ニコチン酸、ニフェジピン、ニモジピン、ニトラゼパム、ニトレンジピン、ニトログリセリン、ニザチジン、ノルエチステロン、ノルフロキサシン、ノルゲストレル、ノルトリプチリン、ナイスタチン、オフロキサシン、オメプラゾール、オンダンセトロン、パンクレアチン、パンテノール、パントン酸、パラセタモール、ペニシリンG、ペニシリンV、フェノバルビタール、ペントキシフィリン、フェノキシメチルペニシリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、フェニトイン、ピロキシカム、ポリミキシンB、ポビドンヨード、プラバスタチン、プラゼパム、プラゾシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プリロカイン、プロゲステロン、プロパフェノン、プロプラノロール、プロキシフィリン、プソイドエフェドリン、ピリドキシン、キニジン、ラミプリル、ラニチジン、レセルピン、レチノール、レチノイド、リボフラビン、リファンピシン、ルトシド、サルブタモール、サルカトニン(salcatonin)、サリチル酸、スコポラミン、シンバスタチン、ソマトトロピン、ソタロール、スピロノラクトン、スクラルファート、スフェンタニル、スルバクタム、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルピリド、スマトリプタン、タモキシフェン、タザロテン、テガフール、テプレノン、テラゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルフェナジン、テストステロン、テトラカイン、テトラサイクリン、テオフィリン、チアミン、チクロピジン、チモロール、トラネキサム酸、トレチノイン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムテレン、トリメトプリム、トロキセルチン、ウラシル、バルプロ酸、バンコマイシン、ベラパミル、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、並びにジドブジン。活性成分の組み合わせを使用してもよい。
別の局面において、本発明の医薬組成物の治療的活性物質は、ワクチンを含み得る。ワクチンは、天然痘、狂犬病、プラーク、ジフテリア、百日咳、結核、破傷風、黄熱病、注射用ポリオワクチン、経口ポリオワクチン、麻疹(Measales)、流行性耳下腺炎、風疹、B型肝炎、C型肝炎、ヘモウイルスB型インフルエンザ、日本脳炎、Biomanguinhos、B型ヒトインフルエンザ(Hib)、HIV、癌を含み得るが、これらに限定されるものではない。
医薬組成物中の治療的活性物質の量は、医薬組成物の総重量に基づいて、0.1〜100重量パーセントにて変動し得る。治療的活性物質は、医薬組成物の総重量に基づいて、0.1%〜99%、好ましくは1%〜20%、より好ましくは5%〜15%の重量パーセントの量で存在することが好ましい。治療的活性物質の投与量は、未処理爪においては、ある程度、組成物の粘弾流動性及び爪板の面積により限定される医薬組成物の適用量に依存する。オリフィスを有するレーザー前処置爪においては、治療的活性物質の投与量は、更にオリフィスの数、容積、直径及び形状に依存する。この場合、治療的活性物質の暴露時間は、オリフィスの数、容積、直径及び形状と、保護層の密封性とに依存する。必要な医薬組成物の投与量及び投与計画は、治療するべき疾病の性質及び重篤さに従って決定する必要がある。
再適用前の保護層除去のための適切な溶解剤は、上記に列挙した医薬組成物に使用する溶媒と同一であってもよく:脂肪族及び芳香族アルコール、スルホキシド、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール、アミド、界面活性剤、テルペン、アルカノン、有機酸及びそれらの混合物を含む。好ましい溶解剤は、エタノールである。
医薬組成物中に追加の成分を用いてもよく、又は医薬組成物を爪に適用する前若しくは適用した後に、直接処置爪若しくは未処置爪に適用してもよい。そのような追加の成分は、医薬組成物の調製に通常使用される天然及び/又は人工成分を含む。追加の成分の例として、界面活性剤、結合剤、錠剤崩壊剤、ビタミン、植物成分、栄養補助剤、薬草、無機物、微量要素、アミノ酸、繊維、酵素、充填剤、緩衝液、着色剤、色素、酸化防止剤、保存剤、電解質、流動促進剤、分解剤及び滑沢剤が挙げられる。当業者周知の更なる成分の組み合わせを使用してもよい。
一局面において、本発明の方法は、ある期間に亘って疾病の連続的治療に使用し得る、医薬組成物からの治療的活性物質の制御遅延放出、例えば持続放出及び延長放出を提供する。
更なる局面において、本発明の方法は、医薬組成物からの治療的活性物質の制御迅速放出、例えば即時放出を提供する。医薬組成物からの迅速放出は、治療的活性物質を全身投与し、経口投与により起こり得る初回通過効果を回避するために用いられ得る。レーザー前処理爪内のオリフィスを介して医薬組成物から治療的活性物質を送達することにより、治療的活性物質が直接血流に進入する箇所である、よく灌流した爪床への直接投与が可能となる。
レーザー前処理爪において本方法を使用する際、爪内に多数のオリフィスを形成する。オリフィスは、所望の治療モードと医薬組成物の強度とに応じて、爪全体を縦走し得るか、又は爪の一部のみがエッチング若しくは穿孔され得る。オリフィスの直径は、好ましくは1μm(μm=ミクロン)〜1mm、より好ましくは100μm〜400μm、最も好ましくは200μm〜350μmである。オリフィスは、円筒形又は円錐形が好ましい。
一般に、オリフィスが部分オリフィス又は完全オリフィスである場合、1cm2当たり約500個迄、より好ましくは1cm2当たり約400個のオリフィスを爪内に形成し得る。このようにして、一般的な足指爪に約200〜約2,000個のオリフィスを形成するが、最も一般的には、足の親指爪に約600個のオリフィスを形成する。
爪組織上で効率的に光剥離を誘導できることを条件として、例えばエキシマー、Er:YAG、Ho:YAG、又はCO2レーザー等、任意のレーザータイプを使用してオリフィスを形成し得る。光剥離は、興味ある組織の熱、機械及びスペクトル特性に従って選択された波長、出力及びパルス幅のパルスレーザー照射により達成される。積った電磁エネルギーは、ほぼ完全に機械的エネルギーに変換され(即ち、hνは略mv2/2に等しい)、照射された領域は、約1,000m/sでオリフィスを逃れる破片の形態で排出される。好ましい光剥離工程では、破片が堆積エネルギーを除去するため、照射された爪は加熱されず、それ故不快感が最小となる。
本発明で使用される医薬組成物、保護層及び溶解剤は、適用、及び/又は第一の適用前の爪の清浄、及び次の適用にも使用するべきブラシ、又は他のデバイスも含むキットの形態で、商業目的のために入手可能とされ得る。
適用キットの好ましい実施態様は:
I)保護層を溶解可能なビヒクルを含有する医薬組成物を収容する瓶、
II)医薬組成物の適用後に爪板上に保護層を形成する物質で満たされた第二の瓶、及び、場合により、
III)医薬組成物(I)の適用、爪の清浄、及び保護層(II)からの除去に必要なブラシ及び他のデバイスを含む。
適用キットの別の一実施態様は:
i)保護層を溶解可能なビヒクルを含有する医薬組成物を収容する瓶、
ii)医薬組成物の適用後に爪板上に保護層を形成する物質で満たされた第二の瓶、
iii)次の医薬組成物及び保護層の適用前に爪を清浄する溶解剤を収容する第3の瓶、及び、場合により、
iv)医薬組成物(i)の適用、爪の清浄及び保護層(ii)からの除去に必要なブラシ及び他のデバイスを含む箱を備える。
医薬組成物、保護層を形成する物質、及び溶解剤の瓶は、優先的には、マニキュア液製品に通常使用されているような、組成物を瓶から爪板へ移す適用ブラシを備えたねじ蓋を有する。適用ブラシの繊維は、3〜20mm、優先的には、8〜15mmの長さを有してもよく、繊維の直径は50〜10μm、優先的には、50〜150μmである。蓋ブラシの繊維は、直径1〜5mmの固い束に纏められている。
適用キットの清浄ブラシ(III及びiv)の繊維は、3〜20mm、優先的には、8〜10mmの長さを有してもよく、繊維の直径は10〜400μm、優先的には、50〜150μmである。概念の変更物として、尖った先端を有する円錐状の繊維を適用してもよい。他の変更物として、異なる長さの繊維を有するブラシがある。清浄ブラシの繊維は、単一の繊維として、少数の繊維を伴う束にて、多数の繊維からなる固い束にて、又は一つの固い繊維束にて、ブラシ頭上に固定され得る。繊維束は、0.1〜2mmの直径を有し得る。
清浄ブラシはまた、歯磨きに最近使用されているブラシのように、電気駆動により振動されてもよく、ここでブラシは、より大きい電気デバイスの使い捨て部分である。この方法で、清浄はより有効かつ迅速となり、また前処理爪に使用される際には、オリフィス内での小気泡の形成が除外される。
適用キットの箱は、優先的に、湿気の影響を受けず、閉鎖時に箱内への光の進入を防止する材料から形成されるべきである。
以下の実施例にて、本発明の利点を説明する。
実施例:インビトロでの抗真菌剤の爪浸透アッセイ
爪浸透アッセイにより測定した活性物質の浸透フラックスを用いて、臨床状況における活性物質の有効性を予測する。Franzにより報告された浸透アッセイ(T. J. Franz, Dermatology, .184, 18-20, 1992)と類似するアッセイにより、爪真菌症の治療に対する本発明の適用性について調べ、また特に、レーザーで前処置されたヒト死体の足親指爪におけるテルビナフィン含有医薬組成物及び保護層の浸透フラックスを評価した。実験の設定は臨床状況を模倣しており、ここで医薬組成物は、レーザー前処理爪の場合、爪孔内にて長時間残留して、爪内へのテルビナフィンの拡散を最大にする。
試験用に選択されたヒト死体の足親指爪を、アッセイ開始前に生理緩衝液中に数時間浸漬した。腹側上から皮膚残留物を除去して、爪をアッセイ用に準備した。直径16mmの円形の爪盤を打ち抜いた。レーザー前処理爪に関して、穿孔領域は、13mmの直径を有していた。爪の背面をケイ素取り付けリングで覆い、医薬組成物及び保護層に暴露される直径10mmの爪領域を残留させた。
3グループの爪サンプルを調べた。それらを表1に示す:
グループ1:対照グループであるこのグループでは、未処置爪サンプルを使用した。これらの爪を、9%w/wテルビナフィン含有ラッカー25μLに、一日1回暴露した。
他の2つのグループでは、Er:YAGレーザーにより全厚の50〜80%の深さにて400孔s/cm2で穿孔された爪サンプルを使用して、先行技術に対する本発明の優位性を証明した。
グループ2:このグループでは、穿孔した爪を使用した。これらの爪を、25μlのエタノール溶液中の10%w/wテルビナフィンに、一日1回暴露した。これらの爪に10%w/wエタノール溶液を適用した後、9%w/wテルビナフィン含有ラッカー25μlで覆って、本発明による保護層を形成した。
グループ3:このグループでは、穿孔した爪を使用した。これらの爪を25μlのエタノール溶液中の10%w/wテルビナフィンに、一日1回暴露した。これらの爪に10%w/wエタノール溶液を適用した後、テルビナフィンを含有しないラッカー25μlで覆って、本発明による保護層を形成した。
アッセイでは、容積約5mlのガラス製フランツ型拡散セルを使用し、受容器(receptor)緩衝液として脱塩水を用いた。爪サンプルを、金属スプリング負荷システムで加圧した密封シリコーン及びテフロン(登録商標)ディスクによりフランツセル上に固定した。このようにして、爪の腹側はセル内で脱塩水と接触する一方、背側は、表1に従った医薬製剤及び保護層と接触していた。浸透アッセイ中、拡散セルは32℃に保持された。
医薬組成物及び保護層の各再適用前に、爪サンプルの清浄と、医薬組成物及び保護層の以前の層の溶解を実施した。この目的のために、各爪サンプルに100マイクロリットルの溶解剤を適用した。次に、爪サンプルを清浄ブラシで擦って清浄を徹底させた後、綿棒で乾燥して、溶解剤も用いて医薬溶液及び保護層の古い成分を除去した。次に、露出した爪領域に医薬組成物25マイクロリットルを適用し、適用ブラシで広げた。
表1:調べた爪グループ。3グループに関して、投与計画は1日1回であった。
Figure 2009522207
1)本文中に記載されているように穿孔した、部分オリフィス400個/cm2を有するレーザー前処理爪。
2)レーザー前処理後の爪サンプルの清浄にも使用。
3)w/wは、ビヒクル又はエタノール溶液の総重量に対する塩酸テルビナフィンの重量比を指す。
様々な時間点において受容器流体のサンプルを収集し、液体クロマトグラフィー及び質量分析法により分析した。除去したサンプルの容積を、脱塩水で代替した。この希釈効果を浸透フラックスの最終決定にて考慮した。
表2に、3日目及び5日目のフランツセル内の、ng/mLで示すテルビナフィン濃度の平均値を、調べた3グループに関するそれらの標準偏差と共に報告する。これらのデータにより計算した浸透フラックスも、表2に報告する。これら平均浸透フラックスは、保護層がテルビナフィンも含む、開示した実施態様(グループ2)を用いて対照ブループ(グループ1)と比較して、浸透フラックスの34倍の増加、保護層がテルビナフィンを含まない実施態様(グループ3)において対照グループ(グループ1)と比較して5倍の増加に対応する。これらの結果により、開示した方法を用いた爪真菌症治療のための医薬組成物中の活性物質としてのテルビナフィンの局所適用は、先行技術による方法を用いた治療法と比較して、より高い効果、及び/又は短い治療期間をもたらすであろうことが強力に示唆される。
表2:調べた各グループに関する、3日目及び5日目に測定したフランツセルの5ml受容器チャンバ内のテルビナフィン濃度の浸透フラックスの平均値。
Figure 2009522207

Claims (22)

  1. 疾病の治療方法であって、
    a)治療的に活性な物質を含有する医薬組成物を爪に適用し、
    b)該爪を保護層で覆い、医薬組成物及び保護層を再適用する前に、
    c)治療的活性物質を含有する溶解剤で保護層を再溶解することを含む方法。
  2. 医薬組成物が、溶液、ジェル又はクリームである、請求項1に記載の方法。
  3. 保護層が、ラッカー、ワニス又はマニキュア液である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 保護層が、医薬組成物と同一の治療的活性物質を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 溶解剤が、保護層及び医薬組成物と同一の治療的活性物質を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 医薬組成物が、治療的活性物質のエタノール溶液である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 保護層が、治療的活性物質以外に、水不溶性又は難水性ポリマーを含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 爪が、完全孔又は部分孔を含むように前処理される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 疾病が爪疾患である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 疾病が爪疾患ではない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 治療的活性物質がテルビナフィンである、請求項9に記載の方法。
  12. 疾病の治療のためのキットであって、
    a)その適用後に爪上に保護層を提供する組成物を収容する第一の容器と、
    b)治療的活性物質と、保護層を溶解可能なビヒクルとを収容する第二の容器とを備えるキット。
  13. a)が治療的活性物質を含む、請求項12のキット。
  14. a)及びb)が、同一の治療的活性物質を含む、請求項12又は請求項13のキット。
  15. 治療的活性物質がテルビナフィンである、請求項12〜14のいずれか一項に記載のキット。
  16. a)がテルビナフィンのエタノール溶液であり、b)がテルビナフィンを含有するラッカーである、請求項12〜15のいずれか一項に記載のキット。
  17. 疾病の治療のためのキットであって、
    a)適用後に爪上に保護層を提供する物質を収容する第一の容器と、
    b)治療的活性物質を収容する第二の容器と、
    c)保護層のための溶解剤を収容する第3の容器とを備えるキット。
  18. a)が治療的活性物質を含む、請求項17に記載のキット。
  19. c)が治療的活性物質を含む、請求項18に記載のキット。
  20. 爪から保護層を溶解剤との組み合わせにて機械的に除去する清浄手段を備える、請求項12〜19のいずれか一項に記載のキット。
  21. ブラシを備える、請求項12〜20のいずれか一項に記載のキット。
  22. ブラシが振動ブラシである、請求項20又は請求項21に記載のブラシ。
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