JP2009520037A - てんかんを治療するためのベンゾ縮合複素環スルファミド誘導体の使用 - Google Patents

てんかんを治療するためのベンゾ縮合複素環スルファミド誘導体の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は発作または発作関連障害の発生、発症および成熟を治療、防止、改善、阻止または抑制する方法である。より具体的には、本発明は、本明細書に記述する如き式(I)および式(II)で表されるベンゾ縮合複素環スルファミド誘導体を用いててんかん発生およびてんかんを治療的または予防的に治療、防止、改善、阻止または抑制する方法に向けたものである。

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2005年12月19日付けで出願した米国仮出願60/751,496(引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)の利点を請求するものである。
本発明は、発作または発作関連障害の発生、発症および成熟を治療、防止、改善、阻止または抑制する目的でベンゾ縮合複素環スルファミド誘導体を用いることに向けたものである。より具体的には、本発明は、てんかん発生およびてんかんを治療または予防的に処置、防止、改善、阻止または抑制する目的でベンゾ縮合複素環スルファミド誘導体を用いる方法に向けたものである。
中枢神経系(CNS)または抹消神経系(PNS)に対するいろいろな種類の損傷または外傷によって長期に渡る顕著な神経学的および精神医学的症状および障害がもたらされる可能性がある。そのような影響をもたらす1つの一般的作用は、CNSまたは神経およびPNSの神経節における発作作用または発作様現象の誘発である。CNSまたはPNSの電気活性の点で発作性障害の症状を示す発作または発作様神経学的作用が幅広く多様な神経学的および精神医学的障害における病理学的現象の多くの基礎になっていると考えている。
発作によって特徴づけられる1つの重大な神経学的状態はてんかんである。てんかんは、米国単独で2.5百万以上の人に影響を与えている一般的ではあるが破壊的な障害である。てんかんは、ある人が慢性的な根本的プロセスが理由で発作を繰り返す状態を記述するものである。てんかんは単一の病気実体ではなくむしろ臨床的な現象を指すものである、と言うのは、てんかんの形態および原因はいろいろであるからである。てんかんは2種以上の理由のない発作であると言った定義を用いると、てんかんの罹病率は世界中のいろいろな集団の中で約0.3から0.5パーセントであると推定されていることに加えててんかんの推定罹病率は1000人当たり5から10人である。
臨床的および脳造影的現象を基にしててんかんは下記の4つに細分されると認識されている:大発作(下記のサブグループを伴う:全身性,限局性,ジャクソニアン(jacksonian)),小発作,精神運動性または側頭葉てんかん[下記のサブグループを伴う:精神運動性プロパー(proper)または強直性(アドバーシブ(adversive)または捻転動作または咀嚼現象を伴う),無意識(記憶喪失を伴う)または感覚的(幻覚または夢状態を伴う)]および自律神経または間脳てんかん(顔面紅潮,蒼白,頻脈,高血圧,発汗または他の内臓症状を伴う)。
てんかんは発作関連障害の最も重要な例の1つであるが、幅広く多様な神経学的および精神医学的症状および障害はこれらの病因として発作または関連した発作様神経学的現象を有する可能性がある。簡単に述べると、発作または関連した発作様神経学的現象は、一群の神経細胞または発作に敏感な群の神経細胞が“イクトジェネシス(ictogenesis)”と呼ばれるプロセスを通して過度の放電を行うことによって引き起こされる単一の個別の臨床的イベントである。このように、イクトジェニック(ictogenic)発作は単に病気の症状であり得る。しかしながら、てんかんおよび他の同様な発作関連障害は劇的でしばしば進行的な病気であり、成熟プロセスは、あまり理解されていない複雑な一連の病理学的変質によって特徴づけられる。
そのような変化の発生および成熟が“てんかん発生”のプロセスであり、それによって、正常な脳であるより大きな集団の神経細胞が変化を起こした後に異常で自然発生的な繰り返して起こる突然の過度な放電、即ち発作を起こし易くなる。そのようなてんかん誘発プロセスが成熟する結果として“てんかん誘発病巣”が発生し、それによって、異常な放電を起こす神経細胞または発作を起こし易い神経細胞の一群が局在化した群または“てんかん誘発ゾーン”を形成して、それらが皮質組織全体に渡って散在する。そのてんかん誘発ゾーンが生化学的に相互に連結することで異常なイクトジェニック放電がゾーンからゾーンに転送され得る。
てんかん発生が進行するにつれて、それに関与する神経系領域が発作に対してより敏感になりかつ発作の引き金になり易くなり、その結果として、発作または発作関連障害の進行的に衰弱性の症状がもたらされる。
イクトジェネシスおよびてんかん発生は特定の生化学的現象において共通の源を有しかついろいろな病気において共通のニューロン経路を有し得るが、この2つのプロセスは同じではない。イクトジェネシスは個別の時間および空間において発作の開始および伝播であり、迅速かつ決定的な電気/化学的イベントが数秒から数分の範囲の時間に渡って起こる。
比較として、てんかん発生は、徐々に起こる生化学的または神経細胞的再構成プロセスであり、正常な脳がイクトジェニックイベントによっててんかん誘発病巣脳に変わり、これは増感してイクトジェニックイベントに反応を示すようになるニューロン回路を有し、それによって、人は自然発生的な時間が限定された一過性発作を繰り返して益々起こし易くなり、その結果として、発作または発作関連障害の進行的に衰弱性の症状になりかつ進行的に治療に反応を示さなくなる。“てんかん誘発病巣”の成熟は進行が遅い生化学的および/または構造的プロセスであり、一般に数カ月から数年かかって起こる。
てんかん発生は下記の2段階プロセスである:“第一段階のてんかん発生”は最初のてんかん性発作または類似発作関連障害の症状が出る前のてんかん誘発プロセスの開始であり、これは、しばしば、脳のある種の損傷または外傷、即ち脳卒中,病気(例えば感染、例えば髄膜炎)または外傷、例えば頭の偶発打撲または脳に実施された外科手術などの結果として起こる。“第二段階のてんかん発生”は、既にてんかん性発作または類似発作関連障害の発作関連現象に敏感になっている脳組織が頻度および/またはひどさがより増した発作を更により起こし易くなりそして/または治療に対する反応がより低くなるプロセスを指す。
てんかん発生に関与するプロセスは明確に定義されてはいないが、ある研究者はN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体が媒介する神経細胞間の興奮性カップリングの上方調節が関与していると考えている。他の研究者は、ガンマ−アミノ−酪酸(GABA)受容体が媒介する神経細胞間の抑制性カップリングの下方調節が関係していると考えている。このプロセスにはNO(酸化窒素)または鉄,カルシウムまたは亜鉛イオンの存在、濃度または活性に関係した他の多くの要因が関与している可能性がある。
てんかん性発作はほとんど致命的ではないが、多数の患者が発作の破壊的かつ潜在的に危険な結果を回避する薬物治療(medication)を要求している。多くの場合、てんかん性発作または類似発作関連障害の症状を管理する目的で用いられる薬物治療は長期間を要し、ある場合には、患者はそのような処方医療を生涯に渡って受け続ける必要がある。その上、そのような薬剤が示す効果は症状の管理のみであり、かつ長期に渡って使用するとそれに伴って副作用が生じる。
てんかん性発作の管理で利用される幅広く多様な薬剤には、旧薬剤、例えばフェニトイン(phenytoin),バルプロエート(valproate)およびカルバマゼピン(carbamazepine)(イオンチャンネル遮断薬)などばかりでなく新薬、例えばフェルバメート(felbamate),ガバペンチン(gabapentin),トピラメート(topiramate)およびチアガビン(tiagabine)などが含まれる。加うるに、例えばβ-アラニンが抗発作作用、NMDA阻害作用およびGABA性刺激作用を有すると報告されてはいるが、てんかんの治療で臨床的に用いられたことはない。
てんかん治療の目的で受け入れられる薬剤は抗けいれん薬、より適切な名称は抗てんかん薬(anti−epileptic drugs;AEDs)であり、ここで、用語“抗てんかん”は“抗発作”または“アンチイクトジェニック(anti−ictogenic)”と同義語である。このような薬剤は単一イクトジェニックイベントの開始を遮断することで発作を治療的に抑制する。そのようなAEDを現在臨床的に利用することは可能ではあるが、それらはてんかん発生プロセスを防止しない。
また、発作または類似発作関連障害の関連症状、即ち明らかに発作性疾患に関係している可能性のある発作様神経学的現象を伴う病気および障害、例えば双極性障害における気分周期、衝動調節障害を伴う患者における衝動的行動または脳損傷の結果としてもたらされる発作を治療しようとする時にも、ある種のAEDは治療的に有用であり得る。しかしながら、現在認可されているAEDは、てんかん発生からてんかん誘発病巣(また類似発作関連障害も特徴とする)までの初期の発症または進行的成熟を予防的にも治療的にも防止することができない。
よく理解されていないてんかん発生の基礎になる病理学的機構が確かに多様な臨床環境下のてんかんおよび類似発作関連障害の発症にある役割を果たしており、それには、自然発生的発症またはいろいろな種類の中枢または抹消神経系の損傷または外傷の結果として起こる発症が含まれる。
現在のてんかん治療は、臨床的に明白なてんかんが発症した後にAEDを投与することによって発作活動を抑制することに焦点が当てられている。AEDは発作の抑制に肯定的な効果を示しはするが、現在入手可能なそれらはてんかん発生を防止しようとする時には一般に効果がない、即ちてんかんおよび他の関連した発作様疾患の初期の発症にも進行にもかつ悪化にも有効でない。神経系に対する損傷または外傷が起こった後にAEDを用いて前以て治療しておいたとしてもてんかんの発症は防止されない。その上、AEDを用いた治療を中断すると典型的に発作が再発し、不幸な場合には経時的悪化する。現在、てんかんまたは他の発作性疾患またはいろいろな類似発作関連障害の治療、防止、改善、阻止または発症および/または進行の抑制で臨床的に利用できる方法は存在しない。
加うるに、また、明白には“てんかん”には見えないがてんかんに臨床的に類似したいろいろな発作関連障害の発生および発症、例えばに双極性障害,衝動調節障害,強拍性障害,統合失調性感情障害,薬物乱用または嗜癖障害および他のいろいろな精神および神経障害などにおける成熟病気状態で観察される初期の発症および進行的悪化などにもてんかん発生に相当する同様な神経学的機構が関与しているとも考えている。
このように、てんかんの治療(即ちてんかん発作、即ちてんかん性発作に関連したけいれんを抑制することによる)および他の類似発作関連障害の治療で利用することができる薬剤は数多く存在するにも拘らず、いろいろな破壊的な神経学的および精神医学的障害、例えばてんかんおよび類似発作関連障害(双極性障害を包含)などの病因であり得る根本的なてんかん発生プロセスを治療、防止、改善、阻止または抑制する目的で一般に受け入れられる薬剤は存在しない。
現在、てんかんまたは他の類似発作関連障害の症状は臨床的にまだ現れていないが知らないでその病気にかかっているか或はその病気を発症する危険性のある患者がそれを発症しないようにてんかん発生プロセスを抑制する公知方法は存在しない。加うるに、てんかん発生プロセスの発生を防止するか或は前記プロセスを逆転させることで、てんかん誘発ゾーン内の発作動作の源であるか或は発作動作を起こし易いか或はそれに参与する可能性のある一群の神経細胞を、異常で自然発生的な突然の繰り返して起こる発作を示すことも過度の放電を示すこともそのような発作動作を起こし易くもなくまた起こすこともあり得ない神経組織に変化させる公知方法は存在しない。その上、そのような抗てんかん発生特性を示すとして認識されている認可もしくは非認可薬剤、即ち真の抗てんかん発生薬(anti−epileptogenic drugs;AEGD)も存在しない(非特許文献1を参照)。
従って、発作関連神経学的および/または精神医学的障害におけるてんかん発生を有効に治療、防止、阻止、抑制および/または改善することに加えて好適には既にそのような種類の症状を明らかに示す患者の発作またはけいれんまたは発作関連症状を抑制する安全で有効な薬剤またはAEDおよび治療方法を開発することが大きく望まれている。
Schmidt,D.およびRogawski,M.A.,Epilepsy Research,2002,50;71−78
発明の要約
本発明は、てんかん発生を治療、防止、阻止および/または改善する方法に向けたものであり、この方法は、それを必要としている被験体に式(I)
Figure 2009520037
[式中、
およびRは、各々独立して、水素および低級アルキルから成る群から選択され;
は、水素および低級アルキルから成る群から選択され;
aは、1から2の整数であり;
Figure 2009520037
から成る群から選択され、ここで、
bは0から4の整数であり;そしてcは0から2の整数であり;
各Rは、独立して、ハロゲン,低級アルキルおよびニトロから成る群から選択されるが;但し
Figure 2009520037
の時にはaが1であることを条件とする]
で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
本発明は、更に、てんかん発生を治療、防止、阻止および/または改善する方法にも向けたものであり、この方法は、それを必要としている被験体に式(II)
Figure 2009520037
で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
1つの態様において、本発明は、発作関連神経学的および/または精神医学的障害におけるてんかん発生を治療、防止、阻止、抑制および/または改善する方法に向けたものであり、この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する如き式(I)および/または式(II)で表される化合物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
別の態様において、本発明は、てんかん、発作性疾患または類似発作関連障害を発症する危険性のある患者におけるてんかん発生を治療、防止、阻止、抑制および/または改善する方法に向けたものである。
別の態様において、本発明は、発作および発作関連障害の治療および防止を必要としている被験体におけるそれを治療および防止する改良方法に向けたものである。この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する化合物のいずれかを前記被験体における発作、けいれんまたは発作関連障害の発症を治療および防止すると同時にてんかん発生を抑制する治療的に有効な量で予防的または治療的に投与する段階を包含する。
本発明の態様では、そのような治療を必要としている被験体に式(I)および/または式(II)で表される化合物の中の1種以上を製薬学的に受け入れられる担体または賦形剤と混ざり合っている状態で含有して成っていて前記障害の症状を既に示している患者における発作またはけいれんまたは発作関連障害を防止または治療するに適した製薬学的組成物を予防または治療的に有効な量で投与する。
追加的態様では、AEGDによる治療を必要としている被験体に式(I)または式(II)で表される化合物の中の1種以上を製薬学的に受け入れられる担体または賦形剤と混ざり合っている状態で含有して成っていててんかん発生を防止、治療、改善、阻止および/または抑制するに適した製薬学的組成物を予防または治療的に有効な量で投与する。それを必要としている被験体に式(I)および/または式(II)で表される1種以上の化合物と1種以上の製薬学的に受け入れられる賦形剤を含有して成る製薬学的組成物を投与する。
本発明は、更に、てんかん発生を治療、防止、阻止、抑制および/または改善する方法にも向けたものであり、この方法は、少なくとも1種の適切な薬剤と本明細書に記述する如き式(I)および/または式(II)で表される化合物の中の少なくとも1種を治療的に有効な量で用いて共治療(co−therapy)を施すことを含んで成る。
発明の詳細な説明
本発明は、てんかん発生、てんかんおよび関連障害を治療および/または防止する方法に向けたものであり、この方法は、それを必要としている被験体に式(I)
Figure 2009520037
[式中、
Figure 2009520037
a,R,RおよびRは、本明細書で定義する如くである]
で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
式(I)および式(II)で表される化合物は抗けいれん薬であり、てんかん性発作を抑制し得る。加うるに、式(I)および式(II)で表される化合物は、素人的に、強力な抗てんかん誘発性の化合物[これは、中枢系における病理学変化の初期の発生および成熟(これによって発作および関連現象が起こりそして/または広がる)を防止する能力を有する]であることを見いだした。式(I)および式(II)で表される化合物は、更に、てんかん発生の結果としてもたらされる変化を逆転させる能力も有する。従って、本発明の式(I)および式(II)で表される化合物を本発明の方法で用いると、これは真に抗てんかん発生薬(AEGD)であり、現在認可されている如何なるAED薬物治療とも顕著に異なりかつそれらが持たない特性を有する。
従って、本発明は、てんかん発生を治療、防止、改善、阻止および/または抑制する方法に向けたものである。特定の態様において、本方法は、それを必要としている被験体に式(I)または式(II)で表される化合物を予防的または治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
本分野の技術者は、本明細書に記述する化合物のいずれかをてんかん発生の治療、防止、抑制、改善または阻止の目的で予防的または治療的に投与する前に当該被験体がてんかんまたは類似発作関連障害に苦しんでいるか否かまたはそのような発作または発作関連障害を発症する高い危険性があると見なされるか否かに関して決定を行うことになるであろうことを理解するであろう。
本発明の1つの態様において、治療を必要としている被験体または患者は、てんかんの症状、即ち発作またはけいれんを既に示している被験体であり得るか或は投与時前に類似発作関連障害の症状を示している被験体であってもよい。
本発明の別の態様において、抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要としている被験体または患者は、てんかんまたは類似発作関連障害の症状、即ち発作またはけいれんを投与時前に示していない被験体であってもよい。
本発明の別の態様において、治療を必要としている被験体または患者は、投与時にてんかんまたは類似発作関連障害を発症する危険性があると決定された被験体または患者であり、これを基にして、AEGDによる治療を必要としている患者であると見なされる。
1つの態様において、本発明は、てんかん発生の開始および/または根本的原因に関係なくそれを治療、防止、抑制、阻止および/または改善する方法に向けたものである。
1つの態様において、本発明は、てんかん発生を治療、防止、改善、阻止および/または抑制する方法を提供し、この方法は、てんかんまたはいずれかの種類の発作性疾患または類似発作関連障害を発症していないが神経系に対する損傷または外傷(これらに限定するものでないが、頭の損傷または脳卒中を包含)が起こったか或は将来起こる可能性がある(これらに限定するものでないが、脳外科的処置を計画しているか、或は生化学または遺伝的に既知のある素因が理由か、或はバイオマーカーによる立証によってそのような障害の中の1種以上が見つかったことなどが含まれる)ことが理由で発作または類似発作関連障害を発症する高い危険性のある群に入り得る患者に本明細書に記述する如き式(I)または式(II)で表される化合物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
てんかん発生の治療の点で、本発明の方法は、発作、特にてんかん性発作の発症を未然に防ぎ得る。従って、そのような方法を用いててんかんおよびてんかん性発作を治療および防止することができ、てんかんを発症する危険性を低下させることができ、てんかんの発症(特にイクトジェニック発作の源であるか或はそれに敏感な一群の神経細胞の発生)を阻止することができ、てんかんの発症および成熟(特にてんかん誘発ゾーンおよびてんかん誘発病巣の発生)を抑制することができ、被験体におけるてんかんのひどさを軽減することができかつてんかんにおけるてんかん発生のプロセスを逆転させることができる。
加うるに、本発明の方法に従っててんかん発生を治療、防止、抑制、阻止および/または改善することによって、類似神経学的および/または精神医学的障害(これの病因はある程度または完全に発作様の作用機構が基になっている)の発症または進行が治療、防止、抑制、阻止および/または改善されるであろう。
本明細書で用いる如き用語“てんかん発生(epileptogenesis)”は、神経組織(中枢神経系(CNS)を包含)が繰り返す自然発生的発作を起こし易くなる生化学的、遺伝的、組織学的または他の構造的または機能的プロセスまたは変化を意味する。加うるに、用語“てんかん発生”を、本明細書ではまた、より幅広い意味で、てんかんまたは他の発作性疾患または類似発作関連障害にかかっている患者に観察される臨床的進行の一因になる変化および/またはプロセスも指す目的で用い、それらには、これらに限定するものでないが、そのような障害またはそれの症状の悪化または進行または“薬理学的抵抗(pharmacoresistance)”(当該障害の治療が神経生物学的変化の結果としてより困難になり、その結果として、薬剤感受性が低下するか、或は発作を起こす傾向のない神経組織がてんかん発生を起こすプロセスによって動員がされる)の発生が含まれる。
その上、用語“てんかん発生”を、本明細書では、最も幅広い可能な意味として、明らかにてんかんではない障害の兆候および症状が時間と共に進行的に悪化する同様な現象を指す目的で用い、それには、病因が発作に関連していると思われる精神医学的障害が含まれる。
本明細書で用いる如き用語“てんかん発生の抑制”は、てんかん発生のプロセスを防止し、遅らせ、中止させそして/または逆転させることを指す。
本明細書で用いる如き用語“抗てんかん発生薬または薬物(anti−epileptogenic agent or drug)”および省略形“AEGD”は、この薬剤をてんかん発生の抑制を必要としている被験体に投与した時にそれを抑制し得る薬剤を指す。
本明細書で用いる如き用語“けいれん性疾患”および“発作性疾患”は、被験体がけいれん、例えばてんかん性発作によるけいれんなどに苦しんでいる障害を指す。けいれん性疾患には、これらに限定するものでないが、てんかんおよび非てんかん性けいれん、例えばけいれん薬またはトキシンを被験体に投与することによるけいれんが含まれる。
本明細書で用いる如き用語“類似発作関連障害”または“てんかん関連発作様神経学的現象”は、明白な発作動作をほとんどか或は全く示さない可能性があるがそれでも全体としてか或はある程度発作様または関連神経作用の結果であると考えられかつしばしばAEDで治療可能であることが確認される神経生物学的障害または精神医学的障害を指す。
本明細書で用いる如き用語“被験体”は、治療、観察または実験の対象物である動物、好適には哺乳動物、最も好適にはヒトを指す。本明細書で用いる如き用語“被験体”または“患者”には、また、てんかんまたは類似発作関連障害の症状をまだ示していないが高い危険性のある群に入り得る被験体、好適にはヒトが含まれる。
本明細書で用いる如き用語“AEGDによる治療を必要としている被験体”には、てんかん、発作性疾患または類似てんかん関連発作様神経学的現象または発作関連障害または当該患者の現在の臨床的状態または予後がいずれかの神経学的または精神医学的障害の拡張、進行、悪化または治療に対する抵抗の増大を防止する目的でてんかん発生のプロセスを抑制または阻害することで利益を受けるであろういずれかの障害の病歴を有するか或は現在そのような障害を有する如何なる人も含まれる。
用語“AEGDによる治療を必要としている被験体”には、また、てんかんおよび/または類似発作関連障害にかかっていないが中枢(CNS)または抹消神経系(PNS)の損傷または外傷が理由で発作または発作関連障害を発症する危険性が高い群に入る可能性がある如何なる人も含まれる。CNSまたはPNSに損傷または外傷があるか、てんかんまたは類似発作関連障害に関してある種の既知生化学的もしくは遺伝性素因があるか、或はバイオマーカーまたは代理マーカーによる立証によってそのような障害の中の1種以上が見つかった人または患者は、それらが理由で、そのような発作または発作関連障害を発症する高い危険性があると見なされる。
用語“AEGDによる治療を必要としている被験体”には、また、AEGDによる治療によって利益を受け得る臨床的状態または予後を有する如何なる人も含まれる。それには、これらに限定するものでないが、いずれかの素因が理由でこの上で定義した如きてんかん、発作性疾患または類似発作関連障害またはてんかん関連発作様神経学的現象または発作関連障害を発症する危険性が高いと決定されるべき如何なる人も含まれる。素因には、これらに限定するものでないが、CNSまたはPNSに対するいずれかの種類の損傷または外傷;CNSの感染、例えば髄膜炎または脳炎;酸素欠乏症;脳卒中、即ち脳血管障害(CVA);CNSに影響を与える自己免疫病、例えば狼瘡;分娩外傷、例えば周生期仮死;心停止;治療または診断血管手術、例えば頸動脈血管内膜切除術または脳血管造影;心臓バイパス手術;脊髄外傷;低血圧;CNSの塞栓,過または低かん流によるCNSの損傷;CNSに影響を与える低酸素症;AEGDに反応することが知られている障害に対する既知遺伝性素因;CNSの空間占拠性障害;脳腫瘍、例えばグリア芽腫;CNSの中または回りの出血または大出血、例えば脳内出血または硬膜下血腫;脳浮腫;熱性けいれん;異常高熱;毒または有毒物への接触;薬物中毒、例えばコカイン中毒;発作性疾患または類似発作関連障害の家族歴、てんかん重積病歴;発作閾値を下げる薬物治療、例えば炭酸リチウム,ソラジンまたはクロザピンなどを用いて現在実施されている治療;代理マーカーまたはバイオマーカーによって患者が抗てんかん発生薬による治療を必要とすると言った証拠、例えばMRIスキャンが海馬硬化または他のCNS病を示すと言った証拠、血清中の神経細胞分解生成物濃度が高いと言った証拠などが含まれる。
本明細書で用いる如き用語“てんかん”は、特に明記しない限り、被験体(好適には成人、子供または幼児)が1回以上の発作および/または振戦を経験する障害のいずれかを意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、てんかん(これらに限定するものでないが、局在関連てんかん,全身性てんかん,全身性および局所的発作の両方を伴うてんかんなどを包含)、病気または状態の合併症としての発作(例えば脳障害,フェニルケトン尿症,若年性ゴーシェ病,Lundborg進行性ミオクローヌスてんかん,脳卒中,頭部外傷,ストレス,ホルモン変化,薬物使用または離脱症状,アルコール使用または離脱症状,睡眠不足などに関連した発作)などが含まれる。この用語は発作の種類にも発作の源にも発作の進行にも根本の原因にも病因にも関係なく臨床的障害を指すことを意図する。
用語“抗てんかん薬”および省略形“AED”を用語“抗けいれん薬”と互換的に用い、それらは、本明細書で用いるように、当該薬剤を被験体または患者に投与した時に発作動作またはイクトジェネシスを治療、抑制または防止し得る薬剤を指す。
本明細書で用いる如き用語“AEDによる治療を必要としている被験体”には、てんかんに苦しんでいることが認識されているか或は発作またはけいれんを繰り返して起こすか或は類似発作関連障害の症状をそれらの症状の病因とは関係無しに示す如何なる人も含まれる。
本明細書で用いる如き用語“治療する”または“治療”は、損傷、病変、症状または状態の予防または改善における成功の何らかの兆候をもたらす活動を指し、それには客観的または主観的パラメーターのいずれも含まれ、例えば軽減、一時的回復、症状の縮小、または損傷、病変または状態を患者がより耐え得るようにすること、変性または衰退の速度を遅くすること、変性最終点における衰弱度を低くすることまたは被験体の身体的または精神的幸福さを改善することなどが含まれる。
従って、用語“治療”または“治療する”には、この用語を本明細書で定義しかつ用いるように、てんかん発生の病理学プロセスを改善、防止、逆転、阻止および/または抑制する活動のいずれも含まれ。症状の治療または改善は客観的または主観的パラメーターが基になり得、それには、身体検査、神経学的検査および/または精神医学的評価の結果が含まれる。従って、用語“治療する”または“治療”には、本発明の化合物または薬剤を投与しててんかん発生のプロセスを治療、防止、逆転、阻止または抑制することが含まれる。ある場合には、本発明の化合物を用いた治療によって、てんかんに関連した脳機能障害または脳過剰興奮性の進行を防止、抑制および/または阻止する。
本明細書で用いる如き用語“治療効果”は、被験体におけるてんかん発生、てんかん発生の影響または症状またはてんかん発生の副作用の治療、抑制,軽減,改善および/または防止を指す。
本明細書で用いる如き用語“治療的に有効な量”は、研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求している活性化合物または薬剤が組織系、動物またはヒトに生物学的または医薬的反応(治療すべき病気または障害の症状の軽減を包含)を引き出す量を意味する。従って、用語“治療的に有効な量”または“治療的に有効な用量”を本明細書では互換的に用いるが、これは、本発明の化合物または組成物の中の1種以上がそのようなてんかん発生、てんかん発生の影響または症状またはてんかん発生の副作用の治療、抑制,軽減,改善および/または防止を必要としている被験体または患者にこの上で定義した如き治療効果をもたらすに充分な量または用量を意味する。そのようないろいろな治療効果をもたらすに必要な用量の範囲は当該被験体または患者の特徴および治療すべき状態の正確な性質に応じて変わるであろう。
本発明が式(I)または式(II)で表される1種以上の化合物と1種以上の“適切な薬剤”を投与することを含んで成る共治療または組み合わせ治療(combination therapy)に向けたものである場合の“治療的に有効な量”は、薬剤を一緒に組み合わせた時にその組み合わせ効果によって所望の生物学的もしくは医薬的反応が現れるような量を意味する。例えば、式(I)または式(II)で表される化合物と少なくとも1種の適切な薬剤を投与することを含んで成る共治療の治療的に有効な量は、前記式(I)または式(II)で表される化合物と適切な薬剤を一緒に投与するか或は逐次的に投与した時の組み合わせ効果が治療的に有効であるようなそれらの量であろう。その上、本分野の技術者は、この上の例に示した如き治療的に有効な量を用いた共治療の場合の前記式(I)または式(II)で表される化合物の量および/または適切な薬剤の量は単独で治療的に有効な量であるか或は有効な量でなくてもよいことも認識するであろう。
本明細書で用いる如き用語“共治療”および“組み合わせ治療”は、その治療を必要としている被験体に式(I)または式(II)で表される1種以上の化合物を1種以上の適切な薬剤と組み合わせて投与することで治療を実施することを意味し、この場合、前記式(I)または式(II)で表される化合物と前記適切な薬剤を適切ないずれかの手段で同時、逐次的、個別または単一の製剤として投与する。式(I)または式(II)で表される化合物と適切な薬剤を個別の剤形として投与する場合、各化合物を1日当たりに投与する投与回数は同じまたは異なってもよい。式(I)または式(II)で表される化合物と適切な薬剤を同じまたは異なる投与経路で投与してもよい。適切な投与方法の例には、これらに限定するものでないが、経口、静脈内(iv),筋肉内(im),皮下(sc),経皮および直腸が含まれる。また、化合物を神経系に直接投与することも可能であり、それには、これらに限定するものでないが、脳内、脳室内、大脳室内、鞘内、嚢内、髄腔内および/または脊髄周辺投与経路(ポンプ装置の使用有り無しによる頭蓋内または脊髄内針および/またはカテーテルを用いた送達による)が含まれる。式(I)または式(II)で表される化合物と適切な薬剤を同時または交互療法に従って治療過程中の同じまたは異なる時に分割または単一形態で同時に投与してもよい。
本明細書で用いる如き用語“適切な薬剤(pharmaceutical agent)”は、特に明記しない限り、下記の特性:抗酸化活性;NMDA受容体拮抗活性,内因性GABA阻害の増大;NO合成酵素阻害活性;鉄結合能力、例えば鉄キレーター;カルシウム結合能力、例えばCa(II)キレーター;亜鉛結合能力、例えばZn(II)キレーター;患者のCNSにおけるナトリウムまたはカルシウムイオンチャンネルを有効に遮断するか或はカリウムまたはクロライドイオンチャンネルを有効に開放させる能力の中の1つ以上を有するいずれかの薬剤(公知AEDを包含)を意味することを意図するか或は薬物乱用および依存症の治療で用いるに有用な治療薬(これらに限定するものでないが、メタドン、ジスルフィラム、ブプロピオン、抗精神病薬、抗鬱薬、ベンゾジアゼピン、ブスピロン、ナロキソンまたはナルトレキソンを包含)である。
そのような適切な薬剤は、好適には、NMDA受容体と結合(例えばNMDA受容体のグリシン結合部位と結合)することでNMDA受容体に拮抗作用を及ぼしそして/またはそのような薬剤はグリアのGABA吸収を低下させることでGABA阻害を増大させる。
加うるに、“適切な治療薬”は、そのような化合物がてんかん発生を抑制することが知られていなくても発作動作を抑制することが知られているいずれかの薬剤であってもよい。そのような薬剤には、これらに限定するものでないが、本分野の技術者に公知であるか或は将来見つけ出されるであろう有効なAEDまたは抗けいれん薬のいずれも含まれ、適切な薬剤には、例えばこれらに限定するものでないが、カルバマゼピン(carbamazepine),クロバザム(clobazam),クロナゼパム(clonazepam),エトスキシミド(ethosuximide),フェルバメート(felbamate),ガバペンチン(gabapentin),ラモチギン(lamotigine),レベチラセタム(levetiracetam),オキソカルバゼピン(oxcarbazepine),フェノバルビタール(phenobarbital),フェニトイン(phenytoin),プレガバリン(pregabalin),プリミドン(primidone),レチガビン(retigabine),タラムパネル(talampanel),チアガビン(tiagabine),トピラメート(topiramate),バルプロエート(valproate),ビガバトリン(vigabatrin),ゾニサミド(zonisamide),ベンゾジアゼピン(benzodiazepines),バルビツレート(barbiturates)または催眠鎮静薬が含まれる。
用語“てんかん”は、発作が周期的に予測不能に起こることで特徴づけられる脳機能障害を指す(The Treatment of Epilepsy,Principles & Practice,第3版,Elaine Wyllie,M.D.編集者,Lippincott Williams & Wilkins,2001;Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,第9版,1996を参照)(両方とも引用することによって本明細書に組み入れられる)。明らかな誘発無しに起こる発作はてんかんとして分類分けされる。てんかんは突発性であり得るか或は生涯のいずれかの段階における中枢神経に対するある種の損傷、奇形または障害に関係し得る。被験体は典型的に24時間以上離れて起こる2回以上の発作を経験することでてんかんに苦しむと考えられる。
てんかん性発作は臨床的に脳または神経系の中の他のいずれかの場所に存在する一群の相互連結神経細胞を源とする突然の異常な放電の結果として起こる。関係するてんかんの種類に応じて、その結果として起こる神経細胞の活動は幅広く多様な臨床的症状、例えば制御不能な運動動作、患者の意識度合の変化などで明らかになり得る。てんかんおよびてんかん性発作および症状はいろいろな方法で分類分けされ得る(The Treatment of Epilepsy,Principles & Practice,第3版,Elaine Wyllie,M.D.編集者,Lippincott Williams & Wilkins,2001を参照)。しかしながら、本明細書で用いる如き用語“てんかん”,“てんかん性発作”および“てんかん症候群”に公知のあらゆる種類のてんかん性発作および症状を包含させることを意味し、それには、全身性の強直−慢性けいれんに進展する部分発作(単純、複雑および部分発作を包含)および全身性発作(けいれん性および非けいれん性の両方)および分類されていないてんかん性発作が含まれる。
“てんかん誘発(epileptogenic)プロセス”の“てんかん発生”は一般に2段階で構成される。本発明の方法に本明細書に記述する化合物のいずれかを第一および第二てんかん発生段階または先行段階で予防的および/または治療的に投与することでそれを必要としている被験体におけるその後のてんかんまたは他の類似発作関連障害の発症を治療、抑制、防止、阻止または改善することを包含させることを意図する。
第一てんかん発生段階は初期の障害または損傷段階であるとして認識する。初期の障害または損傷は、一般に、複数の起こり得る要因の中の1種以上によって引き起こされる脳障害損傷であり、それには例えば外傷による脳損傷(閉塞性および貫通性頭部外傷または脳外科的処置を包含);CNS感染、例えば細菌性髄膜炎,ウイルス性脳炎,細菌性脳膿瘍または神経嚢尾虫症;脳血管病[例えば脳卒中または脳腫瘍(例えば悪性グリオーマを包含)];神経外科手術(例えば開頭術)およびてんかん重積症などが含まれる。ある場合には、そのような初期損傷は、出産前の発育問題(例えば、これらに限定するものでないが、出生時仮死、出産中の頭蓋内外傷、代謝障害または脳の先天性奇形)の結果として起こるか或は遺伝的決定基の結果として起こるであろう。
第二てんかん発生段階は“潜伏期”であると認識する。この第二てんかん発生段階はニューロン再構成プロセスを包含し、これは繰り返して起こる発作(例えば症候性てんかん)または類似発作関連障害に示した症状によって特徴づけられる。このてんかん発生プロセスは、また、実際にてんかんまたは類似発作関連障害に苦しんでいる人にも観察される。てんかんに苦しんでいる人が経験する発作は、それ自身、後で起こる発作がより起こり易くなる傾向があるか或は発作動作を受ける神経組織領域が広がるか或は発作性疾患が治療に対して示す抵抗がより大きくなる点でてんかん誘発的である。このプロセスの結果は、発作性疾患を有する患者の場合、発作がより高い頻度およびより高いひどさで起こる傾向がありかつしばしば通常のAEDを用いた治療に対する抵抗がより高くなることにある。同様な様式で、てんかんに類似した神経学的または精神医学的障害における関連発作様反応も経時的にひどさが益々大きくなるか或は当該障害が成熟するにつれて治療に対して抵抗を示すようになり得る。
第一段階のてんかん発生は、この上に示した要因以外の要因、例えばてんかんを発生させる可能性のある化合物、例えば向精神薬、例えば,三環式抗鬱薬,クロザピンおよびリチウムなどを摂取することなどで始まる可能性がある。本発明の方法は、また、ある被験体がてんかん発生を起こすようになる可能性を増大させる傾向のある要因によって始まったてんかん発生の発症を治療、防止、阻止、抑制および/または改善することも意図する。
本明細書に記述する如き式(I)および式(II)で表される化合物は、てんかんおよび類似発作関連障害の治療で用いるに有用である。加うるに、本明細書に記述する式(I)および式(II)で表される化合物は、結果としててんかんおよび関連発作性疾患の治療に対する抵抗を悪化させるか、臨床的に進行させるか或は増大させるてんかん発生プロセスまたは中枢系に対するある形態の損傷または外傷の結果として起こるそのような障害および症状のデノボ(de−novo)開始の抑制、制御および防止で用いるに有用である。
従って、1つの態様において、本発明は、臨床医がてんかんの症状,他の発作性疾患および/または類似発作関連障害の症状を治療することを可能にすると同時に根本の病気プロセスの治療抵抗を悪化、進行、拡張または増大させる一因であるてんかん発生プロセスを抑制することを可能にする方法に向けたものである。この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する如き式(I)および/または式(II)で表される化合物を抗てんかん発生に有効である量もしくは用量(前記被験体に前記発作または前記障害の他の症状の治療および防止を同時に実施することに加えて前記被験体におけるてんかん発生のプロセスを阻止、抑制および逆転させ得る量もしくは用量)で予防的または治療的に投与することを含んで成る。
特定の態様において、治療を必要としている被験体または患者(とりわけAEGDによる治療を必要としている被験体または患者)は、てんかんの症状、即ち発作またはけいれんを既に示している被験体または類似発作関連障害の症状(例えば気分周期,衝動的行動,中毒挙動など)を投与前または投与時に示している被験体または患者であり得る。従って、1つの面において、本発明は、発作および発作関連障害の症状の治療および防止を必要としている被験体におけるそれを治療および防止する改良方法を提供する。この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する如き式(I)および/または式(II)で表される化合物を治療的に有効な量(発作,けいれんまたは発作関連障害を治療およびそれらの発生を防止する量)で予防的または治療的に投与する段階を包含する。
他の特定態様において、治療を必要としている被験体または患者(とりわけAEGDによる治療を必要としている被験体または患者)は、てんかんの症状、即ち発作またはけいれんまたは類似発作関連障害の症状を投与時前に示していない被験体であり得る。この態様における被験体または患者は、てんかんまたは類似発作関連障害を投与時に発症する危険性があると決定され、これを基にして、AEGDによる治療を必要としている患者であると見なされるであろう。この面において、本発明は、てんかん発生を阻止、抑制および/または改善する方法を提供する。この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する化合物のいずれかを予防的または治療的に有効な量(前記被験体にてんかん発生を治療、防止、阻止、抑制および逆転させる量)で予防的または治療的に投与する段階を包含する。
神経系に対するある形態の損傷または障害を持続して有するか或は他の様式で危険性のある被験体におけるてんかん発生のプロセスを抑制することによって、発作性疾患または関連障害の発症を防止することができる。従って、本発明は、てんかん発生の治療、防止、阻止、抑制および/または改善を必要としている被験体にそれを実施する方法を提供し、この方法は、前記被験体に式(I)および/または式(II)で表される少なくとも1種の化合物を含有して成る組成物を予防的または治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
本発明の1つの態様における方法を有利に用いて、現在公知の抗けいれん薬または抗てんかん(AED)薬物治療によって有効に治療されることが本技術分野で知られている状態に苦しんでいることが認識されるか或は苦しんでいない患者を治療する。そのような状態には、これらに限定するものでないが、類似発作関連障害1種または2種以上が含まれる。このようなケースでは、当該患者が“抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要としている患者”(この用語はこの上で定義した如くである)であるか否かを決定することを基にして本発明の方法および化合物を用いる決定を行うことになるであろう。
別の態様において、本発明は、てんかんまたは他の発作性疾患および/または発作関連障害における類似症状を有する患者における発作を治療および/または防止すると同時にてんかん発生プロセスを抑制することで根本の病気プロセスの拡張または悪化または発作を起こす傾向のない神経組織のてんかん発生プロセスによる動員を防止するに有用な方法を提供する。
本発明の方法は、てんかんまたは発作関連障害または類似発作関連障害1種または2種以上を発症する危険性があるがてんかんも発作の臨床的証拠も示していない被験体におけるてんかん発生を治療する方向に向けたものである。てんかんまたは類似発作関連障害1種または2種以上を発症する危険性があるがてんかんも他の発作性疾患も類似発作関連障害1種または2種以上も示していない被験体は、てんかんも類似発作関連障害1種または2種以上も示さないと診断されてはいるがてんかんまたは類似発作関連障害1種または2種以上を発症する危険性が一般的集団より高い被験体であり得る。この“危険性がより高い”は、被験体の全ての要因または家族の病歴を確認するか或は身体検査または試験がてんかんまたは類似発作関連障害1種または2種以上を発症する危険性が平均的危険性よりも高いことを示すことで決定され得る。従って、ある患者が利用可能ないずれかの手段によって“危険性がより高い”可能性があると言ったそのような決定を用いて、その患者を本発明の方法で治療すべきか否かを決定することができる。
危険性がより高い患者には、これらに限定するものでないが、中枢神経系に対する障害にも損傷にも苦しんではいないが医学的状態または環境が理由でそのような障害または損傷を受ける可能性が高い患者が含まれる。それには、これらに限定するものでないが、一過性脳虚血発作(TIA)または既知頸動脈狭窄または簡単に認識される重大な動脈硬化の病歴を持つ患者ばかりでなく脳外科的処置を受けようとしている患者が含まれるであろう。加うるに、戦争またはスポーツによる損傷が理由で神経学的障害に苦しむ可能性のある人に本発明の化合物を予防的に投与することも可能であり、それには、戦闘中の兵士または激しいコンタクトスポーツ、例えばボクシングにおけるスポーツ選手などが含まれるであろう。
本発明の方法による治療で利益を受け得る被験体は、てんかん発生,てんかんまたは他の発作性疾患または類似発作関連障害に関連した危険因子を決定する受け入れられる選別方法を用いて識別可能である。ある被験体がてんかん,他の発作性疾患または類似発作関連障害を発症しているか或は発症する危険性があるかの決定には、また、例えば医薬的評価も含まれるであろうが、それには詳細病歴、身体検査および一連の関連血液検査が含まれる。それにはまた脳波図(EEG),コンピューター断層撮影法(CT),磁気共鳴映像法(MRI)または陽電子放出断層撮影法(PET)も含まれ得る。てんかんまたは類似発作関連障害を発症する危険性が高いと言った決定をまた遺伝子検査手段で実施することも可能であり、それには遺伝子発現プロファイルまたはプロテオミクス技術が含まれる(Schmidt,D.Rogawski,M.A.Epilepsy Research 50;71−78(2002),およびLoscher,W,Schmidt D.Epilepsy Research 50;3−16(2002)を参照)。
そのような選別方法には、例えばてんかん発生に関連し得る危険因子を決定する通常の医学的精密検査などが含まれ、そのような危険因子には、これらに限定するものでないが、例えば頭部外傷(閉鎖性または貫通性),脳外科的処置,CNS感染(細菌またはウイルス),三叉神経痛,脳血管病(これらに限定するものでないが脳卒中またはTIAの病歴,脳腫瘍,脳浮腫,嚢尾虫症,ポルフィリン症,代謝性脳障害を包含)、薬物離脱症状(これらに限定するものでないが、鎮静−睡眠薬またはアルコール離脱症状を包含),異常な周産期病歴(出産時の酸素欠乏症または全ての種類の出産損傷を包含)、脳性麻痺,学習障害,多動性,熱性けいれんの病歴,てんかん重積病歴,てんかんまたはいずれかの発作関連障害の家族歴,脳または血管の炎症性疾患(狼瘡を包含),薬物中毒(直接または胎盤通過)(これらに限定するものでないがコカインおよびメタンフェタミン毒を包含)、親の血族および発作閾値を下げる薬物による治療(向精神薬、例えば抗鬱薬または抗精神病薬などを包含)が含まれる。
てんかんまたは他の発作性疾患または類似発作関連障害の臨床的兆候も症状も示さない患者におけるAEGDによる治療によって利益を受け得る患者がどの患者であるかの決定をいろいろな“代理マーカー(surrogate markers)”または“バイオマーカー”を基にして実施することも可能である。そのようなバイオマーカーには、これらに限定するものでないが、組織、血液またはCSFにおける遺伝子または蛋白質発現プロファイルまたは遺伝子マーカー、例えばSNPなどの存在が含まれる。
本明細書で用いる如き用語“代理マーカー”および“バイオマーカー”を互換的に用い、これらは、てんかんまたは発作性疾患または類似発作関連障害の現在の発症または将来の発症と信頼できる様式で相互に関係し得る解剖学的,生化学的,構造的,電気的,遺伝的または化学的指標またはマーカーのいずれかを指す。ある場合には、脳映像技術、例えばコンピューター断層撮影法(CT),磁気共鳴映像法(MRI)または陽電子放出断層撮影法(PET)または他の神経学的映像技術などを用いてある被験体が前記障害の中の1つを発症する危険性があるか否かを決定することができる。
本発明の方法で用いるに適したバイオマーカーの例には、これらに限定するものでないが、MRI,CTまたは他の映像技術を用いて海馬の硬化、萎縮または体積損失または一時的近心硬化(MTS)または同様な関連解剖学的病変の存在を決定すること;患者の血液、血清または組織内の分子種、例えば蛋白質または他の生化学的バイオマーカーを検出、例えば毛様体神経栄養因子(CNTF)の濃度が高いことまたは血清中の神経細胞分解生成物の濃度が高いことなどを検出すること;または代理マーカーまたはバイオマーカーを用いて当該患者が抗てんかん発生薬による治療を必要としていると言った他の証拠、例えばEEGが発作性疾患または類似発作関連障害1種または2種以上、てんかん関連発作様神経学的現象または発作関連障害を示唆すると言った証拠などが含まれる。
幅広く多様な検出技術を利用したそのようないろいろなバイオマーカーが将来より多く開発されるであろうと予測する。発作性疾患,てんかんまたは類似発作関連障害(この後者の用語は本明細書で用いる如くである)が存在するか或は将来発症する可能性があることを示すそのようなマーカーまたは指標のいずれも本発明の組成物および方法を用いた治療が必要か否かを決定する目的で本発明の方法で使用可能であることを意図する。
本発明の1つの態様における治療は、この上で定義した如きてんかんまたはてんかん関連発作様神経学的現象または類似発作関連障害を有する患者に向けたものであり、本発明の化合物がてんかん発生を改善する能力を有することを利用して、この上で定義した如き患者のてんかんまたはてんかん関連発作様神経学的現象または類似発作関連障害が臨床的に現れるのを制御するに必要な維持薬物治療の投薬量または治療の強さを徐々に軽減することができるであろう。
従って、本発明の方法を用いた治療は根本の障害に改善をもたらすことから、その患者は維持薬物治療を止めることが可能になり、それには、これらに限定するものでないが、本発明の化合物自身を単独の治療薬として用いる場合のそれが含まれる。従って、通常のAEDを用いた維持治療を受けているてんかん患者は、本発明の化合物の中の1種以上を用いた治療で根本のてんかん障害が改善された後に前記AEDによる治療を止めることができるであろう。
本分野の技術者は、臨床的兆候および症状を基にして前記使用量減少をどれぐらいの速さで実施するかを決定することができるであろうが、それには、EEG,突出発作または根本的障害の他の適切なバイオマーカーが含まれる。
本発明はてんかん発生を治療,防止,抑制、阻止および/または阻害する方法に向けたものであり、この方法は、それを必要として被験体、とりわけAEGDによる治療を必要としている被験体に本明細書に記述する如き式(I)および/または式(II)で表される化合物を治療的および/または予防的に有効な量で投与することを含んで成る。
本発明の1つの態様では、Rを水素およびメチルから成る群から選択する。本発明の別の態様では、Rを水素およびメチルから成る群から選択する。本発明の更に別の態様では、RおよびRの各々が水素であるか或はRおよびRの各々がメチルである。
本発明の1つの態様では、−(CH−を-CH−および-CH−CH−から成る群から選択する。本発明の別の態様における−(CH−は-CH−である。
本発明の1つの態様では、Rを水素およびメチルから成る群から選択し、好適には、Rは水素である。
本発明の1つの態様におけるaは1である。
本発明の1つの態様におけるbは0から2の整数である。本発明の別の態様におけるcは0から2の整数である。本発明の別の態様におけるbは0から1の整数である。本発明の別の態様におけるcは0から1の整数である。本発明の更に別の態様では、bとcの合計が0から2の整数,好適には0から1の整数である。本発明の更に別の態におけるbは0から2の整数でありそしてcは0である。
本発明の1つの態様では、
Figure 2009520037
から成る群から選択する。本発明の別の態様では、
Figure 2009520037
から成る群から選択する。
本発明の1つの態様では、
Figure 2009520037
を2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),3−(3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキセピニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(クロマニル),2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(2,3−ジヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]ジオキシニル)および2−(4−メチル−ベンゾ[1,3]ジオキソリル)から成る群から選択する。
本発明の別の態様では、
Figure 2009520037
を2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択する。本発明の別の態様では、
Figure 2009520037
を2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択する。
本発明の1つの態様では、Rをハロゲンおよび低級アルキルから成る群から選択する。本発明の別の態様では、Rをクロロ,フルオロ,ブロモおよびメチルから選択する。
本発明の1つの態様では、前記式(I)で表される化合物の立体中心の配置はS配置である。本発明の別の態様では、前記式(I)で表される化合物の立体中心の配置はR配置である。
本発明の1つの態様における前記式(I)で表される化合物は、ある鏡像異性体が豊富に存在する混合物として存在し、ここで、鏡像異性体豊富度%(% ee)は約75%より上,好適には約90%より上,より好適には約95%より上,最も好適には約98%より上である。
本発明の追加的態様は、本明細書で定義する変項の中の1つ以上に関して選択した置換基(即ちR,R,R,R,X−YおよびA)が独立して本明細書で定義する如き完全なリストから選択した個々の置換基のいずれかまたは置換基サブセットのいずれかであるように選択した態様を包含する。
本発明の代表的化合物は以下の表1に示す如くである。本発明の追加的化合物は表3に示す如くである。以下の表1および2中の見出しが“立体”の縦列に、星付き結合の所に結合している複素環の炭素原子の所の立体配置を示す。表示無しに示す場合の化合物は立体配置混合物として生じた化合物である。“R”または“S”の表示を付けて示す場合の立体配置は、その鏡像異性体が豊富に存在する出発材料を基にした配置である。
Figure 2009520037
Figure 2009520037
Figure 2009520037
本明細書で用いる如き「ハロゲン」は、特に明記しない限り、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を意味する。
本明細書で用いる如き用語「アルキル」は、特に明記しない限り、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘らず、直鎖および分枝鎖を包含する。例えば、アルキル基にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどが含まれる。”低級”をアルキルに関して用いる場合、特に明記しない限り、炭素原子数が1−4の炭素鎖組成物を意味する。
本明細書で用いる如き「アルコキシ」は、特に明記しない限り、上述した直鎖もしくは分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を表す。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。
本明細書で用いる如き記号「*」は立体中心の存在を表す。
個々の基(例えばアルキル、アリールなど)が「置換されている」場合、そのような基は置換基のリストから独立して選択される置換基を1つ以上、好適には置換基を1から5個、より好適には置換基を1から3個、最も好適には置換基を1から2個持っていてもよい。
置換基の言及に関して、用語「独立して」は、そのような置換基が2個以上可能な場合にそのような置換基が互いに同じまたは異なってもよいことを意味する。
本開示の全体に渡って用いる標準的命名法の下では、表示する側鎖の末端部分を最初に記述し、その後、それに隣接する官能性を結合点に向かって記述する。従って、例えば「フェニル−アルキル−アミノ−カルボニル−アルキル−」置換基は、式
Figure 2009520037
で表される基を指す。
本明細書、特に本スキームおよび実施例で用いる省略形は下記の如くである:
DCC = ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE = ジクロロエタン
DCM = ジクロロメタン
DIPEAまたはDIEA = ジイソプロピルエチルアミン
DMF = N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキサイド
EDC = エチルカルボジイミド
EtNまたはTEA = トリエチルアミン
EtO = ジエチルエーテル
EAまたはEtOAc = 酢酸エチル
EtOH = エタノール
IPA = 2−プロパノール
Hept = ヘプタン
HOBT = 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC = 高圧液クロ
LAH = 水素化リチウムアルミニウム
MまたはMeOH = メタノール
NMR = 核磁気共鳴
Pd−C = 炭素に担持されているパラジウム触媒
RP HPLC = 逆相高圧液クロ
RTまたはrt = 室温
TEA = トリエチルアミン
TFA = トリフルオロ酢酸
THF = テトラヒドロフラン
TLC = 薄層クロマトグラフィー
本発明に従う化合物がキラル中心を少なくとも1つ有する場合、それらはそれに応じて鏡像異性体として存在し得る。本化合物がキラル中心を2つ以上有する場合、それらは追加的にジアステレオマーとしても存在し得る。そのような異性体およびこれらの混合物の全部を本発明の範囲内に包含させると理解されるべきである。その上、本化合物が示す結晶形態のいくつかは多形として存在する可能性があり、このように、それらも本発明に包含させることを意図する。加うるに、本化合物の数種は水と一緒に溶媒和物(即ち水化物)または一般的有機溶媒と一緒に溶媒和物を形成する可能性があり、そのような溶媒和物もまた本発明の範囲内に包含させることを意図する。
本発明の化合物の塩を医薬(medicine)で用いる場合、これは無毒の「製薬学的に受け入れられる塩」を指す。しかしながら、本発明に従う化合物またはこれらの製薬学的に受け入れられる塩を調製する時に他の塩を用いることも有用である。本化合物の適切な製薬学的に受け入れられる塩には酸付加塩が含まれ、これらは、例えば本化合物の溶液を製薬学的に受け入れられる酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、こはく酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸または燐酸などの溶液と一緒に混合することで調製可能である。更に、本発明の化合物が酸性部分を持つ場合、これらの適切な製薬学的に受け入れられる塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩など、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩など、そして適切な有機配位子と一緒にした時に生じる塩、例えば第四級アンモニウム塩などが含まれ得る。このように、代表的な製薬学的に受け入れられる塩には下記が含まれる:
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、燐酸塩/二燐酸塩、ポリガラクツロネート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、こはく酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)および吉草酸塩。
製薬学的に受け入れられる塩を調製する時に使用可能な代表的酸および塩基には下記が含まれる:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、(+)−(1S)−樟脳−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、しゅう酸、パルミチン酸、パモ酸、燐酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、こはく酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシレン酸を包含する酸、および
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛を包含する塩基。
式(I)で表される化合物の調製はスキーム1に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 2009520037
従って、適切に置換されている式(X)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)とスルファミド(公知化合物)の反応を好適には前記スルファミドを約2から約5当量の範囲内の量で存在させて有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中で好適には約50°Cから約100°Cの範囲内の高められた温度、より好適にはほぼ還流温度で起こさせることで相当する式(Ia)で表される化合物を生じさせる。
別法として、適切に置換されている式(X)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)と適切に置換されている式(XI)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下の有機溶媒、例えばDMF,DMSOなど中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
Figure 2009520037
である式(X)で表される化合物の調製はスキーム2に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 2009520037
従って、適切に置換されている式(XII)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)(例えばこの上のスキーム3に記述したようにして)とNHOH(公知化合物)を場合により有機溶媒、例えばアセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせる。
式(XIII)で表される化合物と適切に選択した還元剤、例えばLAHなどを有機溶媒、例えばTHF,ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(Xa)で表される化合物を生じさせる。
Figure 2009520037
から選択される式(X)で表される化合物の調製はスキーム3に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 2009520037
従って、適切に置換されている式(XIV)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)とNHOHを連成剤、例えばDCCなどの存在下で場合により有機溶媒、例えばアセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせる。
前記式(XV)で表される化合物と適切に選択した還元剤、例えばLAHなどを有機溶媒、例えばTHF,ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(Xb)で表される化合物を生じさせる。
Figure 2009520037
から選択されそしてaが2である式(X)で表される化合物の調製はスキーム4に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 2009520037
従って、Jが適切な脱離基、例えばBr,Cl,I,トシル,メシル,トリフリルなどである適切に置換されている式(XVI)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)(例えば,JがOHである相当する化合物に活性化を受けさせることなどで)とシアン化物、例えばシアン化カリウム,シアン化ナトリウムなどを有機溶媒、例えばDMSO,DMF,THFなど中で反応させることで相当する式(XVII)で表される化合物を生じさせる。
前記式(XVII)で表される化合物に還元を公知方法に従って例えばそれを適切な還元剤、例えばLAH,ボランなどと反応させることなどで受けさせることで相当する式(Xc)で表される化合物を生じさせる。
Figure 2009520037
から選択されそしてaが1である式(X)で表される化合物の調製はスキーム5に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 2009520037
従って、適切に置換されている式(XVIII)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)に活性化を公知方法に従って受けさせることでJが適切な脱離基,例えばトシレート,Cl,Br,I,メシレート,トリフレートなどである相当する式(XIX)で表される化合物を生じさせる。
前記式(XIX)で表される化合物とフタルイミド塩、例えばカリウムフタルイミド,ナトリウムフタルイミドなどを有機溶媒、例えばDMF,DMSO,アセトニトリルなど中で好適には50°Cから約200°Cの範囲内の高められた温度、より好適にはほぼ還流温度で反応させることで相当する式(XX)で表される化合物を生じさせる。
前記式(XX)で表される化合物とN(公知化合物)を有機溶媒、例えばエタノール,メタノールなど中で好適には約50°Cから約100°Cの範囲内の高められた温度,より好適にはほぼ還流温度などで反応させることで相当する式(Xd)で表される化合物を生じさせる。
本分野の技術者は、
Figure 2009520037
から選択される式(X)で表される化合物の調製を公知方法に従って同様に実施することができるか或は例えば前記スキーム2から5に概略を示す方法に従うが相当するナフチル縮合化合物をベンゾ縮合出発材料の代わりに選択して用いることで実施することも可能であることを理解するであろう。
本分野の技術者は、更に、式(X)で表される化合物の単一の鏡像異性体(または一方の鏡像異性体が豊富に存在する鏡像異性体混合物)が必要な場合に相当する単一の鏡像異性体(または一方の鏡像異性体が豊富に存在する鏡像異性体混合物)を妥当な出発材料の代わりに用いて前記スキーム1から5に記述した如き方法を適用することができることも理解するであろう。
本分野の技術者は、本発明の反応段階をいろいろな溶媒もしくは溶媒系中で実施してもよいがまた前記反応段階を適切な溶媒もしくは溶媒系の混合物中で実施することも可能であることを理解するであろう。
本発明に従う化合物を生じさせる過程で立体異性体の混合物がもたらされる場合には、通常の技術、例えば分取クロマトグラフィーなどを用いてそのような異性体を分離することができる。このような化合物はラセミ形態で調製可能であるか、或は鏡像特異的合成または分割のいずれかを用いて個々の鏡像異性体を生じさせることも可能である。標準的技術、例えば光活性酸、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/または(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などを用いて塩を生じさせジアステレオマー対を生じさせた後に分別結晶化を行いそして遊離塩基を再生させることなどで、そのような化合物を例えばそれらの成分である鏡像異性体に分割することも可能である。また、ジアステレオマーであるエステルまたはアミドを生じさせた後にクロマトグラフィーによる分離を行いそしてキラル補助剤を除去することで、そのような化合物の分割を行うことも可能である。別法として、キラルHPLCカラムを用いてそのような化合物の分割を行うことも可能である。
本発明の化合物を調製する過程のいずれかを実施する時、関係する分子のいずれかが有する敏感もしくは反応性基を保護する必要がありそして/またはその方が望ましい可能性がある。これは通常の保護基、例えばProtective Groups in Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenum Press,1973およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991などに記述されている如きそれらを用いて達成可能である。そのような保護基は本技術分野で公知の方法を用いて後の便利な段階で除去可能である。
本発明は、てんかん発生の根本の原因および発生段階に関係なくそれを治療する方法を提供し、この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する如き式(I)または式(II)で表される化合物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。従って、本発明の方法は、発作、けいれんまたは類似発作関連障害の症状を抑制することを可能にすると同時にてんかん発生プロセスを防止することで根本の病気の進行または悪化を防止するか或は発作を起こす傾向のない神経組織のてんかん発生プロセスによる動員を防止することを可能にするものである。この目的を達成するには、本発明の化合物または組成物を以下に記述する如き正確な治療的に有効な量もしくは用量で用いるべきである。
投与すべき最適な投薬量および計画を本分野の技術者は容易に決定することができ、それは使用する個々の化合物、投与様式、製剤の濃度、投与様式および病気状態の進行に伴って変わるであろう。加うるに、治療すべき個々の患者に関連した要因の結果として投薬量を調整する必要もあり、そのような要因には患者の年齢、体重、食事および投与時間が含まれる。
本発明の1つの態様では、式(I)および/または式(II)で表される化合物を用いた治療療法を被験体または患者に開始する時期は、てんかんの診断が正当であるほどの発作を示した後であってもよい。この態様では、本発明の化合物を発作性疾患またはてんかんであると認識される患者における発作を抑制する目的でAEDと同時に用いてもよい。しかしながら、これに関連して、本発明の方法に従い、それに加えて抗てんかん発生効果(AEGD効果)をもたらしかつ発作運動を起こす神経組織の伸長および拡張を防止することで結果として病気の悪化を防止する目的で本化合物を適切な範囲の投薬量で用いる。
別の態様では、本発明の化合物を用いた治療療法を開始する時期は、例えば被験体が脳に障害を与える損傷または他の最初の障害に苦しんではいるが前記被験体がてんかんを起こすと診断される前、例えば前記被験体が1回目または2回目の発作を起こす前などであってもよい。1つの態様における被験体は、てんかんを誘発する可能性のある化合物、例えば向精神薬などを用いた治療を受けている被験体、またはてんかんを発症させる危険性を伴う病気、例えば自閉症などにかかっている被験体であり、そのような被験体に本明細書に記述する如き式(I)または式(II)で表される化合物を用いた治療療法を開始してもよい。
別の態様において、本発明の化合物を用いた治療療法を開始する時期は、神経系に対するいずれかの障害または損傷が起こる前ではあるがそのような障害または損傷が起こると予測されるか或は起こる可能性のある時であってもよい。例えば、そのような治療療法を開始する時期は、被験体が脳外科的処置を受けるか或は他の形態の頭部もしくは脳外傷を受ける可能性がある、例えば戦闘、激しいスポーツまたはレース、繰り返して起こす発作、TIAなどの可能性がある前であってもよい。
別の態様では、本明細書に記述する如き化合物を脳に障害を与える損傷または最初の障害が起こった後に一定期間(週、月、年)に渡って毎日投与してもよい。主治医は本明細書に記述する如き式(I)または式(II)で表される化合物が治療的に有効な濃度に到達したことを決定、例えば患者を臨床的に検査するか或は血液または脳脊髄液中の薬剤濃度を測定することなどで決定する方法を認識しているであろう。本分野の技術者は、身体検査で副作用、例えばろれつが回らない状態、倦怠感または協調運動障害などの存在およびひどさを決定することで最大許容投薬量を決定することができるであろう。
本発明は、更に、式(I)および/または式(II)で表される1種以上の化合物を製薬学的に受け入れられる担体と一緒に含有する製薬学的組成物も包含する。本明細書に記述する本発明の1種以上の化合物を有効成分(active ingredient)として含有する製薬学的組成物の調製は、本化合物1種または2種以上を通常の薬剤配合技術(pharmaceutical compounding techniques)に従って製薬学的担体と一緒に密に混合することで実施可能である。そのような担体は所望の投与経路(例えば経口、非経口)に応じて幅広く多様な形態を取り得る。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などの場合の適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセルおよび錠剤などの場合に適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、顆粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。固体状の経口用製剤にまた糖などの如き物質による被覆または腸溶性被膜による被覆を受けさせることで主要な吸収部位を調節することも可能である。非経口投与の場合の担体を一般に無菌水で構成させるが、溶解性または防腐性を向上させる他の材料を添加することも可能である。また、注射可能な懸濁液または溶液を調製することも可能であり、この場合には水性担体を適切な添加剤と一緒に用いてもよい。
本発明の製薬学的組成物を調製する時、本発明の1種以上の化合物を有効成分として製薬学的担体と通常の薬剤配合技術に従って密に混合するが、そのような担体は投与で望まれる製剤の形態、例えば経口または非経口、例えば筋肉内投与などに応じて幅広く多様な形態を取り得る。本組成物を経口剤形で調製する時、通常の製薬学的媒体のいずれも使用可能である。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などの場合の適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセル、カプレット、ゲルカップおよび錠剤などの場合に適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、顆粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。投与が容易なことが理由で錠剤およびカプセルが最も有利な経口単位剤形に相当し、この場合には明らかに固体状の製薬学的担体を用いる。望まれるならば、錠剤に糖による被覆または腸溶性被膜による被覆を標準的な技術で受けさせてもよい。非経口投与の場合の担体は一般に無菌水を含んで成るが、他の材料、例えば溶解性を補助するか或は防腐の目的などで他の材料を含有させることも可能である。また、注射可能懸濁液を調製することも可能であり、この場合には適切な液状担体、懸濁剤などを用いてもよい。本明細書に示す製薬学的組成物では、投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、茶サジ1杯など当たりの有効成分含有量を、それをこの上に記述した如き有効量で送達するに必要な量にする。本明細書に示す製薬学的組成物では、単位投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、座薬、茶サジ1杯など当たりの含有量を約0.1−1000mgにして、それを約0.01−200.0mg/kg/日、好適には約0.1から100mg/kg/日、より好適には約0.5−50mg/kg/日、より好適には約1.0−25.0mg/kg/日またはそれらのいずれかの範囲の投薬量で投与してもよい。しかしながら、このような投薬量は当該患者の要求、治療すべき病気のひどさおよび用いる化合物に応じて変わり得る。毎日の投与またはポストペリオディックドーシング(post−periodic dosing)のいずれの使用も利用可能である。
本組成物を好適には単位剤形にし、例えば経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与または吸入もしくは吹送による投与に適した錠剤、ピル、カプセル、粉末、顆粒、無菌の非経口用溶液もしくは懸濁液、定量エーロゾルもしくは液体スプレー、滴、アンプル、自動注入デバイスまたは座薬などの形態にする。別法として、本組成物を週に1回または月に1回投与するに適した形態で提供することも可能であり、例えば本活性化合物の不溶塩、例えばデカン酸塩などは筋肉内注射用持続性薬剤製剤を生じさせるに適合し得る。固体状組成物、例えば錠剤などを調製する場合、本主要有効成分を製薬学的担体、例えば通常の錠剤用材料、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、燐酸ジカルシウムまたはゴムなどおよび他の製薬学的希釈剤、例えば水などと混合して本発明の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩の均一な混合物を含有する固体状の予備調合組成物を生じさせる。このような予備調合組成物が均一であると述べる場合、これは、この組成物を等しく有効な剤形、例えば錠剤、ピルおよびカプセルなどに容易に細分可能なように有効成分が組成物全体に渡ってむらなく分散していることを意味する。次に、このような固体状の予備調合組成物を細分して本発明の有効成分を0.1から約1000mg含有する前記種類の単位剤形にする。作用が長期に渡ると言った利点を与える剤形が得られるように本新規組成物の錠剤またはピルに被覆を受けさせてもよいか或は他の様式で配合してもよい。例えば、そのような錠剤またはピルに内部の投薬成分と外側の投薬成分を含めて、その後者が前者の上を覆う形態にしてもよい。この2成分を腸溶性層[これは胃の中で起こる崩壊に抵抗して前記内部成分が無傷のまま十二指腸の中に運ばれるようにするか或は放出が遅れるようにする働きをする]で分離しておいてもよい。そのような腸溶性層または被膜ではいろいろな材料が使用可能であり、そのような材料には数多くの高分子量酸に加えてシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの如き材料が含まれる。
本発明の新規な組成物を経口または注射で投与する目的で添加することができる液体形態には、水溶液、適切な風味のシロップ、水性または油懸濁液、そして食用油、例えば綿実油、ゴマ油、椰子油または落花生油などが用いられている風味付き乳液ばかりでなく、エリキシルおよび同様な製薬学的媒体が含まれる。水性懸濁液用の適切な分散もしくは懸濁剤には、合成および天然のゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンなどが含まれる。
本発明に記述する鬱病を治療する方法は、また、本明細書で定義した如き化合物のいずれかと製薬学的に受け入れられる担体を含んで成る製薬学的組成物を用いることでも実施可能である。この製薬学的組成物の本化合物含有量は約0.1mgから1000mg、好適には約50から500mgの範囲であってもよく、そしてこれを選択した投与様式に適した如何なる形態に構築してもよい。担体には、必要かつ不活性な製薬学的賦形剤が含まれ、これには、これらに限定するものでないが、結合剤、懸濁剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、防腐剤、染料およびコーティングが含まれる。経口投与に適した組成物には、固体形態物、例えばピル、錠剤、カプレット、カプセル[各々に瞬時放出、好機放出および徐放製剤が含まれる]、顆粒および粉末など、そして液状形態物、例えば溶液、シロップ、エリキシル、乳液および懸濁液などが含まれる。非経口投与で用いるに有用な形態物には無菌の溶液、乳液および懸濁液が含まれる。
本発明の化合物は有利に1日1回の投与で投与可能であるか、或は1日当たりの投薬量全体を1日当たり2回、3回または4回に分割した用量で投与することも可能である。更に、本発明の化合物を適切な鼻内媒体を局所的に用いることによる鼻内形態で投与するか或は本分野の通常の技術者に良く知られた経皮皮膚パッチを用いて投与することも可能である。投与を経皮送達系の形態で行う時には、勿論、そのような投与は断続的ではなくむしろ投薬療法全体に渡って連続的であろう。
例えば錠剤またはカプセル形態の経口投与の場合には、本活性薬剤成分を無毒で製薬学的に受け入れられる不活性な経口用担体、例えばエタノール、グリセロール、水などと一緒にしてもよい。その上、望まれるか或は必要な場合には、また、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤をそのような混合物に添加することも可能である。適切な結合剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはベータ−ラクトースなど、コーン甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントなど、またはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。
液状形態には適切な風味の懸濁もしくは分散剤、例えば合成および天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、メチル−セルロースなどを含有させてもよい。非経口投与の場合には無菌の懸濁液および溶液が望まれる。静脈内投与が望まれる場合には一般に適切な防腐剤が入っている等浸透圧性製剤を用いる。
本発明の化合物はこの上に示した組成物のいずれかの状態で鬱病の治療が必要とされている時にはいつでも本技術分野で確立された投薬療法に従って投与可能である。
本製品の1日当たりの投薬量は成人1人当たり0.01から200mg/日に及ぶ幅広い範囲に渡って多様であり得る。経口投与の場合には、本組成物を、好適には、治療を受けさせるべき患者の症状に応じて投薬量を調整して、本有効成分を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250、500および1000ミリグラム含有する錠剤の形態で提供する。通常は、有効量の本薬剤を体重1kg当たり約0.01mg/日から体重1kg当たり約1500mg/日の投薬レベルで供給する。この範囲は好適には体重1kg当たり約0.1から約100.0mg/日、より好適には体重1kg当たり約0.5から約50mg/日、より好適には体重1kg当たり約1.0から約25.0mg/日である。本化合物を1日当たり1から4回の計画で投与してもよい。
本分野の技術者は、本発明の化合物の治療的に有効な投薬量にはてんかん発生を防止、改善、阻止または抑制する臨床的に有意な結果がもたらされるように長期の治療計画内で投薬を繰り返すことが含まれ得ることを認識するであろう。
本分野の技術者は、一般に受け入れられる適切な公知の細胞および/または動物モデルを用いたインビボおよびインビトロ両方の試験が試験化合物が所定疾患の治療または予防で示す能力の予測になることを認識するであろう。本分野の技術者は、更に、健康な患者および/または所定疾患に苦しんでいる患者におけるヒト臨床試験(ヒトに関する用量範囲および効力を初めて示す試験を包含)を臨床および医学技術で良く知られている方法に従って達成することができることも認識するであろう。
有効投薬量の決定は典型的に動物モデル試験に続くヒト臨床試験が基になっており、これは、当該被験体に現れている目標症状または状態の発症およびひどさを有意に軽減する有効な投薬量および投与プロトコルを決定することで導かれる。これに関する適切なモデルには、例えばマウス、ラット、ブタ、ネコ、ヒト以外の霊長類および本技術分野で公知の他の受け入れられる動物モデル被験体が含まれる。別法として、インビトロモデル(例えば免疫学的および組織病理学的検定)を用いて有効な投薬量を決定することも可能である。そのようなモデルを用いて生物学的に活性のある薬剤1種または2種以上を治療的に有効な量で投与する適切な濃度および投薬量(例えば所望の反応を引き出すに鼻内有効、経皮有効、静脈内有効または筋肉内有効量)を決定するに必要な計算および判断は典型的に通常のそれらのみである。
以下に示す実施例は本発明の理解の補助で示すものであり、決して本明細書に示す請求の範囲に挙げる発明を限定することを意図するものでなく、そのように解釈されるべきでない。
((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)スルファミド(化合物番号3)
Figure 2009520037
カテコール(5.09g,46.2ミリモル)および炭酸カリウムをアセトニトリル中で一緒にして還流に1時間加熱した。2−クロロメチル−3−クロロ−1−プロペン(5.78g,46.2ミリモル)を加えた後の反応物を継続して還流下に24時間置いた。その溶液を室温に冷却した後、濾過した。その濾液に蒸発を受けさせ、その残留物を水で希釈した後、ジエチルエーテル(3 x)で抽出した。その有機溶液を一緒にしてMgSOで乾燥させた後、濃縮した。クロマトグラフィー(ヘキサン中2%のエチルエーテル)で3−メチレン−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピンを無色の油として得た。
MS(ESI):163.2(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.94(m,4H),5.07(s,2H),4.76(s,4H).
3−メチレン−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン(5.00g,30.8ミリモル)を無水THF(100mL)に溶解させた。ボラン−THF(THF中1.0M,10.3mL)を0℃で加えた。その反応物を室温で5時間撹拌した。アミノスルホン酸(6.97g,61.6ミリモル)を加えた。その反応物を還流に一晩加熱した。その反応物を室温に冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液(3.0M,100mL)を加えた。その溶液に酢酸エチル(3 x 100mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機溶液を一緒にしてMgSOで乾燥させた。その溶液に濃縮を真空下で受けさせた後、クロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%から8%のメタノール)による精製で((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)アミンを無色の油として得た。
MS(ESI):180.1(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:6.92(m,4H),4.21(m,2H),4.07(m,2H),3.33(幅広,2H),3.16(d,J=4Hz,1H),2.72(d,J=4Hz,1H),2.30(m,1H).
((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)アミン(2.90g,16.2ミリモル)およびスルファミド(3.11g,32.4ミリモル)を無水ジオキサン(60ml)中で一緒にして還流に一晩加熱した。クロロホルムを加えた後、沈澱物を濾過で除去した。その濾液に濃縮を真空下で受けさせた後、クロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%から8%のアセトン)による精製で表題の化合物をオフホワイトの固体として得た。
258.8(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:6.92(m,4H),6.71(幅広,1H),6.59(幅広,2H),4.19(m,2H),4.04(m,2H),3.00(m,2H),2.39(m,1H).
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号1)
Figure 2009520037
ラセミ型2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イルメチルアミン(4.4g,26ミリモル)およびスルファミド(5.1g,53ミリモル)を1,4ジオキサン(100mL)中で一緒にして2時間還流させた。その反応物を室温に冷却し、濾過で固体を少量取り出した後、廃棄した。その濾液に蒸発を真空下で受けさせた後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:メタノール−10:1)で精製することで白色の固体を得た。その固体をDCMから再結晶化させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
融点:97.5-98.5°C
元素分析:
計算分析値: C,44.25;H,4.95;N,11.47;S,13.13
測定分析値: C,44.28;H,4.66;N,11.21;S,13.15
NMR(DMSO d6)δ6.85(m,4H),6.68(bd s,3H,NH),4.28(m,2H),3.97(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.20(m,1H),3.10(m,1H).
(ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号2)
Figure 2009520037
カテコール(10.26g,93.2ミリモル),ナトリウムメトキサイド(メタノール中25重量%,40.3g,186ミリモル)およびジクロロ酢酸メチル(13.3g,93.2ミリモル)を無水メタノール(100mL)中で一緒にした。その溶液を還流に一晩加熱した。その反応物を室温に冷却し、濃塩酸を添加して酸性にした後、真空下で体積を約50mLにまで小さくした。水を加えた後の混合物にジエチルエーテル(3 x 100mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機溶液を一緒にしてMgSOで乾燥させ、濃縮して褐色の固体を得た後、クロマトグラフィー(ヘキサン中2%の酢酸エチル)にかけることでベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸メチルエステルを無色の油として得た。
MS(ESI):195.10(M+H).
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.89(幅広,4H),6.29(s,1H),4.34(q,J=7Hz,2H),1.33(t,J=7Hz,3H).
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸メチルエステル(7.21g,40.0ミリモル)に水酸化アンモニウム(水中29%,10mL)およびアセトニトリルを混合物が均一になるに充分な量(〜5mL)で加えた。その溶液を室温で2時間撹拌した後、蒸留水を加えた。ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸アミドが白色の固体として沈澱し、それを濾過で集めた後、さらなる精製無しに用いた。
MS(ESI):160.00(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:7.99(s,幅広,1H),7.72(s,幅広,1H),6.94(m,2H)6.86(m,2H),6.30(s,1H).
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸アミド(5.44g,32.9ミリモル)をテトラヒドロフラン(THF,100mL)に溶解させた。水素化リチウムアルミニウム(LAH,THF中1M,39.5mL,39.5ミリモル)を室温の前記溶液にゆっくり加えた。その反応物を室温で24時間撹拌した。蒸留水を添加することで余分なLAHを分解させた。水酸化ナトリウム水溶液(3.0M,100mL)を加えた後の溶液に酢酸エチル(3 x 100mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機溶液を一緒にして水で洗浄した後、MgSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させることでC−ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イル−メチルアミンを無色の油として得た。
MS(ESI):152.1(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.87(m,4H),6.09(t,J=4Hz,1H),3.13(d,J=4Hz,2H)
C−ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イル−メチルアミン(2.94g,19.4ミリモル)およびスルファミド(3.74g,38.9ミリモル)を無水ジオキサン(50mL)中で一緒にした後、その溶液を還流に一晩加熱した。その反応物に濃縮を受けさせた後、その残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%から10%のアセトン)にかけることで表題の化合物を白色の固体として得た。
MS(ESI):230.0(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.87(m,4H),6.25(t,J=4Hz,1H),4.79(幅広,1H),4.62(幅広,1H),3.64(d,J=4Hz,2H).
(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号4)
Figure 2009520037
カテコール(13.2g,0.12モル)および炭酸カリウム(16.6g,0.12モル)をDMF(250mL)に入れて撹拌しながらこれに(2R)−グリシジルトシレート(22.8g,0.10モル)を加えた後、その反応物を60℃で24時間撹拌した。その反応物を室温に冷却し、氷水(1L)で希釈した後、ジエチルエーテルで抽出(4回)した。その有機溶液を一緒にして10%の炭酸カリウムで3回,水で1回そして食塩水で1回洗浄した後、真空下で蒸発させることで白色の固体を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:メタノール-50:1)で精製することで((2S)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メタノールを固体として得た。
その固体(13.3g,68ミリモル)をピリジン(85mL)に溶解させ、0℃に冷却し、p−トルエンスルホニルクロライド(13.0g,68ミリモル)を加えた後、その反応混合物を室温で20時間撹拌した。その反応物をジエチルエーテル(1L)および1N HCl(1.2L)で希釈した。その有機層を分離し、1N HCl(500mL)で2回,水(150mL)で4回そして食塩水で1回洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることで白色の固体を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hept:EA-2:1)で精製することでトルエン−4−スルホン酸(2S)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステルを白色の固体として得た。
その白色の固体とカリウムフタルイミド(14.4g,78ミリモル)をDMF(250mL)中で一緒にして還流に1時間加熱し、室温に冷却し、激しく撹拌している水(1.5L)の中に注ぎ込んだ後、撹拌を30分間実施した。白色の固体を濾過で取り出し、その固体を水で数回,2% NaOH,そして再び水で洗浄した後、空気中に放置して乾燥させることで(2S)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオンを白色粉末状固体として得た。
その粉末状の白色固体とヒドラジン(2.75g,86ミリモル)をEtOH(225mL)中で一緒にして還流に2時間加熱し、室温に冷却し、1N HClを添加してpH1.0にした後、撹拌を15分間実施した。白色の固体を濾過で取り出し、新鮮なEtOHで洗浄し(固体を廃棄)た後、その濾液に蒸発を真空下で受けさせることで固体を得て、それをジエチルエーテルと希NaOH水溶液の間で分離させた。そのジエチルエーテル溶液を乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで明黄色の油を得た。その油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH-10:1)で精製することで油を得た。その油の一部(4.82g,29ミリモル)を2−プロパノール(250mL)に入れて1N HCl(30mL)で処理し、蒸気浴上で均一になるまで加熱した後、室温になるまで冷却した。3時間後の混合物を氷で2時間冷却した。薄片状の白色固体((2S)−C−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの相当するHCl塩)を濾過で取り出した後、2−プロパノールを用いて再び再結晶化させることで白色の固体を得た。
[α]=−69.6(c=1.06,EtOH)
その白色の固体をDCMと希NaOHの間で分離させ、そのDCMを乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで(2S)−C−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを油として得た。
[α]=−57.8(c=1.40,CHCl
その油(2.1g,12.7ミリモル)およびスルファミド(2.44g,25.4ミリモル)をジオキサン(75mL)に入れて2時間還流させた後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 10:1)で精製することで白色の固体を得て、それをDCMから再結晶化させることで表題の化合物を結晶性の白色固体として得た。
融点102−103℃
[α]=−45.1°(c=1.05,M);
H NMR(DMSOd6)δ6.86(m,4H),6.81(bd s,3H,NH),4.3(m,2H),3.97(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.20(dd,J=5.5,13.7Hz,1H),3.10(dd,J=6.9,13.7Hz,1H)
元素分析:
計算分析値: C,44.25;H,4.95;N,11.47;S,13.13
測定分析値: C,44.20;H,4.69;N,11.40;S,13.22.
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−N’,N’ジメチルスルファミド(化合物番号6)
Figure 2009520037
ラセミ型2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イルメチルアミン(8.25g,5.0ミリモル)およびトリエチルアミン(1.52g,15ミリモル)をDMF(10mL)中で一緒にして氷浴内で冷却しながらこれにジメチルスルファモイルクロライド(1.44g,10ミリモル)を加えた。次に、その反応混合物を継続して冷却しながら3時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルと水の間で分離させ、その酢酸エチル溶液を食塩水で洗浄し,乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることで油を得た。その油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘプタン−1:1)で精製することで白色の固体を得て、それを再結晶化(酢酸エチル/ヘキサン)させることで表題の化合物を綿状の白色固体として得た。
融点76-78℃
MS 273(MH
元素分析:
計算分析値: C,48.52;H,5.92;N,10.29;S,11.78
測定分析値: C,48.63;H,5.62;N,10.20;S,11.90
H NMR(CDCl)δ6.87(m,4H),4.59(bd m,1H,NH),4.35(m,1H),4.27(dd,J=2.3,11.4Hz,1H),4.04(dd,J=7.0,11.4,1H),3.36(m,2H),2.82(s,6H).
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−N−メチルスルファミド(化合物番号7)
Figure 2009520037
ラセミ型2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イルメチルアミン(825mg,5ミリモル)を蟻酸エチル(15mL)に溶解させ、30分間還流させた後、真空下で蒸発させることでN−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ホルムアミドを油として得た。
その油をジエチルエーテル(25mL)に入れて0℃でTHF中1MのLAH(9.0mL,9.0ミリモル)で処理した後、室温で5時間撹拌した。その反応物を氷浴内で冷却しながら水(0.50mL)に続いて3N NaOH(0.50mL)そして水(0.50mL)で反応を消滅させた。次に、その混合物を室温で1時間撹拌した。固体を濾過で除去し、その濾液に真空下の蒸発を受けさせることで残留物を得て、それを1N HClとジエチルエーテルの間で分離させた。その水相を1N NaOHで塩基性にした後、ジエチルエーテルを用いた抽出を実施した。その有機相を乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることで(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−メチル−アミンを油として得た。
MS 180(MH
H NMR(CDCl)δ6.85(m,4H),4.30(m,2H),4.02(dd,J=7.9,11.6Hz,1H),2.85(m,2H),2.50(s,3H)
その油(380mg,2.1ミリモル)およびスルファミド(820mg,8.5ミリモル)をジオキサン(15mL)中で一緒にして1.5時間還流させた後、真空下で蒸発させることで粗残留物を得た。その残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン 1:1)で精製し、その結果として得た固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
融点97−98℃
MS 257(M−1
元素分析:
計算分析値: C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
測定分析値: C,46.48;H,5.65;N,10.90;S,12.07
H NMR(CDCl)δ6.86(m,4H),4.52(bs,2H),4.46(m,1H),4.29(dd,J=2.3,11.5Hz,1H),4.05(dd,J=6.5,11.5Hz,1H),3.51(dd,J=6.7,14.9Hz,1H),3.40(dd,J=5.9,14.9Hz,1H),2.99(s,3H).
(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号8)
Figure 2009520037
前記実施例4に概略を示した手順に従い、4−クロロカテコールを反応させることで(2S)−C−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンと(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの混合物(RP HPLCで6−クロロ:7−クロロ異性体が約3:1の比率)を得た。
その混合物を2−プロパノール(100mL)に溶解させた後、ジエチルエーテル中1NのHClをpH=1.0になるまで加えた。沈澱してきた塩酸塩を濾過で取り出し(2.65g)た後、メタノール/IPAを用いた再結晶化を実施することで白色の結晶を得た。その白色の結晶をDCMと希NaOHの間で分離させた。そのDCMを乾燥させた後、真空下で蒸発させることで精製された(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを油として得た。
[α]=−67.8(c=1.51,CHCl
その油(7.75ミリモル)およびスルファミド(1.50g,15.5ミリモル)をジオキサン(50mL)中で一緒にして2.0時間還流させ、室温に冷却した後、真空下で蒸発させることで固体を得た。生成物をDCM/メタノール(20:1)を用いたフラッシュカラムで精製することで表題の化合物を白色の固体として得た。
MS 277(M−1
[α]=−59.9°(c=1.11,M)
H NMR(CDCl)δ6.90(d,J=2.2Hz,1H),6.81(m,2H),4.76(m,1H),4.55(s,2H),4.40(m,1H),4.29(dd,J=2.4,11.5Hz,1H),4.05(dd,J=7.1,11.5Hz,1H),3.45(m,2H)
元素分析:
計算分析値: C,38.78;H,3.98;N,10.05
測定分析値: C,38.80;H,3.67;N,9.99.
この上で調製した(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの結晶化塩酸塩の濾液を回収(6−クロロ:7−クロロ異性体が約1:1)した後、真空下で蒸発させることで固体を得て、それをDCM(200mL)と希NaOH(0.5M,50mL)の間で分離させた。そのDCM溶液を食塩水で1回洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで油を得て、それを逆相HPLC[TFAが0.20%の水中10-50% ACN(TFAが0.16%)]で精製することで(2S)−C−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを残留物として得た。
その残留物とスルファミド(0.90g,9.4ミリモル)をジオキサン(25mL)中で一緒にして2.5時間還流させ、室温に冷却した後、真空下で蒸発させることで油を得た。その油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール-10:1を使用)で精製することで(2S)−(−)−N−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドを白色の固体として得た。
MS 277(M−1
H NMR(CDCl/CDOD)δ6.88(d,J=0.7Hz,1H),6.81(m,2H),4.37(m,1H),4.30(dd,J=2.3,11.6Hz,1H),4.04(dd,J=7.0,11.6Hz,1H),3.38(m,2H).
クロマン−2−イルメチルスルファミド(化合物番号10)
Figure 2009520037
クロマン−2−カルボン酸(4.5g,25ミリモル)およびHOBT(3.86g,25ミリモル)をDCM(40mL)とDMF(10mL)中で一緒にした。ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド(EDC,4.84g,25ミリモル)を室温で加えた後の反応混合物を30分間撹拌した。水酸化アンモニウム(2.26mL,33.4ミリモル)を加えた後の反応混合物を16時間撹拌した。その反応混合物をDCM(50mL)および水(50mL)で希釈した後、その混合物のpHを1N HClで約pH=3.0に調整した。そのDCMを分離した後、その水相にDCMを用いた抽出を2回受けさせた。そのDCM相を一緒にして乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで油を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することで油を得た。
その油(5.35g,30ミリモル)をTHF(90mL)に入れて撹拌しながらこれにTHF中1MのLAH(36mL,36ミリモル)を加えた後、その反応混合物を室温で20時間撹拌した。水で反応を消滅させ、撹拌を2時間実施し、その溶液を傾斜法で取り出し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることでC−クロマン−2−イル−メチルアミンを油状アミンとして得た。
その油状アミン(1.63g,10ミリモル)およびスルファミド(1.92g,20ミリモル)をジオキサン(50mL)中で一緒にして2時間かけて還流にした。その溶液を冷却した後、真空下で蒸発させることで油を得て、それをカラムクロマトグラフィー(DCM:メタノール 10:1)で精製することで白色の固体を得た。その固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることでクロマン−2−イルメチルスルファミドを白色の固体として得た。
融点100−101℃
MS 241(M−1
元素分析:
計算分析値: C,49.57;H,5.82;N,11.56;S,13.23
測定分析値: C,49.57;H,5.80;N,11.75;S,13.33.
2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−エチルスルファミド(化合物番号16)
Figure 2009520037
シアン化カリウム(2.05g,31.5ミリモル)をDMSO(90mL)に入れておいた2−ブロモメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)(6.87g,30ミリモル)に加えた後、周囲温度で20時間撹拌した。次に、その反応混合物を水(250mL)で希釈した後、ジエチルエーテルを用いた抽出を2回実施した。そのジエチルエーテルを水で洗浄した後、食塩水で2回洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで2−シアノメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)を白色の固体として得た。
H NMR(CDCl)δ6.89(m,4H),4.50(m,1H),4.31(dd,J=2.3,11.5Hz,1H),4.08(dd,J=6.2,11.6Hz,1H),2.78(d,J=6.1,Hz,2H)
その2−シアノメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)をTHF(50mL)に溶解させ、THF中1MのBH(80mL,80ミリモル)を加え、その反応混合物を5時間還流させた後、周囲温度で16時間撹拌した。氷浴で冷却しながら2N HClをpH=1.0になるまで加えた。次に、その反応混合物を室温で1時間撹拌した後、真空下で蒸発させることで油を得た。その油を3N NaOHとジエチルエーテルの間で分離させ、そのジエチルエーテル溶液を食塩水で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで粗2−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)エチルアミンを得た。
MS(M+H) 180.
その粗2−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)エチルアミンをジオキサン(100mL)に入れてスルファミド(3.0g,31ミリモル)と一緒にした後、還流に2時間加熱した。その溶液を冷却した後、真空下で蒸発させることでオレンジ色の固体を得て、それをカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH−10:1)で精製することで白色の固体を得た。その固体をDCMから再結晶化させることで表題の化合物を固体として得た。
MS(M−1)257
融点101-103℃(corr)
H NMR(CDCl):δ6.86(m,4H),4.70(m,1H),4.52(s,2H),4.30(m,2H),3.94(dd,J=7.4,11.3Hz,1H),3.43(dd,J=6.4,12.9Hz,2H),1.94(dd,J=6.5,12.9,2H).
元素分析:
測定値: C,46.48;H,5.60;N,10.81;S,12.41
計算値: C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
(2S)−(−)−N−(6,7ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号29)
Figure 2009520037
4,5ジクロロアテコール(8.6g,48ミリモル)および炭酸カリウム(6.64g,48ミリモル)をDMF(200mL)に入れて撹拌した。(2R)−グリシジルトシレート(9.12g,40ミリモル)を加えた後の反応混合物を60℃で24時間撹拌した。その反応混合物を室温に冷却した後、氷水(600mL)で希釈し、そしてジエチルエーテルを用いた抽出(4回)を実施した。その有機溶液を一緒にして10%の炭酸カリウムで3回、食塩水で2回洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることで(2S)−2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)メタノールの粘性のある油を得た。
その(2S)−2−(6,7ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)メタノール油(6.4g,27ミリモル)をピリジン(50mL)に溶解させて0℃に冷却した。次に、p−トルエンスルホニルクロライド(5.2g,27ミリモル)を加えた後の反応混合物を室温で20時間撹拌した。その反応混合物をジエチルエーテルおよび1N HCl(750mL)で希釈し、その有機層を分離し、1N HCl(250mL)で2回、水(150mL)で1回、食塩水で2回洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることでトルエン−4−スルホン酸(2S)−6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステルの明黄色固体を得た。
H NMR(CDCl3):δ7.79(d,J=8.3Hz,2H),7.36(d,J=8.0Hz,2H),6.94(s,1H),6.83(s,1H),4.37(m,1H),4.2(m,3H),4.03(dd,J=6.3,11.7Hz,1H),2.47(s,3H).
トルエン−4−スルホン酸(2S)−6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステル(8.0g,20.5ミリモル)とカリウムフタルイミド(6.1g,33ミリモル)をDMF(75mL)中で一緒にして還流に1時間加熱し、室温に冷却し、激しく撹拌している水(0.5L)の中に注ぎ込んだ後、撹拌を30分間実施した。白色の固体を濾過で取り出し、その固体を水で数回、2% NaOHそして再び水で洗浄した後、空気中で乾燥させることで(2S)−2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(6.0g,80%)を白色粉末状固体として得た。
その白色粉末状固体とヒドラジン(1.06g,33ミリモル)をEtOH(80mL)中で一緒にして還流に2時間加熱した後、室温に冷却した。1N HClを加えて反応混合物のpHをpH1.0に調整した後、その反応混合物を15分間撹拌した。白色の固体を濾過で取り出し、新鮮なEtOHで洗浄し(固体を廃棄)た後、その濾液に蒸発を真空下で受けさせることで固体を得て、それをジエチルエーテルと希NaOH水溶液の間で分離させた。そのジエチルエーテル溶液を乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで(2S)−2−アミノメチル−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)の粘性のある油を得た。
H NMR(CDCl3):δ6.98(s,1H),6.96(s,1H),4.25(dd,J=2.0,11.2Hz,1H),4.15(m,1H),4.0(m,1H),2.97(d,J=5.5Hz,2H)
その油の一部(3.8g,16ミリモル)とスルファミド(3.1g,32.4ミリモル)をジオキサン(100mL)に入れて2時間還流させた後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 20:1)で精製することで表題の化合物を白色の固体として得て、それを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることで表題の化合物を結晶性の白色固体として得た。
MS[M−H]−311.0
融点119−121℃
[α]=−53.4°(c=1.17,M)
H NMR(DMSOd6):δ7.22(s,1H),7.20(s,1H),6.91(bd s,1H),6.68(bd s,2H),4.35(m,2H),4.05(dd,J=6.5,11.5Hz,1H),3.15(m,2H)
元素分析:
元素分析:
測定値: C,34.52;H,3.22;N,8.95;Cl,22.64;S,10.24
計算値: C,34.64;H,2.68;N,8.87;Cl,22.94;S,10.35.
(2S)−(−)−N−(7−アミノ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号36)
Figure 2009520037
(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−7−ニトロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(1.2g,4.15ミリモル)の調製を4−ニトロカテコールを用いて実施例4に概略を示した方法に従って実施した。次に、その(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−7−ニトロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドと10% Pd/Cをメタノール(120mL)中で一緒にした後、水素雰囲気(39psi)下室温で3時間振とうした。固体を濾過で取り出し、DCM中10%のMで洗浄した後、その濾液に真空下の蒸発を受けさせることで粗生成物を得た。その粗生成物を0.2N HCl(25mL)に溶解させた後、凍結乾燥させることで表題の化合物を相当する塩酸塩として薄片状の白色固体として得た。
MS(M+H) 260
H NMR(DMSO d6):δ10.2(bd s,3H),6.86(m,1H),6.85(s,1H),6.74(dd,J=2.5,8.4Hz,1H),4.22(m,2H),3.88(dd,J=6.7,11.4Hz,1H),3.04(m,2H)
(2S)−(−)−N−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号19)
Figure 2009520037
表題の化合物の調製を前記実施例4に記述した手順に従うが4−メチルカテコールを用いて出発することで白色の固体を得て、それを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
MS[M−H]257
H NMR(CDCl3):δ6.76(m,1H),6.66(m,2H),4.80(m,1H),4.57(bd s,1H),4.40(m,1H),4.28(m,1H),4.03(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.45(m,2H),2.25(s,3H).
元素分析
計算値: C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
測定値: C,46.65;H,5.60;N,10.84;S,12.61.
インビボへんとう核キンドリング検定
へんとう核キンドリングの発生は確立されたてんかん発生モデルである(Amano K,Hamada K,Yagi K,Seino M.Antiepileptic effects of topiramate on amygdaloid kindling in rats.Epilepsy Res.1998年7月;31(2):123−8;Barton ME,White HS.The effect of CGX−1007 and CI−1041,novel NMDA receptor antagonists,on kindling acquisition and expression.Epilepsy Res.2004 Mar;59(1):1−12;Loscher W,Honack D,Rundfeldt C.Antiepileptogenic effects of the novel anticonvulsant levetiracetam(ucb L059)in the kindling model of temporal lobe epilepsy.J Pharmacol Exp Ther.1998年2月;284(2):474−9;McNamara JO.Analyses of the molecular basis of kindling development.Psychiatry Clin Neurosci.1995年6月;49(3):S175−8.Review.;Morimoto K,Katayama K,Inoue K,Sato K.Effects of competitive and noncompetitive NMDA receptor antagonists on kindling and LTP.Pharmacol Biochem Behav.1991年12月;40(4):893−9;Racine,R.J.1972.Modification of seizure activity by electrical stimulation.II.Motor seizure.Electroencephalogr.Clin.Neurophysiol.32,281−294).部分てんかんのキンドルド(kindled)ラットモデルは受け入れられるてんかん発生モデルである(McNamara JO.Analyses of the molecular basis of kindling development.Psychiatry Clin Neurosci.1995年6月;49(3):S175−8.Review.).
簡単に述べると、この検定の手順は下記の通りであった。体重が250−300gの範囲のオス成Sprague−DawleyラットをCharles River,Wilmington,MAから入手した。あらゆる動物を12:12の明暗サイクル下のケージに入れて餌(Prolab RMH 3000)および水の両方をそれらをホームケージから実験手順の目的で取り出す時以外は自由に摂取できるようにした。動物の世話を有害生物が存在しない温度を管理した施設の中でNational Research Council Publication,“Guide for the Care and Use of Laboratory Animals”に詳述されている推奨におおよそ一致した様式で実施した。如何なる日内変動も回避する目的でキンドリング刺激を9 AM-2 PMの間に常規通り実施した。
化合物番号8を少量の0.5%メチルセルロースに入れて磨り潰し、10分間音波処理した後、0.5%のメチルセルロースで最終体積にした。化合物番号8を体重10g当たり0.04mlの量で全身(i.p.)投与し、そしてi.p.投与してから0.5時間後の前以て決めておいたピーク効果時にあらゆる試験を実施した。
化合物番号8がへんとう核キンドルド発作の発生を遮断する能力を下記のようにして測定した。ラットにケタミン(120mg/kg,i.p.)とキシラジン(12mg/kg,i.p.)の混合物で麻酔をかけた。無菌条件下で双極電極(Plastic One,Roanoke,VA)を右基底外側へんとう核の中に定位移植した(AP−2.2,ML−4.7,DV−8.7;PaxinosおよびWatson)。前部−後部および側部測定をブレグマから実施する一方、背腹測定を頭蓋骨表面から実施した。無菌の頭蓋骨用ねじ(3−4)を普通の基準電極として移植した。電極を歯科用セメントおよびアクリル樹脂で固定した。次に、無菌の18/8 Michel縫合用クリップ(Roboz,Gaithersburg,MD)で傷口を閉じた。抗生物質であるネオマイシン軟膏を前記創傷に塗布し、1回分のペニシリン(60,000IU,im,AgriLabs)を各ラットに投与した後、手術後回復の目的でそれらを奇麗なケージに戻して1週間入れておいた。
次に、へんとう核キンドリングを下記のプロトコルに従って実施した。記録用チャンバに短時間(<5分)慣れさせた後、ベースラインのEEG記録を得た(MP100,Biopac Systems Inc.,Goleta,CA)。次に、ラットに無作為に媒体(0.5%のメチルセルロース)または化合物番号8(75mg/kg,i.p.)のいずれかを与えた(n=10匹のラット/グループ)。検定日、へんとう核刺激(200μAで2秒間)を行う30分前に化合物番号8または0.5%のメチルセルロースの1回分を投与した。行動的発作スコアおよびAD持続時間を各処置グループのラット毎に記録した。行動的発作スコアをRacineスケール;即ち0=反応無し;段階1=グルーミング/多動性;段階2=点頭/振戦;段階3=片側前肢クローヌス;段階4=立ち上がりを伴うクローヌス;および段階5=立ち上がりと転倒を伴う全身性強直−慢性発作(Racine,1972)を用いて決定した。放電後(AD)活性を刺激トレイン(train)から180秒間に及んで数字的に記録しかつ一次ADの持続期間を測定した。ラットが段階4または5の全身性発作を連続的に5回示した時にはそれらが完全なキンドリングを起こしたと見なした。3グループ全部のラットに毎日刺激を連続13日間に及んで媒体処置グループのラットが完全なキンドリング(即ち段階4または5の発作を連続的に5回)を起こすまで継続して与えた。この時点であらゆるラットを1週間の刺激も薬剤も与えない期間に入らせ、その後、それらに取得段階(即ち1−13日)中に用いた刺激と同じ刺激を用いた再チャレンジを薬剤の存在無しに受けさせた。その後、化合物番号8で処置したラットに刺激をそれらが完全キンドルド状態に到達するまで日に1回ずつ与えた。
媒体処置および化合物番号8処置グループの両方とも放電後(AD)持続期間は、キンドリング取得段階の過程全体に渡って進行的増加を示した。処置グループ間の統計学的差は全く観察されなかった。
化合物番号8は、完全な全身性キンドルド発作の取得を防止した。このような結論は、薬剤も刺激も与えない期間が終了した時の発作スコアが媒体処置グループのラットが示したそれよりも有意に低いままであることを確認したことが基になっている(化合物番号8=1.4±0.40と対比して媒体=4.6±0.24)。加うるに、ラットに刺激を薬剤の存在無しに与えると、化合物媒体8処置グループのラットが示した発作スコアが媒体処置ラットで観察したそれと平行な速度で高くなり、このことは、化合物番号8がキンドリングの取得を数日間遅らせると言った結論を裏付けしている。
この検定の結果は、化合物番号8が部分てんかんのへんとう核キンドルドラットモデルにおけるキンドリングの発生を改善する能力を有することを立証している。このような結果は、化合物番号8が病気を改善する効果を有すると言った結論と一致している。このような結論は、化合物番号8処置グループのラットでは薬剤も刺激も与えない期間が終了した時点の発作スコアが媒体処置ラットのそれよりも有意に低いままであると言ったことを見いだしたことが基になっている。その上、刺激プロトコルを薬剤の存在無しに再開すると発作スコアが媒体処置グループのそれと平行した速度で進行した。
本化合物で処置したグループでは刺激も薬剤も与えない1週間から1週間が経過した後の発作スコア[放電後持続期間(ADD)ではなく]が媒体処置グループのそれよりも顕著に低いことを見いだしたことは、化合物番号8が二次的な全身性発作の取得を防止するが限局性発作は防止しないことを示唆している。
経口用組成物の具体的態様として、実施例7に示したようにして調製した化合物番号8を100mg用いて、これをサイズOのハードゲルカプセルを満たす総量である580から590mgになるに充分な量の微細ラクトースと一緒に配合する。
この上に示した明細に説明の目的で与えた実施例を伴わせて本発明の原理を教示してきたが、本発明の実施は本請求項およびこれらの相当物の範囲内に入る如き通常の変形、応用形および/または修飾形の全部を包含することは理解されるであろう。

Claims (22)

  1. てんかん発生を治療する方法であって、抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要としている患者に式(I)
    Figure 2009520037
    [式中、
    およびRは、各々独立して、水素および低級アルキルから成る群から選択され;
    は、水素および低級アルキルから成る群から選択され;
    aは、1から2の整数であり;
    Figure 2009520037
    から成る群から選択され、ここで、
    bは0から4の整数であり;そしてcは0から2の整数であり;
    各Rは、独立して、ハロゲン,低級アルキルおよびニトロから成る群から選択されるが;但し
    Figure 2009520037
    の時にはaが1であることを条件とする]
    で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩を治療的に有効な量で投与することを含んで成る方法。
  2. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、RおよびRが各々独立して水素および低級アルキルから成る群から選択され;
    が水素および低級アルキルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 2009520037
    から成る群から選択され、ここで、
    bが0から2の整数であり;そしてcが0から1の整数であり;
    各Rが独立してハロゲン,低級アルキルおよびニトロから成る群から選択されるが;但し
    Figure 2009520037
    の時にはaが1であることを条件とする;
    請求項1記載の方法。
  3. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、RおよびRが各々独立して水素および低級アルキルから成る群から選択され;
    が水素および低級アルキルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 2009520037
    から成る群から選択され、ここで、
    bが0から2の整数であり;そしてcが0であり;
    各Rが独立してハロゲン,低級アルキルおよびニトロから成る群から選択されるが;但し
    Figure 2009520037
    の時にはaが1であることを条件とする;
    請求項2記載の方法。
  4. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、RおよびRが各々独立して水素および低級アルキルから成る群から選択され;
    が水素およびメチルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 2009520037
    が2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]ジオキセピニル),2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(クロマニル),2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(2,3−ジヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]ジオキシニル)および2−(4−メチル−ベンゾ[1,3]ジオキソリル)から成る群から選択されるが、但し
    Figure 2009520037
    が2−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]ジオキセピニル)の時にはaが1であることを条件とする;
    請求項3記載の方法。
  5. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、RおよびRが各々独立して水素およびメチルから成る群から選択され;
    が水素およびメチルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 2009520037
    が2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択される;
    請求項4記載の方法。
  6. 前記式(I)で表される化合物を(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択する請求項1記載の方法。
  7. 前記患者が抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要とする素因1種または2種以上がCNSに対するいずれかの種類の損傷または外傷;脳外科的処置,CNS損傷の危険性のある活動,例えば戦闘,オートレースまたは競馬およびコンタクトスポーツ(ボクシングを包含);脊髄外傷;CNSの感染;酸素欠乏症;脳卒中(CVA);一過性脳虚血発作(TIA)の病歴;頸動脈狭窄症;アテローム硬化性血管疾患の病歴;肺動脈塞栓の病歴;抹消血管障害;CNSに影響を与える自己免疫病、例えば狼瘡;分娩外傷、例えば周生期仮死;心停止;治療または診断血管手術、例えば頸動脈血管内膜切除術または脳血管造影;低血圧;塞栓,過または低かん流によるCNSの損傷;低酸素症;AEGDに反応することが知られている障害に対する既知遺伝性素因;CNSの空間占拠性障害;脳腫瘍、例えばグリア芽腫;CNSの中または回りの出血または大出血、例えば脳内出血または硬膜下血腫;脳浮腫;熱性けいれん;異常高熱;毒または有毒物への接触;薬物中毒または離脱症状、例えばコカイン,メタンフェタミンまたはアルコールに対するそれら;下記の家族歴;発作性疾患またはてんかん関連発作様神経障害または発作関連障害,てんかん重積病歴;発作閾値を下げる薬剤、例えば炭酸リチウム,ソラジンまたはクロザピンなどを用いた現在実施中の治療;代理マーカーまたはバイオマーカーによって患者が抗てんかん発生薬による治療を必要とすると言った証拠、例えばMRIスキャンが海馬硬化を示すと言った証拠、血清中の神経細胞分解生成物濃度が高いと言った証拠、毛様体神経栄養因子(CNTF)の濃度が高いと言った証拠またはEEGが発作性疾患またはてんかん関連発作様神経障害または類似発作関連障害を示唆すると言った証拠などから成る群から選択される請求項1記載の方法。
  8. 前記患者が抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要とする素因1種または2種以上が閉鎖性または貫通性頭部外傷;脳外科的処置,頸動脈狭窄症,脳卒中または他の脳血管障害(CVA);てんかん重積症およびCNSの空間占拠性障害から成る群から選択される請求項1記載の方法。
  9. 前記素因1種または2種以上が閉鎖性頭部外傷または貫通性頭部外傷または脳外科的処置である請求項1記載の方法。
  10. 前記素因1種または2種以上が脳卒中,他の脳血管障害(CVA),頸動脈狭窄の存在または一過性脳虚血発作である請求項1記載の方法。
  11. 前記素因がてんかん重積症である請求項1記載の方法。
  12. てんかん発生を治療する方法であって、抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要としている患者に(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択した化合物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る方法。
  13. 前記患者が抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要とする素因1種または2種以上がCNSに対するいずれかの種類の損傷または外傷;脳外科的処置,CNS損傷の危険性のある活動,例えば戦闘,オートレースまたは競馬およびコンタクトスポーツ(ボクシングを包含);脊髄外傷;CNSの感染;酸素欠乏症;脳卒中(CVA);一過性脳虚血発作(TIA)の病歴;頸動脈狭窄症;アテローム硬化性血管疾患の病歴;肺動脈塞栓の病歴;抹消血管障害;CNSに影響を与える自己免疫病、例えば狼瘡;分娩外傷、例えば周生期仮死;心停止;治療または診断血管手術、例えば頸動脈血管内膜切除術または脳血管造影;低血圧;塞栓,過または低かん流によるCNSの損傷;低酸素症;AEGDに反応することが知られている障害に対する既知遺伝性素因;CNSの空間占拠性障害;脳腫瘍、例えばグリア芽腫;CNSの中または回りの出血または大出血、例えば脳内出血または硬膜下血腫;脳浮腫;熱性けいれん;異常高熱;毒または有毒物への接触;薬物中毒または離脱症状、例えばコカイン,メタンフェタミンまたはアルコールに対するそれら;下記の家族歴;発作性疾患またはてんかん関連発作様神経障害または発作関連障害,てんかん重積病歴;発作閾値を下げる薬剤、例えば炭酸リチウム,ソラジンまたはクロザピンなどを用いた現在実施中の治療;代理マーカーまたはバイオマーカーによって患者が抗てんかん発生薬による治療を必要とすると言った証拠、例えばMRIスキャンが海馬硬化を示すと言った証拠、血清中の神経細胞分解生成物濃度が高いと言った証拠、毛様体神経栄養因子(CNTF)の濃度が高いと言った証拠またはEEGが発作性疾患またはてんかん関連発作様神経障害または類似発作関連障害を示唆すると言った証拠などから成る群から選択される請求項12記載の方法。
  14. 前記患者が抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要とする素因1種または2種以上が閉鎖性または貫通性頭部外傷;脳外科的処置,頸動脈狭窄症,脳卒中または他の脳血管障害(CVA);てんかん重積症およびCNSの空間占拠性障害から成る群から選択される請求項12記載の方法。
  15. 前記素因1種または2種以上が閉鎖性頭部外傷または貫通性頭部外傷または脳外科的処置である請求項12記載の方法。
  16. 前記素因1種または2種以上が脳卒中,他の脳血管障害(CVA),頸動脈狭窄の存在または一過性脳虚血発作である請求項12記載の方法。
  17. 前記素因がてんかん重積症である請求項12記載の方法。
  18. てんかん発生を治療する方法であって、抗てんかん発生薬(AEGD)による治療を必要としている患者に式(II)
    Figure 2009520037
    で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩を治療的に有効な量で投与することを含んで成る方法。
  19. 前記患者が前記投与時にてんかんを発症していない請求項1記載の方法。
  20. 前記患者が前記投与時にてんかんを発症する危険性がある請求項1記載の方法。
  21. 前記患者が前記投与時にてんかんを発症していない請求項12記載の方法。
  22. 前記患者が前記投与時にてんかんを発症する危険性がある請求項12記載の方法。
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