(1)従来のデジタイジング技術
一般的な機械式計量器において、ガス、上水道、電気などのような供給物の使用量は数字板上の回転針や数字ホイールトレインが示す数字値(以下、‘指針値’と称する)で表示される。このような機械式計量器の指針値を遠隔で自動検針をするためには、その指針値(アナログ値である)をデジタル値に変換してくれる処理が必要である。
従来の代表的な自動検針技術では光学式、磁気式、音響式、及びイメージ判読式自動検針技術などが知られている。光学式自動検針技術は、光センサを利用して計量器数字板の特定数字ホイール(wheel)、または特定回転針の回転数をカウントすることによって計量器の指針値が分かる技術である。磁気式自動検針は、光センサの代りに磁気センサを利用する点で光学式と差がある。音響式自動検針は、特定数字ホイールまたは回転針が回転する度に固有な音響を器具的に発生させて、音響センサを利用してその音響を検出することで、その数字ホイールまたは回転針の回転数をカウントする技術である。イメージ判読式自動検針は、計量器数字板の指針値をカメラで撮影した後に文字認識技術を適用して、その指針値が示す数字値を判読する技術である。これらの方式は、すべて機械式計量器のアナログ指針値をデジタル値に変換する技術をそれぞれ違うように提案している。本発明者は、この技術のうちで、特に光学式自動検針技術に注目する。
光学式自動検針技術の代表的な例は、ベンチャーコリアが出願した大韓民国特許公開番号第10−2000−52048号(発明の名称:光感知による計量器の使用量信号発生装置)、第10−2000−66245号(発明の名称:計量器数字ホイールの回転数計数装置)、大韓民国実用新案登録番号第20−273026号(考案の名称:計量器の数字ホイールの回転数計数装置)などがある。これらベンチャーコリアの発明は、機械式計量器の数字ホイールトレインの特定数字ホイールの回転数を光センサを利用して、カウントすることで、計量器の指針値をデジタイジングする。図1ないし図3は、これと係わる従来の自動検針装置の構成を示す図面である。図1に示すように、計量器2の使用量指針部14の数字ホイールトレイン12が表示する数字値は供給物の使用量を示す。この数字ホイールトレイン12を構成する数字ホイールのうちで回転数計量対象である数字ホイール12a(以下、‘計量数字ホイール'と称する)の外側面の一部区間を光反射部20で作って(例えば、光反射効率が優秀な素材をその区間に熱圧着する方式で)、またケース35に内蔵した計量発光素子32と計量受光素子34で構成された光センサユニット30をハウジング40に装着して、そのハウジングを使用量指針部14に結合させる。これによって計量発光素子32と計量受光素子34の指向点はその光反射部20の回転経路上の特定領域になる。計量発光素子32は電源供給部から駆動信号を供給されて発光して、その光は計量数字ホイール12aの外側面に入射される。このように入射された光が計量数字ホイール12aの外側面のうちで光反射部20に入射される場合には大部分の光が反射して反射光の強さが強いが、光反射部20を除いた残り区間に入射される場合には、その表面の反射率が低くて反射光の強さは弱い。この反射光は計量受光素子34に入射されて電気信号に変換される。供給物の使用によって計量数字ホイール12aが回転する間に光反射部20と残り区間が交替しながら計量発光素子32と計量受光素子34が志向する特定領域を通過するようになるので、計量受光素子34が出力する光検出信号のレベルも高低が交代に繰り返される。 このような計量受光素子34の光検出信号をデジタル信号に変換して、その信号のレベル変化の挙動を分析して、その計量数字ホイール12aの1回転完成可否を判別する機能を有するプログラムを、例えば、マイコンのような演算装置で行って計量数字ホイール12aの回転数をカウントする。カウントされた計量数字ホイール12aの回転数は計量器の指針値と等価的関係であるので、計量器の指針値を前記回転数から分かる。このような回転数カウント方式が可能なことは、計量数字ホイール12aに光反射区間が形成されていて、その光反射区間と残り区間は光反射率が大きく差があって、これら二つの区間によって反射した光の強さもお互いに大きく違うように現われるからである。
ところで、上のようなベンチャーコリアの発明は、計量数字ホイールの外側面に光反射区間を設けることを必ず前提する方式である。光反射区間を作らなければ計量の誤差発生率が高いからである。数字ホイールトレイン(wheel train)を製作する時、計量数字ホイールの外側面の一部を光反射区間に作る作業は煩わしい作業である。特に、既に各需用家に設置されて使用中の幾多の既存の計量器の場合、光反射部を設置するためには、その計量器を収去して光反射部を用意しなければならないが、これは現実的に不可能である。
このようなベンチャーコリア発明の問題を解決するための方案として、大韓民国特許公開番号第10−2005−66073号(発明の名称:多重光電素子の出力信号変化パターン分析を利用した計量器用遠隔検針方法と装置)は、図4ないし図6に示されたところのように計量数字ホイール12aの外側面に別途の光反射部を用意しなくても、その計量数字ホイール12aの回転数をカウントすることで自動検針ができるようにしてくれる技術を提案した。
この発明によると、計量数字ホイール12aの回転を検出する光センサユニット30aは、その計量数字ホイール12aの外側面の特定領域に入射光を照射する少なくとも一つの計量発光素子32a、32bと、計量発光素子32a、32bの入射光が計量数字ホイール12aの表面で反射して出る反射光を受光して、対応される電気信号を出力する多数の受光素子を特定領域に密集配置した計量受光素子アレイ34aを一つのケース36に一体化した形態で構成される。計量数字ホイール12aの外側面には0から9までの数字が等間隔で表示されている。ところが、その数字の識別を容易にするために、一般的にその外側面は黒い色の材質で作って数字は白で表示されて、数字と背景間の光反射度が大きくて、また各数字の表示領域ごとに固有な光反射パターンを有する。この発明はこのような点に着眼して、計量受光素子アレイ34aの各計量受光素子の出力信号(光検出信号)をデジタル信号に変えた後マイコンのような演算装置を利用して、そのデジタル信号の時間によるレベルの変化パターンを分析することで、計量数字ホイール12aが1回転を完成したかを判別し出す。
しかし、この発明は計量数字ホイールに光反射部を別途に用意しない代りに、光センサユニット30aを構成するにおいて、多くの数の受光素子を要して発光素子もそれによって複数個を採用しなければならない必要がある。これにより、光センサユニット30aの製造単価が高くなるようになって、また多数の受光素子から獲得される比較的多い量のデータ(測定値)を処理することができる能力を備えたマイクロプロセッサーを採用しなければならないので、マイクロプロセッサーの単価も高くなるようになるなどの問題がある。また、反射光のパターンを比べて計量数字ホイールの1回転完成可否を判定する方式であるので、光センサユニットの精密度が高くなければならないという点も負担として作用する。
(2)ガス計量器の温圧誤差の補正技術
一般に、家庭用または産業用ガスの‘供給料金'体系は卸売者と小売者との間には‘ガス重量’を基準に策定されている一方、小売者と各需用家(各需用家に設置されたガス計量器は容量式ガス計量器であることを仮定)の間には‘ガス体積'を基準に策定される。例えば、韓国の場合、需用家に直接ガスを販売する各地域のガス会社(小売者)とこれら会社にガスを供給する韓国ガス公社(卸売者)の間のガス取り引きは液化状態でなされて取り引き料金は‘重量’単位で計算される反面、各地域ガス会社(小売者)が需用家らにガスを販売する時は、ガスをガス管を通じて気体状態で供給するので、各需用家別のガス販売料金は‘体積’単位で計算される。
ところが、各地域別ガス会社(小売者)が韓国ガス公社(卸売者)から買い入れたガスの量と全体需用家に販売したガスの量の間には誤差があってはいけないのが望ましいが、実際には相当な程度の誤差が発生するものとして知られている。その理由は、ガス会社側が適用するガス供給基準点(整圧機が設置された支点)での供給ガスの基準温度及び基準圧力と各需用家のガス計量器を通過するガスの実際温度と圧力との間の差がこのようなガス体積の誤差(以下、‘温圧誤差’と称する)を発生させるからである。
ガスはその特性上単位重量に対する体積が温度と圧力との大きさによって変わる。ガス供給者(小売者)は、整圧機が設置されたガス供給基準点で所定の基準温度と基準圧力で(韓国の場合、0℃、1気圧である)各需用家に連結されたガス管を通じて各需用家側にガスを送り出すようになる。この時、整圧機で各需用家のガス計量器までのガス圧力の減少を考慮して整圧機では、おおよそ20〜25ミリバールのゲージ圧力でガスを送る。容量式ガス計量器の体積測定容器は、柔軟性がある膜でなされていて、同一な質量のガスでも周辺の温度と圧力との大きさによってそのガスの体積(すなわち、ガス計量器で測定されるガス使用量)は変わる。ところで、ガスは整圧機で配管を通じて各需用家に伝達する間に周辺の温度と大気圧などの影響を受けるので、各需用家の容量式ガス計量器でのガスの温度と圧力とは、前記基準温度及び基準圧力と必ず一致するものではない。このように両支点でのガスの温度と圧力が違えば、両支点でガスの密度が変わって各需用家のガス計量器で測定されたガス体積は前記供給基準点で供給したガス重量に対応されるガス体積と差を見せる。このような差によって、各需用家のガス計量器で測定されたガス使用量(使用ガスの体積)には誤差が含まれて、これによって需用家は自分が実際使ったガス量に比べてさらに多いか、またはさらに少ない料金を負担するようになる。例えば、暑い地域や高地帯でガスを使用する時、寒い地域や低地帯に比べて少ない熱量(熱量は体積に比例するものではなくモル数に比例する)を使ってからも同じ費用を出費しなければならない不合理が発生されることがある。
本発明者はこのような温圧誤差の発生原因を認知して、その原因の解決方案を捜し出して特許出願をしたことがある(韓国特許出願第10−2003−0053627号、発明の名称:‘ガス計量器用の温圧補正機能を有する遠隔検針装置'を参照)。ところで、その特許出願で提案した温圧補正器は温度の場合は、それぞれの計量器ごとに一つずつ温度測定機が設置される形態(例えば、温度センサをガス管内部、あるいは表面に付着するか、または計量器の内部や表面、あるいは計量器周辺に温度センサを付着する方式)を取るが、圧力に対しては単位地域に設置された多数の計量器に対して一つの圧力測定機(それもガスの圧力ではない大気圧を測定するもの)を設置した後、その測定された大気圧情報を無線ネットワーク(遠隔検針の無線ネットワーク)を利用して幾つかの台の計量器に送って共有する形態を取る。
ところが、各需用家のガス計量器を通過するガスの温度や圧力はお互いに違うことがある。各需用家別の計量支点でのガス温度と圧力はガス供給時に適用する基準温度と圧力とも差があるのが一般的である。それで、温圧誤差を最小化するのに最も正確なデータは各需用家のガス計量器を通過するガスのその当時の温度と圧力情報である。しかし、特許出願番号第10−2003−0053627号の発明は、圧力誤差を補正するためにガス自体の圧力情報ではない大気圧情報を利用するだけでなく、各需用家の計量器設置支点ではない単位地域内のある一支点での大気圧情報をその地域内のすべての計量器の誤差補正に活用する方式を取る。その結果、圧力誤差の正確な補償がなされることができなかった。上の発明は圧力測定部(気圧測定部)と温度測定部の設置位置を異にするものであるので、圧力測定部と温度測定部とをそれぞれ別に作らなければならないし、設置もそれぞれ別にしなければならない非効率と不便なことも引き起こす。
以下では添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施例を説明する。
(1)数字ホイールトレインの回転方式
計量器の数字ホイールトレイン12は、隣接して一列に配置された多数の数字ホイールを含む。実際使われる大部分の計量器の数字ホイールトレイン12は普通小数点以上4〜6桁と小数点以下2桁を示す6〜8個の数字ホイールで構成される。各数字ホイールは、一般的に黒い色のプラスチック樹脂で平たい円筒状で作られて、その外側面には0から9までの数字が一定な間隔で刻まれて、その内に白ペイントが塗られる形態で作られる。隣接された数字ホイール同士は、お互いの間の回転比が10:1になるように連関されている。それで、いずれか一つの数字ホイールの回転数をカウントするとその数字ホイールより大きい桁数の指針値が分かることができる。
ところが、数字ホイールトレイン12の各数字ホイールの回転原理は次のような特徴がある。数字ホイールトレイン12の全体数字ホイールのうちで最下位の数字ホイールは供給物の使用によって連続的に動くが、残り数字ホイールは大部分の時間の間には停止していながら、自分の真下桁の数字ホイールが‘9'から‘0'に移る間のみに36゜回転して、以前値より‘1'が増加する。すなわち、最下位数字ホイールを除いた他の数字ホイールは、決して連続的な回転をしないで‘断続的な回転'をするようになる。
計量器の特定数字ホイールの回転数をカウントすると、その計量器の使用量指針値を自動検針することができる。ある数字ホイールを回転数カウント対象数字ホイールで決定するかと係わって、数字ホイールトレイン12の上のような回転方式を考慮する時、最下位の数字ホイールは除外される必要がある。また、使用量指針値の算定に有効に考慮される桁(普通は小数点以上の桁がこれに該当される)にある数字ホイールもカウント対象数字ホイールから除外される必要がある。このようないくつかの点と正確な検針値確保を考慮する時、最下位の真上の桁にある数字ホイールを計量数字ホイール12aにするのが望ましくて、数字ホイールトレイン12で通常的に小数点以下の桁数が2〜3である点を勘案すると、計量数字ホイールは数字ホイールトレインを構成する数字ホイールのうちで最後から二番目、あるいは三番目の数字ホイールで決定するのが最も望ましい。
(2)第1実施例
図7は、本発明の第1実施例によるデジタイジング装置100の構成を示すものであり、デジタイジング装置100が既存の計量器2に適用された場合を示す。このデジタイジング装置100は、使用量指針値を数字ホイールトレインで表示する計量器ならどのような種類の計量器にも制限なしに適用されることができるし、適用時に計量器に対するどのような構造的変更(例えば、数字ホイールに光反射部を設けるなどのような変更など)を誘発しない。また、デジタイジング装置100を適用するにおいて、計量数字ホイール12aは最下位の真上桁の数字ホイールで選定した。
デジタイジング装置100は、光センサユニット30を含む。その光センサユニット30は計量発光素子32と計量受光素子34とをおおよそ六面体型ケース35の一側面に形成された二つの収納孔38a、38b内に装着した構造である。ケース35はハウジング40の内部空間に設けられたホルダー48内に装着されて、ハウジング40の係止部材46は、使用量指針部14の側面に設けられたフランジ16に締結される。計量器の数字ホイールトレイン12を覆うハウジング40の部分は、透明窓で作って指針値が確実に見えるようにする。この場合透明窓は、外部で光ノイズがハウジング内部に流入されることができないようにする光ノイズ遮断機能を有するのが望ましい。
ハウジング40が計量器2に装着されれば、光センサユニット30は計量数字ホイール12aの外側面上に配置される。そしてこの時、ケース35の二つの収納孔38a、38bの出口は傾くように設けられて、計量数字ホイール12aの外側面上の所定領域(以下、‘照射領域'と称する)を共通的に志向する。それで、計量発光素子32から出た光は前記照射領域に入射されて、そこで再び反射して計量受光素子34に入射される。ケース35に設けられた二つの収納孔38a、38bはお互いに隔離されていて、計量発光素子32の出力光が計量受光素子34に直接入力されることはできなくて、前記照射領域に反射した後に入力されることができる。
デジタイジング装置100は、電源供給部50を有することができる。計量発光素子32は電源供給部50が提供する駆動電源によって光を生成する。バッテリーを電源で利用する場合、電力消耗を最小化するために駆動電源は、パルス信号形態で提供されるのが望ましい。パルス信号が駆動電源に提供される場合、その駆動パルス信号の持続時間は、前記光電素子の反応時間よりは長くて、デューティ比が1/100を超過しない値で決定されるのが望ましい。また、駆動パルス信号の周期が250msを超過しないのが望ましい。電源供給部50が計量発光素子32の駆動電源用パルスを生成するタイマー56が電源供給部50にクロック信号を提供する。計量発光素子32から生成された光は、計量数字ホイール12aの外側面の照射領域に照射された後反射する。この反射光の相当部分は計量受光素子34に入射される。そして、計量受光素子34は自分に入射された光をその強さに対応する電気信号に変換して出力する。
また、デジタイジング装置100は、計量受光素子34の出力端に連結されたアナログ/デジタル変換器(ADC)52と、このADC52に連結された計量演算部54を有する。計量演算部54はプログラムとデータとの保存能力、そして、後述するデータ演算処理能力などを有した素子、例えば、マイコンのような装置を含んだ構成である。計量演算部54の動作に必要なクロック信号はタイマー56が提供する。計量演算部54は、例えばデータと本発明による計量ロジックを具現したプログラムなどを保存するメモリー素子と、前記プログラムを実行して、使用量指針値を計量するのに必要な演算の遂行及び演算結果のメモリーに保存などを遂行する中央処理装置を有する。
デジタイジング装置100は、計量数字ホイール12aの回転数をカウントすることによって指針値を自動で検針することができる。これを説明するために、まず供給物を連続的に使用する場合を仮定する。その場合、最下位数字ホイール12bは連続的に回転するが、最下位数字ホイール12bの真上桁に位置した計量数字ホイール12aは前で説明したように断続的な(すなわち、不連続的な)回転をする。すなわち、その最下位数字ホイール12bが‘0'から‘9'まで変化する間には全然回転しないで、数字値が‘9'から‘0'に移る間のみに回転して、その回転によって表示する数字値が以前より‘1'が増加するようになる。本発明は、計量数字ホイール12aのこのような回転特性を利用してその回転数をカウントする。
計量数字ホイール12aが回転する間に、計量発光素子32の光は計量数字ホイール12aの外側面に入射された後に反射して計量受光素子34に入射されて、計量受光素子34は入射光の強さに対応する電気信号(光検出信号)を出力する。この時、計量発光素子32の駆動電源がパルス信号に提供されれば、計量受光素子34の出力電気信号も図8に示されたところのように、パルス信号形態で現われるであろう。実際に、ADC52を通じて計量数字ホイール12aから出る反射光の強さを観察すると、計量数字ホイール12aの各数字ごとに差がある。しかし、このような反射光の差を直接利用して、計量数字ホイール12aの回転を判断することは違った結果を生むこともある。なぜなら、計量器の種類によって反射光の差の程度は違うはずで、同種の計量器であっても組立された状態によっても違うだろうからである。むしろ、最下位数字ホイール12bがずっと回転する間に、計量数字ホイール12aは断続的な回転をする特徴を活用するのが望ましい。
最下位数字ホイール12bが回転を続けることによって、計量受光素子34から出力される電気信号をサンプリングした信号は、例えば、図8の(a)のような波形図を見せてくれる。計量数字ホイール12aが数字5、6、7で停止している区間(P1、P3、P5区間)は最下位数字ホイール12bが0から9まで回転する時間に対応されて、計量数字ホイール12aが数字5から6に回転する区間(P2区間)と数字6から7に回転する区間(P4区間)は、最下位数字ホイール12bが数字9から0に回転する時間に対応される。計量数字ホイール12aが停止している区間(P1、P3、P5区間)では光反射表面が変わらないので、前記サンプリング信号は一定な振幅(m1iまたは、m7iまたは、m13i)を有する。しかし、計量数字ホイール12aがその表示値がある数字値から次の数字値に変更されるように回転をする間には、例えば、‘5'から‘6'に変更中、または‘6'から‘7'に変更する間(P2、P4区間)には光反射表面が変わる。それによって光反射率と光反射パターンも変わるので、計量受光素子34に入射される反射光の強さにも変化がある。その結果、計量受光素子34の出力信号をサンプリングしたサンプリング信号ら([m2、m3、m4、m5、m6]、または[m8、m9、m10、m11、m12])の大きさも不均一である。計量数字ホイール12aが数字値‘1'が増加する時に現われるこのような現象は、計量数字ホイール12aに表示されたすべての数字に対して共通的に現われる。振幅不均一区間(例:P2、P4)での信号の振幅変動幅は、充分に大きいので容易に感知することができるし、数字ホイールの印刷状態や組み立て状態にほとんど無関係に感知が容易である。計量数字ホイール12aが特定数字値(例えば、‘5'または‘6')で停止している間(P2、P4区間)にも供給物が使用中なら、その下桁の数字ホイール、すなわち、最下位数字ホイール12bは継続的に回転をしている。上で各区間(P1、P2、P3、P4、P5)の持続時間は、供給物の瞬間使用量によって変わる。
計量演算部54は、図8の(b)に示されたように、ADC52で提供されるデジタル信号の値を分析して、その値の変動幅が一定時間内に所定の限界範囲以内で現われる区間(P1、P3、P5各区間)と、その限界範囲を超過する区間(P2、P4区間)を判別し出して図8の(b)に示されたことのように、例えば‘ロジックロー'と‘ロジックハイ'値をそれぞれ付与する。すなわち、ADC52が出力するデジタル信号の大きさをリアルタイムでモニタリングしながら、そのデジタル信号の大きさが所定時間以上均一に維持された後、不均一に変動する場合が発生される度に、その均一区間と不均一区間に対してロジックローとロジックハイをそれぞれ付与して、計量数字ホイール12aの数字値が‘1’だけ増加したものとして判定する。言い換えれば、‘ロジックハイ'の現われる区間は、計量数字ホイール12aの数字値が1だけ増加する区間に対応されるので、‘ロジックハイ'が現われた回数をカウントして、その値が10回になる度に計量数字ホイール12aが1回転を完成したものとして見做せば良い。
このような計量方式をプログラムで具現して、計量演算部54に設置する。そして、そのプログラムを計量演算部54が実行することで、計量器2の使用量指針値を自動でデジタル化(digitizing)できるようになる。ここで、前記限界範囲を決定するにおいて、理論的に見れば計量数字ホイール12aが停止しているある区間(P1、P3、P5各区間)のすべてのサンプリング信号は振幅がまったく同一でなければならないが、実際にはノイズなどによって少しの偏差があり得る。それで、限界範囲はそのような偏差の範囲よりは大きい値で決定されなければならないであろう。また、限界範囲をすぎるほど大きく決定すれば、計量数字ホイール12aが回転する区間(P2、P4区間)を判別し出すことができないので、この点を考慮してその最大範囲を決めなければならないであろう。
(3)第2実施例
1)過計量誤差の発生可能性
上で説明した第1実施例は、しかし、供給物を断続的に使用する場合、すなわち、計量数字ホイール12aが回転する間に供給物の使用を中断する場合には、計量演算部54がカウントした計量数字ホイール12aの回転数の不正確な可能性がある。供給物がずっと使われることによって、計量数字ホイール12aが回転をする途中であるt1の時点からその供給物の使用が中止されて、その後所定時間経過後t2の時点から供給物の使用が再開される場合を仮定する。このように仮定した場合には、ADC52のサンプリング信号は、例えば、図9の(b)のような波形で現われる。供給物の使用が続く場合には、計量受光素子34のサンプリング信号は図9の(a)のような波形が現われる。しかし、上で仮定したところのように、計量数字ホイール12aが回転する途中である(すなわち、P2またはP4区間に移行中である)ことを計量演算部54が充分に感知した後(t1の時点がこれに該当すると仮定する)に供給物の使用が中断されたら、数字が完全に変更されることができなかった状態であるにもかかわらず、反射光の強さ(図9の(b)でm41、m42、m43、m44、m45、m46、m47がこれに該当)が一定になる。供給物の使用が中断された不使用区間(Q2)では最下位数字ホイール12bと計量数字ホイール12aがすべて停止しているので、計量受光素子34に入射される反射光の強さもほとんど一定であるからである。
ところで、第1実施例のロジックとおりなら、計量演算部54は、このような経過過程、すなわち、‘一定レベルのサンプリング信号m1iが現われた後に不規則なレベルのサンプリング信号m2とm3が現われて、その後再び安定的なレベルのサンプリング信号m41〜m47が現われるまで'の過程を計量数字ホイール12aが数字値1増加のための回転の完了で認定してロジックハイ(R1)を付与するであろう。しかし、この状態は実際では計量数字ホイール12aは、数字値1増加に対応する回転を完了することができなかった状態である。このような状態で一定時間が経った後から(すなわち、t2の時点から)供給物の使用が再開されれば、再び計量受光素子34に入射される反射光の強さ、すなわち、計量受光素子34の光検出信号のレベルは再び不均一に変動する過程(サンプリング信号m5とm6がこれに該当)を経った後、計量数字ホイール12aが実際に数字値1増加のための回転を完全に完了すると、計量受光素子34の光検出信号のレベルは再び安定化される(m7iがこれに相当する)。この時にも計量演算部54は、計量数字ホイール12aが数字値1増加のための回転を完了したものとして認定して、ロジックハイ(R2)を付与するであろう。結果的に、このような方式でカウントされた計量数字ホイール12aの回転数データは、誤差を含むようになる。計量数字ホイール12aの数字値が実際では1程度のみ、増加したにもかかわらず、計量演算部54は計量数字ホイール12aの数字値が2だけ増加したものとして認識する場合(以下、‘過計量誤差'と称する)が発生することがあるからである。
第2実施例は、このような過計量誤差を予防するために図10に示されたデジタイジング装置を提示する。第1実施例によるデジタイジング装置100と比較する時、第2実施例のデジタイジング装置100−1は、供給物が現在使用中であるかの可否に関してリアルタイムで判定して、その判定結果を計量演算部54に提供する機能を有する使用中判定部58をさらに具備するものである。
過計量誤差の原因は、計量受光素子34に印加される反射光の強さ(すなわち、計量受光素子34の光検出信号の大きさ)が所定時間以上安定状態を見せる時、その安定状態が計量数字ホイール12aの数字値は実際に1だけ増加しないのに、供給物の使用が中断されたから現われたことにもかかわらず、まるで計量数字ホイール12aの数字値を1だけ増加させる回転が実際にあったと見做した誤った判断である。したがって、計量演算部54は、使用中判定部58からリアルタイムで提供を受ける‘現在の供給物が使用中であるかの可否に関する情報'に基礎して、計量受光素子34から出力される光検出信号の大きさが所定時間以上均一に維持される時(安定状態を見せる時)、そのような安定状態が供給物の使用によったものであるか、それとも供給物の不使用によるものであるかを判別して、その判別結果、後者に該当する場合は無視して、前者に該当する場合のみに計量数字ホイール12aがその数字値を1だけ増加させる回転を完了したものとしてカウントすると良い。計量演算部54に設置される計量プログラムのロジックにこのような事項を反映すると良いであろう。具体的には二重カウントを防止するための方案として、図9の(c)でR1パルスやR2パルスのうちでいずれか一つを無視するロジックを構成すると良いであろう。
2)使用中判定部58の具体例
最下位数字ホイール12bは、供給物を使用中である間には連続的に回転して供給物の不使用中である場合には、当然停止している特性を有するので、最下位数字ホイール12bが停止しているか、それとも回転中であるかを検出して、現在供給物が使用中であるかの可否を判別することができる。図11は、供給物の使用中の可否を光センサユニットを利用して、最下位数字ホイール12bが現在回転しているかどうかを判別することで、供給物が現在使用中であるかを判別するように構成された使用中判定部58aの具体的な構成例を示す。
使用中判定部58aは、ケース35−1に判定発光素子32−1と判定受光素子34−1を内蔵した構成を有する光センサユニット30−1を有する。この光センサユニット30−1は、光センサユニット30と同一な構成を有するが、前者が判定用光センサユニットなら、後者は計量用光センサユニットである。実際において、光センサユニット二つを隣接して配置して、一つは判定用として使用して、他の一つは計量用として使用するか、または一つのケースに発光素子と受光素子をそれぞれ二個ずつ内蔵して、判定用と計量用光センサユニットを一体で構成することもできるであろう。判定発光素子32−1には駆動パルスを提供する電源供給部50−1が連結されて、判定受光素子34−1にはADC52−1が連結されて、光検出信号の入力を受けて、そのADC52−1には判定演算部54−1が連結されてサンプリング信号値の入力を受けて、電源供給部50−1と判定演算部54−1にはタイマー56−1が連結されてクロック信号を提供する。
判定受光素子34−1に入力される反射光の強さをADC52−1の出力信号であるサンプリング信号を通じてリアルタイムで観察すると、供給物が不使用中である時には、そのサンプリング信号の値が一定時間以上の間に続いて固定されて、これと反対に供給物が使用中である時は、そのサンプリング信号の値が続いて変動する。判定演算部54−1は、最下位数字ホイール12bが回転しないで停止している時間が所定時間以上持続すると、供給物を不使用中であるものとして判定する基準に基づいて、ADC52−1が提供するサンプリング信号を分析して、供給物が現在使用中であるかの可否を判別する。判定演算部54−1の判定結果は、計量演算部54にリアルタイムで提供される。計量演算部54は、その判定結果を利用することで、i)計量数字ホイール12aが実際に数字値1の増加に該当する回転を完全に完了して安定化された場合と、ii)計量数字ホイール12aが回転途中に供給物の使用が中断されて、計量受光素子34に入射される反射光の強さが一定になる場合を区別することができるようになって、前で言及した過計量誤差を防止することができる。
判定用光センサユニット30−1の設置位置が最下位数字ホイール12bが最も望ましいが、それより上桁の数字ホイールに設置することも可能である。その場合、計量用光センサユニット30は、それより一桁上の数字ホイールに設置すると良い。例えば、計量数字ホイール12aより低い桁のうちで、最後の桁ではない数字ホイールは次のような特徴を有している(この場合は、計量数字ホイールは少なくとも最後で三番目の桁、またはその上桁の数字ホイールになる)。すなわち、その特徴はまさに計量数字ホイールの数字が変動する時は、必ずその下の数字ホイールはすべて回転をして、その数字値が‘9−>0'に同時に移るようになるという点である。ここで、図4の12aと12cを判定数字ホイールと計量数字ホイールで採用した場合を仮定する。そうすると、判定数字ホイールに判定発光素子と判定受光素子を有する判定用光センサユニットを設置すると、次のようなロジックによって前で言及した過計量誤差を防止することができる。すなわち、計量数字ホイールの反射光が変動(すなわち、計量受光素子34の光検出信号、またはADC52の出力デジタル信号の変動)しながら、安定化された時に次のような二つの現象が現われるようになる。
一番目の現象は、判定数字ホイールの反射光の強さが所定時間一定に維持されていながら、再び変動が発生する場合である。この場合は、供給物がずっと使用中であることを意味する。したがって、判定演算部54−1はこのような場合が確認されると、計量演算部54に現在は供給物が使用中という判定情報を提供すると良い。また、計量数字ホイールの反射光が安定化されたことは、実際に数字変更が完了したからであるものとして見られる。それで、計量演算部54は計量数字ホイールの値が実際に‘1'が増加したものとしてカウントすると良い。ここで、前記所定時間は供給物を最小限に使用する時、判定数字ホイールの反射光が安定状態で変動を起こすまでかかる時間として、供給物の種類や計量器の種類などによって変わる値であるので、実験的に獲得される必要がある。
二番目の現象は、判定数字ホイールの反射光の強さが前記所定時間が経過された後にも変動しないで、ずっと一定に維持される場合である。このような現象は、供給物の使用が中断された場合に現われる。それで、判定演算部54−1は計量演算部54に、現在は供給物が不使用中であることを知らせてくれる。もちろん、この時にも計量数字ホイールの反射光は安定化されて現われるものの、実際には計量数字ホイールは数字変更が完了することができなかった状態にとどまっている。それで、計量演算部54は計量数字ホイールの数字値カウントで二重で加算されないように適切な措置、例えば、今度の計量数字ホイールの反射光変動を無視するか、または次の番に発生される一番目の反射光変動現象を無視する方法を取る。
使用中判定部58は、光センサユニットの代りに永久磁石と磁気センサ(例えば、リードスィッチやホールセンサなど)でなされる磁気センサユニット(図示せず)で構成することができる。すなわち、永久磁石(図示せず)を、例えば、最下位数字ホイール12bに付着して、その永久磁石が最下位数字ホイール12bと共に回転するように配置する。磁気センサは、永久磁石の回転経路上に配置される。光センサユニットを磁気センサユニットに取り替えること以外は、使用中判定部58の残りの構成は同一である。このような磁気センサユニットを利用した使用中判定部によると、供給物が連続的に使用されると、その最下位数字ホイール12bが一度回転する度に、前記磁気センサは永久磁石の磁界影響圏内に一度属するようになってから脱するようになる。永久磁石の磁界影響圏に磁気センサが一度ずつ属してから脱する度に、磁気センサはそれに対応して、例えばスイチング信号(オン/オフ)を出力するようになる。このような磁気センサユニットの出力信号の後処理は光センサユニットの場合と同じである。
上で言及した二つの使用中判定部は、供給物の種類に構わなく適用されることができる。供給物が、例えば、ガスのような気体である場合には、気体の流れを感知することができるセンサを計量器やその近くのガス管路に装置する方式も採用することができる。具体的な例として、図12に例示されたところのように、計量器に連結されたガス管90内部に設置されたオリフィス6と、該オリフィス6の前後支点の圧力差を感知して、それに対応される電気信号を生成する差圧センサ98を具備する差圧センサユニットを利用して、ガスの流れを感知することができる。差圧センサ98が感知結果に対応する電気信号を出力すると、その出力電気信号をADC52−1でデジタル信号に変換した後、判定演算部54−1でデジタル信号の値をリアルタイムでモニタリングして、そのデジタル信号のレベルが一定な値を維持する時間が所定時間持続すると、その気体を不使用中であるものとして判定して、そうではない場合には、その気体を使用中であるものとして判定することは、前で光センサユニット、あるいは磁気センサユニット方式と同一である。
以上で説明した第2実施例によるデジタイジング方法のロジックは、プログラムに具現されてメモリーに保存されて、CPUがそのプログラムを行うことで実施されることができる。使用中判定部58と計量演算部54は、ハードウェア的には、例えば、メモリーとCPUを有するマイクロプロセッサーを利用して具現されることができる。
(4)第3実施例
図13は、本発明の第3実施例によるデジタイジング装置100−2の構成を示す。このデジタイジング装置100−2は、図10の第2実施例によるデジタイジング装置100−1に温圧誤差の補正手段60をさらに付け加えて、温圧誤差が除去されたデジタル使用量指針値を獲得することができるブロック図である。
温圧誤差の補正手段60は、温度測定部62と圧力測定部64とを含む。温度測定部62と圧力測定部64とは、ガス計量器2またはこれに連結されたガス管90内のガスの瞬時温度値と瞬時圧力値を周期的に、またはガス使用量が所定値になる度に測定する。温圧誤差の補正手段60は、またその測定された瞬時温度値と所定の基準温度値との間の差、そして測定された瞬時圧力値と所定の基準圧力値との間の差による瞬時温圧誤差の補正係数KTPを算出する温圧誤差の補正部66を具備する。ここで、基準温度値と基準圧力値とは、ガス供給者が供給基準点(例えば、地域別整圧機)で適用する基準温度値と基準圧力値とを意味する。
温圧誤差の補正手段60が算出した温圧誤差の補正係数KTPは、計量演算部54に提供される。計量演算部54は上の二つの実施例で説明した方式によって実際計量された所定期間の間の使用量指針値に温圧誤差の補正部66が算出した温圧誤差の補正係数を反映して、温圧誤差が補正された使用量指針値を算出する。
温圧誤差の補正手段60は、その測定された瞬時温度値と瞬時圧力値を利用して所定時間ごとに例えば、1時間ごとにまたは2時間ごとに、あるいは毎日その時間の間の平均温度値と平均圧力値とを算出する機能を有することもできる。そして、計量演算部54は計量された使用量指針値を‘加重値'で使ってガスの瞬時温度、または瞬時圧力の加重平均値を算出する機能を有することもできる。
図14は、第3実施例による温圧誤差の補正機能を有するデジタイジング装置を採用した自動検針装置の実際設置状態を例示的に示す。例示された容量式(膜式)ガス計量器2で温度測定部62と圧力測定部64とは、ネジ組み立て型ケース68に内蔵して、ガス管90と一体で結合されて、そのガス管90は、例えば、カップリング92a、92bを利用して、既存のガス供給管94とガス計量器2との間に密閉的に結合される。光センサユニット30は、計量器の指針部の前面に装着される。デジタイジング装置100−2の残り構成要素、すなわち、電源供給部50、ADC52、タイマー56、計量演算部54、温圧誤差の補正部66、通信部70などは印刷回路基板(図示せず)上に具現されて、回路ボックス150に内蔵する。光センサユニット30と温圧測定部62、64とは、電線82を通じて印刷回路基板に連結される。温圧誤差の補正部66と計量演算部54、そして、使用中判定部58は、それぞれが担当する機能をプログラムで具現されてメモリーに保存されて、そのプログラムはCPUによって実行される形態で具現されることができる。それで、温圧誤差の補正部66と計量演算部54、そして、使用中判定部58は、ハードウェア的には、例えば、メモリーとCPUなどを内包するマイクロプロセッサー80を利用して具現することができるであろう。その他に回路ボックス150には、使用者が自動検針及び温圧補正などと係わって必要な指示を下逹するための使用自用操作ボタン152とCPUが獲得、または算出したさまざまな情報を表示するためのディスプレイ部154などがさらに装置されることもできる。この場合、使用者操作ボタン152やディスプレイ部154はCPUに連結されて、使用者の命令がCPUに伝達して、計量結果がCPUから提供される。
デジタイジング装置100−2は、各ガス需用家ごとに設置される。効率的な自動検針のためにガス供給会社は自社がガスを供給する地域を多くの単位地域で区分して、各単位地域ごとにローカル無線集中器72を設置するのが望ましい。各単位地域に設置されたローカル無線集中器72は、ガス供給会社のコンピューター76に有線通信網、または無線通信網(例えば、移動電話通信網を利用したデータ通信)などで連結される。計量演算部54が算出した、温圧誤差が補正されたデジタル使用量情報(補正前の自動検針値、温圧誤差の補正係数、補正された使用量など)は、各需用家情報と共に通信部70を通じてローカル無線集中器72、または無線中継器に送信されて、ローカル無線集中器72は、担当地域内の各需用家から収集された情報を通信網74を通じてガス会社のコンピューター76に送る。これによってガス供給会社は、遠隔地の各需用家のガス計量器を正確に自動検針できるものである。
一方、瞬時温圧誤差の補正係数KTPは、T、P、T0、P0をそれぞれ瞬時温度(°K)、瞬時圧力(hPa)、基準温度(°K)、基準圧力(hPa)という時、KTP=T0・P/T・P0であって、基準温度と基準圧力とが通常0°K(=273℃)1気圧(=1013hPa)であるので、下の式(1)で表示される。
KTP=P×273/{1013×(273+T)} ……(1)
瞬時温圧誤差の補正係数KTPは、式(1)または、これの物理的な法則による等価式によって算出されることができる。式(1)は、ボイル−シャルルの法則を利用して得られる。さらに具体的に説明すると、気体の体積は温度と圧力とによって、次のような式2で表現される。
P・V=Z・n・R・T ……(2)
ここで、Pは気体の絶対圧力、Vは気体の体積、Zは圧縮係数として温度、圧力の影響を受ける値であり、nは気体のモル(mole)数、Rは定数、そして、Tは気体の温度(絶対温度(°K))を示す。ところで、計量器2を通過するガスの圧力と温度とが比較的低い、絶対圧で1013〜1399hPaであって、温度も常温辺りであるので、Z=1にしても大きい差がない。式2を利用して、ガス会社がガス供給時に適用する基準温度(T0)及び基準圧力(P0)――韓国の場合、一般的に0℃(273°K)、1気圧(1013hPa)である――でのガスの体積(V0)に対して、任意の温度(T)圧力(P)でのガスの体積(V)を式で表現すると次のようである。
P・V/T=P0・V0/T0 ……(3)
上の式(3)は、気体に関して明確に記述された、よく知られた“ボイル−シャルルの法則”である。この式を利用すると、‘任意の温度(T)及び圧力(V)で測定したガスの体積(V)'を‘基準温度(T0)と基準圧力(P0)でのガスの体積(V0)、すなわち、補正されたガス使用量(V0)'に換算することができる。すなわち、式(3)を補正されたガス使用量(V0)に関して整理すると次のようである。
V0=(T0・P)/(T・P0)×V ……(4)
ガス供給時に適用した基準温度(例えば、T0=0℃273°K)及び基準圧力(例えば、Po=1013hPa)でのガス使用量(V0)は下の式(5)で計算することができる。下の式(5)で、右辺で体積Vを除いた残りの値がまさに式(1)で表現された瞬時温圧誤差の補正係数KTPである。すなわち、V0=KTP×Vになる。
V0=(273・P)/(T・1013)×V ……(5)
瞬時温圧誤差の補正係数KTPを利用して、温圧誤差を補正する方法を説明する。
一つの方法として、所定時間ごとに瞬時温度値と瞬時圧力値とを測定して、それに対応する瞬時温圧誤差の補正係数KTPを算出して、その所定時間の間にガス使用量Vを測定した後、算出されたガス使用量指針値Vに瞬時温圧誤差の補正係数KTPを掛けて補正されたガス使用量V0を求める。他の方法として、毎日一日の間に算出される全体瞬時温圧誤差の補正係数の平均値である日別温圧誤差の補正係数を算出して、各日別温圧誤差の補正係数と該当日のガス使用量指針値を掛けて補正された日別使用量を算出して、その日別使用量を月別に累積して、補正された月別使用量を算出することができる。また、毎月ごとにその月に算出される全体瞬時温圧誤差の補正係数、または全体日別温圧誤差の補正係数の平均値である月別温圧誤差の補正係数を算出して、該当月のガス使用量指針値と掛ける方法も可能である。ここで、補正対象であるガス使用量自動検針値(V)は、計量演算部54がADC52の出力信号を利用して、デジタイジングした計量数字ホイール12aの回転数から分かる値である。
一方、温圧誤差の補正係数を利用して、温圧誤差をより正確に補正するためには、温圧誤差の補正部66が前記温圧誤差の補正係数を算出するか、または補正されたガス使用量を算出するにおいて、ガスの温度と圧力の測定時点でも、または測定時間区間の間にガス使用可否やガス使用量に相応する加重値を適用するのが望ましい。加重値(weight factor)を適用する一つの方法として、温度と圧力とを測定する時間の間隔、言い換えれば、瞬時温圧誤差の補正係数を算出する時間間隔をガスの使用可否、または使用量と連携させて可変的に調整する方法を使用する。ガスの使用可否に関する情報は、使用中判定部58が生成するので計量演算部54は、その使用中判定情報を活用して加重値を付与すると良い。加重値適用のための他の例示的な一つの方法として、温圧誤差の補正部66は温度測定部62から獲得される温度値の時間による変化様態、または圧力測定部64から獲得される圧力値の時間による変化様態を分析して、ガスが現在使用中であるかを判別して、ガスが使用中である場合には、不使用中である場合に比べてさらに短い時間間隔で温圧誤差の補正係数を算出する方法を利用することもできる。このようにして算出された瞬時温圧誤差の補正係数を利用して、日別または月別温圧誤差の補正係数を算出するにおいて、その瞬時温圧誤差の補正係数を単純に算術平均するとガス使用の可否、または使用量による加重値が自動で反映される。
図15ないし図18は、本発明の望ましい実施例による温度測定部62と圧力測定部64とを含む温圧測定部の実際具現例を示すものであり、図14の切断線C−Cから見た断面図である。図15に例示された温圧測定部の構成によると、圧力測定のための要素として、ガス管90、胴体部68a、68b、68c、圧力センサ220、隔離手段、そして、圧力信号処理部230aを有する。ガス管90は、ガス供給管94とガス計量器2との間に結合されて、そのガス供給管94の一部を構成する。胴体部68a、68b、68cはこのガス管90に固着されて、内部には一側端は前記ガス管と連通されて、反対側端は閉鎖された収納空洞で終端された圧力管路242が形成されて、ネジ246a、246bによってガス管90に固着する。圧力センサ220は胴体部68bの収納空洞内に配置されて、周辺の圧力の大きさに対応される電気信号を生成する。隔離手段は、例えば、メンブレン224のようなもので構成されるが、これは胴体部68b内の圧力管路242の中間に圧力管路242を横切る形態で配置されて、ガス管90内のガスの圧力は圧力センサ220に伝達するように許容するが、ガスが圧力センサ220と直接接触されることは遮断する。圧力信号処理部230aは胴体部68b外部に配置されて、圧力センサ220の出力端と電線222で連結されて、圧力センサ220の出力電気信号を処理してガスの圧力に対応されるデジタル信号に変換する。使用可能な圧力センサは測定された気圧値を電気信号に変換して、デジタル値の形態で提供することができるものなら特別な制限はない。例えば、靜電容量式圧力センサ、ストレインゲージ形圧力センサ、半導体抵抗型圧力センサ、圧電素子形圧力センサなどがその例になることができる。
さらに、温圧測定部は、温度測定のための要素として、ガス管90内部または外部に設置されて、周辺温度に対応される電気信号に変換する温度センサ210と、その温度センサ210の出力端と電線212で連結されて、温度センサ210の出力電気信号を処理して、周辺温度に対応されるデジタル信号に変換する温度信号処理部230bを有する。図面は圧力信号処理部230aと温度信号処理部230bとが同じ印刷回路基板230cに具現された場合を仮定して示したものである。メンブレン224と圧力センサ220のまわりにはオーリング(O-ring)250a、250cが装着されて、ガスが外部に漏出されないように密封してくれて、圧力センサ220の設置のために設けられた周辺隙間は、シーリング材228で仕上げされる。使用することができる温度センサは、温度値を電気信号に変換させて出力することができるものならば良くて、その例としては、熱電対や白金などの金属製温度低抗体、非金属温度抵抗体(サーミスター)、半導体温度センサ、または放射形温度測定機、メタルコア型温度センサなどを挙げることができる。
図16と図17に例示された温圧測定部は、ガス管90内のガスと圧力センサ220の間の直接的な接触を遮断するための手段がさらに強化された構成である。図16の場合、胴体部68b内部に形成された圧力管路242−1にはオーリング250a、250bに密封された二つのメンブレン224a、224bが配置される。これら二つのメンブレン224a、224bの間にはU字形圧力管路が設けられて、そのU字形圧力管路内には液状物質226が満たされる。液状物質226を満たし入れるために胴体部68bの側面には、U字形圧力管路に連結された溝が設けられて、液状物質226がその溝を通じて注入された後栓244で閉鎖されて、オーリング250dでその栓244が密封される。図17は、圧力管路242−2がV字形である場合を示す。図16と図17で、メンブレン224a、224bと液状物質226の二つのうちでいずれか一つのみを採用することもできるであろう。
図18は、上の三つの温圧測定部と比べる時、温度測定部は同一であるが、圧力測定部は他の方式で構成された温圧測定部を示す。圧力測定部の構成を説明すると、胴体部68a、68b、68cの内部には一側端はガス管90と連通されて、反対側端は閉鎖されて、少なくとも一部の区間は直立された圧力管路242−3が形成される。そして、その圧力管路242−3の直立区間には液状物質226が所定レベルまで満たされて、その内に液状物質226に浮かぶ特性を有したフロート上に安置された永久磁石248が配置される。液状物質226はガス管90内の圧力の変化に対応して液柱の高さが変化する特性を有する。また、ガス管90内のガスの予想圧力の変動範囲に対応する液状物質226のレベル変動範囲内のおおよそ中間の高さに位置するが、胴体部68bの外部に磁界センサ252が設置される。この磁界センサ252は、永久磁石248が形成する磁界の強さに対応されるレベルの電気信号を出力する。磁界センサ252の出力電気信号は、圧力信号処理部230aに提供されて、ガスの圧力に対応されるデジタル信号に変換される。液状物質226は栓244とオーリング250dによって密封される。
次に、温圧誤差が補正されたガス使用量の算出は、次のような手続きでなされる。先ず、基本モード動作を説明すると、リアルタイムで0時00分経過後、例えば、毎10分ごとに1回ずつ温圧誤差の補正部66は、温度測定部62と圧力測定部64から瞬時温度(T)と瞬時圧力(P)情報を獲得して、前記式(1)を利用して温圧誤差の補正係数(KTP)を算出した後、‘瞬時_T/P/KTP(瞬時_温度/圧力/補正係数)'をマイクロプロセッサー80内のメモリーに保管する。24時00分に、マイクロプロセッサー80は、24時間の間の‘瞬間_T/P/KTP'を平均して、‘日平均_T/P/KTP'を算出して、その‘日平均_T/P/KTP'を日付と共にマイクロプロセッサー80内のメモリーに保管する。また、直ちに該当日までの‘1ヶ月平均_T/P/KTP'を算出して保管する。毎日毎日を基準で過去1ヶ月の平均値を有していながら、毎月末日になると末日を基準にした‘1ヶ月平均_T/P/KTP'を該当月の‘月平均_T/P/KTP'でコピーしてマイクロプロセッサー80内のメモリーに別途に保存しておく。しかし、‘1ヶ月平均_T/P/KTP'は続いて毎日更新していく。ここで、‘月平均_T/P/KTP'は現在から1ヶ月以前から現在(24時00分)までの平均であり、この時1ヶ月の日数は最終日が属する月を基準にする。すなわち、2月3日24時00分までの平均なら、1ヶ月が28日であるので、1月7日から2月3日までの28日間の‘日平均_T/P/KTP'を‘単純算術平均'して算出する。以上の過程を反復的に遂行する。そして、使用者操作部152を通じて使用者の指示が与えられると、その指示内容によって次のような特別モードの動作を遂行する。
特別モードの一つは、ガス使用可否の確認モードである。このモードは先ず、マイクロプロセッサー80はリアルタイムで0時00分経過後、例えば毎30秒ごとに使用中判定部58の判定結果を利用して、ガス使用可否を確認する。‘ガス使用中'ではない場合には、マイクロプロセッサー80はリアルタイムで0時00分経過後から、例えば毎60分に1回ずつ温度測定部62と圧力測定部64とから温度(T)と圧力(P)を確保して、‘瞬時_T/P/KTP'をマイクロプロセッサー80内のメモリーに保管する。‘ガス使用中'である場合、マイクロプロセッサー80はリアルタイムで0時00分経過後から、例えば毎6分ごとに1回ずつ温度(T)と圧力(P)値を確保して、‘瞬時_T/P/KTP'をマイクロプロセッサー80内のメモリーに保管する。そのような作業を繰り返しながら、マイクロプロセッサー80は24時00分に、24時間の間の‘瞬時_T/P/KTP'を平均して‘日平均_T/P/KTP'を算出する。平均値算出方法は‘ガス使用中'の可否にかかわらず、その日のすべての資料(資料数の差があり得るが、最大10×24=240個を超えない)を算術平均する。サンプリング間隔の差が60分:6分であるので、その程度の加重値が自動で反映される。ガスを使わない場合にも1/10程度の加重値を反映する理由は、‘ガス使用中確認機能'の誤作動に備えるものである。続いて、マイクロプロセッサー80は、正常モードの場合と同様に、‘日平均_T/P/KTP'を日付と共にマイクロプロセッサー80内のメモリーに保管後に、直ちに該当日までの‘1ヶ月平均_T/P/KTP'を算出して、同様にマイクロプロセッサー80内のメモリーに保管する。毎日毎日を基準に過去1ヶ月の平均値を有していながら、毎月末日になると末日を基準にした‘1ヶ月平均_T/P/KTP'を該当月の‘月平均_T/P/KTP'でコピーしてマイクロプロセッサー80内のメモリーに別途に保管する。しかし、‘1ヶ月平均_T/P/KTP'は続いて毎日更新していく。
他の特別モードの一つは、ガス使用量の確認モードである。このモードの遂行手続きは、先ず、マイクロプロセッサー80がリアルタイムで0時00分経過後、例えば、毎2秒ごとに使用中判定部58を作動してガス使用可否を確認する。使用中判定部58が光センシング方式でガス使用可否を確認する場合、特定数字ホイールが1回転することを確認する方式を取る。そして、その特定数字ホイールの回転数が、例えば1/2/4/8回転する度にマイクロプロセッサー80は、温度測定部62と圧力測定部64から温度(T)と圧力(P)値を獲得して、‘瞬時_T/P/KTP'を算出、保管する。続いて、マイクロプロセッサー80は24時00分に、24時間の間の‘瞬時_T/P/KTP'を平均して、‘日平均_T/P/KTP'とその日の‘一日使用量'を算出して一緒に保管する。平均する方法は、その日のすべての資料を算術平均する。‘一日使用量'を一緒に保管することは、月平均計算に使用する加重値として使用するためである。マイクロプロセッサー80は‘日平均_T/P/KTP'を日付と共にマイクロプロセッサー80内のメモリーに保管後に、直ちに該当日までの‘1ヶ月平均_T/P/KTP'を算出して、再びマイクロプロセッサー80内のメモリーに保管する。‘1ヶ月平均_T/P/KTP'は続いて毎日更新していく。
以上のような動作モードらを通じて獲得された温圧誤差の補正係数を計量演算部54がカウントした自動検針値に反映すると、温圧誤差が補正されたガス使用量の算出が可能になる。このような各動作モードの実行内容はプログラムで作成されて温圧誤差の補正部66にあらかじめ設置される。